JPH0876094A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH0876094A
JPH0876094A JP23607294A JP23607294A JPH0876094A JP H0876094 A JPH0876094 A JP H0876094A JP 23607294 A JP23607294 A JP 23607294A JP 23607294 A JP23607294 A JP 23607294A JP H0876094 A JPH0876094 A JP H0876094A
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pulse
liquid crystal
scanning
polarity
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JP23607294A
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Kazunori Katakura
一典 片倉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動マージンの広い駆動波形を用い、良好な
表示を行う表示装置を提供する。 【構成】 電界を印加して強誘電性液晶をその第1およ
び第2の2つの安定状態間でスイッチングさせて画像表
示を行なう液晶表示装置において、第2安定状態から第
1安定状態へスイッチングさせる第1の極性を有する電
界の強度閾値をVa、第1安定状態から第2安定状態へ
スイッチングさせる第2の極性を有する電界の強度閾値
をVbとすれば、Va>Vbの関係を有するとともに、
情報信号と走査非選択信号との合成信号のうち、第1極
性のパルスはパルス印加中に振幅が増えるもの1〜5を
含み、第2極性のパルスはパルス印加中に振幅が減るも
のを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文字や画像を表示するた
めの表示装置に関し、特に強誘電性液晶の示す2つの安
定状態により表示を行うマトリクス表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光子との組合わせにより透過光量を制御する型の
表示素子がクラーク(Clark)およびラガーヴァル
(Lagerwall)により提案されている(特開昭
56−107216号公報、米国特許第4367924
号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特定の温度
領域において非螺旋構造のカイラルスメクティックC相
(Sm*C相)(あるいはH相(Sm*H相))を示し、
これらの相状態において、印加される電界に対して第一
の光学的安定状態と第二の光学的安定状態の明暗いずれ
か一方の状態をとり、かつ電界を取り外してもその状態
を保持する性質、即ち双安定性を有する。さらに、強誘
電性液晶は電界の変化に対する応答が速やかであるとい
う特徴を有することから、高速駆動の記憶型表示媒体と
して大画面で高精細なディスプレーへの応用が期待され
ている。
【0003】この双安定性を有する強誘電性液晶を用い
た素子が所望の電気光学特性を発揮するためには、基板
間の液晶が2つの安定状態間を安定で再現性良くスイッ
チングするような配向状態にあり、かつその配向状態が
画素ないし表示画面全域で均一であることが必要であ
る。
【0004】一般に強誘電性液晶を配向させるには、基
板表面にポリイミド(PI)、ポリビニルアルコール
(PVA)、ポリアミド(PA)等の水平配向性(ある
いは傾斜配向性)の高分子膜を形成し、ほぼ同方向にラ
ビング処理した一対の基板を用いる。この場合、使用す
る液晶が温度降下により、等方(Iso)相→コレステ
リック(Ch)相(カイラルネマティック(N*)相)
→スメクティックA(SmA)相→Sm*C相の相変化
をするものであれば、配向はCh相において均一化され
るため、Sm*C相での配向が均一になりやすい。しか
しながら、相転移がIso相→SmA相→Sm*C相の
順で起こる液晶を用いた場合は、Iso相→SmA相の
転移(I/A転移)の際、バトネ(一種の液晶核)の発
生・成長・結合の過程を踏むため、スメクティック相で
の層法線方向のずれやバトネ結合部の欠陥等が生じ、均
一配向を得にくい。
【0005】本発明者らの実験によれば、このようなC
h相の欠如した液晶に対しては、対向する基板の一方の
みをラビングし、ラビングを行なわない側の基板表面は
配向膜を形成せずに垂直配向処理することによって均一
配向が得られた。これは、I/A転移温度近傍でラビン
グを行なった側の基板表面から液晶が成長し、対向基板
に到達する転移過程を踏むためである。事実、両面を水
平配向膜としたセルにおけるI/A転移温度は、両面を
垂直配向処理したセルのI/A転移温度に比べ0.5℃
以上高いことが確かめられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、強誘電性
液晶を均一に配向させるためには、特に液晶がCh相を
もたない場合、水平配向膜のラビング処理と垂直配向処
理との非対称構成が有効である。しかしながら、対向基
板表面の性質がそれぞれ異なる場合、以下に説明するよ
うに強誘電性液晶の双安定状態が崩れ、2つの安定状態
間の電気光学的スイッチング特性(駆動閾値特性)が非
対称となる。
【0007】図11は対向基板表面の性質が異なる場合
の液晶の配向状態のモデルを示す。図中、1101およ
び1107はガラス基板、1102および1106はI
TO等の透明電極、1103はラビング処理された水平
配向能力を有する高分子膜、1104は強誘電液晶層、
1105は垂直配向処理剤、1108、1109および
1110はカイラルスメクティック相での液晶分子を特
徴付けるコーンを正面から見たものである。コーン11
08および1109はユニフォーム配向における2つの
安定状態を示し、コーン1110はスプレイ配向状態の
一例を示している。ここで、便宜上、コーン1108の
安定状態をU2、コーン1109の安定状態をU1と呼
ぶ。
【0008】今、高分子膜1103としてポリイミド等
の薄膜を用いた場合、液晶分子の双極子モーメント(図
中、液晶コーンに描かれた矢印)と高分子表面の電気的
相互作用(dipole−dipole intera
ction)により矢印が配向膜側を向いた状態(アウ
トワード)に規制力が働くと考えられている。一方、垂
直配向剤1105の側は液晶分子に対する基板表面の規
制力は無視できるので、配向膜側に液晶の双極子モーメ
ントが規制された状態U2(コーン1108)はより安
定である。これに対し、液晶コーンの矢印が液晶内部側
(インワード)を向いたU1(コーン1109)の状態
は、配向膜表面の規制力に逆らっているため、U2に比
べて不安定である。従って、外部電場によって2つの安
定状態間をスイッチングさせる場合、状態U1からU2
へスイッチングする場合と、U2からU1へスイッチン
グする場合とで、閾値電圧は異なり、非対称閾値とな
る。図12は、このような場合における配向膜の極性エ
ネルギーを考慮した双安定性ポテンシャルのモデルを示
す。また配向膜と液晶の組合せ等によっては状態U2か
ら状態U1へののスイッチングは起きず、状態U2から
コーン1110で示される配向状態と思われるスプレイ
配向となる場合もある。
【0009】このようにスイッチング閾値が非対称であ
る系では、書込みを行う方向によってマトリクス駆動が
可能な駆動パルスの振幅またはパルス幅の許容範囲、即
ち駆動マージンが狭くなり良好な表示が行えないという
問題点がある。
【0010】そこで本発明の目的は、非対称な閾値特性
をもつ表示素子に対し、駆動マージンの広い駆動波形を
用い、良好な表示を行う表示装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の液晶表示装置は、走査電極群と情報電極群
で構成したマトリクス電極の間に強誘電性液晶を配置し
た表示素子、および、各電極群に駆動信号を印加して前
記強誘電性液晶に電界を付与することにより前記強誘電
性液晶をその第1および第2の2つの安定状態間でスイ
ッチングさせて画像表示を行なう駆動手段を備えた液晶
表示装置において、前記第2安定状態から第1安定状態
へスイッチングさせる第1の極性を有する電界の強度閾
値をVa、前記第1安定状態から第2安定状態へスイッ
チングさせる第2の極性を有する電界の強度閾値をVb
とすれば、Va>Vbの関係を有するとともに、駆動手
段が前記情報電極群に印加する情報信号と前記走査電極
群に印加する走査非選択信号との合成信号のうち、第1
極性のパルスはパルス印加中に振幅が増えるものを含
み、第2極性のパルスは、パルス印加中に振幅が減るも
のを含むことを特徴とする。
【0012】例えば、書込み選択期間を△Tとすると、
駆動手段が前記情報電極群に印加する情報信号と前記走
査電極群に印加する走査非選択信号との合成信号のう
ち、△T以上の幅を有する第1極性のパルスはパルス印
加中に振幅が増え、△T以上の幅を有する第2極性のパ
ルスはパルス印加中に振幅が減るものである。あるいは
駆動手段が前記情報電極群に印加する情報信号は、表示
情報に応じて第1または第2の安定状態を選択するパル
ス幅△Tの選択パルスと、選択パルスの前後にパルス幅
△T/2で配置され選択パルスと同じ振幅かつ逆極性の
2つの補助パルスとで構成したものであり、前記走査電
極群に印加する走査選択信号は、一方の安定状態にする
消去パルス、表示情報に応じて第1または第2の安定状
態を選択する選択パルス、および前記情報信号の補助パ
ルスと同期する1つ以上の補助パルスで構成したもので
あり、前記走査電極群に印加する走査非選択信号は、情
報信号の選択パルスより小さい振幅でかつパルス幅が△
T/2の交流パルスで構成するものである。前記情報信
号と走査信号との合成信号は、走査非選択期間では直流
成分を含まないのが好ましい。また、前記閾値VaとV
bは、1.1≦Va/Vbの関係を有するのが好まし
い。前記強誘電性液晶は、通常、温度を降下させるに従
い、等方相、スメクティックA相、カイラルスメクティ
ック相の順に相転移するものである。
【0013】
【作用】マトリクス駆動を行う強誘電表示素子において
駆動マージンの上限を決定する要因の1つとして走査非
選択期間のパルスによる揺らぎが挙げられる。図8に従
来のマトリクス駆動波形、図10に液晶層に印加される
合成波形を示す。同図からわかるように走査非選択時に
は常に交流パルスが印加され、常に液晶分子は揺らいで
いる。そして、上述のU1状態をU2状態に反転させる
ほうが閾値の低い素子では、揺らぎやすさも非対称であ
り、U1状態のほうが揺らぎが激しい。
【0014】ところで、本発明者が交流パルスと揺らぎ
の関係について実験したところ、非選択時の交流パルス
の形状が変化すると液晶分子の揺らぎの程度も変わるこ
とがわかった。図13においてAは前半の振幅が低く後
半の振幅が高いパルスa、Bは振幅が一定のパルスb、
Cは前半の振幅が高く後半の振幅が低いパルスcで構成
された信号波形を示し、いずれも同じ実効値を持つ。波
形A、B、Cそれぞれの交流パルスを印加したところ液
晶分子の揺らぎの程度が変わり、Aは揺らぎにくくCは
揺らぎやすいことがわかった。また、前半と後半の振幅
差の大きいものほどこの傾向が強いことがわかった。
【0015】さらに、U1状態からU2状態に反転させ
る極性を負極性にとると、U1状態のときには負極性の
パルスによって大きく揺らぎ、U2状態のときには正極
性のパルスによって大きく揺らぐことがわかった。そこ
で図4に示すように走査非選択信号に△T/2のパルス
を入れることにより、U1状態に対し図13の波形A
で、U2状態に対し波形Cで揺らぐようにし、かつU1
状態に対する波形Aの揺らぎ、U2状態に対する波形C
の揺らぎが同程度になるよう振幅V6を調整する。する
と、従来マージンを決めていた揺らぎ(U1状態に波形
Bを印加した場合)よりも揺らぎが抑えられ駆動マージ
ンを広げることができる。
【0016】したがって、第2安定状態(U2状態)か
ら第1安定状態(U1状態)へスイッチングさせる第1
の極性を有する電界の強度閾値Va、および第1安定状
態から第2安定状態へスイッチングさせる第2の極性を
有する電界の強度閾値VbについてVa>Vbの関係を
有する場合、情報信号と走査非選択信号との合成信号の
うち、第1極性のパルスはパルス印加中に振幅が増える
ものを含み、第2極性のパルスはパルス印加中に振幅が
減るものを含むようにして、揺らぎに対するU1状態と
U2状態の非対称性を走査非選択信号によって補償、対
称化し、マージンの拡大が図られる。
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係わる表示装置の
ブロック図である。図中、107はグラフィックコント
ローラであり、ここから送出されるデータは駆動制御回
路105を通して走査信号制御回路104と情報信号制
御回路106に入力され、それぞれアドレスデータと表
示データに変換される。このアドレスデータに従って走
査信号印加回路102が図4Aに示す走査選択信号波形
および図4Bに示す走査非選択信号波形を発生し、12
80×1024画素からなる表示部101の走査電極に
印加する。また表示データに従って情報信号印加回路1
03が図4CおよびDに示す情報信号波形を発生し、表
示部101の情報電極に印加する。
【0018】図2は表示部101の部分的な拡大図であ
る。同図において、201は走査電極、202は情報電
極、203は走査電極201と情報電極202との交差
部分により構成された、表示単位となる画素を示す。
【0019】図3は表示部101の部分的な断面図であ
る。同図において、301はアナライザ、309はポラ
ライザであり、これらは表示部101がU2状態のとき
暗表示となるよう互いにクロスニコルで配置されてい
る。302と308はガラス基板、303と307は絶
縁膜、304と306は配向膜、305は強誘電性液
晶、310はシール材である。
【0020】なお、本実施例の3画素分を新たな画素と
し、それぞれにカラーフィルタを配置することで、多色
カラー表示装置として使用することができる。
【0021】次に、表示部101を作製した手順を示
す。まず、走査電極201および情報電極202用の透
明電極としてスパッタ法により70nmの厚さのITO
(酸化インジウム:錫)膜、ならびに絶縁膜303,3
07として120nmの厚さのTaO(酸化タンタル)
膜を形成した一対のガラス基板302,308を用意
し、一方の基板のITO膜上にポリイミドの前駆体であ
るポリアミック酸LP−64(東レ製)のNMP(Nメ
チルピロリドン):n−BC(n−ブチルセロソルブ)
混合溶液をスピンコートした。塗布溶液はNMP:n−
BC=2:1の混合溶媒にLP−64を1重量%となる
ように調製したものとし、スピン条件は、45回転/
秒、20秒とした。この基板について、80℃のオーブ
ン中で5分の溶媒乾燥を行なった後、200℃のオーブ
ン中で1時間の加熱焼成を行いイミド化した。得られた
ポリイミド膜は約10nmの厚さであった。
【0022】次に、この膜をラビング処理して配向膜と
した。ラビングは、直径10cmのローラーに巻き付け
たナイロン製の布を用い、ローラーの回転速度を16.
7回転/秒、配向膜表面に対する布の押込み量を0.4
mm、基板の送り速度を10mm/秒とし、同じ方向に
2回(片道)行った。その後、この基板の表面に、平均
粒径が2.0μmのシリカビーズを0.008重量%分
散させたIPA(イソプロピルアルコール)溶液を、2
5回転/秒、10秒の条件でスピン塗布し、分布密度が
300個/mm2 程度となるようにビーズスぺーサを散
布した。
【0023】対向側のもう一方の基板については、基板
のITO膜上にシランカップリング剤(ODS−E)の
0.5重量%エチルアルコール溶液を45回転/秒、2
0秒の条件でスピン塗布し、垂直配向処理した。その
後、この基板上に熱硬化型のシール材を印刷により塗工
した。
【0024】こうして得られた2枚の基板を対向させて
貼り合わせ、150℃のオーブン中で90分間熱硬化さ
せ、セルとした。そしてこのセルに、次に述べる液晶混
合物を減圧下(10Pa)、等方相温度(100℃)に
おいて注入し、Sm*C相まで徐冷することにより液晶
素子とした。
【0025】ここで用いた液晶混合物は、化1に示す各
化合物をそれらの右側に示した比率で混合したものであ
る。この液晶混合物の相転移系列は次のとおりであり、
30℃における物性定数は、自発分極Ps=2.5nC
/cm2 、コーン角Θ=12.2°、誘電率異方性Δε
〜0、上述のセルに注入した状態での見かけのチルト角
θa=10.8°であった。 等方相 → SmA相 →Sm*C相 → 結晶相 79.0℃ 53.2℃ -13.6 ℃ なお、スメクティックC相の非ら旋状態での液晶の層構
造は一般に屈曲構造(シェブロン構造)を示すが、この
液晶混合物は、屈曲部をもたないいわゆるブックシェル
フ構造を示し、双安定な2状態を有していた。
【0026】
【化1】
【0027】次に、装置の動作を説明する。図4は図1
の装置における駆動信号の波形を示す。同図において、
Aは走査選択信号、Bは走査非選択信号、Cは明表示す
る時の情報信号、Dは暗表示する時の情報信号である。
また、1Hは一水平走査期間、ΔTは選択期間を示す。
図6および7は本実施例における駆動波形の一例を示し
ており、図5のパターンを表示する場合の駆動信号のタ
イミングチャートである。図5においてs1〜s5は走
査電極、i1〜i4は情報電極、交点上の白丸は明表
示、黒丸は暗表示を意味している。図6のs1、s2、
i1〜i4はそれぞれ図5の電極s1、s2、i1〜i
4に印加する駆動波形、図7のs2−i1〜s2−i4
はそれぞれ駆動波形s2とi1〜i4との、各画素に印
加される合成波形を示している。図7の矢印が示す範囲
は走査非選択期間であり、波形s2−i1は暗表示の情
報信号の直後に明表示の情報信号が続く場合に液晶に印
加される合成波形、波形s2−i2は明表示の情報信号
の直後に暗表示の情報信号が続く場合に液晶に印加され
る合成波形、波形s2−i3は暗表示の情報信号が続く
場合に液晶に印加される合成波形、波形s2−i4は明
表示の情報信号が続く場合に液晶に印加される合成波形
である。走査非選択期間にU1状態の分子をU2側に揺
らがす負極性のパルスに着目すると、ΔTの幅を持つパ
ルス1、2、3、4、5はいずれもV4+V6(または
−V3+V6)からV4−V6(または−V3−V6)
へ振幅が変化している。
【0028】図8は従来の駆動波形を示す。同図におい
てAは走査選択信号、Bは走査非選択信号、Cは明表示
する時の情報信号、Dは暗表示する時の情報信号であ
る。また、1Hは一水平走査期間、△Tは選択期間を示
す。図9および10はこの駆動波形により図5のパター
ンを表示する場合のタイミングチャートである。図9は
各電極s1、s2、i1〜i4に印加する駆動波形、図
10は電極s2とi1〜i4による各画素に印加される
合成波形を示している。同様に、U1状態の分子をU2
側に揺らがす負極性のパルスに着目すると、△Tの幅を
持つパルス6、7、8、9、10はいずれも振幅がV4
(または−V3)で一定である。図7の本実施例のパル
ス1〜5と図10の従来のパルス6〜10を比較する
と、本実施例の方がU1状態の分子をU2側に揺らがせ
る効果を抑えており、その結果、従来よりも良好なコン
トラストおよび広いマージン範囲を実現している。
【0029】本実施例の表示装置を温度が30℃の時、
駆動条件を、図4における各電圧値についてV1=1
4.3v、V2=−14.3v、V3=5.7v、V4
=−5.7v、V5=6.4v、V6=0.8vとし、
選択期間△Tを△T=30μsに設定して駆動したとこ
ろ、表示部101全面にわたって良好な表示を行なうこ
とができた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
非対称な閾値特性を持つ強誘電性液晶素子を有する液晶
表示装置において、情報信号と走査非選択信号との合成
信号のうち、第1極性のパルスはパルス印加中に振幅が
増えるものを含み、第2極性のパルスはパルス印加中に
振幅が減るものを含むようにしたため、液晶の揺らぎに
対する第1安定状態と第2安定状態の非対称性を走査非
選択時に印加される合成信号によって補償・対称化し
て、液晶分子に加わる交流パルスの影響を緩和すること
ができ、したがって駆動マージンを広く取り、表示部全
体にわたって良好な表示を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る表示装置のブロック
図である。
【図2】 図1の装置の表示部の拡大図である。
【図3】 図1の装置の表示部の断面図である。
【図4】 図1の装置の用いた駆動波形を示す図であ
る。
【図5】 図1の装置における表示パターンを例示する
模式図である。
【図6】 図1の装置における駆動波形のタイミングチ
ャートである。
【図7】 図1の装置における合成波形のタイミングチ
ャートである。
【図8】 従来の駆動波形を示す図である。
【図9】 従来の駆動波形のタイミングチャートであ
る。
【図10】 従来の合成波形のタイミングチャートであ
る。
【図11】 液晶の配向状態のモデル図である。
【図12】 双安定ポテンシャルのモデル図である。
【図13】 本発明の原理を説明するための交流パルス
の説明図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5a:前半の振幅が低く後半の振幅が
高いパルス、b:振幅が一定のパルス、c:前半の振幅
が高く後半の振幅が低いパルス、101:表示部、10
2:走査信号印加回路、103:情報信号印加回路、1
05:駆動制御回路、104:走査信号制御回路、10
6:情報信号制御回路、107:グラフィックコントロ
ーラ、201:走査電極、202:情報電極、203:
画素、301:アナライザ、302,308:ガラス基
板、303,307:絶縁膜、304,306:配向
膜、305:強誘電性液晶、309:ポラライザ、31
0:シール材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査電極群と情報電極群で構成したマト
    リクス電極の間に強誘電性液晶を配置した表示素子、お
    よび、各電極群に駆動信号を印加して前記強誘電性液晶
    に電界を付与することにより前記強誘電性液晶をその第
    1および第2の2つの安定状態間でスイッチングさせて
    画像表示を行なう駆動手段を備えた液晶表示装置におい
    て、 前記第2安定状態から第1安定状態へスイッチングさせ
    る第1の極性を有するパルスの閾値電圧をVa、前記第
    1安定状態から第2安定状態へスイッチングさせる第2
    の極性を有するパルスの閾値電圧をVbとすれば、|V
    a|>|Vb|の関係を有するとともに、 駆動手段が前記情報電極群に印加する情報信号と前記走
    査電極群に印加する走査非選択信号との合成信号のう
    ち、第1極性のパルスはパルス印加中に振幅が増えるも
    のを含み、第2極性のパルスはパルス印加中に振幅が減
    るものを含むことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 書込み選択期間を△Tとすると、駆動手
    段が前記情報電極群に印加する情報信号と前記走査電極
    群に印加する走査非選択信号との合成信号のうち、△T
    以上の幅を有する第1極性のパルスはパルス印加中に振
    幅が増え、△T以上の幅を有する第2極性のパルスはパ
    ルス印加中に振幅が減るものであることを特徴とする請
    求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 書込み選択期間を△Tとすると、駆動手
    段が前記情報電極群に印加する情報信号は、表示情報に
    応じて第1または第2の安定状態を選択するパルス幅△
    Tの選択パルスと、選択パルスの前後にパルス幅△T/
    2で配置され選択パルスと同じ振幅かつ逆極性の2つの
    補助パルスとで構成したものであり、前記走査電極群に
    印加する走査選択信号は、一方の安定状態にする消去パ
    ルス、表示情報に応じて第1または第2の安定状態を選
    択する選択パルス、および前記情報信号の補助パルスと
    同期する1つ以上の補助パルスで構成したものであり、
    前記走査電極群に印加する走査非選択信号は、情報信号
    の選択パルスより小さい振幅でかつパルス幅が△T/2
    の交流パルスで構成するものであることを特徴とする請
    求項1記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記情報信号と走査信号との合成信号
    は、走査非選択期間では直流成分を含まないことを特徴
    とする請求項1〜3記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記閾値電圧VaとVbは 1.1≦|Va|/|Vb| の関係を有することを特徴とする請求項1〜4記載の液
    晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記強誘電性液晶は、温度を降下させる
    に従い、等方相、スメクティックA相、カイラルスメク
    ティック相の順に相転移するものであることを特徴とす
    る請求項1〜5記載の液晶表示装置。
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