JPH04343766A - ポリエステル系繊維用処理剤 - Google Patents

ポリエステル系繊維用処理剤

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JPH04343766A
JPH04343766A JP13842091A JP13842091A JPH04343766A JP H04343766 A JPH04343766 A JP H04343766A JP 13842091 A JP13842091 A JP 13842091A JP 13842091 A JP13842091 A JP 13842091A JP H04343766 A JPH04343766 A JP H04343766A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系繊維に
耐洗濯性に優れた親水性、帯電防止性及び防汚性を付与
し、繊維の柔軟性を保持するポリエステル系繊維用処理
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系繊維は、優れた特性を有
するために、下着及び外着等の衣料用からシーツ及び敷
物等の寝装用に至る広範な分野に利用されている。しか
し、この繊維は、疎水性が大きいことから吸水性に乏し
く、衣料用として用いたときは吸汗性がないので着用者
に蒸れ感を生じさせる。また、この繊維は、油性汚れを
吸着し易く、吸着した汚れが除去され難いほか、帯電し
易いため、着用中に身体への纏わり付きを生じたり、埃
を付着させる等の欠点がある。
【0003】ポリエステル系繊維の前記欠点を解消する
ために、多数の方法が提案されている。例えば、帯電防
止処理剤として、ジステアリルジメチルアンモニウムク
ロライド等の第4級アンモニウム塩が従来多用されてい
るが、これらによる処理は耐洗濯性に乏しいので一時的
なものに留まる。
【0004】一方、ポリエステル系繊維の表面を改質す
るために、各種の高分子処理剤による帯電防止性、親水
性及び防汚性等の処理が従来実施されている。そのよう
な処理剤として、テレフタル酸等のジカルボン酸とジア
ルキレングルコール及びポリアルキレングリコールとを
重縮合させて得られるポリエステルエーテル共重合体が
知られているが、いずれも十分なものとは言い難い。
【0005】例えば、特公昭47−40873号公報に
開示されるものは、ポリエチレングリコール(分子量1
06〜460)と5−スルホイソフタル酸ジメチルナト
リウムとを共重縮合成分とするが、ポリエチレングリコ
ールの配合割合が20モル%と少なく、繊維に対して親
水性を付与するが、融点が高いので繊維が粗剛になり、
風合いが損なわれ易い。
【0006】また、特公昭46−13197号公報に開
示されるものは、ポリエチレングリコールとポリエチレ
ングリコールモノフェニルエーテルとのモル比が変わる
ことにより重合度の調節が困難となり、水分散が難しく
、所期の処理効果が十分に得られない。
【0007】特公昭53−46960号公報に開示され
るものは、ポリアルキレングリコールを共重縮合成分と
して用いるもので、特定の乳化剤を用いたときに耐洗濯
性のある親水性が得られるが、その耐洗濯性は洗濯5回
程度までであり、十分とは言い難い。さらに、同公報に
は水溶性塩類を添加する使用法が例示されているが、こ
の共重合体は、スルホン酸基を持たないため塩架橋しな
いものである。
【0008】さらに、特公平2−14467号公報に開
示されるものは、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを
共重合したポリエステル共重合体と多価塩とを併用する
ものであり、繊維に対して親水性及び耐久性を付与する
が、融点が高いため柔軟性の付与がなく、繊維は粗剛に
なり、風合いが損なわれ易い。また、上記ポリエステル
共重合体は、ポリエチレングリコールが共重合されてい
ないため塩化マグネシウム(MgCl2 )のような水
溶性多価塩と混合すると塩析し、凝集する現象が生じる
ので、この共重合体と水溶性多価塩との併用は、繊維上
にむら付着等の実用上のトラブルを招き易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、ポリエステル系繊維に耐洗濯性に優れた親水性、帯
電防止性及び防汚性を付与し、しかもその繊維の柔軟性
及び風合いの低下やむら付着等を起こさないポリエステ
ル系繊維用処理剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
達成するために、スルホン酸基を有するポリエステルポ
リエーテルを水溶性多価塩により塩架橋させてポリエス
テル系繊維に付着させ、熱処理することにより、耐洗濯
性のある親水性処理を効果的に施し得ることを見出し、
本発明に到達した。
【0011】即ち、本発明に係るポリエステル系繊維用
処理剤は、スルホン化ポリエステルポリエ−テルと水溶
性多価塩とを含有する水性分散体からなるものである。
【0012】前記スルホン化ポリエステルポリエーテル
は、構造的特徴としてハードセグメントとしてのスルホ
ン化ポリエステル部分と、ソフトセグメントとしてのポ
リエーテル部分とを備える。前記スルホン化ポリエステ
ル部分はポリエステル系繊維と類似した構造を備え、ポ
リエステル系繊維に対する親和性が非常に強く、加熱処
理することにより繊維に融着し、皮膜を形成し、耐洗濯
性の向上に寄与するが、さらにスルホン酸塩における塩
が水溶性多価塩と置換されて塩架橋し、これが耐洗濯性
をさらに向上させる。また、前記ポリエーテル部分は非
常に柔軟であり、ポリエステル系繊維に柔軟性、親水性
及び帯電防止性を付与する。
【0013】スルホン化ポリエステルポリエ−テルは、
前記作用を効果的に奏するために、(a)テレフタル酸
又はその縮合可能誘導体98.0〜50.0モル%、(
b)スルホイソフタル酸ナトリウム又はその縮合可能誘
導体2.0〜30.0モル%及び(c)非スルホン化ジ
カルボン酸又はその縮合可能誘導体0〜50.0モル%
からなる酸成分と、(d)アルキレンジオール及び(e
)数平均分子量1000〜6000のポリエチレングリ
コールからなるアルコール成分とから合成され、分子中
におけるポリエステル部分/ポリエーテル部分の重量比
率が20/80〜50/50であるものが好ましい。
【0014】前記酸成分(a)には、テレフタル酸及び
そのメチル、エチル、プロピルエステル等のアルキルエ
ステルやエチレングリコールエステル等がある。酸成分
(b)には、5−スルホイソフタル酸ナトリウム及びそ
のメチル、エチル、プロピルエステル等のアルキルエス
テルやエチレングリコールエステル等がある。また、酸
成分(c)には、イソフタル酸及びフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸やコハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、
セバチン酸、アジピン酸及びドデカンニ酸等の脂肪族ジ
カルボン酸等がある。
【0015】酸成分(a)の配合量が全酸成分に対して
50.0モル%未満の場合はポリエステル系繊維に対す
る接着性が悪くなると共に耐洗濯性が低下し、またこれ
が98.0モル%を越える場合は水分散性が悪くなる。 酸成分(b)の配合量が全酸成分に対して2.0モル%
未満の場合は塩架橋の効果が小さくなると共に耐洗濯性
が低下し、またこれが30.0モル%を越える場合は水
溶性が高くなり過ぎるため耐洗濯性が低下する。さらに
、酸成分(c)は水に対する分散性の安定化に有用であ
るが、この配合量が全酸成分に対して50.0モル%を
越える場合はポリエステル系繊維に対する接着性が悪く
なると共に耐洗濯性が低下する。
【0016】一方、アルコール成分(d)には、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−ド
デカンジオール、ジエチレングリコール及びジプロピレ
ングリコール等のアルキレンジオールがある。また、ア
ルコール成分(e)は、既述のように数平均分子量10
00〜6000のポリエチレングリコールであるが、数
平均分子量が1000未満の場合は共重合体が硬くなる
と共に繊維の風合いを低下させ、またこれが6000を
越える場合は共重合体の水分散液の粘度が非常に高くな
り、取り扱いが困難になる。
【0017】本発明におけるスルホン化ポリエステルポ
リエーテルは、当該分野における慣用技術により合成で
きる。エステル交換反応触媒としては、例えば、リチウ
ム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム等のアル
カリ及びアルカリ土類金属並びにマンガン、コバルト及
び亜鉛等の遷移及びIIB族の金属から選ばれた周知の
触媒が使用され、通常、酸化物、炭酸塩又は酢酸塩とし
て添加される。また、重縮合反応触媒としては、例えば
、三酸化ゲルマニウム、チタニウムアルコキシド及び三
酸化アンチモン等から選ばれた周知の触媒が使用される
。 スルホン化ポリエステルポリエーテルの合成は、通常、
不活性ガス雰囲気中において140〜250℃でメタノ
ール及び水等を除去しながら行われるエステル交換反応
と、それに続いて、減圧下において180〜270℃で
行われる重縮合反応とから構成される。
【0018】前記スルホン化ポリエステルポリエーテル
の分子中におけるポリエステル部分/ポリエーテル部分
の重量比率は、既述のように20/80〜50/50の
範囲にあることが必要である。この比率が20/80未
満の場合はポリエステル系繊維に対する接着性が悪くな
ると共に耐洗濯性が低下し、またこれが50/50を越
える場合は加工処理されたポリエステル系繊維が粗剛に
なり、風合いが低下する。
【0019】本発明において前記スルホン化ポリエステ
ルポリエーテルと併用される水溶性多価塩には、例えば
、塩化マグネシウム(MgCl2 )、硫酸マグネシウ
ム(MgSO4 )、硝酸マグネシウム{Mg(NO3
)2 }、酢酸マグネシウム{Mg(CH3 COO)
2}、塩化カルシウム(CaCl2 )及び塩化バリウ
ム(BaCl2 )等のような二価のカチオン性塩並び
に硫酸アルミニウム{Al2 (SO4)3}等のよう
な三価のカチオン性塩等があり、特に塩化マグネシウム
六水和物(MgCl2・6H2 O)が最も好ましい。
【0020】本発明に係る処理剤は、ポリエステル系繊
維100重量部に対してスルホン化ポリエステルポリエ
ーテルが0.01〜5.0重量部、好ましくは0.05
〜1.0重量部、水溶性多価塩が0.01〜1.0重量
部、好ましくは0.02〜0.5重量部、各々付着する
ように使用されたとき、所期の処理効果を良好に発揮す
る。加工処理方法には、例えば公知の吸尽法、パディン
グ法及びスプレー法等を使用できる。加工処理の対象と
なるポリエステル系繊維には、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタ
レート及びポリエチレンテレフタレート・ブチレンテレ
フタレート等のポリエステル系繊維からなる糸、織物、
編物及び不織布等が含まれる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を、合成例1〜8により製造さ
れた各種共重合体を用いた実施例1〜6及び比較例1〜
5に基づいて説明する。
【0022】〔合成例1〕攪拌機、温度計、精留塔及び
不活性ガス導入管を備えた1リッターのフラスコに、ジ
メチルテレフテル酸174.6g(0.9モル)、5−
スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム29.6g(0
.1モル)、エチレングリコール124g(2.0モル
)、ポリエチレングリコール(数平均分子量4000)
400g(0.1モル)、エステル交換触媒として酢酸
マンガン四水和物0.2g及び重縮合触媒としてテトラ
ブチルチタネート0.1gを仕込み、150〜250℃
でエステル交換反応を行なう。内温が150℃に達した
とき、メタノールが留出し始めた。徐々に内温を上げ、
内温が250℃に達したところでエステル交換反応を終
えた。次いで、トリメチルホスフェート0.1gを加え
、内温を200℃に下げ、10mmHgの減圧下で重縮
合反応を1時間行ない、本発明に係るスルホン化ポリエ
ステルポリエーテルを製造した。
【0023】分析により、前記共重合体の収量は620
g、酸価は3.5KOHmg/g、ヒドロキシル価(O
H価)は10.5KOHmg/g、末端基法による数平
均分子量は約8000、さらに分子中におけるポリエス
テル部分/ポリエーテル部分の重量比率は35/65で
あった。
【0024】〔合成例2〜6〕前記合成例1と同様の手
順で、本発明に係る他のスルホン化ポリエステルポリエ
ーテルを製造した。合成例2〜6における共重合体の原
料組成及び分析値を合成例1の場合と共に下記の表1に
記載する。
【0025】
【表1】
【0026】〔合成例7〕前記と同様の1リッターのフ
ラスコに、ジメチルテレフテル酸135.8g(0.7
モル)、ジメチルイソフタル酸38.8g(0.2モル
)、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム29.
6g(0.1モル)、エチレングリコール124.0g
(2.0モル)、エステル交換触媒として酢酸マンガン
四水和物0.2g及び重縮合触媒としてテトラブチルチ
タネート0.1gを仕込み、合成例1と同様の条件下で
エステル交換反応を行なった。次いで、トリメチルホス
フェート0.1gを加え、反応温度250℃で10mm
Hgの減圧下に重縮合反応を2時間行ない、比較用のス
ルホン化ポリエステルを製造した。
【0027】分析により、前記共重合体の収量は230
g、酸価は3.4KOHmg/g、OH価は4.0KO
Hmg/g、末端基法による数平均分子量は約1500
0であった。
【0028】〔合成例8〕前記と同様の1リッターのフ
ラスコに、ジメチルテレフテル酸116.4g(0.6
モル)、ジメチルイソフタル酸77.6g(0.4モル
)、エチレングリコール142.6g(2.3モル)、
ポリエチレングリコール(数平均分子量4000)50
0g(0.125モル)、エステル交換触媒として酢酸
マンガン四水和物0.2g及び重縮合触媒としてテトラ
ブチルチタネート0.1gを1リッターののフラスコに
仕込み、合成例1と同様の条件下でエステル交換反応を
行なった。次いで、トリメチルホスフェート0.1gを
加え、反応温度220℃で10mmHgの減圧下に重縮
合反応を1時間行ない、比較用のポリエステルポリエー
テルを製造した。
【0029】分析により、前記共重合体の収量は710
g、酸価は4.4KOHmg/g、OH価は5.0KO
Hmg/g、末端基法による数平均分子量は約1200
0であった。
【0030】〔実施例1〕10リッターのビーカーに5
0℃の温湯3255gを入れ、ホモジナイザーで攪拌し
ながら、180℃に冷却した合成例1のスルホン化ポリ
エステルポリエーテル620gをゆっくりと滴下して3
0分間分散させた後、常温に冷却し、16%スルホン化
ポリエステルポリエーテル水分散液を3875g製造し
た。前記水分散液100gにMgCl2 ・6H2Oの
20%に調整された水溶液20gを添加し、本発明に係
る処理剤1を120g製造した。
【0031】前記と同様にして、合成例2〜6の各スル
ホン化ポリエステルポリエーテル水分散液に20%Mg
Cl2 水溶液を添加し、本発明に係る処理剤2〜6を
各々製造した。
【0032】〔比較例1〕合成例7のスルホン化ポリエ
ステル200gを粉砕し、800gの水に80℃で2時
間溶解した。この20%スルホン化ポリエステル水溶液
100gに20%MgCl2 水溶液20gを混合し、
比較処理剤1を製造した。
【0033】また、合成例8のポリエステルポリエーテ
ル150gを150℃に加熱して溶融し、50℃の85
0gの水をゆっくりと加えてホモジナイザーで攪拌しな
がら分散させた後、常温に冷却し、15%ポリエステル
ポリエーテル水分散液を1000g製造した。この水分
散液100gに20%MgCl2 水溶液20gを添加
し、比較処理剤2を製造した。
【0034】〔実施例1及び比較例1の結果〕処理剤1
〜6及び比較処理剤1〜2の各配合組成並びに共重合体
と水溶性多価塩との混合性及び混合後の保存性(2カ月
)の観察結果を下記の表2に記載する。
【0035】
【表2】
【0036】上記表2に示すように、本発明に係る処理
剤1〜6では各スルホン化ポリエステルポリエーテルと
水溶性多価塩との混合性及び保存性が良好であり、比較
処理剤2におけるポリエステルポリエーテルと水溶性多
価塩との混合性及び保存性も良好であるが、比較処理剤
1におけるスルホン化ポリエステルは、その原料組成に
水和力に富むポリエチレングリコールが含まれないため
か水溶性多価塩との混合性が悪く、混合後、直ちに塩析
して凝集する。
【0037】〔実施例2〕実施例1で製造した処理剤1
〜6を40g/l、ギ酸を3g/l含み、pH4.0に
調整した各処理浴を作成し、ポリエステルタフタをパデ
ィング処理し、絞り率80%でマングルで絞り、120
℃で10分間乾燥した後、180℃で30秒間熱処理し
た。布に対する処理剤1〜6の付着率は各々0.51%
、0.48%、0.49%、0.52%、0.35%及
び0.35%であった。前記加工布について洗濯試験を
10回、20回、40回及び50回と行ない、加工布の
吸水性、帯電防止性、防汚性及び剛軟度を測定した。
【0038】なお、前記洗濯試験及び各種測定の方法は
下記のとおりである。 〈洗濯試験〉家庭用電気洗濯機を使用し、商品名「ニュ
ービーズ」(弱アルカリ性洗剤、花王製)の2g/l水
溶液で、試験布地を40℃で10分間、浴比1:30の
条件下に洗濯した後、水洗5分→脱水→水洗5分→脱水
を行ない、この一連の操作を洗濯一回とし、この操作を
繰り返し行う。
【0039】〈吸水性の測定〉試験布地上に10cmの
高さから0.1ccの蒸留水を滴下し、これが完全に吸
収されるまでの時間(秒)を測定し、10回の測定の平
均値を算出する。
【0040】〈帯電防止性の測定〉ロータリースタティ
ックテスター(興亜商会製)を使用し、温度20℃、相
対湿度65%RHで試験布地を綿布と摩擦し、1分後の
摩擦帯電圧(ボルト)を測定する。
【0041】〈防汚性の測定〉人工汚洗剤0.1g(カ
ーボンブラック0.03g、オレイン酸0.02g、ス
テアリン酸0.02g及び牛脂硬化油0.03g)及び
合成洗剤0.1gを水100gに分散した液に試験布地
(5cm×6cm)を浸し、スチールボール10個を入
れ、50℃で10分間、ラウンダオメーターを使用して
防汚性の試験を行ない、水洗後、乾燥し、汚染用グレー
スケール(JIS)で下記のように1級〜5級まで級別
する。
【0042】5級:非常に良好(汚れが全く付着してい
ない) 4級:良好(汚れが僅かに付着している)3級:中程度
(汚れが中程度付着している)2級:悪い(汚れがかな
り付着している)1級:非常に悪い(汚れが全面的に付
着している)
【0043】〈剛軟度の測定(JIS10
96A法)〉試験布(2cm×15cm)を縦方向及び
横方向に各々5枚採取し、45度の斜面を持つ水平台の
上に各試験布の短辺を置き、試験布を斜面方向に滑らせ
て試験布の一端の中央点が斜面に接した時の移動した長
さ(mm)を測定し、10回の測定の平均値を算出する
【0044】〔比較例2〕比較例1で製造した比較処理
剤2により、実施例2と同様にしてポリエステルタフタ
をパディング処理し、洗濯試験及び各種測定に供した。 布に対する比較処理剤2の付着率は0.50%であった
【0045】〔実施例2及び比較例2の結果〕処理剤1
〜6及び比較処理剤2によりパディング処理された各加
工布並びに未加工布(ブランクテスト)について、吸水
性、帯電防止性、防汚性及び剛軟度の各測定結果を下記
の表3〜6に記載する。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】上記表3〜6に示すように、本発明に係る
処理剤1〜6では、各スルホン化ポリエステルポリエー
テルが水溶性多価塩との塩置換により塩架橋するため非
常に優れた耐洗濯性が得られるが、比較処理剤2では、
ポリエステルポリエーテルがスルホン酸基を持たず、水
溶性多価塩の存在下でも塩架橋しないため必要な耐洗濯
性が得られない。
【0051】吸水性に関して、処理剤1〜6では洗濯5
0回後も殆ど変わらないのに対し、比較処理剤2では洗
濯20回を越えると急激に低下する。帯電防止性に関し
て、処理剤1〜6では洗濯回数に応じて多少低下するに
過ぎないが、比較処理剤2では洗濯40回でブランク値
に近い値となる。即ち、比較処理剤2では、ポリエステ
ルポリエーテルが洗濯中の物理的揉み作用により早期に
脱落し、前記洗濯回数時点では繊維上に有効に残存しな
いことがわかる。防汚性に関しても、処理剤1〜6では
洗濯50回後も殆ど変わらないのに対し、比較処理剤2
では洗濯40回でブランク値にまで低下する。また、剛
軟度に関しては、処理剤1〜6では、前記のように優れ
た耐洗濯性が認められる一方で、加工布は洗濯前及び洗
濯50回後も加工前と殆ど同様の柔らかい風合いを保持
する。
【0052】〔実施例3〕実施例1で製造した処理剤1
〜6の水分散液を4%(O.W.F)、商品名「イオネ
ットRAP−1170」(均染剤、三洋化成工業製)を
0.3g/l、ギ酸を0.3g/l含み、浴比を1:2
0とする各処理浴を作成し、ポリエステルタフタを高圧
染色機により130℃で20分間吸尽処理し、水洗し、
120℃で10分間乾燥した後、180℃で30秒間熱
処理した。前記加工布を実施例2と同様にして洗濯試験
及び各種測定に供した。
【0053】〔比較例3〕比較例1で製造した比較処理
剤2により、実施例3と同様にしてポリエステルタフタ
を吸尽処理し、洗濯試験及び各種測定に供した。
【0054】〔実施例3及び比較例3の結果〕処理剤1
〜6及び比較処理剤2により吸尽処理された各加工布並
びに未加工布(ブランクテスト)について、吸水性、帯
電防止性、防汚性及び剛軟度の各測定結果を下記の表7
〜10に記載する。
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】
【表10】
【0059】前記表7〜10に示すように、本発明に係
る処理剤1〜6では、既述の表3〜6におけるパディン
グ処理による場合と同様に非常に優れた耐洗濯性が得ら
れる。
【0060】〔比較例4〕合成例1〜6の各スルホン化
ポリエステルポリエーテルの16%水分散液単独からな
り、水溶性多価塩を含まないものを各々比較処理剤3〜
8とし、これらの比較処理剤3〜8を40g/l、ギ酸
を3g/l含み、pH4.01に調整した各処理浴を作
成し、ポリエステルタフタをパディング処理し、絞り率
80%でマングルで絞り、120℃で10分間乾燥した
後、180℃で30秒間熱処理した。前記加工布を実施
例2と同様にして洗濯試験及び各種測定に供した。
【0061】〔比較例4の結果〕比較処理剤3〜8によ
りパディング処理された各加工布について、吸水性、帯
電防止性及び防汚性の各測定結果を下記の表11〜13
に記載する。
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】表11〜13に示すように、水溶性多価塩
を含まない比較処理剤3〜8では、ある程度の耐洗濯性
が当初見られるものの、洗濯20回を越えると吸水性、
帯電防止性及び防汚性に急激な低下が生じる。
【0066】〔実施例4〕合成例1のスルホン化ポリエ
ステルポリエーテルを実施例1と同様に水に分散させて
16%水分散液を100g製造し、これを水溶性多価塩
であるMgCl2・6H2 O、Mg(CH3 COO
)2、MgSO4 ・7H2 O、CaCl2 、Ba
Cl2 及びAl2 (SO4)3 の各種水溶液と混
合し、本発明に係る処理剤7〜12を各々製造した。
【0067】〔実施例4の結果〕処理剤7〜12の各配
合組成並びに共重合体と水溶性多価塩との混合性の観察
結果を下記の表14に記載する。
【0068】
【表14】
【0069】上記表14に示すようにように、本発明に
係る処理剤7〜12では混合性は良好であり、塩析は全
く生じなかった。
【0070】〔実施例5〕実施例4で製造した処理剤7
〜12により、実施例2と同様にしてポリエステルタフ
タをパディング処理し、洗濯試験及び各種測定に供した
【0071】〔実施例5の結果〕処理剤7〜12により
パディング処理された各加工布について、吸水性、帯電
防止性及び防汚性の各測定結果を下記の表15〜17に
記載する。
【0072】
【表15】
【0073】
【表16】
【0074】
【表17】
【0075】前記表15〜17に示すように、本発明に
係る処理剤7〜12では、水溶性多価塩の種類による差
が若干見られるものの非常に優れた耐洗濯性が得られる
【0076】〔実施例6〕合成例2のスルホン化ポリエ
ステルポリエーテルの15%水分散液100gに対して
20%MgCl2 水溶液を各々5g、20g、40g
及び60g添加し、本発明に係る処理剤13〜16を各
々製造した。
【0077】次いで、前記処理剤13〜16により、実
施例2と同様の条件下でポリエステルジョージェットを
パディング処理し、洗濯試験及び各種測定に供した。
【0078】〔比較例5〕合成例2のスルホン化ポリエ
ステルポリエーテルの15%水分散液単独からなり、水
溶性多価塩を含まないものを比較処理剤9とし、比較処
理剤9により、実施例2と同様の条件下でポリエステル
ジョージェットをパディング処理し、洗濯試験及び各種
測定に供した。
【0079】〔実施例6及び比較例5の結果〕処理剤1
3〜16及び比較処理剤9によりパディング処理された
各加工布並びに未加工布(ブランクテスト)について、
吸水性、帯電防止性及び防汚性の各測定結果を下記の表
18〜20に記載する。
【0080】
【表18】
【0081】
【表19】
【0082】
【表20】
【0083】前記表18〜20に示すように、本発明に
係る処理剤13〜16では、特に吸水性及び帯電防止性
において優れた効果を発揮し、その効果は水溶性多価塩
の添加量が20g以上となる処理剤14〜16において
一定したものとなるが、水溶性多価塩を含まない比較処
理剤9では必要な耐洗濯性が得られない。
【0084】
【発明の効果】本発明に係るポリエステル系繊維用処理
剤は以上のように構成されるので、ポリエステル系繊維
に耐洗濯性に優れた親水性、帯電防止性及び防汚性を付
与し、しかもその繊維の柔軟性及び風合いを保持し、塩
析によるむら付着を起こさない効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  スルホン化ポリエステルポリエ−テル
    と水溶性多価塩とを含有する水性分散体からなるポリエ
    ステル系繊維用処理剤。
  2. 【請求項2】  スルホン化ポリエステルポリエ−テル
    が、(a)テレフタル酸又はその縮合可能誘導体98.
    0〜50.0モル%、(b)スルホイソフタル酸ナトリ
    ウム又はその縮合可能誘導体2.0〜30.0モル%及
    び(c)非スルホン化ジカルボン酸又はその縮合可能誘
    導体0〜50.0モル%からなる酸成分と、(d)アル
    キレンジオール及び(e)数平均分子量1000〜60
    00のポリエチレングリコールからなるアルコール成分
    とから合成され、分子中におけるポリエステル部分/ポ
    リエーテル部分の重量比率が20/80〜50/50で
    ある請求項1記載のポリエステル系繊維用処理剤。
  3. 【請求項3】  水溶性多価塩が、マグネシウム、カル
    シウム、バリウム及びアルミニウムから選ばれた金属の
    カチオン性塩である請求項1記載のポリエステル系繊維
    用処理剤。
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