JPH0433240B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はボタン縫い付けミシンにおいて、ボタ
ンをミシンの縫い位置に送給するのに好適なボタ
ン送り装置に関するものである。

〔従来技術〕

一般に、ボタン縫付けミシンにおいてボタンを
ミシンの縫い付け位置（針落点）に自動的に供給
する自動ボタン供給装置が知られている。

従来、この種の供給装置は第９図に示すよう
に、ボタンフイーダボール１とこのボタンフイー
ダボールに直結された傾斜シユート２とこの傾斜
シユートに接続されたボタンセツト機構３とを備
えている。ボタンフイーダボール１は多数のボタ
ン（図示せず）を収容する振動皿４を有し、この
振動皿４の振動によつてボタンを一個ずつ傾斜シ
ユート２に送給する公知の形態を有する。傾斜シ
ユート２はワイヤを断面矩形状に密巻した中空の
帯状体から成り、このシユートの中をボタンが自
重によつて落下する。ボタンセツト機構３は傾斜
シユートから連続的に送られて来たボタンを順序
良く並べてミシン５の縫製位置に送給する。尚、
第９図において、符号６はミシンの縫製斜を示
す。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述の如き従来技術では、ボタ
ンフイーダボールの振動皿の振動によつて各ボタ
ンに静電気が発生し、これら静電気を帯びたボタ
ンが傾斜シユート内壁に着床したりあるいは隣接
するボタン同士が密着したりする等の理象が生
じ、このためボタン送りが円滑に行えないという
欠点があつた。特に、傾斜シユート内にはボタン
フイーダボールからボタンが連続的且つ自重で送
られるのでボタン送りの詰まる可能性はきわめて
高いものであつた。

又、従来技術ではボタンフイーダボールとボタ
ンセツト機構との間に傾斜シユートを介在させて
いるのでボタン送給行程が長い上構成が複雑にな
り且つ高価になるという欠点があつた。

〔課題を解決するための手段〕

上述の如き従来技術の欠点を解決するために、
本発明は、ボタンフイーダボールとボタンセツト
機構との間に延びるボタン搬送路と、このボタン
搬送路の途中に設けられたボタン強制送り機構と
を備えていることを特徴とする。

〔作用〕

ボタン強制送り機構はボタンフイーダボールか
らのボタンを受け、このボタンをボタンセツト機
構に強制的に送給する。これによつて、ボタンは
一個ずつある間隔をあけてボタンセツト機構に順
序良く強制送りされる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

第１図を参照すると、本発明に係るボタン送り
装置が示してある。この送り装置はボタン搬送路
１０とこのボタン搬送路の途中に設けられたボタ
ン強制送り機構２０とを備えている。

ボタン搬送路１０は、例えば従来と同様の構造
のボタンフイーダボール１（第４図）と従来と同
様の構造のボタンセツト機構との間に配置されて
いる。勿論、フイーダボール及びボタンセツト機
構はこれら構造に限定されない。フイーダボール
とは別の任意のボタン供給フイーダを用いること
もできる。ボタンセツト機構として本出願人に係
る、特開昭61−277510号公報に開示されたものを
用いると好ましい。

このボタン搬送路１０は、図示の実施例では底
板１１とこの底板の上に間隔をあけて配置された
両側板１２，１２′とこれら両側板の上に配置さ
れた上板１３とによつて囲まれた細長い通路から
形成されている。

両側板１２，１２′は底板に例えばねじ１４に
よつて固定される。一方の側板１２′は更に第一
の側板部材１２′ａと第二の側板部材１２′ｂとに
分離され、これら第一の側板部材１２′ａと第二
の側板部材１２′ｂとの間にボタン強制送り機構
２０が配置されている。第二の側板部材１２′ｂ
は任意の機枠１５（第４図）にねじ止めされるよ
うに構成されている。

他方の側板１２にはねじ１４が挿入される長孔
１６が設けられ、従つて、側板は第１図に矢印で
示す方向に移動可能である。側板をこのように移
動可能にすると、ボタン１７（第１図）の大きさ
に応じて搬送路の幅を適宜に調節することができ
るので好ましい。又、ボタンの厚さの対応として
は、側板１２と、上板１３との間にスペーサー板
を入れる方法がある。

上板１３は図示の実施例では透明な合成樹脂板
から成つている。このようにすると、ボタンの搬
送状態を識別できるので好ましい。

ボタン強制送り機構２０は図示の実施例では底
板１１に回転自在に取付けられた送り体２１とこ
の送り体を回転する駆動手段２２とから成つてい
る。送り体は例えばデイスク２３とこのデイスク
に形成されたボタン収納溝２４とから成る。送り
体は第１図に示すようにボタンフイーダボールか
らボタン搬送路１０を通るボタン１７を受取るボ
タン受取位置とこの位置から第１図で見て時計方
向に約90゜回転してボタンをボタンセツト機構に
強制送りする送り位置との間を駆動手段２２によ
つて繰返し往復回動される。

送り体はボタン受取位置において、そのボタン
収納溝２４がボタン１７を受取る。次いで、送り
体は送り位置に回動されボタン収納溝２４内のボ
タンはボタンセツト機構に向つて強制送りされ
る。

尚、駆動手段は図示の実施例ではエア回転シリ
ンダから成つている。勿論、これに限定されるも
のでなく、例えばロータリソレノイドであつても
よい。

第５図を参照すると、ボタンセツト機構の一部
が示してある。このボタンセツト機構は公知なの
で簡単にのべると、ボタン１７を保持する旋回ア
ーム３０とボタン１７を旋回アーム上で縫製状態
に位置決める位置決め棒３１と旋回アームを旋回
させるリンク機構３２とを備えている。

旋回アームは、ボタン１７が位置決め棒３１に
よつて縫製状態に位置決めされた後旋回されてボ
タンをミシンの縫製位置に向つて移動する。

本発明では送り体２１のボタンを送るタイミン
グを制御する制御手段が設けられている。この制
御手段は旋回アームがボタンを縫製位置に向つて
移動するために旋回すると、ONになるようにリ
ンク機構３２に隣接して機枠３３ａに取付けられ
た第一のセンサー４０（第６図）とボタン搬送路
１０を通るボタンを検出する第二のセンサー４１
（第１図）とこれらセンサーに接続された制御回
路（図示せず）とから成つている。

リンク機構３２は図示しない駆動体に接続され
た連接棒３３とこの連接棒の先端に接続された第
一のレバー３４とこの第一のレバーに接続された
第二のレバー３５とから成る。第一のセンサー４
０は二叉部４０ａを有し、第二のレバー３５の先
端がこの二叉部４０ａに進入すると、第一のセン
サーはONとなる。上述したように、第二のレバ
ー３５の先端が二叉部に進入するのは旋回アーム
３０がボタンを縫製位置に移動する行程において
生ずる。

この第一のセンサー４０がONになると、駆動
手段２２が起動しボタン一個をボタンセツト機構
に強制送りする。このとき第二のセンサー４１が
ボタンの通過を確認する。即ち、ボタンがボタン
セツト機構に一個送られたことを検出する。この
場合ボタンが検出されないと、駆動手段が送り体
をボタン受取位置に駆動しボタンが送られるまで
この動作を繰返す。

第７図は、本発明の送り装置とフローチヤー
ト、第８図は正常作動の場合とボタン供給ミスの
場合の作動を示す。

〔発明の効果〕

上述のように、本発明によれば、ボタンをボタ
ンセツト機構に向つて強制的に送るようにしたの
で従来の供給において問題となつていた静電気の
影響を受けることなくボタン送りが確実に行える
という利点がある。又、送り体の送りタイミング
を制御することによつてボタンが順序良く間欠送
りできるので確実なボタン送りが達成できるとい
う利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るボタン送り装置の平面
図、第２図はその側面図、第３図はその正面図、
第４図は本発明の送り装置とボタンフイーダボー
ルとの接続状態を示す斜視図、第５図はボタンセ
ツト機構の一部の斜視図、第６図は第５図のＡ部
拡大斜視図、第７図は本発明の送り装置の作動を
示すフローチヤート図、第８図は本発明の送り装
置の正常作動と誤動作を示すタイムチヤート、第
９図は従来の送り装置の斜視図である。 １０……ボタン搬送路、１１……底板、１２，
１２′……側板、１３……上板、２０……ボタン
強制送り機構、２１……送り体、２２……駆動手
段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ボタンをミシン縫い位置にセツトするための
   ボタンセツト機構とボタンフイーダボールとの間
   に配置されたボタン搬送路と、 前記ボタン搬送路の途中に回動可能に支持しボ
   タン収納溝を形成した送り体と、 前記送り体を作動する駆動手段と、 上記ボタン搬送路に設けられ、ボタンの通過を
   検知し前記駆動手段を制御するセンサーを備えた
   制御手段とよりなるボタン送り装置。