JPH04331255A - 包装材料用ポリエステル組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、包装材料用ポリエステ
ル組成物に関し、更に詳しくはガスバリアー性、透明性
、耐熱性及び機械的強度に優れ、フイルムや容器等に有
用なポリエステル組成物に係わる。

【０００２】

【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートは、その優
れた機械的性質、化学的性質から、繊維、フイルム、工
業用樹脂等に広く用いられているが、最近ではさらにボ
トル、カップ、トレイなどにも用いられている。特にそ
の軽量性等の取り扱い易さなどによりポリエステル製の
ボトルが食品や化粧品などの容器として広く使用される
に到っている。

【０００３】ポリエステルの中でも、中空成形体つまり
ボトルとして一般に使用されている素材としてはポリエ
チレンテレフタレートがあげられ、ジュース、清涼飲料
用途等に使用されている。しかしながら、近年その素材
に要求される品質、つまりその内容物の充填方法が殺菌
、高温等で実施されることや内容物の保存期間の長期化
に対応するために、従来製品より耐熱性、ガスバリアー
性、透明性等の優れた素材が望まれている。

【０００４】一方、ポリエチレンナフタレンジカルボキ
シレート（以下ポリエチレンナフタレートと略すことが
ある）は、ポリエチレンテレフタレートよりも耐熱性、
ガスバリアー性に優れた素材として知られており、ボト
ル用途のみならず、フイルム用途等にも適用検討されて
いる。例えば特開昭５２−４５４６６号公報にはポリエ
チレンナフタレート単一物で、耐熱性、ガスバリアー性
に優れた中空体としての性質を示すことが、また特開昭
５０−１２２５４９号公報、特開平２−２７６８５５号
公報等にはポリエチレンテレフタレートとポリエチレン
ナフタレートの混合物が、耐熱性、ガスバリアー性に優
れた包装材料であることが示されている。しかしながら
、ポリエチレンナフタレート単独の場合にはその成形が
難しいこと、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレ
ンナフタレートの混合物の場合にはその混合状態の制御
の難しさや成形性の難しさから、実際に満足な状態の包
装材料として、市場に供されている例はない。そこで、
成形性、耐熱性、ガスバリアー性、透明性等に優れたポ
リエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレート
とからなるブレンドポリマーを包装材料として適用すべ
く、鋭意検討した結果、ブレンドポリマーとして非晶性
を示すような条件で溶融混合したものが有効であること
を見出し本発明に到達した。

【０００５】

【発明の目的】本発明の目的は、耐熱性、ガスバリアー
性、透明性及び成形性に優れた包装材料用のポリエステ
ル組成物を提供することにある。

【０００６】

【発明の構成】本発明の組成物は、（Ａ）ポリエチレン
テレフタレートと（Ｂ）ポリエチレンナフタレートとの
２種のポリエステルポリマーの溶融混合組成物であって
、ＤＳＣ（示差熱分析計）により測定した際の昇温時結
晶化ピーク（Ｔｃｉ）、融点ピーク（Ｔｍ）及び降温時
結晶化ピーク（Ｔｃｄ）が生じないような条件で溶融混
合されてなる組成物である。

【０００７】本発明でいう「ポリエチレンテレフタレー
ト」とは、エチレンテレフタレート単位を８５モル％以
上、好ましくは９０％以上さらに好ましくはポリエチレ
ンテレフタレート単体からなる実質的に線状のポリエス
テルから成るポリマーを云う。エチレンテレフタレート
単位に対し１５モル％未満の割合で共重合させ得る成分
としては、例えばジエチレングリコール、炭素数が１〜
１０のエチレングリコールを除くポリエチレングリコー
ル、シクロブタンジオール、ヘキサヒドロ−Ｐ−キシレ
ングリコール及びその機能的誘導体等の２価アルコール
類あるいはイソフタール酸、Ｐ−ジフェニール−４，４
′−ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、１，
５−ナフタレンジカルボン酸、スルホイソフタール酸等
の芳香族ジカルボン酸類及びこれらのジカルボン酸の機
能的誘導体等を挙げうる。

【０００８】本発明にいうポリエチレンナフタレートと
はその構成単位が実質的にエチレン−２，６−ナフタレ
ート単位から構成されているポリマーであって、２，６
−ナフタレンジカルボン又はその機能的誘導体とエチレ
ングリコール又はその機能的誘導体との接触存在下での
重合により得られるポリマー或いは１５モル％以下の好
ましくは１０モル％以下の第３成分例えばシュウ酸、ア
ジピン酸、ブタール酸、イソフタール酸、テレフタール
酸、ナフタレン−２，７−ジカルボン酸、コハク酸、ジ
フェニールエーテルジカルボン酸等のジカルボン酸、又
はその低級アルキルエステル、Ｐ−オキシ安息香酸、Ｐ
−オキシエトキシ安息香酸の如きオキシカルボン酸、又
はその低級アルキルエステル或いはプロピレングリコー
ル、トリメチレングリコールの如き２価アルコール類等
の化合物を共重合したポリマー又は安息香酸、ベンゾイ
ル安息香酸、ベンジルオキシ安息香酸、メトキシアルキ
レングリコールなどの一官能性化合物によって末端の水
酸基、及び／又はカルボキシル基を封鎖したポリマー或
いは極少量のグリセリンペンタエリスリトールの如き多
官能エステル形成化合物で変性された実質的に線状の共
重合ポリマーを挙げることができる。

【０００９】また（Ａ）ポリエチレンテレフタレートと
（Ｂ）ポリエチレンナフタレートとの「混合比」は特に
限定しないが、重量比で（Ａ）／（Ｂ）が９０／１０〜
１０／９０が好ましく、３０／７０〜７０／３０が特に
好ましい。またその「混合方法」は通常の固体状物質を
混合する任意の方法、例えばバンバリー・ミキサー、単
軸または２軸押出機による方法が適用できる。

【００１０】さらに「ＤＳＣ（示差熱分析計）」は通常
の市販のもの、例えばＤｕｐｏｎｔ社製２１００や同社
１０９０　　１Ｂ型、パーキンエルマー社７型等が例示
できる。ここでＴｃｉ，Ｔｍ，Ｔｃｄピークのいずれの
ピークがＤＳＣで生じる場合にも上記「混合方法」によ
る「効率」、例えば混合時間に差が生じた場合にその混
合物の特性に差が生じる。すなわち、例えばＴｍが生じ
る様な「混合比」で、「混合効率」が変化するとＴｍに
差が生じ、また実際のボトル等の成形条件によってもＴ
ｍが変化し、最終的なボトル等の耐熱性に差が生じる。 またＴｃｉやＴｃｄが生じる場合にもその「混合比」で
「混合効率」が変化することにより、その結晶性に差が
生じ、成形時にもさらに結晶性が変化し最終的なボトル
の透明性に変化が生じる。

【００１１】すなわち、同様の「混合比」でも「混合効
率」の差によって透明であったり、白色ににごったりす
る。従って（Ａ）ポリエチレンテレフタレートと（Ｂ）
ポリエチレンナフタレートとからなる組成物において、
本来有するとされている良好なガスバリアー性透明性・
耐熱性が最終的な包装材料に安定して発現されるために
は、その「組成比（Ａ）／（Ｂ）」が限定される必要は
ないが、その溶融混合後の混合組成物がＤＳＣで測定さ
れる範囲において、非晶性、すなわちＴｃｉ，Ｔｍ及び
Ｔｃｄピークが発現しない「混合」条件で得られた混合
物である必要がある。

【００１２】

【発明の効果】本発明に示された組成物はその後の各種
成形条件によって、その透明性、耐熱性等の特性に変化
の少ない優れた特性を有する包装材料として使用できる
。

【００１３】

【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、
以下「部」はすべて重量基準である。なお、ＤＳＣ測定
やポリマー［η］の測定、ポリマー混合装置、成形機、
ボトルパネル面のヘーズ測定等は以下の装置や条件で実
施した。

【００１４】１．ＤＳＣ （株）Ｄｕｐｏｎｔ社製９１０　　Ｄｉｆｆｅｒｅｎｔ
ｉａｌ　　ＳｃａｎｎｉｎｇＣａｌｏｒｉｍｅｔｅｒ及
び９９０Ｔｈｅｒｍａｌ　　Ａｎａｌｙｚｅｒで測定し
た。なお、サンプル量は１０ｍｇ、昇温速度は２０℃／
ｍｉｎ　，降温速度は１０℃／ｍｉｎ　で実施し、検出
感度は適宜変更し、感度を設定可能な範囲でＭＡＸとす
る場合もあった。

【００１５】２．固有粘度［η］ １，１，２，２−テトラクロルエタンとフェノールの２
：３混合溶媒中３５℃で測定して得た溶液粘度から求め
た。

【００１６】３．混合押出機 日本製鋼所社製ＴＥＸ−４４　　２軸押出機を使用し、
２種のポリマーを溶融混練後押出しペレット化した。

【００１７】なお溶融のための設定温度は一定にし、吐
出量（あるいはＦｅｅｄ量）を変更することにより押出
機中での滞留時間を変化させた。

【００１８】４．ボトルの成形 ３オンスの射出成形機（東芝機械株式会社製，１Ｓ−６
０Ｂ型）により、外形２８ｍｍ，長さ１６０ｍｍ、肉厚
２．５ｍｍ、重量３８ｇのプリフォームをシリンダー温
度２７５℃、射出圧力３０ｋｇ／ｃｍ２　、成型サイク
ル２０秒〜３５秒で変化させ、射出金型及びコア温度２
０〜３０℃の条件で成型した。さらにそのプリフォーム
を加熱ブロー延伸して１０００ｍｌボトルを作成した。

【００１９】５．ボトルパネル面のヘーズ測定成形ボト
ルの胴部（肉厚約０．３ｍｍ）を５ｃｍ×５ｃｍの正方
形にサンプリングし日本電色工業社製ＭＯＤＥＬ１００
１ＤＰヘーズメーターでヘーズを測定した。

【００２０】６．耐熱性 成形した１０００ｍｌボトルに栓をし、９０℃の温水に
沈めて変形するか否かを目視で判定した。

【００２１】

【実施例１〜２及び比較例１〜４】表１に示す様なポリ
エチレンテレフタレート（ＰＥＴ）とポリエチレンナフ
タレート（ＰＥＮ）との組成で各々につき滞留時間を変
更した条件で溶融混合し得られた混合物ペレットのＤＳ
Ｃを測定した。さらにその混合物ペレットを使用し、成
形したボトルの胴部ヘーズを測定した。さらに成形時の
プリフォーム成形サイクルを変化させた際のプリフォー
ムのＤＳＣを測定し、それをブロー延伸したボトルの耐
熱性を比較した。

【００２２】表からわかる様にＰＥＮ／ＰＥＴの組成に
かかわらず押出し時の条件（滞留時間）の差によりＴｃ
ｉ，Ｔｍ，Ｔｃｄがない混合物の場合にはボトルヘーズ
が良好でありＴｃｉ，Ｔｍ，Ｔｃｄが現われる場合には
透明性が劣るのがわかる。また押出時に混合ポリマーの
Ｔｃｉ，Ｔｍ，Ｔｃｄが見られない場合には成形サイク
ル（条件）によらずプリフォームにもそれらピークが見
られず変形ボトル数が少なく安定している。

【００２３】一方、押出時の混合ポリマーにＴｃｉ，Ｔ
ｍ，Ｔｃｄが現われる場合には、プリフォームの成形サ
イクルによりプリフォーム自身のＴｍが変化し、Ｔｍの
低下にともなって、ボトルの耐熱性が低下の方向に変化
するのがわかる。この様にＰＥＴとＰＥＮの溶融混合を
Ｔｃｉ，Ｔｍ，Ｔｃｄが現われない条件で実施して得ら
れた混合物ポリマーは透明性が優れ、耐熱性も安定した
ボトルを得ることが出来る。

【００２４】

【表１】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ポリエチレンテレフタレートとポリエチレ
   ンナフタレンジカルボキシレートとの２種のポリエステ
   ルからなる溶融混合組成物であって、ＤＳＣ（示差熱分
   析計）により測定した際に、昇温時結晶化ピーク（Ｔｃ
   ｉ）、融点ピーク（Ｔｍ）及び降温時結晶化ピーク（Ｔ
   ｃｄ）が生じないことを特徴とする包装材料用ポリエス
   テル組成物。