JPH04327556A - 光学活性シクロペンテノロン類の製造法 - Google Patents

光学活性シクロペンテノロン類の製造法

Info

Publication number
JPH04327556A
JPH04327556A JP12237591A JP12237591A JPH04327556A JP H04327556 A JPH04327556 A JP H04327556A JP 12237591 A JP12237591 A JP 12237591A JP 12237591 A JP12237591 A JP 12237591A JP H04327556 A JPH04327556 A JP H04327556A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
cyclopentenolone
optically active
general formula
carboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12237591A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeaki Umemura
梅村 武明
Yoshio Furukawa
古川 良夫
Masaru Mitsuta
光田 賢
Hidenori Dandan
段々 英則
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP12237591A priority Critical patent/JPH04327556A/ja
Publication of JPH04327556A publication Critical patent/JPH04327556A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なシクロペン
テノロン類の製造法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする問題点】一般
式(I) 【0003】 【化10】 【0004】〔式中、*は不斉炭素を表わし、R1 は
水素原子または低級アルキル基を表わし、R2 は低級
アルキル基、低級アルケニル基または低級アルキニル基
を表わす。〕 【0005】で示される光学活性なシクロペンテノロン
類は、優れた殺虫活性を有する合成ピレスロイドと呼ば
れる一群のカルボン酸エステル化合物の重要なアルコー
ル成分として知られている。また、該シクロペンテノロ
ンは、その4−位に不斉炭素を有することから、2種の
光学異性体が存在し、通常これらのカルボン酸エステル
としての殺虫活性は、(S)−体がラセミ体あるいは(
R)−体に比し、数倍優れていることも知られている(
例えば、松尾ら、Pestic.Sci., 11, 
202(1980))。 【0006】従って、(S)−体の上記一般式(I)で
示されるシクロペンテノロン類の製造法の開発が望まれ
ており、そのような方法として、該シクロペンテノロン
類のラセミ体をフタル酸の半エステルとして、光学活性
アミンで分割する方法(例えば、特開昭56−2929
 号公報)や、該シクロペンテノロン類のラセミ体を有
機カルボン酸エステルとして、エステラーゼで生化学的
に光学分割する方法(特開昭58−31994号公報お
よび同58−47495号公報)などが知られているが
、これらの方法においては何れも、目的とする(S)−
体のシクロペンテノロン類と共に、ほぼ同量の対掌体、
即ち(R)−体またはそれに富むシクロペンテノロン類
の生成を伴うことになり、夫々の光学活性体を高純度で
かつ収率よく得るためには、効率のよい分離技術が必要
となる。 【0007】上記のような光学分割法の中で、エステラ
ーゼによる光学分割法は、高い光学純度の光学活性なシ
クロペンテノロン類と該シクロペンテノロンとは反対の
絶対配置を有する光学活性なシクロペンテノロンのカル
ボン酸エステルに分割することができ、シクロペンテノ
ロン類の光学分割法としては、光学純度の点では極めて
優れたものであるが、本方法においても、得られる光学
活性なシクロペンテノロン類と該シクロペンテノロンと
は反対の絶対配置を有する光学活性なシクロペンテノロ
ン類のカルボン酸エステルの混合物を何らかの方法、例
えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の精密な
分離操作が必要とされることになる。 【0008】 【課題を解決するための手段】このような状況の下に、
本発明者らは、前記一般式(I)で示される光学活性な
シクロペンテノロン類の製造法につき種々検討していく
中で、光学活性なシクロペンテノロン類と、該シクロペ
ンテノロン類とは反対の絶対配置を有するシクロペンテ
ノロン類のカルボン酸エステルとの混合物を、特定の反
応試剤と反応させた後、酸性条件下に加水分解すること
により、一方の絶対配置を有するシクロペンテノロン類
のみが効率よく得られることを見出すと共に、このよう
な方法が、一般式(I)で示される光学活性なシクロペ
ンテノロン類の極めて有利な製造方法になることを見出
し本発明を完成するに至った。 【0009】即ち、本発明は一般式(IV)【0010
】 【化11】 【0011】〔式中、*は不斉炭素を表わし、R1 は
水素原子または低級アルキル基を表わし、R2 は低級
アルキル基、低級アルケニル基または低級アルキニル基
を表わす。〕 【0012】で示される光学活性なシクロペンテノロン
類と、該シクロペンテノロン類とは反対の絶対配置を有
する一般式(III) 【0013】 【化12】 【0014】〔式中、*、R1 およびR2 は前述と
同じ意味を表わし、R3 は低級アルキル基を表わす。 〕【0015】で示される光学活性なカルボン酸エステ
ルとの混合物と、一般式(II) 【0016】 【化13】 【0017】〔式中、R4 は水素原子、低級アルキル
基またはフェニル基を表わす。〕で示されるカルボン酸
とを、トリフェニルホスフィン及びジエチル  アゾジ
カルボキシレートの存在下に反応させた後、酸性条件下
に加水分解することによる、上記一般式(IV) で示
されるシクロペンテノロン類とは反対の絶対配置を有す
る一般式(I) 【0018】 【化14】 【0019】〔式中、*、R1 およびR2 は前述と
同じ意味を表わす。〕 【0020】で示される光学活性なシクロペンテノロン
類の製造法を提供するものである。 【0021】本発明方法において、原料となる前記一般
式(IV) で示される光学活性なシクロペンテノロン
類と、該シクロペンテノロン類とは反対の絶対配置を有
する一般式(III)で示される光学活性なカルボン酸
エステルとの混合物は一般式(VI) 【0022】 【化15】 【0023】〔式中、R1 およびR2 は前述と同じ
意味を表わす。〕 【0024】で示されるシクロペンテノロン類から導か
れる一般式(V) 【0025】 【化16】 【0026】〔式中、R1 、R2 およびR3 は前
述と同じ意味を表わす。〕 【0027】で示されるカルボン酸エステルに、微生物
の生産するエステラーゼあるいは動物膵臓エステラーゼ
を作用させて、これを不斉加水分解することにより容易
に得られる。 【0028】従って、本発明方法によれば、エステラー
ゼによる光学分割法で得られる光学活性なシクロペンテ
ノロン類と、該シクロペンテノロン類とは反対の絶対配
置を有するカルボン酸エステルとを、分離操作を要する
ことなく、その全てを一方の絶対配置を有するシクロペ
ンテノロン類に導くことができる。 【0029】上記の工程の一例を模式的に示せば次のよ
うになる。 【0030】 【化17】 【0031】〔式中、*、R1 、R2 、R3 およ
びR4 は前述と同じ意味を表わす。〕 【0032】このように本発明方法によれば、例えば上
記のようなエステラーゼによる光学分割法において副生
する(R)−体またはそれに富む一般式(IV) で示
されるシクロペンテノロン類を、分離することなく、直
接より有用な(S)−体またはそれに富む一般式(I)
で示されるシクロペンテノロン類に変換されることから
、極めて能率がよく、また前記のようなシクロペンテノ
ロン類のエステラーゼによる光学分割技術と相俟って、
(S)一体の一般式(I)で示されるシクロペンテノロ
ン類を工業規模においても極めて有利に製造することが
できる。以下に、本発明につき詳しく説明する。 【0033】本発明方法において、一般式(IV) で
示される光学活性なシクロペンテノロン類と、該シクロ
ペンテノロン類とは反対の絶対配置を有する一般式(I
II)で示される光学活性なカルボン酸エステルとの混
合物と、一般式(II)で示されるカルボン酸とを、ト
リフェニルホスフィン及びジエチル  アゾジカルボキ
シレートの存在下に反応させるに際し、その反応は、通
常−20〜50℃の範囲で実施される。 【0034】該反応工程においては、通常、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどの脂環式エーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトンなどの低級脂肪族ケトン類、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プ
ロトン性極性溶媒などの有機溶媒が使用される。 【0035】該反応工程において用いられる、一般式(
II) で示されるカルボン酸、トリフェニルホスフィ
ン及びジエチル  アゾジカルボキシレートの使用量は
特に制限されるものではなく、一般式(IV) で示さ
れる光学活性なシクロペンテノロン1モルに対しそれぞ
れが1モル以上あればよいが、通常1〜2モルで充分目
的が達成される。 【0036】上記のようにして反応させた後の反応液を
、必要に応じて濃縮した後、有機溶媒による抽出あるい
は蒸留などの通常の手段により、反応後の生成物を取り
出し、次いで、酸性条件下に加水分解することにより、
容易に目的の光学活性なシクロペンテノロンを得ること
ができる。 【0037】該加水分解反応は、酸性条件下に行なわれ
、通常、硫酸、硝酸等の鉱酸あるいはスルホン酸類が用
いられる。 【0038】該加水分解反応は、通常20〜100℃の
範囲で実施されるが、反応に要する時間の面で、70〜
100℃の範囲がより好ましい。 【0039】また該加水分解反応においては、水以外に
、有機溶媒の使用は必須ではないが、必要に応じて、例
えばテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの脂環式エー
テル類、アセトン、メチルエチルケトンなどの低級脂肪
族ケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シドなどの非プロトン性極性溶媒などの、水と相互に溶
解し合う有機溶媒を併用することもできる。 【0040】また、加水分解条件を酸性に安定に保つた
めに、適当な緩衝液を使用することもできる。 【0041】尚、一般式(V)で示されるカルボン酸エ
ステルに、微生物が生産するエステラーゼあるいは動物
膵臓エステラーゼを作用させ、これを一般式(IV) 
で示される光学活性なシクロペンテノロン類と、該シク
ロペンテノロン類とは反対の絶対配置を有する一般式(
III)で示されるカルボン酸エステルとに不斉加水分
解するに際し、使用に供される微生物由来のエステラー
ゼを生産する微生物としては、一般式(V)で示される
カルボン酸エステルを不斉加水分解する能力を有するエ
ステラーゼを生産する微生物であればよく、特に限定さ
れるものではない(ここでエステラーゼとはリパーゼを
含む広義のエステラーゼを意味する。)。 【0042】このような微生物の具体例としては、エン
テロバクター属、アルスロバクター属、プレビバクテリ
ウム属、シュードモナス属、アルカリゲネス属、フラボ
バクテリウム属、ミクロコッカス属、クロモバクテリウ
ム属、ミコバクテリウム属、コリネバクテリウム属、バ
シルス属、ラクトバシルス属、トリコデルマ属、キャン
ディダ属、サッカロミセス属、ロドトルラ属、クリプト
コックス属、トルロプシス属、ピヒア属、ペニシリウム
属、アスペルギルス属、リゾプス属、ムコール属、オー
レオバシディウム属、アクチノムコール属、ノカルディ
ア属、ストレプトミセス属に属する微生物が挙げられる
。 【0043】これらの各属に属する代表的な菌株名を下
記に例示する。 (1)エンテロバクター・クローカエ        
  IFO  3320      Enteroba
cter cloacae(2)アルスロバクター・シ
ンプレックス      IFO  3530    
  Arthrobacter simplex(3)
ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス  IFO 1
2072      Brevibacterium 
ammoniagenes (4)シュードモナス・フ
ルオレッセンス      IFO  3081   
   Pseudomonas fluorescen
s   (5)アルカリゲネス・フェーカリス    
      IFO 12669      Alca
ligenes faecalis(6)フラボバクテ
リウム・アルボレセンス    IFO  3750 
     Flavobacterium arbor
escens(7)ミクロコッカス・ルテウス    
          OUT  8276      
Micrococcus luteus(8)クロモバ
クテリウム・ビスコサム      ATCC  69
18      Chromobacterium v
iscosum(9)ミコバクテリウム・フレイ   
           IFO  3158     
 Mycobacterium phlei (10)
コリネバクテリウム・エクイ          AT
CC  7699      Corynebacte
rium equi(11)バシルス・ズブチリス  
                IFO  3026
      Bacillus subtilis (
12)ラクトバシルス・カゼイ           
     IFO  3322      Lacto
bacillus casei (13)トリコデルマ
・ビリデ                  IFO
  4847      Trichoderma v
iride(14)サッカロミセス・ルーキシイ   
         IFO  0505      S
accharomyces rouxii(15)キャ
ンディダ・ユチリス                
IFO  0396      Candida ut
ilis(16)ロドトルラ・ミヌータ       
           IFO  0387     
 Rhodotorula minuta(17)クリ
プトコッカス・アルビダス          IFO
  0378      Cryptococcus 
albidus(18)トルロプシス・キャンディダ 
           IFO  0768     
 Torulopsis candida(19)ピヒ
ア・ポリモルファ                 
 IFO  1166      Pihia pol
imorpha(20)ペニシリウム・フレクエンタン
ス        IFO  5692      P
enicillium frequentans (2
1)アスペルギルス・バール・アスペル      I
FO  5324      Aspergillus
 var asper (22)リゾプス・チネンシス
                  IFO  47
37      Rhizopus chinensi
s(23)オーレオバシディウム・プルランス    
  IFO  4464      Aureobas
idium pullulans (24)アクチノム
コール・エレガンス          IFO  4
022      Actinomucor eleg
ans (25)ノカルディア・アステロイデス   
       IFO  3424      Noc
ardia asteroides (26)ストレプ
トミセス・グリセウス          IFO  
3356      Streptmyces gri
seus (27)ムコール・ジャバァニクス    
          IFO  4572      
Nucor javanicus 【0044】これら
の菌株はいずれもAmerican Type Cul
ture Collection( ATCC)または
大阪大学工学部醗酵工学科(OUT)あるいは大阪市の
財団法人醗酵研究所(IFO)に保存され、これらの保
存機関より入手することができる。 【0045】上記微生物の培養は、通常常法に従って液
体培養を行なうことにより培養液を得る。例えば滅菌し
た液体培地〔かび類、酵母類用には麦芽エキス・酵母エ
キス培地(水1L にペプトン 5.0g、グルコース
10.0g、麦芽エキス 3.0g、酵母エキス 3.
0gを溶解し、pH6.5 とする)、細菌類用には加
糖ブイヨン培地(水1Lにグルコース10.0g、ペプ
トン 5.0g、肉エキス 5.0g、NaCl 3.
0gを溶解しpH7.2 とする)〕に微生物を接種し
、通常20〜40℃で1〜3日間往復振盪培養を行なう
。また必要に応じて固体培養を行なってもよい。 【0046】本発明においては、上記微生物のうちエン
テロバクター属、アルスロバクター属、プレビバクテリ
ウム属、シュードモナス属、アルカリケネス属、クロモ
バクテリウム属、ミコバクテリウム属、バシルス属、ト
リコデルマ属、キャンディダ属、ロドトルラ属、トルロ
プシス属、アスペルギルス属、リゾプス属、ムコール属
、ノカルディア属、ストレプトミセス属に属する微生物
がエステラーゼ活性および不斉収率の点で特に好適であ
る。 【0047】また、これらの微生物起源のエステラーゼ
のなかには市販されているものがあり、容易に入手する
ことができる。市販エステラーゼの具体例としてはシュ
ードモナス属のリパーゼ(天野製薬製)、アスペルギル
ス属のリパーゼ(リパーゼAP(天野製薬製))、ムコ
ール属のリパーゼM−AP(天野製薬製))、キャンデ
ィダ・シリンドラッセのリパーゼ(リパーゼMY(名糖
産業製))、アルカリゲネス属のリパーゼ(リパーゼP
L(名糖産業製))、アクロモバクター属のリパーゼ(
リパーゼAL(名糖産業製))、アルスロバクター属の
リパーゼ(リパーゼ合同BSL(合同酒精製))、クロ
モバクテリウム属のリパーゼ(東洋醸造製)、リゾプス
・デレマーのリパーゼ(タリパーゼ(田辺製薬製))、
リゾプス属のリパーゼ(リパーゼサイケン(大阪細菌研
究所))などが挙げられる。 【0048】また、動物膵臓エステラーゼとしてはステ
アプシンやパンクレアチンを用いることができる。 【0049】本工程の不斉加水分解は、上記微生物を培
養した培養液、培養液から分離した菌体、エステラーゼ
を含有する培養濾液、あるいは各種酵素分離法によって
菌体または培養濾液から分離した粗製エステラーゼ、精
製エステラーゼおよびエステラーゼ含有抽出液または濃
縮液、あるいは動物膵臓エステラーゼを含有する水溶液
と一般式(V)で示されるカルボン酸エステルを混合し
、攪拌または振盪することにより行なわれる。また、固
定化菌体あるいは固定化エステラーゼを使用することも
できる。この時不斉加水分解を行なう条件としては、反
応温度は10〜70℃が適当であり、好熱菌の培養液ま
たは好熱菌の培養により得られた耐熱性エステラーゼで
は50〜65℃中温菌の培養液または特に耐熱性を有し
ないエステラーゼでは20〜50℃が好ましい。 【0050】反応時間は通常3〜48時間であるが、反
応温度を高めたり酵素量を増加させるなどにより反応時
間の短縮も可能である 【0051】反応中のpHは好アルカリ性菌の培養液や
アルカリ性エステラーゼではpH8〜11、好アルカリ
性でない微生物の培養液や耐アルカリ性を有しないエス
テラーゼではpH5〜8が好ましい。また、加水分解に
よって生成する有機カルボン酸を中和し、反応中のpH
を一定に保つために緩衝液の使用が好ましく、リン酸ナ
トリウム、リン酸カリウムなどの無機酸塩の緩衝液、酢
酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどの有機酸塩の緩
衝液を使用することができる。 【0052】基質である一般式(V)で示されるカルボ
ン酸エステルの使用濃度は反応液に対し1〜50wt%
であり、好ましくは5〜25wt%である。 【0053】尚、ここで使用される一般式(V)で示さ
れるカルボン酸エステルの製造は、エステル製造の常法
、例えば一般式(VI) で示されるシクロペンテノロ
ン類に有機カルボン酸の無水物を反応させる方法あるい
は有機カルボン酸クロライドを有機塩基の存在下で反応
させることなどにより容易に製造することができる。 【0054】 【発明の効果】本発明方法によれば、一方の絶対配置の
みを有するシクロペンテノロン類のみを極めて能率よく
得ることができ、さらにシクロペンテノロン類のエステ
ラーゼによる光学分割技術と相俟って、(S)一体のシ
クロペンテノロン類を工業規模においても極めて有利に
製造することができる。 【0055】 【実施例】以下に、実施例で本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0056】下記実施例において、化学純度はガスクロ
マトグラフィーにより、また(R)−体および(S)−
体の光学異性体比は、N−3,5−ジニトロフェニルカ
ーバメートとの誘導体に導いた後、光学活性な固定相を
用いる高速液体クロマトグラフィーにより測定した値で
ある。 【0057】実施例1 (I)不斉加水分解工程 0.2Mリン酸第一カリウム水溶液250gに3N水酸
化ナトリウム水溶液を加え、pH 6.5の緩衝液を調
製する。 この緩衝液に、アルスロバクター属エステラーゼ(リパ
ーゼ合同BSL) 3.0gを加え、ついで、ラセミの
2−メチル−3−(2−プロピニル)−4−オキソ−2
−シクロペンテン−1−イル  アセテート98.6g
を加え、40℃で、3N水酸化ナトリウム水溶液により
、pH 6.5±0.2 に制御しながら、17時間激
しく攪拌する。次いで反応液を、酢酸エチルにて抽出し
、酢酸エチル層は、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃
縮して、(R)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(
2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−オンと(
S)−2−メチル−3−(2−プロピニル)−4−オキ
ソ−2−シクロペンテン−1−イル  アセテートの混
合物(各々の含有量は、43.8%、および56.2%
である。) 87.84gを得た。 【0058】尚、上記混合物の一部を、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより分離することにより、(R
)−4−ヒドロキシ−3−メチル−2−(2−プロピニ
ル)−2−シクロペンテン−1−オン(〔α〕 D25
;−21.6°(c=1.47, クロロホルム)、(
R)−体/(S)−体=100/0)と(S)−2−メ
チル−3−(2−プロピニル)−4−オキソ−2−シク
ロペンテン−1−イル  アセテート(〔α〕 D23
;+39.4°(c=1.25, クロロホルム)、(
R)−体/(S)−体=0/100)が得られた。 【0059】(II) 反応剤処理及び加水分解工程(
I)で得られた混合物 26.71g、トリフェニルホ
スフィン30.7g及び酢酸 6.1gを500mlの
テトラヒドロフランに溶解した後、ジエチル  アゾジ
カルボキシレート20.4gをテトラヒドロフラン10
0mlに溶解した溶液を、25℃で30分かけて滴下す
る。同温度で、12時間攪拌した後、蒸留により、27
.3gの生成物を得た。 【0060】このようにした得られた生成物を、430
mlの 2.5%硫酸水中で、3時間、80℃で加熱す
る。反応液を冷却し、5%重炭酸ナトリウム水溶液に注
ぎ酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層は、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後濃縮して、(S)−4−ヒドロキシ
−3−メチル−2−(2−プロピニル)−2−シクロペ
ンテン−1−オン21.5g(化学純度;98.0%、
〔α〕D 25;+20.2°(c=1.50、クロロ
ホルム)、(R)−体/(S)−体= 3.2/96.
8)を得た。 【0061】該生成物は、旋光性を除き、1R、NMR
スペクトルおよびガスクロマトグラフィーによる保持時
間の特性においてラセミの4−ヒドロキシ−3−メチル
−2−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−
オンと一致した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(IV) 【化1】 〔式中、*は不斉炭素を表わし、R1 は水素原子また
    は低級アルキル基を表わし、R2 は低級アルキル基、
    低級アルケニル基または低級アルキニル基を表わす。〕
    で示される光学活性なシクロペンテノロン類と、該シク
    ロペンテノロン類とは反対の絶対配置を有する一般式(
    III)【化2】 〔式中、*、R1 およびR2 は前述と同じ意味を表
    わし、R3 は低級アルキル基を表わす。〕で示される
    光学活性なカルボン酸エステルとの混合物と、一般式(
    II)【化3】 〔式中、R4 は水素原子、低級アルキル基またはフェ
    ニル基を表わす。〕で示されるカルボン酸とを、トリフ
    ェニルホスフィン及びジエチル  アゾジカルボキシレ
    ートの存在下に反応させた後、酸性条件下に加水分解す
    ることを特徴とする上記一般式(IV) で示されるシ
    クロペンテノロン類とは反対の絶対配置を有する一般式
    (I)【化4】 〔式中、*、R1 およびR2 は前述と同じ意味を表
    わす。〕で示される光学活性なシクロペンテノロン類の
    製造法。
  2. 【請求項2】一般式(V) 【化5】 〔式中、R1 は水素原子または低級アルキル基を表わ
    し、R2 は低級アルキル基、低級アルケニル基または
    低級アルキニル基を表わし、R3 は低級アルキル基を
    表わす。〕で示されるカルボン酸エステルに、微生物が
    生産するエステラーゼあるいは動物膵臓エステラーゼを
    作用させて、これを不斉加水分解して、一般式(IV)
    【化6】 〔式中、*は不斉炭素を表わし、R1 およびR2 は
    前述と同じ意味を表わす。〕で示される光学活性なシク
    ロペンテノロン類と、該シクロペンテノロン類とは反対
    の絶対配置を有する一般式(III) 【化7】 〔式中、*、R1 、R2 およびR3 は前述と同じ
    意味を有する。〕で示される光学活性なカルボン酸エス
    テルとの混合物に導いた後、該混合物と、一般式(II
    )【化8】 〔式中、R4 は水素原子、低級アルキル基またはフェ
    ニル基を表わす。〕で示されるカルボン酸とを、トリフ
    ェニルホスフィン及びジエチル  アゾジカルボキシレ
    ートの存在下に反応させた後、酸性条件下に加水分解す
    ることを特徴とする上記一般式(IV) で示されるシ
    クロペンテノロン類とは反対の絶対配置を有する一般式
    (I)【化9】 〔式中、*、R1 およびR2 は前述と同じ意味を表
    わす。〕で示される光学活性なシクロペンテノロン類の
    製造法。
JP12237591A 1991-04-23 1991-04-23 光学活性シクロペンテノロン類の製造法 Pending JPH04327556A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12237591A JPH04327556A (ja) 1991-04-23 1991-04-23 光学活性シクロペンテノロン類の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12237591A JPH04327556A (ja) 1991-04-23 1991-04-23 光学活性シクロペンテノロン類の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04327556A true JPH04327556A (ja) 1992-11-17

Family

ID=14834287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12237591A Pending JPH04327556A (ja) 1991-04-23 1991-04-23 光学活性シクロペンテノロン類の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04327556A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0149674B1 (en) Process for biochemical optical resulution of cyclopentenolone derivative
US4571436A (en) Process for producing optically active cyclopentenolones
US5457052A (en) Process for the preparation of optically active 3-chloro-1-phenyl-propanol by a lipase catalyzed hydrolysis
JPS5847495A (ja) シクロペンテノロン誘導体の生化学的光学分割法
JPH04327556A (ja) 光学活性シクロペンテノロン類の製造法
EP0148272B1 (en) Process for producing optically active benzyl alcohol compounds
JP2579766B2 (ja) 光学活性なビフェニル誘導体およびその製造法
US6242243B1 (en) Trichosporon sp RRLY-15 (DSM 11829) and its use to prepare S(+)-6-methoxy-methyl-2-naphthalene acetic acid
JPS59216845A (ja) 光学活性シクロペンテノロン類の製造方法
JP3097210B2 (ja) 光学活性なアルコールの製造法
JPH0147159B2 (ja)
JPS601151A (ja) 光学活性シクロペンテノロン類の製造法
JPH01281098A (ja) 光学活性カルボン酸及び光学活性カルボン酸エステルの製造方法
JP3893721B2 (ja) 光学活性化合物の製造方法
JPS6366143A (ja) 光学活性シクロペンテノンアルコ−ル類の製造方法
JP3007461B2 (ja) 光学活性2−シクロヘキセニル酢酸及びそのエステルの製造方法
JP3755049B2 (ja) 2−ハロ−2−フルオロシクロプロパンカルボン酸の光学活性体の製造方法
JPS6363396A (ja) d−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸の製造方法
JP3935992B2 (ja) 光学活性3−クロロラクトニトリル及びそのエステル並びにそれらの製造方法
JPH0751533B2 (ja) 光学活性なテルフェニル誘導体の製造法
JPH0573396B2 (ja)
JPS62283951A (ja) 光学活性な2−置換−4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類の製造方法
JPS62281844A (ja) 光学活性な4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン類の製造法
JPS63109797A (ja) 光学活性なシクロペンテノン類の製法
JP2000093191A (ja) 光学活性化合物の製造方法