JP5068675B2 - 機械構造用中炭素CrMo鋼およびその製造方法 - Google Patents

機械構造用中炭素CrMo鋼およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、米国AISI規格のAISI4150Hとして規定される機械構造用中炭素CrMo鋼に関する。
中炭素CrMo鋼は焼き入れ性が高く高強度であるため、機械構造用部材に広く用いられている。中炭素CrMo鋼を構造用部材に用いる場合には、熱間でのロール圧延あるいは押出によって最終形状に近い形状に成形された後、冷間での引き抜きによって形状を仕上げ、最終熱処理によって強度を付与される場合が多い。
熱間成形においては、熱間押出はロール圧延に比べて多様な複雑形状を容易に成形することが可能なので、少量多品種の構造部材の製造に有利である。しかし、熱間押出による成形の場合には、押出直後の素材形状には曲がりや捻れが大きく、その後に冷間引き抜き工程を通すためには、少なくても1.0〜3.5%の引張矯正を施すことによって真っ直ぐな形状に整える必要がある。
一方、中炭素CrMo鋼は焼き入れ性が高いため、熱間押出後に室温まで自然放冷した際に、ベイナイトやマルテンサイトのような硬化組織が現れ、そのままでは硬すぎて矯正することが困難であるため、通常は矯正前に焼戻し相当の熱処理が施される。さらに、矯正後の素材はそのままでは硬すぎて冷間引き抜きが困難であるため、球状化熱処理によりビッカース硬さ190以下に軟化してから冷間引き抜きされる。即ち、矯正前の焼戻し熱処理と矯正後の球状化熱処理との二度の熱処理が必要であった。
球状化熱処理の方法は例えば非特許文献1に4通りの方法が記載されているが、工業的にはそのうちの、「Ac1点以上のやや高い温度に加熱した後、Ar1点以下まで非常にゆっくり冷却する方法」が用いられる場合が多い。炭素鋼の場合は熱処理温度、冷却時間をそれほど厳密に定めなくてもある程度の軟化は容易に達せられるが、CrやMoを含有する中高炭素低合金鋼の場合には、炭化物が熱に対して安定で炭素鋼ほど容易に球状化しないために、鋼種に応じた念密な条件設定が必要である。特にMoを含有する鋼は、球状化熱処理に対する軟化抵抗が著しい。
特許文献1には低炭素CrMo鋼の球状化熱処理方法が開示されている。特許文献2には高炭素熱延鋼板の球状化熱処理方法が開示されている。特許文献3にはJIS−G4805 SUJ2で規定される、高炭素Cr鋼の球状化熱処理方法が開示されている。特許文献4にはSUJ2鋼相当であるSAE52100鋼の球状化熱処理方法が開示されている。特許文献5には中・高炭素熱延鋼板に対し、冷間圧延を施した後に球状化熱処理する方法が開示されている。
特許文献6にはMoを含有しない高炭素軸受鋼線材の球状化焼鈍後のビッカース硬さが165である例が記載されているが、Moを含有する場合には全て170以上である。
米国AISI規格のAISI4150Hとして規定される機械構造用中炭素CrMo鋼は、質量%で、C:0.47〜0.54%、Si:0.15〜0.30%、Mn:0.65〜1.1%、P:0.035%以下、S:0.04%以下、Cr:0.75〜1.20%、Mo:0.15〜0.25%を含有する規格であり、高強度でかつ焼き入れ性が高いという特徴を有し、主に機械構造用部材として用いられている。AISI4150H鋼の熱間押出加工に際しては、図1に[従来]と記載されているように、熱間押出後にビッカース硬さ(以下「Hv」ともいう。)370程度とし、焼戻し熱処理でHv230まで軟化させ、引張矯正でHv240に上昇し、その後の球状化熱処理でHv180以下とし、その後冷間引抜きを行っていた。
特開平5−339627号公報 特開平7−41865号公報 特開平4−103715号公報 特開平11−315322号公報 特開平11−29823号公報 特開平2007−224410号公報 熱処理技術便覧((社)日本熱処理技術協会編)p.452
AISI4150Hで規定されている化学成分範囲内の鋼を、公知の条件を適用して球状化熱処理して冷間引き抜き可能なビッカース硬さ190以下まで軟化させることはそれほど困難ではないが、それでも180程度が限度である。しかし、もしもビッカース硬さ170以下に軟化することができれば、冷間引抜の前に施される1.0〜3.5%の引張矯正での加工硬化で上昇する硬さは20ポイント程度なので、熱間押出直後に焼戻しをせずに直接球状化熱処理を行い、引張矯正後直ちに冷間引抜することが可能となる。すなわち、焼戻しの工程を省略することができ、経済的効果が大きい(図1)。
従来の熱間押出素材の場合のように、矯正によってあらかじめ冷間歪みを付与された鋼材に対して行われる球状化熱処理の場合には、特許文献5に記載されているように、冷間歪みには球状化熱処理時の軟化を大幅に促進させる効果があるために、AISI4150Hで規定されている化学成分を有する鋼でも冷間引き抜き可能な硬さまで軟化させることは可能であった。しかし、AISI4150Hで規定されている化学成分範囲内の鋼は焼き入れ性が高く、熱間押出後の自然放冷でもビッカース硬さが350を越えるため、焼戻しをしなければ、硬すぎてわずかな冷間歪みを与えることさえも困難である。即ち、冷間での引張矯正を行う前の焼戻し熱処理が必須であった。
従って、AISI4150H熱押形鋼の製造の際に焼戻し工程を省略するためには、事前に冷間歪みを付与せずに球状化熱処理してビッカース硬さ170以下となった素材、およびその熱処理方法を新たに得ることが必要不可欠である。
本発明は、引張矯正後直ちに冷間引き抜きが可能となる、機械構造用中炭素CrMo鋼AISI4150Hの熱押形鋼およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ね、球状化熱処理の温度、昇温速度、冷却速度を適正化することにより、熱間加工後冷間ひずみを付与しないで球状化熱処理を施すのみで、その後の矯正、冷間引き抜きを連続して施すことのできる機械構造用中炭素CrMo鋼を得ることができた。その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.47〜0.54%、Si:0.15〜0.30%、Mn:0.65〜1.1%、P:0.035%以下、S:0.04%以下、Cr:0.75〜1.20%、Mo:0.15〜0.25%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、熱間加工後冷間ひずみを付与しないで球状化熱処理を施してなり、荷重98Nでのビッカース硬さが170以下であることを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼。
(2)質量%で、C:0.47〜0.54%、Si:0.15〜0.30%、Mn:0.65〜1.1%、P:0.035%以下、S:0.04%以下、Cr:0.75〜1.20%、Mo:0.15〜0.25%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、熱間加工後冷間ひずみを付与しないで球状化熱処理した後、続いて1.0〜3.5%の引張矯正をしてなり、荷重98Nでのビッカース硬さが190以下であることを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼。
(3)質量%で、C:0.47〜0.54%、Si:0.15〜0.30%、Mn:0.65〜1.1%、P:0.035%以下、S:0.04%以下、Cr:0.75〜1.20%、Mo:0.15〜0.25%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる中炭素CrMo鋼を、熱間押出加工し、直ちに球状化熱処理を施して、荷重98Nでのビッカース硬さを170以下とすることを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
(4)球状化熱処理が755〜780℃に加熱し、続いて740〜690℃までの冷却速度を10℃/h以下とすることを特徴とする上記(3)に記載の機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
(5)上記(3)又は(4)に記載の方法で製造した機械構造用中炭素CrMo鋼について、続いて荷重98Nでのビッカース硬さが190以下になるように引張矯正することを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
(6)引張矯正の加工率が1.0〜3.5%であることを特徴とする上記(5)に記載の機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
(7)上記(5)又は(6)に記載の方法で製造した機械構造用中炭素CrMo鋼を用いて、さらに冷間引抜加工することを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
本発明の機械構造用中炭素CrMo鋼は、熱間加工後冷間引張矯正前においてビッカース硬さが170以下と軟らかいため、1.0〜3.5%の冷間引張矯正をした後もビッカース硬さ190以下が確保され、再度の軟化熱処理を要することなく冷間引き抜きができるので、従来よりも製造工程が簡略化されて、製造コストが大幅に低くなる。
以下に、本発明において鋼管の化学成分を限定した理由について説明する。なお、以下に示す「%」は、特段の説明がない限りは、「質量%」を意味するものとする。
本発明鋼は本質的に米国AISI規格のAISI4150Hとして規定される鋼と等しい化学成分を有し、ビッカース硬さが170以下であることだけがAISI4150Hと異なる。従って、化学成分の限定範囲はAISI410Hの規定範囲と一致する。
C:Cは本発明鋼を最終製品の形状に成形した後に焼き入れ焼戻しして、AISI4150Hの規格値であるビッカース硬さ207以上、引張強さ731MPaが得られるように、0.47〜0.54%に定めた。より望ましくは0.49〜0.54%である。
Si:Siは脱酸作用を有する他に、フェライトを固溶強化する効果も有する。しかし、入れすぎると靱性を損なう恐れがあるために添加量の範囲を0.15〜0.30%に制限した。より望ましくは0.2〜0.3%である。
Mn:Mnは焼き入れ性を向上させる元素であり、その効果を得るために0.65〜1.1%と定めた。より望ましくは0.65〜0.85%である。
P:Pは靱性を低下させるためにできるだけ少ない方が望ましいが、過度に低減させようとするとコスト上昇を招くので、0.035%までを許容できる上限に定めた。
S:Sは切削性の向上に有効な元素であるが、過度に添加すると脆化するために上限を0.04%に定めた。Sは含有しなくてもよい。
Cr:Crは焼き入れ性を向上させる元素であり、その効果を得るために0.75〜1.2%と定めた。より望ましくは0.9〜1.2%である。
Mo:Moは焼き入れ性を向上させる元素であり、その効果を得るために0.15〜0.25%と定めた。
本発明では上記に記載した化学成分を有するビレットを熱間押出工程により形鋼または鋼管に成形した鋼材を対象とする。熱間押出時の加熱温度は熱間変形抵抗と酸化によるスケールアウトを考慮して1000℃〜1250℃が望ましい。
熱間押出後は、冷間での矯正、引張を行うことなく球状化熱処理を行い、ビッカース硬さ170以下まで軟化させる。
本発明ではビッカース硬さ170以下であることが重要な意味を持つ。ビッカース硬さ170以下であれば、冷間引き抜き素材に必要とされる真直度を出すために必要な1.0〜3.5%の引張矯正を施した後でも、ビッカース硬さを190以下に抑えることができる。但し、ここで1.0〜3.5%の引張矯正とは、引張矯正前後での引き抜き素材の長さの変化率を示すものとする。
断面減少率20%前後の冷間引き抜きを行う際にビッカース硬さが190を越えていると、金型が破損したり、途中で詰まったりして、冷間引き抜きをすることができない。その場合には引張矯正後に再度熱処理をして軟化させなければならない。言い換えれば、引張矯正後にそのまま冷間引き抜きを行うためには、引き抜き前のビッカース硬さが170以下であることが必須なのである。しかし、AISI4150H鋼はMoを含有しているために極めて軟化しにくく、従来までに、熱処理前に冷間加工することなくビッカース硬さ170以下を達成したAISI4150Hと等しい化学成分を有する鋼は見つけることができない。
本発明で1.0〜3.5%の引張矯正後の硬さをビッカース硬さ190以下と定めた理由は上記の通りであるが、引張矯正の歪み量を1.0〜3.5%と定めた理由は、1.0%未満では真直度が足りず、冷間引き抜きで途中詰まりを生ずるからであり、3.5%を超えると加工硬化が著しくてビッカース硬さ190以下にすることが困難だからである。引張矯正における歪み量の望ましい値は1.5〜3%である。
本発明では球状化熱処理を適正に行うことが最も重要であり、以下にその条件を定めた理由を説明する。
まずはAc1変態点を越えた2相域に加熱するのであるが、その理由は鋼中の炭化物の一部をオーステナイト中に固溶させて、後の冷却過程において溶け残った炭化物を析出核として再析出させるためである。それによりラメラパーライトを析出させずに炭化物を球状に析出させることができる。その際の加熱温度は755〜780℃に限定した。その理由は、本発明鋼で析出する炭化物は熱的安定性が高いために、755℃未満ではたとえAc1変態点を越えていても炭化物が十分にオーステナイト中に固溶しないためであり、また780℃を越えて加熱すると析出核となる溶け残りの炭化物の量が大きく減少して、ラメラパーライトが析出しやすくなるためである。なお、加熱時の保持時間は15分以上あれば十分である。755〜780℃に15分以上保持した後は740℃までは任意の冷却速度で冷却することができる。740〜690℃の温度範囲では変態が生ずるので、この温度域を10℃/h以下、より望ましくは5℃/h以下の冷却速度で冷却することが重要である。冷却速度が10℃/hを越えるとラメラパーライトが析出し、ビッカース硬さ170以下まで軟化しないためである。690℃まで温度低下させた後は任意の冷却速度で冷却することができる。
本発明で球状化熱処理前に冷間加工をしない理由は、冷間加工による加工歪みの影響で球状化熱処理での軟化が促進されることは特許文献5で既に公知であるが、冷間での矯正や引張の工程にはコストがかかることと、本発明が対象とするAISI4150Hに規定する化学成分の鋼は、たとえ放冷しても強度が高く、冷間加工するためには焼戻しが必要となり、さらにコストがかかるためである。
以上の説明から明らかなように、本発明の機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法は第1に、本発明が対象とするAISI4150Hに規定する化学成分の鋼を、熱間押出加工し、直ちに球状化熱処理を施して、荷重98Nでのビッカース硬さを170以下とする。その際、球状化熱処理が755〜780℃に加熱し、続いて740〜690℃までの冷却速度を10℃/h以下とすると好ましい。本方法で製造した機械構造用中炭素CrMo鋼は、その後に引張矯正を行った後の荷重98Nでのビッカース硬さを190以下とすることができ、引張矯正後の球状化熱処理を省略して冷間引抜加工を行うことが可能となる。
本発明の機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法は第2に、上記第1の方法で製造した機械構造用中炭素CrMo鋼について、続いて荷重98Nでのビッカース硬さが190以下になるように引張矯正する。引張矯正の加工率が1.0〜3.5%であると好ましい。本方法で製造した機械構造用中炭素CrMo鋼は、引張矯正後の球状化熱処理を省略して冷間引抜加工を行うことが可能となる。
本発明の機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法は第3に、上記第2の方法で製造した機械構造用中炭素CrMo鋼を用いて、さらに冷間引抜加工する。熱間押出成形後、冷間引張矯正と冷間引抜き矯正を行うまでの間に、熱処理としては冷間引張矯正前の球状化熱処理のみであるため、低コストで鋼製品を製造することが可能となる。
表1に示す化学成分の鋼を溶製し、転炉−連続鋳造プロセスにより500mm角のブルームを鋳込み、ロール圧延により直径250mmのブルームを製造した。これらの鋼のブルームを1200℃に加熱し、熱間押出により、図2に示す断面形状の形鋼を製造した。
この形鋼を加熱温度および740℃〜690℃の冷却速度を変化させて球状化熱処理し、ビッカース硬さを測定した。なお、加熱保持時間は30分、690℃以降は大気放冷とした。
表2に結果を示す。本発明例a〜lは、いずれも熱処理後のビッカース硬さが170以下であった。それに対し、比較例mは加熱温度が高すぎ、比較例nは加熱温度が低すぎ、比較例oは冷却速度が速すぎたために、いずれもビッカース硬さが170を越えた例である。
次に、表2のa,d,g,m,n,oについて長手方向に1.5%引っ張って、真っ直ぐに矯正した後、断面減少率20%の相似形状になるように冷間引き抜きした。
表3に結果を示す。本発明例aa,dd,ggは、いずれも球状化熱処理後のビッカース硬さが170以下であったために、引張矯正後のビッカース硬さが190以下であり、いずれも良好に冷間引き抜きできた。
それに対して、比較例mm,nn,ooは熱押後の球状化熱処理でビッカース硬さを170以下に下げることができなかったために、引張矯正後のビッカース硬さが190を越え、引き抜き加工時に詰まり、金型破損、焼き付きが生じた例である。
Figure 0005068675
Figure 0005068675
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本発明の適用により、AISI4150H熱押形鋼において、引張矯正後に軟化熱処理を要することなく冷間引き抜きが可能となる。したがって、本発明においては、産業の発展に寄与するところ極めて大なるものがある。
従来の製造工程と本発明の工程を示す図。 機械構造用中炭素CrMo鋼の断面形状の例を示す図。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.47〜0.54%、Si:0.15〜0.30%、Mn:0.65〜1.1%、P:0.035%以下、S:0.04%以下、Cr:0.75〜1.20%、Mo:0.15〜0.25%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、
    熱間加工後冷間ひずみを付与しないで球状化熱処理を施してなり、
    荷重98Nでのビッカース硬さが170以下であることを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼。
  2. 質量%で、C:0.47〜0.54%、Si:0.15〜0.30%、Mn:0.65〜1.1%、P:0.035%以下、S:0.04%以下、Cr:0.75〜1.20%、Mo:0.15〜0.25%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなり、
    熱間加工後冷間ひずみを付与しないで球状化熱処理した後、続いて1.0〜3.5%の引張矯正をしてなり、
    荷重98Nでのビッカース硬さが190以下であることを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼。
  3. 質量%で、C:0.47〜0.54%、Si:0.15〜0.30%、Mn:0.65〜1.1%、P:0.035%以下、S:0.04%以下、Cr:0.75〜1.20%、Mo:0.15〜0.25%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる中炭素CrMo鋼を、熱間押出加工し、直ちに球状化熱処理を施して、荷重98Nでのビッカース硬さを170以下とすることを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
  4. 前記球状化熱処理が755〜780℃に加熱し、続いて740〜690℃までの冷却速度を10℃/h以下とすることを特徴とする請求項3に記載の機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載の方法で製造した機械構造用中炭素CrMo鋼について、続いて荷重98Nでのビッカース硬さが190以下になるように引張矯正することを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
  6. 前記引張矯正の加工率が1.0〜3.5%であることを特徴とする請求項5に記載の機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の方法で製造した機械構造用中炭素CrMo鋼を用いて、さらに冷間引抜加工することを特徴とする機械構造用中炭素CrMo鋼の製造方法。
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