JPH04333545A - 内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材およびその製造方法 - Google Patents

内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材およびその製造方法

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JPH04333545A
JPH04333545A JP3102597A JP10259791A JPH04333545A JP H04333545 A JPH04333545 A JP H04333545A JP 3102597 A JP3102597 A JP 3102597A JP 10259791 A JP10259791 A JP 10259791A JP H04333545 A JPH04333545 A JP H04333545A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種内燃機関に用いら
れる鋼製2ピース型オイルリング用断面異形鋼線材およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用鋼製オイルリングの型式とし
ては、従来2本の長方形断面のリングおよび1本のスプ
リングの計3本からなる3ピース型と、新型式である1
本の異形溝付リングおよび1本のスプリングの計2本か
らなる2ピース型の2種類がある。近年、部品点数減少
によるコスト低減等を目的として、3ピース型から2ピ
ース型への転換の要求が強まってきた。この2ピース型
用の異形溝付リングは、その断面形状が長方形の二対辺
に溝状凹部が形成されて概略HまたはX字形状となった
複雑形状で、かつその左右部を繋ぐウェブ部の厚み寸法
の左右部の全厚み寸法に対する比が0.3以下等と小さ
く異形度が大きいものである。また近年、耐摩耗性、耐
スカッフ性、耐硫酸腐食性等の向上を目的として高合金
化する要求も強まっている。ピストンリングのうち、圧
力リングは断面形状も単純な長方形に近いので製造上の
問題は少なく、すでに17Cr系のマルテンサイト系ス
テンレス鋼へと高合金化している。3ピース型の組合せ
オイルリングのレール(一般にサイドレールと呼ばれて
いる)は、SUS420J2(0.35C−13Cr系
である)、または0.65C−13Cr系のマルテンサ
イト系ステンレス鋼が使用されているが、やはり断面形
状は単純な長方形に近く、従来の冷間圧延や冷間伸線に
よる方法でも製造可能である。 3ピース型用のサイドレールとしては、特公昭61−5
4862号(0.65C−13Cr系)、特開昭61−
59066号(0.55C−7Cr系)などの提案があ
る。
【0003】オイルリングの材質も高合金化の要求が強
い。2ピース型オイルリングについても、高合金ほど耐
摩耗性や耐スカッフ性、耐食性の向上が期待できる。し
かし、この2ピース型オイルリング用異形溝付きのリン
グを、従来よりさらに高C化して、例えば0.8重量%
を越えるC、15重量%以上のCrを含有するマルテン
サイト系ステンレス鋼から製造することは非常に困難で
ある。すなわち、該リングは断面形状が複雑、かつ異形
度が大、つまり丸または長方形からの形状的隔たりが大
きく、したがって異形成形に際して、大きな塑性加工量
が必要で、特に上下方向から強い圧縮加工を受けるウェ
ブ部と上下から圧縮作用を受けないフランジ部が隣合っ
ており、本発明者が実験の結果見出したことであるが、
この境界部から非常に割れが発生し易いことおよびオイ
ルリングの用途上表面粗さが3S以下とされるほか、割
れはもちろん打疵、すり傷等の表面性状が厳しく規制さ
れているからである。すなわち、従来の冷間引抜き方法
によると、高合金化のため被加工性が低下し、かつ、異
形度が大きい上に前記のように加工割れが、ウェブ部と
フランジ部との境界部に発生し易く、これらを防止する
ためには1パス当りまたは焼鈍1回当りの加工率が低く
制限され、その結果、最終製品に至るまでの加工パス回
数や焼鈍回数がさらに増加し、これらの処理またはハン
ドリング中に表面性状を損ない易く、また、コスト的に
も困難となる。このため、従来0.8重量%を越えるC
、15重量%以上のCrを含有するマルテンサイト系ス
テンレス鋼による2ピース型オイルリングの製造はなさ
れていなかった。
【0004】このような状況のなか、本発明者らは、温
間ロールダイスを使用することを中心とする新規なオイ
ルリング用異形鋼線材の製造方法により、ひとまず異形
鋼線材の断面形状の成形を可能とし、特願平3−193
02号で提案した。そして、該提案によるオイルリング
は、化学成分をCが0.8重量%を越え0.95重量%
未満、Cr 15重量%ないし20重量%を含有するマ
ルテンサイト系ステンレス鋼、より具体的には上記C,
Cr,Fe以外の組成は、脱酸、脱硫元素であるSi,
Mnをそれぞれ1.0%以下、またはさらにMoとWの
1種または2種をMo+1/2Wで0.5〜3.0重量
%、VとNbの1種または2種をV+1/2Nbで0.
05〜2.0重量%、ならびにCoの12重量%以下、
Niの5重量%以下を適宜含む鋼とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】2ピース型オイルリン
グ用異形鋼線材は、所定の異形断面に成形後、そのいず
れかの段階でそのウェブ部に直列状に多数の貫通油孔を
穿孔する必要がある。このこの穿孔は加工費、作業能率
から考えて実質的に打抜き法に限定される。しかし、該
打抜きはその被加工材が高合金化したことにより、格段
に困難となることがわかった。すなわち、従来の前記の
ような低合金鋼材では、HV300〜450の所定硬さ
範囲に焼入れ焼もどしした材料でも打抜き可能であった
が、前記成分の高合金鋼では、同等硬さに熱処理したも
のでも、従来の製造方法では実質的に打抜きが不可能で
あった。 また、従来の低合金材で所定断面に成形後引続き打抜き
を行なう場合があったが、上記高合金材では、やはり打
抜き不可能であった。本発明は、前記のごとき高合金材
でなり、打抜きによる貫通油孔を有する2ピース型オイ
ルリング用異形鋼線材およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼入れ焼もど
し熱処理で硬さをHV300〜450とされ、長方形(
正方形を含む)の二対辺に溝状凹部が形成され、概略断
面形状がHまたはX字形でそのウェブ部に多数の打抜き
による貫通油孔を形成された内燃機関の2ピース型オイ
ルリング用異形鋼線材において、母材の化学成分は、重
量%で、C 0.8%を越え0.95%未満、Si 1
.0%以下、Mn 1.0%以下、Cr 15.0〜2
0.0%を含み、さらに必要に応じてMoとWの1種ま
たは2種をMo+1/2Wで0.5〜3.0%、VとN
bの1種または2種をV+1/2Nbで0.05〜2.
0%および12%以下のCoと5%以下のNiの1種ま
たは2種からなる各グループの1種または2種以上を含
み、残部Feと不可避不純物からなり、少なくとも一方
の前記溝状凹部の底部は平坦であり、その幅(隅肉半径
、ヌスミは無視)をW、前記貫通油孔の幅方向寸法をb
、該貫通油孔の幅方向壁面の高さをt、前記貫通孔油の
相互間隔をcとしたとき、W−b≧1.4tおよびc≧
tを満足することを特徴とする内燃機関の2ピース型オ
イルリング用異形鋼線材、ならびに焼入れ焼もどし熱処
理で硬さをHV300〜450とされ、長方形(正方形
を含む)の二対辺に溝状凹部が形成され、概略断面形状
がHまたはX字形でそのウェブ部に多数の打抜きによる
貫通油孔を形成された内燃機関の2ピース型オイルリン
グ用異形鋼線材において、母材の化学成分が、重量%で
、C 0.8%を越え0.95%未満、Si 1.0%
以下、Mn 1.0%以下、Cr 15.0〜20.0
%を含み、さらに必要に応じてMoとWの1種または2
種をMo+1/2Wで0.5〜3.0%、VとNbの1
種または2種をV+1/2Nbで0.05〜2.0%お
よび12%以下のCoと5%以下のNiの1種または2
種からなる各グループの1種または2種以上を含み、残
部Feと不可避不純物からなる鋼線材を、少なくとも一
方の前記溝状凹部の底部を平坦にして前記断面形状に成
形加工する工程、連続熱処理炉により焼鈍する工程、前
記平坦部の幅(隅肉半径、ヌスミは無視)をW、前記貫
通油孔の幅方向寸法をb、該貫通油孔の幅方向壁面の高
さをt、前記貫通孔油の相互間隔をcとしたとき、W−
b≧1.4tおよびc≧tを満足するごとく、打抜く工
程および焼入れ焼もどし熱処理により、前記所定硬さと
する工程からなることを特徴とする内燃機関の2ピース
型オイルリング用異形鋼線材の製造方法である。
【0007】
【作用】本願の打抜き貫通油孔を有する異形鋼線材は、
第2発明であるその製造方法の発明によって、初めて量
産的にもたらされた製品である。先ず、本発明の成分の
限定理由について述べる。CはCrおよびMo,W,V
等の添加元素と結合して炭化物を形成し、耐摩耗、耐焼
付性の向上に寄与すると共に、一部は基地中に固溶して
基地を強化する。これらの効果を得るためにCは0.8
%を越えて添加することが必要であるが、本発明のオイ
ルリングは異形状断面を有するので0.95%以上では
温間加工といえどもリング素材の製造性およびリングの
成形性が悪くなる。また、0.95%を越えると過度の
炭化物を形成することにより、耐硫酸腐食性が低下する
。したがって、Cは0.8%を越え0.95%未満に限
定する。Siは鋼の精錬時に脱酸の目的で添加されると
共に、耐硫酸腐食性の向上に効果的な元素である。しか
し、1%を越えると温間加工性を害するのでSiは1%
以下に限定する。Mnは鋼の精錬時に脱硫の目的で添加
されるが、1.0%を越えると素線を製造する時の熱間
加工性を害するので1.0%以下に限定する。Crは前
述のようにCと結び付いて、炭化物(M23C6型およ
びM7C3型)を形成し、耐摩耗性および耐焼付性を向
上させるので、本発明のオイルリングには必須の成分で
ある。さらに一部は、基地中に固溶して耐酸化性、耐熱
性を向上させる。また、窒化処理により硬質の窒化層を
生成し、耐摩耗性、耐焼付性を大きく向上させる。 これらの効果を得、また靭性を低下させないために通常
の環境下(硫酸雰囲気中でない場合)では、例えば特開
平−208435号に記載のようにCr量は、7〜25
%の範囲で十分対応可能であるが、硫酸雰囲気中ではよ
り過酷な条件下となるためCr量は狭い範囲に限定され
る。本発明者の実験の結果によれば、Cr量が15.0
%未満の場合、おそらく炭化物量が不足するために硫酸
中での腐食摩耗量が多くなる。またCr量が20.0%
を越えるとおそらく炭化物量および窒化を行った場合に
Crの窒化物量が過度になるため耐硫酸腐食性が低下す
る。従ってCr量は15.0〜20.0%の範囲に限定
した。
【0008】MoとWは、Cと結びついてそれ自体の炭
化物を形成すると共に、Cr炭化物中にも固溶すること
により、これを強化し、さらに焼もどし軟化抵抗を高め
、また窒化処理において窒化層形成にも寄与し、耐摩耗
性、耐焼付性を向上させるので必要に応じて添加される
。なお、Moは、耐硫酸腐食性を向上させる作用をもつ
。上記の効果を得るためには、Mo、Wの1種または2
種を(Mo+1/2W)で少なくとも0.5%必要であ
る。しかし、過度に添加すると靭性を低下させるので(
Mo+1/2W)の上限を3.0%とした。VとNbは
両元素とも結晶粒を微細化し、靭性向上に寄与するだけ
でなく、Mo,Wと同様それ自体で炭化物を形成すると
共に、Cr炭化物中にも固溶して、これを強化すること
により、耐摩耗性および耐焼付性を向上させ、また焼戻
し軟化抵抗を向上させる。したがって、この目的で添加
することができる。また、両元素共、耐硫酸腐食性を向
上させる作用をもつ。 これらの効果を得るためには、VとNbの1種または2
種を(V+1/2Nb)で少なくとも0.05%以上必
要である。 しかし過度に添加するとMC型炭化物を過剰に生成して
靭性を劣化させるので、(V+1/2Nb)量の上限を
2.0%とした。NiとCoは、本発明において窒化層
の耐硫酸腐食性を向上させる重要な元素である。両元素
とも炭化物を形成せず、基地に固溶し、耐硫酸腐食性を
高めるが、窒化物を形成しないため窒化層中においても
その作用が残存することが特徴であり、窒化処理を行っ
て使用する本発明のピストンリング材には特に有効であ
る。Niが5.0%を越えると熱処理における所定の硬
さが得られにくくなり、またCoは12%を越えると熱
間加工性および冷間加工性を低下させるので、添加する
場合、Niは5.0%以下、Coは12%以下とした。 P,S,O,Nは、通常不純物元素として微量含有され
る。
【0009】また、硬さ範囲をHV300〜450と規
定した理由は、HV450を越えるとカーリング工程で
スプリングバックが大きくなり、カーリング形状を一定
範囲内に保つことが困難となるほか、カーリング時に折
損し易くなるためであり、特に異形断面を有する本発明
の形状のオイルリングを製造する上で必須の条件である
。一方、HV300未満では高合金化の目的に反して耐
摩耗性が低下し、所定のリング寿命を得ることができな
いためである。
【0010】本願の製造方法の発明は、所定断面形状に
成形された異形鋼線材が連続熱処理炉により焼鈍された
後にのみ、実質的に打抜き可能となることを見出したこ
とによるものである。この焼鈍は、断面成形加工時の応
力を適当に除去してその硬さをHV200〜380程度
に調整して、パンチやダイスの過度の負荷を防止し、ま
た過度のバリの発生を防止する作用をなす。しかし、さ
らに重要なことは、テンションアニーリング作用により
、高度に真直化された被加工鋼線材を得ることである。 これにより、例えば、パンチではその幅寸法が、0.6
mm、0.8mm等非常に微細なパンチやダイスでなる
打抜き装置への被処理材の円滑な導入を可能とするので
ある。特に、本発明の製造方法の望ましい打抜き態様は
、直列に配列された複数の貫通油孔を同時に打抜くもの
であり、この際ダイスやガイド等はパスライン方向に長
尺化するから、特に真直精度を向上することが必要であ
る。前記のように低合金鋼線の場合、この連続熱処理炉
による焼鈍は、打抜きに対して必須ではなかった。恐ら
く、この相違は高合金鋼線材では、前述のように温間ロ
ールダイス等形状的に高精度を得られ難い加工方法を用
いざるを得ないことと大きく関係することが考えられる
【0011】次に、円滑な打抜きを達成するためには、
断面形状、寸法等の条件を満足することが必要である。 図1は本発明を実施する場合の打抜き装置の断面図例、
図2は打抜き完了材の平面図例である。すなわち、被打
抜き材である断面異形鋼線材1は、ダイス5、横ガイド
11,11および上ガイド兼パンチガイド10でリジッ
トに案内、保持される。それぞれの図面に示したごとく
各寸法に符号を付したとき、パンチ4は図2からわかる
ように、通常、扁平比%a/b=5〜3程度と大きい扁
平比を有するから、W−bは打抜き力を受け止めるべき
部分の幅寸法を示している。これに対し打抜き力は、貫
通孔の内壁の面積を代表する孔の側面高さtに比例する
と考えられ、本発明者らの実験によるとダイスの強度を
確保して打抜きを円滑に保持するためには、W−b≧1
.4tを満足することが必要であることが判明した。ま
た、満足すべき条件として、c≧tを満足すべきことも
判明した。この条件は打抜きに際してよりむしろその後
のリングへの曲げ成形時に割れの伝播性と関係して重要
である。すなわち、C<tではリング成形時にC寸法部
分に割れが貫通する。
【0012】前述のように、被打抜き材は高い真直性が
必要であるが、その断面寸法変動、特に被打抜き材の断
面形状成形時に変動し易いウェブの厚み方向の寸法変動
は可能の限り抑制すべきであり、望ましくは50μm以
下、さらに望ましくは30μm以下とする。幅寸法も理
論的に厚み寸法と同等である。しかし、幅寸法は厚み寸
法に比し寸法変動の抑制が容易である。これら断面寸法
の変動は、被打抜き材の案内精度、したがって打抜き工
具の寿命に影響を与える。また、打抜き作業中はバリの
高さの監視を要する。ばりは望ましくは40μm以下、
さらに望ましくは30μm以下とする。過度のばりは使
用中に脱落してエンジントラブルの原因となると考えら
れるほか、特にリングへの曲げ成形時に油孔からの割れ
の発生を誘発し易くなる。バリの抑制は、素材の硬さを
適正にすること(HV≧200)、パンチとダイスのク
リアランスを適正に保持すること、パンチおよびダイス
エッジの摩耗量を制限する(0.05mm以下)等によ
る。
【0013】打抜き方法は、打抜き工具の耐久性の関係
から間欠送りしつつ、適当箇数の油孔を同時に打抜くこ
とにより、パンチとダイスの打抜き工具の1セット当り
の負担を軽減することが望ましい。また、パンチは前述
のように折損し易いから、この場合直ちに作業を中断し
て事故の波及を防止する必要がある。このため、常時、
貫通油孔が所定位置に存在することを機械的、電気的、
光学的等により監視する必要がある。この際、貫通油孔
が定ピッチかつ同一形状であればこれ等の監視装置の簡
略化上好都合である。最後に連続熱処理炉による焼入れ
焼もどし熱処理を行なう。ピストンリングの曲げ成形に
おいて、被成形材の長手方向に亘ってスプリングバック
および曲り状態が均一であることが必要である。このた
め、本願の製造方法の発明においても焼入れ焼もどし熱
処理は連続炉による。
【0014】
【実施例】表1に示す成分の各線素材から、温間ロール
ダイスを主とする加工法により、それぞれ断面寸法で幅
 3.8mm、図2のW(隅肉半径無視、ヌスミがある
場合もこれを無視)寸法が2.0mm、高さ 2.3m
m、ウェブ厚さ 0.65mmの2ピースオイルリング
用断面異形鋼線素材をそれぞれ製作し、引き続き、連続
焼鈍炉により焼鈍した。この状態の硬さの1例はHV≒
260であり、各材料のデータは硬さバラツキHV 2
5以下、平方向曲り、横曲りとも 1mm/1000m
m以下、ねじれ 0.5°/1000mm以下、ウェブ
部厚みバラツキ 0.020mm/50mm以下であっ
た。
【0015】
【表1】
【0016】上記各素材を、貫通油孔幅 b=0.8m
m、同長さ a=3.5mm、同相互間隔c=1mmな
る貫通油孔を3箇ずつ同時に、打抜き回数5,000回
(総計3×5,000=15,000)打抜きした。そ
の結果、各ロットともパンチ、ダイスの破損は全く発生
せず、バンチ,ダイス角部に0.020mm程度の摩耗
が観察された。また、打抜き孔のピッチ・バラツキは±
0.050mm以内と良好であった。また、テスト材の
両端部のオイル孔の観察の結果、バリの高さは0.02
0mm以下であった。次に、それらのオイル孔付き断面
異形線材を、HV400程度に焼入焼もどししたのち内
径 90mmに連続曲げ加工を施した。曲げ加工の際の
バリを起点とするまたは他の原因の折損は全く発生しな
かった。なお、焼入れ焼もどし後の幅寸法バラツキは0
.002mmであった。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、高合金化に付随して
、断面形状精度、被加工性等が低下したため、その断面
異形線材のウェブ部に、工業的に貫通油孔を打抜くこと
が不可能となったが、連続熱処理炉による焼鈍を施した
後、貫通油孔部の寸法的条件を、特定範囲内とするごと
く定めることにより、安定して打抜き加工することが可
能になった。これにより、耐摩耗性を始めとする性能向
上要求を満足する2ピース型用高合金断面異形オイルリ
ング線材の供給が実質的に可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】断面異形鋼線のウェブ部に貫通油孔を打抜き加
工する打抜装置の断面図例および寸法符号を説明する図
である。
【図2】打抜き完了材の平面図例および寸法符号を説明
する図である。
【符号の説明】
1  断面異形線材 4  パンチ 5  ダイス 10  上ガイド兼パンチガイド 11  横ガイド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  焼入れ焼もどし熱処理で硬さをHV3
    00〜450とされ、長方形(正方形を含む)の二対辺
    に溝状凹部が形成され、概略断面形状がHまたはX字形
    でそのウェブ部に多数の打抜きによる貫通油孔を形成さ
    れた内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材に
    おいて、母材の化学成分は、重量%で、C 0.8%を
    越え0.95%未満、Si 1.0%以下、Mn 1.
    0%以下、Cr 15.0〜20.0%を含み、さらに
    必要に応じてMoとWの1種または2種をMo+1/2
    Wで0.5〜3.0%、VとNbの1種または2種をV
    +1/2Nbで0.05〜2.0%および12%以下の
    Coと5%以下のNiの1種または2種からなる各グル
    ープの1種または2種以上を含み、残部Feと不可避不
    純物からなり、少なくとも一方の前記溝状凹部の底部は
    平坦であり、その幅(隅肉半径、ヌスミは無視)をW、
    前記貫通油孔の幅方向寸法をb、該貫通油孔の幅方向壁
    面の高さをt、前記貫通孔油の相互間隔をcとしたとき
    、次式を満足することを特徴とする内燃機関の2ピース
    型オイルリング用異形鋼線材。 W−b≧1.4tおよびc≧t
  2. 【請求項2】  焼入れ焼もどし熱処理で硬さをHV3
    00〜450とされ、長方形(正方形を含む)の二対辺
    に溝状凹部が形成され、概略断面形状がHまたはX字形
    でそのウェブ部に多数の打抜きによる貫通油孔を形成さ
    れた内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼線材に
    おいて、母材の化学成分が、重量%で、C 0.8%を
    越え0.95%未満、Si 1.0%以下、Mn 1.
    0%以下、Cr 15.0〜20.0%を含み、さらに
    必要に応じてMoとWの1種または2種をMo+1/2
    Wで0.5〜3.0%、VとNbの1種または2種をV
    +1/2Nbで0.05〜2.0%および12%以下の
    Coと5%以下のNiの1種または2種からなる各グル
    ープの1種または2種以上を含み、残部Feと不可避不
    純物からなる鋼線材を、少なくとも一方の前記溝状凹部
    の底部を平坦にして前記断面形状に成形加工する工程、
    連続熱処理炉により焼鈍する工程、前記平坦部の幅(隅
    肉半径、ヌスミは無視)をW、前記貫通油孔の幅方向寸
    法をb、該貫通油孔の幅方向壁面の高さをt、前記貫通
    孔油の相互間隔をcとしたとき、次式を満足するごとく
    、打抜く工程および焼入れ焼もどし熱処理により、前記
    所定硬さとする工程からなることを特徴とする内燃機関
    の2ピース型オイルリング用異形鋼線材の製造方法。 W−b≧1.4tおよびc≧t
  3. 【請求項3】打抜きは直列に配列された複数の貫通油孔
    を同時に打抜くものであることを特徴とする請求項2に
    記載される内燃機関の2ピース型オイルリング用異形鋼
    線材の製造方法。
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