JPH095828A - フォーカルプレーンシャッタ - Google Patents
フォーカルプレーンシャッタInfo
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- JPH095828A JPH095828A JP7174235A JP17423595A JPH095828A JP H095828 A JPH095828 A JP H095828A JP 7174235 A JP7174235 A JP 7174235A JP 17423595 A JP17423595 A JP 17423595A JP H095828 A JPH095828 A JP H095828A
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- Japan
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- blade
- curtain
- blades
- shutter
- plate thickness
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 特殊使用環境下においても中間板や遮光板に
羽根が衝突破損する事故をなくし、チャージエネルギー
の増大を最小限に抑え、FRPの良品率を高めてコスト
低減を図り、耐久性および信頼性の非常に高い1/80
00秒以上の超高速シャッターを提供する。 【構成】 複数枚の分割羽根で構成された先幕(10)
および後幕(20)と、先幕および後幕を駆動する駆動
機構(15、16、30、31)と、分割羽根のうちで
移動量の一番大きいスリット形成羽根(11a、21
a)の剛性を、先幕と後幕とで変え、後幕のスリット形
成羽根(21a)の剛性を高めて、先幕のスリット形成
羽根(11a)の剛性よりも大きくすると共に、移動量
の大きい順に数えて2番目の羽根(12a、22a)の
板厚が、先幕では1番目の羽根(11a)と同等であ
り、後幕では1番目の羽根(21a)より薄く構成され
ている。
羽根が衝突破損する事故をなくし、チャージエネルギー
の増大を最小限に抑え、FRPの良品率を高めてコスト
低減を図り、耐久性および信頼性の非常に高い1/80
00秒以上の超高速シャッターを提供する。 【構成】 複数枚の分割羽根で構成された先幕(10)
および後幕(20)と、先幕および後幕を駆動する駆動
機構(15、16、30、31)と、分割羽根のうちで
移動量の一番大きいスリット形成羽根(11a、21
a)の剛性を、先幕と後幕とで変え、後幕のスリット形
成羽根(21a)の剛性を高めて、先幕のスリット形成
羽根(11a)の剛性よりも大きくすると共に、移動量
の大きい順に数えて2番目の羽根(12a、22a)の
板厚が、先幕では1番目の羽根(11a)と同等であ
り、後幕では1番目の羽根(21a)より薄く構成され
ている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラに使用される縦
走りフォーカルプレーンシャッタ(以下、縦走りを省略
して単にフォーカルプレーンシャッタと言う)に関する
ものである。
走りフォーカルプレーンシャッタ(以下、縦走りを省略
して単にフォーカルプレーンシャッタと言う)に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フィルム感度の向上や新しい映像
表現の欲求などの理由から、カメラのシャッタスピード
やストロボ同調速度の高速化の要望があり、1/800
0秒までの高速シャッタスピードや同調速度1/250
秒を実現したカメラが提供されている。このようなフォ
ーカルプレーンシャッタにおいて、ストロボ同調速度を
超える高速シャッタスピードは、先幕と後幕をタイミン
グをずらして動かし始め、先幕の一番羽根と後幕の一番
羽根との隙間(スリット)の量をある間隔に固定あるい
は速度に合わせて変更させたスリット露光を行なうこと
により実現している。
表現の欲求などの理由から、カメラのシャッタスピード
やストロボ同調速度の高速化の要望があり、1/800
0秒までの高速シャッタスピードや同調速度1/250
秒を実現したカメラが提供されている。このようなフォ
ーカルプレーンシャッタにおいて、ストロボ同調速度を
超える高速シャッタスピードは、先幕と後幕をタイミン
グをずらして動かし始め、先幕の一番羽根と後幕の一番
羽根との隙間(スリット)の量をある間隔に固定あるい
は速度に合わせて変更させたスリット露光を行なうこと
により実現している。
【0003】このシャッターは、4枚又は5枚の分割羽
根(遮光羽根)と、これらを駆動する駆動機構から成
る。遮光羽根は、繊維強化プラスチック板(以下FRP
と言う)で構成したものと、アルミニウム板で構成した
ものと、4枚の羽根のうち移動量の多い2枚をFRPで
構成し、移動量の少ない2枚をアルミニウム板で構成し
たものなどがある。
根(遮光羽根)と、これらを駆動する駆動機構から成
る。遮光羽根は、繊維強化プラスチック板(以下FRP
と言う)で構成したものと、アルミニウム板で構成した
ものと、4枚の羽根のうち移動量の多い2枚をFRPで
構成し、移動量の少ない2枚をアルミニウム板で構成し
たものなどがある。
【0004】FRPは、特開昭59−61827号公報
にも開示されているように、強化繊維として一方向に配
列した炭素繊維とマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂
とを使用したものである。FRPは、前駆体であるプリ
プレグ・シート(prepreg sheet)を複数
枚積層(その繊維方向は互いに直交またはほぼ直交する
ように積層する)し、この積層物全体をプレスしたまま
加熱して硬化させることにより製造される。このように
して製造されたFRP素材は、目的とする遮光羽根の形
状に切断される。切断は、一般にプレスによる打ち抜き
である。
にも開示されているように、強化繊維として一方向に配
列した炭素繊維とマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂
とを使用したものである。FRPは、前駆体であるプリ
プレグ・シート(prepreg sheet)を複数
枚積層(その繊維方向は互いに直交またはほぼ直交する
ように積層する)し、この積層物全体をプレスしたまま
加熱して硬化させることにより製造される。このように
して製造されたFRP素材は、目的とする遮光羽根の形
状に切断される。切断は、一般にプレスによる打ち抜き
である。
【0005】FRPで構成された羽根は、軽量で曲げ剛
性も高く、1/8000秒という高速度のシャッタース
ピードでも、走行中および停止直後の羽根の波打ちが非
常に少なく、また仮に波打っても、例えばアルミニウム
製の羽根に比べて、その波打ち(振動)状態は素早く収
まる。従って、羽根が波打ったまま次のシャッター動作
を行って、羽根同士またはアパーチャ(画角を決定する
もの)に衝突して、羽根が破損したりシャッターが動作
不能になったりすることもなく、非常に高い耐久性能を
実現する事が可能となる。
性も高く、1/8000秒という高速度のシャッタース
ピードでも、走行中および停止直後の羽根の波打ちが非
常に少なく、また仮に波打っても、例えばアルミニウム
製の羽根に比べて、その波打ち(振動)状態は素早く収
まる。従って、羽根が波打ったまま次のシャッター動作
を行って、羽根同士またはアパーチャ(画角を決定する
もの)に衝突して、羽根が破損したりシャッターが動作
不能になったりすることもなく、非常に高い耐久性能を
実現する事が可能となる。
【0006】しかしながら、炭素繊維の直径は3〜8μ
mあり、その配列が悪いと局所的に繊維が多くなったり
少なくなったりして、強度のばらつきや平面性(そり)
の悪化を引き起こす。また何らかの原因で、長期間使用
していると反ってくるような羽根もある。このような羽
根は板厚のばらつきが大きいため、製造段階で廃棄して
しまう。また、積層時の失敗や傷つき等の外観不良品も
廃棄してしまう。更に、塗装すると幾つかの羽根は反っ
てしまうが、塗装で反った羽根も廃棄してしまう。この
ように、FRP製の羽根は品質管理の点で非常に手間が
掛かり、かつ良品率が低く、すなわちコストの非常に高
いものとなっているのが現状である。
mあり、その配列が悪いと局所的に繊維が多くなったり
少なくなったりして、強度のばらつきや平面性(そり)
の悪化を引き起こす。また何らかの原因で、長期間使用
していると反ってくるような羽根もある。このような羽
根は板厚のばらつきが大きいため、製造段階で廃棄して
しまう。また、積層時の失敗や傷つき等の外観不良品も
廃棄してしまう。更に、塗装すると幾つかの羽根は反っ
てしまうが、塗装で反った羽根も廃棄してしまう。この
ように、FRP製の羽根は品質管理の点で非常に手間が
掛かり、かつ良品率が低く、すなわちコストの非常に高
いものとなっているのが現状である。
【0007】一方、アルミニウム製の羽根の場合には、
端面の問題はFRPに比べて非常に少ない、またコスト
もFRPに比べかなり安く済むという利点を有している
が、羽根の重量がかなり重いものとなり、チャージエネ
ルギーの増大を引き起こすだけでなく、走行中および停
止直後の羽根の波打ちが非常に大きく、またその波打ち
(振動)状態はなかなか収まらないため、FRP製の羽
根を使用したシャッターに比べて耐久性が格段に劣るも
のとなっている。
端面の問題はFRPに比べて非常に少ない、またコスト
もFRPに比べかなり安く済むという利点を有している
が、羽根の重量がかなり重いものとなり、チャージエネ
ルギーの増大を引き起こすだけでなく、走行中および停
止直後の羽根の波打ちが非常に大きく、またその波打ち
(振動)状態はなかなか収まらないため、FRP製の羽
根を使用したシャッターに比べて耐久性が格段に劣るも
のとなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近では、1/800
0秒を越える超高速シャッターが要求されつつある。こ
のような要求に応えるためには、上述したような衝突・
破損の防止のみならず、チャージエネルギーの増大を最
小限に抑え、なおかつ品質面やコスト面での改善を図る
必要がある。
0秒を越える超高速シャッターが要求されつつある。こ
のような要求に応えるためには、上述したような衝突・
破損の防止のみならず、チャージエネルギーの増大を最
小限に抑え、なおかつ品質面やコスト面での改善を図る
必要がある。
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、特殊使用環境下においても中間板や遮光板に羽
根が衝突破損する事故をなくし、チャージエネルギーの
増大を最小限に抑え、FRPの良品率を高めてコスト低
減を図り、耐久性および信頼性の非常に高い1/800
0秒以上の超高速シャッターを提供することにある。
もので、特殊使用環境下においても中間板や遮光板に羽
根が衝突破損する事故をなくし、チャージエネルギーの
増大を最小限に抑え、FRPの良品率を高めてコスト低
減を図り、耐久性および信頼性の非常に高い1/800
0秒以上の超高速シャッターを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のフォーカルプレーンシャッタは、複数枚の
分割羽根で構成された先幕(10)および後幕(20)
と、先幕および後幕を駆動する駆動機構(15、16、
30、31)と、分割羽根のうちで移動量の一番大きい
スリット形成羽根(11a、21a)の剛性を、先幕と
後幕とで変え、後幕のスリット形成羽根(21a)の剛
性を高めて、先幕のスリット形成羽根(11a)の剛性
よりも大きくすると共に、移動量の大きい順に数えて2
番目の羽根(12a、22a)の板厚が、先幕では1番
目の羽根(11a)と同等であり、後幕では1番目の羽
根(21a)より薄く構成されている。
に、本発明のフォーカルプレーンシャッタは、複数枚の
分割羽根で構成された先幕(10)および後幕(20)
と、先幕および後幕を駆動する駆動機構(15、16、
30、31)と、分割羽根のうちで移動量の一番大きい
スリット形成羽根(11a、21a)の剛性を、先幕と
後幕とで変え、後幕のスリット形成羽根(21a)の剛
性を高めて、先幕のスリット形成羽根(11a)の剛性
よりも大きくすると共に、移動量の大きい順に数えて2
番目の羽根(12a、22a)の板厚が、先幕では1番
目の羽根(11a)と同等であり、後幕では1番目の羽
根(21a)より薄く構成されている。
【0011】
【作用】上記構成のフォーカルプレーンシャッタにおい
ては、後幕のスリット形成羽根(21a)の剛性を高め
て、先幕のスリット形成羽根(11a)の剛性よりも大
きくすると共に、移動量の大きい順に数えて2番目の羽
根(12a、22a)の板厚が、先幕では1番目の羽根
(11a)と同等であり、後幕では1番目の羽根(21
a)より薄く構成したことで、剛性と重量のバランスに
優れたフォーカルプレーンシャッタが得られる。これに
より、特殊使用環境下においても中間板や遮光板に羽根
が衝突破損する事故をなくし、チャージエネルギーの増
大を最小限に抑え、FRPの良品率を高めてコスト低減
を図り、耐久性および信頼性の非常に高い1/8000
秒以上の超高速シャッターを提供することができる。
ては、後幕のスリット形成羽根(21a)の剛性を高め
て、先幕のスリット形成羽根(11a)の剛性よりも大
きくすると共に、移動量の大きい順に数えて2番目の羽
根(12a、22a)の板厚が、先幕では1番目の羽根
(11a)と同等であり、後幕では1番目の羽根(21
a)より薄く構成したことで、剛性と重量のバランスに
優れたフォーカルプレーンシャッタが得られる。これに
より、特殊使用環境下においても中間板や遮光板に羽根
が衝突破損する事故をなくし、チャージエネルギーの増
大を最小限に抑え、FRPの良品率を高めてコスト低減
を図り、耐久性および信頼性の非常に高い1/8000
秒以上の超高速シャッターを提供することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0013】(第1実施例)
【0014】図1〜図6は、本発明によるフォーカルプ
レーンシャッタの第1実施例を示し、図1は正面図、図
2はスリット露光時の先幕および後幕の移動状態を示す
正面図、図3は分割羽根の分解図、図4および図5は分
割羽根の概略断面図であり、図6はフォーカルプレーン
シャッタの両羽根群(先幕と後幕)、遮光板および中間
板との位置関係を示す分解斜視図である。
レーンシャッタの第1実施例を示し、図1は正面図、図
2はスリット露光時の先幕および後幕の移動状態を示す
正面図、図3は分割羽根の分解図、図4および図5は分
割羽根の概略断面図であり、図6はフォーカルプレーン
シャッタの両羽根群(先幕と後幕)、遮光板および中間
板との位置関係を示す分解斜視図である。
【0015】この実施例のフォーカルプレーンシャッタ
は、先幕10と、後幕20と、シャッタ基板30等から
構成されている。先幕10は、4枚の分割羽根11〜1
4から構成されている。アーム15および16は、それ
ぞれの分割羽根11〜14を支持する。アーム15およ
び16は、シャッタ基板30に植設された軸X1〜X2に
回転可能に連結されている。分割羽根11〜14は、そ
れぞれカシメピン171〜174およびカシメピン18
1〜184により、アーム15および16に回転可能に
連結されている。また、アーム16の孔16aには、駆
動軸31が取り付けられており、この駆動軸31は、シ
ャッタ駆動時に周知のシャッタ駆動装置からの駆動力を
受けて先幕10を開閉する。
は、先幕10と、後幕20と、シャッタ基板30等から
構成されている。先幕10は、4枚の分割羽根11〜1
4から構成されている。アーム15および16は、それ
ぞれの分割羽根11〜14を支持する。アーム15およ
び16は、シャッタ基板30に植設された軸X1〜X2に
回転可能に連結されている。分割羽根11〜14は、そ
れぞれカシメピン171〜174およびカシメピン18
1〜184により、アーム15および16に回転可能に
連結されている。また、アーム16の孔16aには、駆
動軸31が取り付けられており、この駆動軸31は、シ
ャッタ駆動時に周知のシャッタ駆動装置からの駆動力を
受けて先幕10を開閉する。
【0016】後幕20も同様に、4枚の分割羽根21〜
24から構成されている。アーム25および26は、そ
れぞれの分割羽根21〜24を支持する。アーム25お
よび26は、シャッタ基板30に植設された軸X3〜X4
に回転可能に連結されている。分割羽根21〜24は、
それぞれカシメピン271〜274および281〜28
4によりアーム25および26に回転可能に連結されて
いる。また、アーム26の孔26aには、駆動軸32が
取り付けられており、この駆動軸32は、シャッタ駆動
時に周知のシャッタ駆動装置からの駆動力を受けて後幕
20を開閉する。
24から構成されている。アーム25および26は、そ
れぞれの分割羽根21〜24を支持する。アーム25お
よび26は、シャッタ基板30に植設された軸X3〜X4
に回転可能に連結されている。分割羽根21〜24は、
それぞれカシメピン271〜274および281〜28
4によりアーム25および26に回転可能に連結されて
いる。また、アーム26の孔26aには、駆動軸32が
取り付けられており、この駆動軸32は、シャッタ駆動
時に周知のシャッタ駆動装置からの駆動力を受けて後幕
20を開閉する。
【0017】アーム15〜16、アーム25〜26、軸
X1〜X4、カシメピン17〜18、カシメピン27〜2
8、および駆動軸31〜32は、それぞれ分割羽根11
〜14および分割羽根21〜24を移動させる駆動機構
19および29を構成している。
X1〜X4、カシメピン17〜18、カシメピン27〜2
8、および駆動軸31〜32は、それぞれ分割羽根11
〜14および分割羽根21〜24を移動させる駆動機構
19および29を構成している。
【0018】つぎに、この実施例のシャッタ幕につい
て、さらに詳しく説明する。
て、さらに詳しく説明する。
【0019】図3および図4より先幕をまず説明する。
先幕は、板厚90μm〜100μmのFRPから所定の
羽根形状に打ち抜いて羽根本体11a〜12aを形成
し、板厚50μm〜70μmのアルミ合金から所定の羽
根形状に打ち抜いて羽根本体13a〜14aを形成し
た。次いで羽根本体11a〜14aのレンズ側の表面に
厚さ3〜6μmの白色化塗装を施して、高反射率部11
c〜14cを形成し、その後に、羽根11〜14のフィ
ルム側の表面とスリット側の端面に厚さ3〜6μmの黒
色化塗装を行って低反射率部11b〜14bを形成し
た。白色化塗装の反射率は、7〜30%、黒色化塗装の
反射率は、15%以下、好ましくは9%以下、特に好ま
しくは6%以下とした。さらに、分割羽根11〜14に
アーム15および16を連結して先幕が完成する。
先幕は、板厚90μm〜100μmのFRPから所定の
羽根形状に打ち抜いて羽根本体11a〜12aを形成
し、板厚50μm〜70μmのアルミ合金から所定の羽
根形状に打ち抜いて羽根本体13a〜14aを形成し
た。次いで羽根本体11a〜14aのレンズ側の表面に
厚さ3〜6μmの白色化塗装を施して、高反射率部11
c〜14cを形成し、その後に、羽根11〜14のフィ
ルム側の表面とスリット側の端面に厚さ3〜6μmの黒
色化塗装を行って低反射率部11b〜14bを形成し
た。白色化塗装の反射率は、7〜30%、黒色化塗装の
反射率は、15%以下、好ましくは9%以下、特に好ま
しくは6%以下とした。さらに、分割羽根11〜14に
アーム15および16を連結して先幕が完成する。
【0020】次に、後幕については、板厚100μm〜
110μmのFRPから所定の羽根形状に打ち抜いてス
リット形成羽根の羽根本体21a(図5参照)を形成す
るほかは先幕と同様にしてFRPおよびアルミ合金から
所定の羽根形状に打ち抜き、全面に片面厚さ3〜6μm
の黒色化塗装を行って、羽根本体21〜24を形成し
た。先幕と同様に、分割羽根21〜24にアーム25お
よび26を連結して後幕が完成する。なお、ここで使用
するCFRPの炭素繊維の弾性率は約24000kg/
mm2 のものである。
110μmのFRPから所定の羽根形状に打ち抜いてス
リット形成羽根の羽根本体21a(図5参照)を形成す
るほかは先幕と同様にしてFRPおよびアルミ合金から
所定の羽根形状に打ち抜き、全面に片面厚さ3〜6μm
の黒色化塗装を行って、羽根本体21〜24を形成し
た。先幕と同様に、分割羽根21〜24にアーム25お
よび26を連結して後幕が完成する。なお、ここで使用
するCFRPの炭素繊維の弾性率は約24000kg/
mm2 のものである。
【0021】なお、この実施例の板厚100μm〜11
0μmのFRP製のスリット形成羽根の剛性について、
テレダイン・テーバー社製のスティフネス・テスター
(STIFFNESS TESTER)により測定した
スティフネス値は、28〜30gcmであった。
0μmのFRP製のスリット形成羽根の剛性について、
テレダイン・テーバー社製のスティフネス・テスター
(STIFFNESS TESTER)により測定した
スティフネス値は、28〜30gcmであった。
【0022】なお、羽根の良品率を測定した結果、後幕
のスリット形成羽根は従来の場合と比べて、約20%の
良品率向上が図れた。すなわち、従来では、CFRPそ
のものの反り不良や塗装むらによる反りの発生等によ
り、その平面性良品率は約50%〜60%であったが、
CFRPの剛性が上がったことにより、今回その平面性
良品率は約70%〜80%となった。
のスリット形成羽根は従来の場合と比べて、約20%の
良品率向上が図れた。すなわち、従来では、CFRPそ
のものの反り不良や塗装むらによる反りの発生等によ
り、その平面性良品率は約50%〜60%であったが、
CFRPの剛性が上がったことにより、今回その平面性
良品率は約70%〜80%となった。
【0023】最後に、シャッター基盤30に組み上げ
て、図1に示すフォーカルプレーンシャッタSが完成し
た。
て、図1に示すフォーカルプレーンシャッタSが完成し
た。
【0024】以上のような構成を有するフォーカルプレ
ーンシャッタSについて、最高シャッタースピード1/
8000秒でカメラを動かしながら撮影したり、羽根に
走行方向と垂直に近い方向(図1において紙面の表裏方
向)に、加速度を掛けながらシャッターを切るといった
走行実験を繰り返したが、中間板や遮光板に羽根が衝突
するという事故もなく安定した性能が得られた。また走
行上の異常も確認されなかった。
ーンシャッタSについて、最高シャッタースピード1/
8000秒でカメラを動かしながら撮影したり、羽根に
走行方向と垂直に近い方向(図1において紙面の表裏方
向)に、加速度を掛けながらシャッターを切るといった
走行実験を繰り返したが、中間板や遮光板に羽根が衝突
するという事故もなく安定した性能が得られた。また走
行上の異常も確認されなかった。
【0025】比較例として、次の仕様のフォーカルプレ
ーンシャッタを用意した。即ち、先幕および後幕とも、
板厚90μm〜100μmのCFRPから所定の羽根形
状に打ち抜いて羽根本体11a〜12aおよび21a〜
22aを形成し、板厚50μm〜70μmのアルミ合金
から所定の羽根形状に打ち抜いて羽根本体13a〜14
aおよび23a〜24aを形成した。その他は第1実施
例と同様である。このフォーカルプレーンシャッタにつ
いて、最高シャッタースピード1/8000秒でカメラ
を動かしながら撮影したり、羽根に走行方向と垂直に近
い方向(図1において紙面の表裏方向)に、加速度を掛
けながらシャッターを切るといった走行実験を行ったと
ころ、中間板や遮光板に羽根が衝突する事故が生じてし
まった。
ーンシャッタを用意した。即ち、先幕および後幕とも、
板厚90μm〜100μmのCFRPから所定の羽根形
状に打ち抜いて羽根本体11a〜12aおよび21a〜
22aを形成し、板厚50μm〜70μmのアルミ合金
から所定の羽根形状に打ち抜いて羽根本体13a〜14
aおよび23a〜24aを形成した。その他は第1実施
例と同様である。このフォーカルプレーンシャッタにつ
いて、最高シャッタースピード1/8000秒でカメラ
を動かしながら撮影したり、羽根に走行方向と垂直に近
い方向(図1において紙面の表裏方向)に、加速度を掛
けながらシャッターを切るといった走行実験を行ったと
ころ、中間板や遮光板に羽根が衝突する事故が生じてし
まった。
【0026】(第2実施例)
【0027】この実施例では、先幕は、板厚80μm〜
90μmのFRPから所定の羽根形状に打ち抜いて羽根
本体11a〜12aを形成した。その他は第1実施例と
同じである。第2実施例についても、最高シャッタース
ピード1/8000秒でカメラを動かしながら撮影した
り、羽根に走行方向と垂直に近い方向(図1において紙
面の表裏方向)に、加速度を掛けながらシャッターを切
るといった走行実験を繰り返したが、中間板や遮光板に
羽根が衝突するという事故もなく安定した性能が得られ
た。また走行上の異常も確認されなかった。
90μmのFRPから所定の羽根形状に打ち抜いて羽根
本体11a〜12aを形成した。その他は第1実施例と
同じである。第2実施例についても、最高シャッタース
ピード1/8000秒でカメラを動かしながら撮影した
り、羽根に走行方向と垂直に近い方向(図1において紙
面の表裏方向)に、加速度を掛けながらシャッターを切
るといった走行実験を繰り返したが、中間板や遮光板に
羽根が衝突するという事故もなく安定した性能が得られ
た。また走行上の異常も確認されなかった。
【0028】また、先幕のスリット形成羽根と2番羽根
に板厚80μm〜90μmのCFRPを使用したことに
より、チャージエネルギーは第1実施例より減少した。
に板厚80μm〜90μmのCFRPを使用したことに
より、チャージエネルギーは第1実施例より減少した。
【0029】(第3実施例)
【0030】この実施例では、後幕の分割羽根のうち、
板厚90μm〜100μmのCFRPから所定の羽根形
状に打ち抜いてスリット形成羽根の羽根本体21aを形
成し、2番羽根に板厚80μm〜90μmのCFRPを
使用した。その他は第2実施例と同じである。ただし、
後幕のスリット形成羽根に使用するCFRPの炭素繊維
の弾性率は、約30000kg/mm2 のものであり、
他の羽根に使用するCFRPの炭素繊維の弾性率は、一
般の24000kg/mm2 である。第3実施例につい
ても、最高シャッタースピード1/8000秒でカメラ
を動かしながら撮影したり、羽根に走行方向と垂直に近
い方向(図1において紙面の表裏方向)に、加速度を掛
けながらシャッターを切るといった走行実験を繰り返し
たが、中間板や遮光板に羽根が衝突するという事故もな
く安定した性能が得られた。また走行上の異常も確認さ
れなかった。なお、この実施例のスリット形成羽根のス
ティフネス値は33〜38gcmであった。
板厚90μm〜100μmのCFRPから所定の羽根形
状に打ち抜いてスリット形成羽根の羽根本体21aを形
成し、2番羽根に板厚80μm〜90μmのCFRPを
使用した。その他は第2実施例と同じである。ただし、
後幕のスリット形成羽根に使用するCFRPの炭素繊維
の弾性率は、約30000kg/mm2 のものであり、
他の羽根に使用するCFRPの炭素繊維の弾性率は、一
般の24000kg/mm2 である。第3実施例につい
ても、最高シャッタースピード1/8000秒でカメラ
を動かしながら撮影したり、羽根に走行方向と垂直に近
い方向(図1において紙面の表裏方向)に、加速度を掛
けながらシャッターを切るといった走行実験を繰り返し
たが、中間板や遮光板に羽根が衝突するという事故もな
く安定した性能が得られた。また走行上の異常も確認さ
れなかった。なお、この実施例のスリット形成羽根のス
ティフネス値は33〜38gcmであった。
【0031】また、後幕のスリット形成羽根に板厚90
μm〜100μmのCFRPを使用し、2番羽根に板厚
80μm〜90μmのCFRPを使用したことにより、
チャージエネルギーは第1および第2実施例より減少し
た。
μm〜100μmのCFRPを使用し、2番羽根に板厚
80μm〜90μmのCFRPを使用したことにより、
チャージエネルギーは第1および第2実施例より減少し
た。
【0032】(第4実施例)
【0033】この実施例では、先幕と後幕の分割羽根の
うち、後幕のスリット形成羽根と移動量の大きい順に数
えて3番目の羽根13aおよび23aに、板厚100μ
m〜110μmのCFRP(炭素繊維の弾性率は約30
000kg/mm2 である)を使用し、先幕のスリット
形成羽根と2番羽根、および後幕の2番羽根に、板厚が
70μm〜80μmのCFRP(炭素繊維の弾性率は約
30000kg/mm 2 である)を使用した。その他
は、第1実施例と同じである。第4実施例についても、
最高シャッタースピード1/8000秒とさらに1/1
2000秒でカメラを動かしながら撮影したり、羽根に
走行方向と垂直に近い方向(図1において紙面の表裏方
向)に、加速度を掛けながらシャッターを切るといった
走行実験を繰り返したが、中間板や遮光板に羽根が衝突
するという事故もなく安定した性能が得られた。また走
行上の異常も確認されなかった。
うち、後幕のスリット形成羽根と移動量の大きい順に数
えて3番目の羽根13aおよび23aに、板厚100μ
m〜110μmのCFRP(炭素繊維の弾性率は約30
000kg/mm2 である)を使用し、先幕のスリット
形成羽根と2番羽根、および後幕の2番羽根に、板厚が
70μm〜80μmのCFRP(炭素繊維の弾性率は約
30000kg/mm 2 である)を使用した。その他
は、第1実施例と同じである。第4実施例についても、
最高シャッタースピード1/8000秒とさらに1/1
2000秒でカメラを動かしながら撮影したり、羽根に
走行方向と垂直に近い方向(図1において紙面の表裏方
向)に、加速度を掛けながらシャッターを切るといった
走行実験を繰り返したが、中間板や遮光板に羽根が衝突
するという事故もなく安定した性能が得られた。また走
行上の異常も確認されなかった。
【0034】なお、この実施例の先幕と後幕の3番目の
羽根と後幕のスリット形成羽根のスティフネス値は35
〜43gcmであり、先幕のスリット形成羽根と2番羽
根、および後幕の2番羽根のスティフネス値は16〜2
0gcmであった。
羽根と後幕のスリット形成羽根のスティフネス値は35
〜43gcmであり、先幕のスリット形成羽根と2番羽
根、および後幕の2番羽根のスティフネス値は16〜2
0gcmであった。
【0035】また、羽根の良品率を測定した結果、後幕
のスリット形成羽根および3番羽根は、従来のアルミ合
金の場合と比べて、同じような高い良品率であり、また
先幕のスリット形成羽根と2番羽根、および後幕の2番
羽根についても、炭素繊維の弾性率を高めたことで、薄
い板厚にもかかわらず、良品率の低下はなかった。すな
わち、第1実施例と同様に全体としての良品率は向上
し、チャージエネルギーの低減と機能向上を果たしなが
らコスト低減も図れた。
のスリット形成羽根および3番羽根は、従来のアルミ合
金の場合と比べて、同じような高い良品率であり、また
先幕のスリット形成羽根と2番羽根、および後幕の2番
羽根についても、炭素繊維の弾性率を高めたことで、薄
い板厚にもかかわらず、良品率の低下はなかった。すな
わち、第1実施例と同様に全体としての良品率は向上
し、チャージエネルギーの低減と機能向上を果たしなが
らコスト低減も図れた。
【0036】(第5実施例)
【0037】この実施例では、後幕の分割羽根のうち、
移動量の大きい順に数えて3番目までの羽根21〜23
に使用するFRPの塗装を削除した。その他は、第4実
施例と同じである。第5実施例についても、最高シャッ
タースピード1/8000秒とさらに1/12000秒
でカメラを動かしながら撮影したり、羽根に走行方向と
垂直に近い方向(図1において紙面の表裏方向)に、加
速度を掛けながらシャッターを切るといった走行実験を
繰り返したが、中間板や遮光板に羽根が衝突するという
事故もなく安定した性能が得られた。
移動量の大きい順に数えて3番目までの羽根21〜23
に使用するFRPの塗装を削除した。その他は、第4実
施例と同じである。第5実施例についても、最高シャッ
タースピード1/8000秒とさらに1/12000秒
でカメラを動かしながら撮影したり、羽根に走行方向と
垂直に近い方向(図1において紙面の表裏方向)に、加
速度を掛けながらシャッターを切るといった走行実験を
繰り返したが、中間板や遮光板に羽根が衝突するという
事故もなく安定した性能が得られた。
【0038】なお、この実施例においては、羽根に塗布
する塗装を削除した分、軽量化が図れ、チャージエネル
ギーの低減が図れた。
する塗装を削除した分、軽量化が図れ、チャージエネル
ギーの低減が図れた。
【0039】以上で説明した第1実施例から第5実施例
に共通する事項を、従来例と比較しながら、まとめて説
明する。
に共通する事項を、従来例と比較しながら、まとめて説
明する。
【0040】従来から、シャッターの羽根構成は、先幕
と後幕で同じでないと全体のバランスがとれず、また、
シャッタースピードも耐久回数が進むに従ってばらつい
てしまい、一定しないと考えられていた。そのため、移
動量の大きいスリット形成羽根および2、3番羽根につ
いては特に、先幕と後幕の羽根構成を変えたシャッター
は存在していないのが現状である。そしてなによりも、
従来の考えから、上述の改良を羽根の改良で行おうとし
た場合、先幕および後幕両方の羽根を同時に厚くしてし
まうため、チャージエネルギーの増大はかなり大きいも
のとなってしまい、1/8000秒や1/8000秒を
越えるスピードのシャッターへの適用は困難となってし
まう。
と後幕で同じでないと全体のバランスがとれず、また、
シャッタースピードも耐久回数が進むに従ってばらつい
てしまい、一定しないと考えられていた。そのため、移
動量の大きいスリット形成羽根および2、3番羽根につ
いては特に、先幕と後幕の羽根構成を変えたシャッター
は存在していないのが現状である。そしてなによりも、
従来の考えから、上述の改良を羽根の改良で行おうとし
た場合、先幕および後幕両方の羽根を同時に厚くしてし
まうため、チャージエネルギーの増大はかなり大きいも
のとなってしまい、1/8000秒や1/8000秒を
越えるスピードのシャッターへの適用は困難となってし
まう。
【0041】本発明では、そのタブーを打ち破り、検討
を進めた結果、先幕・後幕の各分割羽根の板厚、剛性を
変えてうまく使い分けるようにしている。本発明の構成
を取ることで、1/8000秒や1/8000秒を越え
るスピードであっても何ら問題とならないことが初めて
分かった。
を進めた結果、先幕・後幕の各分割羽根の板厚、剛性を
変えてうまく使い分けるようにしている。本発明の構成
を取ることで、1/8000秒や1/8000秒を越え
るスピードであっても何ら問題とならないことが初めて
分かった。
【0042】本発明によれば、先幕または後幕のうち、
移動量の一番大きいスリット形成羽根の剛性を、先幕と
後幕とで変え、後幕のスリット形成羽根の剛性を高め、
先幕のスリット形成羽根の剛性よりも大きい構成とした
ことにより、後幕の走行性が良くなり、また羽根の走行
中および停止直後の羽根の波打ちも小さくなり、中間板
や遮光板に羽根が衝突・破損する機会が減ることに繋が
った。そして、なによりも先幕の剛性は高めず弱いまま
にしたため、先幕停止直後の羽根の波打ちがたとえ生じ
ても、中間板や遮光板に極端に大きな振れを誘発するこ
とがなくなり、その結果、中間板や遮光板と後幕が衝突
する事が皆無となった。
移動量の一番大きいスリット形成羽根の剛性を、先幕と
後幕とで変え、後幕のスリット形成羽根の剛性を高め、
先幕のスリット形成羽根の剛性よりも大きい構成とした
ことにより、後幕の走行性が良くなり、また羽根の走行
中および停止直後の羽根の波打ちも小さくなり、中間板
や遮光板に羽根が衝突・破損する機会が減ることに繋が
った。そして、なによりも先幕の剛性は高めず弱いまま
にしたため、先幕停止直後の羽根の波打ちがたとえ生じ
ても、中間板や遮光板に極端に大きな振れを誘発するこ
とがなくなり、その結果、中間板や遮光板と後幕が衝突
する事が皆無となった。
【0043】また、後幕のスリット形成羽根を厚くして
剛性を大きくすることは容易であるため、上述の改良を
図るうえで手間が掛からないばかりか、羽根を厚くした
ことにより、羽根の平面性良品率を高くすることが可能
になった。すなわち、FRP製の羽根の良品率を高め、
コスト低減を同時に果たすことが出来た。
剛性を大きくすることは容易であるため、上述の改良を
図るうえで手間が掛からないばかりか、羽根を厚くした
ことにより、羽根の平面性良品率を高くすることが可能
になった。すなわち、FRP製の羽根の良品率を高め、
コスト低減を同時に果たすことが出来た。
【0044】また、高速走行に必要な剛性とするため
に、単に後幕のスリット形成羽根の板厚を厚くしただけ
では、既存のシャッターの羽根室(羽根やアーム等が走
行する隙間)では狭くなってしまい、シャッターの大き
さを大きくせざるを得ず、結局、カメラ全体の設計変更
を大幅に行うときでしか、適用が難しくなる。すなわ
ち、羽根だけを変更して機能アップを図ることが難くな
ってしまう。
に、単に後幕のスリット形成羽根の板厚を厚くしただけ
では、既存のシャッターの羽根室(羽根やアーム等が走
行する隙間)では狭くなってしまい、シャッターの大き
さを大きくせざるを得ず、結局、カメラ全体の設計変更
を大幅に行うときでしか、適用が難しくなる。すなわ
ち、羽根だけを変更して機能アップを図ることが難くな
ってしまう。
【0045】その点本発明では、先幕のスリット形成羽
根の板厚が薄いことに加え、2番羽根の羽根の板厚を薄
くしてシャッターの羽根室に余裕をもたせたことで、簡
単に、シャッターに適用が図れるし、目的とするチャー
ジエネルギーを縮小させる効果も持たせることができ
る。2番目の羽根の板厚は、50μm〜120μmが好
ましく、更に好ましくは70μm〜100μmである。
根の板厚が薄いことに加え、2番羽根の羽根の板厚を薄
くしてシャッターの羽根室に余裕をもたせたことで、簡
単に、シャッターに適用が図れるし、目的とするチャー
ジエネルギーを縮小させる効果も持たせることができ
る。2番目の羽根の板厚は、50μm〜120μmが好
ましく、更に好ましくは70μm〜100μmである。
【0046】なお、2番羽根の羽根の板厚を薄くしたこ
とにより、1/8000秒を越える様なスピードでは、
2番羽根の羽根触れが大きくなり、幕全体の波打ちを大
きくしてしまうといった心配が生じるが、本発明では、
先幕または後幕のうち、移動量の大きい順に数えて3番
目の羽根が、2番羽根の板厚より厚くして剛性を高めた
ため、2番羽根の羽根触れを3番目の羽根が抑えること
になり、結局羽根の走行中および停止直後の羽根の波打
ちも小さくなり、中間板や遮光板に羽根が衝突・破損す
ることはない。この場合、3番目の羽根の板厚は、80
μm〜150μmが好ましく、更に好ましくは100μ
m〜130μmである。
とにより、1/8000秒を越える様なスピードでは、
2番羽根の羽根触れが大きくなり、幕全体の波打ちを大
きくしてしまうといった心配が生じるが、本発明では、
先幕または後幕のうち、移動量の大きい順に数えて3番
目の羽根が、2番羽根の板厚より厚くして剛性を高めた
ため、2番羽根の羽根触れを3番目の羽根が抑えること
になり、結局羽根の走行中および停止直後の羽根の波打
ちも小さくなり、中間板や遮光板に羽根が衝突・破損す
ることはない。この場合、3番目の羽根の板厚は、80
μm〜150μmが好ましく、更に好ましくは100μ
m〜130μmである。
【0047】また、移動量の大きい順に数えて2番目の
羽根の板厚と、先幕の1番目の羽根の板厚を同等とした
ことや、移動量の大きい順に数えて3番目の羽根の板厚
と、後幕の1番目の羽根の板厚を同等としたことによ
り、使用する羽根の材料の種類を最小限に統一すること
が可能となる。すなわち、本発明のシャッターを作るの
に最低減2種類の羽根材料があれば良いため、在庫管理
の煩雑さや、材料間違いによる不良品の発生も最小限に
抑えることが可能となる。すなわち、コスト低減に繋が
る。
羽根の板厚と、先幕の1番目の羽根の板厚を同等とした
ことや、移動量の大きい順に数えて3番目の羽根の板厚
と、後幕の1番目の羽根の板厚を同等としたことによ
り、使用する羽根の材料の種類を最小限に統一すること
が可能となる。すなわち、本発明のシャッターを作るの
に最低減2種類の羽根材料があれば良いため、在庫管理
の煩雑さや、材料間違いによる不良品の発生も最小限に
抑えることが可能となる。すなわち、コスト低減に繋が
る。
【0048】なお、最高シャッタースピード1/800
0秒や1/8000秒を越える超高速シャッターにおい
て、上述の衝突・破損の危険を回避するためには、後幕
のスリット形成羽根の剛性として、テレダイン・テーバ
ー社製のスティフネス・テスター(STIFFNESS
TESTER V−5 MODEL 150−D)に
より測定したスティフネス値(STIFFNESS U
NITS:羽根をスパンl=10mmでΦ=15°曲げ
たときの曲げモーメントの値にほぼ相当する)が28〜
30gcm以上、更に好ましくは35〜40gcm以上
が必要である事が初めて分かった。STIFFNESS
TESTERによるSTIFFNESS UNITS
は、通常、幅1.5インチ長さ5cmの材料に15°曲
げの力を与えたときに掛かる重量の1/5の曲げモーメ
ントであるが、本発明の場合には、羽根の形状のまま羽
根のほぼ中央を挟み固定し、剛性が高いときに付加する
重りは掛けずに、10mmのスパンで15°曲げた時に
スティフネス・テスターで測定される値を採用してい
る。なお、左右に15°曲げたときのそれぞれの平均値
をとる。測定の概略図を図7に示した。60が回転可能
な試料固定端であり、61が試料、62が試料に曲げの
力を与えるコロ状の力点である。試料の剛性が高いほ
ど、15°の曲げを試料に与えられないためθは大きく
なり、その結果MLsinθであるSTIFFNESS
UNITSは大きくなる。
0秒や1/8000秒を越える超高速シャッターにおい
て、上述の衝突・破損の危険を回避するためには、後幕
のスリット形成羽根の剛性として、テレダイン・テーバ
ー社製のスティフネス・テスター(STIFFNESS
TESTER V−5 MODEL 150−D)に
より測定したスティフネス値(STIFFNESS U
NITS:羽根をスパンl=10mmでΦ=15°曲げ
たときの曲げモーメントの値にほぼ相当する)が28〜
30gcm以上、更に好ましくは35〜40gcm以上
が必要である事が初めて分かった。STIFFNESS
TESTERによるSTIFFNESS UNITS
は、通常、幅1.5インチ長さ5cmの材料に15°曲
げの力を与えたときに掛かる重量の1/5の曲げモーメ
ントであるが、本発明の場合には、羽根の形状のまま羽
根のほぼ中央を挟み固定し、剛性が高いときに付加する
重りは掛けずに、10mmのスパンで15°曲げた時に
スティフネス・テスターで測定される値を採用してい
る。なお、左右に15°曲げたときのそれぞれの平均値
をとる。測定の概略図を図7に示した。60が回転可能
な試料固定端であり、61が試料、62が試料に曲げの
力を与えるコロ状の力点である。試料の剛性が高いほ
ど、15°の曲げを試料に与えられないためθは大きく
なり、その結果MLsinθであるSTIFFNESS
UNITSは大きくなる。
【0049】なお、先幕が畳まれたときの中間板や遮光
板の振動を、振動吸収材等により振動を抑制することは
更に有効である。
板の振動を、振動吸収材等により振動を抑制することは
更に有効である。
【0050】次に、遮光羽根の板材の素材として、FR
Pやチタン、アルミ合金等の軽量金属やプラスチックや
軽量セラミックがある。FRPは、繊維強化樹脂の英文
表現の略称であり、繊維とマトリックス樹脂からなる。
繊維には、炭素繊維の連続繊維の外、芳香族ポリアミド
繊維の連続繊維又は超高分子量ポリエチレン等の連続繊
維を使用することができる。特に中間層には炭素繊維以
外を用いることができる。また、3層構造(表側の表材
層と中間層と裏側の表材層の3層)における中間層に
は、連続繊維ではなく短繊維を用いることもできる。
Pやチタン、アルミ合金等の軽量金属やプラスチックや
軽量セラミックがある。FRPは、繊維強化樹脂の英文
表現の略称であり、繊維とマトリックス樹脂からなる。
繊維には、炭素繊維の連続繊維の外、芳香族ポリアミド
繊維の連続繊維又は超高分子量ポリエチレン等の連続繊
維を使用することができる。特に中間層には炭素繊維以
外を用いることができる。また、3層構造(表側の表材
層と中間層と裏側の表材層の3層)における中間層に
は、連続繊維ではなく短繊維を用いることもできる。
【0051】マトリックス樹脂には、(1)セルロイ
ド、セルロースアセテート、セルロースプロピオネー
ト、セルロースブチレート、6−ナイロン、6,6−ナ
イロン、ABS、AS樹脂、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテ
ルイミド、ポリアリレート、ポリアミドエラストマー、
アイオノマー、液晶ポリマー、ポリイミド、ポリアミド
イミド、フッ素樹脂、PPS、変性ポリフェニレンオキ
サイド等の熱可塑性樹脂、或いは(2)エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミドなどの
熱硬化性樹脂が使用できる。
ド、セルロースアセテート、セルロースプロピオネー
ト、セルロースブチレート、6−ナイロン、6,6−ナ
イロン、ABS、AS樹脂、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテ
ルイミド、ポリアリレート、ポリアミドエラストマー、
アイオノマー、液晶ポリマー、ポリイミド、ポリアミド
イミド、フッ素樹脂、PPS、変性ポリフェニレンオキ
サイド等の熱可塑性樹脂、或いは(2)エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミドなどの
熱硬化性樹脂が使用できる。
【0052】炭素繊維を用いた場合には、炭素繊維は黒
いので、FRPは一応の遮光性がある。しかし、遮光性
を高めるため、プリプレグ・シートを作製する際に、マ
トリックス樹脂の前駆体となる樹脂液中にカーボンブラ
ックを予め添加分散させておいてもよい。あるいは、カ
ーボンブラックを高濃度に混合した樹脂液を別途用意
し、これをロールコーター等を使用して通常のプリプレ
グ・シートに圧入浸透させてもよい。カーボンブラック
は、羽根の滑りを良くする効果がある。仮に羽根が擦れ
ても、滑り易いと、摩耗が少ない。
いので、FRPは一応の遮光性がある。しかし、遮光性
を高めるため、プリプレグ・シートを作製する際に、マ
トリックス樹脂の前駆体となる樹脂液中にカーボンブラ
ックを予め添加分散させておいてもよい。あるいは、カ
ーボンブラックを高濃度に混合した樹脂液を別途用意
し、これをロールコーター等を使用して通常のプリプレ
グ・シートに圧入浸透させてもよい。カーボンブラック
は、羽根の滑りを良くする効果がある。仮に羽根が擦れ
ても、滑り易いと、摩耗が少ない。
【0053】カーボンブラックは、平均粒子径0.07
μm以下特に0.01μm以下のものが好ましい。カー
ボンブラックの配合量は樹脂液(固形分100重量部)
に対し3〜15重量%が好ましい。15重量%以上では
繊維の配列が悪くなりすぎ平面性に悪影響を及ぼす。ま
た樹脂液の流動性も悪くなりすぎるため内部に空孔が発
生したり、層間剥離が起きたりする。プリプレグ・シー
トの樹脂量は、30〜50重量%特に38〜48重量%
が適当である。樹脂量が少ないと、外観上、空孔や微細
クラックが見られ、塗装性も悪化する。更に、素材表面
に凹凸が生じるので、羽根の耐摩耗性、潤滑性が劣り、
さらには美観が悪化する。そのほか、樹脂量が少ないと
樹脂フローの際、縞模様となって現れる事があり、これ
も外観を悪化させる。
μm以下特に0.01μm以下のものが好ましい。カー
ボンブラックの配合量は樹脂液(固形分100重量部)
に対し3〜15重量%が好ましい。15重量%以上では
繊維の配列が悪くなりすぎ平面性に悪影響を及ぼす。ま
た樹脂液の流動性も悪くなりすぎるため内部に空孔が発
生したり、層間剥離が起きたりする。プリプレグ・シー
トの樹脂量は、30〜50重量%特に38〜48重量%
が適当である。樹脂量が少ないと、外観上、空孔や微細
クラックが見られ、塗装性も悪化する。更に、素材表面
に凹凸が生じるので、羽根の耐摩耗性、潤滑性が劣り、
さらには美観が悪化する。そのほか、樹脂量が少ないと
樹脂フローの際、縞模様となって現れる事があり、これ
も外観を悪化させる。
【0054】プリプレグ・シートの繊維目付(1m2当
り何gの繊維が含まれるか)は、10g/m2 〜60g
/m2 である。プリプレグ・シート1層の厚さは、15
〜70μmである。プリプレグ・シートは全て同じ板厚
である必要はない。中立面に対して厚さ方向に面対称に
なるように使用すれば、種々の板厚、種々の目付のもの
を組み合わせることも可能である。もし、板厚が規定値
以内に入るものであれば、全体の曲げ剛性を上げるため
中間層の板厚や目付を表材層(この場合は、表面または
裏面の1層のみを指す)よりも厚くあるいは多くする方
が有利となる。
り何gの繊維が含まれるか)は、10g/m2 〜60g
/m2 である。プリプレグ・シート1層の厚さは、15
〜70μmである。プリプレグ・シートは全て同じ板厚
である必要はない。中立面に対して厚さ方向に面対称に
なるように使用すれば、種々の板厚、種々の目付のもの
を組み合わせることも可能である。もし、板厚が規定値
以内に入るものであれば、全体の曲げ剛性を上げるため
中間層の板厚や目付を表材層(この場合は、表面または
裏面の1層のみを指す)よりも厚くあるいは多くする方
が有利となる。
【0055】プリプレグ・シートは、表材層と中間層と
が繊維の方向が互いに直交またはほぼ直交するように、
かつ中央面から厚さ方向に面対称となるように、少なく
とも3枚以上、例えば3枚、4枚、5枚重ね合わせ、そ
の上で加熱プレス成形して板材とする。これにより未硬
化の熱硬化性樹脂液は、架橋硬化して固まる。こうして
FRP製の板状の素材(厚さ70〜120μm) が得ら
れる。
が繊維の方向が互いに直交またはほぼ直交するように、
かつ中央面から厚さ方向に面対称となるように、少なく
とも3枚以上、例えば3枚、4枚、5枚重ね合わせ、そ
の上で加熱プレス成形して板材とする。これにより未硬
化の熱硬化性樹脂液は、架橋硬化して固まる。こうして
FRP製の板状の素材(厚さ70〜120μm) が得ら
れる。
【0056】各種素材は次いで所定の遮光羽根形状(図
1ないし図2参照)に打ち抜く。1枚の素材から20〜
40枚程の羽根が打ち抜かれる。打ち抜きは、FRPの
場合、表材層の連続繊維の方向が羽根の長手方向と一致
するように行なう。切断時には、連結ピンを通すための
穴を同時に開けることが一般的である。
1ないし図2参照)に打ち抜く。1枚の素材から20〜
40枚程の羽根が打ち抜かれる。打ち抜きは、FRPの
場合、表材層の連続繊維の方向が羽根の長手方向と一致
するように行なう。切断時には、連結ピンを通すための
穴を同時に開けることが一般的である。
【0057】なお、後幕のスリット形成羽根の剛性を大
きくするため、FRPの場合には、単に板厚を厚くする
のではなく、使用する炭素繊維の弾性率を高めることが
効果的である。もちろん、高い弾性率の炭素繊維を使用
してさらに板厚を厚くすれば、より一層走行性も良くな
り波打ちも小さくなるため、1/8000秒や1/80
00秒を越えるスピードにおける安全率が高まるのは言
うまでもない。同様にして、2番羽根や3番羽根に高い
弾性率の炭素繊維を使用したFRPを使用すれば、板厚
を薄くしても剛性の低下を最小限に抑えることが出来る
ため、より好ましい。
きくするため、FRPの場合には、単に板厚を厚くする
のではなく、使用する炭素繊維の弾性率を高めることが
効果的である。もちろん、高い弾性率の炭素繊維を使用
してさらに板厚を厚くすれば、より一層走行性も良くな
り波打ちも小さくなるため、1/8000秒や1/80
00秒を越えるスピードにおける安全率が高まるのは言
うまでもない。同様にして、2番羽根や3番羽根に高い
弾性率の炭素繊維を使用したFRPを使用すれば、板厚
を薄くしても剛性の低下を最小限に抑えることが出来る
ため、より好ましい。
【0058】切断した遮光羽根は、TTLマルチパター
ン調光の場合には、一例として先幕に高反射化塗装を施
す。また、端面特に1番羽根のスリットを形成する端面
は、低反射化塗装を施す。羽根はまとめて治具等にセッ
トしてスリット側の端面だけに低反射化塗装を施すと、
効率がよい。
ン調光の場合には、一例として先幕に高反射化塗装を施
す。また、端面特に1番羽根のスリットを形成する端面
は、低反射化塗装を施す。羽根はまとめて治具等にセッ
トしてスリット側の端面だけに低反射化塗装を施すと、
効率がよい。
【0059】1番羽根のスリットを形成する端面が、高
反射化塗装のままであったり、アルミ合金やチタン等の
高反射基材が露出している場合、スリットにおいて拡散
反射が不均一に起こりやすく、露光ムラが生じてしま
う。これは、高反射化塗装の拡散反射率が、波長によっ
て異なるためではないかと考えている。FRP製の羽根
の場合にはそれ自体の拡散反射率が6%以下であるた
め、端面にFRPがそのまま露出していても特に問題が
ない。なお、高反射化塗装の拡散反射率は7〜30%、
低反射化塗装の拡散反射率は、7%以下、好ましくは6
%以下とする。
反射化塗装のままであったり、アルミ合金やチタン等の
高反射基材が露出している場合、スリットにおいて拡散
反射が不均一に起こりやすく、露光ムラが生じてしま
う。これは、高反射化塗装の拡散反射率が、波長によっ
て異なるためではないかと考えている。FRP製の羽根
の場合にはそれ自体の拡散反射率が6%以下であるた
め、端面にFRPがそのまま露出していても特に問題が
ない。なお、高反射化塗装の拡散反射率は7〜30%、
低反射化塗装の拡散反射率は、7%以下、好ましくは6
%以下とする。
【0060】さらに、後幕はFRP製の羽根の場合、低
反射化塗装である黒色塗装を施しても施さなくてもどち
らでもよい。低反射化塗装を施さなくてもそれ自体の拡
散反射率が6%以下であるため、幕間漏光は生じず、ま
た走行性も特に問題とならない。またさらに、低反射化
塗装を施さないことで、その分、軽量化が図れるため、
より好ましい。なお、以上では図面を引用して実施例に
より本発明をより具体的に説明したが、本発明はこれに
限られるものではない。
反射化塗装である黒色塗装を施しても施さなくてもどち
らでもよい。低反射化塗装を施さなくてもそれ自体の拡
散反射率が6%以下であるため、幕間漏光は生じず、ま
た走行性も特に問題とならない。またさらに、低反射化
塗装を施さないことで、その分、軽量化が図れるため、
より好ましい。なお、以上では図面を引用して実施例に
より本発明をより具体的に説明したが、本発明はこれに
限られるものではない。
【0061】以上で説明した実施例によれば、特殊使用
環境下においても、中間板や遮光板に羽根が衝突・破損
するという事故をなくし、羽根の良品率を高めコスト低
減を図り、耐久性の非常に高い1/8000秒および1
/8000秒を越える超高速シャッターを簡単に、そし
てより安価に提供することができた。また、チャージエ
ネルギーの低減を図ることも可能であるため、シャッタ
ー以外に電気容量を費やすことが出来るため、新規機能
追加への対応が楽になる。
環境下においても、中間板や遮光板に羽根が衝突・破損
するという事故をなくし、羽根の良品率を高めコスト低
減を図り、耐久性の非常に高い1/8000秒および1
/8000秒を越える超高速シャッターを簡単に、そし
てより安価に提供することができた。また、チャージエ
ネルギーの低減を図ることも可能であるため、シャッタ
ー以外に電気容量を費やすことが出来るため、新規機能
追加への対応が楽になる。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明のフォーカルプレ
ーンシャッタによれば、後幕のスリット形成羽根(21
a)の剛性を高めて、先幕のスリット形成羽根(11
a)の剛性よりも大きくすると共に、移動量の大きい順
に数えて2番目の羽根(12a、22a)の板厚が、先
幕では1番目の羽根(11a)と同等であり、後幕では
1番目の羽根(21a)より薄く構成したことで、剛性
と重量のバランスに優れたフォーカルプレーンシャッタ
が得られる。これにより、特殊使用環境下においても中
間板や遮光板に羽根が衝突破損する事故をなくし、チャ
ージエネルギーの増大を最小限に抑え、FRPの良品率
を高めてコスト低減を図り、耐久性および信頼性の非常
に高い1/8000秒以上の超高速シャッターを提供す
ることが可能となる。
ーンシャッタによれば、後幕のスリット形成羽根(21
a)の剛性を高めて、先幕のスリット形成羽根(11
a)の剛性よりも大きくすると共に、移動量の大きい順
に数えて2番目の羽根(12a、22a)の板厚が、先
幕では1番目の羽根(11a)と同等であり、後幕では
1番目の羽根(21a)より薄く構成したことで、剛性
と重量のバランスに優れたフォーカルプレーンシャッタ
が得られる。これにより、特殊使用環境下においても中
間板や遮光板に羽根が衝突破損する事故をなくし、チャ
ージエネルギーの増大を最小限に抑え、FRPの良品率
を高めてコスト低減を図り、耐久性および信頼性の非常
に高い1/8000秒以上の超高速シャッターを提供す
ることが可能となる。
【図1】本発明によるフォーカルプレーンシャッタの実
施例の先幕が展開して露光窓を覆った状態を示す正面図
である。
施例の先幕が展開して露光窓を覆った状態を示す正面図
である。
【図2】本発明によるフォーカルプレーンシャッタのス
リット露光時の先幕および後幕の移動状態を示す正面図
である。
リット露光時の先幕および後幕の移動状態を示す正面図
である。
【図3】本発明によるフォーカルプレーンシャッタの先
幕の分割羽根を示す分解図である。
幕の分割羽根を示す分解図である。
【図4】本発明によるフォーカルプレーンシャッタの先
幕の分割羽根を厚さ方向に拡大して示す概略断面図であ
る。
幕の分割羽根を厚さ方向に拡大して示す概略断面図であ
る。
【図5】本発明によるフォーカルプレーンシャッタの後
幕の分割羽根を厚さ方向に拡大して示す概略断面図であ
る。
幕の分割羽根を厚さ方向に拡大して示す概略断面図であ
る。
【図6】本発明によるフォーカルプレーンシャッタの両
羽根群(先幕と後幕)、遮光板および中間板との位置関
係を示す分解斜視図である。
羽根群(先幕と後幕)、遮光板および中間板との位置関
係を示す分解斜視図である。
【図7】スティフネス・テスター(STIFFNESS
TESTER)によるスティフネス値(STIFFN
ESS UNITS)測定法を示す概念図である。
TESTER)によるスティフネス値(STIFFN
ESS UNITS)測定法を示す概念図である。
10 先幕 20 後幕 11〜14、21〜24 分割羽根 15、16、25、26 アーム 17、18、27、28 カシメピン 19、29 駆動機構 31、32 駆動軸 X1〜X4 軸 41 遮光板 42 中間板
Claims (7)
- 【請求項1】複数枚の分割羽根で構成された先幕および
後幕と、 該先幕および後幕を駆動する駆動機構と、 前記分割羽根のうちで移動量の一番大きいスリット形成
羽根の剛性を、前記先幕と前記後幕とで変え、 前記後幕のスリット形成羽根の剛性を高めて、前記先幕
のスリット形成羽根の剛性よりも大きくすると共に、 移動量の大きい順に数えて2番目の羽根の板厚が、前記
先幕では1番目の羽根と同等であり、前記後幕では1番
目の羽根より薄いことを特徴とするフォーカルプレーン
シャッタ。 - 【請求項2】請求項1において、 前記先幕および前記後幕の移動量の大きい順に数えて2
番目の羽根の板厚が、50μm〜120μmであること
を特徴とするフォーカルプレーンシャッタ。 - 【請求項3】請求項2において、 前記分割羽根のうちで、前記後幕の移動量の大きい順に
数えて2番目の羽根の板厚と、前記先幕の2番目の羽根
の板厚が同等であることを特徴とするフォーカルプレー
ンシャッタ。 - 【請求項4】請求項1において、 前記先幕および前記後幕の移動量の大きい順に数えて3
番目の羽根が、2番目の羽根の板厚より厚いことを特徴
とするフォーカルプレーンシャッタ - 【請求項5】請求項4において、 前記先幕または前記後幕の移動量の大きい順に数えて3
番目の羽根の板厚が、80μm〜150μmであること
を特徴とするフォーカルプレーンシャッタ。 - 【請求項6】請求項5において、 前記先幕の移動量の大きい順に数えて3番目の羽根の板
厚と、前記後幕の1番目の羽根の板厚が同等であること
を特徴とするフォーカルプレーンシャッタ。 - 【請求項7】請求項1において、 前記複数枚の分割羽根は、アルミニウム製羽根と繊維強
化プラスチック製羽根とから成ることを特徴とするフォ
ーカルプレーンシャッタ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7174235A JPH095828A (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | フォーカルプレーンシャッタ |
US08/665,298 US5630190A (en) | 1994-07-06 | 1996-06-17 | Focal plane shutter and method for forming the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7174235A JPH095828A (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | フォーカルプレーンシャッタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH095828A true JPH095828A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=15975088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7174235A Pending JPH095828A (ja) | 1994-07-06 | 1995-06-15 | フォーカルプレーンシャッタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH095828A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006337654A (ja) * | 2005-06-01 | 2006-12-14 | Canon Electronics Inc | 遮光羽根および光路開閉装置 |
JP2007147880A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Canon Electronics Inc | 遮光羽根およびこれを用いた光路開閉装置 |
-
1995
- 1995-06-15 JP JP7174235A patent/JPH095828A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006337654A (ja) * | 2005-06-01 | 2006-12-14 | Canon Electronics Inc | 遮光羽根および光路開閉装置 |
JP2007147880A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Canon Electronics Inc | 遮光羽根およびこれを用いた光路開閉装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040727 |