JP5164385B2 - 押出成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筒状成形体を得るための押出成形装置に関するものである。
従来から、棒状成形体や筒状成形体を得るための成形方法として、押出成形法が用いられている。この押出成形法に用いる押出成形装置は、粘土状に調製された成形原料を特定の出口形状を有する金型から押し出すことによって、特定の出口形状を断面形状とする成形体を連続的に成形することができるものであり、棒状成形体や筒状成形体の効率的な量産に好適に用いられている。
この押出成形装置には、プランジャー式やスクリュー式等があるが、成形原料の供給がバッチ式であるプランジャー式と比較して連続成形が可能で量産性に優れるという点で、スクリュー式の押出成形装置が一般的によく用いられる。
そして、筒状成形体を得るには、筒状成形体の外形部を形成する口金と、筒状成形体の中空部を形成する中子と、この中子を支持して口金に固定する支持部材とからなる金型を有するスクリュー式の押出成形装置が用いられる。
図3は、筒状成形体を得るための従来のスクリュー式の押出成形装置の一例を示す概略断面図である。
この図3に示すスクリュー式の押出成形装置20は、上段スクリュー24と下段スクリュー27との間に真空室25を有しており、上段スクリュー24は上段バレル23に、下段スクリュー27は下段バレル26にそれぞれ覆われている。また、上段バレル23の一部に成形原料の投入口22が開口しており、下段バレル26の出口側には金型28が接続された構成としてある。
さらに、上段スクリュー24および下段スクリュー27は、それぞれ片方を上段軸受け29および下段軸受け30に接続固定され、動力源(不図示)に接続されている。そして、真空室25にはその内部を真空引きするための真空ポンプ(不図示)が接続されている。
次に、このスクリュー式の押出成形装置20を用いた筒状成形体の成形手順を説明する。
まず、例えば小麦粉と水とを、またはセラミック粉体とバインダと水とを混合し、混練して粘土状の成形原料とする。そして、この成形原料をスクリュー式の押出成形装置20の投入口22より投入する。投入された成形原料は、上段スクリュー24の回転によって、上段スクリュー24と上段バレル部23との隙間を通って真空室25へと押し出される。真空室25へと押し出された成形原料は、真空室25に接続された真空ポンプによって減圧されて成形原料の内部の気泡を排出し、その後、下段スクリュー27の回転により、下段スクリュー27と下段バレル26との隙間を通って金型28の方向へと押し出され、筒状成形体の外形部を形成する口金31と、筒状成形体の中空部を形成する中子32と、この中子32を支持して口金31に固定する支持部材33とからなる金型28を通過した後に、金型28の後方に設けられた切断部50によって所定の寸法に切断されることにより、特定の断面形状を有する筒状成形体が得られる。
このようにして得られた筒状成形体は、小麦粉と水とを用いた成形原料としたときは、例えば筒状の麺製品のマカロニ等となり、セラミック粉体とバインダと水とを用いた成形原料としたときは、得られた成形体を乾燥して焼成することにより、通気性や通液性を必要とする用途の筒状セラミック部材となる。
しかしながら、このスクリュー式の押出成形装置20によれば、筒状成形体の連続成形が可能であるが、例えば外径寸法が3mmで内径寸法が2mmで、その肉厚が0.5mm以下の様な薄肉の筒状成形体を得ようとすると、金型28から押し出されてきた筒状成形体を切断部50にて所定の寸法で切断する際に、筒状成形体の断面が押し潰されることにより筒状成形体の内部への空気の通気が遮断されることとなり、その結果、筒状成形体の内部の気圧が減少するために筒状成形体全体が潰れてしまい、所望の筒状成形体を得ることができないことがあるという問題点があった。
また、特に薄肉の筒状成形体を成形する場合には、成形原料のわずかな混合ばらつきや周囲の温度変化などで筒状成形体の外径寸法および内径寸法がばらつくという問題点もあった。
このような問題点に対して、例えば特許文献1には、口金31にあたるダイスと支持部材33にあたる抵抗板と中子32とを備えた中空押出成形体の製造装置であって、ダイスは押出方向における直線部の長さが100mm以上で、かつ押出方向に分割されていることを特徴とする中空押出成形体の製造装置が開示されている。
特開平7−112422号公報
しかしながら、特許文献1に開示された中空押出成形体の製造装置では、中空成形体の断面寸法の変化を小さくし中空部周囲の肉厚部における凹没も少なくできるというものであるが、薄肉の筒状成形体を得ようとすると、押し出されてきた成形体を切断部にて所定の寸法で切断する際に筒状成形体の断面が押し潰されることにより筒状成形体の内部への空気の通気が遮断されてしまい、その結果、そのまま筒状成形体を押し出すと筒状成形体の内部の気圧が減少することにより、筒状成形体の全体が潰れてしまうという問題点や、内部の気圧が減少している状態での筒状成形体を切断するときの押し潰す力に連動して筒状成形体の全体が潰れてしまうという問題点を避けることができなかった。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、筒状成形体を金型の後部で切断後に押し出したときや切断するときに成形体が潰れることがなく、また、筒状成形体の外径寸法および内径寸法が一定の寸法に安定して成形できる押出成形装置を提供することを目的とする。
本発明の押出成形装置は、口金と該口金に出口部まで挿入された中子とからなる金型部を有しており、前記中子は前記出口部側の先端の開口から前記中子の支持部材を通って装置の外部に通じる気体の流通路を有し、前記流通路に導入する気体の圧力が大気圧以上の圧力となるように前記気体の圧力を調整する圧力調整手段が接続されていることを特徴とするものである。
さらに、本発明の押出成形装置は、上記構成において、前記出口部の外側に成形体の外径を測定する測定手段を有するとともに、該測定手段による測定結果に応じて前記圧力調整手段により前記気体の圧力を制御する制御手段を有することを特徴とするものである。
本発明の押出成形装置によれば、口金と該口金の出口部まで挿入された中子とからなる金型部を有しており、中子は出口部側の先端の開口から中子の支持部材を通って装置の外部に通じる気体の流通路を有することから、金型の後部で筒状成形体の切断時に断面が押し潰されても、中子が有する気体の流通路によって空気が流通するため筒状成形体の内部への空気の通気が遮断されることがなくなり、その結果、筒状成形体の内部の気圧が保たれるために筒状成形体の全体の潰れがなくなるので、所望の形状の筒状成形体を安定して得ることができるとともに筒状成形体の製造効率を向上させることができる。
また、前記流通路に導入する気体の圧力が大気圧以上の圧力となるように前記気体の圧力を調整する圧力調整手段が接続されていることから、筒状成形体の内部に大気圧と同じかそれ以上で圧力に調整された気体(例えば空気,窒素ガスおよびアルゴンガス等)を導入することによって、筒状成形体の内部の気圧が大気圧以上の圧力に保たれるため、筒状成形体の内部の気圧変動に伴う筒状成形体の断面形状や寸法の変化といったばらつきが減少し、切断時の断面の潰れに伴う気圧減少による筒状成形体の潰れがなくなると同時に寸法精度も安定させることができるものとなる。
さらに、本発明の押出成形装置によれば、出口部の外側に成形体の外径を測定する測定手段を有するとともに、測定手段による測定結果に応じて圧力調整手段により気体の圧力を制御する制御手段を有するときには、成形作業中の環境変化や成形原料のばらつきによる筒状成形体の寸法のばらつきを、非接触式のレーザー変位計や画像処理方式による寸法測定装置を用いて測定して、その測定結果を基に、例えば外径寸法値が基準寸法よりも小さい場合には筒状成形体の内部に加える気体の圧力を上げ、基準寸法よりも大きい場合には筒状成形体の内部に加える気体の圧力を下げる等のように圧力を制御することによって筒状成形体を成形する条件をコントロールすることができるために、筒状成形体の寸法ばらつきをさらに安定化することができる。
以下、本発明を実施するための実施の形態の例について説明する。
図1は、本発明の押出成形装置の実施の形態の一例を示す、(a)は概略断面図であり、(b)は(a)におけるS部の拡大図を示す概略断面図である。
図1に示す本発明のスクリュー式の押出成形装置1は、上段スクリュー4と下段スクリュー7との間に真空室5を有しており、上段スクリュー4は上段バレル3に、下段スクリュー7は下段バレル6にそれぞれ覆われている。また、上段バレル3の一部に成形原料の投入口2が開口しており、下段バレル6の出口側には金型部8が接続された構成としてある。
この金型部8は、口金81と中子82と支持部材83とからなり、口金81は下段バレル6と同一の内径寸法を有する入口部85と筒状成形体の外径寸法を規定する出口部87との間がテーパー部86によって連結された構成となっており、入口部85に取着固定された支持部材83によって中子82が口金81の出口部87において中心に位置するように保持固定された構造となっている。そして、中子82の先端部中央から金型部8の外部まで貫通する流通路84を有している。
さらに、上段スクリュー4および下段スクリュー7は、それぞれ片方を上段軸受け9および下段軸受け10に接続固定されて、動力源(不図示)に接続されている。そして、真空室5にはその内部を真空引きするための真空ポンプ(不図示)が接続されている。
次に、図1に示す本発明のスクリュー式の押出成形装置1を用いて、例えばセラミック製の筒状成形体を成形する成形手順を説明する。
まず、セラミック粉体とバインダと水とを混合撹拌ミキサーで混合し、さらに3本ロール混練機に3回通して混練し、粘土状の成形原料とする。そして、この成形原料をスクリュー式の押出成形装置1の投入口2より投入する。投入された成形原料は、上段スクリュー4の回転によって、上段スクリュー4と上段バレル3との隙間を通って真空室5へと押し出される。真空室5へと押し出された成形原料は、真空室5に接続された真空ポンプによって減圧されて成形原料の内部の気泡を排出し、その後、下段スクリュー7の回転により、下段スクリュー7と下段バレル6との隙間を通って金型部8の方向へと押し出され、金型部8の出口部8aを通過後、切断部50にて所定の寸法に切断されて、所望の形状の筒状成形体が得られる。そして、この筒状成形体を乾燥し、焼成することにより、筒状成形部材が得られる。
この様なスクリュー式の押出成形装置1を用いて押出成形する場合には、従来の押出成形装置であれば、金型部8の出口部8aから下段スクリュー7の回転にて押し出された筒状成形体を所定の寸法に切断部50にて切断するときに、筒状成形体の断面が押し潰されて筒状成形体の内部への空気の通気が遮断され、その結果、筒状成形体の内部の気圧が減少することにより、筒状成形体の全体が潰れてしまうという現象を避けることができないと言う問題点があった。
そこで、本発明者は、スクリュー式の押出成形装置1から押し出されてきた成形体が潰れてしまわないよう、種々の検討を重ねた結果、図1に示すように、口金81と口金81に出口部8aまで挿入された中子82とからなる金型部8を有しており、中子82は出口部8a側の先端の開口から中子82の支持部材83を通って装置の外部に通じる気体の流通路84を有する押出成形装置1によって、潰れることのない筒状成形体を提供することができることを突き止めた。
これは、押し出された筒状成形体を所定の寸法に切断部50にて切断するときに筒状成形体の断面が押し潰されることによって、筒状成形体の断面からの内部への空気の通気が遮断されたとしても、流通路84によって筒状成形体の内部に外気が通気することから、筒状成形体の内部の気圧が減少することが無くなり、筒状成形体の全体が潰れてしまう現象を避けることができるからである。
なお、筒状成形体の断面が押し潰されないような切断部50を用いても、筒状成形体の潰れを避けることができる。そのような切断部50としては、ウォータージェット式、あるいはレーザー式の切断装置が挙げられる。しかしながら、切断部50にウォータージェット式の切断装置を用いると、成形原料に水溶性のバインダを使用した場合には、切断部50以外への水の飛散によって、筒状成形体の表面が溶けて変形したり、凹凸を生じたりするという問題点が生じるために、使用することはできない。また、ウォータージェット式やレーザー式の切断装置は、その切断部以外に、高圧ポンプやレーザー発振部,冷却装置等の付帯装置が必要であり、それらの装置は広い設置面積が必要であるために、例えば外径が3mm、内径が2mmといったような小さい筒状成形体を得るための押出成形装置の設置面積と比較して、付帯装置を含めた押出成形装置全体の設置面積が大幅に増加してしまうという問題点があるため、また設備コストも高価なものとなるため、押出成形装置1の切断部50として使用するのは現実的ではない。
また、本発明の押出成形装置1は、流通路84に気体の圧力を調整するためにコンプレッサーエアーや圧力レギュレータからなる圧力調整手段が接続されて設けられているときには、筒状成形体の内部の気圧が一定に保たれるため、内部の気圧の減少による筒状成形体の潰れがなくなると同時に筒状成形体の寸法精度も安定する。これは、流通路84に接続された気体の圧力を調整する圧力調整手段、例えばエアーコンプレッサーや圧力レギュレータ等の圧力調整手段を用いて筒状成形体の内部の気圧の調整をすることが可能であるために、筒状成形体の内部に大気圧と同じかそれ以上で一定の圧力に調整された気体(例えば空気,窒素ガスおよびアルゴンガス等)を導入することによって、筒状成形体の内部の気圧を常に一定に保つことができるために、筒状成形体の内部の気圧変動に伴う筒状成形体の断面形状の寸法の変化が抑制されるからである。
また、図2に測定手段および制御手段を有する押出成形装置の実施の形態の一例を示す概略構成図を示すように、本発明の押出成形装置1は、出口部8aの外側に筒状成形体100の外径を測定する測定手段を有するとともに、測定手段による測定結果に応じて圧力調整手段により気体の圧力を制御する制御手段を有することが好ましい。例えば図2に示すように、流通路84にエアーコンプレッサー95および電磁バルブ91およびそれらを連結する空気配管96からなる圧力調整手段を連結する。電磁バルブ91の開度はパーソナルコンピュータ等の演算装置94により出力される電圧信号によって制御される。一方、成形直後の筒状成形体100の外径寸法は、レーザーヘッド92および信号変換装置93からなる非接触式の外径寸法の測定装置によって測定され、その測定値が信号変換装置93から演算装置94に送られる。ここで、あらかじめ測定によって求められた電磁バルブ91の開度と筒状成形体100の外径寸法値との関係式を基に、レーザーヘッド92および信号変換装置93からなる非接触式の外径寸法の測定装置によって測定された筒状成形体100の外径寸法の値が所望の値となるように電磁バルブ91の開度が自動調節されるようになっていることから、成形作業中の環境変化や成形原料のばらつきによる筒状成形体100の寸法のばらつきを筒状成形体100の内部に加える気体の圧力を制御することによってコントロールできるために、筒状成形体100の寸法をさらに安定化することができる。これは、成形作業中の環境変化や成形原料のばらつきによって生じる筒状成形体100の寸法のばらつきを、非接触式のレーザー変位計や画像処理方式による寸法測定装置を用いて測定し、その測定結果を基に、例えば外径寸法値が基準寸法よりも小さい場合には筒状成形体100の内部に加える気体の圧力を上げ、基準寸法よりも大きい場合には筒状成形体100の内部に加える気体の圧力を下げる等の圧力制御をすることによって、コントロールすることができるからである。
この成形原料として例えば、小麦粉と水とを混合混練して成形原料とした場合であれば、得られた筒状成形体は、必要な水分量になるまで乾燥させることによって、マカロニ等である筒状の乾燥麺製品となり、内部に空洞を有することから、ゆでる際に水分を吸収する表面積が大きくなるため、短時間でゆでることが可能な乾燥麺製品となる。
あるいは、成形原料として熱硬化性の樹脂を用いた場合であれば、得られた筒状成形体は、樹脂が硬化するために必要な熱処理を施すことによって、筒状の樹脂部材として、例えば配線保護部材あるいは導水管として使用することができる。
また、筒状セラミック部材を製造する場合であれば、少なくともセラミック粉体、バインダおよび水、可塑剤、分散剤等の添加剤を混合して成形原料を作製し、この成形原料を本発明の押出成形装置1を用いて金型部8より押し出して筒状成形体を成形し、得られた筒状成形体を乾燥して、適切な焼成炉で焼成すればよい。
この場合、セラミック粉体としては、アルミナ,ジルコニア,窒化硅素,炭化硅素,窒化アルミニウム,フェライト,コージェライト等がその使用目的に応じて適宜選択され、必要に応じて酸化硅素,酸化カルシウム,酸化マグネシウム,酸化ニッケル,酸化亜鉛,酸化銅等の焼結助剤を添加してもよい。また、バインダとしては押出成形時の流動性,筒状成形体の保形性,筒状成形体の強度,ハンドリング性等を総合的に考慮すると、セルロース系のバインダを用いるのがよく、中でも水溶性のセルロースエーテルを使用するのが好ましい。
なお、スクリュー式の押出成形装置1の内部の成形原料は、上段スクリュー4と上段バレル3との間および下段スクリュー7と下段バレル6との間で発生する剪断力を受けるため、摩擦熱によって温度が上昇する。成形原料によっては、この摩擦熱による温度上昇によって流動性が悪化したり特性が劣化したりするため、スクリュー式の押出成形装置1のバレル3,6やスクリュー4,7の内部は、冷却水で冷却できるジャケット構造とすることが好ましい。
そして、本発明の押出成形装置1によって筒状セラミック成形体を得るための成形手順は、まず、セラミック粉体とバインダと水とを混合撹拌ミキサーで混合し、さらに3本ロール混練機に3回通して混練して、粘土状の成形原料とする。このとき、混練後の粘土状の成形原料は、例えば(株)島津製作所製フローテスターCFT−500C型を用いて、圧力6MPa,温度20℃,金型口径1mm,金型長さ1mmの設定条件における測定値が1×10〜1×10Pa・sの粘度範囲となるように調整するのがよい。
そして、この成形原料をスクリュー式の押出成形装置1の投入口2より投入する。投入された成形原料は、上段スクリュー4の回転によって、上段スクリュー4と上段バレル3との隙間を通って真空室5へと押し出される。真空室5へと押し出された成形原料は、真空室5に接続された真空ポンプによって減圧されて成形原料の内部の気泡を排出し、その後、下段スクリュー7の回転により、下段スクリュー7と下段バレル6との隙間を通って金型部8の方向へと押し出され、金型部8の出口部8aを通過後に切断部50にて所定の寸法に切断されて、筒状成形体となる。
そして、この筒状成形体を乾燥させるには、急激な乾燥は筒状成形体を変形させるため、自然乾燥でもよいが、一定時間自然乾燥した後、さらに残留する水分を乾燥させるために、灯油ボイラ等で気温80℃前後に設定された乾燥室での乾燥を組み合わせて実施する方が好ましい。
次に、筒状成形体の乾燥後、焼成を行なう。焼成の温度パターンは使用するセラミック粉体によって異なるが、例えば成形原料にアルミナを使用する場合であれば、まず室温から300〜500℃の温度までを2〜6時間かけて昇温し、その後1〜4時間の保持時間を設けることによって、筒状成形体に含まれるバインダを焼失させる。さらにその後、1400〜1650℃の最高温度まで2〜6時間かけて昇温し、1〜4時間の保持時間を設けた後、室温まで徐々に冷却すればよい。
このようにして得られた筒状セラミック部材は、例えば電気配線用の絶縁部材や耐熱性の導液管、あるいはセラミック材を多孔質のセラミックスとすることによって、各種のフィルター部材として使用することができる。
以下、本発明の実施例を示す。
(実施例1)
図1に示す本発明のスクリュー式の押出成形装置1を用い、図2に示すように測定手段および制御手段を接続して、流通路84に接続されたエアーコンプレッサーおよび圧力レギュレータからなる圧力調整手段により流通路84から加える加圧圧力を、大気圧を基準として0MPa,0.05MPa,0.1MPa,0.2MPaとして、成形から切断の作業を行なった。このとき、外径寸法が3.0mm、内径寸法が2.0mm、長さが100mmの筒状成形体を100本作製したときの潰れ不良の発生率および外径寸法のばらつきを評価した。潰れ不良の発生率は目視検査にて検査した。また外径寸法のばらつきについては、筒状成形体の外径寸法をマイクロメータで測定し、標準偏差σを計算することによって確認する試験を行なった。
まず、押出成形用の成形原料を作製した。用いるセラミック粉体としては、純度が99%、平均粒径が1μmの市販のアルミナ原料を使用した。このアルミナ原料100質量部と、アルミナ原料100質量部に対して3質量部の焼結助剤と、バインダとして4質量部の水溶性セルロースエーテルと、6質量部の界面活性剤と、8質量部の水とを市販の混合撹拌ミキサーに入れ混合した。次に、これを3本ロール混練機に3回通して混練し、粘土状の成形原料とした。
次に、この成形原料を図1に示すスクリュー式の押出成形装置1の投入口2から投入して押出成形を行なった。
なお、スクリュー式の押出成形装置1の上段バレル3,下段バレル6,下段スクリュー7の内部は水冷ジャケット構造とし、10℃以下に設定された冷却水を循環させることによって、成形原料の温度上昇を防止した。さらに、真空ポンプを作動させ、真空室5を脱気しながら成形を行なった。
なお、比較例としては、図3に示す従来の押出成形装置20を用いて、同様の筒状成形体を成形して同様の試験を行なった。
Figure 0005164385
表1に示す結果によると、本発明の範囲外である、中子82に流通路84を有しない従来の押出成形装置20を用いた試料No.1では、切断時の潰れ不良の発生率が34%と高かったのに対し、中子82に流通路84を有する本発明の押出成形装置1を用いた試料No.2,3,4,5においては、切断時の潰れ不良が発生しなかった。
また、外径のばらつきにおいては、本発明の範囲外である試料No.1においては、ばらつきの標準偏差σが0.022であったのに対して、本発明の押出成形装置1を用いた試料No.2,3,4,5においては、外径寸法のばらつきの標準偏差σの値が小さく、ばらつきが小さい結果となった。また、流通路84から大気圧を基準として0.05MPa,0.10MPaの加圧を行なった試料No.3,4においては、ばらつきの標準偏差σがさらに小さい良好な結果となった。しかし、流通路84から大気圧を基準として0.20MPaの加圧を行なった試料No.5においては、加圧力が大きすぎて成形体が破裂する不良が発生し、発生しなかったものでも外径寸法のばらつきが悪化する結果となった。このことから、流通路からの加圧圧力としては、0.05MPa〜0.10MPaの範囲が適しているといえる。
(実施例2)
次に、実施例1で使用した押出成形装置1を用いて、図2に示すような、流通路84にエアーコンプレッサー95および電磁バルブ91およびそれらを連結する空気配管96からなる圧力調整手段を連結し、さらに成形直後の筒状成形体100の外径寸法を測定するためのレーザーヘッド92および信号変換装置93からなる非接触式の外径寸法の測定装置を連結した。そして、この測定装置によってあらかじめ測定によって求められた電磁バルブ91の開度と筒状成形体100の外径寸法値との関係式を基に、レーザーヘッド92および信号変換装置93からなる非接触式の外径寸法の測定装置によって測定された筒状成形体100の外径寸法の値が所望の値となるように電磁バルブ91の開度が自動調節されるようになっている押出成形装置1を用いて、連続で約6時間に渡って筒状成形体100の成形を行ない、1時間ごとに20本のサンプルを6回、計120本についての筒状成形体100の外径寸法を測定して、外径寸法のばらつきを確認するために、標準偏差σを計算により求めた。なお、比較例としては、図3に示す従来の押出成形装置20を用いて、同様の筒状成形体を成形して同様の試験を行なった。その結果を表2に示す。
Figure 0005164385
表2に示す結果によると、図3に示す従来の押出成形装置によるばらつきの標準偏差σは0.036であり、図1に示す本発明の押出成形装置1によるばらつきの標準偏差σの値が0.019であったのに対し、図2に示すような測定手段および制御手段を有する本発明の押出成形装置1によるばらつきの標準偏差σの値は0.010であった。
このことから、ばらつきを確認するための標準偏差σの値が小さい、測定手段および制御手段を有する押出成形装置によれば、長時間連続して筒状成形体を成形する場合には,外径寸法のばらつきを減少させることが可能であることが分かった。
以上のことから、本発明の押出成形装置を用いて筒状成形体を成形する場合には、金型部の出口部の後方で切断部により筒状成形体を切断したとき、または押し出している最中に筒状成形体が潰されることがなく、長時間連続して押出成形しても外径寸法のばらつきの少ない筒状成形体を得られることが確認された。
本発明の押出成形装置の実施の形態の一例を示す、(a)は概略断面図、(b)は(a)におけるS部の拡大図を示す概略断面図である。 本発明の押出成形装置の実施の形態の他の例を示す概略構成図である。 従来のスクリュー式の押出成形装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1:押出成形装置
2:投入口
3:上段バレル
4:上段スクリュー
5:真空室
6:下段バレル
7:下段スクリュー
7a:スクリュー先端
8:金型部
8a:出口部
81:口金
82:中子
83:支持部材
84:流通路
9:上段軸受け
10:下段軸受け
50:切断部
100:筒状成形体

Claims (4)

  1. 口金と該口金に出口部まで挿入された中子とからなる金型部を有しており、前記中子は前記出口部側の先端の開口から前記中子の支持部材を通って装置の外部に通じる気体の流通路を有し、前記流通路に導入する気体の圧力が大気圧以上の圧力となるように前記気体の圧力を調整する圧力調整手段が接続されていることを特徴とする押出成形装置。
  2. 前記流通路に導入される気体の圧力が、大気圧+0.2MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の押出成形装置。
  3. 前記出口部の外側に成形体の外径を測定する測定手段を有するとともに、該測定手段による測定結果に応じて前記圧力調整手段により前記気体の圧力を制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の押出成形装置。
  4. セラミック製の筒状成形体を成形するために用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の押出成形装置。
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