JPH1138390A - 液晶装置 - Google Patents

液晶装置

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JPH1138390A
JPH1138390A JP19607397A JP19607397A JPH1138390A JP H1138390 A JPH1138390 A JP H1138390A JP 19607397 A JP19607397 A JP 19607397A JP 19607397 A JP19607397 A JP 19607397A JP H1138390 A JPH1138390 A JP H1138390A
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voltage
liquid crystal
line electrode
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scanning line
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JP19607397A
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Jun Iba
潤 伊庭
Akira Tsuboyama
明 坪山
Kazunori Katakura
一典 片倉
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非画素部付近から発生する反転ドメインを抑
制し、駆動マージンの広い液晶装置を提供する。 【解決手段】 直流電圧印加制御手段107によって駆
動電圧発生手段104を制御して液晶パネル101の隣
接する2つの画素を形成する走査線電極あるいは情報線
電極に第1の直流電圧を印加することにより、隣接する
画素の間隙部の、双安定性を有し、かつそれぞれの安定
状態を与えるしきい値の大きさが異なる特性を有した液
晶が一方の安定状態になるようにする。そして、この
後、さらに走査線電極あるいは情報線電極に液晶のしき
い値の差を解消する極性の第2の直流電圧を印加するこ
とにより、画素における液晶のしきい値の差を解消する
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶装置に関し、
詳しくは反転ドメインの抑制する駆動法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶装置の一例である液晶表示装置に用
いられる液晶としては、ネマティック液晶、スメクティ
ック液晶、高分子分散液晶等さまざまな材料が用いられ
ている。特に、双安定性を有する液晶素子がクラーク
(Clark)及びガラーウォル(Lagerwal
l)の両者により特開昭56−107216号公報、米
国特許第4,362,924号明細書等で提案されてい
る。
【0003】ここで、双安定性液晶としては、一般にカ
イラルスメクテッィクC相(Smc*)またはH相(S
mH*)を有する強誘電性液晶が用いられている。な
お、この強誘電性液晶は、これらの状態において印加さ
れた電界に応答して第1の光学的安定状態と第2の光学
的安定状態といういわゆる双安定状態を示し、かつ電圧
が印加されてないときはその状態を維持する性質、即ち
安定性を有しまた電界の変化に対する応答が速やかで、
高速かつ記憶型の表示装置等の分野における広い利用が
期待されている。
【0004】ところで、この双安定性素子を用いてマト
リクス型液晶表示装置を作成する場合、対向する電極が
存在せず、電圧が印加されない画素と画素の間(以下非
画素部という)は、表示画素にかかわらず、2つのどち
らかの安定状態、あるいはどちらか一方のみの安定状態
を示すが、従来この非画素部の周辺では、その安定状態
に応じて書き込み側とは異なる反転ドメインが発生する
ことが知られている。そして、この反転ドメインは配向
欠陥等から生じる反転ドメインとともにクロストーク要
因として、液晶駆動時には大きな問題となっている。
【0005】図11にその様子の模式的な図を示す。同
図(a)は、表示画素部20が黒表示状態であり、かつ
反転ドメインが発生していない場合の模式的な図であ
る。なお、同図において、21は表示画素部20以外の
対向する電極が存在しない非画素部、22はアドレス信
号である走査信号を印加する走査線電極、23は画像情
報信号である情報信号を印加する情報線電極、30は走
査線電極22からの信号を画素に印加する走査線電極側
透明電極、31は情報線電極23からの信号を画素に印
加する情報線電極側透明電極である。
【0006】一方、同図(b)は表示画素部20が黒表
示した場合の反転ドメイン24の模式的な図、(c)は
表示画素部20が白表示した場合の反転ドメイン24の
模式的な図である。ここで、この反転ドメイン24は、
非画素部21の安定状態に依存し、鋸歯状の、非画素部
21と同じ安定状態の白あるいは黒の状態で発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の液晶装置において、このように非画素部21の安
定状態により反転ドメイン24が発生するとクロストー
クが発生し易くなり、マトリクス駆動が可能な駆動電圧
パルス幅あるいは振幅の許容範囲、即ち駆動マージンが
狭くなり良好な表示を行うことができないという問題点
があった。
【0008】一方、クロストークは、画素のスイッチン
グのしきい値の大きさが異なることによっても生じる
が、これは特開昭61−235897にあるように走査
信号あるいは情報信号に直流電圧を印加することで軽減
できる。しかし、この方法では、画素のしきい値の差と
は逆の安定状態の非画素部21が存在する場合には、非
画素部端を起点として、より大きな反転ドメインが発生
してしまい、駆動マージンが低下するという問題があっ
た。
【0009】そこで本発明は、上記問題点を解決するた
めになされたものであり、非画素部付近から発生する反
転ドメインを抑制し、駆動マージンの広い液晶装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、走査線電極群
と情報線電極群とをマトリクス状に配置し、これら電極
の各交差部を画素とする液晶パネルと、前記走査線電極
群を駆動する走査線電極駆動手段と、前記情報線電極を
駆動する情報線駆動手段とを備えた液晶装置において、
前記走査線電極群と情報線電極群が形成された一対の基
板間に挟持されると共に、双安定性を有し、かつそれぞ
れの安定状態を与えるしきい値の大きさが異なる特性を
有した液晶と、前記走査線電極群に印加する走査信号を
形成するための電圧を前記走査線電極駆動手段に供給す
ると共に、前記情報線電極群に印加する情報信号を形成
するための電圧を前記情報線駆動手段に供給する駆動電
圧発生手段と、電源部からの電圧供給を検知する検知手
段と、走査信号電圧と情報信号電圧との合成信号電圧に
対し、第1の直流電圧及び前記液晶のしきい値の差を解
消する極性の第2の直流電圧を順次印加するよう前記駆
動電圧発生手段を制御する直流電圧印加制御手段と、を
有し、前記直流電圧印加制御手段は、前記検知手段から
の検知信号に基づき、隣接する前記画素の間隙部の液晶
が一方の安定状態になるよう前記隣接する2つの画素を
形成する前記走査線電極あるいは情報線電極に前記第1
の直流電圧を印加した後、前記走査線電極あるいは情報
線電極に前記第2の直流電圧を印加するように前記駆動
電圧発生手段を制御することを特徴とするものである。
【0011】また本発明は、前記第1の直流電圧は、前
記間隙部の安定状態を前記しきい値の大きい方の安定状
態に調整することを特徴とするものである。
【0012】また本発明は、前記第1の直流電圧は、前
記検知手段からの検知信号の直後に印加されることを特
徴とするものである。
【0013】また本発明は、前記第1の直流電圧は、所
定のフレーム期間ごとに印加され、前記第2の直流電圧
は、画像を表示するために前記情報信号電圧と前記走査
信号電圧を前記画素に印加した際に印加されることを特
徴とするものである。
【0014】また本発明は、前記第1の直流電圧より前
記第2の直流電圧が小さいことを特徴とするものであ
る。
【0015】また本発明は、前記第1の直流電圧は50
0mVを超える電圧値であることを特徴とするものであ
る。
【0016】また本発明は、前記第2の直流電圧は0m
Vより大きく1V以下の電圧値であることを特徴とする
ものである。
【0017】また本発明は、前記液晶はカイラルスメク
チック相を示す液晶であることを特徴とするものであ
る。
【0018】また本発明は、前記液晶が強誘電性液晶で
あることを特徴とするものである。
【0019】また本発明のように、直流電圧印加制御手
段によって駆動電圧発生手段を制御して隣接する2つの
画素を形成する走査線電極あるいは情報線電極に第1の
直流電圧を印加することにより、隣接する画素の間隙部
の、双安定性を有し、かつそれぞれの安定状態を与える
しきい値の大きさが異なる特性を有した液晶が一方の安
定状態になるようにする。そして、この後、さらに走査
線電極あるいは情報線電極に液晶のしきい値の差を解消
する極性の第2の直流電圧を印加することにより、画素
における液晶のしきい値の差を解消するようにする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図面を用いて詳しく説明する。
【0021】図1は、本発明の第1の実施の形態に用い
る液晶装置のブロック図であり、同図において、101
は複数の走査線(走査線電極群)と情報線(情報線電極
群)とで形成したマトリクス電極を有する液晶パネル、
102は走査線を駆動する走査線電極駆動手段である走
査線駆動回路、103は情報線を駆動する情報線電極群
駆動手段である情報線駆動回路、104は走査線駆動回
路102に走査信号を形成する電圧V1,V2及びVc
sを供給し、情報線駆動回路103に情報信号を形成す
る電圧V3、V4及びVcdを供給するための駆動電圧
発生手段である駆動電圧発生回路である。
【0022】また、105は走査線駆動回路102、情
報線駆動回路103及び駆動電圧発生回路104を制御
する制御回路、106はスイッチ110のオン動作によ
る供給電源111からの電力供給を検知し、その検出信
号S1を直流電圧印加制御手段であるロジック制御回路
107に出力する検知手段である電圧検知回路、108
はロジック制御電圧電源、109はデータ発生部であ
る。
【0023】ここで、ロジック制御回路107は、駆動
電圧発生回路104からの各電圧を一定の比率で出力す
るための駆動電圧制御信号S2、スイッチ110のオン
動作後に、走査線電圧Vcsの電圧値を調整するVcs
電圧制御信号S3、選択された走査線に電圧V1とV2
からなる走査選択信号を出力し、選択されていない走査
線へ電圧Vcsを出力するように制御する走査線駆動制
御信号S4、データ発生部109からの画像情報に応じ
た画像信号S5、画像信号S5に基づいて電圧V3、V
4、Vcdからなる白情報信号電圧及び黒情報信号電圧
を選択的に情報線へ出力するように制御する情報線駆動
制御信号S6を出力する。なお、白及び黒情報信号によ
って、各画素は明または暗状態に制御される。
【0024】一方、図2は、液晶パネル101の構成を
示す図であり、同図において、89は一対の基板に液晶
を挟持した液晶セル、90は各走査線電極91を選択
し、選択された走査線電極91に所定のタイミングで駆
動波形を出力する走査線ドライバー、92は情報信号に
従って情報線電極93に所定のタイミングで駆動波形を
出力する情報線ドライバー、94は画像を表示する表示
画素である。
【0025】そして、このような構成の液晶パネル10
1では、各表示画素94に情報線電極93より情報に対
応した情報信号を供給すると共に、走査線電極91より
各ラインの走査信号を供給することで走査線電極91及
び情報線電極93の交差部である各表示画素94を駆動
する。
【0026】また、図3は、液晶セル89の構成を示す
図であり、この液晶セル89は表面の性質が異なる2つ
の対向基板700A,700Bに双安定性を有し、かつ
それぞれの安定状態を与えるしきい値の大きさが異なる
特性を有した液晶を挟持した構成のものである。同図に
おいて、701、707はガラス基板、702、706
はITO等の透明電極、703はラビング処理された水
平配向機能を有する配向膜、704は強誘電性液晶、7
05は垂直配向処理材、708、709、710はカイ
ラルスメクティック層での液晶分子を特徴付けるコーン
を正面から見たものであり、708、709はユニフォ
ーム配向における2つの安定状態を示し、710はスプ
レイ配向状態の一例を示している。
【0027】次に、このような構成の液晶セル89の作
成手順を以下に説明する。
【0028】まず透明電極としてスパッタ法により70
nmの厚さのITO膜を形成した一対のガラス基板70
1,707を用意し、一方のガラス基板701のITO
膜(透明電極702)上にポリイミドの前駆体であるポ
リアミック酸LP−64(東レ製)のNMP(Nメチル
ピリドン):n―BC(n―ブチルセロソルブ)混合溶
液をスピンコートした。塗付溶液はNMP:n―BC=
2:1の混合溶媒にLP−64を1重量%となるように
調製し、スピン条件は45回転/秒、20秒で行った。
【0029】次に、この基板701を80℃のオーブン
中で5分の溶媒乾燥を行った後、200℃のオーブン中
で1時間の加熱焼成を行いイミド化した。得られたポリ
イミド膜は約10nmの厚さで、この膜をラビング処理
して配向膜703とした。なお、ラビングは直径10c
mのローラーに巻付けたナイロン製の膜を用い、16.
7回転/秒、配向膜表面に対する布の押し込み0.4m
m、基板の送り速度10mm/秒で、同じ方向に2回
(片道)のラビングを行った。
【0030】その後、この基板表面に平均粒径2.0μ
mのシリカビーズを0.008重量%で分散させたIP
A(イソプロピルアルコール)溶液を、25回転/秒、
10秒の条件でスピン塗付し、分散密度300個/mm
2 程度のビーズスペーサを散布した。
【0031】また、対向側のもう一方の基板707に
は、基板707のITO膜(透明電極706)上にシラ
ンカップリング剤(ODS―E)の0.5重量%エチル
アルコール溶液を45回転/秒、20秒の条件でスピン
塗付し、垂直配向処理した。その後、この基板上に熱硬
化型のシール剤を印刷により塗工した。
【0032】次に、こうして得られた2枚の基板700
A,700Bを対向して貼り合わせた後、強誘電性液晶
を注入し、この後、150℃のオーブン中で90分間熱
硬化させてセルとした。なお、強誘電性液晶としては、
25℃での自発分極は30nC/cm2 、20℃で層傾
き角度δは0°、チルト角度は22°の特性のものを用
いた。
【0033】ところで、このような構成の液晶パネル1
01の走査線電極91及び情報線電極93には、図4に
示される駆動波形を有する走査信号及び情報信号が印加
される。なお、同図(a)はラインを選択したときに走
査線電極91に供給される選択時の走査信号波形、
(b)はラインを選択しないときに走査線電極91に供
給される非選択時の走査信号波形、(c)は表示画素9
4を明状態に制御するための白情報信号波形、(d)は
表示画素94を暗状態に制御するための黒情報信号波形
である。
【0034】一方、図5はロジック制御部107からの
各信号ならびに各信号線及び走査線と情報線との交差部
で形成される表示画素における電圧レベルを時系列で示
したタイミングチャートである。
【0035】まず、図1に示すスイッチ110がオン
(パワーオン)し、制御回路105のロジック制御電圧
電源108が一定電圧以上になると、電圧検知回路10
6が“H”レベルの検出信号(パワーオン検知信号)S
1を発生する。
【0036】次に、ロジック制御回路107は、この電
圧検知回路106からの“H”レベルの検出信号S1を
受信した後、Vcs電圧制御信号S3からVss1を駆
動電圧発生回路104に出力する。これにより、駆動電
圧発生回路104は、Vcsの出力段をVcs1とし
て、走査線駆動制御信号S4(走査線出力と同型の信号
のため図示せず)により、走査線に非画素部のスイッチ
ングが十分可能な期間Tswの間、第1の直流電圧Vc
s1を印加する。そして、このようにTswの間、第1
の直流電圧電圧Vcs1を印加することにより、非画素
部をしきい値の大きい方の安定状態に揃えるようにす
る。
【0037】次に、駆動電圧制御信号S2を駆動電圧発
生回路104に出力して(ここではVe1)V1〜V4
を一定の比率で出力させ、走査線駆動制御信号S4及び
情報線制御信号(情報線出力と同型の信号のため図示せ
ず)により、ライン選択走査を開始する。
【0038】このとき、Vcs電圧制御信号S3はVs
s2が出力されており、走査線にはVcs2が非選択期
間に印加されるため、画素には画素部のしきい値の差を
解消する第2の直流電圧Vcs2が印加される。そし
て、このようにしきい値の差を解消する極性の第2の直
流電圧Vcs2を印加することにより、反転ドメインの
発生を抑制するようにする。
【0039】なお、図5において、V1=−V2=15
V、V3=−V4=5V、Vcs1=1V、Vcs2=
−100mVである。また、温度など外部検知回路(図
示せず)などから信号を受信した場合は、駆動電圧制御
信号S2は、同図に示すようにVe2に変化し、V1〜
V4から出力される電圧の比率を変更する。
【0040】一方、図6は、本実施の形態の実施例に係
る駆動法により駆動された液晶パネル101の画素部の
模式図であり、同図(a)は初期状態であるT1期間、
(b)は非画素部をスイッチングするTsw期間、
(c)は駆動期間であるT2期間での液晶パネル101
の状態を表している。なお、本実施例において、画素部
20のしきい値は黒側が小さいものとし、画素部20に
は黒の反転ドメインが発生するものとする。
【0041】初期状態(T1期間)では、画素を制御す
る電圧が印加されないため、図(a)に示すように画素
部20及び非画素部21は白、黒が混在した状態とな
る。一方、Tsw期間では、第1の直流電圧Vcs1が
与えられるため、図(b)に示すように非画素部21は
電圧の極性に従って黒に揃えられる。これは、第1の直
流電圧Vcs1が印加される画素部20からの漏れ電界
が非画素部21をスイッチさせる効果があるためであ
る。なお、本実施例においては、非画素部21を反転さ
せる第1の直流電圧Vcs1は、500mV以上必要で
ある。
【0042】また、T2期間では画素を表示するための
走査信号及び情報信号、画素部のしきい値の差を解消す
る第2の直流電圧Vcs2が与えられるため、この第2
の直流電圧Vcs2により図(c)に示すように黒の反
転ドメインが抑制される。なお、本実施例において、し
きい値の差を解消する第2の直流電圧Vcs2は、0〜
1V程度必要である。
【0043】また、第1の直流電圧Vcs1、第2の直
流電圧Vcs2及び非画素部21を第1の直流電圧Vc
s1とは逆の方向に反転させる電圧Vcsr1の関係
は、Vcs2<Vcsr1<−Vcs1である。さら
に、Tsw期間は80msである。なお、Tsw期間は
およそ10ms以上あれば反転可能である。
【0044】ところで、図7は 本発明の駆動法と従来
の駆動法とにおける反転ドメインの発生を比較するため
の図である。なお、同図では画素部のしきい値の差は黒
側に安定であり、画素内には黒側の反転ドメインが発生
しやすいものとする。
【0045】ここで、同図(a)は従来の通常の駆動法
を行った場合の画素の様子、(b)は特開平2−181
724等にあるような駆動法を用いて非画素部を一方の
安定状態(この例では白側)に揃えた場合の画素の様
子、(c)は黒側に揃えた場合の画素の様子、(d)は
特開昭61−235897等にあるような駆動法を用い
て画素部のしきい値の差のみを解消するように直流電圧
を印加した場合の画素の様子を示している。
【0046】また、(e)は本発明の駆動法を用いて非
画素部21を画素部20と同様の安定状態(この例では
黒側)に揃え、かつ画素部20のしきい値の差を解消す
るように直流電圧を印加した場合の画素の様子を示して
いる。
【0047】そして、非画素部21を揃えず、画素部2
0のしきい値の差も考慮しない通常の駆動法では(a)
に示すように黒及び白の反転ドメインが生じる。また、
非画素部21を揃える駆動法では(b)、(c)に示す
ように非画素部21を揃えた方向とは逆の反転ドメイン
は抑制されるが、揃えた方向の反転ドメイン及び画素の
しきい値の差から生じる反転ドメインが発生する。ま
た、画素部20のしきい値の差のみを解消するように直
流電圧を印加する駆動法では、(d)に示すように直流
電圧がしきい値の差を解消する方向のドメインは抑制さ
れるが、その逆の反転ドメインはより強く発生してしま
う。
【0048】一方、本発明の駆動法のように、まず第1
の直流電流を印加することにより非画素部21を画素部
20と同様の安定状態に揃えることで白側のドメインが
発生することを防ぐことができ、次に画素部20のしき
い値の差を解消するように第2の直流電圧を印加するこ
とで非画素部21の端及び画素部20から発生する黒側
の反転ドメインを抑制することができる。
【0049】なお、下記の表1は、本実施の形態におけ
る全面白及び全面黒表示の場合の駆動特性の結果を示す
ものである。
【0050】
【表1】 なお、同表において、比較例1は図8に示したVcs電
圧制御信号S3により非画素部21のみを揃えた場合の
駆動特性の結果を、また比較例2は図9に示したVcs
電圧制御信号S3により、画素部20のしきい値の差の
みを補正した場合の駆動特性の結果を示している。
【0051】また、同表の駆動マージンは、下記の式で
求めた。
【0052】駆動マージン=(反転ドメインが発生しク
ロストークをする値−しきい値)/(反転ドメインが発
生しクロストークをする値+しきい値) このように、第1の直流電圧により非画素部21をしき
い値の大きい方の安定状態に揃え、その後、しきい値の
差を解消する極性の第2の直流電圧を印加することによ
り、反転ドメインを抑制することができる。
【0053】なお、本実施の形態において、反転ドメイ
ンの抑制は、走査線電圧Vcsの電圧値を変えることで
行っているが、情報線電圧V3,V4を非対称にして、
実質的に直流電圧を印加するようにする方法等でも本発
明の主旨に沿っていることはいうまでもない。
【0054】次に本発明の第2の実施の形態について説
明する。
【0055】本実施の形態は第1の直流電圧である非画
素部制御電圧を所定のフレームごとに印加するように構
成したものである。
【0056】次に、本実施の形態に係る液晶表示装置の
駆動法について、図10を用いて説明する。ここで、同
図は、ロジック制御部107からの各信号ならびに各信
号線及び走査線と情報線との交差部で形成される表示画
素における電圧レベルを時系列で示したタイミングチャ
ートである。なお、第1の実施の形態と同様の点は説明
を省略する。
【0057】まず、図1に示すスイッチ110がオン
(パワーオン)し、制御回路105のロジック制御電圧
電源が一定電圧以上になると、電圧検知回路106が
“H”レベルの検出信号S1を発生する。
【0058】ロジック制御回路107は電圧検知回路1
06からの“H”レベルの検出信号S1を受信した後、
Vcs電圧制御信号S3からVss3を駆動電圧発生回
路104に出力し、Vcsの出力段をVcs3として、
走査線駆動制御信号S4(走査線出力と同型の信号のた
め図示せず)により、走査線に非画素部のスイッチング
が十分可能な期間Tsw1、第1の直流電圧Vcs3を
印加させる。これにより、非画素部をしきい値の大きい
方に揃えるようにする。
【0059】次に、駆動電圧制御信号S2を駆動電圧発
生回路104に出力して(ここではVe1)V1〜V4
を一定の比率で出力させ、走査線駆動制御信号S4及び
情報線制御信号(情報線出力と同型の信号のため図示せ
ず)により、ライン選択走査を開始する。このとき、V
cs電圧制御信号S3はVss2が出力されており、走
査線にはVcs2が非選択期間に印加されるため、画素
には画素部のしきい値の差を解消する第2の直流電圧V
cs2が画素に印加される。なお、同図において、V1
=−V2=15V、V3=−V4=5V、Vcs3=7
00mV、Vcs2=−100mVである。
【0060】次に、所定のフレーム期間を経たT2期間
後、再びVcs電圧制御信号S3からVss3を駆動電
圧発生回路104に出力し、Vcsの出力段をVcs3
として、走査線駆動制御信号S4(走査線出力と同型の
信号のため図示せず)により、走査線に走査線に非画素
部のスイッチングが十分可能な期間Tsw2、第1の直
流電圧Vcs3を印加させる。このとき駆動電圧制御信
号S2は印加されない。
【0061】その後、T2期間の間、再び駆動電圧制御
信号S2を駆動電圧発生回路104に出力して、V1〜
V4を一定の比率で出力させ、走査線駆動制御信号S4
及び情報線制御信号(情報線出力と同型の信号のため図
示せず)により、ライン選択走査を開始する。このと
き、Vcs電圧制御信号S3はVss2が出力され、走
査線にはVcs2が非選択期間に印加される。
【0062】なお、第1の直流電圧Vcs2、第2の直
流電圧Vcs3及び非画素部を電圧Vcs3とは逆の方
向に反転させる電圧Vcsr3の関係は、Vcs2<V
csr3<−Vcs3である。また、同図において、T
2=1000ms、Tswl=100ms、Tsw2=
10msである。
【0063】そして、このように構成することにより、
長時間画素に電圧が印加されて非画素部21が少しずつ
初期に揃えた方向から反転した場合でも、Tsw2期間
により再び非画素部21を揃えることが出来、初期と同
様の特性で駆動することが出来る。
【0064】一方、表2は、本実施の形態における全面
白及び全面黒表示の場合の駆動特性の結果を示すもので
ある。
【0065】
【表2】 なお、同表にいて、比較例1及び比較例2は、既述した
第1の実施の形態と同じものである。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、非
対称なしきい値特性を持つ液晶に対して、第1の直流電
圧により非画素部をしきい値の大きい方の安定状態に揃
え、その後、しきい値の差を解消する極性の第2の直流
電圧を印加することで反転ドメインを抑制することがで
き、これにより駆動マージンを広げ、駆動特性を向上さ
せることができる。
【0067】また、第1の直流電圧を所定のフレーム期
間ごとに印加することにより、駆動中に非画素部が反転
するのを防ぐことができ、これにより反転ドメインを抑
制し、駆動マージンを広げ、駆動特性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に用いる液晶装置の
ブロック図。
【図2】上記液晶装置の液晶パネルの構成を示す図。
【図3】上記液晶装置の液晶セルの構成を示す図。
【図4】上記液晶パネルの走査線電極及び情報線電極に
印加される走査信号波形及び情報信号波形を示す図。
【図5】上記液晶装置のロジック制御部からの各信号及
び電圧レベルを示すタイミングチャート。
【図6】上記タイミングチャートのT1期間、Tsw期
間及びT2期間における画素の状態を示す図。
【図7】本発明の駆動法と従来の駆動法とにおける反転
ドメインの発生状態を比較した図。
【図8】比較例1におけるVcs電圧制御信号のタイミ
ングチャート。
【図9】比較例2におけるVcs電圧制御信号のタイミ
ングチャート。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る液晶装置の
ロジック制御部からの各信号及び電圧レベルを示すタイ
ミングチャート。
【図11】従来の液晶装置における反転ドメインの発生
状態を説明する図。
【符号の説明】
20 画素部 21 非画素部 22,91 走査線電極 23,93 情報線電極 24 反転ドメイン 89 液晶セル 94 表示画素 101 液晶パネル 102 走査線駆動回路 103 情報線駆動回路 104 駆動電圧発生回路 106 電圧検知回路 107 ロジック制御回路 111 供給電源 700A,700B 対向基板 704 強誘電性液晶 Vcs1,Vcs3 第1の直流電圧 Vcs2 第2の直流電圧

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査線電極群と情報線電極群とをマトリ
    クス状に配置し、これら電極の各交差部を画素とする液
    晶パネルと、前記走査線電極群を駆動する走査線電極駆
    動手段と、前記情報線電極を駆動する情報線駆動手段と
    を備えた液晶装置において、 前記走査線電極群と情報線電極群が形成された一対の基
    板間に挟持されると共に、双安定性を有し、かつそれぞ
    れの安定状態を与えるしきい値の大きさが異なる特性を
    有した液晶と、 前記走査線電極群に印加する走査信号を形成するための
    電圧を前記走査線電極駆動手段に供給すると共に、前記
    情報線電極群に印加する情報信号を形成するための電圧
    を前記情報線駆動手段に供給する駆動電圧発生手段と、 電源部からの電圧供給を検知する検知手段と、 走査信号電圧と情報信号電圧との合成信号電圧に対し、
    第1の直流電圧及び前記液晶のしきい値の差を解消する
    極性の第2の直流電圧を順次印加するよう前記駆動電圧
    発生手段を制御する直流電圧印加制御手段と、 を有し、 前記直流電圧印加制御手段は、前記検知手段からの検知
    信号に基づき、隣接する前記画素の間隙部の液晶が一方
    の安定状態になるよう前記隣接する2つの画素を形成す
    る前記走査線電極あるいは情報線電極に前記第1の直流
    電圧を印加した後、前記走査線電極あるいは情報線電極
    に前記第2の直流電圧を印加するように前記駆動電圧発
    生手段を制御することを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の直流電圧は、前記間隙部の安
    定状態を前記しきい値の大きい方の安定状態に調整する
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の直流電圧は、前記検知手段か
    らの検知信号の直後に印加されることを特徴とする請求
    項1又は2記載の液晶装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の直流電圧は、所定のフレーム
    期間ごとに印加され、前記第2の直流電圧は、画像を表
    示するために前記情報信号電圧と前記走査信号電圧を前
    記画素に印加した際に印加されることを特徴とする請求
    項1又は2記載の液晶装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の直流電圧より前記第2の直流
    電圧が小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の直流電圧は500mVを超え
    る電圧値であることを特徴とする請求項1乃至5のいず
    れかに記載の液晶装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の直流電圧は0mVより大きく
    1V以下の電圧値であることを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記液晶はカイラルスメクチック相を示
    す液晶であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    かに記載の液晶装置。
  9. 【請求項9】 前記液晶が強誘電性液晶であることを特
    徴とする請求項8記載の液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105118461A (zh) * 2015-09-18 2015-12-02 武汉华星光电技术有限公司 显示装置

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