JPH0432794B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は粘土を主成分とする原料を連続押し出
しによつて成形した生地連続成形帯を短時間で乾
燥し、焼成し、これを長尺の長さにカツトし、従
来より低コストで、かつ、短時間に、その上、変
形なく製造する装置に関するものである。 〔従来の技術〕 瓦、タイルは成形機から送出される未乾燥状態
の連続帯を短尺に切断し、さらにプレス加工等し
て成形し、これを乾燥、焼成するか、型に材料を
充填し、これをプレスによつて成形し、次に乾
燥、焼成するかのいずれかの方法によつて製造し
ていた。しかも焼成には成形された瓦、タイル等
を台車に５〜７段位に積載することによつて、し
かも数日を要して行なつていた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この種装置においては乾燥、焼成工程に数日を
要するため、生産性が悪く、かつ、コストアツプ
となり、しかも、広大の工場敷地、通常の３倍位
の作業員（３交賛用）を必要とした。また、従来
装置では熱風で乾燥するため生地が表面、特に木
口端から乾燥し、捩じれたり、湾曲したりクラツ
クが生じたりして、最大長さで60cm位が限度であ
つた。これは熱風に曝される表層が一番最初に、
しかも端部（木口）から乾燥し、変形、特に湾曲
するため、長さに上記したような限度があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はこのような欠点を除去するため、土練
機の口金が圧力によつて変形することなく、しか
も所定形状に押し出された水分20％位を含有する
生地を押し出された断面のままで短時間（最大で
も数時間）に所謂、粘土成分に遠赤外線を照射す
ることにより乾燥し、しかも連続成形帯の木口を
押出し時の初めのみの一端とすることによつて乾
燥時の湾曲を防止し、長さを例えば600〜3000mm
位までに形成できるようにし、次に焼成炉で焼成
し、その出口から送出された位置でこれを走行カ
ツタで任意長さに切断して製品とする長尺陶板の
製造装置を提案するものである。 〔実施例〕 以下に、図面を用いて本発明に係る長尺陶板の
製造装置の一実施例について詳細に説明する。第
１図は上記装置の代表的な一例を示す説明図であ
る。図において、１は粘土で１種、または数種の
粘土からなり、これを原料として土練機２に供給
するものである。土練機２は例えば口金３から第
２図ａ〜ｈに示すような断面形状で連続して次工
程に送給するものである。なお、粘土１は天然物
であり、各産地により成分が異なるものであり、
これらの特長、弱点を相互に相殺させて所定の混
合粘土を得る。その粘土１の一例として陶石、長
石、カオリンナイト、ハロサイト、メタハロサイ
ト、木節粘土、蛙目粘土、信楽木粘土、上山粘
土、山形硅砂、飯豊粘土などを打ち砕き、次にこ
れに水と必要に応じてシヤモツト、無機繊維（ア
スベスト、ガラス繊維）、パルプを目的に応じて
10％以下（重量比）で添加したものを粗練機で混
合したものである。特に粘土１にアスベスト、炭
酸マグネシウム、ガラス粉等の無機材を混入する
と焼成の際に融点を降下させることができる。こ
の粘土１は必要によりマグネツトによつて除鉄さ
れることもある。さらに、前記した口金３は粘土
１の押し出した力によつて変形するものでなく、
かつ、必要により中子体４を第３図ａ，ｂに示す
ように設けるものである。なお、５は気体導入部
で、モータ６により例えば熱風、ドライエア（80
〜160℃、湿度０％）等を矢印方向に送給、ある
いは吸引したりして中空部C´を連続帯の各部で均
一となるようにするものである。７は搬送機でフ
リーローラ、からなり、主に口金３から送出され
る成形された生地状の連続成形帯（以下、単に連
続帯という）Ａを次工程に押出された状態のまま
搬送するのと押出し状況の観察ゾーンとして役立
つものである。勿論、エンボスローラＲによるエ
ンボス加工部としても使用できるものである。さ
らに、搬送機７はフリーローラから構成するた
め、土練機１から押し出された連続帯Ａが反りの
ないように矯正すると共に、乾燥機８で乾燥した
際の連続帯Ａの収縮をも吸収する機能も有するも
のである。８は乾燥機で18〜20％位の水分を含有
する連続帯Ａの水分を約１％か零％位までに約５
分〜数時間の短時間で乾燥するものであり、熱源
９としては赤外線ヒータ、あるいは遠赤外線ヒー
タの１種以上を用いるものである。これは熱源９
からの遠赤外線が粘土１内の１成分である石英、
長石等に照射した際に、これら自体から放射され
る遠赤外線のなどの相乗効果によつて連続帯Ａの
表層、中心層を短時間に乾燥するためのものであ
る。１０は搬送機構で搬送ローラ、あるいは図示
しないがメツシユベルトなどの１種からなり、耐
熱性のあるものである。搬送機構１０は連続帯Ａ
から乾燥連続帯Ｂに変化させ、これを焼成炉１１
に送給するためのものであり、必要によつては第
４図に示すようにガイド部品を有するローラ部１
０ａを構成することもできる。焼成炉１１はロー
ラハースキルン、トンネル型焼成炉の１種からな
り、その構成は入口１１ａから出口１１ｂに亘つ
て山状の温度分布となり、予熱領域１２、焼成領
域１３、冷却領域１４の順に一応区分して構成
し、予熱領域１２の温度は150〜700℃、焼成領域
１３は300〜1300℃、冷却領域１４は600〜100℃
位までとしたものである。勿論、粘土１の種類、
組成によつては各領域間の温度設定が異なるもの
であり、かつ、各領域間の温度も明確に区分する
ものではなく、連続焼成の中での一応の区分であ
る。さらに焼成炉１１について説明すると、焼成
炉１１は可燃ガス、例えばLPGを燃焼させて乾
燥連続帯Ｂを焼成するものであり、そのためのバ
ーナ（図示せず）の配列は前記各領域に対応して
設けるものである。また、焼成炉１１内の乾燥連
続帯Ｂの搬送手段としてはメツシユベルト、金属
ローラ、セラミツクローラ、アルミナローラ等を
使用するが、特に焼成領域１３の範囲は1300℃位
まで温度が上昇するので、例えば第５図に示すよ
うに金属主軸１５、１６間にアルミナローラ１７
を載置して熱伝導を駆動源に伝達しないようにし
て搬送するものである。なお、焼成炉１１の焼成
領域１３は耐火レンガ等で炉を形成し、その中を
直線的に連続して通過させるものであり、各機
器、領域間には排気ダンパー（図示せず）を配設
しておくものである。１８は走行カツタで回転
刃、レーザ光、放電加工機、ワイヤカツト等のい
ずれかの手段によつて焼成連続帯Ｃを任意長さ、
例えば300〜2000mm位に切断し、長尺陶板Ｄとす
るものである。勿論、走行カツタ１８は焼成連続
帯Ｃの押出し速度に同調して切断するものであ
る。１９は取り出し機構で定尺に切断された長尺
陶板Ｄを駆動ローラ、ベルト等で取り出し、冷却
して次工程の梱包部（図示しない）に送給するも
のである。 次に動作について説明する。まず信楽木粘土と
アスベスト短繊維とパイプと水分からなる粘土１
を準備する。なお、その重量％は信楽木粘土61.5
％、アスベスト短繊維３％、パルプ１％、水18％
を土練機２（MP‐100型宮崎鉄工社製）で混練
したものである。また、土練機２は押し出し能力
100〜150／hrの型名MV‐FM‐Ａ‐１型（宮
崎鉄工社製）を用いた。搬送機７としてはフリー
ローラを梯子状に配列したもの、乾燥機８は遠赤
外線パネルヒータを１０メートル間に10個配列
し、連続帯Ａ内部の水分を表面に拡散して脱水を
迅速化し、水分を１％〜０％位まで低減しうるも
のである。また、焼成炉１１は予熱領域１２が
150〜800℃までを10ｍ間で上昇させ、焼成領域１
３を800〜1300℃まで５ｍで上昇させ、冷却領域
１４で1300〜100℃まで10ｍで低下する構成であ
る。さらに走行カツタ１８は押出し速度に同調
し、ラインを止めずに回転刃で切断し取り、出し
機構１９に送給するためのものである。取り出し
機構１９は走行カツタ１８で切断された定尺の長
尺陶板Ｄを走行カツタ１８から切り離すことので
きる速度、所謂押出し速度より幾分速い速度で回
転し、定尺の長尺陶板Ｄ同士の木口が衝突しない
ようにしたものである。 そこで、土練機２に供給された粘土１はその口
金３から例えば第２図ａに示すような断面で、か
つ、約５ｍ／minの速度で連続押出しする。その
連続帯Ａを搬送機７を介して乾燥機８に抵抗によ
りねじれることなく送給する。勿論、この場合の
搬送機７は連続帯Ａを引張り込むものでなく、フ
リーローラ状である。乾燥機８では連続帯Ａの水
分を１％に低減する。なお、乾燥機８では連続帯
Ａが４mm厚さでは約15分で変形なく乾燥した。次
に搬送機構１０を介して焼成炉１１に送給する。
なお、この際、乾燥連続帯Ｂは必要により焼成炉
１１に対する変化を制御されるものである。次に
乾燥連続帯Ｂは焼成炉１１に供給し、予熱→焼成
→冷却して出口１１ｂから焼成連続帯Ｃとして送
出するものである。なお、焼成時間は８時間で焼
成時の最高温度を1150℃としたものである。この
焼成連続帯Ｃを走行カツタ１８に送給し、任意長
さ、例えば600〜3000mmの定尺に切断し、長尺陶
板Ｄとするものである。 以上説明したのは、本発明に係る長尺陶板の製
造装置の一実施例にすぎず、乾燥機８で熱風、マ
イクロ波加熱機等を併用して用いることも可能で
ある。また、気体導入部５は断面形状に応じて温
度、送風量、ドライエア等の湿度等をコントロー
ルできるものである。さらに、ローラ部１０ａで
は釉薬等の化粧がけを施したりすることもでき
る。 〔発明の効果〕 上述したように、本発明に係る長尺陶板の製造
装置によれば、連続して押出された連続帯の乾
燥時間を遠赤外線を用いて内部から乾燥する等の
作用によつて従前の日単位に比較して分、または
時間単位に大幅に短縮できる。連続して押出さ
れた連続帯は乾燥、焼成まで木口を１つとするこ
と、および押出成形帯の中心層から乾燥させるた
め、押出成形帯が湾曲したり、クラツクが入つた
り、ねじれたりすることがなく、歩留りが高い。
短時間に乾燥できるためコストが安い。乾
燥、焼成されて寸法安定な時期に走行カツトする
ため精度高く切断できる。前記の関係で長
尺帯を容易に製造できる。乾燥時に変形、クラ
ツクがなく、かつ、ローラハースキルン等を使用
するため連続的に焼成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る長尺陶板の製造装置の代
表的な一例を示す説明図、第２図ａ〜ｈは長尺陶
板の一例を示す説明図、第３図ａ，ｂは気体導入
部の一例を示す説明図、第４図はローラ部の一例
を示す斜視図、第５図は焼成炉の一部を示す斜視
図である。 １……粘土、２……土練機、８……乾燥機、１
１……焼成炉、１８……走行カツタ、Ａ……連続
成形帯、Ｄ……長尺陶板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 粘土を主材とした原料を連続して押し出す土
   練機と、該土練機から送出される生地状の連続成
   形帯を搬送するフリーローラからなる搬送機と、
   該生地状の連続成形帯を短時間で連続帯のまま乾
   燥する遠赤外線あるいは赤外線ヒータを熱源とす
   る乾燥機と、該乾燥機から送出される乾燥連続帯
   を焼成する焼成炉と、該焼成炉から送出される焼
   成連続帯を長尺にカツトする走行カツタと、定尺
   にカツトされた長尺陶板を前記土練機の速度より
   速いスピードで次工程に送り出す取り出し機構と
   から構成したことを特徴とする長尺陶板の製造装
   置。