JP3548304B2 - アキシャルピストンポンプ・モータ - Google Patents

アキシャルピストンポンプ・モータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はアキシャルピストンポンプ・モータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアキシャルピストンポンプ・モータとして図10,図11のように構成したものが知られている(特開平6ー167272号公報)。1は円筒形状のケーシングで、その開口部を密閉する側壁2(ポートブロック)を備える。3は入力用または出力用の回転軸で、ケーシング1に軸受4,5を介して回転自在に支持される。回動軸3上にトルクプレート6がスプライン嵌合され、トルクプレート6に対向するシリンダブロック7が設けられる。
【0003】
ケーシング1の側壁2に流入ポートと流出ポートを同心円上に備える弁板8が形成され、弁板8の中心部にトルクプレート6および回転軸3の中心線Mに対して所定角度θで傾斜する円筒軸9が固定される。シリンダブロック7は弁板8と接触状態で円筒軸9上を回転自在に支持され、回転軸3との間に回転伝達機構10が介装される。シリンダブロック7は円筒軸9と平行で円周方向へ等間隔に複数のシリンダ11を備えるもので、シリンダ11に軸方向へ往復動するピストン12が収装される。
【0004】
ピストン12のシリンダブロック7からトルクプレート6側へ突出する先端部にピストン球部13が一体形成され、ピストン12はトルクプレート6の球面穴14にピストン球部13を介して回動自在に嵌合される。このピストン球部13にシリンダ11の内径と略同径の切欠部15(環状溝)が設けられ、トルクプレート6の球面穴14に環状溝15と共に圧力ポケット(静圧軸受)を形成する凹陥部16が形成される。また、ピストン球部13に環状溝15の外周縁と平行な圧抜き溝17が設けられ、その溝17内の圧力をケーシング1内の空間(ケースドレン)に開放する通路20がトルクプレート6に形成される。
【0005】
例えば、ピストンポンプとして回転軸3が駆動されると、トルクプレート6がスプライン嵌合により回転軸3と一体回転し、シリンダブロック7は回転伝達機構10を介してトルクプレート6と同期回転する。この回転に伴いシリンダブロック7とトルクプレート6が離れてゆく行程でピストン12が伸び出し、弁板8の流入ポートからシリンダ11内(ポンプ室)に流体を吸入する一方、シリンダブロック7とトルクプレート6が近づいてゆく行程でピストン12が押し込まれ、シリンダ11内の流体を弁板の流出ポートから吐き出す。
【0006】
この吐出行程において、シリンダ11に吐出回路に接続された負荷に対応する流体圧力が発生する。この流体圧力はピストン12の軸心を貫通する通路18を通して圧力ポケットに導かれる。この場合、ピストン球部13の環状溝15から圧抜き溝17に掛かる球面領域(ランド部)において、圧力は直線的に低下して環状溝15と平行な圧抜き溝17でドレン圧力になるため、ポンプ室の流体圧力がピストン12をトルクプレート6側へ押圧する力Fと、圧力ポケットの流体圧力がピストンをシリンダブロック側へ押圧する力Fとを略均等にバランスさせることが可能になる。
【0007】
なお、図12のようにピストン球部13の環状溝15に平行な圧抜き溝17に加えて、ケーシング1内のドレン空間に開口する補助の圧抜き溝21を設けると、トルクプレート6側の通路20を省略できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トルクプレート6の球面穴14に凹陥部16を備えるが、実際にはピストン軸が傾くため、ピストン球部13と球面穴14とはピストン軸に対称にならず、環状溝15に平行な圧抜き溝17があっても、これらの摺動面の圧力分布が等しくなりにくいという問題点があった。
【0009】
また、シリンダブロック7のシリンダは、回転軸3の軸方向から見ると、楕円軌道を回転するため、図13で示すように押圧力Fと押圧力Fの作用方向は対向状態に維持されず、これらの間にシリンダ11の楕円軌道とトルクプレート6の円形軌道とのずれに基づく傾き角βを生じる。そのため、ピストン12からシリンダ11にFtanβの大きいで横分力Fが作用する。この横分力Fは、傾き角βが小さくて比較的小さい値となるが、図11におけるピストンリング19に傾き角βを許容できる形状としてピストンリング19の厚みを薄くしたり、あるいは外周面を円弧状に形成したりする等の工夫が必要になる。したがって、横分力Fを支持するピストンリング19の接触面圧が大きくなり、シリンダ11との間で流体膜切れを起こして焼き付いたり、摩耗が非常に増加するという不具合があった。
【0010】
別の従来装置として図14のようにピストン12とトルクプレートとの間にコネクティングロッド23を設け、ピストン12にその球面穴24を介して球部25で回動自在に嵌合することにより、ピストン12とシリンダ11との摺接面積を大きくし、ピストン12の接触面圧を低減する構造も良く知られるが、これだとコネクティングロッド23の球部25はピストン12の外径と同等の球径に設定することが困難であり、この球部25に静圧軸受を構成しても、ピストン12に作用するトルクプレート側への押圧力Fと静圧軸受での浮上力Fをバランスさせることはできず、静圧軸受の球面接触部などに焼き付きの発生も懸念される。また、コネクティングロッド23とピストン12との抜け止め用のストッパ部26を含む加工や組み付けが困難なため、生産コストの面でも不利という不具合があった。
【0011】
この発明はこのような問題点を考慮してなされたもので、ピストンに作用する流体圧力のバランスを良好に維持しつつ、シリンダブロックとの間でピストンの往復動方向と異なる方向への作用力を殆ど発生しないアキシャルピストンポンプ・モータの提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、軸回りを回転自在なシリンダブロックと、シリンダブロックの回転に伴う往復動でシリンダの容積を拡縮するピストンと、シリンダブロックの軸心に所定角度で傾斜すると共にピストン先端の球面凸部が回動自在に接触する球面凹部を備えるトルクプレートと、シリンダブロックとトルクプレートを同期回転させる回転伝達機構と、を備えるアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、前記ピストンを、前記シリンダ内で摺動するピストン本体と、前記ピストン先端の球面凸部を形成する別体のシューとから構成し、シューにピストン本体の軸心と直交する当接面と面接触する平滑面を形成し、シューの球面凸部の先端に平滑面と平行な切除面を設け、シューの球面凸部にケースドレンに連通する圧抜き溝を切除面の外周縁と平行に形成し、シューを貫通し、切除面と平滑面とを連通する連通路を設け、ピストン本体に形成され、連通路にシリンダ内の作動圧を導く連通穴を形成し、ピストン本体をシューに向けて付勢するスプリングを備える。
【0013】
第2の発明では、第1の発明において、シューの球面中心から平滑面を切除面方向にずらして形成する。
【0014】
第3の発明では、第1の発明において、シューの球面中心から平滑面を切除面と反対方向にずらして形成する。
【0015】
第4の発明では、シューの切除面にその外周部を環状に残して小径側にトルクプレートとの球面接触部として高圧ランド部を設け、その先端面に作用する流体圧力を切除面の環状残部に導く通路を形成する。
【0016】
第5の発明では、シューの切除面と圧抜き溝を挟む反対側の球面部の全面あるいはその一部を切除してトルクプレートの球面凹部との間でシューの変形を吸収する隙間を設定する。
【0017】
第6の発明では、シューの平滑面にピストンの先端が摺接しない領域に座ぐりを形成する。
【0018】
【作用】
第1の発明によれば、シリンダ内の流体圧力がピストンをトルクプレート側へ押圧する力は、ピストンの球面凸部とトルクプレートの球面凹部が形成する静圧軸受で支持される。シリンダブロックとトルクプレートは相対的に傾斜し、回転軸の軸方向から見ると、これらの回転軌跡にずれを生じるが、シューはピストン軸に垂直な面において分割され、その平滑面をピストン本体と摺動自由なため、シリンダ内の流体圧力がピストン本体を押圧する力と静圧軸受の流体圧力がシューを押圧する力とがピストン軸と直交する面でいつも対向状態に維持される。また、シューの切除面および圧抜き溝もピストン軸と直交する面といつも平行なため、トルクプレートとシューの球面接触部(摺動面)において、シューの軸心に対称な圧力分布が得られる。
【0019】
したがって、ピストンに作用する流体圧力を精度よくバランスさせることにより、シューとトルクプレートの良好な潤滑性を確保できる。また、シューからピストン本体にその軸心と垂直な方向の反力が殆ど作用せず(平滑面での摩擦力を無視した場合)、ピストン本体からシリンダに作用する横力が非常に小さくなり、ピストンの摺動面圧が低減するため、摩耗の低減や焼付きなどの回避を有効に図れる。
【0020】
第2の発明によれば、シューのコンパクト化が図れる。
【0021】
第3の発明によれば、リテーナプレートを用いること等により、シューがトルクプレートの球面凹部から離脱するのを防止できる。
【0022】
第4の発明によれば、ピストン本体の軸方向へ作用する押圧力のバランスを保ちながら、通路を備える高圧ランド部によりトルクプレートの球面凹部にシューが噛み込むのを防止できる。
【0023】
第5の発明によれば、流体圧力によるシューの変形で切除面と圧抜き溝を挟む反対側の球面部(ドレン圧力が作用する)がトルクプレートの球面凹部に噛む込むのを防止できる。
【0024】
第6の発明によれば、平滑面は高い平坦度および表面粗度が要求されるが、シューの平滑面にピストン本体と摺接しない領域に座ぐりを設けることで、平滑面の加工精度が容易に得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1,図2はこの発明を斜軸式のアキシャルピストンポンプとして適用する実施の形態を表すもので、ケーシング30は円筒部30aの一端側をシリンダブロック31の軸心mと垂直な面で塞ぐ側壁30bと、同じく他端側をシリンダブロック31の軸心mと所定角度に傾斜する面で塞ぐ側壁30cを備える。
【0026】
ケーシング30の傾斜する側壁30cにその中心線n上を貫通する回転軸32が軸受33を介して回転自在に支持される。回転軸32の外周にトルクプレート34がスプライン嵌合され、トルクプレート34との摺動面を形成するガイドプレート35が側壁30cに固定される。
【0027】
ケーシング30の垂直な側壁30bに流入ポートと流出ポートを同心円上に備える弁板36が取り付けられ、側壁30bから弁板36の中心部を突出する支持軸37が設けられる。シリンダブロック31は弁板36に接触状態で支持軸37上を回転自在に支持され、回転軸32と歯車たわみ軸38(回転伝達機構)を介して連結される。
【0028】
歯車たわみ軸38は外周に例えば円弧断面の歯部を備えるギヤを軸両端に設けたもので、シリンダブロック31の中心部に一方のギヤが、回転軸32の中心部に他方のギヤがそれぞれスプライン嵌合され、シリンダブロック31をその回転中心mと所定角度で傾斜する回転軸32に同期回転させる。なお、回転伝達機構としてユニバーサルジョイントやたわみ継ぎ手などを使用しても良い。
【0029】
シリンダブロック31は支持軸37と平行で円周方向へ等間隔に複数のシリンダ39を備え、これらシリンダ39にそれぞれ軸方向へ往復動するピストン40が収装される。ピストン40はシリンダ39を摺動自由なピストン本体40aと、そのトルクプレート34側へ突出する先端部を形成する別体のシュー40bとから構成される。
【0030】
ピストン本体40aは筒形に作られ、その内部にスプリング41が収装される。シリンダ39の底面との間でスプリング41を支持するバネ受42が設けられ、バネ受42に流体圧力の通路穴43が形成される。ピストン本体40aの先端はその軸心と直交する当接面44に形成され、この当接面44に面接触する平滑面45がシュー40bに設けられる。
【0031】
シュー40bは球体を平滑面45で半割りに形成され、その球面先端に平滑面45と平行な切除面46が設けられる。また、シュー40bの球面部に切除面46の外周縁と平行な環状溝47(圧抜き溝)と、この溝47をケーシング30内の空間(ケースドレン)に開放するドレン通路48が形成され、シュー40bの中心を貫通する連通路51が設けられる。
【0032】
トルクプレート34にシュー40bを回動自由に保持する球面穴49が形成され、シュー40bの球面部と共に静圧軸受(圧力ポケット)を構成する。トルクプレート34の裏面にガイドプレート35との間で静圧軸受を構成する凹溝50が設けられ、この溝50内に球面穴49から流体圧力を導く通路52が形成される。また、トルクプレート34のラジアル方向への動きを抑えるケーシング30の内周にも静圧軸受を構成する凹溝53が設けられ、側壁30b(ポートブロック)のバルブ室から通路54を介して流体圧力が導かれる。
【0033】
シュー40bの直径はピストン本体40aの直径よりもやや大きく、シリンダブロック31の回転に伴いピストン本体40aはシュー40bの平滑面45をラジアル方向へ相対変位するが、トルクプレート34の球面穴49にピストン本体40aが接触しないようになっている。
【0034】
そして、ピストンポンプとして回転軸32が駆動されると、トルクプレート34がスプライン嵌合により回転軸と一体回転し、シリンダブロック31は歯車たわみ軸38を介してトルクプレート34と同期回転する。この回転に伴いシリンダブロック31とトルクプレート34が離れてゆく行程でピストン40が伸び出し、弁板36の流入ポートからシリンダ39内に流体を吸入する一方、シリンダブロック31とトルクプレート34が近づいてゆく行程でピストン40が押し込まれ、シリンダ39内の流体を弁板36の流出ポートから吐き出す。
【0035】
この吐出行程において、図3のようにシリンダ39内には吐出通路に接続された負荷に対応する流体圧力Fが発生する。この流体圧力Fに伴う押圧力Fがピストン本体40aに作用し、これがシュー40bの平滑面45に押圧力Fとして及ぶ。また、シリンダ39内の流体圧力Fはピストン40を介して圧力ポケットに導かれ、押圧力Fを支持する押圧力Fを発生する。
【0036】
シリンダブロック31とトルクプレート34は相対的に傾斜し、回転軸32の軸方向から見ると、これらの回転軌跡にずれを生じるが、シュー40bはピストン本体40aとその軸心に垂直な面において分割され、その平滑面45を介してピストン本体40aがラジアル方向へ摺動自由なため、図2のように押圧力FとFはピストン軸と直交する面でいつも対向状態に維持される。また、シュー40bの切除面46から環状溝47に掛かるランド部55(球面接触部)に作用する圧力は直線的に低下して環状溝47でドレン圧力になるが、シュー40bの切除面46および環状溝47もピストン軸と直交する面にいつも平行に維持されるため、トルクプレート34とシュー40bの球面接触部(摺動面)において、シュー40bの軸心に対称な圧力分布が得られる。
【0037】
したがって、ピストン40に作用する流体圧力を精度よくバランスさせることにより、シュー40bとトルクプレート34の良好な潤滑性を確保できる。また、シュー40bからピストン本体40aにその軸心と垂直な方向の反力が殆ど作用せず(平滑面45での摩擦力を無視した場合)、ピストン本体40aからシリンダ39に作用する横力が非常に小さくなり、ピストン本体40aの摺動面圧が大幅に低減するため、シリンダ39とピストン40の摺動に伴う焼付き等の問題が解消され、ポンプの高圧化や高速化が可能になる。また、ピストン本体40aに作用する横力が大幅に減少することから、ピストン40のシリンダ39との必要嵌合長を短くできる。つまり、ピストン40の軸方向のダウンサイジングも図れる。
【0038】
シリンダブロック31にはピストン40の横力が発生しないので、シリンダ39内の流体圧力Fにより弁板36を軸方向へ押圧する力のみが作用する。そのため、シリンダブロック31と弁板36との摺動面の流体膜に静圧軸受的な効果を持たすことにより、適正な摺動面圧の確保が容易になり、摺動面の潤滑性を良好に維持できる。
【0039】
シュー40bとトルクプレート34との間の静圧軸受に流体圧力が導かれ、球面接触部の摺動面圧を低減するため、これらの良好な潤滑性が確保され、偏摩耗や焼付き等を効果的に防止できる。また、トルクプレート34とガイドプレート35との間の静圧軸受にも流体圧力が導かれると共に、トルクプレート34とケーシング30との間の静圧軸受にも吐出側の流体圧力が導びかれるため、トルクプレート34を円滑に回転させることができる。
【0040】
図4〜図9はそれぞれシュー40bの変形例を表すもので、図4のように平滑面45をシュー40bの球面中心pから切除面46側にずらして形成すると、シュー40bのコンパクト化に対応できる。図5のように平滑面45をシュー40bの球面中心pから切除面46と反対側にずらして形成すると、リテーナプレート56などによってシュー40bがトルクプレート34から離脱するのを抑えられる。
【0041】
図6のようにシュー40bの切除面46にその外周部を環状に残して小径側にトルクプレート34との球面接触部として高圧ランド部57を設け、その先端面に作用する流体圧力を切除面46の環状残部に導く通路58を形成すると、ピストン40に作用する流体圧力のバランスを保ちながら、シュー40bがくさび的な効果でトルクプレート34に噛み込むのを防止できる。
【0042】
シュー40bの切除面46と環状溝47を挟む反対側の球面部、つまりドレン圧力が作用する低圧ランド部60の全面あるいはその一部を図7,図8のように切除することにより、トルクプレート34の球面穴49との間でシュー40bの変形を吸収する隙間を設定すると、低圧ランド部60がシュー40bの変形に伴ってトルクプレート34に噛み込むのを防止できる。
【0043】
シュー40bの平滑面45はピストン本体40aの当接面44とで流体圧力の密閉容器を構成するので、高い平坦度や表面粗度が要求されるが、図9のようにシュー40bの平滑面45において、ピストン本体40bと摺接しない内径部に座ぐり61を形成すると、平滑面45の加工精度を容易に得ることが可能になる。
【0044】
【発明の効果】
第1の発明によれば、軸回りを回転自在なシリンダブロックと、シリンダブロックの回転に伴う往復動でシリンダの容積を拡縮するピストンと、シリンダブロックの軸心に所定角度で傾斜すると共にピストン先端の球面凸部が回動自在に接触する球面凹部を備えるトルクプレートと、シリンダブロックとトルクプレートを同期回転させる回転伝達機構と、を備えるアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、前記ピストンを、前記シリンダ内で摺動するピストン本体と、前記ピストン先端の球面凸部を形成する別体のシューとから構成し、シューにピストン本体の軸心と直交する当接面と面接触する平滑面を形成し、シューの球面凸部の先端に平滑面と平行な切除面を設け、シューの球面凸部にケースドレンに連通する圧抜き溝を切除面の外周縁と平行に形成し、シューを貫通し、切除面と平滑面とを連通する連通路を設け、ピストン本体に形成され、連通路にシリンダ内の作動圧を導く連通穴を形成し、ピストン本体をシューに向けて付勢するスプリングを備えたので、シューはピストン軸に垂直な平滑面を介してピストン本体と摺動自由なため、ピストン本体からシューを押圧する力とシューからピストン本体を押圧する力とがピストン軸と直交する面でいつも対向状態に維持される。また、シューの切除面および圧抜き溝もピストン軸と直交する面といつも平行なため、トルクプレートとシューの球面接触部(摺動面)において、シューの軸心に対称な圧力分布が得られる。したがって、ピストンに作用する流体圧力を精度よくバランスさせることにより、シューとトルクプレートの良好な潤滑性を確保できる。また、シューからピストン本体にその軸心と垂直な方向の反力が殆ど作用せず(平滑面での摩擦力を無視した場合)、ピストン本体からシリンダに作用する横力が非常に小さくなり、ピストンの摺動面圧が大幅に低減するため、シリンダとピストンの摺動に伴う偏摩耗や焼付きなどの回避も有効に図れる。
【0045】
第2の発明によれば、第1の発明において、シューの球面中心から平滑面を切除面方向にずらして形成したので、シューのコンパクト化に対応できる。
【0046】
第3の発明によれば、第1の発明において、シューの球面中心から平滑面を切除面と反対方向にずらして形成したので、リテーナプレートなどでトルクプレートからのシューの離脱防止が図れる。
【0047】
第4の発明によれば、第1の発明において、シューの切除面にその外周部を環状に残して小径側にトルクプレートとの球面接触部として高圧ランド部を設け、その先端面に作用する流体圧力を切除面の環状残部に導く通路を形成したので、ピストンに作用する流体圧力のバランスを保ちながら、シューのトルクプレートへの噛込みを防止できる。
【0048】
第5の発明によれば、第1の発明において、シューの切除面と圧抜き溝を挟む反対側の球面部の全面あるいはその一部を切除してトルクプレートの球面凹部との間でシューの変形を吸収する隙間を設定したので、シューが流体圧力による変形でトルクプレートに噛み込むのを防止できる。
【0049】
第6の発明によれば、第1の発明において、シューの平滑面にピストンの先端が摺接しない領域に座ぐりを形成したので、ピストン本体の当接面と流体圧力の密閉容器を構成する平滑面の加工精度を容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を表すピストンポンプの断面図である。
【図2】同じく要部の拡大断面図である。
【図3】同じく作用説明図である。
【図4】シューの変形例を表す一部切除側面図とその背面図である。
【図5】シューの変形例を表すトルクプレートとピストンの組付状態図である。
【図6】シューの変形例を表す正面図とその一部切除側面図である。
【図7】シューの変形例を表すトルクプレートへの組付状態図である。
【図8】シューの変形例を表す一部切除側面図である。
【図9】シューの変形例を表す半裁断面図とその背面図である。
【図10】従来例を説明するピストンポンプ・モータの断面図である。
【図11】同じく要部の作用説明図である。
【図12】同じくピストン球部の変形例を表す説明図である。
【図13】同じく作用説明図である。
【図14】別の従来例を説明する要部構成図である。
【符号の説明】
30 ケーシング
31 シリンダブロック
32 回転軸
34 トルクプレート
36 弁板
37 支持軸
38 歯車たわみ軸
39 シリンダ
40 ピストン
40a ピストン本体
40b シュー
44 当接面
45 平滑面
46 切除面
47 環状溝(圧抜き溝)
48 ドレン通路
49 球面穴
51 連通穴
55 ランド部

Claims (6)

  1. 軸回りを回転自在なシリンダブロックと、
    シリンダブロックの回転に伴う往復動でシリンダの容積を拡縮するピストンと、
    シリンダブロックの軸心に所定角度で傾斜すると共にピストン先端の球面凸部が回動自在に接触する球面凹部を備えるトルクプレートと、
    シリンダブロックとトルクプレートを同期回転させる回転伝達機構と、を備えるアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、
    前記ピストンを、前記シリンダ内で摺動するピストン本体と、前記ピストン先端の球面凸部を形成する別体のシューとから構成し、
    シューにピストン本体の軸心と直交する当接面と面接触する平滑面を形成し、
    シューの球面凸部の先端に平滑面と平行な切除面を設け、
    シューの球面凸部にケースドレンに連通する圧抜き溝を切除面の外周縁と平行に形成し、
    シューを貫通し、切除面と平滑面とを連通する連通路を設け、
    ピストン本体に形成され、連通路にシリンダ内の作動圧を導く連通穴を形成し
    ピストン本体をシューに向けて付勢するスプリングを備えたことを特徴とするアキシャルピストンポンプ・モータ。
  2. シューの球面中心から平滑面を切除面方向にずらして形成したことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  3. シューの球面中心から平滑面を切除面と反対方向にずらして形成したことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  4. シューの切除面にその外周部を環状に残して小径側にトルクプレートとの球面接触部として高圧ランド部を設け、その先端面に作用する流体圧力を切除面の環状残部に導く通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  5. シューの切除面と圧抜き溝を挟む反対側の球面部の全面あるいはその一部を切除してトルクプレートの球面凹部との間でシューの変形を吸収する隙間を設定したことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  6. シューの平滑面にピストンの先端が摺接しない領域に座ぐりを形成したことを特徴とする請求項1に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
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