JPH04325631A - 下部装入式加熱炉のスラブ装入方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は下部装入式加熱炉のスラ
ブ装入方法に係わり、スラブの傾きを修正して正しい姿
勢で炉内に装入するためのスラブ装入方法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】竪型誘導加熱炉の如き下部装入式加熱炉
は、スラブ搬送台車等で搬送されたスラブを転回アーム
で受取り、さらにそれを転回して幅方向を竪にした後昇
降炉床に載置して持ち上げ炉内に装入している。この場
合、幅方向を竪にしたスラブ（以下直立状態のスラブと
いう）の上面が炉の下端近傍に達した時点で、実開昭６
３−１２５３９３　号公報等に示す如き上部スラブサポ
ートを下降させてスラブを挟持することにより、スラブ
が傾かないようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述した下部装入式加
熱炉における従来のスラブ装入方法を図４により説明す
ると、炉１の下部で図４（ア）に示す如く転回アーム２
は水平状態に置かれたスラブＳ（破線で示す）を矢印Ｚ
方向に転回させて直立状態にする。その後昇降炉床３を
上昇させることにより直立状態のスラブＳを炉床上に載
置し、スラブガード４ａ，４ｂの間隔を図示の如く狭く
してスラブＳの転倒を防止しながら持ち上げる。この時
点で転回アーム２を矢印Ｚ′の方向に回転させて破線の
位置に復帰させる。

【０００４】そしてスラブＳの上面が図４（イ）の如く
炉１の下部近傍に到達した時点で上部スラブサポート５
を下降させ、スラブＳの上面に圧接させて挟持しながら
炉内に装入する。なお、この時点で、スラブガード４ａ
，４ｂの間隔は開いた状態になる。ところが、昇降炉床
３はスラブＳの重量による変形やノロの付着等のために
炉床上面が平ではなくなり、前記上部スラブサポート５
で挟持する前にスラブＳが図４（イ）に示すように傾い
た状態になる。ここで、スラブガード４ａ，４ｂはスラ
ブＳの転倒を防止するためのもので、持ち上げられてい
るスラブ側面との間にはかなりの隙間があり、前述の如
きスラブＳの傾きは防止できない。

【０００５】このようにスラブＳが一たん傾いた場合、
上部スラブサポート５で挟持してもその姿勢を修正する
ことはできず、その状態のまま炉内に装入される。そし
て図４（ウ）に示すようにスラブＳの傾きが大きい場合
はその上角部で炉内壁６を損傷させる。また傾いたスラ
ブＳはその側面各部と炉内壁６との距離が不同になり、
スラブＳ内の温度むらの原因となる。

【０００６】なお、炉内に装入されたスラブの姿勢を修
正するものとして、本発明の出願人が実開平２−９０６
６０　号公報で開示したように、スラブの傾き検出装置
と傾き修正機を具備した加熱炉もあるが、前述の如くす
でに傾いたスラブの持ち上げ過程における炉内壁の損傷
は防止できず、また傾き修正機のロッドは炉壁を貫通し
て設置する必要があるため、特に炉内温度が１４００℃
を越えるような高温の、しかも無酸化雰囲気の誘導加熱
炉では熱効率の点や雰囲気維持のためにも問題となる。

【０００７】本発明は、下部装入式加熱炉にスラブを直
立状態で装入する際、傾きの全く生じることがないスラ
ブの装入方法を提供することを目的としたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明による下部装入式
加熱炉のスラブ装入方法は、転回アームによりスラブを
回転させて幅方向を竪にした後、昇降炉床に載置して持
ち上げるとともに上部スラブサポートとで挟持しながら
炉の下部から装入する下部装入式加熱炉のスラブ装入方
法であって、前記転回されて幅方向を竪にしたスラブを
姿勢修正装置によって前記転回アームとの間で挟圧する
ことによりこのスラブの傾きを修正した後、前記昇降炉
床と上部スラブサポートとで挟持しながら炉の下部から
装入するようにして、前述従来の技術の課題を解決した
。

【０００９】

【作用】図１により本発明の作用を説明するが従来の技
術を示す図４と同一の機材には同一の符号を付し詳しい
説明は省略する。図１（ア）においてスラブＳは従来と
同様、炉１の下部で転回アーム２により直立状態に転回
され、そして昇降炉床３を上昇させて図１（イ）に示す
ように若干持ち上げられる。この場合本発明ではスラブ
ガード４ａにスラブの姿勢修正装置１０を設けておき、
スラブＳの上端近傍が姿勢修正装置１０の位置に到達し
た時点で空圧シリンダ等の駆動手段により修正ヘッド１
１を押し出し、転回アーム２との間でスラブを挟圧する
ことによりその姿勢を修正する。この状態ではスラブＳ
が傾いていたとしてもその傾斜量は僅かであり、姿勢修
正のための押圧力は小さくてすむ。

【００１０】そして、上部スラブサポート５を下降させ
てスラブＳを昇降炉床３との間で上下から挟む。同時に
姿勢修正装置１０の修正ヘッド１１を退避させるととも
に転回アーム２をＺ′方向に回転させて復帰させる。そ
の後に昇降炉床３を上昇させてスラブＳを持ち上げ炉内
に装入すれば、スラブＳは姿勢の正しいまま上部スラブ
サポート５により挟持されているため傾くことはない。 その後は従来と同様スラブガード４ａ，４ｂを開いて下
部ノロ受７を上昇させ加熱制御を開始する。

【００１１】なお、上部スラブサポート５のストローク
が十分であれば、スラブが転回アーム２で転回された直
後に姿勢修正を行い、続いて上部スラブサポート５で挟
持し、その後に昇降炉床３を上昇させてスラブを昇降炉
床に載置しそのまま持ち上げることも可能である。この
ようにすれば昇降炉床３を上昇途中でスラブの姿勢修正
のために停止させる必要がなくなる。

【００１２】

【実施例】図２，図３に本発明による下部装入式加熱炉
のスラブ装入方法に用いる姿勢修正装置の例を示す。図
２において姿勢修正装置１０は、修正ヘッド１１を断面
矩形のロッド１２の先端に設けてある。そしてこのロッ
ド１２を空圧シリンダ１３のピストンロッド１４と接続
し、ロッドガイド１５によりガイドさせながら押し出し
て、修正ヘッド１１の先端でスラブ側面を押圧させる。 １６はスラブガード４ａに取付けたブラケットである。

【００１３】この例では修正ヘッド１１を凸形状にして
あるが、これにこだわるものではなく例えば先端にロー
ラを取付けてもよい。ローラを取付けた場合はスラブを
持ち上げている途中で停止させることなく姿勢修正を行
うことができ、さらにローラと転回アームとによりスラ
ブを挟圧した状態で昇降炉床を上昇させてこのスラブを
持ち上げ、従来と同様スラブ上面が炉の下端近傍に達し
た時点で上部スラブサポートを下降させてスラブを挟持
することも可能となり、上部スラブサポートの下降スト
ロークが小さくてすむ利点もある。

【００１４】図３は他の姿勢修正装置１０′の例で、こ
の場合は図１の修正ヘッド１１に代えて修正ローラ２１
を、ピン２２を介してレバー２３の一方の先端に取付け
てある。そしてレバー２３はピン２４により回転可能で
、他端のピン２５を介して空圧シリンダ２６のロッドエ
ンド金物２７と接続してある。なお空圧シリンダ２６は
ピン２８によりシリンダ受３０に取付けられ、またレバ
ー２３はレバー受２９に取付けられており、シリンダ受
３０，　レバー受２９は共にスラブガード４ａに取付け
たブラケット３１上に固定されている。この例でも修正
ローラ２１を外した単なるレバーのみのものでもよいこ
とはもちろんである。

【００１５】以上２つの例について説明したが、その他
種々の構成の姿勢修正装置が適用可能であり、要はスラ
ブ側面を押圧して転回アームとの間でスラブを挟圧して
姿勢の修正ができるものであれば使用可能である。そし
て、この姿勢修正装置はスラブ長手方向の少くとも２箇
所以上に設けるのが望ましい。また、上述の例では駆動
手段として空圧シリンダを使用したがこれも液圧シリン
ダや、電動シリンダ等を用いることができる。ただし空
圧シリンダを使用した場合は、シリンダ自体がショック
アブソーバの働きをするので衝撃対策のためには好まし
い。

【００１６】本発明による下部装入式加熱炉のスラブ装
入方法を、厚さ　２２０ｍｍ，　幅１３５０ｍｍ，長さ
１２，０００ｍｍのスラブを１３５０℃に加熱する竪型
誘導加熱炉で実施した。その結果、従来炉内壁補修を３
〜４回／月程度実施していたがこれが皆無となり、また
スラブ内温度偏差が±５０℃程度生じていたがこれも±
１５℃程度に激減した。

【００１７】

【発明の効果】本発明による下部装入式加熱炉のスラブ
装入方法は、スラブの装入にあたって直立状態のスラブ
姿勢を正しく維持することができるため、炉壁を破損す
ることがなく、また加熱が均等に行われることからスラ
ブ内温度むらが可及的に少なくなり、炉補修のための手
間が不要になるとともにスラブ均熱のための余分な熱エ
ネルギが不要になるなどその効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による下部装入式加熱炉のスラブ装入方
法の作用を説明する図面である。

【図２】本発明に使用する姿勢修正装置の一例を示す説
明図である。

【図３】本発明に使用する姿勢修正装置の他の例の説明
図である。

【図４】従来の下部装入式加熱炉におけるスラブ装入方
法の説明図である。

【符号の説明】

１　　下部装入式加熱炉 ２　　転回アーム ３　　昇降炉床 ４　　スラブガード ５　　上部スラブサポート ６　　炉内壁 ７　　下部ノロ受 １０　　姿勢修正装置 １１　　修正ヘッド １２　　ロッド １３　　シリンダ １４　　ピストンロッド １５　　ロッドガイド １６　　ブラケット ２１　　修正ローラ ２２　　ピン ２３　　レバー ２４　　ピン ２５　　ピン ２６　　シリンダ ２７　　ロッドエンド金物 ２８　　ピン ２９　　レバー受 ３０　　シリンダ受 ３１　　ブラケット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　転回アームによりスラブを転回させて
   幅方向を竪にした後、昇降炉床に載置して持ち上げると
   ともに上部スラブサポートとで挟持しながら炉の下部か
   ら装入する下部装入式加熱炉のスラブ装入方法であって
   、前記転回されて幅方向を竪にしたスラブを姿勢修正装
   置によって前記転回アームとの間で挟圧することにより
   このスラブの傾きを修正した後、前記昇降炉床と上部ス
   ラブサポートとで挟持しながら炉の下部から装入するこ
   とを特徴とする下部装入式加熱炉のスラブ装入方法。