JPH0433466Y2 - - Google Patents

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JPH0433466Y2
JPH0433466Y2 JP10219386U JP10219386U JPH0433466Y2 JP H0433466 Y2 JPH0433466 Y2 JP H0433466Y2 JP 10219386 U JP10219386 U JP 10219386U JP 10219386 U JP10219386 U JP 10219386U JP H0433466 Y2 JPH0433466 Y2 JP H0433466Y2
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clutch
hydraulic
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hydraulic clutch
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、入出力要素間でスリツプ可能に動
力伝達を行う動力伝達装置に関するものである。
(従来の技術) 入出力要素間のスリツプ(相対回転)を制御し
ながら、それらの要素間で動力伝達を行う従来の
動力伝達装置としては、例えば、本出願人が実開
昭59−150046号公報にて開示した第9図に示す自
動車用自動変速機のロツクアツプクラツチ装置が
ある。
図中1は自動車のエンジン、2はエンジン1と
図示しない歯車変速装置との間に介装されたトル
クコンバータ、3はトルクコンバータ2内に設け
られたロツクアツプクラツチをそれぞれ示す。
ここでは、エンジン1のクランクシヤフト4を
トルクコンバータ2の、入力要素としてのポンプ
インペラ5に駆動結合し、ポンプインペラ5に対
向させた、出力要素としてのタービンランナ6
は、トルクコンバータの出力軸7に駆動結合す
る。また、ステータ8は、一方向クラツチ9を介
して中空固定軸10上に配設する。そして、トル
クコンバータのコンバータ室2a内に位置するロ
ツクアツプクラツチ3は、トーシヨナルダンパ1
1を介して出力軸7に、その軸線方向へ移動可能
に駆動結合する。
かかるトルクコンバータ2は、ポンプ12から
供給路13を経てコンバータ室2a内に供給され
た作動油を、エンジン1により駆動されるポンプ
インペラ5によつてかき廻し、これをタービンラ
ンナ6に衝突させた後ステータ8に通流させるこ
とにより、ポンプインペラ5から回転力を、また
ステータ8から反力を、それぞれ作動油を介して
タービンランナ6に伝達して、ポンプインペラ5
とタービンランナ6との間にスリツプを生じなが
ら、エンジン1の駆動力を出力軸7、ひいては歯
車変速装置に伝達すべく機能する。尚ここで、コ
ンバータ室2a内に供給された作動油は、戻り路
14を経て、放熱器15を通過した後にリザーバ
16に戻る。また、コンバータ室2a内の作動油
圧は、戻り路14の途中に介挿された図示しない
保圧弁により、所定のコンバータ圧Pcに保たれ
る。
そして、ここにおけるロツクアツプクラツチ3
は、コンバータ室2a内にロツクアツプ室2bを
画成し、このロツクアツプ室2b内のロツクアツ
プ圧PL/uと、コンバータ圧Pcとの差圧により
図中左行して、その差圧に応じた力でポンプイン
ペラ5、タービンランナ6間を結合し、それらの
間のスリツプを制限すべく機能する。
ここでは、このロツクアツプクラツチ3を、通
常の構成を有するマイクロコンピユータであるス
リツプ制御用コンピユータ17にて作動制御可能
とすべく、ロツクアツプ室2bを、出力軸7の中
空孔および回路18を経て、スリツプ制御弁19
に連通させる一方、スリツプ制御用コンピユータ
17にて電磁弁20を作動制御可能とし、この電
磁弁20により自動変速機のライン圧PLをオリ
フイス21,21を介し適宜にドレインして制御
圧Psを発生させ、この制御圧Psをスリツプ制御弁
19に与えて、回路18を、スリツプ制御弁19
の、コンバータ圧Pcが導かれるポートおよびド
レインインポートに適宜に連通させる。
また、スリツプ制御用コンピユータ17には、
戻り路14内の作動油温を検出する温度センサ2
2と、エンジン1の回転数を検出する回転数セン
サ23と、トルクコンバータ2の出力回転数を検
出する回転数センサ24と、スロツトルバルブの
開度を検出するスロツトル開度センサ25とをそ
れぞれ接続する。
このように構成したロツクアツプクラツチ装置
は、回転数センサ23,24の出力信号に基づ
き、ポンプインペラ5、タービンランナ6間のス
リツプ回転数を算出し、このスリツプ回転数を、
センサ23の出力信号から得たエンジン回転数
と、センサ25の出力信号から得たスロツトル開
度とに応じたロツクアツプクラツチ3の作動によ
り適宜に制限して、動力伝達効率を向上させる。
またこの装置は、センサ22の出力信号から得
た作動油温が所定温度以上のときには、スリツプ
回転数、エンジン回転数およびスロツトル開度に
応じてロツクアツプクラツチ3を完全締結状態も
しくは完全解放状態とし、このことにて、ロツク
アツプクラツチ3の滑り結合に伴う摩擦熱の発生
をなくして、トルクコンバータ2の加熱を防止す
る。
(考案が解決しようとする問題点) ところで、一般に、油圧クラツチのクラツチフ
エーシングの摩耗速度は、第10図に示すよう
に、作動油圧によつて増加率は異なるものの、ク
ラツチの単位時間当たりの発熱量の増加に応じて
増加する。従つて、作動油温が低い場合でも、発
熱量が大きければ、クラツチフエーシングが急速
に摩耗する場合がある。
そして、このクラツチの発熱量をQ、作動油温
をTとすれば、以下の関係式が成立する。
AdT/dt+BT=Q (A,Bは定数) ……() 従つて、作動油温Tと、その時間微分値dT/dtと が明らかになれば、発熱量Qを求めることができ
る。
しかしながら、上述した従来の装置にあつて
は、作動油温Tのみに基づいて、ロツクアツプク
ラツチ3を完全締結もしくは完全解放としてお
り、これがため、作動油温Tが低い状態で大きな
発熱量Qが発生すると、Tが所定温度まで上昇す
る間に、ロツクアツプクラツチ3に摩耗量が極め
て多くなる、あるいはロツクアツプクラツチ3が
焼損するおそれがあるという問題があつた。
この考案は、発熱量Qに基づいて液圧クラツチ
を完全締結もしくは完全解放とすることにて上述
した問題点を有利に解決した動力伝達装置を提供
するものである。
(問題点を解決するための手段) この考案の動力伝達装置は、第1図に示すよう
に、入出力要素31,32間を適宜に駆動結合可
能な液圧クラツチ33と、前記液圧クラツチ33
を作動させる作動流体の圧力を制御可能な圧力制
御手段34と、前記作動流体の温度を検出する温
度検出手段35と、前記温度検出手段35からの
出力に応じて、前記作動流体の温度とその温度の
時間微分値に所定値を乗じた値との和が所定値以
上の間、前記液圧クラツチ33が完全締結又は完
全解放されるように前記圧力制御手段34を作動
させるクラツチ保護手段36とを具えてなる。
(作用) かかる装置にあつては、温度検出手段35がク
ラツチ作動流体の温度Tに対応する信号をクラツ
チ保護手段36に出力し、クラツチ保護手段36
が、この信号に基づき、温度Tと、その時間微分
値dT/dtに所定値を乗じた値との和を求め、そし て、その和が所定値以上の間、圧力制御手段34
を介して液圧クラツチ33を完全締結又は完全解
放させる。
従つて、この装置によれば、液圧クラツチ33
の発熱量が所定値以上となつた場合には液圧クラ
ツチ33を完全締結又は完全解放状態とし得て、
液圧クラツチ33の滑り結合に伴う摩擦熱の発生
をなくすことができ、このことにて、クラツチフ
エーシングの早期摩耗および焼損を確実に防止す
ることができる。
(実施例) 以下に、この考案の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。
第2図は、この考案の動力伝達装置を、四輪駆
動車の後輪用入力軸と後輪用出力軸との間の動力
伝達装置に適用した一実施例を示す断面図であ
り、第3図は、この例の装置を用いた四輪駆動車
の動力伝達経路を示す。
第3図中41はエンジン、42は変速機をそれ
ぞれ示し、ここでは、エンジン41の出力軸を変
速機42の入力軸に駆動結合し、変速機42の出
力軸を、前輪用差動歯車装置43を介して左右前
輪44,44に駆動結合するとともに、後輪用入
力軸45に駆動結合する一方、後輪用出力軸46
を、後輪用差動歯車装置47を介して左右後輪4
8,48に駆動結合し、そして、後輪用入力軸4
5と後輪用出力軸46との間に、この例の動力伝
達装置49を介装する。
ここにおける動力伝達装置49は、入力要素と
しての後輪用入力軸45と、出力要素としての後
輪用出力軸46との間を駆動結合可能な、液圧ク
ラツチの一例としての油圧クラツチ50を有して
おり、この油圧クラツチ50は、クラツチドラム
51を、後輪用入力軸45に結合するとともに後
輪用出力軸46に支持して具える。
ここでは、クラツチドラム51内に配設したク
ラツチハブ52を後輪用出力軸46に一体的に結
合して、クラツチドラム51の外部筒状部分51
aとクラツチハブ52の筒状部分52aとの間
に、外部筒状部分51aにスプライン結合したク
ラツチプレート53と、筒状部分52aにスプラ
イン結合したクラツチプレート54とを数枚づつ
交互に配置し、また、クラツチドラム51の外部
筒状部分51aと内部筒状部分51bとの間に
は、クラツチプレート53,54を相互に押圧可
能なピストン55を摺動自在に嵌め合わせる。
このピストン55は、リターンスプリング56
によつて図では右方へ常時付勢されおり、ピスト
ン55とクラツチドラム51との間に画成された
油室57内の作動油圧が十分低い場合にはクラツ
チの締結を無くし、油室57内の作動油圧が上昇
すると、リターンスプリング56に抗して図では
左方へ移動し、クラツチプレート53,54の相
互の押圧をもたらすことにて、作動油圧の上昇に
応じて油圧クラツチ50の締結力を増加させるべ
く機能する。
かかる油室57内の作動油圧の制御のために、
ここでは、油室57を、内部筒状部分51bに設
けた貫通孔58、後輪用出力軸46に形成した外
周条溝59および半径方向孔60、後輪用出力軸
46とその内部に配置したトーシヨンバー61と
の間の環状通路62、そして、同じく後輪用出力
軸46に形成した半径方向孔63および外周条溝
64を介して、作動油供給路65に連通させる。
また、油室57を、貫通孔58、後輪用出力軸4
6にそれぞれ形成した外周条溝66,67および
それらの外周条溝66,67に後輪用出力軸46
の内部で連通する通路68を介して、作動油排出
路69に連通させる。
そして、作動油供給路65には、オイルポンプ
70、二方向切換電磁弁71および定圧弁72か
らなる油圧源73を接続する一方、作動油排出路
69は、オリフイス74と、電流比例式電磁弁7
5とを設ける。
ここで、油圧源73は、電磁弁71のOFF時
には、条溝64に一定油圧を供給し、電磁弁71
のON時には、条溝64への圧力供給を停止すべ
く機能する。また、電磁弁75はそこに流れる電
流iの増加に応じて作動油排出路69からの排出
油量を減少させるべく機能する。
さらに、ここでは電磁弁71および75を、圧
力制御手段の一例としての、通常の構成を有する
マイクロコンピユータ76に接続し、このマイク
ロコンピユータ76には、また、作動油排出路6
9にて作動油温Tを検出する油温センサ77と、
油圧クラツチ50の完全締結もしくは完全解放を
選択的に指示可能な選択スイツチ78と、クラツ
チ過熱警報表示器79とをそれぞれ接続する。
またここでは、トーシヨンバー61の一端部を
後輪用出力軸46に駆動結合する一方、他端部
を、ラビリンス構造の粘性カツプリング80を介
してクラツチドラム51、ひいては後輪用入力軸
45に駆動結合する。
ここにおける粘性カツプリング80は、その内
部に封入された粘性油を介して、周知の作用によ
り、後輪用入出力軸45,46間の相対回転に応
じたトルクを発生させるものであり、粘性カツプ
リング80が発生させたトルクは、トーシヨンバ
ー61に、上述の相対回転に応じた捩れを生じさ
せる。
この装置では、このトーシヨンバー61の捩れ
によつても油室57内の作動油圧を制御すべく、
環状通路62内に可変オリフイス81を設ける。
この可変オリフイス81は、互いに摺接する二
個の環状オリフイスブツシユ82,83にて構成
し、ブツシユ82は後輪用出力軸46に対して相
対回転可能にトーシヨンバー61に結合する一
方、ブツシユ83はトーシヨンバー61に対して
相対回転可能に後輪用出力軸46に結合する。そ
してここでは、ブツシユ82,83の内周部分に
軸方向スリツト82a,83aをトーシヨンバー
61が捩じれていない状態で互いに円周方向へず
れる位置にて、それぞれ形成する。
かかる可変オリフイス81にあつては、後輪用
出力軸46に対して後輪用出力軸45、ひいては
クラツチドラム15が相対回転すると、この相対
回転に応じて、粘性カツプリング80、トーシヨ
ンバー61の作用に基づき軸方向スリツト82
a,83aのオーバーラツプが生じ、このオーバ
ーラツプの幅が、相対回転の増加に応じて増加す
る。従つて、この可変オリフイス81の開口率
は、第4図に示すように、後輪用入出力軸45,
46間の相対回転の増加に応じて増加することに
なる。
このことから、上述した動力伝達装置にあつて
は、油圧源73の電磁弁71をOFFとして条溝
64に所定の作動油圧を供給し、かつ、電磁弁7
5に流れる電流iを0Aとして作動油排出路69
からの排出油量をオリフイス74のみにて制限す
ることとすると、後輪用入出力軸45,46間の
相対回転が増加した場合に、可変オリフイス81
の開口率の増加に基づき、油室57内に供給され
る作動油の量が、そこから排出される作動油量よ
りも増加して、油圧クラツチ50内の作動油圧が
上昇する。そして、この作動油圧の上昇は、第5
図にi=0Aの線にて示すように、入出力軸45,
46間の相対回転の増加に応じた油圧クラツチ5
0の伝達トルクの上昇をもらたす。
従つて、この動力伝達装置によれば、第3図に
示す四輪駆動車の、エンジン41から駆動力を直
接的に伝達される前輪44にスリツプが生じて、
後輪用入出力輪45,46間にスリツプが生ずる
と、そのスリツプ量に応じて後輪48に駆動力を
伝達して、車両の駆動力を常に十分確保すること
ができる。
この一方、上述した動力伝達装置にあつては、
電磁弁75に流れる電流iを増加させると、作動
油排出路69からの排出油量が減少して、入出力
軸45,46間の相対回転の増加に対する油圧ク
ラツチ50の伝達トルクの増加特性が変化する。
すなわち、例えば、相対回転が極く小さい場合に
は、第6図に示すように、電流iの増加に応じて
クラツチ作動油圧が上昇し、これに応じて、油圧
クラツチ50の伝達トルクも増加する。そして、
電流iが十分大きく(例えば、ここではi=
2.0A)、電磁弁75が完全に閉止されると、油圧
クラツチ50の伝達トルクは上限値(例えば、こ
こでは60Kg・m)となり、これによつて油圧クラ
ツチ50は、相対回転の大小にかかわらず、完全
締結状態となる。
また、電磁弁75に流れる電流iを0Aとし、
かつ、電磁弁71をONとして条溝64への圧力
供給を停止した場合には、油室57内の作動油圧
が実質的に無圧となり、これによつて、油圧クラ
ツチ50は、相対回転の大小にかかわらず、完全
解放状態となる。
従つて、この動力伝達装置によれば、電磁弁7
1,75を作動制御することにて、所要に応じて
油圧クラツチ50を完全締結状態あるいは完全解
放状態とすることができる。
ここでは、かかる電磁弁71,75の制御を、
油圧クラツチ50の発熱量Qに応じて行うべく、
マイクロコンピユータ76に、第7図のフローチ
ヤートにて示す作動プログラムを所定時間ごとに
繰り返し実行させるものとする。
すなわちここでは、マイクロコンピユータ76
を、クラツチ保護手段としても機能させる。
このプログラムでは、スタート後に、先ず、ス
テツプ101に進んで、油温センサ77から作動油
圧Tに対応する信号を読込むとともに、選択スイ
ツチ78から、油圧クラツチ50の完全解放を選
択するH信号もしくは油圧クラツチ50の完全締
結を選択するL信号を読込む。
そして、ステツプ102では、作動油温Tの時間
微分値dT/dtを演算により求め、引続くステツ
プ103では、次式に基づく演算により発熱量Qを
求める。
a dT/dt+T=Q′ a dT/dt+T=Q′ Q=B・Q′ ……() 前述の()式においてA
/B=aとしたもの すなわちここでは、dT/dtに所定の定数aを
乗じた後、それにTを加えて、発熱量Qに対応す
る値Q′を求め、さらに、Q′に所定の定数Bを乗
じてQを求める。
次にステツプ104に進んで、発熱量Qが所定値
Q0以上であるか否かを判断する。そして、Qが
Q0未満であるときには、油圧クラツチ50の過
熱のおそれはないとみなし、ステツプ105にて、
クラツチ過熱警報表示器79をOFFとした後、
ステツプ106で、電磁弁75を所要に応じた電流
値とし、また電磁弁71をOFFとしてプログラ
ムを終了する。これによつて、油圧クラツチ50
は、入出力軸45,46間のスリツプ量に応じ、
適宜に駆動力を伝達することになる。
尚ここで、電流iの値は、例えば、作動油温T
の上昇に起因する油圧クラツチ50の伝達トルク
低下の補正のために変化させても良く、あるい
は、四輪駆動車の走行条件に油圧クラツチ50の
伝達トルク容量を適宜に対応させるために変化さ
せることもできる。
一方、ステツプ104にて、発熱量Qが所定値Q0
以上であつた場合には、クラツチの過熱のおそれ
があるとみなして、ステツプ107に進み、クラツ
チ過熱警報表示器79をONとした後、ステツプ
108で、選択スイツチ78から出力されている信
号がH信号かL信号かを判断する。
この判断の結果、選択スイツチ78からの信号
がL信号であれば、ステツプ109に進んで、電磁
弁75の電流値iを2.0Aに、また、電磁弁71
をOFFとしてプログラムを終了する。これによ
つて、油圧クラツチ50は完全締結状態となる。
また、ステツプ108にて、選択スイツチ78か
らの信号がH信号であると判断した場合には、ス
テツプ110に進んで、電磁弁75の電流値iを0A
とし、また電磁弁71をONとしてプログラムを
終了する。これによつて、油圧クラツチ50は完
全解放状態となる。
以上に述べたように、この例の動力伝達装置に
よれば、油圧クラツチ50の発熱量が所定値より
も小さい場合には、所要に応じて油圧クラツチ5
0の伝達トルクを変化させ、このことにて、例え
ば、四輪駆動車の前輪44のスリツプの際に、後
輪48に十分な駆動力を伝達して車両の駆動力を
十分に確保することができる。
また、油圧クラツチ50の発熱量が所定値を越
えた場合には、例えば、四輪駆動車を選択する際
には選択スイツチ78をL側とし、二輪駆動を選
択する際には選択スイツチ78をH側とすること
にて、油圧クラツチ50を完全締結もしくは、完
全解放状態とし得て、油圧クラツチ50の滑り結
合に伴う摩擦熱の発生をなくすことができ、従つ
て、クラツチプレート53,54のクラツチフエ
ーシングの早期摩耗および焼損を確実に防止する
ことができる。
第8図は、この考案を、第9図に示す従来の動
力伝達装置に適用した例を示すものであり、ここ
では、スリツプ制御用コンピユータ17に、第8
図に示す作動プログラムを実行させることにて、
このコンピユータ17を、クラツチ保護手段とし
ても機能させる。
すなわち、このプログラムでは、スタート後
に、先ずステツプ111にて、温度センサ22から
作動油温Tを読込み、引続くステツプ112にて、
油温Tの時間微分値dT/dtを演算し、さらに、
ステツプ113にて、上述の()式からロツクア
ツプクラツチ3の発熱量Qを求める。
次に、ステツプ114で、発熱量Qが所定値Q0
上であるか否かを判断する。そして、QがQ0
満であるときには、ロツクアツプクラツチ3の過
熱のおそれはないものとみなして、ステツプ115
に進み、通常のスリツプ制御を行うものとした後
にプログラムを終了する。
一方、ステツプ114で、発熱量Qが所定値Q0
上であつた場合には、ロツクアツプクラツチ3の
過熱のおそれがあるとみなして、ステツプ116に
進み、ロツクアツプクラツチ3を、スリツプ回転
数、エンジン回転数およびスロツトル開度に応じ
て完全締結もしくは完全解放状態とした後にプロ
グラムを終了する。
この例の装置によつてもまた、ロツクアツプク
ラツチ3の発熱量が所定値を越えた場合には、ロ
ツクアツプクラツチ3を完全締結もしくは完全解
放状態とし得るので、クラツチフエーシングの早
期摩耗および焼損を確実に防止することができ
る。
(考案の効果) かくして、この考案の装置によれば、クラツチ
フエーシングの早期摩耗および損傷を確実に防止
することができ、ひいては、動力伝達装置の耐久
性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の動力伝達装置の概念図、第
2図はこの考案の装置の一実施例を示す構成図、
第3図は第2図に示す例の装置を適用した四輪駆
動車の動力伝達経路を示す略線図、第4図はこの
例における後輪用入出力軸間相対回転数−可変オ
リフイス開口率の関係線図、第5図はこの例にお
ける後輪用入出力軸間相対回転数−油圧クラツチ
伝達トルクの関係線図、第6図はこの例における
電磁弁75の電流値−油圧クラツチ作動油圧−油
圧クラツチ伝達トルクの関係線図、第7図はこの
例におけるマイクロコンピユータの作動プログラ
ムを示すフローチヤート、第8図は他の実施例に
おけるスリツプ制御用コンピユータの作動プログ
ラムを示すフローチヤート、第9図は従来の動力
伝達装置を示す構成図、第10図は一般のクラツ
チ発熱量−クラツチフエーシング摩耗速度の関係
線図である。 31……入力要素、32……出力要素、33…
…液圧クラツチ、34……圧力制御手段、35…
…温度検出手段、36……クラツチ保護手段、4
5……後輪用入力軸、46……後輪用出力軸、5
0……油圧クラツチ、73……油圧源、76……
マイクロコンピユータ、77……油温センサ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 入出力要素間を適宜に駆動結合可能な液圧クラ
    ツチと、前記液圧クラツチを作動させる作動流体
    の圧力を制御可能な圧力制御手段と、前記作動流
    体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検
    出手段からの出力に応じて、前記作動流体の温度
    とその温度の時間微分値に所定値を乗じた値との
    和が所定値以上の間、前記液圧クラツチが完全締
    結又は完全解放されるように前記圧力制御手段を
    作動させるクラツチ保護手段とを具えてなる動力
    伝達装置。
JP10219386U 1986-07-04 1986-07-04 Expired JPH0433466Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10219386U JPH0433466Y2 (ja) 1986-07-04 1986-07-04

Applications Claiming Priority (1)

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JP10219386U JPH0433466Y2 (ja) 1986-07-04 1986-07-04

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