JPH04316654A - 不織布 - Google Patents

不織布

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JPH04316654A
JPH04316654A JP7804291A JP7804291A JPH04316654A JP H04316654 A JPH04316654 A JP H04316654A JP 7804291 A JP7804291 A JP 7804291A JP 7804291 A JP7804291 A JP 7804291A JP H04316654 A JPH04316654 A JP H04316654A
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Akira Tsuchida
土田 陽
Yukihiro Kihara
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば熱接着して袋状な
どに加工して使用される不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より不織布を熱接着により貼り合わ
せて袋状などに加工することは一般的に行なわれている
。不織布を構成する繊維が熱可塑性樹脂の場合は特に接
着剤を使用しないでも熱接着が可能であるが、加工工程
で不織布を構成する樹脂の融点以上の高温で加熱圧着す
る必要があるため、長期間の製袋加工によりヒーターに
溶融樹脂が付着するという問題が生じる。不織布を融点
の異なった2種のフィラメントで構成し、かつ表面の融
点を裏面の融点より低くなるような2層構造とすること
によって長期間の製袋加工に使用可能な不織布を得るこ
とができる。このような2層構造を持つ不織布を製造す
る場合、融点の異なったフィラメントを2層に堆積し熱
圧接して固定するが、不織布を構成するフィラメントの
融点が表面と裏面で異なっているため高融点側の熱圧接
が十分になされず、高融点側が耐摩耗性に欠けるという
問題があった。つまり圧接温度が低い場合は高融点側の
圧接が不十分となるが、圧接温度を高くしていくと低融
点側が圧接装置に融着するといった製造上の問題が生じ
るためあまり高温にすることができない。このため低融
点側と高融点側で圧接装置の温度を変更するという方法
で両面とも最適な条件で圧接するという方法があるが、
この場合高融点側を十分に圧接するためには、高融点側
の圧接温度を高融点成分単独の不織布を圧接する条件よ
り高温にする必要がある。しかし、通常の圧接温度はフ
ィラメントを構成する繊維の融点に近いため、より高温
にするとフィラメントの熱劣化を招くことになる。 通常高融点成分は不織布の強力を受け持っているので高
融点面を十分圧接しようと圧接温度を高くすることは、
不織布の強力低下を招く危険が常に伴い、圧接温度を高
くすることには限度があり、従来の表裏で融点の異なっ
た2層構造不織布は高融点を示す面の熱圧接は不十分に
なりこの面は耐摩耗性能に欠ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の片面に接着層を持つ不織布の欠点を解消し、表裏で
融点の異なった2層構造を持ち、且つ高融点側も十分な
耐摩耗性能を有する不織布を提供しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため鋭意研究を行なった結果、本発明に到達
した。すなわち本発明の不織布は、芯成分重合体の融点
が鞘成分重合体の融点より高い芯鞘構造の合成長繊維か
らなる不織ウエブAと、芯成分重合体の融点が鞘成分重
合体の融点よりも高く且つ鞘成分重合体の融点が前記長
繊維の鞘成分重合体の融点よりも高い芯鞘構造の合成長
繊維からなる不織ウエブBとが積層され、熱圧接されて
いることを要旨とするものである。
【0005】本発明で使用される熱可塑性樹脂としては
通常不織布として使用されるものをすべて使用できる。 具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィ
ンなどである。これらの熱可塑性樹脂の中でも芯成分重
合体としては融点の比較的高い樹脂であるポリエステル
、ポリアミドなどが適しており、また鞘成分重合体とし
ては融点の比較的低い樹脂であるポリオレフィン、さら
にはポリエステル、ポリアミドを主要構成単位とする共
重合物などが適している。
【0006】本発明の不織布を構成するフィラメントは
芯鞘構造であり、その鞘成分重合体が熱圧接に際して接
着剤として機能するために芯成分重合体の融点は鞘成分
重合体の融点より高くなければならない。且つ製袋加工
などの熱接着加工工程で非着面の樹脂が加工工程のヒー
ターなどに融着しないようにするため、表裏で融点差を
持たせておく必要があるために鞘成分重合体の異なった
2種類のフィラメントで構成されていなければならない
。具体的な芯成分重合体、鞘成分重合体の組み合わせと
しては、芯成分重合体としてポリエチレンテレフタレー
ト、鞘成分重合体としてポリエチレンまたはポリプロピ
レンを用いたポリエステル/ポリオレフィンの芯鞘構造
、芯成分重合体としてポリエチレンテレフタレート、鞘
成分重合体としてイソフタル酸共重合ポリエチレンテレ
フタレートを用いたポリエステル/共重合ポリエステル
の芯鞘構造、さらには芯成分重合体としてナイロン6、
鞘成分重合体としてポリエチレンを用いたポリアミド/
ポリオレフィンの芯鞘構造などが適している。
【0007】本発明の芯鞘複合繊維を用いた不織布の場
合、鞘成分重合体は熱圧接に際して繊維同士を固定する
接着剤として機能するために部分融解し、芯成分重合体
は不織布の強度を保つために熱圧接に際して変形を受け
ないことが望ましいので、芯成分重合体と鞘成分重合体
の融点差は20℃以上あることが好ましい。また表裏の
融点差は加工工程でのヒーターなどへの融着を効果的に
防ぐためには20℃以上あることが好ましい。
【0008】このような点から本発明の効果を最も発揮
する組み合わせとしては、高融点面にポリエチレンテレ
フタレート重合体を芯成分、共重合ポリエステルを鞘成
分とした芯鞘複合繊維を、低融点面にはポリエチレンテ
レフタレート重合体を芯成分、ポリエチレン重合体を鞘
成分とした芯鞘複合繊維を用いるのが好ましい。
【0009】本発明の不織布の目付けには特に制限はな
いが、通常の用途を想定すると目付けは15〜150g
/m2 が適当である。目付けが低いと強度が不足し、
また高いと不織布特有の柔軟性を損なうことになり好ま
しくない。
【0010】本発明の不織布を構成する芯鞘複合繊維は
その繊度、芯成分と鞘成分の重量比、2種類のフィラメ
ントの重量比などについても特に制限はない。繊度につ
いては極端に細いものは独特の風合いを持つが一般的に
生産性が劣り、また極端に太いものは不織布の風合いを
損なうので一般的には2〜10デニールが適当である。
【0011】また、芯鞘複合繊維の芯鞘重量比は、接着
成分である鞘成分重合体の適量の存在と強度を保つ芯成
分重合体の存在が不可欠になるために極端に芯または鞘
成分重合体の少ないものは好ましくなく、鞘/芯= 0
.2〜2程度の範囲が好ましい。高融点フィラメント側
と低融点フィラメント側の重量比は加工時の接着成分の
染み出し防止と十分な接着強力の兼ね合いから1/4〜
4程度が適当である。
【0012】本発明の不織布を構成するフィラメントの
断面形状についても特に制限はない。通常の円形断面は
もとより、偏平、多角形などの異形断面のものであって
もよい。本発明の不織布の製造における複合紡糸、延伸
、開繊方法は従来公知の方法を使用できる。例えば複合
紡糸方法は複数の紡糸孔を設けた円形、あるいは矩形の
複合紡糸口金による方法が一般的である。延伸は空気力
やローラを利用する方法があるが、前者の方が一般的で
あり、独立した円形断面のジェットや不織布の幅方向に
細長い開口を持つスリット状のジェットを使用できる。 開繊方法としては、空気流を利用するものや、摩擦ある
いは高電圧を利用し帯電させる方法などが一般的である
。本発明において最終的に2種の芯鞘型複合繊維を2層
構造をなすように堆積できる方法であればどのような製
造方法であってもよい。
【0013】また、本発明の不織布は2層の不織ウエブ
A,Bが熱圧接されて固定されている必要があるが、そ
の圧接部は部分的であっても、不織布全面にわたっても
よい。熱圧接が部分的に施されている場合は通気性のあ
る柔軟な不織布が得られ、全面的に熱圧接されている場
合は通気性の少ない、表面の平滑な不織布が得られる。 使用目的に応じて選択すればよい。また、部分的熱圧接
の場合の圧接部分の形状、圧接部分の比率などについて
も特に制限はない。圧接方法にも特に制限はないが、通
常は一対の彫刻ロールとフラットロールからなる熱圧接
装置、または一対のフラットロールからなる熱圧接装置
が一般的である。圧接温度は不織布を構成する樹脂の種
類によって決まるものであるが、不織布製造工程で安定
して生産するためには各々の加熱ロールの温度を接触す
る側の鞘成分の融点より5〜20℃程度低くしておくこ
とが望ましい。
【0014】
【作用】本発明の不織布は鞘成分の融点の異なった2種
の芯鞘型複合繊維からなる不織ウエブA,Bが2層に堆
積され、熱圧接され固定されている。表裏両面とも芯鞘
構造を持ち、芯成分重合体が最も高融点を示すため不織
布製造時の熱圧接工程で高温度で熱圧接してもフィラメ
ント強度の低下を伴うことがない。このため高温度で熱
圧接することが可能になり、高融点面の耐摩耗性能に優
れた不織布となる。且つ低融点面も芯鞘構造を持つため
、加工前後とも十分な強度を有する優れた製袋加工用の
不織布となる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。まず実施例で引用した数値の測定方法をまとめて示
す。
【0016】ポリエチレンテレフタレートの固有粘度測
定はフエノールと四塩化エタンの等重量混合溶媒を用い
、濃度0.5g/100ml、温度20℃で測定した。 融点はパーキンエルマー社製DSC2型の示差走差熱量
計を用い、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱ピー
クの最大値を示す温度を測定し融点とした。
【0017】不織布の接着強力は不織布の進行方向に1
50mm,幅方向に30mmの試料を2枚切り出し、低
融点側の不織ウエブA面同士が接触するように重ね、端
部より50mmの部分を試料片の幅方向に平行に熱接着
したものを試料とした。熱接着はヒーター幅5mmのイ
ンパルスヒーター(富士電機(株)製インパルスシーラ
ーFI− 300型)を使用し、最大加熱温度 165
℃になるように調節した。 このようにして接着した試料を、接着した方と反対側の
端部を引張り試験機の上下固定金具につかみ、間隔50
mm、且つ接着部が上下固定金具のほぼ中央になるよう
にそれぞれ取り付け、200mm/min の速度で定
速伸張させ接着面の剥離、場合によっては試料の切断ま
での最大強力を接着強力とした。
【0018】不織布の耐摩耗性はJIS−L−1096
に準じてテーバー型摩耗試験機を用い、250gの荷重
下で1分間70回転の速度で100回摩耗したものを目
視で下記の基準に従って3段階に評価した。
【0019】A  級    ほとんど変化なし。 B  級    わずかに毛羽立ちが認められる。 C  級    摩擦部分が綿状になっている。 実施例1 64個の芯鞘型複合紡糸孔からなる紡糸孔群と、64個
の芯鞘型複合紡糸孔からなる紡糸孔群を有する溶融紡糸
装置を使用し、一方の複合紡糸孔から固有粘度0.70
、融点 260℃のポリエチレンテレフタレート重合体
を芯成分、イソフタル酸を8モル%共重合した固有粘度
0.71、融点 235℃共重合ポリエチレンテレフタ
レートを鞘成分とする繊度3デニール、芯鞘重量比1:
1の芯鞘型複合糸を紡出した。またもう一方の複合紡糸
孔から前記ポリエチレンテレフタレート重合体を芯成分
、メルトインデックス20、融点 131℃の高密度ポ
リエチレン重合体を鞘成分とする繊度3デニール、芯鞘
重量比1:1の芯鞘型複合糸を紡出した。紡出したフィ
ラメント群を各紡糸孔群に対応してその下方に配設され
た複数のエアージェットにより引き取った。その後、図
1に示すように噴出孔1,2より不織布進行方向に対し
て前方に高融点側の芯鞘複合糸群aを、後方に低融点側
の芯鞘複合糸群bを噴出させ、低融点芯鞘複合糸の不織
ウエブと高融点芯鞘複合糸の不織ウエブが2層構造を持
つように堆積し、この堆積ウエブ3を通常の不織ウエブ
搬送装置により矢印X方向に搬送し、1対のフラットロ
ールと彫刻ロールからなる熱圧接装置を用い、高融点面
に接触する彫刻ロールを 200℃、低融点面に接触す
るフラットロールを 110℃にして圧接し、目付けが
50g/m2 の不織布を得た。得られた不織布の接着
強力を測定し、高融点面をテーバー法で摩耗試験を実施
した。その結果を表1に示した。 実施例2 低融点芯鞘複合糸側の鞘成分がメルトインデックス50
、融点 161℃のポリプロピレン重合体であり、フラ
ットロールの温度が 130℃である以外は実施例1と
ほぼ同様にして目付け50g/m2 の不織布を得た。 同様の測定および摩耗試験を行なった結果を表1に示し
た。 実施例3 高融点芯鞘複合糸側の鞘成分がイソフタル酸を16%共
重合した固有粘度0.69、融点 215℃の共重合ポ
リエチレンテレフタレートであり、彫刻ロールの温度が
170 ℃である以外は実施例1とほぼ同様にして目付
け50g/m2 の不織布を得た。同様の測定および摩
耗試験を行なった結果を表1に示した。 比較例1 64個の単一成分紡糸孔からなる紡糸孔群と、64個の
芯鞘型複合紡糸孔からなる紡糸孔群を有する紡糸装置を
使用し、単一成分紡糸孔から固有粘度0.70のポリエ
チレンテレフタレート重合体からなる繊度3デニールの
円形断面糸を紡出する以外は実施例1と全く同様の複合
紡糸、堆積装置を使用し、単一成分繊維の不織ウエブと
芯鞘複合繊維の不織ウエブが2層構造をなす目付けが5
0g/m2 の不織布を得た。実施例1と同様の接着強
力の測定および摩耗試験を行なった結果を表1に示した
。 比較例2 単一成分繊維が実施例1の高融点芯鞘複合糸の鞘成分と
同じ共重合ポリエチレンテレフタレートであり、彫刻ロ
ールの温度が 170℃である以外は比較例1と全く同
様の複合紡糸、堆積装置を使用し、同様に目付けが50
g/m2 の不織布を得た。そして同様の測定および摩
耗試験を行なった結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】表中「剥離なし」とあるのは熱シール部分
以外の所で切断したことを示す。 また表中  PET;ポリエチレンテレフタレート重合
体IP8;イソフタル酸を8モル%共重合したポリエチ
レンテレフタレート IP16;イソフタル酸を16モル%共重合したポリエ
チレンテレフタレート PE;高密度ポリエチレン重合体 PP;ポリプロピレン重合体
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明で得られた不織布は
表面、裏面で鞘成分の融点が異なっているため、低融点
面を接着面として使用することで製袋加工をはじめとす
る自己融着を伴う加工に適しており、また高融点面も芯
鞘構造を有しているため不織布製造工程で十分高温で熱
圧接できるため高融点側の耐摩耗性が優れたものとなる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長繊維不織布の製造方法を示す図であ
る。
【符号の説明】
1  噴出孔 2  噴出孔 a  高融点側の芯鞘複合糸群 b  低融点側の芯鞘複合糸群 3  堆積ウエブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  芯成分重合体の融点が鞘成分重合体の
    融点より高い芯鞘構造の合成長繊維からなる不織ウエブ
    Aと、芯成分重合体の融点が鞘成分重合体の融点よりも
    高く且つ鞘成分重合体の融点が前記長繊維の鞘成分重合
    体の融点よりも高い芯鞘構造の合成長繊維からなる不織
    ウエブBとが積層され、熱圧接されていることを特徴と
    する不織布。
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