JPH0434032A

JPH0434032A - アクリル梳毛紡績糸

Info

Publication number: JPH0434032A
Application number: JP13966990A
Authority: JP
Inventors: Mitsuo Senba; 仙波　光雄; Toyohiko Hoshi; 星　豊彦
Original assignee: Asahi Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1990-05-31
Filing date: 1990-05-31
Publication date: 1992-02-05

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明はアクリル梳毛紡績糸、詳しくは光沢に優れた難
燃性アクリル梳毛紡績糸に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、難燃性アクリル繊維は、難燃性を生かして、カー
テン・カーペット等のインテリア寝装分野や衣料分野に
利用されているが、特に最近インテリアの高度化に伴な
い光沢に対する要求が、極めて高い。

紡績糸にした後光沢加工する技術として、例えば特公昭
５５−３１２１８号公報、特開昭６３−１９００３５号
公報で示される様な熱延伸をかける方法がある。

しかしこれらの方法で得られる紡績糸は、熱延伸による
糸の残留収縮率が高く、製織する段階で著しい織縮みを
生じる問題があり、一方これ解決するため熱延伸の後、
熱弛緩を施す等が行なわれるが、要求する光沢は失なわ
れるという欠点がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は光沢に優れた難燃性アクリル梳毛紡績糸を提供
することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、かかる要求に応えるべく鋭意検討の結果
、特定のアクリル繊維を用い、且つ、特定の撚係数を採
用することによって光沢に優れた紡績糸を開発したもの
である。

即ち、本発明は、アクリル繊維の梳毛紡績糸において、
アクリル繊維が、５０〜８５重量％のアクリロニトリル
及びアクリロニトリルと共重合可能な他の単量体と、１
５〜５０重量％の塩化ビニリデン、０．４〜３重量％の
スルホン酸基を有する親水性オレフィン系単量体よりな
る難燃性アクリル系重合体より構成され、かつ異型度が
１．１〜１．８であり、該紡績糸の撚係数が４０〜６０
であることを特徴とするアクリル梳毛紡績糸である。

以下本発明を詳述する。

本発明で使用する難燃性アクリル系重合体は、５０〜８
５重量％のアクリロニトリル及びアクリロニトリルと共
重合可能な他の単量体と、１５〜５０重量％塩化ビニリ
デン、０．４〜３重量％のスルホン酸基を有する親水性
オレフィン系単量体とを通常の方法で共重合して得られ
るものである。

これら共重合体の重合方法は、通常知られているビニル
系単量体の重合方法であればいずれでもよい。例えばレ
ドックス触媒を用いた水相懸濁重合、あるいは溶液重合
、乳化重合などが一般に用いられる。

本発明で使用するアクリロニトリルと共重合可能な他の
単量体とじて：よ、アクリル酸及びそのアルキルエステ
ル、メタクリル酸及びそのアルキルエステル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、マレイミド、β−アミノエ
チルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、酢酸ビニルなどがあげられるが、これらに限定され
るものではない。

ただし、上記他の単量体の中には、塩化ビニリデン、ス
ルホン酸基を有する親水性オレフィン系単量体は除かれ
る。

スルホン酸基を有する親木性オレフィン系単量体として
は、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリル
スルホン酸等のスルホン酸及びそれらの塩（例えばナト
リウム、カリウム、アンモニウム塩）が挙げられる。

このようにして得られた重合体は、硝酸、塩化亜鉛系水
溶液、ロダン塩水溶液、ジメチルホルムアミドなどに溶
解して紡糸原液をつくる。特に本発明においては硝酸水
、ジメチルホルムアミドが好ましい。

硝酸を溶剤とする場合は、硝酸濃度６０〜８０重量％好
ましくは６３〜７０重量％の硝酸溶液１００部に対し、
重合体を１０〜４０部、好ましくは１５〜２０部の割合
で溶解し、溶解に際しての原液温度は、硝酸による酸化
反応を抑制するため２０°Ｃ以下に保ち、紡糸原液が得
られる。そして、この紡糸原液は臨界濃度以上の濃度を
有する凝固浴に紡出される。

硝酸を溶剤とする湿式紡糸での臨界濃度は、使用した溶
剤濃度、重合体濃度、凝固浴濃度などによって変動する
ものの、およそ３９重量％が中心である。

同様に、ジメチルホルムアミドを溶剤とする場合は、臨
界濃度は５３重量％付近に、また塩化亜鉛系水溶液を溶
剤とする場合は４０重量％付近に存在する。

硝酸を溶剤とする紡糸は、硝酸濃度４０重量％以上、好
ましくは４８重量％以上に調整された凝固浴中に、紡糸
ドラフト率が５を越えて設定できるノズルを用いて紡出
する。

ここで紡糸ドラフト率は次式で示される。

紡糸ドラフト率＝（巻き上げローラー速度）／（ノズル
孔よりの紡糸原液吐出線速度）凝固浴が臨界濃度未満の
場合には、紡糸ドラフト率が５に達しないし、また得ら
れる繊維も深みのある発色性に乏しい。凝固浴濃度が臨
界濃度プラス９重量％を越えると繊維間での接着、膠着
が発生し易くなる。

紡糸ドラフト率が５未満の場合、凝固浴内での繊維のた
るみが起こり、繊維が回転部へ巻き付いたりして紡糸操
業性が低下するとともに、得られた繊維は深みのない発
色性に乏しいものとなる。

紡糸ドラフト率を５を越えて設定すると、凝固浴内で繊
維は一直線に張り、得られる繊維は紡糸ドラフト率が高
いほど深みのある発色性に冨んだものとなる。上記にい
う臨界濃度とは、最大紡糸速度が最小、あるいは全く紡
糸不可能となり、その両側の濃度においては紡糸可能領
域を有する凝同浴の溶媒濃度を意味する。

臨界濃度より高い濃度を有する凝固浴中での紡糸におい
ては、凝固繊維が凝固浴内で蛇行し、得られた繊維は白
濁し、透明性は全く消失してしまう。したがって、従来
の紡糸においては臨界濃度より低い溶剤濃度で凝固を行
っていたのである。

かくして得られた繊維を水洗し、溶剤を完全に除去した
後延伸し、乾燥、熱処理して得られる難燃性アクリル繊
維は、耐摩耗性に優れ、深みのある発色性を有するもの
である。

本発明においては、かかるアクリル繊維の異型度が１．
１〜１．８である必要がある。この範囲外では光沢が乏
しい。ここにいう異型度（Ｖ）は下記により定義される
。

当該繊維横断面（５００倍拡大写真）の外接円の直径（
ｒ）をデニール（ｄ）で除した値（ｒ／ｄ＝ｖｌ）と同
一デニールにおいて真円と仮定した時の計算上の直径（
ｒＯ）をデニール（ｄ）で除した値（ｒ。

／ｄ＝ｖｏ）との比、ｖｌ／ｖｏ＝Ｖで表す。

以上のごとき特定のアクリル繊維を梳毛紡績糸となす方
法は、繊維長が７０〜１２７ｍのものを通常の梳毛紡績
手段によって紡績すればよい。

本発明ではこの梳毛紡績糸の撚係数が４０〜６０である
必要があり、４０未満では紡出困難であって、また、６
０を超えると優れた光沢が得られない。

上記条件を満たす梳毛紡績糸を用いた織物は、光沢度が
高く目視でも艶かな光沢が認められた。

また一般には撚係数を下げると、糸強力が低下し紡出が
困難となるが、本発明のアクリル繊維は、繊維表面が緻
密で平滑な構造であり、これらの繊維を集合した場合、
異型度１．１〜１．８位の偏平状のものがもっとも単繊
維の配列が密となり、抱合性が向上し紡出に耐えうる強
力（双糸ライスレンゲ）１０に１以上が得られた。

〔実施例〕

以下実施例により本発明を更に詳しく説明する。

尚、本発明では、光沢は下記方法にて測定される。

光沢は、紡績糸を染色した後、７３本／インチの密度で
平織物とし、変角光沢計（日本電色工業）を用い４５度
投光、受光し反射光の強さ（μ−）で表した。

強力は、Ｊ　Ｉ　Ｓ　　Ｌ１０７１に準じて行い、ライ
スレンケ（ＲＫ＋ｍ）　　＝測定番手×測定強さ（ｇ）
／１０００で表わした。

実施例１．２、比較例１．２重合触媒として過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸ソーダ
を組み合わせて用い、硫酸でＰＨ２，５に調整された５
５°Ｃの水中で、アクリロニトリル（以下ＡＮ称す）、
アクリル酸メチル（以下ＭＡと称す）塩化ビニリデン（
以下ＶＣと称す）、メタクリルスルホン酸ソーダ（以下
ＭＳと称す）をＡＮ／ＭＡ／ＶＣ／ＭＳ＝５０．５／４
／４５１０．５の割合で５時間重合を行い、得られた重
合体を０℃の８０重量％の硝酸水１００ｇに対し、１６
ｇの割合で溶解し、紡糸原液とした。

ついで４１重量％の臨界濃度を有する０°Ｃの４２重量
％の硝酸水の凝固浴に紡口が楕円状で長径と短径の比が
１．４、孔面積が０．０１　ｄ、孔数１００のノズルを
用いて吐出させ、５■／ｓｉｎの速度で凝固浴から取り
出し、引き続き硝酸濃度４２重量％、浴温度６５°Ｃの
延伸浴で８倍に延伸した。延伸を完了した繊維は、水洗
後、１３０°Ｃの熱風中で十分乾燥し、１１５°Ｃの水
蒸気中で熱弛緩処理を行い単繊維デニール３ｄで異型度
１．４のアクリル繊維を得た。該アクリル繊維を繊維長
７０〜１２７　ｔｍにし、通常の梳毛紡績手段によって
４０メートル番手双糸を得た。この時単糸の撚を撚係数
でα＝２０〜８０まで変化させ、双糸の撚は各々の単糸
撚数００．６倍とした。この双糸をチーズ染色したのち
通常の平織で２４９本／１０ｃｍの縦、横密度の織布と
し、その光沢度を比較したのが第１表である。

実施例３．４、比較例３．４実施例１．２、比較例１．２と同様のアクリル系重合体
を同紡糸条件で、凝固浴に、紡口が楕円状で長径と短径
の比が１．０．１．１．１．４．１．８．２．０で、孔
面積がいずれも０．０１−からなり孔数１００のノズル
を用いて、吐出させ、繊維異型度が１．０〜２．０の単
繊維デニール３デニールの繊維を得た。

これらのアクリル繊維を実施例１．２と同様の紡績、染
色、平織を実施し光沢度を比較したのが第２表である。

なお実施例３．４、比較例３．４の紡績の単糸撚数は、
α＝６０双糸撚数は単糸撚数の０．６倍とした。

第１表から分るように、実施例は光沢度が高く、４０μ
−を超えるものは、目視でも艶かな光沢が、認められ、
撚係数がα＝４０〜６０の間が光沢度が特に高い。

また第２表から分るように、繊維の異型度によって光沢
度が変化し、異型度Ｖ＝１．１〜１．８が光沢度の高い
のが認められた。

（以下余白）次に前記実施例と従来のアクリル重合体を用いた繊維と
の比較を下記に示す。

比較例５〜８従来アクリル重合体を用いて、６７％硝酸水１００ｇに
対し１５ｇの割合で紡糸原液とし、ついで３５重量％、
０°Ｃの硝酸水の凝固浴に紡口が楕円状で長径と短径の
比が１．４、孔面積が０．０１−１孔数１００のノズル
を用いて吐出させ、５ＩＩＩ／ｌｌｌ１ｎの速度で凝固
浴から取り出し、水洗後１００°Ｃの熱水で８倍に延伸
した。その後は前記の実施例１．２、比較例１．２と同
様の処理を施し、アクリル繊維を供した。該アクリル繊
維を用いて、実施例１〜４と同様に、光沢度を求め、比
較例５〜８として、実施例と比較した。撚係数との関係
を第３表に、異型度との関係を第４表に示す。従来のア
クリル重合体を用いた場合は、任意の異型度を得るのが
困難であり、繊維異型度１．４．１．８シか得られなか
った。

第３表、第４表から分るように、従来のアクリル重合体
を用いた繊維は、撚係数４０〜６０、異型度１．４〜１
．８でも、光沢度が劣る。

〔発明の効果〕

本発明の梳毛紡績糸は従来にない優れた光沢を有する難
燃性アクリル紡績糸である。

Claims

【特許請求の範囲】

アクリル繊維の梳毛紡績糸において、アクリル繊維が、
５０〜８５重量％のアクリロニトリル及びアクリロニト
リルと共重合可能な他の単量体と、１５〜５０重量％の
塩化ビニリデン、０．４〜３重量％のスルホン酸基を有
する親水性オレフィン系単量体とよりなる難燃性アクリ
ル系重合体より構成され、かつ異型度が１．１〜１．８
であり、該紡績糸の撚係数が４０〜６０であることを特
徴とするアクリル梳毛紡績糸。