JPH04314977A - アキシャルプランジャポンプモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、プランジャと斜板と
を接触させる接触部材を改良したアキシャルプランジャ
ポンプモータに関する。

【０００２】

【従来の技術】アキシャルプランジャポンプモータは、
シャフトの周囲にこのシャフトと一体的に回転されるよ
うにしてシリンダブロックを設け、このシリンダブロッ
ク内には、前記シャフトと平行に駆動される複数のプラ
ンジャ室が形成されている。そして、シリンダブロック
が特定される回転角の範囲内にある状態で、そのシリン
ダブロック内プランジャ室に高圧の油圧を作用させ、そ
の内部のプランジャを突出させるように駆動する。そし
てこのプランジャに設けた接触部材（シュー）によって
固定設定された斜板面を押圧し、この斜板の傾斜面に沿
って前記プランジャと斜板との接触部材が滑り、シリン
ダブロックに対してシャフトの回りを回転する回転力が
発生されるようにしている。

【０００３】この様に構成されるモータを高速回転の状
態で動作させると、このプランジャおよび斜板等が収納
設定されているハウジング内の油の流体力によって、接
触部材（シュー）の進行方向側が斜板面から浮き上がり
、シューと斜板との間からの油漏れ、さらにシューおよ
び斜板面に磨耗が生ずるようになり、モータとしての性
能が低下するようになる。

【０００４】この様な問題点に対して、例えば特開昭６
３−６７０３１号公報で示される斜板型油圧装置にあっ
ては、スラストベアリング並びにばねを用いて、機械的
にシューが斜板面から浮き上がらないようにしている。 しかしこの様な構成では、シューを一定の力で常に斜板
面に押し付けているものであるため、この様な押し付け
力をあまり必要としない低速回転時においてその機械効
率が低下する。また、必然的に部品点数が増加するよう
になり、構成を複雑化して故障の原因となり易い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な点に鑑みなされたもので、特に部品点数を増加させる
ようなことがなく簡単な構成によって、低速回転状態で
はプランジャの接触部材と斜板との接触圧力が小さく、
高速回転になるにしたがって、接触部材と斜板との接触
圧力が増加され、効率の良い動作特性の設定されるアキ
シャルプランジャポンプモータを提供しようとするもの
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係るアキシャ
ルプランジャポンプモータは、シャフトの周囲にハウジ
ング内でシャフトと共に回転されるようにしたシリンダ
ブロックを設定し、このシリンダブロック内に複数にプ
ランジャを設け、このプランジャの先端が接触部材を介
して固定的に設定された斜板面に接触されるようにして
構成されるもので、前記接触部材にはその回転時にハウ
ジング内の油に接触して前記斜板面の方向に力が作用さ
れるようにしたテーパを形成するようにしている。

【０００７】

【作用】この様に構成されるアキシャルプランジャポン
プモータにあっては、シリンダブロックに油圧を作用さ
せることによってプランジャが突出するように駆動され
るとき、このプランジャの先端部の接触部材が斜板面を
押圧し、その斜面に沿って滑ることによって、シャフト
に回転力が与えられるようになる。この様にして、シリ
ンダブロックがシャフトと共に回転し、その回転速度が
高速となったときには、接触部材も斜板面に沿って高速
で回転され、接触面に形成されたテーパ面にハウジング
内の油が接触することにより、接触部材に斜板の方向へ
の押圧力が作用する。そして、この押圧力は接触部材が
斜板面から浮き上がるようになる高速回転時において増
大され、高能率で回転力が発生されるようになる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図１は断面構造を示したもので、回転力を出
力するシャフト１１は、ハウジング１２およびそのカバ
ー１３に対して、ベアリング１４１　と１４２　とによ
って回転自在に支持されている。この場合、Ｃ字型のサ
ークリップ１５によってベアリング１４１　およびシャ
フト１１がハウジング１２から離れないように、ハウジ
ング１２に対して弾性的に圧着されている。また、サー
クリップ１６はベアリング１４１　とシャフト１１とを
固定するために、シャフト１１に対して取り付けられて
いる。

【０００９】ハウジング１２の内部に位置して、シャフ
ト１１の周囲にはこのシャフト１１を取り囲むようにし
てシリンダブロック１７が設けられている。このシリン
ダブロック１７の内周面にはスプライン溝が形成され、
このスプライン溝がシャフト１１の外周に形成したスプ
ライン溝１８に結合され、シリンダブロック１７がシャ
フト１１と一体的に回転されるようにしている。このス
プライン溝１８には、さらに外周面を円弧にした球面座
１９が結合され、この球面座１９もシャフト１１と一体
的に回転されるようにする。

【００１０】ハウジング１２の内部はカバー１３で区画
され、この区画された室内は液密に保たれている。この
様なハウジング１２には詳細は図示していないがドレン
ポートが設けられており、弁板２４、シリンダブロック
１７間、シリンダブロック１７、プランジャ２７１　間
、およびシュー２８１　、斜板３１間から油をハウジン
グ１２の外部へ排出し、ハウジング１２の内部を所定の
ドレン圧に保っている。ここで、ハウジング１２とカバ
ー１３との間には、その内部の区画された部屋を油密に
保つためにリング状のシールパッキン２０が介在されて
いる。

【００１１】カバー１３には、高圧の油を導入するため
に高圧ポート２１、および低圧の油を排出するための低
圧ポート２２が形成されている。この高圧ポート２１お
よび低圧ポート２２は、この図では表現されていないが
シャフト１１を取り巻くように、それぞれ半円弧状に形
成され、ハウジング１２の内部に開口している。

【００１２】カバー１３のハウジング１２の内部に対応
する面には、シャフト１１の外周を取り巻くように突出
した段部２３が形成され、この段部２３には円板状の弁
板２４が嵌め込まれ、図示しないピンによって一体的に
組み付けられている。この弁板２４は、高圧ポート２１
および低圧ポート２２と同じ円弧状であって、この高圧
ポート２１および低圧ポート２２とそれぞれ連通する連
通孔２１１　および２２１　が設けられている。

【００１３】そして、シリンダブロック１７には、シャ
フト１１を取り囲むようにして、このシャフト１１と平
行な軸線を有する複数のプランジャ室２５１　、２５２
　、…が形成され、このプランジャ室２５１　、２５２
　、…はプランジャポート２６１　、２６２　、…を介
して、高圧ポート２１あるいは低圧ポート２２に選択的
に連通されるようにしている。

【００１４】複数のプランジャ室２５１　、２５２　、
…それぞれには、プランジャ２７１　、２７２　、…が
嵌め込み設定され、プランジャ室２５１　、２５２　内
に設定される油圧に対応して、各プランジャ室２５１　
、２５２　、…から突出する方向に力が作用されるよう
になっている。この各プランジャ２７１　、２７２　、
…それぞれの先端には、それぞれ球状の結合部材が取り
付けられ、この球状部材はそれぞれシュー２８１　、２
８２　、…に対して嵌め込み結合されている。このシュ
ー２８１　、２８２　、…それぞれには、プランジャ２
７１　、２７２　、…に形成された連通孔２９を介して
プランジャ室２５１　、２５２　、…に連通されるポケ
ット３０が形成され、このシュー２８１　、２８２　、
…それぞれと斜板３１との接触面に油を供給している。 すなわち、シュー２８１　、２８２　、…は斜板３１と
接触しており、シリンダブロック１７が回転されるとき
に斜板３１の面上を摺動するようになる。

【００１５】シリンダブロック１７内にはスプリング３
２が設けられ、このスプリング３２の一端はシリンダブ
ロック１７に係止され、他端は球面座１９に接触して、
シリンダブロック１７をカバー１３の方向に付勢してい
る。この球面座１９の外周の球面部には、リテーナ３３
が嵌め込まれている。このリテーナ３３は、シャフト１
１を取り囲む円板状に構成され、その中心部に形成され
た開口の内表面と球面座１９の外周球面とが接触され、
シャフト１１間の外周を適宜傾いた状態で回転されるよ
うにしている。

【００１６】図２はこのリテーナ３３を取り出して示し
たもので、球面座１９の外周面に摺接する中心穴３４を
備え、この中心穴３４の周囲に複数のプランジャ２７１
　、２７２　、…それぞれの位置に対応して複数の開口
３５１　、３５２　、…が形成されている。この開口３
５１　、３５２　、…には、それぞれシュー２８１　、
２８２　、…がそれぞれ嵌め込み設定される。ここで、
シュー２８１　、２８２　、…は、斜板３１に接触する
大径部および保持部を構成する小径部によって構成され
、この小径部がリテーナ３３の開口３５１　、３５２　
、…にそれぞれ嵌め込まれ、リテーナ３３によって保持
されるようになる。そして、このリテーナ３３の外周部
に沿って、複数のテーパランド３６１、３６２　、…が
等間隔で形成されている。

【００１７】このリテーナ３３は、複数のシュー２８１
　、２８２　、…が、斜板３１から離れないように、球
面座１９を介してスプリング３２の力が作用されている
もので、このスプリング３２で発生された付勢力が各シ
ュー２８１　、２８２　、…に伝達されるようになって
いるもので、金属によって構成されている。

【００１８】図３は、図２の３−３線に対応する部分の
断面構造、すなわちテーパランド３６（３６１　、３６
２　、…）の断面構造を示しているもので、矢印で示す
回転進行方向に対して、その先端方向が薄く、逆の方向
で肉厚となる断面テーパ形状で構成されるもので、この
リテーナ３３が矢印の方向に回転されたときに、ハウジ
ング１２内に充填している油がこのテーパ面に接触し、
リテーナ３３に対して斜板３１の方向に向けた力が作用
されるようにしている。

【００１９】この場合、テーパランド３６（３６１　、
３６２　、…）のテーパ角度が小さ過ぎると、ハウジン
グ１２内の油とリテーナ３３の相対運動によって生ずる
、リテーナ３３を斜板３１の方向へ付勢する流体力の発
生が小さい。また、このテーパ角度が大き過ぎると、テ
ーパランド３６の後ろ側で流れが剥離し、低圧部分が生
ずる。したがって、この状態ではリテーナ３３の斜板３
１方向への付勢力を充分に得ることができない。したが
って、このテーパランド３６のテーパ部角度は、リテー
ナ３３のシュー２８１　、２８２　、…との接触面に対
して５°〜５０°が最も適する。

【００２０】なお、このテーパランド３６１　、３６２
　、…の位置は、リテーナ３３の外周部分に限らず、内
周部あるいは中心穴３４と開口３５１　、３５２　、…
の間等と、任意の場所が選定できる。

【００２１】この様に構成されるポンプモータにおいて
、図示しないオイルポンプによって高圧ポート２１に高
圧の油が圧送されると、この高圧の油は弁板２４の連通
孔２１１　、２１２　、…を介して、例えばシリンダブ
ロック１７のプランジャ室２５１　に圧入されるように
なる。この結果プランジャ２７１　が斜板３１の方向に
押される。ここで、斜板３１は図１で示した断面と直交
する方向に傾斜されているものであるため、シュー２８
１　には斜板３１の傾斜面に沿って動こうとする力が作
用し、シリンダブロック１７に回転トルクが発生して、
回転運動を行うようになる。

【００２２】シャフト１１はスプライン溝１８によって
シリンダブロック１７と結合されているものであるため
、このシャフト１１はシリンダブロック１７と共に回転
される。プランジャ室２５１　はシリンダブロック１７
が１８０°回転した後、低圧ポート２２と連通されるよ
うになり、シュー２８１　が斜板３１の傾斜に沿って滑
り、プランジャ２７１　がプランジャ室２５１　に押し
込まれるようになって、このプランジャ室２５１　内の
油が低圧ポート２２から排出され、図示しないオイルタ
ンクに戻されるようになる。

【００２３】高圧の油がシリンダ室２５１　内に入った
場合、この油の圧力を受けたプランジャ２７１　が、シ
ュー２８１　を斜板３１方向に押し付ける力を発生する
。また、連通孔２９を介してシュー２８１　のポケット
３０に高圧の油が送られ、シュー２８１　を斜板３１の
接触面から引き離す力が発生する。

【００２４】シュー２８１　の斜板３１に対して押し付
ける力が大き過ぎると、シュー２８１　と斜板３１との
間の油の剪断によって滑り抵抗が増加し、機械効率が大
幅に低下する。また、シュー２８１　を斜板３１から引
き離す力が大き過ぎると、シュー２８１　と斜板３１の
間から油が漏れるようになり、体積効率が大幅に低下し
てしまう。したがって、高効率を確保するために、これ
ら２つの力のバランスがとれるようにして、作動時にや
やシュー２８１　が斜板３１に押し付けられるように設
計する。

【００２５】この様な状態でこのモータを高速回転させ
ると、シュー２８１　の斜板３１との対向面に作用する
、シュー２８１　とハウジング１２内の油との相対運動
によって生ずる流体力のために、シュー２８１　と斜板
３１との対向面の回転進行方向側が、斜板３１の面から
浮き上がる。したがって、シュー２８１　と斜板３１と
の間から高圧の油が漏れ、あるいはシュー２８１　と斜
板３１が片当りを起こすことによって、モータ性能が著
しく低下される。

【００２６】この実施例においては、この様な点が改善
されているもので、リテーナ３３に形成したテーパラン
ド３６１　、３６２　、…によって、回転時に生ずるハ
ウジング２２内の油とリテーナ３３のテーパランド３６
１　、３６２　、…との相対運動による流体力を利用し
て、逆にシュー２８１　、２８２　、…を斜板３１の方
向に付勢している。

【００２７】この流体力の大きさは、回転速度の２乗に
比例するものであり、付勢力を必要としない低回転時に
は、必要以上の力でシュー２８１　、２８２　、…を斜
板３１に付勢することがなく、モータ性能を低下させる
ことがない。そしてシュー２８１　、２８２　、…が斜
板３１の面から浮き上がるようになる高速回転時に、シ
ュー２８１　、２８２　、…を斜板３１の方向に付勢す
る力が効果的に作用するようになる。

【００２８】なお、ハウジング１２内には漏れた油が充
填し、リテーナ３３のテーパランド３６１、３６２　、
…に油が作用して、斜板３１の方向への付勢力が発生さ
れるように説明したが、作動液体は水等の他の液体でも
よい。

【００２９】図４はリテーナ３３の他の実施例を示すも
ので、リテーナ３３の一部を切り欠き、この切り欠き部
を斜めに傾斜させてテーパランド３６として構成させた
。この様に構成すれば、このテーパランド３６の斜面に
油が接触されることによって、前実施例と同様の効果が
発揮されるものであり、また油がこのテーパランド３６
によって形成された通路４０を介して、斜板３１の面か
らシリンダブロック１７側へ抜ける。このため、シュー
２８１　と斜板３１との摺動によって局部的に温度が上
昇された油を、シリンダブロック１７側に巻き上げるこ
とができ、摺動部の冷却効果が向上されるようになる。

【００３０】図５はさらに他の実施例を示すもので、（
Ａ）図に示す例ではシュー２８のリテーナ３３と斜板３
１との間の部分を、円錐部４１として構成している。そ
して、この円錐部４１によって、ハウジング１２内の油
に接触されるテーパ面が形成されるようにしている。ま
た（Ｂ）図の実施例にあっては、シュー２８のリテーナ
３３から突出している部分を円錐部４２によって構成す
るもので、リテーナ３３が回転することによって、その
回転速度に対応した付勢力が、斜板３１の方向に向けて
発生されるようになる。

【００３１】

【発明の効果】以上のようにこの発明に係るプランジャ
ポンプモータにあっては、各プランジャと斜板との接触
部を構成する接触部材において、モータの回転速度が上
昇するにしたがって、この接触部材が斜板の方向に付勢
されるようになり、接触部材が斜板面から浮き上がるよ
うになる現象が防止される。この付勢力は、低速回転時
にはあまり作用されないものであり、モータの動作効率
が効果的に向上されると共に、接触部材さらに斜板の耐
久性も効果的に向上される。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　この発明の一実施例に係るアキシャルプラ
ンジャポンプモータを説明する断面図。

【図２】　　上記実施例で使用されるリテーナを示す正
面図。

【図３】　　同じくリテーナに形成されるテーパランド
部の断面図。

【図４】　　この発明の他の実施例に係るリテーナ部の
断面図。

【図５】　　（Ａ）および（Ｂ）はそれぞれこの発明の
さらに他の実施例に係る接触部を示す断面図。

【符号の説明】

１１…シャフト、１２…ハウジング、１３…カバー、１
７…シリンダブロック、１９…球面座、２１…高圧ポー
ト、２２…低圧ポート、２５１　、２５２　、…プラン
ジャ室、２７１　、２７２　、…プランジャ、２８、２
８１　、…シュー、３１…斜板、３３…リテーナ、３４
…中心穴、３５１　、３５２　、…開口、３６、３６１
　、３６２　、…テーパランド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　シャフトの周囲に一体的に取り付け設
   定され、ハウジング内で回転自在に保持された複数のシ
   リンダブロックと、このシリンダブロック内にそれぞれ
   設定され、供給された油圧によって前記シャフトと平行
   な方向に突出駆動される複数のプランジャと、前記ハウ
   ジング内に固定して設定され、前記シャフトの軸線に傾
   斜して設定された斜板と、前記複数のプランジャのそれ
   ぞれ前記突出駆動される方向の端部に形成された、前記
   斜板面に摺動接触される接触部材とを具備し、この接触
   部材には、前記プランジャが前記シャフトの周囲で回転
   される状態で、前記ハウジング内に収納された液体に接
   触して前記接触部材を前記斜板の方向に押圧力を作用さ
   せるテーパ面が形成されるようにしたことを特徴とする
   アキシャルプランジャポンプモータ。