JPH04343764A - 繊維構造物 - Google Patents

繊維構造物

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JPH04343764A
JPH04343764A JP3057728A JP5772891A JPH04343764A JP H04343764 A JPH04343764 A JP H04343764A JP 3057728 A JP3057728 A JP 3057728A JP 5772891 A JP5772891 A JP 5772891A JP H04343764 A JPH04343764 A JP H04343764A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた撥水性を有する
布帛等の繊維構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】布帛に撥水処理を施すことは従来から広
く行われている。その代表例として、フッ素系樹脂また
はシリコーン樹脂を含有する溶液や分散液で織物等の布
帛を一段または多段で処理してその表面にこれらの樹脂
を付着させたものがある。しかしながら、これらのもの
はある程度の撥水性はあるものの、天然のハスの葉に見
られるような優れた撥水性を有しておらず、しかも耐久
性が低く布帛の使用に伴ってその表面から脱落して撥水
性を失うという欠点を有している。そして、撥水性や耐
久性を増すために、それらの樹脂の使用量を増大させた
場合には、布帛の風合を硬い劣ったものにする。
【0003】撥水性能の耐久性を増すために、紡糸用原
料中に上記したフッ素系樹脂やシリコーン樹脂を練り込
む方法も知られているが、この場合は撥水性はある程度
長期間維持されるものの、撥水性能自体は増大しない。 また、フッ素系モノマーやケイ素モノマーの低温プラズ
マ重合により、布帛を構成する繊維の表面に、フッ素系
樹脂またはシリコーン樹脂からなる撥水性層を形成させ
る方法も知られるが、この場合にもハスの葉に見られる
ような、高い撥水性能は達成されない。
【0004】
【発明の内容】本発明者は、天然のハスの葉に見られる
ような極めて優れた撥水性能を有し、しかもその撥水性
能が長期間失われることなく維持される撥水性布帛を得
ることを目的として研究を行ってきた。その結果、布帛
等の繊維構造物の最表面に位置する繊維表面に特定の大
きさの凸状体を形成させ、その凸状体の表面に特定厚さ
のフッ素系化合物からなる撥水性層を形成させると、上
記目的を達成できることを見出して本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、繊維構造物の一つの
面または複数の面の最表面に位置する繊維表面の少なく
とも6分の1に、1平方ミクロン当たり5〜30個の凸
状体が突起しており、凸状体の最大径(Rmax)の平
均値が1ミクロン未満であり、且つ凸状体の表面にフッ
素系化合物からなる撥水性層が0.02〜0.3ミクロ
ンの厚さで存在していることを特徴とする繊維構造物で
ある。ここで、上記最大径(Rmax)は、凸状体を上
方から走査型電子顕微鏡を使用して写真撮影したときに
投影面に写る凸状体の最大径を示す。
【0006】ここで、本発明でいう「繊維構造物」とは
、繊維、糸、繊維製紐等から形成された編織物や不織物
等の繊維構造物をいう。繊維構造物を構成する繊維は短
繊維であっても長繊維であってもよい。また、繊維構造
物が糸から形成されている場合は、紡績糸、混紡糸、フ
ィラメン糸、加工糸等のどのような糸であってもよい。 更に、繊維構造物を構成する繊維は、ウール、綿、麻、
絹等の天然繊維;ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の
無機繊維;種々の合成繊維;半合成繊維;再生繊維;そ
れらの2種以上の併用物のいずれでもよい。そのうちで
も、本発明は特にポリエステル系の合成繊維からなる繊
維構造物に適している。また、繊維構造物を構成する繊
維は、無機粒子、耐紫外線剤、安定剤、着色剤、難燃剤
やその他の成分を練込みや混合等により含有していても
または表面に付着してあってもよい。
【0007】そして、本発明における「繊維構造物の一
つの面または複数の面」とは、繊維構造物が布帛のよう
な比較的薄物の場合は、その片面または両面を意味し、
繊維構造物がブロック状等の厚物の場合は、上面、下面
および側面等の包囲面のうちの少なくとも一つの面を意
味する。本発明の繊維構造物では、複数の面のうちの一
つの面のみが上記した本発明の構成からなる撥水構造を
有していても、複数の面のうちのいくつかが撥水構造を
有していても、または全面が撥水構造になっていてもよ
い。また、上記「最表面に位置する繊維表面」とは、繊
維構造物の最も外側に位置する繊維の露出した表面を意
味する。外部から見える繊維であっても内側にもぐって
位置する繊維の表面は含まず、また最も外側に位置する
繊維の表面であっても露出しておらず、他の繊維と重な
り合っている表面部分は含まない。繊維構造物を構成し
ている特定の繊維が最表面に位置する繊維であるか否か
、またその表面が露出しているか否かは、走査型電子顕
微鏡を使用して観察、判定することができる。
【0008】そして、本発明では、繊維構造物の一つま
たは複数の面の最表面に位置する繊維表面に多数の凸状
体が突起している。この凸状体は、最表面の繊維表面に
存在する多数の凸状体の各々の最大径(Rmax)の平
均値が1ミクロン(以後μで表す)未満である極めて微
細な突起であることが、繊維構造物に良好な撥水性を付
与するために必要である。最大径(Rmax)の平均値
が1μ以上であると、目的とする高撥水性が達成されな
い。 また、最大径(Rmax)が1μ以上の凸状体が存在し
ていてもよいが、その割合は最表面に位置する繊維表面
にある凸状体の半数未満であるのが望ましく、半数以上
、すなわち50%以上であると、良好な撥水性を有する
繊維構造物を得ることができにくくなる。Rmaxが1
μ未満の凸状体の割合が、70%以上であるのがより好
ましい。また、凸状体の最大径(Rmax)の平均値は
0.1μ以上であるのが好ましい。凸状体のRmaxが
0.1μ未満になると、凸状体が微細になり過ぎて、良
好な撥水性が得られにくい。
【0009】また、凸状体は、繊維構造物の最表面に位
置する繊維表面の少なくとも6分の1を占める表面部分
に、1平方ミクロン当たり5〜30個(以後「5〜30
個/μ2」という表現を使用する)の割合で存在するこ
とが必要である。凸状体の存在する部分の割合が、繊維
構造物の最表面に位置する繊維表面の6分の1未満にな
ると、繊維構造物の表面に付着した水が繊維構造物の内
部まで浸入し、目的とする高撥水性を達成できない。最
表面に位置する繊維表面の6分の1以上に凸状体が存在
するのが望ましい。更に、最表面に位置する繊維表面に
おいて、単位面積当たりの凸状体の数が5/μ2よりも
少ないと、撥水性の程度が低くなる。一方、単位面積当
たりの凸状体の数が30/μ2を超える場合は、凸状体
間の空間が少なくなり、その結果撥水性に寄与する凸状
体間の空気量の減少を招き、やはり高い撥水性を達成で
きなくなる。
【0010】また、凸状体の繊維表面からの高さは0.
1μ〜1.5μであるのが望ましい。凸状体の高さは、
繊維構造物の垂直断面を走査型電子顕微鏡を使用して写
真撮影し、写真における凸状体の高さの測定から調べる
ことができる。凸状体の高さが0.1μよりも小さいと
、本発明で目的としているハスの葉に見るような高撥水
性を得ることができず、また1.5μよりも高いと凸状
体が倒れ易くなり、やはり高撥水性を得ることができな
い。
【0011】凸状体の形状は特に限定されず、任意のも
のでよいが、棒状であるのが望ましい。凸状体は、その
高さ方向に見た場合に、例えば複数の数珠玉が連なった
凹凸形状、竹にみるような所各に節のある凹凸形状、凹
凸のない太さが上下でほぼ同じ棒状形状、上部が細くな
った針状棒形状等であることができる。また、凸状体の
高さ方向に直角な横断面の形状は、円形、楕円形、不定
形、その他任意の形状であることができる。そして、特
定の繊維構造物において、すべの凸状体の形状が同じで
あっても、または互いに異なっていてもよい。
【0012】そして、上記した凸状体を有する繊維構造
物の製造例としては、以下の方法を挙げることができる
。繊維構造物が合成繊維からなっている場合には、繊維
構造物の少なくとも最表面に位置する合成繊維中にシリ
カやアルミナ等の無機微粒子(例えば粒径0.01〜0
.1μ)を分散含有させておき、酸素ガスを用いて低温
プラズマ処理によりエッチングして少なくとも最表面に
位置する繊維表面に上記した凸状体を形成させる。この
場合の低温プラズマ処理時の条件は、繊維構造物を構成
する合成繊維の種類や繊維中の分散させた微粒子の種類
等により当然変わり得るが、通常、真空度約0.05〜
0.3Torr、処理時間約30〜600秒、出力約0
.5〜2w/cm2、内部電極型、周波数約1KHz〜
13.6MHzで行うのが好ましい。
【0013】繊維構造物が羊毛等の天然繊維やレーヨン
等からなって構成されている場合には、繊維中に無機粒
子を含有させることなく、上記のような酸素ガス下での
プラズマ処理を行うことによっても、最表面に位置する
繊維表面に上記凸状体を形成させることができる。また
、繊維構造物をアルカリ減量処理して繊維表面に上記凸
状体を形成させてもよい。しかしながら、凸状体の形成
方法は上記方法に限定されるものではなく、繊維構造物
の一つの面または複数の面の最表面に位置する繊維表面
の少なくとも6分の1に、5〜30個/μ2の凸状体が
突起していて、凸状体の最大径(Rmax)の平均値が
1μ未満である繊維構造物であればいずれも本発明で使
用でき、繊維構造物の製造方法や凸状体の形成方法は問
わない。
【0014】そして、本発明の繊維構造物では、上記し
た凸状体の表面にフッ素系化合物からなる撥水性層が0
.02〜0.3μの厚さで存在している。その場合に、
撥水性層は、凸状体の先端からその基部に向かって3分
の1以上の表面に存在するのがハスの葉にみるような高
撥水性を得るために望ましい。撥水性層の存在する面積
が凸状体表面の3分の1より少ないと、繊維構造物の表
面に付着した水が内部まで浸入し易くなり、また撥水性
層が脱落し易くなり、高撥水性が達成できにくくなる。
【0015】また、フッ素系化合物からなる撥水性層の
厚さが0.02μよりも小さくなると高撥水性が得られ
なくなり、一方、0.3μを超えても撥水性能はそれほ
ど向上せず、むしろ繊維構造物の風合を損ねがちになる
。また、撥水性層を例えばフッ素系モノマーのプラズマ
重合等により繊維構造物の表面に形成させる場合は、0
.3μを超える撥水性層はその層の形成に長い時間を要
する。そして、撥水性層を構成するフッ素系化合物とし
ては、撥水性化合物として従来既知のフッ素系化合物の
いずれもが使用できる。本発明で好適に使用できるフッ
素系化合物の例としては、テトラフロロエチレン、ヘキ
サフロロプロピレン、パーフロロビニルエーテル(例え
ばパーフロロビニルメチルエーテル等)、パーフロロア
リルエーテル、フッビニリデン等のフッ素含有重合性モ
ノマーの単独重合体や共重合体を挙げることができる。
【0016】繊維表面の凸状体にフッ素系化合物の層を
形成させるにあたっては、既に重合したフッ素系重合体
や共重合体またはその他のフッ素系化合物を溶液や分散
液の形態にして繊維構造物表面に施す方法、フッ素含有
重合性モノマーを繊維構造物の存在下に重合体させて繊
維構造物の表面に直接フッ素系重合体を形成させる方法
等を使用できる。そのうちでも、フッ素含有重合性モノ
マーを使用する後者の方法が、上記した0.02〜0.
3μというフッ素系化合物の薄層を形成し易く、且つフ
ッ素系化合物層の厚さの制御が簡単であり好ましい。ま
た、フッ素含有重合性モノマーの重合は、低温プラズマ
重合法により行うのがよい。しかしながら、撥水性層の
形成方法は上記の方法に限定されず、凸状体の表面に0
.02〜0.3μのフッ素系化合物の撥水性層を形成さ
せ得る方法であればいずれの方法も採用できる。撥水性
化合物としては、シリコーン樹脂等も広く使用されてい
るが、本発明においては、シリコーン樹脂を使用した場
合には目的とするハスの葉にみるような高撥水性が得ら
れにくい。
【0017】
【実施例】
《実施例1〜6》ポリエステル繊維中に粒径45mμの
シリカ[スノーテックス20L:日産化学(株)社製]
を3重量%分散含有させた50d/36fのポリエステ
ル糸を使用してタフタを作った。この布帛を糊抜き精錬
後、180℃で1分間ヒートセットし、アルカリ減量を
10%行った。その後、この布帛を黒色染料[Kaxa
lon Polyester Black:日本化薬(
株)社製]の12重量%液を使用して135℃で60分
間処理して黒色に染色し還元洗浄した後、その染色物を
170℃で1分間ファイナルセットした。上記で得た布
帛から6個の試験布帛片(10cm×10cm)を準備
して、各々の試験布帛片に対して下記の1段目処理およ
び2段目処理を行った。
【0018】1段目処理   試験布帛片を低温プラズマ装置にセットし、内圧が
0.01Torrになった後、酸素ガスを30cc/分
の量で導入し、内圧を0.2Torrに保持した。次い
で、13.56MHzの高周波電源を用いて、電極に1
w/cm2の電力を投入し、試験布帛片の片面に表1に
示すように30〜600秒間プラズマ処理を施した。
【0019】2段目処理   上記1段目処理を施した試験布帛片を、低温プラズ
マ装置に1段目の酸素・プラズマ処理を施した面を表に
してセットし、内圧が0.01Torrになった後に、
テトラフロロエチレンを30cc/分の割合で導入し、
内圧を0.4Torrに保持した。次いで、110KH
zの高周波電源を用いて、電極に2w/cm2の電力を
投入し、試験布帛片の片面に表1に示すように30〜6
00秒間プラズマ処理を施した。
【0020】上記1段目処理および2段目処理を施され
た試験布帛片の表面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製
T−100)を使用して写真撮影して、最表面に位置す
る繊維表面において凸状体が形成されている比率(凸状
体形成比率)、凸状体の最大径(Rmax)の平均値(
Rmax平均値)、1μ2当たり凸状体形成数、フッ素
系化合物からなる撥水性層で覆われている凸状体表面の
比率(撥水性層被覆比率)および撥水性層の厚さを調べ
た。 その結果を表1に示す。なお、この実施例1〜6におい
ては、最表面の繊維表面に形成された凸状体は、多数の
数珠玉が縦に連なった凹凸のある棒状突起であった。
【0021】上記で得た試験布帛片の撥水性を、図1に
示す摩擦抵抗測定装置を使用して下記の2つの方法で測
定した。図1の測定装置の原理を簡単に説明すると、台
1に設けた支柱2の上部に回転軸3を中心にして回転可
能に試験片載せ板4が取り付けられている。試験片載せ
板4には試験片載せ部5が設けられている。試験片載せ
板4は、ハンドル6の操作により、水平状態の0度から
垂直状態の90度まで1度きざみで角度が変えられるよ
うになっている。
【0022】撥水性の測定法1:図1に示す摩擦抵抗測
定装置において、試験片載せ板4を0度の水平状態にし
てその試験片載せ部5の上に上記で得た試験布帛片7を
両面粘着テープ等を使用して貼り付ける。その状態で蒸
留水20μl(図1の8が蒸留水に相当)を試験布帛片
7上に滴下し、4度/秒の速度で試験片載せ板4を下方
に傾けていって、試験布帛片7上に滴下した蒸留水8が
試験布帛片7から転げ落ちたときの角度を測定した。こ
の測定法1では、測定された角度が小さいほど、試験布
帛片表面の撥水性が高いことを示す。
【0023】撥水性の測定法2:図1に示す摩擦抵抗測
定装置において、試験片載せ板4の試験片載せ部5の上
に試験布帛片7を貼り付けた状態で、試験片載せ板4を
所定の角度に傾け、その状態で高さ5mmの位置から試
験布帛片7上に蒸留水8を20μl滴下し、この試験片
載せ板4の角度を変えては蒸留水を高さ5mmの位置か
ら滴下するという操作を、試験片載せ板4を順次下方に
傾斜させてその傾斜角度を増しながら多数回繰り返し、
試験布帛片7上に滴下した蒸留水が試験布帛片7に止ま
らず直ちにころげ落ちる角度を見出して測定した。この
測定法2においても、測定された角度が小さいほど、試
験布帛片表面の撥水性が高いことを示す。実施例1〜6
で得られた撥水性の測定結果を表2に示す。
【0024】《比較例1〜6》実施例1〜6において、
タフタ布の精錬、ヒートセット後にアルカリ減量処理を
行わなかった他は実施例1〜6におけるのと全く同様に
処理を行って、フッ素系化合物で処理された試験布帛片
を得た。その際の、1段目処理条件および2段目処理条
件、並びに最表面に位置する繊維表面における凸状体形
成比率、凸状体のRmax平均値、1μ2当たり凸状体
形成数、凸状体表面の撥水性層被覆比率および撥水性層
の厚さを表1に示す。そして、この比較例1〜6に対し
ても、実施例1〜6におけるのと同じ方法で撥水性能を
測定した。その結果を表2に示す。なお、この比較例1
〜6においては、最表面の繊維表面に形成された凸状体
は、実施例1〜6におけるような棒状突起ではなく、波
板状の凹凸であった。
【0025】《比較例7〜14》実施例1〜6における
のと同じ染色タフタ布帛を使用して、表1に示すように
、1段目処理のみ、2段目処理のみ、または1段目処理
と2段目処理の条件を変えて、処理された試験布帛片を
製造した。この比較例7〜14における、1段目処理条
件および/または2段目処理条件、並びに最表面に位置
する繊維表面における凸状体形成比率、凸状体のRma
x平均値、1μ2当たり凸状体形成数、凸状体表面の撥
水性層被覆比率および撥水性層の厚さを表1に示す。そ
して、この比較例7〜14に対しても、実施例1〜6に
おけるのと同じ方法で撥水性能を測定した。その結果を
表2に示す。
【0026】《比較例15》実施例1で得たのと同じ染
色タフタ布帛に、上記した1段目処理および2段目処理
を施さず、シリコーン樹脂撥水剤[信越化学(株)製P
olon MR]を0.5μの層厚で施して、実施例1
におけるのと同様にして撥水性の試験を行った。その結
果を表2に示す。
【0027】《比較例16》50d/96fのポリエス
テルタフタ布帛に、直接そのままフッ素系化合物からな
る撥水剤[明成化学(株)製アサヒガードAG−730
]を0.5μの層厚に施して、実施例1におけるのと同
様にして撥水性の試験を行った。その結果を表2に示す
【0028】《比較例17》実施例1で得たのと同じ染
色タフタ布帛に、上記した1段目処理および2段目処理
を施さず、フッ素系化合物からなる撥水剤[明成化学(
株)製アサヒガードAG−710]を0.5μの層厚で
施して、実施例1におけるのと同様にして撥水性の試験
を行った。その結果を表2に示す。
【0029】《参考例》ハスの葉を採取し、その撥水性
を実施例1におけるのと同様にして測定した。その結果
を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1および表2の結果から、繊維構造物の
面の最表面に位置する繊維表面の少なくとも6分の1に
、5〜30個/μ2の凸状体が突起しており、凸状体の
最大径(Rmax)の平均値が1μ未満であり、且つ凸
状体の表面にフッ素系化合物からなる撥水性層が0.0
2〜0.3μの厚さで存在している本発明の繊維構造物
は、それらの要件から外れている比較例1〜17の繊維
構造物に比べて高い撥水性を有し、参考例で示した天然
のハスの葉に近似したまたはそれを凌駕する優れた撥水
性を有していることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明の繊維構造物は、天然のハスの葉
に近似したまたはそれを凌駕する優れた撥水性を備えて
いる。本発明の繊維構造物では、フッ素系化合物からな
る撥水性層が極めて薄い層状で最表面に位置する繊維表
面にある凸状体の表面の設けられているために、撥水性
層により繊維構造物の風合が損なわれない。また、本発
明の繊維構造物では、撥水性層が繊維表面の凸状体に強
固に付着しており、脱落しにくく撥水性の耐久性が高い
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で繊維構造物等の撥水性を測定するため
に使用した摩擦抵抗測定装置の構造を示す図である。
【符号の説明】
1  台 2  支柱 3  回転軸 4  試験片載せ板 5  試験片載せ部 6  ハンドル 7  試験布帛片

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  繊維構造物の一つの面または複数の面
    の最表面に位置する繊維表面の少なくとも6分の1に、
    1平方ミクロン当たり5〜30個の凸状体が突起してお
    り、凸状体の最大径(Rmax)の平均値が1ミクロン
    未満であり、且つ凸状体の表面にフッ素系化合物からな
    る撥水性層が0.02〜0.3ミクロンの厚さで存在し
    ていることを特徴とする繊維構造物;ただし、上記最大
    径(Rmax)は、凸状体を上方から走査型電子顕微鏡
    を使用して写真撮影したときに投影面に写る凸状体の最
    大径を示す。
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