JPH04318038A - 両面塗布ポリエステルフイルム及びその製造法 - Google Patents

両面塗布ポリエステルフイルム及びその製造法

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JPH04318038A
JPH04318038A JP3110770A JP11077091A JPH04318038A JP H04318038 A JPH04318038 A JP H04318038A JP 3110770 A JP3110770 A JP 3110770A JP 11077091 A JP11077091 A JP 11077091A JP H04318038 A JPH04318038 A JP H04318038A
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JP
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surface roughness
acrylic
polyester
resins
resin
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JP3110770A
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English (en)
Inventor
Sadami Miura
三浦 定美
Teruo Matsunaga
松永 輝雄
Masayuki Fukuda
福田 雅之
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は両面塗布ポリエステルフ
イルム及びその製造法に関し、さらに詳しくは優れた接
着性と滑り性を有し、磁気テープ、フロッピーディスク
、メンブレンフイルム、製版用フイルム、OHPフイル
ム等の基材として有用な両面塗布ポリエステルフイルム
及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルム、特にポリエチレ
ンテレフタレートの二軸延伸フイルムは、優れた機械的
性質、耐熱性あるいは耐薬品性等を有するため、オーデ
ィオテープ、ビデオテープ、コンピューターテープ、フ
ロッピーディスク、ビデオフロッピー、写真フイルム、
包装用フイルム、コンデンサー用メタライジングフイル
ム、電気絶縁フイルム、あるいはOHPフイルム等の素
材として用いられ、その需要の伸びは最近特に著しい。
【0003】しかしながら、ポリエステルフイルムの生
産および上記の如き用途への適用を円滑に行うためには
、ポリエステルフイルムの接着性と滑り性を改善するこ
とが必至である。
【0004】例えば、表面の平坦なポリエステルフイル
ムの場合、フイルムの滑り性が不足し、捲取り、捲き返
し、塗布、スリット等の作業に重大な支障を及ぼし、例
えば捲き皺の発生、発生した静電気による塵埃吸着など
のトラブルを起す。
【0005】従来、ポリエステルフイルムの滑り性を改
善する手段として、例えば酸化珪素、カオリン、タルク
、炭酸カルシウムあるいはアルミナ等の種々のフィラー
(微小粒子)を添加したポリエステルを用いて製膜し、
次いで二軸延伸工程でフイルム厚さが減る際にフィラー
がフイルム面に微小突起として突出する現象を利用する
ことが実用化されている。同様に微小突起を利用する滑
り性の改善技術としては、ポリエステルの重合時に用い
る触媒を重合体に不溶性の粒子に変換させる方法も知ら
れている。
【0006】これらの方法は、フイルムの滑り性を改善
する点では成功をおさめているが、フイルム組成内に微
小粒子が存在するため当然のことながらフイルムの透明
度を低下させたり、微小粒子の凝集体や微小粒子中に存
在する微量の大粒径粒子によってフイルム表面に粗大突
起、即ちF/Sができ、ビデオテープのD/Oを多発さ
せたり、あるいはフイルム組成内にボイドを生成するな
どの改善されるべき問題を残している。特に、ジアゾフ
イルム、メタライジングフイルム、写真フイルム、ある
いは高密度化によるベース表面平坦化を要求している磁
気テープやフロッピーディスク等の素材としてはポリエ
ステルフイルムの透明度の低下あるいはボイド、粗大突
起の生成は重大な障害となる。
【0007】またポリエステルフイルムの表面は接着性
に乏しく、この上に二次加工処理例えば磁気塗料やジア
ゾ塗料の塗布、各層インクによる印刷、金属薄膜の形成
等を行っても、これらが剥がれやすい。この接着性はフ
イルム表面にコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理等を
施すことで向上できるが、接着力の経時変化があり、実
用上問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題を解消し、すぐれた接着性と滑り性を有し、さら
に好ましくは耐久性にもすぐれた両面塗布ポリエステル
フイルムを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、前記両面塗布ポリエ
ステルフイルムの好ましい製造法を提供することにある
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、以下の構成からなる。 1.ポリエステルフイルムの一つの表面に30〜130
℃の二次転移点を有する共重合ポリエステル樹脂、アク
リル変性ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれ
る少くとも一種の樹脂を主成分とする、厚さ2〜100
nm、表面粗さRa1〜20nmの塗布層(A)を設け
、そして他の表面に30〜180℃の二次転移点を有す
る共重合ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル
樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少くとも一種の樹脂
を主成分とする、厚さ3〜800nm、表面粗さRa2
〜30nm(ただし、この表面粗さRaは塗布層Aの表
面粗さRaより小さいことはない)の塗布層(B)を設
けたことを特徴とする両面塗布ポリエステルフイルム。 2.結晶配向が完了する前のポリエステルフイルムの一
つの表面に30〜130℃の二次転移点を有する共重合
ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂及び
アクリル樹脂から選ばれる少くとも一種の樹脂を主成分
とする塗液を塗布し、そして他の表面に30〜180℃
の二次転移点を有する共重合ポリエステル樹脂、アクリ
ル変性ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる
少くとも一種の樹脂を主成分とする塗液を塗布し、続い
て乾燥、延伸、熱固定処理を行って前記の一つの表面に
厚さ2〜100nm、表面粗さRa1〜20nmの塗布
層(A)を、そして前記他の表面に厚さ3〜800nm
、表面粗さRa2〜30nm(ただし、この表面粗さR
aは塗布層Aの表面粗さRaより小さいことはない)の
塗布層(B)を形成することを特徴とする両面塗布ポリ
エステルフイルムの製造法。
【0011】本発明においてポリエステルフイルムを構
成するポリエステルとは、芳香族二塩基酸またはそのエ
ステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成
性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである
。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレート等が例示でき、これらの
共重合体またはこれらと小割合の他樹脂とのブレンド物
なども含まれる。
【0012】かかる線状飽和ポリエステルを溶融押出し
、常法でフイルム状となし、配向結晶化及び熱処理結晶
化せしめることで、本発明のポリエステルフイルムを得
ることができる。このポリエステルフイルムとしては、
結晶融解熱として差動走査型熱量計によって窒素気流中
[10℃/分の昇温速度において]で測定した値が通常
4cal/g以上を呈する程度に結晶配向したものが好
ましい。
【0013】本発明においてポリエステルフイルムの一
つの表面に設ける塗布層(A)は、30〜130℃の二
次転移点(Tg)を有する共重合ポリエステル樹脂、ア
クリル変性ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から選ば
れる少くとも一種の樹脂を主成分とするものである。こ
の二次転移点が30℃未満ではフイルムがブロッキング
を起こしやすく、一方130℃を超えると接着性能が低
下し、好ましくない。
【0014】前記共重合ポリエステル樹脂は多塩基酸ま
たはそのエステル形成性誘導体とポリオールまたはその
エステル形成性誘導体とから合成される実質的に線状の
ポリマーである。このポリマーの多塩基酸成分としては
、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフ
ェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、ダイマー酸等を例示することができる。 これら成分は2種以上を用いることができる。更に、こ
れら成分と共にマレイン酸、フマール酸、イタコン酸等
の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p−
(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如きヒドロキ
シカルボン酸を小割合用いることができる。不飽和多塩
基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分の割合は高々10
モル%、好ましくは5モル%以下である。
【0015】また、ポリオール成分としてはエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロール
プロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメ
チレンオキシド)グリコール、ビスフェノールAのエチ
レンオキシド付加体、2,2−(ビス−β−ヒドロキシ
エトキシフェニル)プロパン、等を例示することができ
る。これら成分は2種以上を用いることができる。
【0016】さらに、前記ポリエステルは例えば分子内
に有機スルホン酸塩、カルボン酸塩、ジエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等の如き親水性基含有化合物を共重合したもの
が水分散液を作るのに有利となり、好ましい。このカル
ボン酸塩の導入は、通常三官能以上のカルボン酸を用い
るが、このカルボン酸は重合の過程で分岐を起こし、ポ
リマーがゲル化しやすいのでその共重合割合を小さくす
ることが望ましい。この点、スルホン酸塩、ジエチレン
グリコール、ポリアルキレンエーテルグリコール等によ
る親水基の導入はカルボン酸塩のときの問題が発生せず
、より有利である。
【0017】スルホン酸塩の基をポリエステル分子内に
導入するためには、例えば5−Naスルホイソフタル酸
、5−アンモニウムスルホイソフタル酸、4−Naスル
ホイソフタル酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフ
タル酸、2−Naスルホテレフタル酸、5−Kスルホイ
ソフタル酸、4−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホ
テレフタル酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸アル
カリ金属塩系又はスルホン酸アミン塩系化合物等を用い
ることが好ましい。スルホン酸塩の基を有する多価カル
ボン酸又は多価アルコールは全多価カルボン酸成分又は
多価アルコール成分中0.5〜20モル%、更には1〜
18モル%を占めることが好ましい。
【0018】また、カルボン酸塩基をポリエステル分子
内に導入するためには、例えば無水トリメリット酸、ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、
トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、ジメチ
ロールプロピオン酸等の化合物を用いることができる。 また、カルボン酸塩はカルボン酸をアミノ化合物、アン
モニア、アルカリ金属等で中和することによって得るこ
とができる。
【0019】本発明で用いる前記アクリル変性ポリエス
テル樹脂は、主鎖がポリエステルからなりこれにアクリ
ル系モノマーをグラフト重合させたもの、主鎖がアクリ
ル系モノマーの重合体からなりこれにポリエステル鎖を
グラフト重合させたもの、及びポリエステルとアクリル
系モノマー重合体とをブロック共重合させたものの3つ
の態様を包含する。これらに用いるポリエステルの構成
成分としては前記共重合ポリエステル樹脂の構成成分と
して説明したものを挙げることができる。またアクリル
系モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソー
ダ、アクリル酸アンモニウム、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ソ
ーダ、メタクリル酸アンモニウム、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリ
ルメタクリレート、ビニルスルホン酸ソーダ、アクリル
アミド、メタクリルアミド等を例示することができる。 これらモノマーは、例えばスチレン、スチレンスルホン
酸ソーダ、酢酸ビニル、アクリルニトリル、メタクリル
ニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベン
ゼン等の他の不飽和単量体と併用することもできる。
【0020】主鎖がポリエステルからなりこれにアクリ
ル系モノマーをグラフト重合させたものは、例えばポリ
エステルの存在下でアクリル系モノマーを重合させてグ
ラフト鎖を形成させる方法で製造することができる。そ
の際反応は溶液又は水性液中で行うことができるが、特
に水性液中で行うのが好ましい。また主鎖がアクリル系
モノマーの重合体からなりこれにポリエステル鎖をグラ
フト重合させたものは、例えば主鎖に官能基をつけてお
いて該官能基とこれと反応する基を有するポリエステル
とを反応させる方法で製造することができる。この方法
で得られるポリマーはくし状ポリマーである。さらにま
たブロック共重合体は、例えばポリエステルの両末端か
らアクリルモノマーの重合を開始させてA−B−A型の
ブロック共重合体を製造する方法で製造することができ
る。
【0021】本発明で用いる前記アクリル樹脂の構成成
分としては、アクリル変性ポリエステル樹脂で説明した
アクリル系モノマー、及びこれと共重合可能な不飽和単
量体を挙げることができる。アクリル樹脂はアクリルエ
マルジョン、アクリル樹脂溶液等として用いることがで
きる。
【0022】本発明における塗布層(A)は、さらに、
厚さが2〜100nmであり、表面粗さRaが1〜20
nmである必要がある。この厚みが2nm未満では接着
力と滑り性が不足し、一方100nmを超えると表面が
粗れるか又はブロッキングを起こし易く、好ましくない
。また表面粗さRaが1nm未満では表面が平坦すぎて
走行性が不足し、一方20nmを超えると表面が粗れす
ぎ例えば電磁変換特性が低下し、好ましくない。
【0023】前記塗布層(A)には、この表面粗さRa
を調節するために有機又は無機のフィラーを含有させる
ことができる。このフィラーとしてはアクリル系樹脂微
粒子、シリコーン樹脂微粒子、フッ素系樹脂微粒子、シ
リカ微粒子、炭酸カルシウム微粒子、アルミナ微粒子、
酸化すず、カーボンブラック等を好ましく例示すること
ができる。
【0024】また、バインダー樹脂として少量の他の樹
脂を添加することができる。このバインダー樹脂として
シリコーン樹脂、ポリウレタン、アクリル変性ポリウレ
タン、シリコーン変性アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリアミド、ポリエーテル、エポキシ樹脂、等を例示す
ることができる。
【0025】本発明においてポリエステルフイルムの他
の表面に設ける塗布層(B)は30〜180℃の二次転
移点(Tg)を有する共重合ポリエステル樹脂、アクリ
ル変性ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる
少くとも一種の樹脂を主成分とするものである。この二
次転移点が30℃未満では滑りにくいし、ブロッキング
を起こし易く、一方180℃を超えると接着性能が低下
し、好ましくない。
【0026】前記の共重合ポリエステル樹脂、アクリル
変性ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂を構成する成
分は、塗布層(A)に用いる共重合ポリエステル樹脂、
アクリル変性ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂で説
明した夫々の成分を挙げることができる。また前記アク
リル変性ポリエステル樹脂の態様についても塗布層(A
)に用いるアクリル変性ポリエステル樹脂で説明した3
つの態様を挙げることができる。
【0027】本発明における塗布層(B)は、さらに、
厚さが3〜800nmであり、表面粗さが2〜30nm
である必要がある。但し、この表面粗さRaは塗布層(
A)の表面粗さRaより小さいことはない。この厚さが
3nm未満では接着力と滑り性が不足し、一方800n
mを超えると表面が粗れるか又はブロッキングを起こし
易く、好ましくない。また表面粗さRaが2nm未満で
は走行特性が不足し、一方30nmを超えると表面が粗
れすぎ例えば電磁変換特性に悪影響を及ぼし、好ましく
ない。
【0028】前記塗布層(B)には、この表面粗さRa
を調節するために、塗布層(A)のときと同様に有機又
は無機のフィラーを含有させることができる。またバイ
ンダー樹脂として少量の他の樹脂を添加することができ
る。かかるフィラーや他のバインダー樹脂としては塗布
層(A)のときに例示したものを挙げることができる。
【0029】本発明においては塗布層(A)、(B)の
形成に用いる塗液は水性塗液であることが好ましい。こ
の塗液の調製にあたっては本発明の効果を損わない範囲
で他の種々の添加剤を添加混合することができる。例え
ば、水性塗液にアニオン型界面活性剤、カチオン型界面
活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤を必要量
添加して用いることが好ましい。かかる界面活性剤とし
ては水性塗液の表面張力を40dyne/cm以下に降
下でき、ポリエステルフイルムへの濡れを促進するもの
が好ましく、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、
脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニウムク
ロライド塩、アルキルアミン塩酸等を挙げることができ
る。 また、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、潤滑剤
、ブロッキング防止剤等を添加混合することができる。
【0030】塗布は、通常の塗布工程すなわち二軸延伸
熱固定したポリエステルフイルムに、該フイルムの製造
工程と切離して塗布する工程で行なってもよい。しかし
、この工程では、芥、塵埃などを巻込み易く、磁気テー
プ、フロッピーディスク等の高度化商品用のものにはク
リーンな雰囲気での塗布が望ましい。かかる観点よりポ
リエステルフイルム製造工程中での塗布が好ましい。 特にこの工程中で結晶配向が完了する前のポリエステル
フイルムの両面に塗布することが好ましい。
【0031】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフイルムとは、ポリエステルを熱溶融してそのまま
フイルム状となした未延伸フイルム;未延伸フイルムを
縦方向(長手方向)または横方向(幅方向)の何れか一
方に配向せしめた一軸延伸フイルム;さらには縦方向及
び横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終
的に縦方向または横方向に再延伸せしめて配向結晶化を
完了せしめる前の二軸延伸フイルム)等を含むものであ
る。
【0032】上記塗布液の固形分濃度は、通常30重量
%以下であり、10重量%以下が更に好ましい。塗布量
は走行しているフイルム1m2 当り20g以下、さら
に10g以下が好ましい。
【0033】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法
、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイ
フコート法、含浸法及びカーテンコート法等を単独又は
組み合わせて適用するとよい。
【0034】塗液を塗布した、結晶配向完了する前のポ
リエステルフイルムは乾燥され、延伸、熱固定等の工程
に導かれる。例えば、水性塗液を塗布した縦一軸延伸ポ
リエステルフイルムは、ステンターに導かれて横延伸及
び熱固定される。
【0035】かくして一つの表面に表面粗さの小さい塗
布層(A)を、他の表面に表面粗さの大きい塗布層(B
)を設けた両面塗布ポリエステルフイルムが得られる。 そしてこの両面塗布ポリエステルフイルムは両層間の滑
り性に優れ、また未塗布フイルムに比べて接着力が大幅
に向上している特徴を有する。このためこの両面塗布ポ
リエステルフイルムを磁気テープ特に高性能ビデオテー
プのベースフイルムとして用いかつ塗布層(A)の上に
磁性層を、塗布層(B)の上にバックコート層を設ける
と、各層の耐久性にすぐれ、かつ電磁変換特性、ハンド
リング性、テープの走行性に優れた磁気テープを得るこ
とができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお例中の「部」は重量部を意味する。また、各特
性は次の方法で求めた。
【0037】(1)滑り性 塗布層面同士の静摩擦係数を温度20℃、湿度60%R
Hにおいて1kg荷重で東洋テスター社製のスリッパリ
ー測定試験器を用いて測定した。
【0038】(2)表面粗さ(Ra) JIS  S0601に準じて測定  した。すなわち
、東京精密社(株)製の触針式表面粗さ計(SURFC
OM  3B)を用いて、針の半径2μm、荷重0.0
7gの条件下にチャートにフイルム表面粗さ曲線をかか
せ、得られるフイルム表面粗さ曲線からその中心線の方
向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の
中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸として、粗さ曲
線Y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられる値
(Ra:μm)をフイルム表面粗さ(中心線平均表面粗
さ)として定義する。
【0039】
【数1】 本発明では、基準長は0.25mmとして8個測定し、
値の大きい方から3個除いた5個の平均値としてRaを
表わす。
【0040】(3)接着性 下記の方法で調製した磁性塗料をポリエステルフイルム
に、80℃、1分の条件で乾燥し、更に60℃、24h
rの条件でエージングしたのちの塗布厚みが所定の値に
なるようにロールコートした。得られた媒体の磁性塗膜
の接着力をセロハンテープ剥離強度で評価した。
【0041】[評価用磁性塗料の調製]塗料用ラッカー
シンナーにニトロセルロースRS 1/2[イソプロパ
ノール25%含有フレークス、ダイセル(株)製]を溶
解し、40wt%溶液を調製し、該液を43.8部、続
いてポリエステル樹脂(デスモフェン1700、バイエ
ル社製)32.5部、二酸化クロム粉末200部、分散
剤・湿潤剤として大豆油脂肪酸(レシオンP、理研ビタ
ミン(株)製)、カチオン系活性剤(カチオンAB、日
本油脂(株)製)及びスクワレン(鮫肝油)を夫々1部
、0.5部、0.8部ボールミルに投入する。メチルエ
チルケトン/シクロヘキサノン/トルエン=3/4/3
(重量比)からなる混合溶媒282部をさらに追加混合
して、充分微粉化して母液塗料(45wt%)を調製す
る。この母液50部に対し、トリメチロールプロパンと
トルイレンジイソシアナート付加反応物48部(コロネ
ートL:日本ポリウレタン工業(株)製)を酢酸ブチル
6.25部を加え、最終的に42.75wt%の評価用
磁性塗料を得る。
【0042】
【実施例1】25℃のo−クロロフェノール中で測定し
た固有粘度0.66のポリエチレンテレフタレート(滑
剤20ppm 含有)を、22℃に維持した回転冷却ド
ラム上に溶融押出して厚み約70μmの未延伸フイルム
とし、続いて機械軸方向に3.5倍延伸したのち、フイ
ルム片面に共重合ポリエステル樹脂(テレフタル酸、イ
ソフタル酸、5−Naスルホイソフタル酸、エチレング
リコール及びネオペンチルグリコールの成分からなる、
Tg=50℃)90部とノニオン界面活性剤10部から
なる濃度2wt%の水性液を、他面に共重合ポリエステ
ル樹脂(テレフタル酸、5−Naスルホイソフタル酸、
エチレングリコール及びネオペンチルグリコールの成分
とからなる、Tg=59℃)90部とノニオン界面活性
剤10部からなる濃度3wt%の水性液をキスコート法
で塗布した。続いて乾燥後、横方向に3.8倍延伸し、
230℃で熱処理して厚さ7μmの両面塗布ポリエステ
ルフイルムを得た。片面の塗布厚みは17nm、中心線
平均表面粗さRaは5nmであった。他面の塗布厚みは
35nm、中心線平均表面粗さRaは9nmであった。 表1にフイルム特性を示す。
【0043】
【実施例2〜5及び比較例1〜4】実施例1において塗
布厚みを変えること以外は実施例1と同様に行った。得
られたフイルムの特性を表1に示す。
【0044】
【実施例6〜9】実施例1において塗液中の共重合ポリ
エステル樹脂の代わりに下記のアクリル変性ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂を用いること以外は実施例1と同
様に行った。得られたフイルムの特性を表1に示す。 片面:アクリル変性ポリエステル樹脂Aテレフタル酸、
イソフタル酸、エチレングリコール及び1,4−ブタン
ジオールの成分からなるポリエステル(幹ポリマー)に
メタクリル酸エチル、メタクリルアミド、メタクリル酸
メチル、アクリル酸メチル及びアクリル酸ソーダをグラ
フトしたポリマー(ポリエステル/アクリル=40/6
0、Tg=61℃) 他面:アクリル樹脂B メタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸
メチル、アクリル酸ソーダ及びメタクリルアミドからな
るポリマー(Tg=79℃)
【0045】
【表1】
【0046】
【実施例10】実施例1で得たフイルムの片面(Raの
小さい方の塗布層A)に純鉄磁性剤を含む磁気塗料を3
μm塗布し、他面(Raの大きい塗布層B)に厚み0.
8μmのバックコート層を設けた。得られた磁気テープ
は高い電磁変換特性及び耐久走行性を有した。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば接着性と滑り性に優れ、
加工フイルム特に磁気テープのベースフイルムとして有
用な両面塗布ポリエステルフイルム及びその製造法を提
供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフイルムの一つの表面に30
    〜130℃の二次転移点を有する共重合ポリエステル樹
    脂、アクリル変性ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂か
    ら選ばれる少くとも一種の樹脂を主成分とする、厚さ2
    〜100nm、表面粗さRa1〜20nmの塗布層(A
    )を設け、そして他の表面に30〜180℃の二次転移
    点を有する共重合ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリ
    エステル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少くとも一
    種の樹脂を主成分とする、厚さ3〜800nm、表面粗
    さRa2〜30nm(ただし、この表面粗さRaは塗布
    層Aの表面粗さRaより小さいことはない)の塗布層(
    B)を設けたことを特徴とする両面塗布ポリエステルフ
    イルム。
  2. 【請求項2】結晶配向が完了する前のポリエステルフイ
    ルムの一つの表面に30〜130℃の二次転移点を有す
    る共重合ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル
    樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少くとも一種の樹脂
    を主成分とする塗液を塗布し、そして他の表面に30〜
    180℃の二次転移点を有する共重合ポリエステル樹脂
    、アクリル変性ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から
    選ばれる少くとも一種の樹脂を主成分とする塗液を塗布
    し、続いて乾燥、延伸、熱固定処理を行って前記の一つ
    の表面に厚さ2〜100nm、表面粗さRa1〜20n
    mの塗布層(A)を、そして前記他の表面に厚さ3〜8
    00nm、表面粗さRa2〜30nm(ただし、この表
    面粗さRaは塗布層Aの表面粗さRaより小さいことは
    ない)の塗布層(B)を形成することを特徴とする両面
    塗布ポリエステルフイルムの製造法。
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