JPH04318825A - 遮光羽根用またはアーム用板材 - Google Patents

遮光羽根用またはアーム用板材

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JPH04318825A
JPH04318825A JP3086447A JP8644791A JPH04318825A JP H04318825 A JPH04318825 A JP H04318825A JP 3086447 A JP3086447 A JP 3086447A JP 8644791 A JP8644791 A JP 8644791A JP H04318825 A JPH04318825 A JP H04318825A
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fibers
light
arm
intermediate layer
blade
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JP3086447A
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Takashi Matsubara
隆 松原
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラのフォーカルプ
レンシャッタやレンズシャッタのシャッタ羽根または絞
り羽根のように、高速で運動する事が要求される遮光羽
根または該遮光羽根を支持するアームに使用される板材
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フィルム感度の向上、新しい映像
表現への欲求などから、カメラに対し更に速いシャッタ
スピードが要望されている。シャッタスピードを速くす
るには、駆動系の駆動力を上げてもよいが、そうすると
、電池の容量が不足したり、交換時期が早まるという問
題が出てくる。
【0003】従って、羽根そのものを軽量化する必要が
ある。軽量化するためには、薄くすることが直に着想さ
れるが、そうすると、剛性が極端に低下し、そのため走
行中または停止時に、羽根が波打つ現象が発生する。波
は羽根の長手方向に進行する波である。この現象が発生
すると、或いは発生中に次のシャッタを切ると、羽根は
他の羽根または第2群の羽根と衝突したり、画角を決め
る収納枠に衝突し、破損するという結果に至る。
【0004】従って、遮光羽根用板材には、軽くて高剛
性のものが要求される。この種の遮光羽根用板材として
、特開昭59−61827号、実開昭60−63825
号、特開昭62−199439号、特開昭63−174
35号等に開示されているように、(1)一方向に揃え
られた炭素繊維の連続繊維とこれを包含するマトリック
ス樹脂とからなる強化樹脂製中間層と、(2)一方向に
揃えられた炭素繊維の連続繊維とこれを包含するマトリ
ックス樹脂とからなる強化樹脂製表材層とで構成される
積層構造の板材が提案された。
【0005】波打つ現象を抑制するため、表材層は、繊
維が遮光羽根の長手方向とほぼ平行にしてあり、中間層
は、羽根を強化するため遮光羽根の長手方向とほぼ垂直
にしてある。板材の厚さは、60〜120μm程度であ
る。板材は、当然のことながら、厚さ方向に面対称に積
層されている。また、中間層、表材層共に単一層ではな
く、薄い強化樹脂シートを複数枚積層したものでもよい
【0006】この板材を遮光羽根の所定形状に打抜きま
たは切断することにより20〜50枚程度の軽量、高強
度高剛性の遮光羽根が得られる。この遮光羽根は、1/
8000秒のシャッタスピードを持つカメラに実用化さ
れている。さらにシャッタについて簡単にその動きを説
明しておく。
【0007】図1ないし図3は、本発明における遮光羽
根とアームを応用した公知の縦走りフォーカルプレーン
シャッタを示す正面図である。図1はシャッタがセット
された状態、図2は露光窓15aが開いた状態、図3は
露光窓15aが閉じられた状態を示している。図1ない
し図3において、先羽根アーム1及び先羽根アーム2が
、それぞれ軸21及び軸40のまわりに反時計方向に回
動することにより、ピン7を介して先羽根アーム1、2
に対して回動可能に取り付けられた先羽根3〜6が展開
されて露光窓15aを覆い、一方先羽根アーム1、およ
び2が時計方向に回動することにより、先羽根3〜6が
下方に折り畳まれて露光窓15aを開くようになってい
る。
【0008】同様に、後羽根アーム8及び9がそれぞれ
軸33及び軸41のまわりに、反時計方向に回動するこ
とにより、ピン14を介して後羽根10〜13が上方に
折り畳まれて、露光窓15aを開き、一方後羽根アーム
8および9が時計方向に回動することにより、後羽根1
0〜13が展開されて、露光窓15aを覆うように構成
されている。
【0009】上述したこれらの回動運動は、加速運動で
あるため、先羽根アーム1の穴1aや先羽根アーム1お
よび2のピン7との嵌合部にはその加速度と先羽根系の
慣性質量に応じた力が加わる。そしてこの力は回動中は
働き続ける。次に穴1aに嵌合された駆動ピン17が不
図示の先羽根ブレーキ片に当接すると、この瞬間衝突に
より先羽根駆動ピン17には大きな加速度が生じ、そし
て、この加速度と先羽根系の慣性質量に応じた力が、先
羽根アーム1の穴1aや先羽根アーム1および2のピン
7との嵌合部に加わる。
【0010】以上のことは後羽根アームについても同様
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近、
1/8000秒を越える更に速い超高速シャッタが要求
されつつある。そのため、従来の板材でも未だ重いとい
う第1の問題点が発生した。また、羽根は、駆動系のア
ームと連結する必要があり、これまで、連結は「かしめ
」により実行されてきたが、そのような超高速シャッタ
では、従来の板材は、この連結部の強度が不十分である
という第2の問題点が発生した。
【0012】また、さらに一層の軽量化を図るため、駆
動系のアームも、軽量化を図りたいが、羽根との連結部
に、駆動、停止時の衝撃力がかかるため、炭素繊維強化
樹脂では、この連結部の強度が不十分という第3の問題
点が発生した。本発明の目的は、これらの問題点を同時
に解決することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの問
題点の原因について鋭意研究した結果、(1)マトリッ
クス樹脂の比重が約1.2であるのに対して、炭素繊維
は比重が1.7〜1.8と重いこと、(2)炭素繊維は
、伸び(破断伸度のこと)が比較的小さく、そのため、
大きな応力が羽根に作用したとき比較的早く破断して、
羽根を破損に導くことを見出した。
【0014】そこで、更に研究を進めた結果、本発明者
は、羽根の剛性は、波打ち現象の抑制のため、羽根の長
手方向に湾曲するのを抑制する剛性は必要であるけれど
も、羽根の長手方向に垂直な方向に湾曲するのを抑制す
る剛性は、前者に比べて1/10程度でよく、従って、
前者の剛性に貢献しない中間層には、剛性の高い炭素繊
維を使用する必要はないことを見出した。
【0015】むしろ、本発明者によれば、中間層につい
ては、第2の問題点の解決のため、伸び(特に羽根の長
手方向に対してほぼ垂直な方向の伸び)の大きい材料が
必要である。また、以上のことは羽根を支持するアーム
についても同様であることがわかった。
【0016】本発明者は、次に20種以上の樹脂および
繊維について試行錯誤を繰り返した結果、超高分子量ポ
リエチレン繊維が前記中間層の材料として最適であり、
第1、第2および第3の問題点が同時に解決されること
を見出し、本発明を成すに至った。さらに表材層にもポ
リエチレン繊維を使用した場合、炭素繊維よりも剛性は
劣るが、前記ポリエチレン繊維の密度が0.97(g/
cm3 )と炭素繊維の密度の1.8(g/cm3 )
に比べて軽いため、該炭素繊維を使用した時の重量と同
じにした場合には前記ポリエチレン繊維の板厚を厚くす
ることができ、ほとんど剛性の低下を無視できることが
わかった。もちろん、シャッタの機構等の改良により羽
根、およびアームに必要な剛性が下がれば、板厚をより
薄くしてより一層の軽量化を図ることも可能である。
【0017】よって、本発明は、「遮光羽根またはアー
ムの長手方向とほぼ平行な一方向に揃えられた炭素繊維
または超高分子量ポリエチレン繊維の連続繊維とこれを
包含するマトリックス樹脂からなる2枚の強化樹脂性表
材層と、該表材層の間に挟まれた中間層とからなる積層
構造の遮光用またはそれを支持するアーム用板材におい
て、前記中間層が、超高分子量ポリエチレン繊維とこれ
を包含するマトリックス樹脂とからなる強化樹脂からな
ることを特徴とする板材」を提供する。
【0018】
【作用】超高分子量ポリエチレン繊維は、東洋紡および
オランダDSH社より「ダイニーマ」の登録商標で市販
されているが、これは、炭素繊維に比べて比重が0.9
7と軽い。そのため、羽根は軽くなる。剛性は、炭素繊
維に比べて低いが、中間層に使用する場合、もともと剛
性は余り必要ないことから、これで十分である。
【0019】そして、伸びは、炭素繊維(1%以上1.
5%未満)に比べて、3.5%以上5%以下と大きく、
しかも、引張強度は、炭素繊維と同等である。但し、比
重で割った比引張強度は、ポリエチレン繊維は、炭素繊
維より大きくなる。さらに、耐磨耗性、耐屈曲疲労性も
炭素繊維よりかなり優れている。そのため、連結部に大
きな応力が作用した場合にも、これを緩和して破損に至
ることが防止される。
【0020】繊維の太さ(直径)は、3〜6μm程度が
適当である。中間層に使用する超高分子量ポリエチレン
繊維は、連続繊維(長繊維)でも長さ1〜30mm程度
の短繊維でもよい。短繊維の場合、マトリックス樹脂に
練り込んでコンパウンド(繊維の方向はランダム)の形
で中間層に使用してもよいし、特別な工夫をして繊維方
向を揃えてマトリックス樹脂に含浸させた強化樹脂シー
トを中間層に使用してもよい。後者の場合、繊維方向は
、羽根の長手方向にほぼ垂直にすることが好ましい。
【0021】前記ポリエチレン繊維の連続繊維を用いる
場合、繊維方向は、羽根の長手方向にほぼ垂直にするこ
とが好ましい。ただ、連続繊維は、現在のところプレス
打ち抜きによる切断が難しい欠点はある。前記ポリエチ
レン繊維は、予めランダムに結合されたマット状のもの
を使用してもよい。このマットにマトリックス樹脂を含
浸させた強化樹脂シートを中間層とするのである。
【0022】ポリエチレン繊維とマトリックス樹脂との
比率は、両者の合計重量を基準にして、樹脂が30〜9
0重量%、特に連続繊維の場合、30〜50重量%、短
繊維の場合、60〜90重量%または60〜75重量%
を占めることが好ましい。マトリックス樹脂としては、
例えば、(1)セルロイド、セルロースアセテート、セ
ルロースプロピオネート、セルロースブチレート、6−
ナイロン、6,6−ナイロン、ABS、AS樹脂、高密
度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサル
ホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリアミ
ドエラストマー、マイオノマー、液晶ポリマー、ポリイ
ミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂、PPS、変性ポ
リフェニレンオキサイド等の熱可塑性樹脂、または(2
)エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、
ポリイミドなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0023】熱硬化可能な樹脂液をポリアミド繊維に含
浸させた後、樹脂液をBステージ状態(一応固化してお
り明白な流動性はないが、加熱すれば最終的な硬化が可
能な状態)にしたプリプレグ・シート(prepreg
 sheet )を中間層の前駆体材料にすることが好
ましい。プリプレグ・シート中のポリエチレン繊維は、
連続繊維、一方向に揃えられた短繊維、方向がランダム
な短繊維、マット状のいずれでもよい。
【0024】マット状のポリエチレン繊維を用いる場合
は、このマットに熱硬化可能な樹脂液(溶媒、希釈剤、
硬化剤、充填剤、着色剤、カーボンブラック等を含むも
のでも可)を塗布し乾燥したもの(熱硬化可能)を中間
層の前駆体材料にすることもできる。他方、表材層を構
成する強化樹脂は、既述のように、一方向に揃えられた
炭素繊維の、あるいはポリエチレン繊維の連続繊維とこ
れを包含するマトリックス樹脂とからなる。
【0025】マトリックス樹脂は、中間層と同じものを
使用することができ、この場合も、同様にプリプレグ・
シートを使用することが好ましい。繊維とマトリックス
樹脂との比率は、両者の合計重量を基準にして、樹脂が
30〜90重量%、特に35〜50重量%または60〜
75重量%を占めることが好ましい。
【0026】炭素繊維は、連続繊維であり直径3〜10
μm程度のものが適当である。本発明で使用される板材
を得るには、表材層/中間層/表材層の順に積層・接合
すればよいが、最も好ましい方法は、厚さ10〜60μ
m程度の前駆体材料(例えば、プリプレグ・シート)を
少なくとも中間層に1枚、それを挟む表材層に表裏少な
くとも2枚を、板材の厚さ方向の中心軸に対して面対称
となるよう、積層し、その上で、加熱プレスして、樹脂
液を硬化させる方法である。
【0027】この場合、中間層を非連続的に配置するか
、非連続的に穴を開けておくことにより、積層・接合後
に中空の板材が得られるようにしてもよい。中間層が連
続繊維を含む場合には、この繊維方向が羽根またはアー
ムの長手方向に対してほぼ垂直となるように配置するこ
とが好ましい。また、中間層、表材層共に1枚のプリプ
レグ・シートではなく、複数枚(例えば2〜5枚)重ね
積層して使用してもよい。この場合、中間層または表材
層自身で、交互に繊維方向を直交させても、平行(全て
同一方向)でもよい。
【0028】例えば、表材層に各1枚のプリプレグ・シ
ートを使用し、中間層に2枚のプリプレグ・シート(こ
の2枚は互いに繊維方向が平行)を使用してもよい。ま
た、遮光性、表面潤滑性が不足する場合には、プリプレ
グ・シートに予めカーボンブラックを樹脂液(固形分1
00重量部)に対して5〜15重量%程度添加してもよ
い。カーボンブラックの平均粒径は、0.07μm以下
のものが好ましい。カーボンブラックは表材層だけに添
加してもよいし、中間層だけに添加してもよい。両者そ
れぞれに独特の特徴がでる。或いは両方に添加してもよ
い。
【0029】こうして積層したプリプレグ・シートを加
熱プレスすれば、本発明の板材が得られる。本発明の板
材は、遮光羽根の場合表材層の厚さが15〜40μm程
度、中間層の厚さが20〜50μm程度、全体の厚さが
50〜120μm程度のものが有用である。またアーム
の場合、表材層の厚さが15〜60μm程度、中間層の
厚さが20〜160μm程度、全体の厚さが120〜2
20μm程度のものが有用である。
【0030】この板材の段階で、黒色塗装(ドライルー
プ塗装)を施してもよい。この塗装は、遮光性の向上、
表面反射率の低下、外観美観の向上、表面潤滑性の向上
を目的として実行される。塗膜の厚さは、0.1〜10
μmが適当であるが、0.1〜3μm程度に薄くすると
、板材が反る危険が低下する。本発明の板材を遮光羽根
あるいはアームの所定形状に打抜きまたは切断すること
により、20〜50枚程度の遮光羽根が得られる。この
場合、表材層の炭素繊維が遮光羽根の長手方向とほぼ平
行になるように打抜きまたは切断する。
【0031】こうして得られた羽根の段階で黒色塗装を
施してもよい。以下、実施例に基づき、本発明をより具
体的に説明するが、本発明はこれに限られるものではな
い。
【0032】
【実施例1】(1)先ず、炭素繊維(平均直径6〜7μ
m)が連続繊維で、一方に揃えられており、マトリック
ス樹脂がエポキシ樹脂で、樹脂含有率が35〜45重量
%であり、厚さが15〜25μm(プレス後)のプリプ
レグ・シートAを用意した。 (2)次に、超高分子量ポリエチレン繊維(平均直径1
0μm、長さ1〜30mm)の連続繊維で、一方に揃え
られており、マトリックス樹脂がエポキシ樹脂で、樹脂
含有率が35〜50重量%であり、厚さが20〜50μ
m(成形後)のプリプレグ・シートBを用意した。
【0033】(3)上記シートA2枚とシートB1枚を
用意し、繊維方向が0°(表材層)/90°(中間層)
/0°(表材層)となるように、かつシートの種類がA
(表材層)/B(中間層)/A(表材層)となるように
、上記3枚を面対称に積層し、130℃の温度で5〜1
5kg/cm2 の圧力をかけ、その状態で1〜2時間
放置させることにより、エポキシ樹脂を硬化させ、その
後、室温まで徐冷することにより、板厚50〜100μ
mの板材を得た。
【0034】同様にして多数の板材を製造し、得られた
板材について、板厚ムラ及びソリの有無を調べた。 (4)平面性の良好な1枚の板材から、プレス打抜き加
工により、20〜50枚のフォーカルプレン用遮光羽根
を製造した。但し、表材層の炭素繊維の方向が、遮光羽
根の長手方向とほぼ平行となるように打抜いた。
【0035】このとき、得られた遮光羽根について、板
厚ムラ及びソリの有無を調べた。 (5)平面性の良好な多数の遮光羽根について、その表
裏両面に片面4μmの膜厚でドライルーブ塗装を施した
【0036】
【比較例1】実施例1で用いたプリプレグ・シートAを
3枚用意し、これらのシートを繊維方向が0°/90°
/0°となるように積層し、以下、実施例1と同様にし
て板材、遮光羽根、「塗装付き遮光羽根」を順次製造し
た。塗装により、遮光羽根の内部歪みが顕在化して反り
が発生したものもあった。
【0037】また、実施例1と比較例のうち、表材層/
中間層/表材層の各層について、同一の厚さの板材を選
び、両者について、羽根を打ち抜き、この羽根について
、■単位表面積当たりの重量を測定した後、縦走りシャ
ッタを製作し、このシャッタについて、■1枚の羽根が
24mmの画角を上下する時間(走行速度と言う)を測
定した。この結果を次の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】更に製作したシャッタについて、さらに速
い走行速度についても連続的に上下させる耐久試験を実
施したところ、比較例に比べて実施例のものは、はるか
に優れた耐久性を示した。試験後、羽根を調べてみると
、比較例の羽根はカシメ穴の周辺部にヒビ割れが見られ
、穴の径が上下方向(羽根の長手方向にほぼ垂直な方向
)に拡大していた。それに対して、実施例の羽根は異常
がなかった。
【0040】
【実施例2】実施例1で用いたプリプレグ・シートAと
同じであるが、但し、平均粒径が0.01μm以下のカ
ーボンブラックを樹脂100重量部当たり10重量%添
加したプリプレグ・シートA’を準備した。以下、シー
トAの代わりにシートA’を使用する他は実施例1と同
様にして、板材、遮光羽根、「塗装付き遮光羽根」を順
次製造した。
【0041】
【実施例3】実施例1で用いたプリプレグ・シートBと
同じであるが、但し、平均粒径が0.01μm以下のカ
ーボンブラックを樹脂100重量部当たり10重量%添
加したプリプレグ・シートB1 を準備した。以下、シ
ートBの代わりにシートB1 を使用する他は実施例1
と同様にして、板材、遮光羽根、「塗装付き遮光羽根」
を順次製造した。
【0042】
【実施例4】ポリエチレン繊維がマット状(繊維方向が
ランダム)である点を除いて実施例1で用いたプリプレ
グ・シートBと同様であるプリプレグ・シートB2 を
準備した。以下、シートBの代わりにシートB2 を使
用する他は実施例1と同様にして、板材、遮光羽根、「
塗装付き遮光羽根」を順次製造した。
【0043】
【実施例5】ポリエチレン繊維が短繊維で、かつ長さ1
〜30mmに一方に揃えられており、樹脂含有率が60
〜90重量%である点を除いて実施例1で用いたプリプ
レグ・シートBと同様であるプリプレグシートB3 を
準備した。以下シートBの代わりにシートB3 を使用
する他は実施例1と同様にして板材、遮光羽根、「塗装
付き遮光羽根」を順次製造した。
【0044】
【実施例6】ポリエチレン繊維が連続繊維で、かつ一方
に揃えられており、厚さが65〜80μm(プレス後)
であるプリプレグシートB4 を2シート準備した。こ
れをその繊維方向が同じになるように2シート重ねて中
間層とした。なお、130〜160μmの厚さのプリプ
レグシート1シートを中間層としても良い。
【0045】以下、シートシートBの代わりにシートB
4 を使用する他は実施例1と同様にして板厚160〜
210μmのアーム用板材を得た。平面性の良好な1枚
の板材から特殊な振動プレス抜き加工により、20〜5
0枚のアームを製造し、その表裏表面に片面4μmの膜
厚でドライルーブ塗装を施した。
【0046】
【比較例2】実施例2で用いたプリプレグシートB4 
の代わりに炭素繊維の連続繊維が一方向に揃えられた厚
さ65〜80μmのプリプレグシートB5 を2シート
使用する他は実施例6と同様にして、アームを製造した
。次に上記アームと実施例1の羽根を使用して製作した
シャッタを比較例2とし、実施例6のアームと実施例1
の羽根を使用して製作したシャッタとを用いて、走行速
度2.8msecにて耐久試験を行なった結果、比較例
2のアームの嵌合部は約0.1mm程度の穴拡がりが生
じてしまったが、実施例6のアームはほとんど損傷を受
けていなかった。なお、アームを軽量化した結果として
、従来のチタン材をアームに使用した場合に比較して、
実施例6及び比較例2の両者とも駆動エネルギーを同じ
にした場合、約15%程度走行速度が上がった。
【0047】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、中間層に
炭素繊維に代えて比重が小さく伸びが大きく引張強度が
ほぼ同等の超高分子量ポリエチレン樹脂を用いたので、
以下の効果を奏する。 (1)軽く、それでいて剛性がほとんど低下せず、その
ため超高速で羽根を走行させても波打ち現象がほとんど
発生しないので1/8000秒以上という超高速シャッ
タ・スピードが実現可能になる。しかも(2)連結部の
強度が十分であり、超高速で羽根を走行させても連結部
の破損が生じない。
【0048】さらに、本発明の板材は軽いので駆動エネ
ルギーを低減でき、電源電池に余裕が生まれる。従って
、モータードライブをより高速化できたり、他の機能に
電気エネルギーを提供できるので、より高機能のカメラ
が実現される。特に、本発明の効果は、板厚の薄い板材
において著しく強調される。
【図面の簡単な説明】
【図1】は公知の縦走りフォーカルプレンシャッタの先
、後羽根系の概略を示す構成図であり、シャッタがセッ
トされた状態を示している。
【図2】は縦走りフォーカルプレンシャッタの概略を示
す構成図であり、露光窓が開いた状態を示している。
【図3】は図1の縦走りフォーカルプレンシャッタの概
略を示す構成図であり、露光窓が閉じた状態を示してい
る。
【主要部分の符号の説明】
1、2    先羽根アーム 3〜6    先羽根 7        連結ピン 8、9    後羽根アーム 10〜13  後羽根 14        連結ピン 15        基板 17、18  駆動ピン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  遮光羽根またはアームの長手方向とほ
    ぼ平行な一方向に揃えられた炭素繊維または超高分子量
    ポリエチレン繊維の連続繊維とこれを包含するマトリッ
    クス樹脂とからなる2枚の強化樹脂製表材層と、該表材
    層の間に挟まれた中間層とからなる積層構造の遮光羽根
    用または該遮光羽根を支持するアーム用板材において、
    前記中間層が、超高分子量ポリエチレン繊維とこれを包
    含するマトリックス樹脂とからなる強化樹脂であること
    を特徴とする遮光羽根用またはアーム用板材。
  2. 【請求項2】  前記中間層のポリエチレン繊維が連続
    繊維であり、かつ、その方向が遮光羽根またはアームの
    長手方向にほぼ直交であることを特徴とする、請求項1
    記載の遮光羽根用またはアーム用板材。
  3. 【請求項3】  前記中間層のポリエチレン繊維が短繊
    維であり、かつ、その方向が遮光羽根またはアームの長
    手方向にほぼ直交であることを特徴とする、請求項1記
    載の遮光羽根用またはアーム用板材。
JP3086447A 1991-04-18 1991-04-18 遮光羽根用またはアーム用板材 Pending JPH04318825A (ja)

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JP3086447A Pending JPH04318825A (ja) 1991-04-18 1991-04-18 遮光羽根用またはアーム用板材

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JP (1) JPH04318825A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005301067A (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 投写レンズ

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JP2005301067A (ja) * 2004-04-14 2005-10-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 投写レンズ

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