JPH04342734A - ポリアリーレンスルフィド系ブロックコポリマーフィルム - Google Patents

ポリアリーレンスルフィド系ブロックコポリマーフィルム

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JPH04342734A
JPH04342734A JP11604491A JP11604491A JPH04342734A JP H04342734 A JPH04342734 A JP H04342734A JP 11604491 A JP11604491 A JP 11604491A JP 11604491 A JP11604491 A JP 11604491A JP H04342734 A JPH04342734 A JP H04342734A
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JP
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film
block copolymer
ppss
ppsk
polyphenylene sulfide
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JP11604491A
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Yoshiyuki Ono
善之 小野
Kazutaka Murata
一高 村田
Yoshifumi Noto
能登 好文
Takahiro Kawabata
隆広 川端
Toheiji Kawabata
川端 十平次
Fumihiro Furuhata
古畑 文弘
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐薬品性、難燃性、寸
法安定性等に優れ、耐熱性、脆性が大幅に改良されたポ
リアリーレンスルフィド系樹脂ブロックコポリマー(延
伸)フィルムに関する。該フィルムは耐熱性、耐薬品性
、難燃性を必要とする工業用フィルムや磁性テープ用フ
ィルム、各種ラミネート用フィルム等々として利用され
る。
【0002】
【従来の技術】耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、難燃性
、寸法安定性に優れた性質を有するポリアリーレンスル
フィド(以下、PASと略す)系樹脂を用いたフィルム
については数多く知られている。しかしながら、非常に
脆く、靱性に劣っていたり、或いは耐熱性に付いても不
十分であるなどの問題があった。
【0003】例えば、代表的なPAS系樹脂であるポリ
フェニレンスルフィド(以下、PPSと略す)について
は、特公昭59−5099、同59−5100、同59
−5101、特開昭61−98526、特開平2−24
5030号各公報他数多く公開公報に開示されているが
、耐薬品性、寸法安定性、難燃性に優れた性能を有する
ものの、PPSのガラス転移温度Tgは70〜90℃と
比較的低いために、Tg以上の温度域で弾性率が著しく
低下するとか、破れ易く、靱性に劣るものであった。 また、靱性を改善するため、柔軟性に富んだ樹脂を添加
する方法も知られているが、該PPSは他樹脂との親和
性に劣るため改善効果はほとんど見られなかった。
【0004】また、特開平2−235929号公報等で
は、PPSとポリフェニレンスルフィドスルホン(以下
、PPSSと略す)のブロック共重合体について開示さ
れているが、靱性の改善効果は見られるものの、PAS
系樹脂の特徴である耐熱性に劣るという問題があった。
【0005】更に、特開昭64−45439号公報には
、ポリフェニレンスルフィドケトン(以下、PPSKと
略す)を用いる場合について開示されているが、この樹
脂の場合、耐熱性に非常に優れるものの、熱安定性が悪
く、フィルム内にゲル物が入り込み易い等の問題があっ
た。また、特開平2−225535号公報では、PPS
とPPSKのブロック共重合体の場合について開示され
ているが、該ブロック共重合体においても、PPSのT
g以上の温度域で弾性率が低下する等といった問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記問
題点に鑑み、PPS等で問題だった100℃以上の温度
域での弾性率の低下、PPSKで問題だった成形安定性
、及びPAS系樹脂全般において従来から問題であった
靱性等についてこれらが著しく改善された、即ち耐熱性
、耐薬品性、寸法安定性、難燃性等の優れた性能を有す
るフィルムを得るべく検討を行った。  そして本発明
者等は、耐熱性に優れたPPSKと靱性に優れたPPS
Sとのブロック共重合体を用いたフィルムにおいては上
記問題点が解決し、特に150℃付近での弾性率、靱性
、熱収縮性等の物性が大幅に向上することを見いだし、
本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はポリフェ
ニレンスルフィドスルホン部分とポリフェニレンスルフ
ィドケトン部分から成るブロック共重合体、もしくは該
ブロック共重合体と混和可能な他の樹脂から成る樹脂組
成物を溶融成形して得られるポリアリーレンスルフィド
系ブロックコポリマーフィルムに関するものである。
【0008】本発明のPPSS/PPSKは、主として
、(−φ−SO2−φ−S−) を繰り返し単位とする
部分(PPSS部分)と、主として、(−φ−CO−φ
−S−)を繰り返し単位とする部分(PPSK部分)か
ら成るブロック共重合体である(但し、− φ −はp
−フェニレン基であり、以下同様に表わす)。
【0009】該PPSS/PPSKは、他のPAS系樹
脂同様、耐薬品性、寸法安定性、難燃性、成形性等に優
れると共に、融点が300℃以上と非常に高く、PPS
などで問題であった電子・電気部品の耐ハンダ特性を十
分満足し得る超高機能性のポリマーである。
【0010】該PPSS/PPSKは、下記に示すよう
な製造方法やその他各種の製造方法によって得ることが
できる。例えば、特開昭63−113020号公報や同
64−54031号公報等に開示されているような方法
で、ジハロベンゾフェノンとアルカリ金属硫化物を有機
アミド溶媒中で反応させて末端クロルフェニレン基(或
いは、ナトリウムスルフィド基)型PPSKを合成し、
米国特許第4102875号や同4301274号に開
示されているような方法で、ジハロ芳香族スルホンとア
ルカリ金属硫化物を有機アミド溶媒中で反応させて末端
ナトリウムスルフィド基(或いは、クロルフェニレン基
)型PPSSを合成し、両者を有機アミド溶媒中で反応
させてブロック共重合体を製造する方法等が挙げられる
【0011】ブロック共重合体の合成に用いるPPSK
又はPPSSを所定の末端基構造を有する重合物とする
ためには、PPSS(又は、PPSK)の重合反応時に
ジハロ芳香族スルホン(又は、ジハロベンゾフェノン)
とアルカリ金属硫化物のどちらかを多少過剰に配合する
ことによって得ることができる。例えば、末端クロルフ
ェニレン基型PPSSを得る場合、ジハロ芳香族スルホ
ンをアルカリ金属硫化物より、5モル%程度過剰にする
ことにより得ることが可能となる。
【0012】PPSSの重合に用いるジハロ芳香族スル
ホンとしては、ビス(4−ブロモフェニル)スルホン、
ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フル
オロフェニル)スルホン等が好適であり、PPSKの重
合に用いるジハロベンゾフェノンとしては、4,4′−
ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ジフルオロベンゾ
フェノン、4,4′−ジブロムベンゾフェノン等が好適
である。また、アルカリ金属硫化物としては硫化リチウ
ム、硫化ナトリウムなどが好ましく、更に、水硫化アル
カリ金属と水酸化アルカリ金属の反応によって得られた
ものを用いても差し支えない。また、有機アミド溶媒と
しては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2
−ピロリドン等が好ましく用いられる。
【0013】ブロック共重合体における、PPSS部分
とPPSK部分の割合は使用目的等により異なるため一
概には規定できないが、PPSS部分は20〜80モル
%、好ましくは25〜75モル%である。かかる範囲で
は、耐熱性、熱安定性、靱性、或いは他ポリマーを添加
した場合の親和性等の物性のバランスがよい。
【0014】該PPSS/PPSKには、製造上から含
まれ得るPPSSのホモポリマー、PPSKのホモポリ
マーを、本発明の効果を損なわない範囲内であれば含ん
でいても構わない。また、PPSS部分における(−φ
−SO2−φ−) の部分が下記に示すような構造であ
るポリアリーレンスルフィド部分を30モル%以下、好
ましくは10モル%以下含んでいても構わない。該ポリ
アリーレンスルフィド部分としては、p−フェニレン、
m−フェニレン、o−フェニレン、2,6−ナフタレン
、4,4′−ビフェニレン等の2価芳香族残基、或いは
、(−φ−O−φ−) 、(−φ−CH2 −φ−) 
 、(−φ−C(CH3)2−φ−)等の如き少なくと
も2個の炭素数6の芳香環を含む2価の芳香族残基や、
更に、各芳香環にはF、Cl、Br、CH3 、COO
H、OH、NH2 、CN、NO2 等の置換基が導入
されたものが挙げられる。
【0015】該PPSS/PPSKの溶融粘度は、融点
プラス20℃、10 rad/secでの動的粘性率[
η′]が100〜105 ポイズ、好ましくは200〜
50000ポイズのものが用いられる。
【0016】本発明に用いるPPSS/PPSKは他ポ
リマーとの親和性に優れるために、混和可能な樹脂を添
加することが可能である。例えば、PPS、PPSK、
PPSS;ナイロン66、ナイロン6、ナイロン46等
に代表されるポリアミド;ポリエチレンテレフタレート
、ポリブチレンテレフタレート等に代表される熱可塑性
ポリエステル;ポリエーテルサルホン、ポリアリールサ
ルホン、ポリサルホン;ポリフェニレンオキサイド;ポ
リエーテルイミド;ポリエーテルケトン、ポリエーテル
エーテルケトン;ポリアリーレート;ポリカーボネート
;フェノキシ樹脂;エチレン、プロピレン、ブチレン、
ペンテンの単量体の単独重合物や共重合物、或いはこれ
ら単量体とブタジエン、イソプレン、スチレン、(メタ
)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(
メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等との
共重合体であるα−オレフィン共重合体;スチレン/ブ
タジエンゴムなどの共役ジエン系共重合体水添物;スチ
レン系共重合体;ABS系樹脂;テトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂等
々が挙げられる。特に好ましい樹脂としてPPS、PP
SK、PPSSが用いられる。
【0017】これらの樹脂は通常、PPSS/PPSK
100重量部に対して、エポキシ樹脂やフェノール樹脂
の場合、10重量部以下、好ましくは5重量部以下、α
−オレフィン共重合体、共役ジエン系共重合体、スチレ
ン系共重合体、フェノキシ樹脂の場合は60重量部、好
ましくは50重量部以下、その他PPS、PPSK、P
PSS等の樹脂に関しては100重量部以下、好ましく
は80重量部以下の範囲で使用される。
【0018】更にまた、必要に応じて、繊維状または粒
状の充填剤を配合することも可能である。繊維状充填剤
としては、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、
ボロン繊維、ウィスカー、チタン酸カリウム、アスベス
ト、炭化ケイ素、アラミド繊維、セラミック繊維、金属
繊維などが挙げられる。また、粒状の充填剤としては、
マイカ、タルクなどの珪酸塩や炭酸塩、硫酸塩、金属酸
化物、ガラスビーズ、シリカなどが挙げられる。これら
は2種類以上併用してもよく、これらの充填剤は、通常
充填剤の処理剤として用いられるシラン系やチタン系の
カップリング剤で処理することもできる。充填剤の添加
の割合は充填剤の種類や使用目的等で異なるが、通常、
樹脂100重量部に対して、20重量部以下、好ましく
は15重量部以下が用いられる。
【0019】また、本発明の目的を逸脱しない範囲で少
量のポリエチレンワックス等の離型剤、各種顔料類等の
着色剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡
剤、難燃剤、難燃助剤、防錆剤、アミノシランやエポキ
シシラン等のシランカップリング剤やチタネートカップ
リング剤を含有せしめることが可能である。尚、耐熱安
定剤としては、マグネシウムを除く周期律表第IIa属
金属の水酸化物、酸化物、芳香族カルボン酸塩、及び周
期律表Ia属金属の芳香族カルボン酸塩、炭酸塩、水酸
化物、リン酸塩、ホウ酸塩等の塩基性化合物、中でもカ
ルシウムやバリウムの水酸化物や酸化物が、酸化防止剤
としては、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダード
アミン系樹脂、リン系化合物、中でも3価のリン化合物
が、防錆剤はリチウム、カリウム等のアルカリ金属の炭
酸塩、マグネシウム、カルシュウム或いは亜鉛等の周期
律表IIa、b族に属する金属の酸化物や炭酸塩など、
中でも特に酸化亜鉛や炭酸亜鉛などが好適に用いられる
【0020】本発明のフィルムは、PPSS/PPSK
、或いはPPSS/PPSKと混和可能な他の樹脂から
成る樹脂組成物を通常のTダイを用いるTダイ法、リン
グダイを用いるインフレーション法、ホットプレス法等
の溶融成形によって得ることができる。また、このフィ
ルムを一軸或いは二軸に延伸し、熱固定することによっ
て強度に優れた延伸フィルムを得ることができる。 尚、二軸方向に延伸する場合は、逐次二軸延伸、同時二
軸延伸のいずれでもよい。
【0021】具体的には、Tダイもしくはリングダイを
装着した押出機に、PPSS/PPSKまたはそれを含
む組成物を供給、280〜380℃でフィルムを溶融成
形する方法、或いはホットプレスを用いて280〜38
0℃で加熱溶融しながら加圧してフィルムを成形する方
法がある。また、延伸フィルムを得る場合、溶融押出成
形、或いはプレス成形でフィルムを成形後、直ちに急冷
し、結晶化度を低く抑えたフィルムを得る。次いで、こ
のフィルムを、ロール又はテンダー方式等の延伸機を用
いて、120℃から250℃の温度域で、目的に応じて
、一軸方向或いは二軸方向にそれぞれ1.5 〜10倍
延伸する。更に、延伸フィルムに応力を加えながら、場
合によっては弛緩させながら140〜350℃の温度域
で、1〜3000秒間熱固定する。(熱固定工程での延
伸倍率は0.8 〜2倍に相当)
【0022】なお、本発明で言うところのフィルムとは
厚さ2mm以下、好ましくは1mm以下のフィルムをさ
す。また、他の樹脂或いは充填物を添加して使用する場
合、樹脂混合物を予め押出機等の混練機で均一に溶融混
練し、ペレット状等としたものを用いるのが好ましい。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもので
はない。
【0024】〔参考例1〕  (PPSS/PPSKの
合成例)10LオートクレーブにN−メチルピロリドン
(NMP)1980g、硫化ナトリウム2.7水塩(N
a2S)656g、水酸化ナトリウム(NaOH)を2
g、及びビス(p−クロロフェニル)スルホン1436
gを仕込み、窒素雰囲気下、200℃で6時間反応させ
た。更に、ビス(p−クロロフェニル)スルホン72g
とNMP200gを加え、210℃で1時間反応させ、
末端クロル基型のPPSS反応物スラリーを得た。
【0025】次に、10LオートクレーブにNMP 2
940g、Na2S 964g、及びNaOH 3.6
gを仕込み、窒素雰囲気化、190℃まで約2時間かけ
て水を流出させながら昇温し、100℃に冷却した後、
4,4′−ジクロロベンゾフェノン 1750gとNM
P 700gを加え、更に、240℃で3時間反応させ
、末端ナトリウムスルフィド基型のPPSK反応物スラ
リーを得た。
【0026】上記PPSK反応物スラリーとPPSS反
応物スラリーとNMPをオートクレーブに仕込み、21
0℃で3時間反応させ、公知の方法で精製し、PPSK
部分が40モル%のブロック共重合体(PPSS/PP
SK)を得た。走査型示差熱量計(DSC)で求めたP
PSS/PPSKのTgは195℃、融点は338℃で
あり、PPSのTg 80℃、Tm 285℃に比べて
非常に高いTg、Tmとなっている。また、360℃、
10rad/secでの動的粘性率は700ポイズであ
った。
【0027】〔実施例1、比較例1〕PPSS/PPS
Kをホットプレス機を用いて、350℃で溶融プレスし
た後、冷却プレス機で急冷し、約150μmのフィルム
を得た。フィルムを幅1cm、長さ5cmに切りとり、
35℃、150℃でのヤング率E′を測定した。35℃
のE′は2.9 GPa、150℃は2.0 GPaで
あった。また、比較例として、PPSの場合について、
同様な検討を行った。但し、溶融温度は320℃とした
。35℃のE′は2.5 GPa、150℃では0.3
2 GPaであった。また、DSCで求めたフィルムの
融点はPPSS/PPSKが332℃、PPSが281
℃であった。PPSS/PPSKを用いることによって
、耐熱性が大幅に向上するのが判る。
【0028】尚、PPSはフィリップ・ペトロリアム社
製のライトンGR−01を用いた。また、フィルムは1
50℃で約10分熱処理を行った。
【0029】〔実施例2、比較例2〕PPSS/PPS
KをTダイを装着した40mm押出機に供給し、350
℃で溶融押出し、冷却ロールで急冷し、約200μmの
フィルムを得た。このフィルムを二軸延伸機装置(岩本
製作所社製)を用いて、150℃で二方向にそれぞれ約
2.4 倍同時二軸延伸し、定長状態、280℃で約5
分間熱固定を行い、厚み約35μmの延伸フィルムを得
た。得られたフィルムの引張試験、引き裂き試験、熱収
縮試験、及び35℃と150℃でのヤング率[E′]測
定を行った。
【0030】引張試験は幅5mm/min、長さ3cm
のフィルムで引張速度5mm/minとし、引き裂き試
験は幅3cm、長さ10cmのフィルムに5mmの深さ
に90度の切込みを入れ、引張速度10mm/minで
引張試験を行い、熱収縮試験は、10cm四方の正方形
を切りとり、フィルム中央部に延伸方向とその平行方向
に8cmの線を十文字に入れ、250℃の高温槽に約5
分間保持し、熱収縮率を求めた。
【0031】引張強度は16Kg/mm2、引張弾性率
は410Kg/mm2、引き裂き強度は12Kg、熱収
縮率は0.4 %、E′は35℃が3.8 GPa、1
50℃が3.6 GPaであった。
【0032】尚、比較例として、PPSを用いた場合に
ついて、同様な検討を行った。溶融温度は320℃、延
伸温度は110℃、熱固定温度は250℃とした。引張
強度は14Kg/mm2、引張弾性率は370Kg/m
m2、引き裂き強度は4Kg、熱収縮率は10%、E′
は35℃が3.3 GPa、150℃が0.63 GP
aであった。
【0033】PPSS/PPSKの場合、引き裂き強度
、熱収縮率、耐熱性が大幅に向上するのが判る。尚、X
線回折より得られたフィルムの結晶化度はいずれも10
%以下、明確な回折ピークは観測できなかった。
【0034】〔実施例3〕実施例1で得たフィルムを実
施例2と同様な手法で、一軸方向に約5倍延伸し、同様
に熱固定し、約40μmの一軸延伸フィルムを得た。延
伸方向にフィルムを切り、実施例2と同様な引張試験、
引き裂き試験、ヤング率測定を行った。引張強度、引張
弾性率、引き裂き強度、ヤング率はそれぞれ18Kg/
mm2、450Kg/mm2、14Kg、35℃が4.
2GPa、150℃が4.1GPaであった。
【0035】〔実施例4〕PPSS/PPSKとPPS
を7対3に配合して、実施例2と同様な手法でフィルム
を作成し、同様な検討を行った。但し、フィルムの厚み
が300μm、二軸方向の延伸倍率は1.6 倍とした
。 フィルムの厚みは約80μmであった。引張強度は16
Kg/mm2、引張弾性率は420Kg/mm2、引き
裂き強度は9Kg、熱収縮率は0.8 %であった。ま
た、35℃のヤング率は3.5 GPa、150℃では
3.1 GPaであった。尚、X線回折より得られたフ
ィルムの結晶化度は10%以下、明確な回折ピークは観
測できなかった。
【0036】〔実施例5〕実施例1、2で得たフィルム
をガソリン、オイル、アセトン、トルエン、20%水酸
化ナトリウムに10日間浸漬させたが、全く侵されなか
った。また、マッチで火を付けたが、たちどころに消え
、自己消火性がみられた。
【0037】
【発明の効果】本発明の(延伸)フィルムは、耐薬品性
、難燃性に優れ、靱性、熱収縮性、耐熱性が著しく改良
されたものである。特に、150℃付近での弾性率、靱
性、熱収縮性等の物性がが大幅に向上する。そのため、
本発明の(延伸)フィルムは、例えば、磁気テープ用フ
ィルム、写真用フィルム、コンデンサー用フィルム、プ
リント配線板、電気・電子材料用フィルム、絶縁用フィ
ルム、各種工業用保護フイルム、プリンター用フィルム
、スピーカー用コーン、各種建築物、或は自動車・航空
機の装飾用フィルム、スタンパブルシート用、各種トレ
イ、容器、分離膜用等々の広範な用途に用いることがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンスルフィドスルホン部分と
    ポリフェニレンスルフィドケトン部分から成るブロック
    共重合体を溶融成形することによって得られるポリアリ
    ーレンスルフィド系ブロックコポリマーフィルム。
  2. 【請求項2】(A)ポリフェニレンスルフィドスルホン
    部分とポリフェニレンスルフィドケトン部分から成るブ
    ロック共重合体と(B)混和可能な他の樹脂から成る樹
    脂組成物を溶融成形することによって得られるポリアリ
    ーレンスルフィド系ブロックコポリマーフィルム。
  3. 【請求項3】(B)混和可能な他の樹脂として、ポリフ
    ェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホ
    ン、ポリフェニレンスルフィドケトンより選ばれる少な
    くとも1種の熱可塑性樹脂を用いることを特徴とする請
    求項2記載のポリアリーレンスルフィド系ブロックコポ
    リマーフィルム。
  4. 【請求項4】溶融成形後に、延伸することを特徴とする
    請求項1〜3記載のポリアリーレンスルフィド系ブロッ
    クコポリマー延伸フィルム。
JP11604491A 1991-03-05 1991-05-21 ポリアリーレンスルフィド系ブロックコポリマーフィルム Pending JPH04342734A (ja)

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DE4206996A DE4206996A1 (de) 1991-03-05 1992-03-05 Polyphenylensulfidsulfon-polyphenylensulfidketon- blockcopolymer, harz-zusammensetzung dasselbe enthaltend sowie daraus hergestellte fasern und filme

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000294447A (ja) * 1999-04-09 2000-10-20 Unitika Ltd フィルムコンデンサ用高誘電率フィルムおよびその製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000294447A (ja) * 1999-04-09 2000-10-20 Unitika Ltd フィルムコンデンサ用高誘電率フィルムおよびその製造方法

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