JPH04320888A - 感熱転写記録用受像シート - Google Patents

感熱転写記録用受像シート

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JPH04320888A
JPH04320888A JP3090808A JP9080891A JPH04320888A JP H04320888 A JPH04320888 A JP H04320888A JP 3090808 A JP3090808 A JP 3090808A JP 9080891 A JP9080891 A JP 9080891A JP H04320888 A JPH04320888 A JP H04320888A
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JP
Japan
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image
layer
thermal transfer
transfer recording
metal
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Withdrawn
Application number
JP3090808A
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English (en)
Inventor
Toshihisa Takeyama
敏久 竹山
Tatsuichi Maehashi
達一 前橋
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Publication of JPH04320888A publication Critical patent/JPH04320888A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱転写記録用受像シー
トに関し、さらに詳しくは、ビデオプリンター用受像シ
ートや自動車運転免許証等のIDカード類をはじめとす
る種々の画像記録体の作製に用いられる感熱転写記録用
受像シートであって、画像記録体の製造に際して二枚給
紙の恐れがなく、画像記録体作成装置内の搬送路上を安
定して走行させることができ、形成される画像中にゴミ
付着等による白抜けが発生せず、画像形成直後の画像記
録体を重ねても一方の画像記録体の受像面がべたついて
他の画像記録体に強固に接着してしまうことがない、感
熱転写記録用受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来から
、カラーハードコピーを得る方式として、インクジェッ
ト、電子写真、感熱転写記録等によるカラー記録技術が
検討されている。これらのうち、特に感熱転写記録方式
は、カラー記録の場合に限らず、操作や保守が容易であ
ること、装置の小型化、低コスト化が可能であること等
の利点を有している。この感熱転写記録方式には、熱溶
融転写方式と熱拡散転写方式があり、前者は、支持体上
に熱溶融性インク層を有する熱溶融性インクシートをレ
ーザーあるいは感熱ヘッドによりイメージワイズに加熱
して、該熱溶融性インク層を感熱転写記録用受像シート
上に溶融転写する方式であり、後者は、支持体上に昇華
性色素を含むインク層を有する昇華型熱転写記録用イン
クシートを用いて、感熱転写記録用受像シートに前記昇
華性色素を拡散転写する方式である。なお、熱拡散転写
方式は昇華転写方式とも呼ばれている。
【0003】これらの中でも熱拡散転写方式は、感熱ヘ
ッドの熱的エネルギーの変化に応じて色素の転写量を変
化させて画像の階調をコントロールすることができるの
で、例えばシアン、マゼンタ、イエロー等の3原色の重
ね記録を行なうことによって、色の濃淡に連続的な変化
を有する多色刷りのカラー画像を容易に形成することが
できるという極めて特徴的な利点を有していることから
、近年特に注目されている。
【0004】すなわち、この熱拡散転写方式の開発によ
って感熱転写記録方法は、単に熱溶融転写方式による文
字画像等の通常の画像の形成だけでなく、熱拡散転写方
式による多色の諧調性カラー画像(例えば、カラー顔写
真等)の形成にも利用できるようになった。しかも、こ
れらの異なる性格の画像は熱転写プリンターという簡単
な装置を用いて適宜インクシ−トを選択するという簡単
な操作で極めて効率よく行うことができる。
【0005】こうした利点を有するがゆえに、最近、熱
拡散転写方式を用いる感熱転写記録方法を例えばカラ−
写真画像等の諧調性カラー画像を有する画像記録体の作
製に利用することが盛んに行われはじめた。
【0006】しかしながら、こうした感熱転写記録方法
による各種のプリンター用受像シートやIDカード類等
の画像記録体の作製(発行)においては、なお、種々の
改善すべき点がある。そのひとつは、各種受像シートの
支持体あるいはカ−ド基材等の受像シートの表側(すな
わち受像面側)に関する点である。もっとも、この点に
関しては、特に熱拡散転写方式による画像特性のより一
層の改善を目指して種々の有効な試みがなされてきてお
り、例えば受像層の組成や構成の改善、適当な保護層の
形成などによって、技術的にかなり高いレベルにまで到
達していると言える。
【0007】ところが、受像シート支持体(基材)の背
面(すなわち、受像面と反対の面)の特性の改善につい
ては、従来、下記に示すようないくつかの試みがなされ
てはいるが、まだ、十分な改善が行われていないのが現
状である。
【0008】この背面特性の改善に関する技術として、
従来、重ねて保管された多数枚の受像シートを一枚一枚
ローラで取り出して画像記録体作製装置内の搬送路に受
像シートを供給する際に、複数枚の受像シートが互いに
付着したまま前記搬送路中に供給されることを防止する
こと(複数枚給紙の防止)、画像記録体の作製後に画像
記録体を重ねて保存する際に、重ねられた画像記録体の
背面に他の画像記録体の受像層面が固着してしまうこと
を防止すること(画像記録体作製直後のべたついた受像
層面に対する付着防止)、画像記録体作製装置内の搬送
路をジャミングを起こすことなく、円滑にしかも安定に
走行することができるようにすること(走行安定性の確
保)等を目的として、受像層とは反対側のシート面に耐
電防止層をいわゆるバッキング層として設けることが提
案されている。
【0009】この耐電防止層の形成方法として、耐電防
止剤を内部練り込み型と称する方式と表面塗布型と称す
る方式が、また、その際、耐電防止層に用いる耐電防止
剤として、各種の界面活性剤(非イオン系界面活性剤、
アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性イ
オン界面活性剤)や側鎖にアンモニウム塩を有する導電
性高分子(例えば、ポリビニルベンジル型カチオン、ポ
リアクリル酸型カチオン等)などが提案されている。こ
れらの耐電防止剤の中でも導電性高分子は内部練り込み
型として使用することができることから、界面活性剤に
比べて、その耐電防止効果を比較的長時間に渡って持続
することができるという利点があることも知られている
【0010】しかしながら、これらの導電性高分子等の
従来提案されている耐電防止剤を用いて形成した耐電防
止層をバッキング層として有する従来の受像シートにお
いては、その背面特性(耐電防止効果等)が未だ十分と
は言い難く、複数枚給紙の防止、画像記録体作製直後の
べたついた受像層面に対する付着防止、走行安定性、ゴ
ミ付着等による白抜け防止などの点でさらに大幅な改善
が望まれていた。
【0011】本発明の目的は、耐電防止性等に優れたバ
ッキング層を有し、複数枚給紙の防止、画像形成時にお
ける走行安定性、ゴミ(異物)付着等による白抜け防止
、画像記録体作製直後のべたついた受像層面に対する付
着防止等を著しく増進しており、各種のプリンター用受
像シートやIDカード類をはじめとする種々の画像記録
体の作製に有利にいることができる感熱転写記録用受像
シートを提供することにある。
【0012】
【前記課題を解決するための手段】本発明者らは、前記
目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、受像シー
トの背面にバッキング層として、耐電防止性に優れた特
定の高分子すなわち金属錯体高分子を含有する層を設け
ることによって、その目的を容易に達成することができ
ることを見出した。また、その金属錯体高分子について
、より詳細に検討した結果、中でも特定の金属成分を含
有する金属錯体高分子、あるいは特定の結合構造にある
金属原子を有する金属錯体高分子がより一層有効である
ことなどを見出した。本発明者らは、これらの知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の感熱転写記録用受像シ
ートは、支持体と、支持体上に形成された受像層と、前
記支持体の受像層側とは反対側の面上に形成された金属
錯体高分子を含有するバッキング層とを有することを特
徴とする。
【0014】以下、この金属錯体高分子含有層からなる
バッキング層を有する本発明の感熱転写記録用受像シー
ト、好適な製造方法の例、この受像シートを用いる感熱
転写記録方法の好適な例等に付いて順次詳細に説明する
【0015】A.感熱転写記録用受像シートA1.バッ
キング層(金属錯体高分子含有層)−金属錯体高分子− 本発明の感熱転写記録用受像シートは、そのバッキング
層として前記金属錯体高分子含有層が使用されている。 以下に、まず、本発明で言う前記金属錯体高分子につい
て説明する。
【0016】本発明で言う金属錯体高分子とは、以下に
示すように広義の意味のものを指す点に注意すべきであ
る。
【0017】まず、本発明で言う金属錯体高分子におけ
る金属は、金属錯体と称しているもののその結合様式に
は特に制限はなく、いわゆる配位結合、共有結合、イオ
ン結合、弱い分子間相互作用あるいはそれらの混合型の
結合等のなんらかの結合によって、高分子に組み込まれ
ているか、もしくは高分子の構成要素となっているもの
と解釈される。
【0018】すなわち、本発明で言う金属錯体高分子は
、金属原子(クラスター状やイオン状でもよい。)が他
の原子、原子団、分子あるいはイオンと古典的な意味で
の配位結合をしてるものに限定されるものではなく、金
属原子(クラスター状やイオン状でもよい。)が少なく
とも配位結合によって結合しているもの、例えば後述の
化7〜化12で表される金属錯体高分子(一般には無機
ポリマーと呼ばれている。)のように金属原子(イオン
状でもよい。)がシグマ結合(共有結合、金属−金属結
合、イオン結合あるいはイオン性共有結合)のみによっ
て結合しているものでもよく、あるいは、金属原子(ク
ラスター状、微粒子状、イオン状でもよい。)がファン
デルワールス結合等の物理的もしくは物理化学的な結合
である弱い分子間相互作用によって結合しているもので
もよく、さらには、例えば、ポリアセチレン、ポリチオ
フェン、ポリフェニレン等の金属もしくは金属イオンに
よるドーピング生成物等のように金属原子もしくは金属
成分をドーピング剤として有するものでもよい。すなわ
ち、前記金属錯体高分子は、上記各種の結合状態あるい
はそれらの混合型の結合状態にある金属原子もしくは金
属成分を有する高分子であってもよいし、また、異なっ
た結合状態にある金属原子もしくは金属成分を同時に含
有するものであってもよい。
【0019】なお、本発明で言う前記金属原子は、単原
子状、金属−金属結合を有するクラスター状、微粒子状
、さらにはイオン状のいずれの状態にあるものでもよく
、また、一つの金属錯体高分子に複数の状態の金属原子
が含有されていてもよい。
【0020】また、前記金属原子の種類も広義の意味で
解釈され、狭義の意味での金属原子だけでなく、半金属
等の金属的な特性を示すものでもよい。これらの金属原
子の中でも、遷移金属原子(周期表IIIa〜VIII
a 族、VIII族、Ib族およびIIb 族)および
周期表IIIb〜VIIb族の金属もしくは半金属原子
が好ましい。
【0021】前記遷移金属原子としては、特に制限はな
く、各種のもの使用可能であるが、その代表的なものを
挙げれば、例えば、Y、La等の希土類元素、Ti、Z
r、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt
、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hgなどを例示する
ことができる。これらの中でも、特に好ましいものの代
表例として、例えば、Fe、Ni、Co、Ti、Pt、
Pd、Cu、Cr、Rh等を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0022】また、前記周期表IIIb〜VIIb族の
金属もしくは半金属原子としては、各種のものが使用可
能であるが、その代表的なものを挙げれば、例えば、B
、Al、Ga、Si、Ge、Sn、Pb、P、As、S
b、S、Se、Te等を例示することができる。これら
の中でも好ましいものとして、例えば、B、Al、Ga
、Si、Ge、Sn、P、As、S、Se、Te等を挙
げることができる。
【0023】前記各種の金属錯体高分子の中でも、配位
結合を受けている金属原子(クラスター状、イオン状の
ものでもよい。以下、特に断わらない限り同様。)を有
する金属錯体高分子、他の原子とシグマ結合(共有結合
、金属−金属結合、イオン結合あるいはイオン性共有結
合)している金属原子(クラスター状、イオン状のもの
でもよい。以下、特に断わらない限り同様。)を有する
金属錯体高分子などが好ましい。
【0024】前記配位結合を受けている金属原子を有す
る金属錯体高分子(以下、配位金属型高分子と呼ぶこと
がある。)において、該配位結合を受けている金属原子
(中心金属)としては、通常、前記遷移金属が好ましい
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、配位子に
よっては典型金属も好適に使用され、具体的には例えば
後記の化12で表される金属錯体高分子のように例えば
ポルフィリン環、フタロシアニン環等の典型金属(イオ
ン)に好適に配位することができる配位子の場合には、
例えばGe、Sn、Si、Pb等の典型金属も好適に使
用される。
【0025】前記他の原子とシグマ結合している金属原
子を有する金属錯体高分子において、該金属錯体高分子
は、金属原子として他の原子とシグマ結合している金属
原子のみを有する金属錯体高分子(以下、シグマ結合金
属型高分子と呼ぶことがある。なお、このものは一般に
は、適当な名称がないので、より一般的な概念である無
機高分子という言葉をそのまま用いて無機高分子と呼ば
れている。)あってもよいが、その場合、その金属原子
としては、通常、周期表IIIb〜VIIb族の金属も
しくは半金属原子が好適であり、中でも前記例示の金属
あるいは半金属原子が好ましい。
【0026】前記金属錯体高分子において、前記金属原
子は一般的には前記したように各種の状態で結合してい
てもよく、また各種の結合様式で結合していてもよく、
さらには、結合している相手の原子、イオン、原子団、
分子(配位子等)の種類についても特に制限はなく、ど
のような相手と結合していてもよいのであるが、中でも
、通常、金属原子が少なくとも、Me−C結合、Me−
N結合、Me−O結合、Me−S結合およびMe−Me
結合(但し、Meは前記金属原子を表し、Me−Me結
合の場合、Meは互いに同種のものでもよくあるいは相
違したものでもよい。)から選ばれる少なくとも一種又
は二種以上の結合を有しているのが好ましい。なお、こ
こで示した結合(−)は、一般には必ずしも、シグマ結
合(共有結合やイオン結合あるいはそれらの中間の結合
)に限定されるものではなく、配位結合(例えば、シク
ロペンタジエニルのような多配位座型の結合であっても
よい。)等の他の結合であってもよく、多重結合であっ
てもよい。いうまでもなく、前記他の原子とシグマ結合
している金属原子におけるシグマ結合の場合、上記例示
のMe−C結合、Me−N結合、Me−O結合、Me−
S結合およびMe−Me結合はシグマ結合を表すが、中
でも特に共有結合(イオン性を有していてもよい。以下
同様。)が好ましい。
【0027】すなわち、金属原子として他の原子とシグ
マ結合している金属原子のみを有する金属錯体高分子(
シグマ結合金属型高分子)については、中でも、金属原
子が、Me−C結合、Me−N結合、Me−O結合、M
e−S結合およびMe−Me結合から選ばれる少なくと
も一種のシグマ結合(特に共有結合を)有しているもの
が好ましい。
【0028】以上のように、本発明において、前記金属
錯体高分子は特に断わらない限り、上記広義の意味での
金属錯体部を有する高分子物質(ポリマー)と解釈され
る。ここで、このポリマーもしくはその主鎖部は、オリ
ゴマー状のものでもよいが、通常、ポリマー分子当たり
少なくとも2単位以上の前記金属錯体部あるいは2個以
上の金属原子を有するものが使用される。また、後述の
ように、前記金属錯体部もしくは前記金属原子は、ポリ
マーの主鎖部にあってよく、その側鎖部に結合していて
もよく、あるいはポリマー分子もしくはイオンの間(例
えば、層間、マトリックス空間)に位置しているもので
あってもよく、これらの混合型のものであってもよい。 その際、前記ポリマーの主鎖部および側鎖部の構造とし
ては、各々、鎖状のものに限定されるものではなく、鎖
状のもの、環状構造を有するもの、ラダー状のもの、シ
ート状等の二次元構造のもの、あるいは三次元マトリッ
クス構造を有するもの、さらには、これらの混合型構造
のものなど各種のものを挙げることができる。また、前
記金属原子を除いて考えた場合、前記ポリマーの主鎖部
および側鎖部の構成要素は、いわゆる有機型のものであ
ってもよく、無機型のもの(例えば、ゼオライト、層状
無機化合物など)であってもよく、あるいはそれらの混
合型のものであってもよく、いずれでもよい。
【0029】本発明においては、前記金属錯体高分子は
、上記のように広義の意味で解釈されるものであり、こ
れらは一種単独であるいは二種以上を混合物あるいは複
合物等として使用することができる。この金属錯体高分
子について、より具体的に説明すると、以下の通りであ
る。前記金属錯体高分子は、ポリマー中の金属の位置に
よって、以下の様々なものに分類することができる。
【0030】すなわち、前記金属錯体高分子としては、
例えば、前記金属原子(クラスター状、イオン状等でも
よい。)もしくは前記金属錯体部が、ポリマーの主鎖に
有するもの(以下、これを主鎖型金属錯体高分子と称す
ることがある。)、ポリマーの側鎖に有するもの(以下
、これを側鎖型金属錯体高分子と称することがある。)
、ポリマーの鎖間、層間あるいはマトリックス内に金属
原子(イオン状、クラスター状、微粒子状等でもよい。 )を有するもの(以下、これを空間利用型金属錯体高分
子と称することがある。)あるいはこれらの任意の混合
型のものなどを挙げることができる。
【0031】前記主鎖型金属錯体高分子としては、例え
ば、前記金属原子もしくは金属錯体部が多座配位子によ
って架橋してポリマーを構成しているもの(すなわち、
多座配位子架橋型のもの、ポリフェロセン等のポリメタ
ロセン、ポリビスアレーン型金属錯体等のサンドイッチ
型金属錯体のポリマーなどのように前記金属原子を架橋
原子としてポリマーを構成しているものすなわち金属架
橋型金属錯体高分子、前記金属錯体部が金属−金属結合
を介してポリマーを構成しているものすなわち金属−金
属結合型金属錯体高分子、前記金属原子もしくは金属錯
体部が多価の単原子(例えば、−O−、−S−など、イ
オンでもよい。)によって架橋してポリマーを構成して
いるものすなわち単原子架橋型金属錯体高分子、前記金
属原子もしくは金属錯体部が多価の有機基(イオンでも
よい。)によって架橋してポリマーを構成しているもの
すなわち有機基架橋型金属錯体高分子、金属原子もしく
は金属錯体部がその他の多価の基(例えば、−O−O−
、−S−S−など)によって架橋してポリマーを構成し
ているものすなわち原子団架橋型金属錯体高分子あるい
はこれらの混合型のものなどを挙げることができる。
【0032】前記側鎖型金属錯体高分子としては、例え
ば、有機高分子主鎖型のもの、無機高分子主鎖型のもの
、さらには前記主鎖型金属錯体高分子を主鎖とし、その
側鎖にさらに金属成分を有するものなどを挙げることが
できる。前記空間利用型金属錯体高分子としては、例え
ば、有機ポリマー、無機ポリマー(ゼオライト、層間化
合物など結晶性空間を有する高分子状の無機化合物でも
よい。)、あるいは、前記主鎖型金属錯体高分子、前記
側鎖型金属錯体高分子、さらには、これらの混合型もし
くは混合物の間(鎖間、層間、マトリックス内等)に金
属成分が取り込まれたものなどを挙げることができる。
【0033】また、これらの他に、金属成分の位置が必
ずしも特定できないもの(例えば、前記したポリアセチ
レン、ポリチオフェン、ポリアリ−レン等に前記金属原
子またはイオンをドープした金属ドープ型導電性ポリマ
ー等)も、本発明で言う金属錯体高分子として使用する
ことができる。なお、上記の金属錯体高分子の分類にお
いても、金属錯体部における金属原子の結合様式および
前記架橋を司る結合の様式等の金属に関する結合様式は
、前記したように必ずしも配位結合に限定されるもので
はなく、配位結合、シグマ結合(共有結合、イオン結合
、これらの中間型の結合でもよい。)、あるいは、場合
により金属間結合、分子間相互作用、さらには、これら
の混合型の結合様式など種々のものであってよい。
【0034】本発明における、前記金属錯体高分子の代
表例としては、例えば、高分子新素材便覧(丸善(株)
発行、1989年版)の7.9節および7.10節(p
480〜p498)に金属錯体高分子もしくは無機高分
子として記載されているものなどを挙げることができる
が、必ずしもこれらに限定されるものではない。ここで
、該便覧のp487〜p494に渡る表7.52に表示
されているものの中から本発明における前記金属錯体高
分子として好適に使用することができるもの(代表例)
をいくつか抜き出して示すと、例えば、以下に示すもの
を挙げることができる。
【0035】すなわち、前記他の原子とシグマ結合によ
って結合している金属原子のみを有する金属錯体高分子
(シグマ結合金属型高分子)に分類されるものの代表例
として、例えば、ポリフェニルボラン(後記の化7で示
される。)等のポリボラン類、ポリジメチルシラン、ポ
リシラスチレン、ポリ[ビス(トリアルキルシリル)シ
ラン]、ポリシクロポリシラン等のポリシラン類、ポリ
フェニルゲルマン(後記の化8で示される。)等のポリ
ゲルマン類、ポリジメチルチン(後記の化9で示される
。)等のポリスタンナン類、ポリシクロポリアルシン等
のポリアルシン類、炭化ホウ素、デカカルボラン等のポ
リポラカルバン類、ポリボラゼン、ポリボラゾールもし
くはその誘導体等のポリボラゼン類、ポリボロオキサン
類、後記の化10等で示されるポリボラホスフェン類、
ポリボラシラン類、ポリアラザン類、ポリアロキサン類
、ポリシラザン類、ポリシラカルバン類、ポリシロキサ
ン類、ポリホスファゼン類、ポリホスホキサン類、ポリ
ホスファチアン類、ポリチアジル類、ポリチタノキサン
、ポリゲルマノキサン、ポリチノキサン等のポリメタノ
キサン類、ポリボロシロキサン類、ポリチタノカルボシ
ラン類、ポリアルミノシロキサン類、ポリシラザシロキ
サン類、ポリホスホロボロキサン類、後記の化11等で
示される混成異核高分子[含ホウ素、含アルミニウム、
含ケイ素、含リン、含硫黄等]として示されているもの
などを挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0036】また、前記配位結合を受けている金属原子
を有する金属錯体高分子(配位金属型高分子)に分類さ
れる金属錯体高分子の代表例としては、例えば、ポリフ
ェロセニレン(後記の化1で示される。)、後記の化5
等で代表されるポリフェロセン類、ポリコバルトセン類
、後記の化7等で示されるポリチタノセン類などの各種
のメタロセン型配位高分子、後記の化3等で示される多
座硫黄配位型配位高分子、後記の化12、化2等で示さ
れるフタロシアニンもしくはその誘導体配位型配位金属
高分子、ポルフィリンもしくはその誘導体配位型配位高
分子などのウェルナー錯体型配位高分子、後記の化6等
で示されるポリイン配位子型配位高分子、ホスフィナ−
ト配位子型配位高分子、金属カルボニルクラスター類等
の金属クラスター化合物などを挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。
【0037】これらのうち特に好ましいものの代表例を
示すと、例えば、下記の化1〜化12のそれぞれによっ
て表される各種の金属錯体高分子を例示することができ
る。
【0038】
【化1】
【0039】[但し、nは2以上の整数もしくは実数(
混合物の場合)を表す。以下同様。]
【0040】
【化2】
【0041】[但し、Pcはフタロシアニン(二価アニ
オン型)を表す。以下同様。]
【0042】
【化3】
【0043】
【化4】
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】[但し、式中のMeは、Pt、Pd等を表
す。]
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】[但し、式中のMeは、Si、Ge、Sn
などを表し、Iはドーピン元素としてのヨウ素原子を表
し、xは繰り返し単位当たりのドーピング量を一般化し
て示したものである。なお、ドーピング元素は、ヨウ素
原子に限定されるものではなく、また、場合によりドー
ピングは行わないでもよい。]なお、これら例示の各種
金属錯体高分子は、前記したように重合度が高いもの(
nが比較的大きい数のもの)に限定されるものではなく
、オリゴマー(nが2以上で比較的小さい数のもの)も
通常好適に使用することができる。
【0054】また、前記金属錯体高分子は、例えば上記
の例に見るように、その一般式が鎖状構造であるかのよ
うに示されているものであっても、必ずしも鎖状のもの
に限定されるものではなく、環状型のもの(オリゴマー
もしくはポリマー)であってもよい。なお、金属錯体高
分子として前記シグマ結合金属型高分子を使用する場合
、環状部分を有する金属錯体高分子の方が、しばしば、
製膜性および強度の点で好ましい場合があるので、その
ような場合には、環状部分を有する金属錯体高分子が一
層好ましく使用される。
【0055】前記各種の金属錯体高分子は、本発明の受
像シートにおけるバッキング層(前記金属錯体高分子含
有層)の成分として、一種単独で使用してもよいし、二
種以上を混合するなどして併用してもよい。
【0056】前記バッキング層(金属錯体高分子含有層
)を形成するに際して、前記金属錯体高分子は、それ自
身が十分な製膜性および膜強度を有している場合には単
独で使用することもできるが、そうでない場合には十分
な製膜性および膜強度を得るための適当なバインダーと
共に使用するのがよい。また、前記金属錯体高分子はそ
れ自身可視光に対する吸収特性を有しているものが多く
、そのような場合には、透明度や白色度等の観点から、
必要に応じて適当なバインダ−に混合して使用するのが
好ましく、また、膜強度、透明度、白色度、筆記性等の
膜特性をより一層向上させるために、適当な無機微粒子
および/または樹脂微粒子を含有させて使用するのが好
ましい。
【0057】前記バッキング層における前記金属錯体高
分子の含有量としては、使用する金属錯体高分子の種類
等に応じて異なるので一律に定めることができないが、
通常、1〜100重量%の範囲に選定するのが好ましく
、特に5〜90重量%の範囲に選定するのが好ましい。 また、金属錯体高分子として前記配位結合を受けている
金属原子を有するタイプの金属錯体高分子を使用場合に
は、その金属錯体高分子を含有する層中における含有量
を5〜70重量%の範囲に選定するのがより好ましく、
10〜50重量%の範囲に選定するのがより一層好まし
い。
【0058】一方、金属錯体高分子として前記他の原子
とシグマ結合している金属原子のみを有するタイプの金
属錯体高分子を使用場合には、その金属錯体高分子を含
有する層中における含有量を20〜90重量%の範囲に
選定するのがより好ましく、40〜90重量%の範囲に
選定するのがより一層好ましい。
【0059】−バインダー−前記バインダーとしては、
特に制限はなく、公知のバインダー樹脂など各種のもの
を適宜選択して使用することができ、通常は、従来のこ
の種の受像シートのバッキング層(耐電防止層)に常用
されるバインダー樹脂などが好適に使用される。このバ
インダー樹脂の代表例としては、例えば、ポリエステル
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート、(メタ
)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリアセター
ル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアセタール系樹脂、スチレン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、セル
ロース系樹脂、カゼイン、ゼラチンなどを挙げることが
できる。これらの中でも、特に好ましいものとして、例
えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、(メタ)
アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、スチレ
ン系樹脂、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、セルロー
ス系樹脂、などを挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。
【0060】−無機微粒子および樹脂粒子−また、前記
無機および/または樹脂微粒子としても、特に制限はな
く、各種のものを適宜選択して使用することができ、通
常は、従来のこの種の受像シートのバッキング層(耐電
防止層)に常用されるものなどを好適に使用することが
できる。その代表的な例としては、例えば、シリカゲル
、酸化チタン、酸化アルミ等の金属酸化物、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム等の金属塩、カオリン、クレー、タ
ルク、酸性白土、活性白土、ケイ砂、ケイソウ土等の鉱
産物などの無機微粒子、有機微粒子としてはフッ素樹脂
粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、スチレ
ン樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子などを挙げ
ることができるが、これに限定されるものではない。
【0061】前記無機および/または有機微粒子を添加
する場合、その金属錯体高分子を含有する層中における
含有量は、通常、30重量%以下に選定すのが好ましい
。前記無機微粒子および樹脂微粒子の平均粒径は、通常
0.001〜5.0μmであり、好ましくは0.05〜
2.0である。平均粒径が前記範囲内にある無機微粒子
および/または樹脂微粒子を前記範囲内の含有量でこの
バッキング層中に含まれていると、この感熱転写記録用
受像シートを画像記録体作製装置内の搬送路を移動させ
るのが特に円滑になり、搬送路上で引っかかりを生じる
ことがない。
【0062】−他の任意成分− 前記バッキング層(金属錯体高分子含有層)の形成に際
して、金属錯体高分子には、上記の他に本発明の目的を
阻害しない範囲で、それぞれの目的に応じた各種の添加
剤や塗工液を形成するための溶剤(後述)等を適宜含有
させて使用することができる。
【0063】−層厚、層構成− 前記バッキング層として使用する前記金属錯体高分子含
有層の膜厚としては、好ましくは0.1〜20μm、よ
り好ましくは0.5〜5.0μmの範囲に選定するのが
よい。なお、本発明の受像シートにおいては、そのバッ
キング層として前記金属錯体高分子含有層を1層設けれ
ば通常十分であるが、必要に応じて、組成等の異なる前
記金属錯体高分子含有層を2層以上設けてもよい。また
、本発明の受像シートには、本発明の目的を阻害しない
範囲で、支持体と前記金属錯体高分子含有層の間等にカ
ール防止、接着性向上、クッション性、断熱性などの目
的のために適宜中間層を設けてもよく、さらには、前記
金属錯体高分子含有層上に保護層等のオーバーコート層
を設けてもよい。
【0064】以上のように、受像シートのバッキング層
もしくはその構成成分層として上記の金属錯体高分子を
含有する層(金属錯体高分子含有層)を設けることによ
って、耐電防止性等に優れたバッキング層を有し、画像
形成の際の搬送時における二枚(複数枚)給紙防止性、
画像形成時における走行安定性、ゴミ(異物)付着等に
よる白抜け防止性、画像形成前後に重ねた際の背面と受
像面(画像面)とのべたつき防止性等が著しく改善され
ている感熱転写記録用受像シートを得ることができる。 この感熱転写記録用受像シートは、各種のプリンター用
受像シートやIDカード類をはじめとする種々の画像記
録体の作製に有利に用いることができる。
【0065】A2.支持体 本発明の感熱転写記録用受像シートの支持体としては、
特に制限はなく、使用目的等に応じて種々の材質、層構
成およびサイズのものを適宜に選定して使用することが
できる。また、支持体の材質によっては支持体自体が受
像層としての機能を有することもあるので、そのような
場合にあっては、支持体自体を受像層とすることもでき
る。
【0066】前記支持体としては、例えば、紙、コート
紙、および合成紙(ポリプロピレン、ポリスチレンもし
くは、それらを紙とはり合せた複合材料)等の各種紙類
、塩化ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエ
チレンテレフタレートベースフィルム、ポリブチレンテ
レフタレートベースフィルム、ポリエチレンナフタレー
トベースフィルム、ポリアリレートベースフィルム、ポ
リカーボネートベースフィルム、ポリサルフォンベース
フィルム、ポリイミドベースフィルム等の単層あるいは
それらを2層以上に積層した各種プラスチックフィルム
ないしシート、各種の金属で形成されたフィルムないし
シート、各種のセラミックス類で形成されたフィルムな
いしシート、あるいは前記記載のものの中から適当に組
み合わせ積層した複合材料等を挙げることができる。
【0067】支持体は、OHPなどの透過原稿、ガラス
などに貼付けるシール用途のように透明性を要求される
場合には透明度の高いものが好ましい。また、反射画像
の場合においては、後の工程で形成される画像の鮮明性
を高めるために、支持体中には、白色顔料例えば、チタ
ンホワイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が添加
されているのが好ましい。支持体の厚みは通常20〜1
000μm、好ましくは20〜800μmであり、この
ような範囲の中から適宜に選定される。
【0068】A3.受像層 本発明の感熱転写記録用受像シートの受像層としては、
特に制限はなく、使用目的等に応じて、各種の材質で、
各種の組成をもって、各種の層構成に形成することがで
きる。例えば、従来のこの種の受像シートについて提案
されている種々の材質、組成、層構成等を有する受像層
と同様のものとしてもよいし、それらに適宜の改善を加
えてもよい。
【0069】言うまでもなく、本発明の感熱転写記録用
受像シートを例えば各種プリンター用受像シートあるい
はIDカード類などにおけるカラー顔写真画像等の諧調
性カラー画像の形成に利用する場合には、少なくとも熱
拡散転写方式により鮮明なカラー画像が容易に形成でき
るような受像層が設けられる。そのような場合、受像層
は、少なくともインクシートから転写される熱拡散性色
素(昇華性色素)に対して十分な染色性を有するものと
するためにふさわしい素材によって構成され、通常は、
適当な樹脂を素材(主成分)として用いて形成される。
【0070】A3−1.バインダー そのような樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂
、塩化ビニルと他のモノマー(例えばアルキルビニルエ
ーテル、アリルグリシジルエーテル、プロピオン酸ビニ
ル等)との共重合体樹脂等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩
化ビニリデン系樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アク
リル系樹脂(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル等)、スチレン系樹脂(例えばスチレンアクリ
レート樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂等)、エポ
キシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール系樹
脂(例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセトア
セタール等)、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネー
ト、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリパラバン酸
、セルロース系樹脂(例えば三酢酸セルロース、エチル
セルロース等)、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリカプ
ロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等を挙げる
ことができる。これらの中でも、塩化ビニル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン
系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルア
セタール系樹脂、セルロース系樹脂等が好ましく、特に
、塩化ビニル系樹脂、ポリエスタル系樹脂、スチレン系
樹脂、エポキシ樹脂などが好ましい。なお、これらの樹
脂は1種を単独に用いることもできるし、2種以上を混
合するなどして併用することもできる。
【0071】上記各種の樹脂は新たに合成して使用して
もよいが、市販品を使用することもできる。なお、受像
層の形成に際しては、上述した各種の樹脂はその反応活
性点を利用して(反応活性点が無い場合はそれを樹脂に
付与する。)、放射線、熱、湿気、触媒等により架橋も
しくは硬化してもよい。その場合には、エポキシ、アク
リルの如き放射線活性モノマーや、イソシアナートの如
き架橋剤を用いることができる。
【0072】A3−2.金属イオン含有化合物また、受
像層を形成するに際して、後述する熱拡散性色素として
、金属イオンと反応してキレート色素画像を形成し得る
色素を用いた場合には、必要に応じて、例えば金属イオ
ン含有化合物等を含有させてもよい。前記金属イオン含
有化合物を構成する金属イオンとしては、例えば周期律
表の第I 〜第VIII族に属する2価および多価の金
属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、F
e、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Zn等が好
ましく、特にNi、Cu、Co、Cr、Zn等が好まし
い。これらの金属イオンを含有する化合物としては、該
金属の無機または有機の塩および該金属の錯体が好まし
い。具体例を挙げると、Ni2+、Cu2+、Co2+
、Cr2+およびZn2+を含有した下記一般式で表さ
れる錯体が好ましく用いられる。
【0073】[M(Q1 )k (Q2 )m (Q3
 )n ]p+ P(L− ) ただし、式中Mは金属イオンを表し、Q1 、Q2 、
Q3 は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な
配位化合物を表し、これらの配位化合物としては例えば
「キレート化学(5)(南江堂)」に記載されている配
位化合物から選択することができる。特に好ましくは、
金属と配位結合する少なくとも一個のアミノ基を有する
配位化合物を挙げることができ、更に具体的には、エチ
レンジアミンおよびその誘導体、グリシンアミドおよび
その誘導体、ピコリンアミドおよびその誘導体が挙げら
れる。
【0074】Lは錯体を形成しうる対アニオンであり、
Cr、SO4、ClO4 等の無機化合物アニオンやベ
ンゼンスルホン酸誘導体、アルキルスルホン酸誘導体等
の有機化合物アニオンが挙げられるが、特に好ましくは
テトラフェニルホウ素アニオンおよびその誘導体、なら
びにアルキルベンゼンスルホン酸アニオンおよびその誘
導体である。kは1、2または3の整数を表し、mは1
、2または0を表し、nは1または0を表すが、これら
は前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位か
によって決定されるか、あるいはQ1 、Q2 、Q3
 の配位子の数によって決定される。pは1、2または
3を表す。
【0075】この種の金属イオン含有化合物としては、
米国特許第4,987,049号明細書に例示されたも
のを挙げることができる。前記金属イオン含有化合物を
添加する場合、その添加量は受像層に対して、0.5〜
20g/m2 が好ましく、1〜15g/m2 がより
好ましい。
【0076】A3−3.添加剤 前記受像層には、必要に応じて、剥離剤、酸化防止剤、
UV吸収剤、光安定剤、フィラー(無機微粒子、有機樹
脂粒子)、顔料等の添加剤を添加してもよい。また増感
剤として可塑剤、熱溶剤などを添加してもよい。剥離剤
は、感熱転写記録用インクシートと感熱転写記録用受像
シートとの剥離性を向上させるためのものであり、本発
明の場合には最外層に含有させることが好ましい。
【0077】このような剥離剤としては、シリコーンオ
イル(シリコーン樹脂と称されるものも含む。);ポリ
エチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー
等の固型ワックス類;弗素系、燐酸エステル系の界面活
性剤等が挙げられ、中でもシリコーンオイルが好ましい
。このシリコーンオイルは、単に添加するタイプ(単純
添加型)と、硬化もしくは反応させるタイプ(硬化反応
型)とがある。単純添加型の場合には、前記樹脂との相
溶性を向上させるために、変性シリコーンオイル(例え
ばポリエステル変性シリコン樹脂、ウレタン変性シリコ
ン樹脂、アクリル変性シリコン樹脂等)を使用するのが
好ましい。これらの単純添加型のシリコーンオイルの添
加量は、その種類に応じて様々に変化することがあるか
ら一律に決定することができないが、一般的にいうと、
通常、受像層用樹脂に対して0.1〜50重量%であり
、好ましくは0.5〜20重量%である。
【0078】硬化反応型のシリコーンオイルとしては、
反応硬化型(たとえばアミノ変性シリコーンオイルとエ
ポキシ変性シリコーンオイルとを反応硬化させたもの等
)、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられる。これら硬化
型シリコーンオイルの添加量は受像層用樹脂の0.5〜
30重量%が好ましい。なお、受像層の表面の一部に、
上記剥離剤を適当な溶媒に溶解あるいは分散させて塗布
した後、乾燥させる等によって剥離剤層を設けることも
できる。
【0079】次に前記酸化防止剤としては、特開昭59
−182785、同60−130735、特開平1−1
27387等に記載の酸化防止剤、および写真その他の
画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして
公知の化合物を挙げることができる。前記UV吸収剤お
よび光安定剤としては、特開昭59−158287、同
63−74686、同63−145089、同59−1
96292、同62−229594、63−12259
6、同61−283595、特開平1−204788な
どに記載の化合物、および写真その他の画像記録材料に
おける画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を
挙げることができる。
【0080】前記フィラーとしては、無機微粒子や有機
樹脂粒子を挙げることができる。この無機微粒子として
はシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土
、活性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒
子としてはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アク
リル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げる
ことができる。これらの無機・有機樹脂粒子は比重によ
り異なるが、0〜30重量%の添加が好ましい。
【0081】前記顔料としては、代表例としてチタンホ
ワイト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シ
リカ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土
などを挙げることができる。前記可塑剤としてはフタル
酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸
エステル類、その他飽和あるいは不飽和カルボン酸エス
テル類、クエン酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポ
キシ化アマニ油、エポキシステアリン酸エポキシ類、正
リン酸エステル類、亜燐酸エステル類、グリコールエス
テル類などが挙げられる。
【0082】なお、本発明では、添加剤全体の添加量は
、通常、受像層用樹脂に対して0.1〜30重量%の範
囲に選定するのが好ましい。なお、受像層の厚みは、通
常、3〜20μm、好ましくは5〜15μmの範囲に選
定するのが適当である。また、受像層は、単層としてし
てもよく、あるいは必要に応じて、組成等が同一の、あ
るいは相違する2層以上の多層構造として設けてもよい
【0083】さらに、受像層と支持体との間に断熱性、
クッション性、バリアー性、接着性等の性質を付与する
目的として中間層(下引層)を設けてもよい。
【0084】また、受像層の表面には、感熱転写記録用
インクシートと感熱転写記録用受像シートとの融着防止
等を目的にして、オーバーコート層が積層されていても
よい。上記の中間層やオーバーコート層を設ける場合、
それぞれの厚みは、通常、0.1〜20μmの範囲に選
定するのが好適である。
【0085】B.感熱転写記録用受像シートの製造本発
明の感熱転写記録用受像シートは、基本的には、支持体
の一方の面上に前記受像層を設け、他方(受像層側と反
対側)の面上にバッキング層として前記金属錯体高分子
含有層を設けることによって得ることができる。その際
、前記したように、受像層側およびバッキング層側には
、それぞれ必要に応じて、中間層(下引層等)、オーバ
ーコート層等を設けてもよい。受像層(もしくは受像層
側の各層)と前記バッキング層(もしくはバッキング層
側の各層)は、どちらを先に形成してもよく、場合によ
っては、同時に形成してもよい。
【0086】これらの各層の形成方法としては、特に制
限はなく、例えば、公知のこの種の積層シートの製造に
おける方法に準じて好適に行うこともできる。例えば、
支持体と受像層を同時に形成する方法なども適宜採用可
能である。前記バッキング層は、その形成成分を溶媒に
分散あるいは溶解して金属錯体高分子含有層形成用塗工
液を調製し、この塗工液を支持体(所定の下地)の表面
に塗布してこれを乾燥する塗工法や、前記金属錯体高分
子含有層の形成成分を有する混合物を溶融押出し、支持
体(所定の下地)の表面にラミネートするラミネート法
等により、形成することができる。これら各種の方法の
中でも、通常、塗工法が特に好適に採用される。
【0087】上記塗工法に用いる溶媒としては、少なく
とも使用する前記金属錯体高分子を均一に溶解もしくは
分散する溶媒が好ましく、具体的には例えば、水、アル
コール類(例えばエタノール、プロパノール、ブタノー
ル等)、セロソルブ類(例えばメチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ等)、芳香族類(例えばトルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン等)、ケトン類(例えばアセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル
系溶剤(例えば酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテ
ル類(例えばエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等)、塩素系溶剤(例えば塩化メチレン、クロロホル
ム、トリクロロエチレン等)などが挙げられる。なお、
これらの溶媒は1種単独で使用してもよいし、2種以上
を混合溶媒等として併用してもよい。
【0088】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる塗布法、押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布
法、ロール塗布法等を採用することができる。この塗工
後、適宜乾燥することによって、所定の乾燥膜厚の金属
錯体高分子含有層もしくはこれを有するバッキング層が
形成される。なお、バッキング層は、単層構造に限られ
ず、2層以上の構成にすることもできる。また、バッキ
ング層は、通常、支持体裏面全体に渡って形成されるが
、場合によっては、その一部の面に形成してもよい。
【0089】前記受像層は、その形成成分を溶媒に分散
あるいは溶解して受像層形成用塗工液を調製し、この受
像層形成用塗工液を支持体の表面に塗布し乾燥する塗工
法や、前記受像層の形成成分を有する混合物を溶融押出
し、支持体の表面にラミネートするラミネート法等によ
り、形成することができる。これら各種の方法の中でも
、通常、塗工法が特に好適に採用される。上記塗工法に
用いる溶媒としては、例えば、水、アルコール類(例え
ばエタノール、プロパノール等)、セロソルブ類(例え
ばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、芳香族類
(例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等)、ケ
トン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン等)、エ
ステル系溶剤(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エ
ーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等)
、塩素系溶剤(例えば塩化メチレン、クロロホルム、ト
リクロルエチレン等)などが挙げられる。
【0090】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる塗布法、押し出し塗布法、ワイヤーバー塗布
法、ロール塗布法等を採用することができる。この塗工
後、適宜に乾燥することによって、所定の乾燥膜厚の受
像層が形成される。なお、受像層は、単層構造に限られ
ず、2層以上の構成にすることもできる。また、受像層
は、支持体表面全体に渡って形成してもよく、必要に応
じて、その一部の面に形成してもよい。
【0091】C.熱転写記録用インクシートこの発明の
感熱転写記録用受像シートを利用してIDカード等の画
像記録体を製造する場合には、この感熱転写記録用受像
シートの受像層に、階調性を有する人物画像等の階調情
報含有画像と、IDカードを所持する個人に関する情報
あるいはそのIDカードを発行する発行所固有の情報を
記載した文字、図形、記号等を表す文字情報含有画像と
を形成する。
【0092】ところで、熱転写記録用インクシートは、
基本的には、支持体上にインク層を積層することによっ
て形成することができる。熱転写記録用インクシートに
は、熱溶融記録方式に用いる溶融性インク層を有するも
の(熱溶融型転写記録用インクシート)と熱拡散転写方
式に用いるところの、熱拡散性色素含有インク層を有す
るもの(昇華型熱転写記録用インクシート)などがある
。これらのうち、階調情報含有画像は昇華型熱転写記録
用インクシートにより形成され、文字情報含有画像につ
いては昇華型熱転写記録用インクシートあるいは熱溶融
型転写記録用インクシートにより形成される。
【0093】C1.昇華性熱転写記録用インクシートC
1−1.支持体(インクシート用) 上記支持体としては、寸法安定性がよく、感熱ヘッドで
の記録の際の熱に耐えるものならば何でもよいが、コン
デンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリサルフォン、
ポリビニルアルコールセロファン、ポリスチレンのよう
な耐熱性のプラスチックフィルムを用いることができる
。支持体の厚さは、2〜10μmが好ましい。支持体の
形状については特に制限がなく、たとえば広幅のシート
やフィルム、細幅のテープやカードなど任意の形状があ
る。
【0094】C1−2.インク層 上記インク層は、熱拡散転写方式によって受像シートに
転写する場合には、必須成分として熱拡散性色素とバイ
ンダーとを含有する。 〈熱拡散性色素〉昇華性色素としてはシアン色素、マゼ
ンタ色素、イエロー色素を挙げることができる。
【0095】前記シアン色素としては、特開昭59−7
8896号公報、同59−227948号公報、同60
−24966号公報、同60−53563号公報、同6
0−130735号公報、同60−131292号公報
、同60−239289号公報、同61−19396号
公報、同61−22993号公報、同61−31292
号公報、同61−31467号公報、同61−3599
4号公報、同61−49893号公報、同61−148
269号公報、同62−191191号公報、同63−
91288号公報、同63−91287号公報、同63
−290793号公報などに記載されているナフトキノ
ン系色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系色素等
が挙げられる。
【0096】前記マゼンタ色素としては、特開昭59−
78896号公報、特開昭60−30392号公報、特
開昭60−30394号公報、特開昭60−25359
5号公報、特開昭61−262190号公報、特開昭6
3−5992号公報、特開昭63−205288号公報
、特開昭64−159号、特開昭64−63194号公
報等の各公報に記載されているアントラキノン系色素、
アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0097】イエロー色素としては、特開昭59−78
896号公報、特開昭60−27594号公報、特開昭
60−31560号公報、特開昭60−53565号公
報、特開昭61−12394号公報、特開昭63−12
2594号公報等の各公報に記載されているメチン系色
素、アゾ系色素、キノフタロン系色素、アントライソチ
アゾール系色素が挙げられる。
【0098】また、昇華性色素として特に好ましいのは
、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基を有する化合物
をp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−ア
ミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応に
より得られるアゾメチン色素およびフェノールまたはナ
フトール誘導体またはp−フェニレンジアミン誘導体の
酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体のと
のカップリング反応により得られるインドアニリン色素
である。
【0099】昇華性色素含有インク層に含有される昇華
性色素は、形成しようとする画像が単色であるならば、
イエロー色素、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れ
であっても良い。感熱転写記録用受像シートにおける受
像層中に金属イオン含有化合物が含まれているときには
、昇華性色素としては、前記金属イオン含有化合物とキ
レートを形成することのできる色素化合物が好ましい。
【0100】金属イオン含有化合物とキレートを形成す
る色素化合物としては、公知の各種の化合物を適宜に選
定して使用することができる。具体的には例えば、特開
昭59−78893号、同59−109349号、同特
願平2−213303号、同2−214719号、同2
−203742号に記載されているシアン画像形成色素
(以下シアン色素と称す)、マゼンタ画像形成色素(以
下マゼンタ色素と称す)、イエロー画像形成色素(以下
イエロー色素と称す)などを挙げることができる。上記
の色素の中でも、少なくとも前記記載の金属イオン含有
化合物と2座のキレートを形成することができる色素化
合物を使用するのが好ましい。そのような色素として、
例えば、下記一般式で表される色素などを挙げることが
できる。
【0101】
【化13】
【0102】ただし、式中X1 は、少なくとも一つの
環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、ま
たは複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わし
、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一
つが、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原
子である。X2 は、少なくとも一つの環が5〜7個の
原子から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環
を表わす。Gはキレート化基を表す。
【0103】いずれの色素化合物を採用するにしても、
形成しようとする画像の色調によっては、前記三種の色
素のいずれか二種以上もしくは他の昇華性色素を含んで
いても良い。前記昇華性色素の使用量は、通常、支持体
1m2 当たり0.1〜20g、好ましくは0.2〜5
gである。
【0104】〈バインダー(インクシートインク層用)
〉インク層のバインダーとしてはセルロース付加化合物
、セルロースエステル、セルロースエーテル等のセルロ
ース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマ
ール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラ
ール等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルピロ
リドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、スチレ
ン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系エステル、ポリ(
メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸共重合体などの
ビニル系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、オレフ
ィン系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0105】これらの樹脂のうちでも保存性の優れたポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタールある
いはセルロース系樹脂が好ましい。
【0106】前記各種のバインダーは、その1種を単独
で使用することもできるし、またその2種以上を併用す
ることもできる。バインダーと前記熱拡散性色素との重
量比は、1:10〜10:1が好ましく、2:8〜7:
3の範囲が特に好ましい。
【0107】〈その他の任意成分(インク層用)〉さら
に前記インク層には、各種の添加剤を適宜に添加するこ
とができる。その添加剤としては、シリコン樹脂、シリ
コンオイル(反応硬化タイプも可)、シリコン変性樹脂
、フッ素樹脂、界面活性剤、およびワックス類等の剥離
性化合物、金属微粉末、シリカゲル、金属酸化物、カー
ボンブラック、および樹脂微粉末等のフィラー、バイン
ダー成分と反応可能な硬化剤(たとえばイソシアネート
類やアクリル類やエポキシ類等の放射線活性化合物)な
どを挙げることができる。さらにまた、添加剤として転
写を促進するための熱溶融性物質、たとえばワックスや
高級脂肪酸エステルなどの、特開昭59−106997
号記載の化合物を挙げることができる。
【0108】C1−3.その他の層(インクシート用)
なお、昇華型熱転写記録用インクシートは、支持体とイ
ンク層とからなる二層構成に限られず、その他の層が形
成されていてもよい。例えば、感熱転写記録用受像シー
トとの融着や熱拡散性色素の裏移り(ブロッキング)を
防止する目的で、インク層の表面にオーバーコート層を
設けてもよい。また、支持体にはバインダーとの接着性
の改良や色素の支持体側への転写、染着を防止する目的
で下引層を有していてもよい。さらに支持体の裏面(イ
ンク層と反対側)には、走行安定性、帯電防止、耐熱性
などを改善する目的でバッキング層を設けてもよい。上
記のオーバーコート層、下引層およびバッキング層の厚
みは通常、0.1〜1μmである。
【0109】C2.昇華型熱転写記録用インクシート(
熱拡散転写用)の製造 昇華型熱転写記録用インクシートは、インク層を形成す
る前記各種の成分を溶媒に分散ないし溶解してなるイン
ク層形成用塗工液を調製し、これを支持体の表面に塗工
し、乾燥することにより製造することができる。なお、
前記バインダーは、1種または2種以上を溶媒に溶解も
しくはラテックス状に分散させて用いる。前記溶媒とし
ては、水、エタノール、テトラヒドロフラン、メチルエ
チルケトン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジオ
キサン、アセトン、シクロヘキサン、酢酸ノルマルブチ
ル等を挙げることができる。
【0110】前記塗工には、従来から公知のグラビアロ
ールによる面順次塗り別け塗布法、押し出し塗布法、ワ
イヤーバー塗布法、ロール塗布法等を採用することがで
きる。インク層は、支持体の表面の全面あるいは一部の
表面に、単色の熱拡散性色素を含有する層として形成さ
れても良いし、また、バインダーとイエロー色素とを含
有するイエローインク層、バインダーとマゼンタ色素と
を含有するマゼンタインク層およびバインダーとシアン
色素とを含有するシアンインク層が、平面方向に沿って
一定の繰り返しで支持体の表面の全面あるいは一部の表
面に形成されていてもよい。
【0111】また、平面方向に沿って配列された前記三
層のインク層に加えて、黒色画像形成物質を含む黒色イ
ンク層が介在していても良い。なお、黒色インク層につ
いては、拡散転写型でも後述する溶融転写型でも、鮮明
な画像が得られる。かくして形成されたインク層の膜厚
は、通常、0.2〜10μmであり、好ましくは、0.
3〜3μmである。なお、昇華型熱転写記録用インクシ
ートに、パーフォレーションを形成したり、あるいは色
相の異なる区域の位置を検出するための検知マークなど
を設けることによって、使用時の便を図ることもできる
【0112】C3.階調情報含有画像の形成(熱転写記
録) 階調情報含有画像を形成するには、昇華型熱転写記録用
インクシートのインク層と感熱転写記録用受像シートの
受像層とを重ねあわせ、インク層と受像層との界面にイ
メージワイズに熱エネルギーを与える。すると、インク
層中の熱拡散性色素は、この画像形成時に加えられた熱
エネルギーに応じた量だけ気化あるいは昇華し、受像層
側に移行され受容される結果、受像層に色素画像[カラ
ー顔写真画像等の諧調性(カラー)画像]が形成される
【0113】感熱転写記録用受像シートとして、前記金
属イオン含有化合物を添加した受像層を有するものを使
用した場合、上記色素画像は主としてキレート画像とし
て形成される。熱エネルギーを与える熱源としては、サ
ーマルヘッドが一般的であるが、このほかにレーザー光
、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの公知のものを使用す
ることができる。
【0114】熱エネルギーを与える熱源としてサーマル
ヘッドを用いるときは、サーマルヘッドに印加する電圧
あるいはパルス巾を変調することにより、与える熱エネ
ルギーを連続的にあるいは多段階に変化させることがで
きる。熱エネルギーを与える熱源としてレーザー光を用
いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化させる
ことにより与える熱エネルギーを変化させることができ
る。この場合、レーザー光を吸収し易くするため、レー
ザー光吸収材料(例えば、半導体レーザーの場合、カー
ボンブラックや近赤外線吸収物質など)をインク層中、
もしくはインク層近傍に存在せしめるとよい。なお、レ
ーザー光を用いるときは昇華型熱転写記録用インクシー
トと感熱転写記録用受像シートとを充分に密着させて行
うとよい。
【0115】音響光学素子を内蔵したドットジェネレー
ターを用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与え
ることもできる。熱エネルギーを与える熱源として赤外
線フラッシュランプを用いるときは、レーザー光を用い
る場合と同様に、加熱を黒色などの着色層を介して行う
とよい。あるいは黒色などの、画像の濃淡を連続的に表
現したパターンあるいは網点パターンを介して加熱を行
なってもよいし、また一面の黒色などの着色層と前記の
パターンのネガに相当するネガパターンを組み合わせて
加熱を行なってもよい。熱エネルギーの与え方としては
昇華型熱転写記録用インクシート側から行なっても、感
熱転写記録用受像シート側から行なっても、あるいは両
側から行なってもよいが、熱エネルギーの有効利用を優
先させるなら、昇華型熱転写記録用インクシート側から
行なうのが望ましい。
【0116】以上の熱転写記録により、感熱転写記録用
受像シートの受像層に一色の画像を記録することができ
るが、下記の方法によると、各色の掛け合せからなるカ
ラー写真調のカラー画像を得ることもできる。たとえば
イエロー、マゼンタ、シアンおよび必要に応じて黒色の
感熱転写記録用感熱シートを順次取り換えて、各色に応
じた熱転写を行なうと、各色のかけあわせからなるカラ
ー写真調のカラー画像を得ることもできる。
【0117】それから、次の方法も有効である。すなわ
ち、上記のように各色の昇華型熱転写記録用インクシー
トを用いるかわりに、予め各色に塗り分けて形成した区
域を有する昇華型熱転写記録用インクシートを用いるの
である。そして、まずイエローの区域を用いてイエロー
の分色画像を熱転写し、次にマゼンタの区域を用いてマ
ゼンタの分色画像を熱転写し、以下、順次に繰り返すこ
とによりイエロー、マゼンタ、シアン、及び必要により
黒色の分色画像と順に熱転写する方法を採る。
【0118】この方法でも、カラー写真調のカラー画像
を得ることが可能であるが、さらに好都合なことに、こ
の方法には前記のような感熱転写記録用感熱シートの交
換が不要になるという利点がある。さらに上記記載の方
法で画像を形成した後に、画像保存性の向上の目的で、
上記記載の方法で加熱処理を施してもよい。たとえば、
画像形成面全面にわたって、サーマルヘッドでインクシ
ートのインク層を設けていない部分を用いて、加熱処理
したり、あるいは新たにヒートロール等の加熱処理を行
ってもよい。また、近赤外線吸収剤を含有している場合
には、赤外線フラッシュランプを用いて画像形成面を露
光させてもよい。いずれの場合も、加熱手段は問わない
が、受像層内部に色素をさらに拡散させるのが目的であ
るので、加熱方向は受像層の支持体側から加熱するのが
効果的で好ましい。
【0119】C4.熱溶融性インクシート−熱溶融性イ
ンクシートは、支持体上に熱溶融性インク層を積層して
形成することができる。なお、この熱溶融性インクシー
トは、その特性を損なわない範囲内で他の層を有してい
ても良い。たとえば、前記熱溶融性インク層と支持体と
の間に剥離層が設けられていても良く、またこの剥離層
と支持体との間に中間層などが積層されていてもよく、
また、最外層にインク保護層を設けるなど前記熱溶融性
インク層の上に他の層が積層されていても良い。さらに
、前記剥離層や熱溶融性インク層は、必要に応じて、多
層構造にされていてもよい。次に、この熱溶融性インク
シートの構成について、支持体、剥離層、熱溶融性イン
ク層の順に説明する。
【0120】(1) 支持体 熱溶融性インクシートにおける支持体は、良好な耐熱強
度を有するとともに寸法安定性の高いことが望ましい。 その材料としては、たとえば、特開昭63−19388
6号公報の第2頁左下欄第12行から18行に記載のフ
ィルムないしシートを使用することができる。
【0121】支持体の厚みは、通常、30μm以下、好
ましくは2〜30μmの範囲内である。支持体の厚みが
30μmを超えると、熱伝導性が劣化して、印字品質の
低下を招くことがある。なお、この熱溶融性インクシー
トにおいて、支持体の裏面側の構成については任意であ
り、たとえば走行安定性、帯電防止、耐熱性等の目的の
ためにのバッキング層を設けても良い。
【0122】(2) 熱溶融性インク層熱溶融性インク
層は、熱溶融性化合物、熱可塑性樹脂および着色剤等か
ら構成される。前記熱溶融性化合物としては、通常この
種の熱溶融性インクシートの熱溶融性インク層に使用さ
れるものを任意に使用することができ、具体的には、た
とえば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等
の熱可塑性樹脂の低分子量物、特開昭63−19388
6号公報の第4頁左上欄第8行から同頁右上欄第12行
までに例示の物質を挙げることができ、さらにこれらの
他に、ロジン、水添ロジン、重合ロジン、ロジン変性グ
リセリン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性ポリ
エステル樹脂、ロジン変性フェノ−ル樹脂およびエステ
ルガム等のロジン誘導体、ならびにフェノ−ル樹脂、テ
ルペン樹脂、ケトン樹脂、シクロペンタジエン樹脂およ
び芳香族炭化水素樹脂などを挙げることができる。
【0123】なお、これらの熱溶融性化合物は、分子量
が通常、10,000以下、特に、5,000以下で、
融点もしくは軟化点が50〜150℃の範囲にあるもの
が好ましい。前記熱溶融性化合物は、一種単独で使用し
てもよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。前記熱
溶融性インク層の成分として使用される前記熱可塑性樹
脂としては、通常この種の熱溶融性インクシートの熱溶
融性インク層に使用されるものなど各種のものが使用可
能であり、たとえば、特開昭63−193886号公報
の第4頁右上欄第5頁左上欄第18行に例示の物質を挙
げることができる。
【0124】前記熱溶融性インク層の成分として使用さ
れる前記着色剤としては、通常この種の熱溶融性インク
シートの熱溶融性インク層に使用されるものを制限なく
使用することができ、たとえば、特開昭63−1938
86号公報第5頁右上欄第3行から第15行に記載の無
機顔料、有機顔料等の顔料、ならびに有機染料等の染料
を挙げることができる。これら各種の着色剤は、一種単
独で使用してもよいし、必要に応じて、二種以上を併用
してもよい。前記熱溶融性インク層には、必要に応じて
この発明の目的を阻害しない範囲で、上記以外の他の添
加成分を適宜添加することができる。
【0125】たとえば、この熱溶融性インク層には、フ
ッ素系界面活性剤を含有させても良い。フッ素系界面活
性剤の含有により、前記インク層のブロッキング現象を
防止することができる。また、転写した文字情報画像の
先鋭性すなわち、文字境界部の切れを良くするために有
機微粒子、無機微粒子、非相溶性樹脂を添加するのも効
果的である。
【0126】前記熱溶融性インク層の膜厚は、通常、0
.6〜5.0μmであり、特に1.0〜4.0μmであ
るのが好ましい。
【0127】この熱溶融性インク層は、形成成分を有機
溶媒に分散あるいは溶解して塗布する方法(有機溶剤法
)、加熱により熱可塑性樹脂などを軟化あるいは溶融状
態にして塗布する方法(ホットメルト塗布法)などを採
用して塗設されていても良いが、形成成分を水や有機溶
媒に分散もしくは溶解させたエマルジョン、もしくは溶
液などを用いて塗工されてなるのが好ましい。前記熱溶
融性インク層の塗設に用いる塗工液中の層形成成分の合
計の含有率は、通常は、5〜50重量%の範囲内に設定
される。
【0128】塗布方法は、通常の方法を利用して行なう
ことができる。塗布方法の例としては、ワイヤーバーを
用いた方法、スクイズコート法およびグラビアコート法
などを挙げることができる。また、熱溶融性インク層は
、少なくとも一層で設けられていることが必要であるが
、たとえば着色剤の種類および含有率、あるいは熱可塑
性樹脂と熱溶融性化合物との配合比率などの異なる二層
以上の熱溶融性インク層を積層して構成してもよい。
【0129】(3) 剥離層 前記剥離層は、画像形成時にサーマルヘッド等の画像転
写のための加熱機構によって加熱された際に、少なくと
も該剥離層の上に設けられている層[この層のうち少な
くとも1層には着色剤が含有されている。]を十分に速
やかに剥離・転写することを主たる目的として設けられ
ているものであり、この目的の達成にふさわしい熱溶融
性化合物を含有させて熱溶融性化合物の属性が支配的な
層、特に剥離性に優れた層として構成される。
【0130】該剥離層は、前記熱溶融性化合物それ自体
で構成することもできるが、通常は、その熱溶融性化合
物および/または熱可塑性樹脂等のバインダー樹脂など
から構成することが好ましい。前記剥離層の主成分とし
て使用する前記熱溶融性化合物は、公知のものなど各種
のものを適宜に選択して使用すればよく、その具体例と
しては、たとえば、特開昭63−193886号公報の
第4頁左上欄第8行から同頁右上欄第12行までに例示
の物質を使用することができる。
【0131】熱溶融性インクシートの前記剥離層の主成
分として使用する熱溶融性化合物は、上記例示の各種の
熱溶融性化合物のなかでも、その融点もしくは軟化点が
50〜100℃の範囲にあるマイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンワックス、カルナバワックスなどが好
ましい。その融点もしくは軟化点が、あまり高すぎると
、十分な剥離性が得られず、特に高速印字における所望
の剥離性等の特性が十分に発揮できないことがあり、一
方、あまり低すぎると、通常の状態で剥離するなどの支
障をきたすことがある。なお、これらの熱溶融性化合物
は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用して
もよい。
【0132】前記剥離層のバインダ−樹脂もしくはその
成分として使用される前記熱可塑性樹脂としては、特に
制限はなく、公知のこの種の熱溶融型転写記録用インク
シートの剥離層に使用されるもの等の各種のものを適宜
選択して使用すればよい。前記熱可塑性樹脂の具体例と
しては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等のエ
チレン系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ア
クリル系樹脂およびセルロース系樹脂などを挙げること
ができる。このほか、たとえば、塩化ビニル系樹脂、ロ
ジン系樹脂、石油系樹脂およびアイオノマー樹脂などの
樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレン
ゴムおよびクロロプレンゴムなどのエラストマー類、エ
ステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール
樹脂および水添ロジン等のロジン誘導体、ならびにフェ
ノール樹脂、テルペン樹脂、シクロペンタジエン樹脂お
よび芳香族系樹脂等も場合に応じて使用可能である。
【0133】これらの中でも、エチレン−酢酸ビニル共
重合体もしくはエチレン−酢酸ビニル系共重合体等のエ
チレン系共重合体およびセルロ−ス系樹脂などが好まし
く、特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびセルロ
−ス系樹脂が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、一種
単独で使用してもよく、あるいは二種以上を併用しても
よい。
【0134】本発明において、前記剥離層の成分として
使用する熱可塑性樹脂は、前記例示の各種の熱可塑性樹
脂の中でも、その融点もしくは軟化点が、通常、50〜
150℃、特に60〜120℃の範囲にあるもの、ある
いは二種以上の混合によってその範囲になるものが好適
に使用される。前記剥離層には、場合により適宜、着色
剤を含有させてもよい。前記剥離層に着色剤を含有させ
る場合、その含量は、その剥離層を構成する全成分に対
して、通常、30重量%以下、好ましくは、20重量%
以下の割合に設定するのが適当である。
【0135】この着色剤としては、通常のものが使用可
能であり、「2.熱溶融性インク層」の欄において説明
したのと同じ着色剤を使用することができる。
【0136】前記剥離層には、前記成分のほかに、必要
に応じてこの発明目的を阻害しない範囲で、さらに他の
成分を適宜含有させてもよい。この他の成分としては、
たとえば、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エ
ステル、アミド類、ならびに高級アミン類などを挙げる
ことができる。これらは、使用する場合には、一種単独
で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0137】前記剥離層の層厚は、通常は、0.2〜4
μmの範囲、好ましくは0.5〜2.5μmの範囲にす
るのが適当である。前記剥離層は、前記の成分の外に、
剥離性を調節するため界面活性剤を含むものであっても
よい。本発明で用いる代表的な界面活性剤の例としては
、ポリオキシエチレン鎖含有化合物を挙げることができ
る。さらに、無機あるいは有機微粒子(金属粉、シリカ
ゲルなど)あるいは、オイル類(アマニ油鉱油など)を
添加することもできる。
【0138】この剥離層は、主に、その上に構成されて
いる熱溶融性インク層と支持体との接着力を調節する役
割を果し、たとえばサーマルヘッドなどによる支持体裏
面(剥離層などの層が形成されていない側)からの加熱
によりそれらの層の支持体からの剥離を容易にするため
の層である。すなわち、剥離層は、その熱溶融性インク
層の支持体への膜付性、膜強度などの機械的性質を維持
し、かつ加熱直後に熱溶融性インク層が支持体から離脱
する際に、この熱溶融性インク層が基材上に速やかに剥
離転写せしめる。
【0139】C文字情報含有画像の形成前記熱溶融性イ
ンクシートを用いる熱溶融型転写方法は、通常の感熱転
写記録方法と異なるものではないが、熱源として最も典
型的な熱ヘッドを使用する場合を例にして説明する。ま
ず、熱溶融性インクシートの熱溶融性インク層と基材の
受像面とを密着させ、必要に応じてさらに基材の背面か
らプラテンによって熱パルスを与えつつ、熱ヘッドによ
って熱パルスを与え、所望の印字ないし転写パターンに
対応する熱溶融性インク層を局部的に加熱する。
【0140】熱溶融性インク層の被加熱部は、その温度
が上昇し、速やかに軟化して基材の受像面に転写される
。なお、この文字情報含有画像の形成は、前記した階調
情報含有画像の形成に先立って行われても良く、また、
階調情報含有画像が形成されてからこの文字情報含有画
像の形成が行われてもよい。
【0141】D.透明樹脂層 この発明の感熱転写記録用受像シートを使用してIDカ
ード等の画像記録体を製造する場合、前述のようにして
受像層に階調情報含有画像および文字情報含有画像を形
成した後に、階調情報含有画像を保護するために、階調
情報含有画像を形成した受像層表面に透明樹脂層を形成
するのが好ましい。透明樹脂層は、透明樹脂シートを、
ホットスタンピング法等により、前記受像層表面に形成
することができる。
【0142】−透明樹脂シート この透明樹脂シートは、階調画像を形成した受像層にお
いて、前記階調画像の形成された受像層表面と受像層表
面に共通文字情報画像を形成することのできる受像層表
面領域とを被覆することのできる最小限の大きさを有し
ていれば良い。したがって、受像層表面に積層されるこ
の透明樹脂シートの大きさは、受像層の表面(支持体が
形成されている面とは反対側の面)と同大であっても良
く、また受像層の前記表面の大きさよりも小さくても良
い。透明樹脂シートの大きさが受像層の表面と同大であ
るときには、この透明樹脂シートにより受像層表面に形
成される透明樹脂層は、画像に対する保護層として機能
することができる。また、透明樹脂シートの大きさが、
階調画像および共通文字情報画像を被覆するに足る面積
を有する場合には、受像層表面に露出する文字情報含有
画像を保護するために、例えば紫外線硬化樹脂層を保護
層として受像層全体に形成するのが良い。紫外線硬化樹
脂層については後述する。
【0143】上記透明樹脂シートとしては、透明ポリエ
チレンフィルム、透明ポリプロピレンフィルム等に代表
されるポリオレフィンフィルム、透明ポリ塩化ビニルフ
ィルム等に代表されるポリハロゲン化オレフィンフィル
ム、透明ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、ポリカ
−ボネ−トフィルム、ポリスチレンフィルムなどを好適
に用いることができる。さらにまたこの透明樹脂シート
は、特開昭63−183881号公報の第9頁左下欄第
9行から第10頁左上欄第15行に記載の熱溶融性化合
物と同公報の第10頁左上欄第16行から第11頁左下
欄第9行に例示の熱可塑性樹脂とで形成することができ
る。
【0144】紫外線硬化樹脂層をこの透明樹脂層の上に
更に積層する場合には、透明樹脂シート中には紫外線吸
収剤を含有させることも好ましい。紫外線吸収剤を含有
する透明樹脂シートは、紫外線硬化性プレポリマー含有
のコーティング剤に紫外線を照射してこれを硬化する場
合には、その紫外線から、階調画像を保護するのに有効
である。紫外線吸収剤としては、前記受像層の説明にお
いて例示された化合物を挙げることができる。透明樹脂
シート中におけるこれらの配合量は、化合物の種類によ
って相違するので、各化合物ごとに実験的に定めること
ができる。これらの透明樹脂シートの厚みについては、
通常、0.5〜20.0μmであり、好ましくは1.0
〜10.0μmである。
【0145】−透明樹脂層の形成− 透明樹脂層は、前記透明樹脂シートをホットスタンピン
グ法により受像層表面に積層することにより形成するこ
とができる。ホットスタンピング法は、透明樹脂シート
を受像層表面に接触させた状態で、加熱および加圧する
ことにより、受像層表面に透明樹脂シートを接着する方
法である。この場合、加熱温度としては透明樹脂シート
および受像層の材質等に応じて変化するので一概に決定
することができないのであるが、一般的には50〜20
0℃の範囲内で適宜に選択される。また、圧力について
も同様に透明樹脂シートおよび受像層の材質等に応じて
さまざまに変化するので一概に決定することができない
のであるが、一般的には0.05〜20kg/cm2 
の範囲内から適宜に選択される。加熱方法および加圧方
法についても特に制限がない。例えば、加熱手段として
、ヒートローラや加熱板等を使用することができるし、
また、加圧手段として加圧ローラや加圧板を使用するこ
とができる。
【0146】E.紫外線硬化樹脂層 受像層に形成した画像を更に保護するために、紫外線照
射によって硬化してなる実質的に透明な硬化保護層を、
透明樹脂層を有する受像層の全面に形成しても良い。紫
外線硬化樹脂層は、紫外線硬化性樹脂を含有するコーテ
ィング剤を上記基材上に塗布し、紫外線を照射すること
により、形成することができる。
【0147】−コーティング剤− このコーティング剤は、紫外線硬化性のプレポリマーと
重合開始剤とを主成分とする組成物によって形成するこ
とができる。紫外線硬化性のプレポリマーとしては、1
分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを
挙げることができる。このようなプレポリマーとしては
、たとえば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリ
グリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジ
ルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリ
グリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシ
ジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエ
ーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化
合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等が挙げられ
る。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用す
ることもできるし、また、その二種以上を混合して使用
することもできる。コーティング剤中の、エポキシ基を
1分子内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70
重量%以上であるのが好ましい。
【0148】前記重合開始剤としては、カチオン重合開
始剤が好ましく、具体的には芳香族オニウム塩を挙げる
ことができる。この芳香族オニウム塩として、周期表第
Va族元素の塩たとえばホスホニウム塩(たとえばヘキ
サフルオロリン酸トリフェニルフェナシルホスホニウム
など)、第VIa族元素の塩たとえばスルホニウム塩(
たとえばテトラフルオロホウ酸トリフェニルスルホニウ
ム、ヘキサフルオロリン酸トリフェニルスルホニウム、
ヘキサフルオロリン酸トリス(4−チオメトキシフェニ
ル)、スルホニウムおよびヘキシサフルオロアンチモン
酸トリフェニルスルホニウムなど)、および第VIIa
族元素の塩たとえばヨードニウム塩(たとえば塩化ジフ
ェニルヨードニウムなど)を挙げることができる。
【0149】このような芳香族オニウム塩をエポキシ化
合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用する
ことは、米国特許第4,058,401号、同第4,0
69,055号、同第4,101,513号および同第
4,161,478号公報に詳述されている。好ましい
カチオン重合開始剤としては、第VIa族元素のスルホ
ニウム塩が挙げられる。その中でも、紫外線硬化性と紫
外線硬化性の組成物の貯蔵安定性の観点からすると、ヘ
キサフルオロアンチモン酸トリアリールスルホニウムが
好ましい。
【0150】カチオン重合開始剤のコーティング剤中の
含有量は、3〜20重量%が好ましく、特に5〜12重
量%が好ましい。カチオン重合開始剤の含有量がコーテ
ィング剤の1重量%を越えないときには、紫外線を照射
したときに硬化速度が極端に遅くなることがあり、好ま
しくない。紫外線硬化性の樹脂としては、前記エポキシ
系硬化性樹脂に限られず、ラジカル重合性の樹脂、例え
ば単官能性あるいは多官能性アクリレート化合物等を挙
げることができる。
【0151】コーティング剤中には、更に油類(特にシ
リコーン油)、シリコーン−アルキレンオキシド共重合
体(たとえばユニオンカーバイド社から市販されている
L−5410)のような界面活性剤、シリコーン油含有
脂肪族エポキシド類、3M社から市販されているFO−
171および3M社から市販されているFO−430、
大日本インキ株式会社から市販されているMegafa
c F−141のようなフルオロカーボン界面活性剤等
を含有させてもよい。
【0152】このコーティング剤中には、さらに、たと
えば、スチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エ
ステル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロ
ース系、熱可塑性ポリエステル、フェニルグリシジルエ
ーテル、ケイ素含有モノエポキシド、ブチルグリシジル
エーテル等のモノエポキシド等が、この発明の効果を阻
害しない範囲で含有されていてもよい。
【0153】また、このコーティング剤中には、不活性
性成分として、たとえばタルク、炭酸カルシウム、、ア
ルミナ、シリカ、マイカ、硫酸バリウム、炭酸マグネシ
ウム、ガラス等の充填剤、染料、顔料、増粘剤、可塑剤
、安定剤、レベリング剤、カップリング剤、粘着付与剤
、シリコーン基含有活性剤、フルオロカーボン基含有表
面活性剤等の濡れ向上剤、その他の各種添加剤、さらに
コーティング剤の塗布中における流動性を改良すること
を目的として、前記カチオン重合開始剤とほとんど反応
しないアセトン、メチルエチルケトン、メチルクロライ
ド等の少量の溶剤を含有させても良い。
【0154】−塗布方法および塗布条件−前記コーティ
ング剤の受像層表面への塗布は、コーティング剤、場合
により溶剤等を加えるなどして適宜の粘度に調整された
コーティング剤を、ダブルロールコータ、スリットコー
タ、エアナイフコータ、ワイヤーバーコータ、スライド
ホッパー、スプレーコーティング等の通常の方法にて受
像層表面に塗布することにより、達成することができる
。これらの適宜の塗布方法により、前記コーティング剤
による塗布層が、受像層の表面に、通常0.1〜30μ
m、好ましくは1〜14μmの厚みになるように、塗布
される。
【0155】塗布後に、前記コーティング剤による塗布
層に紫外線が照射され、コーティング剤中の紫外線硬化
性のプレポリマーの重合反応ないし硬化反応が進行する
【0156】ここで、紫外線というとき、これは紫外領
域の光を意味し、また、紫外領域の光を含む光線をも含
む意味である。したがって、紫外線の照射として、太陽
光線の照射、低圧水銀灯の照射、高圧水銀灯の照射、超
高圧水銀灯の照射、カーボンア−ク等の照射、メタルハ
ライドランプによる照射、キセノンランプの照射等を挙
げることができる。
【0157】紫外線を照射するときの雰囲気としては、
空気中でも良いが、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性
ガス雰囲気が好ましい。紫外線の照射時間としては、紫
外線領域の照射光源の種類によって相違するのであるが
、通常0.5秒〜5分、好ましくは3秒〜2分である。 通常、照射時間の短い場合には照射強度の大きい大型の
光源を必要とし、照射時間が長い場合には照射強度の小
さい光源を使用することもできる。もっとも、照射強度
の小さな光源では硬化作用時間が長くなり、製造工程上
有利ではない。しかし、この発明では、500W以下の
紫外線発生ランプを用いて、3秒から2分の照射によっ
て、実用上十分な強度を有する硬化被膜を形成すること
ができる。
【0158】なお、硬化に際しては、紫外線の照射時ま
たは照射の前後において、コーティング剤の塗布膜を加
熱すると、硬化時間の短縮を図ることができる。そのよ
うな加熱をする場合、加熱温度は30〜80℃が好まし
い。紫外線照射前においては、前記加熱温度による加熱
時間は長くても短くても良いのであるが、紫外線照射後
においては、加熱時間は1分〜120分が好ましい。以
上に詳述したように、本発明の感熱転写記録用受像シー
トを使用してIDカード等の画像記録体を製造すること
ができる。
【0159】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。なお、以下において「部」は「重量部」を表
わす。
【0160】(実施例1)−感熱転写記録用インクシー
トの製造− 支持体として厚み6μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム[東レ(株)製、]のコロナ処理された表面に
、下記組成のインク層形成用塗工液をワイヤーバーコー
ティング法により、乾燥後の厚みが1μmになるように
塗布、乾燥するとともに、コロナ処理されていない裏面
にシリコーン樹脂[大日精化(株)製、SP−2105
]を含有するニトロセルロース溶液をスポイトで1、2
滴垂らして全面に広げ、背面処理コートを行なうことに
より感熱転写記録用インクシートを得た。
【0161】         インク層形成用塗工液;  熱拡散性
色素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3部 
 [日本化薬(株)製、カヤセットブルー714]  
ポリビニルブチラール・・・・・・・・・・・・・・・
・3部  [積水化学工業(株)製、エスレックBX−
1]  メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・
・・・・44部  ジオキサン・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・40部  シクロヘキサノン・・・
・・・・・・・・・・・・・・10部。
【0162】−感熱転写記録用受像シートの製造−支持
体として厚み150μmの合成紙[王子油化合成紙(株
)製]上に下記組成の受像層形成用塗工液を調製し塗工
法により塗布・乾燥し、合成紙上に厚み10μmの受像
層を形成し、次いで、支持体の裏面(受像層と反対側の
面)をコロナ放電処理した後に、下記のバッキング層形
成用塗工液を調製し塗工法により塗布・乾燥し、厚み3
μmのバッキング層を形成することによって感熱転写記
録用受像シートを得た。
【0163】         受像層形成用塗工液;  ポリ塩化ビ
ニル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・6.0部
  [信越化学工業(株)製、TK300]  塩化ビ
ニル系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.
5部  [BASF社製、ラロフレックスMP−25]
  変性シリコーン樹脂・・・・・・・・・・・・・・
・・・0.5部  [信越シリコーン(株)製、X−2
4−8300]  メチルエチルケトン・・・・・・・
・・・・・・・・・40.0部  シクロヘキサノン・
・・・・・・・・・・・・・・・・10.0部。
【0164】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
.5部  [化7で表される化合物]   ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・
・・・2.5部  [東洋紡績(株)製、バイロン29
0]  塩化メチレン・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・60.0部  ジオキサン・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・30.0部  シクロヘキサノ
ン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部。
【0165】−画像形成− 上記感熱転写記録用受像シートをその受像面が前記感熱
転写記録用インクシートのインク層表面と相接して重ね
合わさるように供給し、感熱転写記録用インクシートの
支持体側から、下記の条件にて感熱ヘッドを当てて画像
を形成し、感熱転写記録用インクシートと感熱転写記録
用受像シートとを引き剥がし、階調情報含有画像を感熱
転写記録用受像シート上に転写した。
【0166】   <画像形成条件>       主走査、副走査の線密度:8ドット/mm
      記録電力              :
0.6W/ドット      感熱ヘッドの加熱時間 
 :20msec(印加エネルギー約11.2×1  
                         
 0−3J)から2msec(印加エネルギー約1. 
                         
  12×10−3J)の間で段階的に加熱時間を調整
                         
   した。
【0167】この画像形成時のシートの走行安定性、画
像形成前後に感熱転写記録用受像シートを重ね合わせた
際の該受像シートの背面(バッキング層面)の受像面と
の接着(ベタツキ)防止性、受像シートの白抜け防止性
、画像を形成した受像層の他の感熱転写記録用受像シー
トへのべたつき性を下記の基準で評価した。結果は、表
1に示す。 走行安定性; 200枚連続印字した際に走行トラブルの有無で判断し
た。 ○・・・・複数枚給仕が全く発生しなかった。 ×・・・・複数枚給仕が起こった。
【0168】受像面との接着(ベタツキ)防止性;印字
していない受像面とバッキング層を重ね合わせて、40
g/cm2の荷重をかけて、50℃・48時間放置した
後、剥離して判断した。 ○・・・・何も問題なく、受像面とバッキング層とが剥
離可能。 ×・・・・受像面とバッキング層とがベタツキ、一部剥
離しにくかった。 白抜け防止性; ○・・・・転写画像に白抜けが全く認められなかった。 ×・・・・転写画像に白抜けが認められた。 べたつき性; 2枚の感熱転写記録用受像シートそれぞれの受像層に階
調情報含有画像を形成した直後に、この2枚の感熱転写
記録用受像シートを重ねて、前記受像面との接着防止と
同様の評価を行った。 ○・・・・何も問題なく、画像記録受像面とバッキング
層とが剥離可能。×・・・・画像記録受像面とバッキン
グ層とがベタツキ、一部剥離しにくかった。
【0169】(実施例2)インク層形成用塗工液、受像
層形成用塗工液およびバッキング層形成用塗工液の組成
を下記のものに変えた以外は実施例1と同様にして感熱
転写記録用インクシート、受像シートを製造し、実施例
1と同様にして画像を形成し評価した。結果を表1に示
した。
【0170】         インク層形成用塗工液;  熱拡散性
色素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.0
部  (化14参照)   ニトロセルロース・・・・・・・・・・・・・・・
・・・3.0部  [旭化成工業(株)製、セルノバB
TH1/16]  メチルエチルケトン・・・・・・・
・・・・・・・・・44.0部  ジオキサン・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・40.0部  シク
ロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・10
.0部。
【0171】
【化14】
【0172】         受像層形成用塗工液;  ポリ塩化ビ
ニル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・6.0部
  [信越化学工業(株)製、TK300]  金属イ
オン含有化合物・・・・・・・・・・・・・・・・3.
5部  [[Ni(C2 H5 NHCH2 CH2 
NH2 )]2+[(C6 H5 )4 B]2−] 
 変性シリコーン樹脂・・・・・・・・・・・・・・・
・・0.5部  [信越シリコーン(株)製、X−24
−8300]  ジオキサン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・40.0部  メチルエチルケトン・
・・・・・・・・・・・・・・・40.0部  シクロ
ヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・10.
0部。
【0173】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
.0部  [化8で表される化合物]   スチレン系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・2.0部  [日本合成ゴム(株)製、JSR 
 AES110]  塩化メチレン・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・50.0部  ジオキサン・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部  メ
チルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・1
0.0部  シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・
・・・・・・・5.0部。
【0174】(実施例3)受像層の支持体として、厚さ
125μmの無機充填剤を含有した白色ポリエチレンテ
レフタレートフィルム[ダイアホイル(株)製]を使用
し、バッキング層形成用塗工液の組成を下記のものに変
えた以外は実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シ
ートを製造し、実施例1と同じ感熱転写記録用インクシ
ートを使用して、実施例1と同様にして画像を形成し評
価した。結果を表1に示した。
【0175】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
.0部  [化9で表される化合物]   ポリ塩化ビニル樹脂・・・・・・・・・・・・・・
・・・3.0部  [信越化学工業(株)製、TK60
0]  塩化メチレン・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・50.0部  ジオキサン・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・30.0部  メチルエチルケ
トン・・・・・・・・・・・・・・・・10.0部  
シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・
・5.0部。
【0176】(実施例4)受像層の支持体として、厚さ
350μmの無機充填剤を含有した白色ポリエチレンテ
レフタレートフィルム[ダイアホイル(株)製]を使用
し、バッキング層形成用塗工液の組成を下記のものに変
えた以外は実施例2と同様の受像層形成用塗工液を用い
て感熱転写記録用受像シートを製造し、実施例2と同じ
感熱転写記録用インクシートを使用して、実施例1と同
様にして画像を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0177】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
.0部  [化10で表される化合物]   セルロース系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・
・・・1.0部  [旭化成工業(株)製、セルノバB
TH1/2]  塩化メチレン・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・40.0部  ジオキサン・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・20.0部  メチル
エチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・30.
0部  シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・
・・・・・5.0部。
【0178】(実施例5)受像層の支持体として、厚さ
500μmの無機充填剤を含有した白色ポリプロピレン
フィルムの積層体[王子油化合成紙(株)製]を使用し
、バッキング層形成用塗工液の組成を下記のものに変え
た以外は実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シー
トを製造し、実施例1と同じ感熱転写記録用インクシー
トを使用して、実施例1と同様にして画像を形成し評価
した。結果を表1に示した。
【0179】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
.5部  [化11で表される化合物]   アクリル系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・2.5部  [三菱レーヨン(株)製、ダイアナ
ールBR−88]  塩化メチレン・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・40.0部  ジオキサン・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・20.0部  メ
チルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・3
0.0部(実施例6)受像層の支持体として、厚さ50
0μmの無機充填剤を含有した白色ポリ塩化ビニルフィ
ルム[住友ベークライト(株)製]を使用し、バッキン
グ層形成用塗工液の組成を下記のものに変えた以外は実
施例2と同様の受像層形成用塗工液を用いて感熱転写記
録用受像シートを製造し、実施例2と同じ感熱転写記録
用インクシートを使用して、実施例1と同様にして画像
を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0180】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
.5部  [化12で表される化合物:MeはGe] 
 ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・
・・2.5部  [ユニチカ(株)製、エリーテルUE
−3600]  塩化メチレン・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・50.0部  ジオキサン・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・40.0部  シクロ
ヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.
0部。
【0181】(実施例7)バッキング層形成用塗工液の
組成を下記のものに変えた以外は実施例1と同様にして
感熱転写記録用受像シートを製造し、実施例1と同じ感
熱転写記録用インクシートを使用して、実施例1と同様
にして画像を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0182】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
.5部  [化7で表される化合物]   ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・
・・・1.5部  [東洋紡(株)製、バイロン290
]  シリコーン樹脂微粉末・・・・・・・・・・・・
・・・・1.0部  [東芝シリコーン(株)製、トス
パール108]  塩化メチレン・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・60.0部  ジオキサン・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部  シク
ロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
.0部。
【0183】(実施例8)バッキング層形成用塗工液の
組成を下記のものに変えた以外は実施例2と同様の受像
層形成用塗工液および実施例1の支持体を用いて感熱転
写記録用受像シートを製造し、実施例2と同じ感熱転写
記録用インクシートを使用して、実施例1と同様にして
画像を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0184】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
.0部  [化8で表される化合物]   スチレン系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・1.5部  [日本合成ゴム(株)製、JSR 
 AES110]  有機超微粒子・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・0.5部  [日本ペイント(
株)製、マイクロジェルS−5001]  塩化メチレ
ン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50.0部
  ジオキサン・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・30.0部  メチルエチルケトン・・・・・・・
・・・・・・・・・10.0部  シクロヘキサノン・
・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部。
【0185】(実施例9)受像層の支持体として、厚さ
550μmの無機充填剤を含有した白色ポリオレフィン
フィルム[(株)タツノ化学製]を使用し、バッキング
層形成用塗工液の組成を下記のものに変えた以外は実施
例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを製造し、
実施例1と同じ感熱転写記録用インクシートを使用して
、実施例1と同様にして画像を形成し評価した。結果を
表1に示した。
【0186】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
.5部  [化1で表される化合物]   スチレン系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・3.5部  [鐘淵化学(株)製、カネエースB
−11A]  塩化メチレン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・50.0部  ジオキサン・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・30.0部  メチルエ
チルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・10.0
部  シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・
・・・・5.0部。
【0187】(実施例10)受像層の支持体として、厚
さ550μmの無機充填剤を含有した白色ポリオレフィ
ンフィルム[(株)タツノ化学製]を使用し、バッキン
グ層形成用塗工液の組成を下記のものに変えた以外は実
施例2と同様の受像層形成用塗工液を用いて感熱転写記
録用受像シートを製造し、実施例2と同じ感熱転写記録
用インクシートを使用して、実施例1と同様にして画像
を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0188】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
.5部  [化2で表される化合物]   アクリル系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・3.5部  [住友化学工業(株)製、スミペッ
ク−B  MH]  塩化メチレン・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・50.0部  ジオキサン・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部  メ
チルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・1
0.0部  シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・
・・・・・・・5.0部。
【0189】(実施例11)受像層の支持体として、厚
さ188μmの無機充填剤を含有した白色ポリエチレン
テレフタレートフィルム[ダイアホイル(株)製]を使
用し、バッキング層形成用塗工液の組成を下記のものに
変えた以外は実施例1と同様にして感熱転写記録用受像
シートを製造し、実施例1と同じ感熱転写記録用インク
シートを使用して、実施例1と同様にして画像を形成し
評価した。結果を表1に示した。
【0190】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
.5部  [化3で表される化合物]   ポリビニルアセトアセタール樹脂・・・・・・・・
・・・3.5部  [積水化学工業(株)製、エスレッ
クKS−5Z]  塩化メチレン・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・50.0部  ジオキサン・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部  メチ
ルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・10
.0部  シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・5.0部。
【0191】(実施例12)受像層の支持体として、厚
さ500μmのABS樹脂フィルム[筒中プラスチック
工業(株)製]を使用し、バッキング層形成用塗工液の
組成を下記のものに変えた以外は実施例2と同様の受像
層形成用塗工液を用いて感熱転写記録用受像シートを製
造し、実施例2と同じ感熱転写記録用インクシートを使
用して、実施例1と同様にして画像を形成し評価した。 結果を表1に示した。
【0192】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
.5部  [化4で表される化合物]   塩化ビニル系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・
・・・3.5部  [ユニオンカーバイト社製、ビニラ
イトVYHH]  塩化メチレン・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・50.0部  ジオキサン・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部  メチ
ルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・10
.0部  シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・5.0部。
【0193】(実施例13)受像層の支持体として、厚
さ500μmの無機充填剤を含有した白色ポリ塩化ビニ
ルフィルム[太平化学製品(株)製]を使用し、バッキ
ング層形成用塗工液の組成を下記のものに変えた以外は
実施例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを製造
し、実施例1と同じ感熱転写記録用インクシートを使用
して、実施例1と同様にして画像を形成し評価した。結
果を表1に示した。
【0194】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
.5部  [化5で表される化合物]   セルロース系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・
・・・3.5部  [旭化成工業(株)製、セルノバB
TH1]  塩化メチレン・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・40.0部  ジオキサン・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・30.0部  メチルエチ
ルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・20.0部
  シクロヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・
・・・5.0部。
【0195】(実施例14)受像層の支持体として、厚
さ125μmの無機充填剤を含有した白色のポリプロピ
レンフィルム[王子油化合成紙(株)製]を使用し、バ
ッキング層形成用塗工液の組成を下記のものに変えた以
外は実施例2と同様の受像層形成用塗工液を用いて感熱
転写記録用受像シートを製造し、実施例2と同じ感熱転
写記録用インクシートを使用して、実施例1と同様にし
て画像を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0196】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
.5部  [化6で表される化合物:MeはPt]  
ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・
・3.5部  [東洋紡(株)製、バイロン290] 
 塩化メチレン・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・50.0部  ジオキサン・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・30.0部  メチルエチルケトン・
・・・・・・・・・・・・・・・10.0部  シクロ
ヘキサノン・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.
0部。
【0197】(実施例15)受像層の支持体として、厚
さ550μmの無機充填剤を含有した白色ポリオレフィ
ンフィルム[(株)タツノ化学製]を使用し、バッキン
グ層形成用塗工液の組成を下記のものに変えた以外は実
施例1と同様にして感熱転写記録用受像シートを製造し
、実施例1と同じ感熱転写記録用インクシートを使用し
て、実施例1と同様にして画像を形成し評価した。結果
を表1に示した。
【0198】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
.5部  [化1で表される化合物]   スチレン系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・2.5部  [鐘淵化学(株)製、カネエースB
−11A]  シリコーン樹脂微粉末・・・・・・・・
・・・・・・・・1.0部  [東芝シリコーン(株)
製、トスパール108]  塩化メチレン・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・50.0部  ジオキサン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部
  メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・
・・10.0部  シクロヘキサノン・・・・・・・・
・・・・・・・・・・5.0部。
【0199】(実施例16)受像層の支持体として、厚
さ550μmの無機充填剤を含有した白色ポリオレフィ
ンフィルム[(株)タツノ化学製]を使用し、バッキン
グ層形成用塗工液の組成を下記のものに変えた以外は実
施例2と同様の受像層形成用塗工液を用いて感熱転写記
録用受像シートを製造し、実施例2と同じ感熱転写記録
用インクシートを使用して、実施例1と同様にして画像
を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0200】         バッキング層形成用塗工液;  金属
錯体高分子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
.5部  [化2で表される化合物]   アクリル系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・2.5部  [住友化学工業(株)製、スミペッ
ク−B  MH]  有機超微粒子・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・1.0部  [日本ペイント(
株)製、マイクロジェルS−5001]  塩化メチレ
ン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50.0部
  ジオキサン・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・30.0部  メチルエチルケトン・・・・・・・
・・・・・・・・・10.0部  シクロヘキサノン・
・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0部。
【0201】(比較例1)実施例1のバッキング層形成
用塗工液に代えて、金属錯体高分子を含まない以外は同
様の組成の塗工液を用いて、バッキング層(金属錯体高
分子を含まないもの)を形成した以外は、実施例1と同
様にして従来型の感熱転写記録用受像シートを製造し、
実施例1と同じ感熱転写記録用インクシートを使用して
、実施例1と同様にして画像を形成し評価した。結果を
表1に示した。
【0202】(比較例2)実施例7のバッキング層形成
用塗工液に代えて、金属錯体高分子を含まない以外は同
様の組成の塗工液を用いて、バッキング層(金属錯体高
分子を含まないもの)を形成した以外は、実施例7と同
様にして従来型の感熱転写記録用受像シートを製造し、
実施例1と同じ感熱転写記録用インクシートを使用して
、実施例1と同様にして画像を形成し評価した。結果を
表1に示した。
【0203】(比較例3)バッキング層形成用塗工液に
代えて、金属錯体高分子を含まない下記の組成の塗工液
を用いてバッキング層(金属錯体高分子を含まないもの
)を形成した以外は実施例1と同様にして従来型の感熱
転写記録用受像シートを製造し、実施例1と同じ感熱転
写記録用インクシートを使用して、実施例1と同様にし
て画像を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0204】         バッキング層形成用塗工液;  ポリ
エステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・29
.7部  [東洋紡績(株)製、バイロン290]  
カチオン系界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・
・0.3部  [三洋化成(株)製、サンスタット20
12A]  エチルメチルケトン・・・・・・・・・・
・・・・・・65.0部  シクロヘキサノン・・・・
・・・・・・・・・・・・・・5.0部。
【0205】(比較例4)バッキング層形成用塗工液に
代えて、金属錯体高分子を含まない下記の組成の塗工液
を用いてバッキング層(金属錯体高分子を含まないもの
)を形成した以外は実施例2と同様にして従来型の感熱
転写記録用受像シートを製造し、実施例1と同じ感熱転
写記録用インクシートを使用して、実施例2と同様にし
て画像を形成し評価した。結果を表1に示した。
【0206】         バッキング層形成用塗工液;  導電
性樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
.0部  [ニューファインケミカル(株)製、エレク
ノンOR−4000C]  アルコール・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・75.0部。
【0207】(比較例5)実施例10のバッキング層形
成用塗工液に代えて、金属錯体高分子を含まない以外は
同様の組成の塗工液を用いて、バッキング層(金属錯体
高分子を含まないもの)を形成した以外は、実施例10
と同様にして従来型の感熱転写記録用受像シートを製造
し、実施例2と同じ感熱転写記録用インクシートを使用
して、実施例1と同様にして画像を形成し評価した。結
果を表1に示した。
【0208】(比較例6)実施例15のバッキング層形
成用塗工液に代えて、金属錯体高分子を含まない以外は
同様の組成の塗工液を用いて、バッキング層(金属錯体
高分子を含まないもの)を形成した以外は、実施例15
と同様にして従来型の感熱転写記録用受像シートを製造
し、実施例2と同じ感熱転写記録用インクシートを使用
して、実施例1と同様にして画像を形成し評価した。結
果を表1に示した。
【0209】
【表1】
【0210】
【発明の効果】本発明によると、感熱転写記録用受像シ
ートのバッキング層中に、金属錯体高分子(配位金属型
高分子、シグマ結合金属型高分子あるいはそれらの混合
型高分子)を配合しているので、耐電防止性等に優れ、
画像形成の際の搬送時における二枚(複数枚)給紙防止
性、画像形成時における走行安定性、ゴミ(異物)付着
等による白抜け防止性、画像形成前後に重ねた際の背面
と受像面(画像面)とのべたつき防止性等が著しく改善
されており、特に自動車運転免許証等のIDカード類を
はじめとする種々の画像記録の作製に有利に用いること
ができる実用上著しく有用な感熱転写記録用受像シート
を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  支持体と、支持体上に形成された受像
    層と、前記支持体の受像層側とは反対側の面上に形成さ
    れた、金属錯体高分子を含有するバッキング層とを有す
    ることを特徴とする感熱転写記録用受像シート。
  2. 【請求項2】  前記金属錯体高分子が配位結合を受け
    ている金属原子を有する高分子である請求項1に記載の
    感熱転写記録用受像シート。
  3. 【請求項3】  前記金属錯体高分子が他の原子とシグ
    マ結合で結合している金属原子を有する高分子である請
    求項1に記載の感熱転写記録用受像シート。
  4. 【請求項4】  前記金属錯体高分子が、少なくとも、
    Me−C、Me−N、Me−O、Me−S又はMe−M
    e結合(但し、Meは金属原子を表し、Me−Meにお
    けるMeは互いに同じ種類でもよく、異なる種類のもの
    でもよい。)を有するものである請求項1〜3のいずれ
    かに記載の感熱転写記録用受像シート。
  5. 【請求項5】  前記金属錯体高分子における金属の少
    なくとも一種が遷移金属である請求項1〜4のいずれか
    に記載の感熱転写記録用受像シート。
  6. 【請求項6】  前記金属錯体高分子における金属の少
    なくとも一種が周期表IIIB〜VIB 族に属する元
    素である前記請求項1〜4のいずれかに記載の感熱転写
    記録用受像シート。
  7. 【請求項7】  前記バッキング層は、無機微粒子およ
    び/または樹脂微粒子を含有することを特徴とする前記
    請求項1〜6のいずれかに記載の感熱転写記録用受像シ
    ート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006241454A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Samsung Total Petrochemicals Co Ltd 耐スクラッチ特性が優れたポリプロピレン樹脂組成物
JP2010521632A (ja) * 2007-03-16 2010-06-24 アー ライモント エ カンパニュイ 固定具

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