JPH04317687A - 鳩目穴かがりミシンの芯糸調子装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は鳩目穴かがりミシンの
芯糸調子装置に関し、詳しくは縫い目形成時の糸締めに
よる縫い目の結節点が外側へ移動し、縫い上がり後の鳩
目穴の拡大を解消するとともに、この鳩目穴の拡大によ
る目飛び不良を防止する鳩目穴かがりミシンの芯糸調子
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ボタンの受け穴としての鳩目穴は、例え
ば素材に鳩目または眠目形状を切り抜き図６に示すよう
な形状にしている。この鳩目穴にかがり縫い目Ａを形成
する装置として現在では鳩目穴かがりミシンが提案され
ている。

【０００３】図７は、鳩目穴かがりミシンの構成状態を
示す斜視図である。図において１はミシン頭部内に収納
される上側縫製装置であり、この上側縫製装置１は針糸
を供給する縫い針Ｎを装着した針棒を有し、上軸に関連
して針棒を上下動する駆動レバーと針棒を揺動する針棒
駆動軸とを有する針駆動手段によって縫い針Ｎを昇降駆
動させるとともに左右方向に揺動させる針棒等をミシン
頭部に支持し、水平方向に回動可能に設けられている。

【０００４】そして２は下方のミシンベッド内に収納さ
れる下側縫製装置であり、ルーパ糸の供給をなし、上側
縫製装置１の縫い針Ｎと協同してかがり縫い目を形成す
る不図示のルーパおよびこのルーパを駆動させる上軸に
関連する縦軸を介してルーパ駆動軸により駆動されるル
ーパ駆動手段等をベッドに支持し、水平方向に回動可能
に設けられている。

【０００５】また３は布移動体であり、この布移動体３
は被縫製物を保持し矢符に示すよう水平進退駆動するこ
とが出来るようになっている。一方４は下側縫製装置２
に設けられた針板、Ｈは芯糸である。図８は、下側縫製
装置２におけるルーパブラケット５に固定した針板４お
よび芯糸ガイド６等を示す側面図、図９は針板４と鳩目
穴かがりの縫い目構成としての芯糸Ｈ、針糸Ｉ１、ルー
パ糸Ｉ２を示す斜視図である。

【０００６】図に示すように針板４は、左右方向に揺動
する縫い針Ｎに対応する長穴からなる針穴４ａを有する
とともに、縫い針Ｎの揺動する左右距離間の中央部に芯
糸Ｈを供給するための芯糸穴４ｂを有している。また４
ｃは、針板４の下方に設けられた設置板であり、この設
置板４ｃとネジ４ｄにより針板４は前記の下側縫製装置
２のルーパブラケット５に固定され、下側縫製装置２と
ともに回動することが出来るようになっている。

【０００７】そして６はルーパブラケット５に固定した
芯糸ガイドであり、この芯糸ガイド６は針板４の芯糸穴
４ｂの直線状に芯糸Ｈを挿通するガイド穴６ａを備え、
芯糸Ｈの供給位置を適正なものとすることが出来る。な
お、図８において７はスプレッダ作動カム、８はルーパ
（右）、９は針受け、１０はルーパ取付台である。以上
のように構成された鳩目穴かがりミシンは、まず被縫製
物を保持する布移動体３を移動させつつ上側および下側
の両縫製装置１、２により図６に示す鳩目穴の一方の直
線縫い目Ａ１を形成する。

【０００８】そして上側及び下側の両縫製装置１、２を
同期回動して鳩目穴の円形穴縫い目Ａ２を形成する。次
いで布移動体３を逆方向に移動して他方の直線縫い目Ａ
３を形成し、鳩目穴かがり縫い目Ａが形成される。とこ
ろで、形成される鳩目穴かがり縫い目の内部には芯糸Ｈ
が格納されている。

【０００９】この芯糸Ｈは、上述のように針板４に設け
られた芯糸穴４ｂより供給されるもので、針糸Ｉ１とル
ーパ糸Ｉ２との最初の縫い目でクランプされ布移動体３
の進行に従いこれら両糸の間に挿入され格納される。こ
の芯糸Ｈは、鳩目穴かがり縫い目に適度のふくらみを持
たせ、見栄えを良くする目的で挿入されるもので、鳩目
穴かがり縫製の品質を向上させることが出来る。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の鳩目穴かがりミシンにおいては、次のような問題が生
じる。鳩目穴かがり縫製を行う被縫製物が比較的柔らか
い布地（薄生地等）であった場合、図１０に示すように
被縫製物Ｗの端部が、かがり縫い目形成時の糸締め力に
よって、例えば下方に捲り込められる。そのため結節点
が外側に移動して縫製されてしまう。

【００１１】これにより、鳩目穴の穴幅は拡大されてし
まい、外見が見苦しいものとなるとともに、この鳩目穴
にはめられるボタンが容易に外れてしまうという不都合
が生じる。また縫製時において被縫製物Ｗの端部が、被
縫製物Ｗの端部外側で昇降する縫い針Ｎ（実線で示す）
の針落ち位置から離れてしまうので、針糸Ｉ１がこれに
従い位置ずれしてしまい、ルーパ糸Ｉ２と交差されずに
縫い目が形成されない、いわゆる目飛び不良を生じてし
まう。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明に係る鳩目穴か
がりミシンの芯糸調子装置は、上記従来の課題を解決す
るためになされたもので、針板に形成される芯糸穴を、
左右方向に揺動する縫い針の鳩目穴側の針落ち点近傍に
形成するとともに、下側縫製装置に、芯糸の張力を調整
可能とする芯糸調子器を設け、上記従来の課題を解決し
ようとするものである。

【００１３】

【作用】この発明に係る鳩目穴かがりミシンの芯糸調子
装置は、針板の左右方向に揺動する縫い針の鳩目穴側の
針落ち点近傍に形成された芯糸穴によって、芯糸を被縫
製物の端部近傍に供給するようにする。そしてこの芯糸
に対し、下側縫製装置に設けた糸調子器により所定の張
力を与え、この張力を有した芯糸によって被縫製物の端
部が縫い目形成時の糸締め力による捲り込まれることを
防止し、鳩目縫い目の縫製品質を安定したものとする。

【００１４】

【発明の実施例】図面にもとづいてこの発明の実施例を
説明する。なお従来例と同一箇所には同一符号を付して
重複説明は省略する。図１および図２は、この発明の一
実施例の芯糸調子装置の側面図と正面図を示し、図３は
その分解斜視図、図４は針板と鳩目穴かがりの縫い目構
成としての芯糸Ｈ、針糸Ｉ１、ルーパ糸Ｉ２を示す図で
ある。

【００１５】図において４は下側縫製装置２のルーパブ
ラケット５に固定された針板であり、この針板４の芯糸
穴１１は、図４に示すように左右に揺動する縫い針Ｎの
鳩目穴側に位置した縫い針Ｎ（実線で示す）の針落ち点
近傍、すなわち一点鎖線で示す従来位置より距離Ｃだけ
変位した位置に形成されている。また図１、図２、図３
に示すＢは芯糸調子器であり、この芯糸調子器Ｂはルー
パブラケット５に設置されていて、下側縫製装置２とと
もに回動することが出来るようになっている。

【００１６】図において１３は、芯糸ガイド１２に軸１
３ｃを中心に回動可能に設けられるＬ字形状の芯糸調子
板であり、１４はこの芯糸調子板１３の一端１３ｂを下
方に付勢し、常には芯糸調子板１３の上部１３ａが芯糸
ガイド１２のガイド穴１２ａに対向する位置となるよう
にしている付勢バネである。そして１５はバネ体であり
、このバネ体１５は一端を芯糸ガイド１２に当接し他端
を芯糸調子板１３の軸１３ｃに螺合する螺子体１６に当
接している。

【００１７】以上のように構成された鳩目穴かがりミシ
ンの芯糸調子装置は、針板４に形成された芯糸穴１１の
位置により芯糸Ｈを図５に示すように被縫製物端部の近
傍に供給する。そして芯糸調子器Ｂにより、供給される
芯糸Ｈに張力を与え、芯糸Ｈが容易にその位置を変える
ことがないようにする。芯糸Ｈへの張力は、螺子体１６
の位置の調節によるバネ体１５の付勢力変化によって容
易に変化させることが出来る。

【００１８】なお、芯糸Ｈの張力は図示しない解除機構
により縫製終了後には芯糸調子板１３の一端１３ｂを上
方に移動させ自動的に張力を解除し、縫製時には復元す
るようになっている。この芯糸Ｈの張力と位置状態とに
より、被縫製物の端部は糸締め力により捲れ返されるこ
となく適正に縫製され、これにより結節点が外側に開く
ことなく安定するから鳩目穴かがりの穴幅を見栄えの良
い一定なものとするとともにボタンの鳩目穴からの外れ
取れを防止することが出来る。

【００１９】また被縫製物の不要な捲り返しによる針糸
の不要な傾きを防止することが出来るので目飛び不良を
解消することが可能となる。

【００２０】

【発明の効果】この発明に係る鳩目穴かがりミシンの芯
糸調子装置は、以上説明したように、針板に形成され芯
糸を供給する芯糸穴を、左右に揺動する縫い針の鳩目穴
側の針落ち点近傍に形成するとともに、下側縫製装置に
芯糸の張力を調節可能とする芯糸調子器を設けて構成し
たので、被縫製物の端部近傍に張力を有した芯糸を供給
することが出来、この芯糸により被縫製物の端部の糸締
め力による捲り込まれを防止することが出来、鳩目穴の
拡大、ボタン外れ、目飛び等の不都合を解消することが
可能となり、縫製品質を向上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る鳩目穴かがりミシンの芯糸調子
装置の側面図である。

【図２】この発明に係る鳩目穴かがりミシンの芯糸調子
装置の正面図である。

【図３】図１および図２に示した鳩目穴かがりミシンの
芯糸調子装置の構成を示す分解斜視図である。

【図４】針板と鳩目穴かがり縫い目構成としての芯糸、
針糸、ルーパ糸の関係を示す斜視図である。

【図５】この発明に係る鳩目穴かがりミシンの芯糸調子
装置により縫製された鳩目穴かがり縫い目を示す断面図
である。

【図６】鳩目穴を示す外観平面図である。

【図７】従来の鳩目穴かがりミシンを示す外観斜視図で
ある。

【図８】従来の下側縫製装置におけるルーパブラケット
に固定した針板と芯糸ガイドとの関係を示す側面図であ
る。

【図９】従来の針板と鳩目穴かがり縫い目構成としての
芯糸、針糸、ルーパ糸の関係を示す斜視図である。

【図１０】従来の鳩目穴かがりミシンでのかがり縫い縫
製時において、糸締め力により被縫製物の端部が捲り込
められた状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１　　上側縫製装置 ２　　下側縫製装置 ３　　布移動体 ４　　針板 ４ａ　　針穴 １１　　芯糸穴 １２　　芯糸ガイド １３　　芯糸調子板 １４　　付勢バネ １５　　バネ体 １６　　螺子体 Ｈ　　芯糸 Ｉ１　　針糸 Ｉ２　　ルーパ糸 Ｎ　　縫い針 Ａ　　鳩目穴かがり縫目 Ｂ　　芯糸調子器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　上軸に関連して作用する駆動手段によ
   り縫い針を昇降駆動させるとともに左右方向に揺動させ
   る針棒等をミシン頭部に支持し、鳩目穴の円形穴部に沿
   って回動可能に設けられる上側縫製装置と、針穴および
   縫い針の揺動間に芯糸を供給する芯糸穴を有した針板と
   、針板を支持するとともに、縫い針と協同してかがり縫
   い目を形成するルーパ駆動手段により駆動されるルーパ
   等をミシンベッドに支持し、鳩目穴の円形穴部に沿って
   回動可能に設けられた下側縫製装置と、被縫製物を保持
   し、鳩目穴の直線縫い目方向に移動可能な布移動体と、
   を備え、布移動体を移動させ、鳩目穴の一方の直線縫い
   目を形成し、次いで上側縫製装置および下側縫製装置を
   同期回動して鳩目穴の円形穴縫い目を形成し、次いで布
   移動体を逆方向に移動して他方の直線縫い目を形成する
   、鳩目穴かがりミシンにおいて、前記針板の芯糸穴を、
   左右方向に揺動する縫い針の鳩目穴側の針落ち点近傍に
   形成するとともに、前記下側縫製装置に、芯糸の張力を
   調節可能とする芯糸調子器を設けたことを特徴とする鳩
   目穴かがりミシンの芯糸調子装置。