JPH04319490A - イエロー色系感熱昇華転写シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、感熱昇華転写システム
用のイエロー色系感熱昇華転写シートに関するものであ
る。

【０００２】更に詳細には、特にサーマルヘッド等の発
熱素子による加熱により受像紙上に昇華転写して、階調
性良好なカラーコピーを得る方式において、良好な染着
性及び発色性を有しかつ堅牢度の優れたカラーコピーが
得られる転写シートに関するものである。

【０００３】

【従来の技術】感熱昇華転写システムは、昇華熱転写用
色素を含むインキを塗布した熱転写シートを受像紙と重
ね合わせサーマルヘッドで加熱、圧着することにより色
素を昇華させ受像紙へ移行させて、階調性良好なフルカ
ラーコピーを得る方式である。

【０００４】感熱昇華記録方式の特徴の第１はハード機
器的にサーマルヘッドが主体として用いられていること
であり、コンパクトで保守性、信頼性に優れている。第
２に分子レベルでの混色画像を得ることが可能であるた
め、階調性、再現性の優れた銀塩カラー写真に近い記録
が得られる等が挙げられる。

【０００５】更に、この方式は、ＣＧ（コンピューター
グラフィック）、製版システム、ビデオムービーやスチ
ルビデオシステム及びプリペイドカード等多岐にわたる
フルーカラー記録方式として応用されており、最近特に
注目されている。

【０００６】更に詳細には、昇華性色素を塗布した転写
シートを静止画像の色信号により制御されたサーマルヘ
ッドにより加熱することにより、受像紙へ色素を転写記
録する方式であり、転写シートとしては通常、イエロー
、マゼンタ、シアンの３原色を用いる。更に、明暗をつ
ける意味で、上記３原色にブラックを加え４原色を用い
ることもある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】イエロー色系感熱昇華
転写シートに求められる条件は以下の通りである。■転
写シートに塗布する際に用いられるインク中の溶剤並び
にバインダー樹脂に対して色素の相容性又は溶解性が良
好なこと。■転写シートから受像紙に昇華染着する際の
エネルギーが可能な限り低エネルギーでかつ、受像紙上
でカラーバリューのある画像が得られること。■転写さ
れた画像がいわゆる印刷３原色の一つであるイエロー色
で濁りの少ないこと。■転写シート中で色素が加温また
は加湿状態でも再結晶化しないこと。■転写された画像
の耐光性、並びに保存安定性が良好なこと。

【０００８】上記条件の中で特に求められるのは■のイ
ンク中の溶剤に対する溶解度が大きく、かつバインダー
樹脂との相溶性が良好なことである。

【０００９】即ち、感熱昇華転写システムでは、色素が
分子レベルで昇華するため、転写シート上のバインダー
樹脂に完全に溶解している必要がある。色素が転写シー
ト上のバインダー樹脂に不溶解の状態で転写を行うと均
一な画像が得られず、かつ、画像濃度も低く、商品価値
として著しく劣る。

【００１０】更にサーマルヘッドからの熱効率をあげる
ためにリボン上に塗布される色素を含む樹脂層の厚みを
薄くする必要性から■の項目に対する要求が増大してい
る。

【００１１】上記■〜■の転写シートに必要な条件をす
べて満足すべく開発が進んでいるが、現状では昇華性の
良好な色素は、耐久性が悪かったり、保存安定性が不良
などのために、さらに改良が望まれている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する手段として鋭意検討を行い、上記■〜■の条
件をすべて満足するイエロー系配合色素を含有する転写
シートを開発し本発明を完成した。即ち本発明では、一
般式（１）（化３）

【００１３】

【化３】

【００１４】（式中、Ｒ１は置換基を有していてもよい
アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボ
キシル基及びハロゲン基、水素原子を示し、Ｒ２は置換
基を有していてもよいアルキル基を示す。）で表される
色素を一種以上及び一般式（２）（化４）

【化４】

【００１５】

【００１６】（式中、Ａｒは置換基を有していてもよい
フェニル基を示し、Ｘはエステル結合又はエーテル結合
を示し、Ｒは置換基を有していてもよいアルキル基を示
す。）で表される色素をそれぞれ一種以上配合すること
によって、驚くべき事に上記■〜■の条件をすべて満足
する転写シートが得られる事を見出した。

【００１７】一般式（１）のみの化合物を用いた転写シ
ートについては、種々報告されているが、本発明者らが
性能テストをした結果、転写シート中における保存安定
性が悪く、実用的には問題があることを確認した。また
、一般式（２）のみを用いた場合には溶剤への溶解性が
悪く、いずれも単独で用いた場合には商品価値がなかっ
た。

【００１８】従って、本発明は一般式（１）と一般式（
２）を配合することによって、昇華転写シートに求めら
れる目的性能を全て達成できることを見出した点で、非
常に価値のあるものである。

【００１９】以下、本発明を詳しく説明する。一般式（
１）の色素として具体的には表１〜表５のものが例示さ
れる。

【００２０】

【表１】

【００２１】

【表２】

【００２２】

【表３】

【００２３】

【表４】

【００２４】

【表５】

【００２５】一般式（２）の色素として具体的には表６
のものが例示される。

【００２６】

【表６】

【００２７】更に（１）式、（２）式で表される化合物
の配合の割合はイエロー色への色合わせにより決定され
るため任意である。

【００２８】一般式（１）で表される色素は溶剤に対す
る溶解度が完全に良好でなく、転写シート中における保
存安定性に問題があるが、色相は緑味のレモンイエロー
色で濁りが少なく、転写された画像の耐光性並びに保存
安定性も良好である。即ち上記条件■以外はほぼ満たし
ている。

【００２９】又、一般式（２）で表される色素は溶剤に
対する溶解度に問題があるが転写シート中における保存
安定性に優れており、さらに色相的にも緑色のレモンイ
エロー色で濁りが少なく、転写された画像の耐光性並び
に保存安定性も良好である。即ち上記条件■以外は満た
している。

【００３０】本発明においては、転写シート中における
保存安定性が不満足な一般式（１）の色素一種以上と、
溶剤に対する溶解度の点で不満足な一般式（２）の色素
一種以上を組み合わせる事により溶剤並びにバインダー
樹脂に対する溶解性及び転写シート中における保存安定
性が改善され、昇華スピード、カラーバリュー、彩度、
耐光性、保存安定性等、即ち上記条件■〜■をすべて満
足する転写シートを提供することが可能となった。更に
上記組み合わせに他のイエロー色色素を加えても良い結
果が得られる。

【００３１】なお一般式（１）のピリドン系化合物は、
置換アニリン化合物をジアゾ化し、Ｎ−置換ピリドン化
合物とカップリング反応することにより容易に得られる
。

【００３２】転写シートを製造する方法としては、色素
、バインダー樹脂、溶剤より構成される感熱転写記録用
インキを転写シート基材上に塗布し、転写シートを作成
する。この場合の感熱転写記録用インキ中の色素の量は
通常２〜５重量％である。

【００３３】感熱転写記録用インキを調整する樹脂とし
ては、通常の印刷インキに使用されるもので良く、ロジ
ン系、フェノール系、キシレン系、石油系、ビニル系、
ポリアミド系、ニトロセルロース系、アルキルセルロー
ス類などの油性系樹脂あるいはマレイン酸系、アクリル
酸系、カゼイン、シェラック、ニカワなどの水性系樹脂
が使用できる。

【００３４】又インキ調整のための溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの
アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブな
どのセロソルブ類、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類
、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンな
どのケトン類、リグロイン、シクロヘキサン、ケロシン
などの炭化水素類などが使用できる。

【００３５】インクを塗布する転写シートの基材として
は、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリイミドのような耐熱性の良
好なプラスチックのフィルムが適しているがこれらの基
材はサーマルヘッドから色素への伝熱効率を良くするた
め２〜２０μｍ程度の厚さが適当である。

【００３６】又、被記録材としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマ
ー、ポリビニールアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリア
クリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノ
マーの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジア
セテート、セルロース系樹脂、ポリカーボネート、ポリ
スルホン、ポリイミド等からなる繊維、織布、フィルム
、シート、成形物等が挙げられる。

【００３７】特に好ましいものは、ポリエチレンテレフ
タレートからなるシートまたはフィルムである。

【００３８】また、本発明では、該樹脂にシリカゲル等
の酸性微粒子を添加したものを普通紙にコーティングし
たもの、含浸したもの、あるいは樹脂のフィルムをラミ
ネートしたものや、アセチル化処理した特殊な加工紙を
使用することにより高温及び高湿下の画像安定性に優れ
た良好な記録ができる。また、各種樹脂のフィルムある
いはそれから作られた合成紙を使用することもできる。

【００３９】更に、転写記録後転写記録面に例えばポリ
エステルフィルムを熱プレスしラミネートすることによ
り色素の発色を改良し、記録の保存安定化を計ることが
できる。

【００４０】

【発明の効果】本発明の一般式（１）で示される色素を
一種以上及び一般式（２）で示される色素を一種以上を
含むイエロー色系昇華転写シートは、配合された色素の
溶剤並びにバインダー樹脂に対する溶解性が良好であり
、シート上のバインダー樹脂中での色素の保存安定性が
良好である。

【００４１】更に本発明の転写シートは、サーマルヘッ
ド加熱による昇華スピードが良好で、かつ、受像紙に転
写された色相は印刷３原色のイエロー色で、濁りが少な
く、カラーバリューが高い。

【００４２】更に転写された受像紙の耐光性並びに保存
安定性も非常に良好であり、実用上価値あるイエロー色
系昇華転写シートである。

【００４３】

【実施例】以下実施例にて、本発明を詳しく説明する。 実施例中「部」は重量を表す。 実施例１ （１）インキの調整方法

【００４４】

【化５】

【００４５】で表される式（３）のピリドン系化合物１
．２部

【００４６】

【化６】

【００４７】 で表される式（４）のピリドン系化合物０．６部ポリブ
チラール樹脂　　　　　　　　４．５　　部メチルエチ
ルケトン　　　　　　４６．２５　　部トルエン　　　
　　　　　　　　　　　　　４６．２５　　部上記組成
の色素混合物をガラスビーズを使用し、ペイントコンデ
イショナーで約３０分間混合処理をすることにより該イ
ンキを調整した。

【００４８】（２）転写シートの作成方法グラビア校正
機（版深３０μｍ）を用い上記インキを背面に耐熱処理
を施した３．５μ厚のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに乾燥重量が１．０ｇ／ｍ２になるように、塗布乾
燥した。

【００４９】（３）被記録材の作成方法　　　　ポリエ
ステル樹脂　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　０．８　　部（Ｖｙｌｏ
ｎ　　１０３東洋紡製　　Ｔｇ＝４７℃）　　　　　　
ＥＶＡ系高分子可塑剤　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　０．２　　部（エ
ルバロイ７４１ｐ三井ポリケミカル製　　Ｔｇ＝３７℃
） 　　　　アミノ変性シリコーン　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　０．０４　　部（
ＫＦ−８５７信越化学工業製） 　　　　エポキシ変性シリコーン　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　０．０４部（ＫＦ−
１０３信越化学工業製） 　　　　メチルエチルケトン／トルエン／シクロヘキサ
ン　　　　９．０　　部（重量比　　４：４：２） 以上を混合し、塗工液を調整し、合成紙（王子油化製ユ
ポＦＰＧ　　＃１５０）にバーコーター（ＲＫ．Ｐｒｉ
ｎｔ　Ｃｏｒｔ　Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｓ　　社製造　
　Ｎｏ　１０　）を用いて乾燥時　４．５ｇ／ｍ２なる
割合で塗布し、１００℃で１５分間乾燥することにより
作成した。

【００５０】（４）転写記録 上記転写シートと上記被記録材とをそれぞれのインキ塗
布面と塗工液塗布面とを対向させて重ね合わせ、熱転写
シートの裏面からサーマルヘッド印加電圧１０Ｖ，印字
時間４．０ミリ秒の条件で記録を行い、色濃度２．１の
イエロー色の記録を得た。　　なお色濃度は、米国マク
ベス社製造、濃度計ＲＤ−９１８を用いて測定した。ま
た、得られた記録の耐光性試験機としてキセノンフェド
ーメーター（スガ試験機（株）製造）を用いてブラック
パネル温度６３±２　　℃で実施したが、４０時間の照
射でほとんど変色せず、高温及び高湿下の画像の安定性
も優れていた。

【００５１】保存安定性テストは作製した転写シートを
２５℃で２ケ月間放置した後に転写記録を行い、転写シ
ート作製直後の転写記録濃度と比較したところ、色濃度
２．１と全く同じ値が得られ、良好な結果を示した。

【００５２】また、堅ろう度は得られた記録画像を５０
℃の雰囲気中に４８時間放置した後、画像の鮮明さ及び
表面を白紙で摩擦した際の着色により判定したところ、
画像の鮮明さは変化せず、また白紙も着色せず、記録画
像の堅ろう度は良好であった。

【００５３】実施例２〜１１ 実施例１で用いた色素の代わりに表７に示す色素を用い
て、実施例１と同様の方法で転写シート及び被記録材の
作成を行い転写記録を行ったところ、表−９に示す濃度
の印刷３原色のイエロー色が得られ、その堅ろう度は実
施例１と同様優れたものであった。

【００５４】

【表７】

【００５５】比較例 実施例１で用いた色素に替えて表８に示す色素を用いて
実施例１と同様の方法で転写シ−ト及び被記録材の作成
を行い、転写記録を行った。比較例１では色素（Ａ）及
び（Ｂ）は転写リボンシート中にて非常に再結晶しやす
いため、配合しても結晶性向上は認められず、転写リボ
ンシート中の保存安定性も劣りリボン作成時直後の色濃
度は高かったが、２か月後の色濃度は低かった。

【００５６】また比較例２では色素（Ｄ）の溶解度は高
かったが転写リボンシ−ト中の保存安定性が劣り、かつ
色素もオレンジ色であるため、色素（Ｃ）の溶解度の低
い点は改良されたがそれ以外は改良されずリボン作成時
直後に得られた転写画像は高かったが、２か月後の色濃
度は低かった。

【００５７】また比較例３では色素（Ｅ）の溶解度は低
く、又色素（Ｅ）は転写リボン中にて非常に再結晶しや
すいため、転写リボンシート中の保存安定性が劣り色濃
度も低かった。

【００５８】

【表８】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　一般式（１）（化１）【化１】 （式中、Ｒ１は置換基を有していてもよいアルキル基、
   アルコキシカルボニル基、アルキルカルボキシル基及び
   ハロゲン基、水素原子を示し、Ｒ２は置換基を有してい
   てもよいアルキル基を示す。）で表される色素を一種以
   上及び一般式（２）（化２） 【化２】 （式中、Ａｒは置換基を有していてもよいフェニル基を
   示し、Ｘはエステル結合又はエーテル結合を示し、Ｒは
   置換基を有していてもよいアルキル基を示す。）で表さ
   れる色素の一種以上を含有することを特徴とするイエロ
   ー色系感熱昇華転写シート。