JPH0432009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、正逆転ロータリにおける正逆転兼用
耕耘爪の取付構造に関し、耕耘爪の揺動に摩擦抵
抗を与える爪弾圧部材を設けても、耕耘爪の両側
で支持軸を強固に支持できるようにすることを目
的とする。

アツプカツト方式とダウンカツト方式との両法
で耕耘できる正逆転ロータリにおいては、正逆転
切換可能な爪軸に対して、前後縁に刃部を有する
耕耘爪を正転作業姿勢と逆転作業姿勢とに切換る
ために爪軸回転方向に揺動自在に取付けている。

耕耘爪の姿勢変更は、爪軸の回転方向を切換え
て土に打込まれたときのみ行なわれれば良いので
あり、作業中に遠心力によつて、耕耘爪が中立姿
勢へ自由に揺動することは、打込み毎に過大衝撃
を発生し、耕耘爪又は爪支持体の破損につながる
ため好ましくない。そのため、耕耘爪の揺動に摩
擦抵抗を与える爪弾圧部材を設ける必要がある。

しかし、耕耘爪を支持する支持軸は爪軸に固定
の１対の爪支持板に支持しても、支持軸のフラン
ジ部と耕耘爪との間に爪弾圧部材を介在させる
と、この爪弾圧部材は一方の爪支持板の孔内に配
置しなければならなく、支持軸は実質的に他方の
爪支持板のみによる片持支持となり、大負荷に耐
えられるだけの強固な支持は困難である。また、
例えフランジ部に一方の爪支持板の孔と適合する
インローを形成しても、その当接位置は耕耘爪か
ら遠く、且つ当接幅が短かくなるか又は爪支持板
の肉厚を厚くしなければならなく、他方の爪支持
板による支持と略同等のものは得難い。

本考案は、このような種々の問題点を解消した
ものであり、その特徴とするところは、正逆転切
換可能な爪軸に１対の爪支持板を間隔をおいて突
設し、この１対の爪支持板間に前後縁に刃部を有
する耕耘爪の取付基部を挿入し、軸部とフランジ
部とを有する支持軸の前記軸部を一方の爪支持板
と耕耘爪に貫通して他方の爪支持板に対して固定
し、フランジ部を一方の爪支持板の外面に当接
し、軸部３６の外周であつて耕耘爪とフランジ部
との間に耕耘爪の爪軸回転方向の揺動に摩擦抵抗
を与える爪弾圧部材を介在させ、フランジ部に爪
弾圧部材を包囲する環状突起を形成し、一方の爪
支持板に環状突起に嵌合する孔を形成し、更に、
耕耘爪２２を正転または逆転作業姿勢に保持すべ
く該耕耘爪２２の取付基部２３が接当するストツ
パ手段５８を、爪支持板３５ａ，３５ｂの間隙内
に設けている。点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図は正逆転ロータリ耕耘機１の全体構成を
示しており、このロータリ耕耘機１は機枠２、耕
耘部３及び耕耘カバー装置４等で主構成されてお
り、図外のトラクタに三点リンク機構を介して昇
降自在に装着されている。

前記機枠２は、正逆転ギヤ伝動機構を組込んだ
ギヤケース５の左右にサポートアーム６を突設
し、各サポートアーム６の外端に伝動ケース７と
サイドフレーム１８とが固定されて構成されてい
る。８はギヤケース５から前方へ突出した入力
軸、９は入力軸８の動力を伝動ケース７へ伝達す
る伝動軸、１０は機枠２から後方へ延設された支
持枠で、この支持枠１０はゲージ輪１１を支持し
ており、高さ調整機構１２で角度調整自在になつ
ている。

耕耘カバー装置４は、機枠２に固定の主カバー
１３と、この主カバー１３の後端に枢支された後
部カバー１４と、左右１対のサイドカバー１５と
を有し、前記後部カバー１４は均平圧調整機構１
６によつて吊下げられている。また、主カバー１
３の後端には櫛歯状のレイキ１７が角度調整自在
に取付けられ、後部カバー１４と耕耘部３との間
に位置して、耕耘土を表層細土下層土塊状に整え
る。

耕耘部３は前記伝動ケース７とサイドフレーム
１８とによつて横軸廻り回動自在に支持された爪
軸２０と、この爪軸２０に固着の爪取付け体２１
を介して装着された多数本の耕耘爪２２とを有し
ており、前記爪軸２０はギヤケース５からの動力
によつて正逆転切換自在となつている。

第１〜５図に基いて本考案の第１実施例を説明
する。

前記耕耘爪２２は第１〜３図に示す如く、正面
視略への字形に折曲されており、爪取付け体２１
内に挿入される取付基部２３と刃身部２４とは平
板状に形成され、刃身部２４の先端から折曲され
て掬い部２５となつており、刃身部２４と掬い部
２５の前後縁は側面視円弧状の刃部２６ａ，２６
ｂが形成され、刃身部２４の中央には排土用の略
円形又は玉子形の開口部２７が形成されている。

前記耕耘爪２２は側面視略丸形であるが、前後
非対称形であり、刃部２６ａは刃部２６ｂより曲
率が小さく、ダウンカツト耕耘用となつている。
前記取付基部２３には爪取付け体２１に対して枢
支するための支持軸３０が貫通する取付孔３１が
形成され、また、爪軸２０側の基端縁３２には前
後に円弧凹状の当接面３３が形成されている。当
接面３３ａは耕耘爪２２が正転作業姿勢イ（第２
図仮想線で示すダウンカツト耕耘）のとき、当接
面３３ｂは耕耘爪２２が逆転作業姿勢ロ（第２図
実線で示すアツパカツト耕耘）のとき、夫々爪軸
２０の外周面と面接触して、各作業姿勢を保持
し、これによつて爪軸２０の外周面が爪支持板３
５ａ，３５ｂの間隙内に設けたストツパ手段とな
つている。

前記爪取付け体２１は爪軸１３の外周に径外方
向突出状に溶着された１対の板金製爪支持板３５
ａ，３５ｂでなり、各爪支持板３５は軸方向視略
楕円形で、対称位置に２枚の耕耘爪２２を支持可
能であり、両爪支持板３５は間隔をおいて対向し
ていて内外周縁が側方に折曲されて補強リブの役
目をしている。

支持軸３０は中央に軸部３６を、その一端に軸
部３６より小径の雄ネジ部３７を、他端に大径の
フランジ部３８を夫々形成しており、軸部３６は
一方の爪支持板３５ａと耕耘爪２２の取付孔３１
を貫通し、その段部３９が他方の爪支持板３５ｂ
に当接し、この他方の爪支持板３５ｂを貫通した
雄ネジ部３７にナツト４０を螺合し、これによつ
て支持軸３０は爪支持板３５ｂに対して固定され
ている。

４１は舌付き座金、４２は２枚１組の皿バネ製
の爪弾圧部材で、共に軸部３６に嵌合され、耕耘
爪２２とフランジ部３８との間に介在されてい
る。耕耘爪２２は支持軸３０の廻りで爪軸回転方
向に揺動自在であり、前記爪弾圧部材４２は耕耘
爪２２を他方の爪支持板３５ｂに弾圧し、揺動に
対する摩擦抵抗を与えている。この摩擦抵抗は、
耕耘爪２２が遠心力によつて各作業姿勢イ，ロか
ら中立位置へ揺動しようとする力より大きく、一
方の作業姿勢の耕耘爪２２を逆転させて土に打込
んだときの土反力よりも小さく設定されている。
舌付き座金４１は揺動する耕耘爪２２と爪弾圧部
材４２との摺接を回避するためのものである。

前記支持軸３０のフランジ部３８は内面が一方
の爪支持板３５ａの外面に当接しており、その内
面には環状突起４４が形成されている。この環状
突起４４は前記爪弾圧部材４２及び舌付き座金４
１を包囲する突出量で、一方の爪支持板３５ａの
肉厚と略同一であり、１箇所に切欠部４５が形成
され且つその両側に１対の廻止め突起４６が形成
されている。

一方の爪支持板３５ａには環状突起４４と適合
嵌合する孔４７が形成されている。この孔４７の
１箇所には１対の廻止め突起４６が係合する切欠
部４８が形成されている。前記支持軸３０は環状
突起４４によつて爪支持板３５ａに対して耕耘爪
２２の近傍で支持され且つ廻止めされている。ま
た、環状突起４４の切欠部４５には舌付き座金４
１の舌片４９が係合し、支持軸３０に対する廻止
めが為されている。

第６図は本考案の第２実施例を示しており、一
方の爪支持板３５ａには孔４７のみ形成され切欠
部はなく、環状突起４４には切欠部４５のみ形成
され１対の廻止め突起は形成されていなく、その
代りに、軸部３６と雄ネジ部３７との間に角軸部
５１が形成され、他方の爪支持板３５ｂの孔５２
も角孔となつていて、これにより支持軸３０の廻
止めをしている。

第６図は爪軸２０に延長爪軸５３を取付けた状
態を示しており、この場合、爪軸２０の端部に取
付ける耕耘爪２２′は、取付基部２３から刃身部
２４が爪軸２０の軸線方向に突出した特殊形状の
ものを使用し、爪軸２０と延長爪軸５３との連結
位置で耕耘残しが生じないようにする。

第７，８図に示す本考案の第３実施例におい
て、支持軸３０′は内部中空に形成されていて雄
ネジ部がなく、内部を貫通するボルト５５によつ
て他方の爪支持板３５ｂに対して固定されてお
り、フランジ部３８、環状突起４４及び一方の爪
支持板３５ａの形状は前記第１又は第２実施例の
それらと同一形状である。但し、１対の爪支持板
３５ａ，３５ｂは補強リブのない平板を使用して
いる。

また、この第７図に示す耕耘爪２２″は爪軸２
０に当接しなく、基端縁３２′がＶ字形に形成さ
れており、爪取付け体２１に設けた１対のストツ
パ部材５６と基端縁３２の２つの当接面３３ａ，
３３ｂが当接可能となついる。

前記ストツパ部材５６は２枚の爪支持板３５
ａ，３５ｂを貫通してナツト５７により締結固定
されるものであるが、その中央には耕耘爪２２″
の当接面３３ａ又は３３ｂと当接する偏心カム部
５８が形成され、且つその少なくとも一側に突起
５９又はキーが設けられている。一方、爪支持板
３５にはストツパ貫通孔６０に複数の凹部６１が
形成されていて、前記突起５９が係合可能となつ
ている。

ストツパ部材５６は爪支持板３５から抜いて突
起５９が係合する凹部６１を変更することによ
り、爪支持板３５に対する偏心カム部５８の角度
が変更され、第７図実線と仮想線とで示す如く、
ストツパ部材５６の中心から偏心カム部５８に当
接した当接面３３までの距離が変化し、よつて地
面に対する耕耘爪２２″の打込み角を変えること
ができ、ここに、偏心カム部５８が耕耘爪２２の
取付基部２３が接当する爪支持板３５ａ，３５ｂ
の間隙内に設けたストツパ手段となつている。

尚、本考案においては、爪弾圧部材４２は１枚
の皿バネ、コイルバネ又はその他弾圧可能な部材
でも良く、耕耘爪２２に与える摩擦抵抗の調整は
座金４１の肉厚を変えるか又はシムを介在させ
る。

以上詳述した本考案によれば、他方の爪支持板
３５ｂに対して固定され、且つ耕耘爪２２を揺動
自在にした支持軸３０の軸部３６に、耕耘爪２２
を爪支持板３５ｂ側に弾圧して摩擦抵抗を与える
爪弾圧部材４２を配置していても、支持軸３０の
フランジ部３８に爪弾圧部材４２を包囲する環状
突起４４を突設し、この環状突起４４を一方の爪
支持板３５ａの孔４７内に嵌入しているので、支
持軸３０は他方の爪支持板３５ｂで支持されると
共に環状突起４４で一方の爪支持板３５ｂによつ
ても支持され、耕耘爪２２の両側方で両持ち状の
支持状態となり、また、環状突起４４は爪弾圧部
材４２に邪魔されることなく耕耘爪２２に近い位
置まで形成でき、よつて、耕耘爪２２を強固に且
つ確実に支持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜５図は本考案の第１実施例を示してお
り、第１図は正逆転ロータリ全体を示す断面側面
図、第２図は要部の断面側面図、第３図は第２図
の−線断面図、第４図は要部の拡大断面正面
図、第５図は支持軸と舌付き座金の斜視図、第６
図は本考案の第２実施例を示す断面正面図、第
７，８図は本考案の第３実施例を示しており、第
７図は断面側面図、第８図は第７図の−線断
面図である。 １……ロータリ耕耘機、２０……爪軸、２１…
…爪取付け体、２２……耕耘爪、２６……刃部、
３０……支持軸、３５……爪支持板、３６……軸
部、３７……雄ネジ部、３８……フランジ部、４
２……爪弾圧部材、４４……環状突起、４７……
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正逆転切換可能な爪軸２０に１対の爪支持板３
   ５ａ，３５ｂを間隔をおいて突設し、この１対の
   爪支持板３５ａ，３５ｂ間に前後縁に刃部２６
   ａ，２６ｂを有する耕耘爪２２の取付基部２３を
   挿入し、軸部３６とフランジ部３８とを有する支
   持軸３０の前記軸部３６を一方の爪支持板３５ａ
   と耕耘爪２２に貫通して他方の爪支持板３５ｂに
   対して固定し、フランジ部３８を一方の爪支持板
   ３５ａの外面に当接し、軸部３６の外周であつて
   耕耘爪２２とフランジ部３８との間に耕耘爪２２
   の爪軸回転方向の揺動に摩擦抵抗を与える爪弾圧
   部材４２を介在させ、フランジ部３８に爪弾圧部
   材４２を包囲する環状突起４４を形成し、一方の
   爪支持板３５ａに環状突起４４に嵌合する孔４７
   を形成し、更に、耕耘爪２２を正転または逆転作
   業姿勢に保持すべく該耕耘爪２２の取付基部２３
   が接当するストツパ手段５８を、爪支持板３５
   ａ，３５ｂの間隙内に設けていることを特徴とす
   る正逆転兼用耕耘爪の取付構造。