JPH04219473A - アキシャル斜板型可変容量ポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はピストンポンプとりわけ
アキシャル斜板型可変容量ポンプに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】アキシャル形ピストンポンプにおいて、
斜板式でかつシリンダブロックが回転する形式のものは
従来公知である。また、このタイプのポンプにおいて、
斜板の傾き角を変えることで可変容量形としたものも、
特開昭６３−第５０６８１号公報に示されるように公知
である。この形式のポンプにおいては、シリンダブロッ
クが回転軸と一体に回転することによりピストンが軸方
向にストロークし、この変位発生部と反対側のシリンダ
ブロック端面がカバー側に介在されている弁板と滑り運
動する。そして、弁板には半円弧状の吸入ポートと吐出
ポートが１８０度対称で形成されており、ピストンの前
記ストロークにより液体たとえば油の吸入、吐出が反復
するようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが先行技術にお
いては、吸入ポートと吐出ポートのピッチサークル（２
つの半円弧状ポートの中心を結んだ仮想円の径）が大き
く、シリンダブロックの吸込み・吐出用の穴は、その大
きなピッチサークルに対応するように回転軸と平行に穿
設されていた。このため、シリンダブロックを高速回転
したときに、吸入ポートと吐出ポートの周速が早く、液
体の吸込み性の低下を招き、さらに振動および騒音が発
生するという不具合があった。この対策としては、図６
と図７のように、シリンダの吸込み・吐出用の穴８０を
シリンダ穴から求心方向に斜めに形成し、弁板７ａの吸
入ポート７００と吐出ポート７１０を弁板の中心に近づ
けることが挙げられる。

【０００４】しかしながら、この方法では、弁板７ａの
受圧部の径が小さくなるため、受圧面積の減少によりシ
リンダブロック８と弁板７ａの面圧が高くなる。これに
よりシリンダブロック８と弁板７ａのすべり摩耗が増し
、弁板の寿命が短くなってしまう。また、シリンダブロ
ック８の押圧力Ｆの作用点と弁板７ａの反力Ｆ１の作用
点がずれるため、図６のようなモーメントＭが生じ、そ
れによりシリンダブロック８と弁板７ａ間特に図６のＣ
の部分がこじあけられて開離し、液体のリークが増すと
いう問題が生ずる。この対策として、弁板の径をシリン
ダブロックと同等の径まで増すことが考えられる。しか
し、これによると、弁板の径の増大により外周の周速度
が増し、これに前記モーメントが重畳するため、弁板と
シリンダブロック外縁領域に焼付きを起させる危険があ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記のような問
題点を解消するために創案されたもので、その目的とす
るところは、簡単な構造により、吸込み性の改善とシリ
ンダブロック・弁板間の面圧の低減を同時に達成できる
アキシャル斜板型の可変容量ポンプを提供することにあ
る。上記目的を達成するため本発明は、筒状のケーシン
グと、ケーシング内に配され、円周上に複数の軸線方向
に向いたシリンダ穴を有し、回転軸と共に回転自在なシ
リンダブロックと、シリンダブロックの前記各シリンダ
穴内に摺動可能に嵌められシリンダ穴から突出する端部
が傾斜角調整自在な斜板に押しつけられるピストンと、
吸入口と吐出口を有し、前記斜板と反対側のケーシング
に一体に固定されるカバーと、斜板と反対側のシリンダ
ブロック端面に対向して静止位置される弁板とを備えた
形式のポンプにおいて、前記弁板は中心近くに円弧状の
吸入ポートと吐出ポートが１つずつ対称的に形成されて
おり、シリンダブロックには各シリンダ穴底隅から前記
吸入ポートと吐出ポートの領域に向かって伸びる傾斜油
路を形成し、そして、シリンダブロックの各シリンダ穴
には、傾斜油路と別に、シリンダ穴内の圧油を吸入ポー
トおよび吐出ポートよりも外径側の弁板に向けて導く導
油孔を回転軸と平行に穿設している。前記弁板は、シリ
ンダブロックおよびカバーと別部品であってもよいし、
カバーの前端に一体に作ってもよい。

【０００６】

【作　　　　用】ピストンは常に斜板と接触しているた
め、シリンダブロックの回転によりピストンは軸線方向
にストロークし、シリンダ穴の容積が拡大する行程にお
いて、弁板の吸入ポートから傾斜油路を介して油を吸込
む。シリンダ穴の容積が減少する行程では、油は圧縮さ
れて高圧化し、傾斜油路から吐出ポートに吐出する。こ
の吐出時に、圧油は同時に回転軸と平行な導油孔から弁
板の静圧軸圧面に向けて送られる。中心に向かって傾斜
した傾斜油路と小さなピッチサークルの関係により、シ
リンダブロックが高速回転しても周速が早くならず、油
の吸込み性が良好である。しかも、弁板の受圧面積が大
きいため面圧が低下する。そのうえ、導油孔を通して圧
油が弁板の外周に近い領域に作用する。このため、弁板
とシリンダブロック間の押し付け力が低減され、油膜が
効果的に形成される。これにより、シリンダブロックお
よび弁板のすべり摩耗が少なくなり、寿命が長くなる。 また、シリンダブロックと弁板間の摩擦抵抗が低減し、
トルク効率も上昇する。

【０００７】

【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図１ないし図５は本発明による可変容量ポンプの
第１実施例を示している。図１と図２において、１は筒
状のケーシングであり、前後端面にカバー２ａ，２ｂが
配され、圧入ピン２０，２０によりそれぞれケーシング
と一体に固定されている。３は回転軸であり、前後のカ
バー２ａ，２ｂの中心に嵌められ、前後の両カバー２ａ
，２ｂに設けたラジアル軸受３０ａ，３０ｂにより回転
自在に支承され、カバー２ａに配したスラスト軸受３１
によりスラスト方向が潤滑されるようになっている

【０
００８】４はケーシング１に内装されたシリンダブロッ
クである。このシリンダブロック４は、回転軸３と同心
をなし、中心には前記回転軸３がはまる穴を持ち、穴の
後半部に形成したスプライン３２が回転軸３に設けたス
プラインと嵌合し、それによって回転軸３と一体回転す
るようになっている。シリンダブロック４には回転軸３
と平行に複数個（実施例では９個）のシリンダ穴４０が
穿設されている。それら各シリンダ穴４０は前端面に開
口しており、それらシリンダ穴４０にはそれぞれピスト
ン５が摺動可能に挿入されている。

【０００９】各ピストン５は、先端の球継手部５ａを介
してシュー５０が取付けられ、それらシュー５０は押え
板５１により斜板６の傾斜摺動面６０に押しつけられて
いる。斜板６は背部の球状軸受部６ａをもってカバー２
ｂに支持されている。さらに、斜板６は、図１のように
、筒状ケーシング１に設けた少なくとも１つの液圧シリ
ンダ機構６１と、これと周方向で１８０度変位した位置
に設けたバイアス機構６２とにより傾斜角調整可能に支
持され、これにより前記ピストン５のストロークを可変
にし、容量を可変にしている。前記液圧シリンダ機構６
１は、ケーシング１に形成した貫通穴４３と、先端に斜
板と接する球を持ち貫通穴４３に摺動自在に嵌まる押圧
ピストン６１０と、押圧ピストン６１０の後退限を規制
するねじ式のストッパ６１１と、押圧ピストン６１０の
背部の加圧室に油圧を供給する手段６１２を備えている
。また、バイアス機構６２は、ケーシング１に形成した
貫通穴４４と、先端に斜板と接する球を持ち貫通穴４４
に摺動自在に嵌まる押圧ピストン６２０と、これを背部
から押圧するスプリング６２１と、スプリング６２１の
他端を支持するばね力調整手段６２２とを備えている。 しかし、斜板６の変位発生手段はこの実施例に限定され
るものではない。

【００１０】７はシリンダブロック４の後端面と接する
弁板であり、シリンダブロック４とほぼ同じ寸法の外径
を持っている。この第１実施例では、弁板７はカバー２
ａと独立した部品として作られ、前記シリンダブロック
４の後面とカバー２ａの内面との間に配されている。弁
板７は外縁部の少なくとも２カ所に切欠き７８，７８を
有し、それら切欠き７８，７８にピン９，９を挿入しそ
れをカバー２ａに設けたピン穴に差し込むことによって
、位置決めおよび回転止めされている。これに代えて溶
接や接着で固定してもよい。シリンダブロック４には、
それぞれシリンダ穴４０の底域にピストン室４０ａが形
成され、各ピストン室４０ａの底隅、特に回転軸に近い
底隅から回転軸３に接近する方向に傾斜油路４１がそれ
ぞれ設けられている。各傾斜油路４１はすべて同じ角度
でシリンダブロック後端面に開孔している。

【００１１】一方、弁板７には、中心に近い位置に、前
記傾斜油路４１の開孔と整合する関係で、小さなピッチ
サークル径の円弧状の吸入ポート７０と吐出ポート７１
が形成されている。それら吸入ポート７０と吐出ポート
７１は１８０度対称に設けられており、図２に示すよう
に、吸入ポート７０はカバー２ａに設けた吸入口２２に
横穴を介して常時連通し、吐出ポート７１はカバー２ａ
に設けた吐出口２３に常時連通している。

【００１２】さらに、本発明においては、各ピストン室
４０ａの底から回転軸３と平行に導油孔４２がそれぞれ
伸びている。導油孔４２はピストン室４０ａと同心でか
つシリンダ穴の径よりも細く、先端がシリンダブロック
４の後端面に開孔している。導油孔４２は図示するもの
ではストレート孔であるが、これに限らずテーパー孔で
もよい。弁板７は導油孔４２の開孔に向き合う部分が平
坦なリング状の静圧軸受面７２となっている。弁板７の
内面（シリンダブロック対向面側）には、静圧軸受面７
２よりも半径方向外側の部分に、図５に示すように、リ
ング状低圧溝７３が設けられている。また、弁板７の外
面（カバー対向面側）と内面には、静圧軸受面７２より
も半径方向内側でかつ前記吸入ポート７０と吐出ポート
７１の形成域よりも外側の同じ位置に、浅いリング状低
圧溝７４ａ，７４ｂが設けられている。

【００１３】それら両面のリング状低圧溝７４ａ，７４
ｂは数個所の軸線方向孔７５，７５により連通し、さら
に外面側のリング状低圧溝７４ｂは、図１に示すように
、カバー２ａに穿設した少なくとも１本の誘導孔２１に
よりスラスト軸受３１の位置するゾーンに常時通じてい
る。一方、外面側のリング状低圧溝７４ｂは、図４のよ
うに、少なくとも１本の半径方向溝７６により弁体外径
に通じている。そして、弁体７の内面には、外側のリン
グ状低圧溝７３より外周に、一定間隔で凹み状のスカロ
ップ７７が配設されている。

【００１４】図８と図９は本発明の第２実施例を示して
いる。この実施例においては、弁板７がカバー２ａの内
面に円盤上の突部として一体形成されている。この実施
例でも、シリンダブロック４との対向面に、前記第１実
施例のリング状低圧溝７４ａ７４ｂと同じ位置にリング
状低圧溝７４が凹入状に形成され、そのリング状低圧溝
７４の底からスラスト軸受３１に向けて少なくとも１本
の誘導孔２１が穿設されている。

【００１５】また、リング状低圧溝７４より外径側には
静圧軸受面７２があり、それよりも外周にはリング状低
圧溝７３が形成され、そして外縁部にスカロップ７７が
形成されている。この第２実施例では、弁板の内面が存
在しないため、半径方向溝はなく、それに代えて図８の
ように誘導孔２１から弁体としての突部外径に達する半
径方向孔７６０が穿設されている。すなわち、弁板部分
の端面は、図５において半径方向溝を除いたものと同じ
構造となっている。その他は前記実施例と同じ構成であ
るから同じ符号を示すにとどめる。

【００１６】

【実施例の作用】モータなどにより回転軸３を回転させ
ると、スプラインで噛み合っているシリンダブロック４
も回転軸３と一体回転する。シリンダブロック４の各シ
リンダ穴４０にはめられているピストン５は、シュー５
０が押え板５１によって斜板６に押しつけられているた
め、シリンダブロック４の回転に伴って、ピストン５は
斜板６の傾斜角に応じたストロークでシリンダ穴４０内
を軸方向に摺動する。第１実施例では、弁板７はカバー
２ａの内面に止められているため、シリンダブロック４
は弁板７とすべり運動し、ピストン５がシリンダ穴４０
から突き出す行程で、吸入口２２から低圧の油を吸込み
ポート７０および傾斜油路４１を通してピストン室４０
ａに吸入する。そして、ピストン５がシリンダ穴４０に
進入する行程で油は圧縮高圧化され、傾斜油路４１から
吐出ポート７１を経て吐出口２３から吐出される。

【００１７】吸入と吐出の両ポート７０，７１が中心に
近い位置にあり、ピッチサークルが小さい。したがって
シリンダブロック４の高速時でも周速が遅く、吸込み性
が良好に保たれる。しかも、弁板７は外径がシリンダブ
ロック４と同程度であり、受圧面積が大きいため面圧が
低い。そのうえピストン室４０ａの底から回転軸と平行
に伸びる導油孔４２が弁板７の静圧軸受面７２に開孔し
ている。このため、高圧化された圧油は傾斜油路４１に
圧送されると同時に、静圧軸受面７２にも導かれ、この
静圧軸受面７２をカバー２ａ方向に押圧する。静圧軸受
面７２は傾斜油路４１よりもはるかに外径寄りにあるた
め、弁板７の反力とうまくバランスが取れ、図６に示す
ようなモーメントの発生を回避することができとともに
、スカロップ７７により静圧軸受面７２に好適な液膜を
発生させることができる。

【００１８】このため、シリンダブロック４と弁板７間
の面圧がさらに低減し、それらのすべり摩耗と摩擦抵抗
を減少させ、トルク効率を向上させることができる。そ
してまた、弁板７の径を大きくすると外径部位の周速が
上昇するが、この領域に近いところでさきのように導油
孔４２からの圧油が弁板７を離間する方向に加力すると
ともに潤滑を行うため、弁板７とシリンダブロック４と
の焼付き現象は生じない。

【００１９】そして静圧軸受面７２からにじみ出た油は
、リング状低圧溝７４ａから軸線方向孔７５とリング状
低圧溝７４ｂの経路で外面側に排出され、リング状低圧
溝７４ｂに通じている誘導孔２１から回転軸３のスラス
ト軸受部分に供給され、ここを潤滑する。また、外径方
向ににじみ出た油はリング状低圧溝７３に集められ、そ
の油はスカロップ７７を抜けて弁体外径に至り、半径方
向溝７６を通ってリング状低圧溝７４ｂに集められ、誘
導孔２１から回転軸３のスラスト軸受部分に供給される
。弁板７の外面に油がにじみ出ても、リング状低圧溝７
４ｂを介して誘導孔２１から回転軸３のスラスト軸受部
分に供給される。

【００２０】第２実施例は、弁板７がカバー２ａに一体
形成されているためピン９が不要なこととあいまつて部
品数が少なくなり、また、独立した弁板と異なり、カバ
ー２ａとの接面からの油のリークは一切ない。静圧軸受
面７２からにじみ出た油は、リング状低圧溝７４に捕ら
えられ、誘導孔２１から回転軸３のスラスト軸受部分に
供給される。また、静圧軸受面７２の外径側ににじみ出
た油は、スカロップ７７を抜けて弁板外径に至り、半径
方向孔７６０から誘導孔２１に流れる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明した本発明の請求項１によると
きには、弁板が中心に近く円弧状の吸入ポートと吐出ポ
ートを有し、シリンダブロックにはシリンダ穴底隅から
中心方向に向かう傾斜油路が形成されているため、ポー
トのピッチサークルの減縮により適切な吸込み性を実現
することができ、しかも、傾斜油路と別にシリンダ穴か
ら回転軸と平行な導油孔を設けているため、シリンダブ
ロックと弁板との押付け力を軽減できると共に効果的な
油膜を形成することができ、したがって、シリンダブロ
ックと弁板の摩耗や摩擦抵抗を低減させ、焼付きも防止
することができるというすぐれた効果が得られる。本発
明の請求項２によれば、部品数が少なくなり、またリー
クの機会もへらすことができるという優れた効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるアキシャル斜板型可変容量ポンプ
の一実施例を示す縦断側面図、

【図２】同じくその横断面図、

【図３】本発明におけるシリンダブロックと弁板の取り
合いを示す断面図、

【図４】弁板をカバー側から見た端面図、

【図５】弁板
をシリンダブロック側から見た端面図、

【図６】吸込み
・吐出ポートのピッチサークルを単純に小さくした場合
のシリンダブロックと弁板の関係を示す断面図、

【図７】吸込み・吐出ポートのピッチサークルを単純に
小さくした場合の正面図、

【図８】本発明によるポンプの別の実施例を示す縦断側
面図、

【図９】同じくその横断面図である。

【符号の説明】

１…ケーシング、２ａ…カバー、３…回転軸、４…シリ
ンダブロック、５…ピストン、６…斜板、７…弁板、４
０…シリンダ穴、４１…傾斜油路、４２…導油孔、７０
…吸入ポート、７１…吐出ポート

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状のケーシング１と、ケーシング１内に
   配され、円周上に複数の軸線方向に向いたシリンダ穴４
   ０を有し、回転軸３と共に回転自在なシリンダブロック
   ４と、シリンダブロック４の前記各シリンダ穴内に摺動
   可能に嵌められシリンダ穴から突出する端部が傾斜角調
   整自在な斜板６に押しつけられるピストン５と、吸入口
   ２２と吐出口２３を有し前記斜板６と反対側のケーシン
   グに一体に連結されたカバー２ａと、斜板６と反対側の
   シリンダブロック端面に対向する弁板７とを備えた形式
   のポンプにおいて、前記弁板７の中心近くに円弧状の吸
   入ポート７０と吐出ポート７１が１つずつ対称的に形成
   される一方、シリンダブロック４には各シリンダ穴底隅
   から前記吸入ポート７０と吐出ポート７１の領域に向か
   って伸びる傾斜油路４１を形成し、さらにシリンダブロ
   ック４の各シリンダ穴４０には、それぞれ前記傾斜油路
   ４１と別に、シリンダ穴４０内の圧油を吸入ポート７０
   と吐出ポート７１よりも外径側の弁板７に向けて導く導
   油孔４２を回転軸と平行に穿設したことを特徴とするア
   キシャル斜板型可変容量ポンプ。
2. 【請求項２】弁体７がカバー２ａの内面に突部として一
   体に形成されているものを含む請求項１に記載のアキシ
   ャル斜板型可変容量ポンプ。