JPH0431597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案はベゼル付き腕時計のケース構造に関
する。

［従来技術とその問題点］ 従来、合成樹脂製の時計ケースの上部周縁に、
固定ベゼル、回転ベゼルを取り付けた腕時計は、
ベゼルの取付けによつて時計ケースが変形しない
ように時計ケースの肉厚を厚くしており、時計ケ
ース全体が大きくなるという問題がある。又、こ
のような問題を解決する為、金属製のベゼルリン
グを装着したものがあるが、単にベゼルリングを
時計ケースに装着しただけのものであるために、
ベゼルリングが時計ケースより抜ける恐れがあ
り、ベゼル取付けの不安定化を招くという欠点が
ある。

［考案の目的］ この考案は上述した事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは時計ケースの肉厚を
薄くして時計ケースの小型化を図ると共に、ベゼ
ル取付けの安定化を計ることができベゼル付き腕
時計のケース構造を提供しようとするものであ
る。

［考案の要点］ この考案は上述した目的を達成するために、ベ
ゼルを取り付けてなるベゼルリングを合成樹脂製
の時計ケースに配置し、ベゼルリングを固定部材
によつて時計ケースに固定させたことを要旨とす
る。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図はベゼル付き腕時計のケース構造を示す
断面図であり、合成樹脂製の時計ケース１の周縁
にベゼルリング２が設けられ、このベゼルリング
２に回転ベゼル３が取り付けられている。又、時
計ケース１には開口部Ａが形成され、この開口部
Ａを有する時計ケース１の内壁上面にはガラス装
着部１ｅが形成され、このガラス装着部１ｅに時
計ガラス４がパツキン４ａを介して装着される。
一方下面には裏蓋５がビス６……によつて取り付
けられている。

また、時計ケース１の上部外周には段部１ａが
周設され、その内側には支持壁１ｂが周縁に沿つ
て形成されている。この支持壁１ｂの外周面側に
は、略等角度の間隔に、時計ケース１の下面にま
で貫通する貫通溝１ｃ……が４ケ所設けられてい
る。又この時計ケース１の内側上部には、前記時
計ガラス４がパツキン４ａを介して圧入されるガ
ラス装着部１ｅの凹部１ｄが形成され、下部には
図示しない時計のムーブメント等が収納される収
納部１ｆが形成されている。

ベゼルリング２は硬質の金属等から成る環状の
もので、前記時計ケース１の貫通溝１ｃに嵌入す
る突出部である脚部２ａ……が垂設され、この脚
部２ａ……の下端面に夫々雌ねじ２ｂ……が螺刻
されている。また、このベゼルリング２の外周面
の上下には、夫々突出部２ｃ，２ｄが周設されて
いる。このベゼルリング２は、脚部２ａ……を時
計ケース１に設けられた貫通溝１ｃ……に合わ
せ、前記突出部２ｄの下面が、段部１ａの水平面
１a₁に当接するまで嵌入されている。

ベゼルリング２の前記突出部２ｃ，２ｄ間に形
成された周設凹部７には、Ｏリング８が配置さ
れ、このＯリング８を介して環状をした回転ベゼ
ル３が、左右に回転可能に取り付けられている。
この回転ベゼル３は、その内側下部に突出形成さ
れた係合部３ａが、前記Ｏリング８に接触すると
共に、この係合部３ａがベゼルリング２の上部の
突出部２ｃに当接することにより、上方に抜けに
くいように構成されている。又、回転ベゼル３の
上面には印刷パネル９が設けられている。

一方、前述したように、時計ケース１の下面に
は裏蓋５が防水リング１０を介してビス６……に
よつて取り付けられている。この裏蓋５の周縁の
取付部５ａには、前記ベゼルリング２の脚部２ａ
……の下端面に螺刻された雌ねじ２ｂ……に対応
する位置に、ビス６……が遊挿できる孔５ｂ……
が穿けられている。この裏蓋５の孔５ｂ……を前
記雌ねじ２ｂ……に合わせ、時計ケース１の下面
側から、ベゼルリング２の雌ねじ２ｂ……にビス
６……を螺着させることによつて、ベゼルリング
２と裏蓋５は共に時計ケース１に固定されるよう
構成されている。

上記のように構成された腕時計によれば、硬質
製のベゼルリング２を、合成樹脂製の時計ケース
１に取り付けたので、時計ケース１の強度を保持
しつつ肉厚を薄くすることができ、これによつて
時計ケース１全体を小型化することができる。
又、特に、ベゼルリング２を時計ケース１に裏蓋
５と共にビス６……によつて固定したのでベゼル
リング２に取り付けられている回転ベゼル３の取
付けの安定化を図ることができる。又、金属性の
ベゼルリング２を使用することにより、金属部分
は時計ガラス４が配置されている時計ケース１の
上部あたりから、裏蓋５に達するまで存在するの
で、静電気による影響を収納部１ｆ内に与えるの
を防止することができる。

尚、前記実施例では時計ケース１の貫通溝１ｃ
……に、ベゼルリング２の脚部２ａ……を嵌入さ
せて、時計ケース１とベゼルリング２とを結合さ
せているが、この考案はこれに限ることなく、時
計ケース１を金型で成形する時に、あらかじめ金
型内に、脚部を筒状に形成し、この脚部壁面に穴
を設けたベゼルリング２を配置し、この状態で時
計ケース１を一体に成形することにより、ベゼル
リング２を時計ケース１に固定させたものでもよ
い。

［考案の効果］ この考案は以上詳細に説明したように、ベゼル
を取り付けてなるベゼルリングを固定部材によつ
て時計ケースに固定させたので、時計ケースの肉
厚を薄くして、小型化が図れると共に、ベゼル取
付けの安定化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るベゼル付き腕時
計のケース構造を示す断面図であり、第２図はベ
ゼルリングの斜視図である。 １……時計ケース、２……ベゼルリング、２ａ
……脚部、３……回転ベゼル、６……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に時計ガラス取付用の開口部が形成された
   合成樹脂製の時計ケースと、この時計ケースの前
   記開口部周縁に配置され前記時計ケース下部迄突
   出する突出部を有すると共にこの突出部下部に裏
   蓋取付用のねじ部が形成された金属性のベゼルリ
   ングと、このベゼルリングの外部に取り付けられ
   るベゼルとを備えてなるベゼル付き腕時計のケー
   ス構造。