JPH04317023A - 液晶パネルの駆動方法 - Google Patents

液晶パネルの駆動方法

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JPH04317023A
JPH04317023A JP11101991A JP11101991A JPH04317023A JP H04317023 A JPH04317023 A JP H04317023A JP 11101991 A JP11101991 A JP 11101991A JP 11101991 A JP11101991 A JP 11101991A JP H04317023 A JPH04317023 A JP H04317023A
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JP
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voltage
liquid crystal
driving
pulse
drive
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JP11101991A
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English (en)
Inventor
Koyo Yuasa
公洋 湯浅
Moriyoshi Kurosawa
黒沢 守儀
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶パネルの駆動方法に
関し、特に、強誘電性液晶の双安定性の不良を補償する
ことにより、コントラスト比の改善及びデューティー比
の向上を図った液晶パネルの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶に印加される電圧の時間平
均値(平均電圧)は、液晶や電極の化学的劣化を避ける
ため、ゼロとなるようにされている。例えば、双安定性
を有する強誘電性液晶パネルの駆動法として従来より2
パルス法や4パルス法あるいはこれらに交流波形を重畳
する方法などが良く知られており、これらの駆動法にお
ける駆動波形の時間的平均値はゼロとされている。最も
簡単な2パルス法の場合について説明する。図7(a)
は通常の2パルス法における駆動波形を示す波形図であ
る。ここで、液晶(パネル)の駆動波形とは、マトリク
スパネルの中のある画素が選択されたときのその画素の
電極間に外部から印加される駆動波形である。この例で
はパルス幅と電圧の大きさが同じでその符号のみが異な
る2つのパルスの対によって駆動波形が構成されており
、平均電圧はゼロとされている。3パルス法はインター
バル期間を設けることで液晶分子が安定なメモリー状態
に入ることを助け、パルス幅τSや駆動電圧VSの設定
範囲を広くすることができるようにした駆動法であり、
この場合にも正負のパルスは対称とされ、平均電圧はゼ
ロとされている。4パルス法は、書込みパルス(選択パ
ルス)を4つのパルスで構成し、第2と第3のパルスの
極性をそろえることで、2つの連続するパルスで画素を
リセットすることにより黒レベルの輝度を十分低くして
コントラストの向上を図った駆動法であり、この場合に
も平均電圧はゼロとされている。また、2パルス法、3
パルス法、4パルス法においては、非選択期間中にクロ
ストークパルスがかけられている。このクロストークパ
ルスの電圧は、書込みパルスの電圧の1/3または1/
4の大きさに設定されそれぞれ1/3バイアス法、1/
4バイアス法と呼ばれている。このクロストークパルス
も対称とされ平均電圧はゼロとされている。同様に書込
み状態を消去する消去パルスも対称とされ平均電圧はゼ
ロとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した対称
駆動波形で良好な書込み状態(コントラスト)を得るに
は、マトリクス液晶パネルの双安定性が優れていること
が前提となる。この双安定性が優れた配向状態は強誘電
性液晶では実現することが比較的難しく、ジグザク欠陥
や液晶中のイオンの偏在などによってその特性にむらが
生じたり片安定的になったりしやすい。片安定性しか持
たないパネルの応答特性を示すと次のようになる。図3
(a)及び(b)は印加電圧に対する光学応答のヒステ
リシスカーブを示す図である。双安定性が正しく発現し
ている場合には図3(a)のように対称な曲線になるが
、例えば液晶中のイオンの偏在などの理由により、双安
定性が不良で片安定的になる場合には、図3(b)に示
すように、応答特性は非対称となる。液晶パネルの特性
が非対称である場合には上述した対称駆動では対応でき
ない。それは直流的な応答特性が正負で異なる場合には
、必ず駆動のような動的電界に対しても応答性、特に動
的閾値特性が非対称になってしまうからである。このた
め、画像の書込みを行なってもオンまたはオフいずれか
の状態に偏った表示となりコントラスト比は大幅に低下
する。また、この偏った状態は不安定であるので、多数
のクロストークパルスに耐えることができずデューティ
ー比を上げることが不可能になる。また、液晶パネルの
双安定性が不良であると駆動波形の中央電圧(ゼロ電圧
)と液晶の中間特性との間にずれを生ずる。
【0004】従来、液晶パネルの駆動、特にマトリクス
方式においては、図15に示した抵抗を直列に接続した
電圧分割の方法により5水準V1,V3,V5,V4,
V2の電圧群をつくりこのうち4水準V1,V3,V4
,V2をコモン側に、3水準V1,V5,V2をセグメ
ント側に対応させ、適宜な論理回路LSIを用いて図1
6に示すような対称波形をつくる。これらを液晶マトリ
クス電極のコモン側、セグメント側に印加して駆動する
ようになっている。しかし、この方法では直列抵抗がす
べて固定した値のため、特に強誘電性液晶の場合には、
中央電圧V5と液晶の中間特性との整合が困難である。 このため、コントラストを良好な状態に保つことができ
ない欠点があった。また、液晶への要求特性が厳しくな
る問題があった。
【0005】上記問題を解消する技術として、光透過状
態をスイッチングするための液晶書込み時間の他に液晶
完全交流化駆動時間を設けることにより液晶に印加され
る電圧の時間的平均値をゼロにし、液晶及び電極の劣化
を防止する技術が知られている(特開平1−48040
 号)。 しかしながら、かかる液晶及び電極の劣化を防止する技
術は、交流化時間(パルス)を設けているために1ライ
ンの選択時間が長くなるという問題がある。また、書込
み電圧の波形の自由度が減少するという問題がある。本
発明は上述した問題点にかんがみてなされたもので、強
誘電性液晶の双安定性の不良を補償でき、したがって、
コントラスト比の改善及びデューティー比の向上を図る
ことができる液晶パネルの駆動方法の提供を目的とする
。上記目的を達成するために本発明者らは鋭意研究を重
ねた結果、強誘電性液晶の双安定性の不良によって生ず
るコントラストの低下、パネル面内のむら、デューティ
ー比の低下は、駆動電圧波形を微調整することで容易に
解消できることを見い出した。また、駆動電圧波形の微
調整によって、双安定性の良好な強誘電性液晶において
も、コントラストの微調整を容易にし、デューティー比
の限界値を数倍以上改善できることを見い出した。そし
て、駆動電圧波形の微調整の態様として、■駆動電圧波
形に直流電圧を重畳する方法、■駆動電圧波形を非対称
とする方法、■消去時間と書込み時間に逆符号の直流電
圧を重畳する方法、■3パルス法において正負のパルス
対及び休止期間に逆向きの直流電圧を重畳する方法、■
駆動電圧波形の中央電圧(ゼロ電圧)を微調整する方法
、等が好適であることを見い出し本発明を完成するに至
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の液晶パネルの駆動方法は、強誘電性液晶の駆
動方法において、強誘電性液晶の双安定性の不良を補償
するよう駆動電圧波形を微調整して液晶の駆動を行なう
ようにしてある。ここで、強誘電性液晶の双安定性の不
良を補償するよう駆動電圧波形を微調整する手段は特に
限定されず、波形全体あるいは波形の一部を微調整した
り、波形の各部を正負の方向にそれぞれ調整したりする
各種の態様が考えられる。以下、本発明の態様である第
一発明〜第五発明につき順次説明する。
【0007】まず、本第一発明について説明する。第一
発明は、強誘電性液晶の駆動方法において、強誘電性液
晶の双安定性の不良を補償しうる駆動電圧波形として、
電圧の時間平均値(平均電圧)が0.05〜5Vである
駆動電圧波形を用いるものである。平均電圧が0.05
〜5Vの駆動電圧波形を得るには、例えば、通常の正負
対称の駆動波形(平均電圧ゼロ)全体に直流電圧VBを
重畳すればよい。また、平均電圧が0.05〜5Vの駆
動電圧波形を得るには、通常の正負対称の駆動波形(平
均電圧ゼロ)の一部、例えば書込みパルスのみに直流電
圧を重畳してもよい。重畳する直流電圧VBの大きさの
時間平均は、0.05〜5Vの範囲とする。この重畳す
る直流電圧VBの大きさは、液晶セルの厚さが数μm以
下である通常の場合には1V以下で十分であることが多
い。液晶の駆動波形に直流電圧VBを重畳するには、コ
モン電極及びセグメント電極に接続される駆動電圧群発
生回路(通常は両電極共通)を別々に設け、各駆動電圧
群発生回路で発生される各基準電圧値を変化させればよ
い。この各基準電圧値を変化させることによって、結果
的に直流電圧VBを重畳したのと同じことになる。
【0008】次に、第一発明を実施するための具体的回
路例について、図面を参照して説明する。図1(a)は
第一発明を実施するための一回路例を示す図であり、コ
モン側及びセグメント側の駆動回路を別々とし、それぞ
れ図1(a)に示す回路で構成してある。5つの分割抵
抗(R1,R3,R5,R4,R2)はすべて可変抵抗
で構成され同じ抵抗値特性をもっている。各可変抵抗の
中点に出力端子を設定して、5水準の電圧群V1’,V
3’,V5’,V4’,V2’を得る。電源電圧VLC
Dが5分割されV1’は5/5から4/5までの範囲で
可変にできる。V3’については4/5から3/5まで
の範囲で可変であり、以下同様にV5’は3/5から2
/5、V4’は2/5から1/5、そして、V2’は1
/5から0/5までの範囲でそれぞれ可変である。これ
らの電圧群V1’,V3’,V5’,V4’,V2’は
図15における電圧群V1,V3,V5,V4,V2と
全く同じ値をとることができ、その上でそれらの前後の
値に変化させることが可能である。まず、V1’のみを
変化させ、他のV3’〜V2’はすべてV3〜V2とそ
れぞれ同じとすると、図2(a)に示したようにコモン
側の駆動波形のV1の部分がV1’と低下し他の波形の
部分は変わらない。この結果、コモンの波形全体の平均
値はV5の電圧レベルからほんの少し下がる。 その下がる量はV1とV1’の差(V1−V1’)の時
間的平均だけである。一方,セグメントについてはV1
〜V2のままとすると、全体の平均はV5であるからコ
モン電極とセグメント電極との間、すなわち、書込みパ
ルス(選択パルス)に微少な差の電圧がV1−V1’生
じる。
【0009】次に、コモン駆動用電圧V2’のみを変え
る場合は、図2(b)に示したようにV2のレベルがV
2’のレベルにシフトして全体の波形の平均値はV5よ
り若干上昇して前述と類似の直流バイアスを与えること
ができ、同様にコントラスト、色調等を変えることがで
きる。V3’,V4’のみを変化させた場合は、図2(
c)及び(d)に示すようにクロストークパルスの部分
にその効果を生じるが、デューティー数が大きく1/1
00〜1/200に及ぶようなときは平均化特性のゆら
ぎが少なく安定してコントラストや色調変化に活用でき
る。図1(b)はセグメント側の電圧V1,V5,V2
を不変としてのコモン側の電圧V1’,V3’,V4’
,V2’を変えることで(セグメント)−(コモン)の
駆動電圧に直流バイアスをつくる場合の回路例を示す図
である。図2(c)は更に他の回路例でコモン側の電圧
を不変とし、セグメント側の電極のみを変えることで(
セグメント)−(コモン)の駆動電圧に直流バイアスを
つくる場合の回路例を示す図である。まずV5’のみを
変えた場合は、図2(e)に示すように、データ“0”
に相当した部分に微少バイアス電圧をつくりこの時間的
な平均電圧として微少電圧を長時間印加したと同様の効
果を、上述したコモン側を変化させた場合と同じように
して得る。さらに、図6(f)はV5’を逆方向にシフ
トした場合を示し、(g),(h)はそれぞれV1’,
V2’のみを変えた場合を示し、コモン側を変化させた
場合と同様である。 上述した例は、コモンかセグメントのいずれか一方の平
均的電圧を微少にシフトすることで(セグメント)−(
コモン)の平均電圧に微少なバイアス電圧を印加してコ
ントラストや色調を微調整しようとするものであるが、
本発明は、これに限定されるものではなく、同様の作用
はセグメント、コモンの両方の電圧を逆方向にシフトし
て行なってもよい。また部分的なコモン電極あるいはセ
グメント電極にこれらの電圧を印加し、パネル面内にお
いて部分的にコントラストや色調を変えることも可能で
ある。以上のように、直列抵抗よりなる駆動電圧群発生
回路の各基準電圧を変化させることで、実質的に各画素
に印加される電圧に直流バイアス分を重畳することが可
能となる。
【0010】上記第一発明の方法のように、液晶セルに
わずかな直流電圧を印加すると、強誘電性液晶は静的な
閾値性をほとんど持たないため、液晶分子全体をゆっく
りと分極反転させ、液晶分子を電極面に平行に固定する
ことができる。したがって、双安定性の悪い液晶パネル
のコントラストを大幅に改善できる。また、双安定性が
良好な液晶パネルの場合においてもコントラスト比の微
調整が容易となる。このことを印加電圧に対する光応答
のヒステリシス曲線に基づいて説明すると、双安定性が
悪く片安定的になった状態(図3(b))でVbに相当
する電圧を駆動パルスに重畳することで、液晶パネルの
特性を見かけ上双安定的な状態(図3(a))にするこ
とができる。また、片安定性の発現がイオンの偏在や配
向膜の極性によること、及び直流電圧Vbは微少である
ことを考え合わせると、直流電圧Vbの印加は、実際に
液晶に印加される内部電界の時間的平均値(残存直流成
分)をゼロにする働きをする。したがって、液晶の劣化
を減少させることができる。
【0011】次に、本第二発明について説明する。第二
発明の方法は、強誘電性液晶の駆動方法において、強誘
電性液晶の双安定性の不良を補償しうる駆動電圧波形と
して、駆動電圧波形のうち、消去時間と書込時間の各時
間に逆符号の直流電圧を重畳した駆動電圧波形を用いる
ものである。  双安定性の良好な液晶パネルにおいて
は、イオンの偏在などがないため、第一発明の方法のよ
うに一方向のみの直流電圧成分を長期間印加しつづける
のは好ましくない場合がある。そこで、第二の発明は、
書込時間と消去時間に逆符号の直流電圧を重畳する構成
としてある。書込み時間は、選択期間(書込みパルス時
間)と非選択期間(クロストークパルス時間)とからな
る。この書込み時間に直流電圧を重畳することで、双安
定性が良好なパネルの場合は、コントラスト比の微調整
を容易にする。また、双安定性が良好でないパネルの場
合には、双安定性の不良を補償できる。消去時間には、
書込み時間とは逆極性の直流電圧が重畳される。消去時
間に重畳される直流電圧の大きさは、書込み時間に重畳
される直流電圧を相殺し、かつ、双安定性の不良を補償
して、液晶材料の劣化を防止しうる範囲に調整される。 具体的には、消去時間と直流電圧との積及び書込時間と
直流電圧との積との差が20%以下になるように調整す
ることが好ましい。この差をゼロにしなくてよいのは、
消去時間及び書込時間に重畳される直流電圧の大きさは
、駆動パルス電圧に比べて非常に小さいので、多少の差
は問題とならないからである。これにより、双安定性に
優れた液晶パネルにおいても、液晶の劣化を防止できる
【0012】次に、第二発明を2パルス1/3バイアス
法を例にとり、図面を参照して説明する。図4は2パル
ス1/3バイアス法に本第二発明を適用した場合の駆動
電圧波形を示す波形図である。消去時間τEにおいては
、正負の消去パルス1(±VW)のそれぞれに負の直流
電圧−VB2が重畳されている。また、書込時間τWに
おいては、クロストークパルス2及び書込パルス(選択
パルス)3のそれぞれに正の直流電圧+VB1が重畳さ
れている。書込時間中に印加される直流電圧+VB1に
よってコントラスト比の改善が図られる。また、+VB
1の積算分を打ち消すために、画面の消去時に+VB1
と逆符号の直流電圧−VB2が印加され、これにより液
晶の劣化が防止される。なお、VB1及びVB2の値は
、下記(1)式満たすように設定することが好ましい。 ただし、Nはデューティー比を表わす。     |1−(VB2・τE/VB1・N・τW)|
≦0.2              …(1)
【0013】上記本第二発明は上記2パルス1/3バイ
アス法に限定されるものではなく、他の駆動方法におい
ても全く同様に適用できる。次いで、消去時間及び書込
時間のそれぞれに、逆符号の直流電圧を重畳するための
具体的回路例を図5に示す。入力端子MにはHレベル(
+5V)およびLレベル(0V:GND)の二値の信号
が印加される。Hレベルが印加されると、分離抵抗R1
2,R13を介してスイッチングトランジスタTR2,
TR4が共にONになる。同時に電流制限抵抗R11、
バイアス抵抗R10によりスイッチングトランジスタT
R3もONになる。この結果トランジスタTR1のエミ
ッタ−ベース間が短絡状態になってこのトランジスタT
R1がOFFになる。これにより抵抗R1,R2,R3
,R4,R5,R6の直列接続のうち抵抗R1が短絡さ
れてゼロとみることができ、R2,R3,R4,R5,
R6のみの直列回路になる。各抵抗間の電圧を高い方か
ら順にV1,V3,V5,V4,V2と設定すると、電
圧V2はゼロすなわちGND電位に相当する。次に、入
力端子MにLレベルが印加されると、トランジスタTR
2,TR4がOFFになり、直列接続のトランジスタT
R3もOFFになる。トランジスタTR3のコレクタ−
エミッタ間は開放状態になり、トランジスタTR1のベ
ース−エミッタ間には電源電圧VLCDを抵抗R7,R
8で適宜に分割した順バイアスを生じてトランジスタT
R1がONとなる。これにより、抵抗R6は短絡状態と
なって抵抗R1,R2,R3,R4,R5のみの直列回
路を形成し、電圧V1は電源電圧VLCDと同じになる
。以上のことを整理すると、抵抗R1,R2,R3,R
4,R5,R6をすべて同じ値にした場合は、下記表1
に示すようになる。
【0014】<表1> (SW1:開放) Hレベル印加時                Lレ
ベル印加時V1=VLCD×4/5         
 V1=VLCD×5/5V3=VLCD×3/5  
        V3=VLCD×4/5V5=VLC
D×2/5          V5=VLCD×3/
5V4=VLCD×1/5          V4=
VLCD×2/5V2=VLCD×0/5      
    V2=VLCD×1/5表1からわかるように
、VLCDの1/5の相当分の電圧だけシフトすること
ができる。さらにSW1を閉じた場合は、電流制限抵抗
R9を介してトランジスタTR1,TR2が十分に順方
向バイアスを受け共にONとなって抵抗R1,R6をそ
れぞれ短絡状態に保つことができる。この状況下で入力
端子MにH,Lのいずれの信号が印加されても影響を受
けることはない。従って、抵抗R2,R3,R4,R5
のみの直列接続で電源電圧VLCDを分割する。  こ
れを整理すると下記表2に示すようになる。 <表2> (SW1:閉) V1=VLCD×4/4 V3=VLCD×3/4 V5=VLCD×2/4 V4=VLCD×1/4 V2=VLCD×0/4
【0015】さて、電圧V1,V3,V5,V4,V2
は液晶駆動用LSIに供給されるが、コモン用LSIに
はV1,V3,V4,V2の4水準の電圧が、セグメン
ト用LSIにはV1,V5,V2の3水準の電圧がそれ
ぞれ供給されるようになっている。そしてSW1がON
の場合には図6(a)及び(b)に示すような駆動波形
が発生する仕組みになっている。SW1をOFFにして
、Hレベルの信号を入力端Mに印加すると駆動波形は図
6(c)及び(d)に示すように変化する。また、Lレ
ベルの信号を入力端に印加すると駆動波形は図6(e)
及び(f)に示すように変化する。このH/L制御を消
去時間及び書込み時間にタイミングを合わせて行ない、
消去時間及び書込時間のそれぞれに直流電圧を重畳する
【0016】次に、本第三発明について説明する。本第
三発明の方法は、強誘電性液晶の駆動方法において、強
誘電性液晶の双安定性の不良を補償しうる駆動電圧波形
として、正負のパルスの幅と電圧との積に差異を設けた
非対称パルスを用いるものである。正負のパルスには、
書込みパルス(選択パルス)、クロストークパルス等が
含まれる。これらの正負のパルスは、通常液晶の劣化防
止のためパルスの幅及び電圧の絶対値を一致させた対称
パルスとされているが、本発明ではこれを非対称パルス
としたものである。非対称パルスは、電圧変化,時間変
化,電圧及び時間の双方変化によって得ることができる
。次に、2パルス法を例にとり、図面を参照して説明す
る。図7(a)は従来の2パルス法における駆動パルス
を示す波形図,図7(b)は、本第三発明における駆動
パルスを示す波形図である。この例の場合、負のパルス
の電圧のみを−VSから−VS’に変えて、正負のパル
スの面積VS・τS及びVS’τSとの間に差異を設け
ている。そして、正負の電圧の大きさを調整して、双安
定性の不良(非対称性)を補償できるようになっている
。このような非対称パルスによる駆動は液晶材料の劣化
を防止することにもなる。それは、非対称な応答特性を
持つ液晶パネルでは、イオンの偏在や界面の非対称性に
基づく微弱な内部電界が存在し、それを本発明の非対称
駆動で打消し実質的に液晶に印加される電圧の直流成分
をゼロとすることができるからである。これは液晶パネ
ルのコントラストが最大となるように駆動条件を調整す
ることで自ずと達成される。非対称パルスを発生させる
具体的回路例は上述した第二発明の場合と同様である。 なお、双安定性が良好な場合など、これらの非対称な駆
動波形による直流成分を打消す必要がある場合には、例
えば消去時間や後述する画像書込み後の休止時間などに
逆符号の直流成分を重畳して打消すようにしてもよい。
【0017】さらに、本発明では、液晶パネルの直流応
答特性の非対称性が非常に大きい場合にも容易に対応で
き、パネルを製作する際に意図的に片安定性などの特性
を付与することができる。例えば大面積の液晶パネルで
強誘電性液晶パネルを作製するにはセル厚を数μm以下
と薄くしなければならないので導通欠陥を生じやすいと
いう問題がある。そこで電極面上に絶縁膜を設けること
があるが、その膜厚等を上下基板で対称にすることは比
較的難しい。むしろ、片側の電極面上のみに絶縁膜を設
けて片安定性などの特性を付与するほうが容易である。 本発明の駆動法では、絶縁膜を設けたことによって生じ
るパネルの大きな非対称性にも対応でき、同時にパネル
製造の歩留りを向上させることもできる。上記本第三発
明の方法は、上記の2パルス法に限らず4パルス法や、
選択時間の中にインターバル期間や交流電圧印加期間が
あるもの、駆動波形に高周波電界を重畳したものなどあ
らゆる方法に対して容易に適用できる。
【0018】次に、本第四発明について説明する。本第
四発明は、強誘電性液晶の駆動方法において、強誘電性
液晶の双安定性の不良を補償しうる駆動波形として、正
パルス、負パルス及び休止期間からなる駆動波形におい
て、正負のパルス対に直流電圧を重畳し、休止期間に前
記直流電圧と逆符号の直流電圧を重畳した駆動電圧波形
を用いるものである。正パルス、負パルス及び休止期間
からなる駆動電圧波形を用いた駆動方法は、3パルス法
と呼ばれている、この3パルス法は、図8(a)に示す
ように、書込みパルス(選択パルス)3を、正パルス(
電圧VS,印加時間τS)3a、負パルス(電圧−VS
,印加電圧τS)3b及び休止期間(インターバル期間
)(電圧0,印加時間τS)4の三っのパルスで構成し
ている。インターバル期間τSは書込みパルス幅τSと
同じにしてある。インターバル期間は、液晶状態が安定
なメモリー状態に入るのを助ける。本発明におては、図
8(b)に示すように、正負の書込みパルス3a及び3
b(±VS)に直流電圧V1を重畳し、インターバル期
間にはこれと逆符号の直流電圧−V2を重畳している。 この直流電圧V1の重畳によって主として非対称性など
の双安定性の不良を補償する。直流電圧−V2は素子に
残留直流成分が多くならないようにこれを打消す効果を
持つ。しかし、パネルが片安定の場合などは外部電圧を
印加しなくても微弱な内部電界が存在するので、V1と
V2は完全に打消さなくても内部電界を消失させること
ができる。通常、一画面のすべての走査についての時間
平均で、残留直流電圧の大きさが0.5V以下となるよ
うにすれば良い。例えば図8(b)の3パルス法では(
2V1−V2)/3<0.5Vとすれば良い。
【0019】上記正負のパルス対及び休止期間のそれぞ
れに逆符号の直流電圧を重畳するための具体的回路例は
上述した第二発明の場合と同様である。直流電圧の重畳
前のセグメント電極及びコモン電極の駆動波形を図9(
a)及び(b)に示す。上述した第二発明の場合と同様
に、セグメントの駆動電源のみにH/L制御を行ない、
コモンの電圧関係はH/L制御なしとすると、図9(c
)及び(d)に示すように、H/L制御の時間関係を適
宜に設定することにより、一方向のみのパルスを強調し
た駆動波形が得られる。これまでセグメントのみH/L
制御を行ない、コモンは固定して考えたが、本発明はこ
れに限定されるわけではなく、コモンのみH/L制御を
してセグメントを固定してもよく、さらにはセグメント
をH/L制御し、コモンを逆極性にL/H制御して効果
を高めることも可能である。また、H/L制御の波形を
適宜に設定することが可能なのでもっと複雑な制御を行
なうことももちろんできることは言うまでもない。 このH/L制御を適宜行なうことでインターバル時や消
去時のみに逆方向の直流バイアスを重畳することが可能
となる。例えばセグメント電極駆動波形を図9(e)、
コモン電極駆動波形を図9(f)とすると、液晶(画素
)の駆動電圧波形は図9(g)に示すようになり、正負
のパルスに正の直流電圧を、休止期間に負の直流電圧を
印加した駆動電圧波形が得られる。
【0020】次に、本第五発明について説明する。本第
五発明は、強誘電性液晶の駆動方法において、強誘電性
液晶の双安定性の不良を補償しうる駆動電圧波形として
、直列接続された抵抗群から発生される液晶駆動電圧群
において、中央電圧を微調整して得られる駆動電圧波形
を用いるものである。本第五発明を図面を参照して説明
する。図10は本第五発明を実施するための一回路例を
示す図である。直流電源VLCDと接地GNDの間に抵
抗R1,R2,R3,R4とが接続され、R2とR3の
間には可変抵抗RVが直列接続されている。R2,R3
はRVの変化範囲を限定するものである。オペアンプO
P1,OP2,OP3がボルテージフォロアーの機能で
結合され出力インピーダンスを十分低くして液晶駆動用
のLSIに5水準の電圧V1,V3,V5,V4,V2
(コモン側にV1,V3,V4,V2セグメント側にV
1,V5,V2)を印加する。可変抵抗RVをR2側に
すると図11(a)に示す波形となり、RVが中間位置
で図11(b)にさらにR3側にすると図11(c)に
示す波形になって直流バイアス+△V,−△Vを発生さ
せる。+△Vの発生でパネル面は黒強調、−△Vで白強
調そして中間は連続階調になる。
【0021】上記本第五発明は、液晶パネルの中間特性
と駆動電圧の中央値との間で十分整合できるように可変
な微調整機能を設けているので、コントラストを最高に
保つことができる。また、本発明では液晶パネルの諸特
性のずれにともなう白レベル及び黒レベル調整を電気的
に補償して整合できるので、性能の実質的向上のほかに
、液晶パネルの要求特性が緩和されるため、液晶パネル
の対応範囲が飛躍的に拡大し生産性が改善できる。
【0022】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細
に説明する。 実施例1(第一発明)双安定性良好な場合の例強誘電性
液晶組成物(メルクジャパン製;ZLI−4655−1
00)を用いてマトリクス液晶パネルを作製した。具体
的には、60mm×60mm×0.8mmのITO電極
付きガラス基板のITO面にポリビニルアルコール膜を
作製し、一方向にラビング処理した。このような基板を
2枚用意し、ガラス製の直径2μmのビーズをスペーサ
材として片方の基板上に散布した。次いで対向基板と張
り合わせ、周囲を一箇所のすきまを除いてエポキシ系接
着剤で封止した。このとき二枚の基板のラビング方向が
一致するようにした。このようにして組立てた液晶セル
に上記液晶を真空注入した。等方相を示す100℃から
10℃/分の速度で室温まで冷却し、配向した強誘電性
液晶セルを得た。コントラスト比はクロスニコル下で±
5Vの直流印加で80程度であった。また、セル圧は約
2.7μmであった。
【0023】この液晶セルのストライプ電極(コモン及
びセグメント電極とも500μmピッチ、100本)に
駆動装置を接続し、通常の2パルス法の駆動を行なった
ところ、デューティー比1/100、駆動パルス電圧1
2V、パルス長150μs、1/3バイアス法でコント
ラスト比35のかなり良好な表示を得た。このことから
本パネルの双安定性は良好であるといえる。
【0024】コモン側とセグメント側の駆動電圧群発生
回路を別々にし、これらの基準電圧に−1Vから+1V
までの差をつけた。この方法は、抵抗器の直列回路であ
る駆動電圧群発生回路にさらに半固定の抵抗器を各一個
付加し、その値を変化させることで行なった。この結果
、同じパルス駆動条件で直流電圧が−0.3Vのとき最
もコントラストが高く、75であった。これは直流での
コントラスト値に近い値であり、ほぼ理想的に駆動され
ていることになる。また、この直流重畳電圧を変化させ
ることで容易にコントラスト比を変化させ微調整するこ
とができた。
【0025】実施例2(第一発明) 実施例1では両側基板にPVAのラビング膜を使用した
が、ここでは片側のみとし、一方はITO電極のままと
した。その他のセルの作製法、配向法は実施例1と同じ
である。このセルの直流に対するコントラスト比は±5
Vで70であったが、電圧を取り除くと片安定であった
。実施例1と同様に駆動波形を印加したところ、VB=
0では背景色と表示パターンの濃淡差がほとんど生じず
、コントラストは2以下であった。ところが、VB=1
.2Vとし、PVA側が+VBとなるように直流バイア
ス分を印加したところ、コントラスト比は55まで向上
した。  次に、セグメント電極一本のみを使用し、擬
似的に1/1000デューティーの駆動パルスを印加し
たところ、VB=0ではただちにコントラストが消失し
たが、VB=1.2Vではコントラストの低下が全く認
められなかった。さらに1/2000デューティーとし
てもコントラスト比は50以下には減少しなかった。 
 このように駆動パルス電圧と比べてずっと小さな直流
電圧を重畳するだけで著しいコントラスト比、高デュー
ティー化の改善が確認できた。
【0026】実施例3(第二発明) 強誘電性液晶組成物(メルクジャパン製;ZLI−46
55−100)とPMMA(ポリメチルメタクリレイト
)の重量比95:5の混合物をジクロルメタンに溶解し
て15重量%の溶液とした。本溶液をダイレクトグラビ
アコーターを用いてITO電極付きポリエーテルスルホ
ン(PES)基板(住友ベークライト製;FST  寸
法:厚み100μm、幅150mm、長さ20m)のI
TO面に溶液塗布し、溶媒乾燥後、同種の何も塗布して
いない基板とITO電極面を内側にしてラミネートした
。これらの基板の電極はストライプ状にエッチングして
あり、ピッチは0.4mmである。対向基板では互いに
直交する方向にストライプ電極が存在する。これらの対
向電極間に一様に振幅40V、周波数50Hzの矩形波
を印加しながら図12のようなローラー群で曲げ変形を
与え、未配向素子を作製した。ロール10の表面温度は
室温約20℃である。ロール10としては外径100m
m、幅200mmのものを用いた。ライン速度νは3m
/minとした。この処理により素子20は均一に配向
した。リタデーションから求めたセル圧は3μmであっ
た。この後、長さ400mmずつに切断し、素子が完成
した。このようにして作製した液晶パネルに通常の2パ
ルス、1/3バイアス法の駆動を行なったところ、良好
な(コントラスト比がクロスニコルで10以上)表示が
可能であったのは、デュティー比32までであった。 このときの条件は駆動パルス電圧20Vでパルス幅19
0μsである。デューティー比が小さいのはITO面の
微細な不均一性により双安定性が低下しているためだと
考えられる。
【0027】次に、上述した図4に示したように、消去
時間及び書込み時間に逆符号の直流バイアス電圧を印加
した。図4において、VW=30V、VS=20V、τ
E=500μs、τW=300μsとした。デューティ
ー比はN=32である。このときのコントラスト比は2
9であった。従って、正,負の直流バイアスを重畳する
ことでコントラスト比を向上させ、しかも書込みパルス
幅を短縮することができた。本方法で高デューティー化
を試みたところVB1=0.1V、VB2=10Vとす
れば、デューティー比N=128でもコントラスト比は
25以上であった。次に、片方のみに常時VB1=0.
1Vを印加してパネルを50℃に加熱して1000時間
処理後、全画素合計の抵抗値を測定したところ(電極面
積約17cm2)、約8MΩであった。一方、前述の駆
動をしたパネルでは30MΩ以上で測定不可能であった
。以上から、マクロ的に見て片安定でない液晶パネルで
は本発明の駆動法が寿命的にも有利であることが明らか
である。
【0028】実施例4(第三発明) 下記構造式(2)で表される強誘電性高分子液晶(数平
均分子量MN=3000)を使用した。この液晶分子の
相転移温度を下記(3)に示す。
【0029】
【化1】
【0030】相転移温度  ISO・83/79 Sm
A・52/52 SmC*・7/7g(℃)(3)
【0
031】上記液晶材料(2)とプラスチック基板を用い
て大画面マトリクス液晶パネルを製作した。基板は厚み
100μm、幅300mm、長さ10mのITO電極付
きPES(ポリエーテルスルホン;住友ベークライト製
FST)基板を用いた。基板の一方には電極面上に絶縁
膜としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)膜を設けた
。方法はPVDFを5重量%のピロリドン溶液とし、電
極面にグラビアコーターを用いて溶液塗布した。 この後、加熱乾燥させた。PVDFの膜厚は0.9μm
であった。次にPVDFを設けていないPES基板の電
極面上にマイクログラビアコーターを用いて上記液晶(
2)の20重量%トルエン溶液を塗布した。溶液乾燥後
、直ちにPVDF膜付きの対向基板と、PVDF膜が液
晶と接するようにラミネートして未配向素子を作製した
。その後、図13に示すような曲げ配向装置を用いて素
子20の配向処理を行なった。各ロール10はクロムメ
ッキを施した鉄製であり、幅500mm、直径100m
mのものを使用した。各ロール10の表面温度はT1=
100℃、T2=70℃、T3=50℃、ライン速度ν
=10m/分とした。
【0032】配向処理後、一部を切り出してクロスニコ
ル下に配置し、電極間に±10Vの直流電圧を印加した
ところ、コントラスト比は70であった。しかし電圧を
取り除くと液晶分子は片安定であり、いつもその双極子
をPVDF面に向けるような方向のみに傾いた。また、
クロスニコル下での差色からリタデーション値を求め、
セル厚を計算したところ、1.8μmであった。導通欠
陥は一箇所もなかった。配向済素子から長さ1m分を切
り出して電極部を駆動回路に接続した。200×450
ドットとし、デューティー比は200とした。はじめに
通常の2パルス1/3バイアス法としたところ、画像デ
ーターはライン選択後、直ちに消失して書込みはできな
かった。次に、上述した図7(b)においてτS=20
ms、VS=22V、VS’=20Vとして、PVDF
面側がプラスとなるときにVS(=22V)が印加され
るようにしたところ、コントラスト比30以上の良好な
書込みができた。このように片安定のパネルにおいても
パネルの特性に応じて非対称な駆動を行なうことで良好
な書込みができることが明らかになった。
【0033】実施例5(第三発明) 実施例4で作製した液晶パネルに、上述した図8(a)
においてインターバル期間をτ/2とし、2.5パルス
駆動を行なった。はじめに2.5パルス駆動波形でデュ
ーティー比200の駆動を行なったところ、やはり直ち
に表示は消失してコントラストは生じなかった。次にV
S=23V、VS’=20Vとなるように非対称波形と
したところ、τS=18msでコントラスト約40の良
好な書込みができた。
【0034】実施例6(第四発明) 強誘電性高分子液晶としては実施例4と同様のものを使
用した。上記液晶をITO電極付き一軸延伸PET(ポ
リエチレンテレフタレイト)基板の電極面に溶液塗布し
た。基板は幅180mm、長さ20m、厚み100μm
のロール状で、ダイレクトグラビアコーターを用いて製
膜した。溶液濃度は30重量%のトルエン溶液とした。 溶媒蒸発後、何も塗布していない同種の基板とラミネー
トして未配向素子を作製した。次に、図14に示すよう
に、加熱ロールを用いて素子20を45℃に加熱しなが
ら電極間に±50V、50Hzの矩形波を印加して曲げ
変形による剪断を加えて配向処理を行なった。セル厚は
4μmであった。配向ロール10の直径は100mmで
クロムメッキを施した鉄製のものを使用し、ライン速度
ν=10m/分とした。配向処理の後、長さ400mm
を切り出して駆動回路を接続した。はじめに通常の2パ
ルス法による書込みを試みたところ最適条件は以下の通
りであった。 デューティー比  100      1/3バイアス
法VS=28V パルス幅  τS=17ms コントラスト比  :10  (クロスニコル配置)パ
ルス幅を±1ms変化させたところ、コントラスト比は
5程度に低下した。
【0035】次に、τS/2に相当すインターバル期間
を設けて2.5パルス駆動としたところ、同様な駆動条
件でコントラスト比は14に向上した。パルス幅を±1
ms変化させてもコントラスト比は12以上を保ってい
た。さらに、本発明の直流重畳を行なった。はじめの書
込みパルスには直流0.6Vを、τS/2のインターバ
ル期間には−1Vを重畳した(V1=0.6V、V2=
1V)。この結果、最適コントラスト比が得られる条件
は次のように変化した。 デューティー比  100      1/3バイアス
法VS=28V パルス幅  τS=15ms コントラスト比  41 パルス幅は±1ms変化させても、コントラスト比は3
0以上であった。以上のように書込みパルスとインター
バル期間で符号の逆向きの直流電圧を重畳することで容
易にコントラスト比を改善し、高デユーティー駆動が可
能であることが明らかになった。また、インターバル期
間に相当する微小電圧期間があることで駆動条件の決定
が容易になった。
【0036】実施例7(第5発明) 上述した図10に示す回路を用い、各素子として下記の
数値及び部品を使用した。 R1=200オーム R2=150  〃 RV=100  〃  (可変) R3=150  〃 R4=200  〃 オペアンプ:LM324 LSI    :HD66107T(日立)  液晶ド
ライバー 液晶パネル:100×300  マトリクス
【0037
】液晶パネルは外形50mm×140mm×0.8mm
のITO電極付きガラス基板二枚を用いて作製した。一
方の基板のITO面にガラス球スペーサー(直径2μm
)を散布したのち対向基板をITO面が向き合うように
合せ、等方相に加熱した強誘電性液晶(チッソ、CS−
1015)を毛細管現象を利用して注入した。次いで液
晶パネル全体を40℃に加熱し、上下電極間に直流20
Vを印加しながら基板間に約1mmの剪断を2回印加し
て配向させた。配向処理ののち、パネルを室温まで冷却
し、周辺部をエポキシ系接着剤でシールした。液晶層の
厚みは約3μmであった。素子をクロスニコル下に配置
して図10に示す構成の駆動回路に接続した。はじめに
、RV の位置を中心に合わせ、バイアスの無い3パル
ス(正パルス1、負パルス1、インターバル1)1/4
バイアス法の駆動を行なった。VLCD=30V、デュ
ーティー比100としたところ最も高いコントラスト比
が得られるパルス幅は180μsであった。この時のコ
ントラスト比は17であった。
【0038】次に、同じ条件のままRVを調整したとこ
ろ、R2側が45Ω、R3側が55Ωとなるような位置
で最もコントラストが高くなり、50以上が得られた。 これは配向処理時に直流を印加したために微量なイオン
の偏りが生じ、液晶パネルの特性に僅かな非対称性が生
じたためであると思われる。本発明のような可変抵抗に
よる中央電圧可変回路によって、容易にかつ微量な調整
で液晶パネルの特性に応じた好適な駆動を実現できるこ
とが明らかになった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明の液晶パネル
の駆動方法によれば、強誘電性液晶の双安定性の不良を
補償でき、したがって、コントラスト比の改善及びデュ
ーティー比の向上を図ることができるまた、双安定性の
良好な液晶パネルにおいても、駆動電圧波形を微調整す
ることで、コントラストの微調整を容易にし、デューテ
ィー比の限界値を数倍以上に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の発明を実施するための回路例を示す図で
ある。
【図2】第一発明における駆動電圧波形を示す波形図で
ある。
【図3】強誘電性液晶の印加電圧に対する光応答を示す
ヒステリシス曲線である。
【図4】第二発明における駆動電圧波形を示す波形図で
ある。
【図5】第二の発明を実施するための回路例を示す図で
ある。
【図6】図5の回路における駆動電圧波形を示す波形図
である。
【図7】第三発明における駆動電圧波形を示す波形図で
ある。
【図8】第四発明における駆動電圧波形を示す波形図で
ある。
【図9】第四発明における駆動電圧波形を示す波形図で
ある。
【図10】第五の発明を実施するための回路例を示す図
である。
【図11】第五の発明における駆動電圧波形を示す波形
図である。
【図12】実施例における配向処理装置を示す正面図で
ある。
【図13】他の実施例における配向処理装置を示す正面
図である。
【図14】他の実施例における配向処理装置を示す正面
図である。
【図15】従来の駆動方法を実施する回路を示す図であ
る。
【図16】従来の駆動電圧波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1…消去パルス 2…クロストークパルス 3…書込みパルス 3a…正パルス 3b…負パルス 4…休止期間

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  強誘電性液晶の駆動方法において、強
    誘電性液晶の双安定性の不良を補償するよう駆動電圧波
    形を微調整して液晶の駆動を行なうことを特徴とする液
    晶パネルの駆動方法。
  2. 【請求項2】  強誘電性液晶の双安定性の不良を補償
    する駆動電圧波形が、電圧の時間平均値を0.05〜5
    Vとした駆動電圧波形である請求項1記載の液晶パネル
    の駆動方法。
  3. 【請求項3】  電圧の時間平均値を0.05〜5Vと
    した駆動電圧波形を、パルス群に直流電圧を重畳して得
    る請求項2記載の液晶パネルの駆動方法。
  4. 【請求項4】  パルス群に重畳される直流電圧を、コ
    モン電極及びセグメント電極に電圧を印加する駆動電圧
    群発生回路を別々に設け、これらの駆動電圧群発生回路
    で発生される各基準電圧値を変化させて得る請求項3記
    載の液晶パネルの駆動方法。
  5. 【請求項5】  強誘電性液晶の双安定性の不良を補償
    しうる駆動電圧波形が、消去時間と書込み時間からなる
    駆動電圧波形において、各時間における駆動電圧波形に
    逆符号の直流電圧を重畳して得たものである請求項1記
    載の液晶パネルの駆動方法。
  6. 【請求項6】  強誘電性液晶の双安定性の不良を補償
    しうる駆動電圧波形が、正負のパルスの幅と電圧との積
    の値に差異を設けた非対称パルスである請求項1記載の
    液晶パネルの駆動方法。
  7. 【請求項7】  消去時間と直流電圧との積及び書込み
    時間と直流電圧との積の差が20%以下である請求項6
    記載の液晶パネルの駆動方法。
  8. 【請求項8】  強誘電性液晶の双安定性の不良を補償
    しうる駆動電圧波形が、正パルス、負パルス及び休止期
    間からなる駆動電圧波形において、正負パルス対に直流
    電圧を重畳し、休止期間に前記直流電圧と逆向きの直流
    電圧を重畳して得たものである請求項1または2記載の
    液晶パネルの駆動方法。
  9. 【請求項9】  強誘電性液晶の双安定性の不良を補償
    しうる駆動電圧波形が、直列接続された抵抗群から発生
    される液晶駆動電圧群において、中央電圧を微調整して
    得たものである請求項1記載の液晶パネルの駆動方法。
  10. 【請求項10】  液晶駆動電圧群における中央電圧の
    微調整を可変抵抗によって行なう請求項9記載の液晶パ
    ネルの駆動方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014103918A1 (ja) * 2012-12-28 2014-07-03 シャープ株式会社 液晶表示装置およびその駆動方法

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