JP3313162B2 - 斜板式流体ポンプ・モータ - Google Patents

斜板式流体ポンプ・モータ

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JP3313162B2
JP3313162B2 JP32361292A JP32361292A JP3313162B2 JP 3313162 B2 JP3313162 B2 JP 3313162B2 JP 32361292 A JP32361292 A JP 32361292A JP 32361292 A JP32361292 A JP 32361292A JP 3313162 B2 JP3313162 B2 JP 3313162B2
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pressing piston
pressing
cylinder hole
cylinder
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勝也 清水
正宏 竹中
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帝人製機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、斜板を2つの傾転位
置間で傾転させることによりプランジャのストロークを
変更するようにした斜板式流体ポンプ・モータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の斜板式流体モータとしては、例え
ば実開平4ー29430号公報に記載されているようなものが
知られている。このものは、ケーシング内に位置する斜
板を背面側から押圧手段により押圧して2つの傾転位置
の間で傾転させることにより、該斜板の傾斜面に摺接す
るシリンダブロック内のプランジャのストロークを変更
するようにした斜板式流体モータで、前記押圧手段を、
ケーシングに形成されたシリンダ孔と、該シリンダ孔内
に摺動可能に挿入された押圧ピストンと、前記シリンダ
孔に高圧流体を導くことにより押圧ピストンの先端を斜
板背面の平坦部に押し当て、該斜板を平坦部がシリンダ
ブロックの回転軸線に垂直な平面上に位置する一方の傾
転位置から、前記垂直平面に対して前記平坦部が所定角
度だけ押圧ピストンから離れる側に傾斜した他方の傾転
位置まで傾転させる流体通路と、から構成するととも
に、前記シリンダ孔および押圧ピストンの中心軸をシリ
ンダブロックの回転軸線と平行としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の斜板式流体モータにあっては、前述のように
シリンダ孔および押圧ピストンの中心軸とシリンダブロ
ックの回転軸線とが平行であるため、斜板が一方の傾転
位置から離れて他方の傾転位置側に傾転すると、押圧ピ
ストンの中心軸と斜板背面の平坦部に垂直な直線とが交
差するようになる。このため、プランジャから斜板を介
して押圧ピストンに与えられる押圧力(斜板背面の平坦
部に垂直な方向に作用する)Mは、図3上側に示すよう
に押圧ピストンの中心軸と平行な分力(押圧ピストンを
シリンダ孔内で軸方向に移動させる力となる)Nと、該
押圧ピストンの中心軸に垂直な分力(押圧ピストンをシ
リンダ孔の内周に押し付ける力となる)Qとに分解され
る。ここで、この垂直分力Qは斜板背面の平坦部が垂直
平面から離れるに従って大きくなり、その値は、該平坦
部に垂直な直線と押圧ピストンの中心軸との交差角をD
としたとき、M sinDで与えられる。そして、斜板はプ
ランジャのストロークを変更する毎に、一方の傾転位置
から他方の傾転位置へ、あるいは他方の傾転位置から一
方の傾転位置へと傾転するが、このような傾転時、押圧
ピストンは前述した垂直分力Qによってシリンダ孔の内
周に押し付けられながらシリンダ孔内を軸方向に移動す
るため、該押圧ピストンの外周およびシリンダ孔の内周
が斜板の繰り返し傾転によって徐々に摩耗し、これによ
り、シリンダ孔に導かれた高圧流体がこれらの間から漏
洩して、斜板が他方の傾転位置に到達する以前に停止し
てしまうことがあるという問題点がある。
【0004】この発明は、押圧ピストン、シリンダ孔の
摩耗を効果的に抑制して、斜板を正確に一方と他方の傾
転位置の間で傾転させることができる斜板式流体ポンプ
・モータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、ケー
シング内に位置する斜板を背面側から押圧手段により押
圧して2つの傾転位置の間で傾転させることにより、該
斜板の傾斜面に摺接するシリンダブロック内のプランジ
ャのストロークを変更するようにした斜板式流体ポンプ
・モータにおいて、前記押圧手段を、ケーシングに形成
されたシリンダ孔と、該シリンダ孔内に摺動可能に挿入
された押圧ピストンと、前記シリンダ孔に高圧流体を導
くことにより押圧ピストンの先端を斜板背面の平坦部に
押し当て、該斜板を平坦部がシリンダブロックの回転軸
線に略垂直な平面P上に位置する一方の傾転位置Fか
ら、前記平面Pに対して前記平坦部が所定角度Aだけ押
圧ピストンから離れる側に傾斜した他方の傾転位置Gま
で傾転させる流体通路と、から構成するとともに、前記
シリンダ孔および押圧ピストンの中心軸Sをシリンダブ
ロックの回転軸線に平行な直線Lに対して前記所定角度
A未満の角度Bだけ押圧ピストンの後端に向かうに従い
前記直線Lから半径方向外側に離隔するよう傾斜させる
ことにより達成することができる。
【0006】
【作用】今、流体通路を通じて高圧流体がシリンダ孔に
導かれ、押圧ピストンが該高圧流体によりシリンダ孔内
を先端側に向かって移動している最中であるとする。こ
のとき、押圧ピストンの先端は斜板背面の平坦部に押し
当てられているため、該斜板は押圧ピストンに押されて
一方の傾転位置から他方の傾転位置に向かって傾転しつ
つある。このような斜板の傾転途中にもプランジャから
斜板を介して押圧ピストンに図3下側に示すように押圧
力Mが付与されるが、この押圧力の作用方向は前記斜板
背面の平坦部に対して垂直であるため、押圧ピストンの
中心軸の延在方向と平坦部に垂直な直線とが交差してい
る場合には、前記押圧力Mは押圧ピストンの中心軸Sに
平行な分力(押圧ピストンをシリンダ孔内で軸方向に移
動させる力となる)Nと、該押圧ピストンの中心軸Sに
垂直な分力(押圧ピストンをシリンダ孔の内周に押し付
ける力となる)Qとに分解されるが、この垂直分力Qは
押圧ピストンの外周とシリンダ孔の内周とを摩耗させる
力となる。このため、この発明では、前述したシリンダ
孔および押圧ピストンの中心軸Sをシリンダブロックの
回転軸線に平行な直線Lに対して所定角度A未満の角度
Bだけピストンの後端に向かうに従い前記直線Lから半
径方向外側に離隔するよう傾斜させたのである。このよ
うにシリンダ孔、押圧ピストンの中心軸Sを前述のよう
に角度Bだけ傾斜させると、押圧ピストンの中心軸S
が、斜板が一方の傾転位置と他方の傾転位置との間の中
間位置にあるときの平坦部に対する垂直線に近付き、こ
れにより、傾転中の平坦部に対する垂直線と押圧ピスト
ンの中心軸Sとの交差角Jの絶対値が従来より常に小さ
く(斜板が一方の傾転位置から角度Bだけ傾転したとき
は零と)なり、M sinJで与えられる垂直分力Qも常に
小さくなる。このようなことから、斜板をプランジャの
ストロークを変更する毎に、一方の傾転位置から他方の
傾転位置へ、あるいは他方の傾転位置から一方の傾転位
置へと傾転させても、押圧ピストンは移動時に前述した
小さな垂直分力Qによってシリンダ孔の内周に押し付け
られるだけであるため、押圧ピストンの外周およびシリ
ンダ孔の内周とは斜板の繰り返し傾転によっても殆ど摩
耗せず、この結果、シリンダ孔に導かれた高圧流体がこ
れらの間から漏洩するようなことはなくなって、斜板を
正確に他方の傾転位置まで到達させることができるので
ある。
【0007】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。図1において、21は例えばクローラ車両を駆
動する斜板式流体モータであり、この流体モータ21はケ
ース本体22を有し、このケース本体22の他端面には一方
に向かって延びる円筒状の収納室23が形成されている。
また、このケース本体22の他端には側板24が固定され、
これにより、前記収納室23はこの側板24により閉止され
て密閉された空間となる。28は他側部が収納室23内に挿
入された回転軸であり、この回転軸28は一対の軸受29、
30を介して側板24、ケース本体22に回転可能に支持され
ている。そして、この回転軸28の一端部はケース本体22
から突出するとともに、図示していないクローラに係合
するスプロケットに連結されている。31は収納室23の底
面、即ち一端面に固定されたリング状のプレートであ
り、このプレート31の他端面32は回転軸28および後述す
るシリンダブロック38の回転軸線Kに対して略垂直な平
面P上に位置する平坦面となっている。前述したケース
本体22、側板24、プレート31は全体として流体モータ21
のケーシング33を構成する。
【0008】38は収納室23内に収納された円筒状のシリ
ンダブロックであり、このシリンダブロック38内に前記
回転軸28の他端部が挿入されスプライン結合されること
により、このシリンダブロック38と回転軸28とは一体回
転できるよう連結されている。このシリンダブロック38
の一端面には軸方向に延びる複数のシリンダ穴39が形成
され、これらのシリンダ穴39は周方向に等距離離れて配
置されている。これらシリンダ穴39内にはシリンダ穴39
と同数のプランジャ40がそれぞれ摺動可能に挿入され、
各プランジャ40の先端、即ち一端には球状の球部41が形
成されている。42は側板24に固定されシリンダブロック
38と側板24との間に位置するタイミングプレートであ
り、このタイミングプレート42には周方向に離れた2個
の長い弧状孔43が形成され、これら弧状孔43には前記シ
リンダ穴39がシリンダブロック38の回転により次々と接
続される。44、45は側板24に形成された給排通路であ
り、給排通路44は一方の弧状孔43に、給排通路45は他方
の弧状孔43に常時連通している。また、これら給排通路
44、45は図示していない切換弁を介してポンプおよびタ
ンクに接続され、前記切換弁が切り換えられることによ
りいずれかが供給側、残りが排出側となる。
【0009】図1、2において、51はケーシング33の収
納室23内に収納され、シリンダブロック38の一端面とケ
ーシング33の一端内面、詳しくはプレート31の他端面32
との間に位置する略リング状の斜板であり、この斜板51
内を前記回転軸28が貫通している。この斜板51のシリン
ダブロック38に対向する傾斜面(他端面)52は回転軸28
の回転軸線Kに対する垂直面に対して傾斜し、この結
果、斜板51は中央部を境界として厚肉部53と薄肉部54と
に区分することができる。また、プレート31の他端面32
に対向する斜板51の背面(前記傾斜面52と反対側の一端
面)55は、回転軸28の回転軸線Kに対する垂直面とほぼ
平行で厚肉部53側に位置する第1平坦部56と、この第1
平坦部56に対して小さな所定角度Aで傾斜し薄肉部54側
に位置する第2平坦部57と、の2つの平坦部から構成さ
れ、これら第1、第2平坦部56、57の境界は斜板51の中
心から厚肉部53側に所定距離だけ離れている。
【0010】58はケーシング33に支持された2個の支点
部材であり、これら支点部材58を結ぶ直線(傾転直線)
は前記斜板51の傾転中心線となる。ここで、各支点部材
58は平坦な底面の中央部に挿入穴60が形成された半球状
の支点本体59を有し、これら挿入穴60には円柱状をした
支点軸62の一側がそれぞれ遊嵌されている。一方、前記
第1、第2平坦部56、57の境界上で斜板51の背面55には
半球状をした2個の凹部63が形成され、これらの凹部63
は前記境界の延在方向に所定距離離れて配置されてい
る。そして、これら凹部63には前記支点本体59が球面接
触した状態でそれぞれ挿入され、このとき、これら支点
本体59の底面はプレート31の他端面32に面接触してい
る。また、これら凹部63に対向する位置のプレート31の
他端面32(斜板51の背面55に対向する対向面)には円柱
状の固定穴64がそれぞれ形成され、これらの固定穴64に
は前記支点軸61の他側が挿入されて固定されている。前
述した支点本体59、支点軸61は全体として前記支点部材
58を構成し、前記斜板51は、これらの2個の支点部材5
8、詳しくは支点本体59の曲率中心を結ぶ直線(前記傾
転直線)を中心として、第2平坦部57が前記平面P上に
位置する一方の傾転位置としての第1傾転位置F(図2
に実線で示されているように、第2平坦部57とプレート
31の他端面32とが面接触している)と、第2平坦部57が
前記平面Pから所定角度Aだけプレート31から離隔する
側に傾斜した他方の傾転位置としての第2傾転位置G
(図2に仮想線で示されているように、第1平坦部56と
プレート31の他端面32とが面接触している)との間を傾
転することができる。
【0011】70はプランジャ40と同数のシューであり、
各シュー70にはプランジャ40の球部41が収納された球穴
71が形成されている。前述した球部41および球穴71は全
体として球関節継手72を構成し、これにより、プランジ
ャ40の一端とシュー70とは球関節継手72を介して連結さ
れる。そして、これらシュー70は前記斜板51の傾斜面52
に摺動可能に係合している。73は回転軸28の外側に遊嵌
された略リング状のリテーナプレートであり、このリテ
ーナプレート73はシリンダブロック38と斜板51との間に
配置されるとともに、全てのシュー70に係合している。
74はシリンダブロック38とリテーナプレート73との間に
配置されたスラストボールであり、このスラストボール
74のリテーナプレート73に近接する側の外表面は球面の
一部から構成されている。そして、このスラストボール
74の外表面は前記リテーナプレート73の内周に球面接触
し、また、このスラストボール74は前記回転軸28の外側
に嵌合されスプライン結合により連結されている。75は
シリンダブロック38とスラストボール74との間に介装さ
れたスプリングであり、このスプリング75はスラストボ
ール74、リテーナプレート73を介してシュー70を斜板51
の傾斜面52に押し付け、該シュー70が傾斜面52から浮き
上がるのを防止している。
【0012】斜板51の第2平坦部57に対向するケーシン
グ33、詳しくはケース本体22およびプレート31の内部に
はシリンダ孔80が形成され、このシリンダ孔80内には押
圧ピストン82が摺動可能に挿入されている。ここで、前
記シリンダ孔80、押圧ピストン82の中心軸Sは、シリン
ダブロック38の回転軸線Kに平行な直線Lに対して前記
所定角度A未満の角度Bだけ押圧ピストン82の後端(斜
板51から離隔する一端)に向かうに従い前記直線Lから
半径方向外側に離隔するよう傾斜している。また、この
押圧ピストン82は先端部には球穴83が形成され、この球
穴83にはシュー84の一端に形成された球部85が挿入され
ている。この結果、シュー84と押圧ピストン82とは球穴
83、球部85から構成される球関節継手86を介して連結さ
れる。また、前記押圧ピストン82とシリンダ孔80の底面
との間にはシュー84を斜板51に向かって付勢するスプリ
ング87が介装され、これにより、シュー84の他端面は斜
板51の薄肉部54の背面55(第2平坦部57)に押し当てら
れる。88はケーシング33内に形成された流体通路であ
り、この流体通路88の一端は図示していない流体源に接
続され、他端は前記シリンダ孔80に接続されている。そ
して、この流体通路88を通じて高圧流体がシリンダ孔80
に供給されると、押圧ピストン82はその先端がシュー84
を介して斜板51の第2平坦部57に当接したまま斜板51に
向かって移動するため、斜板51は前記傾転直線を中心と
して第1傾転位置Fから第2傾転位置Gまで傾転し、一
方、シリンダ孔80への高圧流体の供給が停止すると、傾
転直線が斜板51の中心から厚肉部53側にオフセットして
いるので、プランジャ40からの押圧力によって斜板51は
第2傾転位置Gから第1傾転位置Fまで傾転する。これ
により、前記シリンダブロック38内のプランジャ40のス
トロークが2段階に変更され、シリンダブロック38、回
転軸28の回転速度が2段階に変化する。前述したシリン
ダ孔80、押圧ピストン82、シュー84、スプリング87、流
体通路88は全体として、ケーシング33内に位置する斜板
51を背面55側から押圧する押圧手段89を構成する。
【0013】次に、この発明の一実施例の作用について
説明する。給排通路44から高圧流体が一方の弧状孔43を
通じてシリンダブロック38のシリンダ孔39に供給される
と、該シリンダ孔39内のプランジャ40は斜板51に向かっ
て突出し傾斜面52を押圧するが、このとき、プランジャ
40の先端はシュー70を介して傾斜面52に係合しているの
で、前記押圧力の分力がプランジャ40に作用し、これに
より、プランジャ40、シュー70は傾斜面52上を厚肉部53
側から薄肉部54側に向かって摺動し、これらプランジャ
40、シリンダブロック38、回転軸28が一体的に回転軸線
Kを中心として回転する。このシリンダブロック38の回
転により、他方の弧状孔43に連通しているシリンダ孔39
内のプランジャ40は、斜板51の傾斜面52にシュー70を介
して係合しながら薄肉部54側から厚肉部53側に向かって
移動するため、該傾斜面52によってシリンダ孔39内に徐
々に押し込まれ、該シリンダ孔39内の流体を押出し他方
の弧状孔43、給排通路45を通じて排出する。このとき、
シュー70はスラストボール74、リテーナプレート73を介
して伝達されたスプリング75の付勢力によって斜板51の
傾斜面52に押し付けられているため、シリンダ孔39内の
流体の排出時にあっても、シュー70が傾斜面52から浮き
上がるようなことはない。
【0014】ここで、例えば前記クローラ車両が登坂時
であると、流体モータ21は大トルクで低速回転しなけれ
ばならない。この場合には、流体通路88を通じてのシリ
ンダ孔80への高圧流体の供給は停止されており、押圧ピ
ストン82による斜板51の押圧はない。ここで、前述のよ
うに傾転直線は斜板51の中心から厚肉部53側にオフセッ
トしているので、プランジャ40からの押圧力によって斜
板51は第1傾転位置Fまで傾転している。このとき、シ
リンダブロック38内のプランジャ40のストロークは長く
なるが、流体モータ21内に流入する高圧流体量は一定で
あるので、シリンダブロック38、回転軸28の回転速度は
低速となる。
【0015】次に、前記クローラ車両が、例えば平地を
定常走行するようになると、流体モータ21を小トルクで
高速回転させなければならない。この場合には、流体通
路88を通じてシリンダ孔80へ高圧流体を供給し、押圧ピ
ストン82をシュー84を介して斜板51の第2平坦部57に当
接させたまま斜板51に向かって移動させる。これによ
り、斜板51は押圧ピストン82に押されて傾転直線を中心
として、第1傾転位置Fから2傾転位置Gまで傾転す
る。これにより、シリンダブロック38内のプランジャ40
のストロークが短くなり、シリンダブロック38、回転軸
28が高速で回転するようになる。ここで、前述のような
傾転時、プランジャ40から斜板51を介して押圧ピストン
82に図3に示すように押圧力Mが付与されるが、この押
圧力の作用方向は前記斜板51の背面55の第2平坦部57に
対して垂直であるため、押圧ピストン82の中心軸Sの延
在方向と第2平坦部57に垂直な直線とが交差している場
合には、前記押圧力Mは、押圧ピストン82の中心軸Sと
平行な分力(押圧ピストン82をシリンダ孔80内で軸方向
に移動させる力となる)Nと、該押圧ピストン82の中心
軸Sに垂直な分力(押圧ピストン82をシリンダ孔80の内
周に押し付ける力となる)Qとに分解され、この垂直分
力Qによって押圧ピストン82の外周とシリンダ孔80の内
周とが摩擦接触して摩耗するおそれがある。しかしなが
ら、この実施例では、前述のようにシリンダ孔80および
押圧ピストン82の中心軸Sをシリンダブロック38の回転
軸線Kに平行な直線Lに対して所定角度A未満の角度B
だけ傾斜させ、押圧ピストン82の中心軸Sを、斜板51が
第1傾転位置Fと第2傾転位置Gとの間の中間位置にあ
るときの第2平坦部57に対する垂直線に近付かせたので
ある。これにより、傾転中の第2平坦部57に対する垂直
線と押圧ピストンの中心軸Sとの交差角Jの絶対値が従
来より常に小さく(斜板51が第1傾転位置Fから角度B
だけ傾転したときは零と)なり、M sinJで与えられる
垂直分力Qも常に小さくなる。このようなことから、斜
板51をプランジャ40のストロークを変更する毎に、第1
傾転位置Fから第2傾転位置Gへ、あるいは第2傾転位
置Gから第1傾転位置Fへと傾転させても、押圧ピスト
ン82は移動時に前述した小さな垂直分力Qによってシリ
ンダ孔80の内周に押し付けられるだけであるため、押圧
ピストン82の外周およびシリンダ孔80の内周とは斜板51
の繰り返し傾転によっても殆ど摩耗することはない。こ
の結果、シリンダ孔80に導かれた高圧流体がこれらの間
から漏洩するようなことはなくなって、斜板51を正確に
第2傾転位置Gまで到達させることができるのである。
【0016】なお、前述の実施例においては、支点本体
59、支点軸62を別体としたが、この発明においては一体
としてもよく、また、半球状を半円柱状としてもよい。
この場合には、この半円柱状部が挿入される凹部も半円
柱状とする。さらに、この発明においては、ケーシング
33に形成される凹部を半球状あるいは半円柱状とし、斜
板51に形成される凹部を円柱状としてもよい。また、前
記実施例においては、斜板51の背面55を所定の角度Aで
交差する2つの平坦部56、57から構成し、この背面55に
対向するケーシング33の対向面(他端面32)を1つの平
坦面から構成したが、この発明においては、斜板51の背
面55を1つの平坦面から構成し、ケーシング33の対向面
を所定の角度Aで交差する2つの平坦部から構成するよ
うにしてもよい。さらに、この発明においては、前記第
1、第2傾転位置F、Gの中間近傍に第3傾転位置を設
け、斜板51を3つの傾転位置間で傾転させるようにして
もよい。この場合には、プランジャ40のストロークを3
段階に変更することができる。また、前述の実施例にお
いては、この発明を流体モータ21に適用したが、この発
明は流体ポンプに適用してもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、押圧ピストン、シリンダ孔の摩耗を効果的に抑制す
ることができるため、斜板を正確に一方と他方の傾転位
置の間で傾転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す正面断面図である。
【図2】斜板近傍の正面断面図である。
【図3】作用を説明する説明図である。
【符号の説明】
21…斜板式流体モータ 33…ケーシング 38…シリンダブロック 40…プランジャ 51…斜板 52…傾斜面 55…背面 57…平坦部 80…シリンダ孔 82…押圧ピストン 88…流体通路 89…押圧手段 F、G…傾転位置 K…回転軸線 P…平面 A…所定角度 S…中心軸 L…直線 B…角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F03C 1/253 F04B 1/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング33内に位置する斜板51を背面55
    側から押圧手段89により押圧して2つの傾転位置の間で
    傾転させることにより、該斜板の傾斜面52に摺接するシ
    リンダブロック38内のプランジャ40のストロークを変更
    するようにした斜板式流体ポンプ・モータ21において、
    前記押圧手段を、ケーシングに形成されたシリンダ孔80
    と、該シリンダ孔内に摺動可能に挿入された押圧ピスト
    ン82と、前記シリンダ孔に高圧流体を導くことにより押
    圧ピストンの先端を斜板背面の平坦部57に押し当て、該
    斜板を平坦部がシリンダブロックの回転軸線Kに略垂直
    な平面P上に位置する一方の傾転位置Fから、前記平面
    Pに対して前記平坦部が所定角度Aだけ押圧ピストンか
    ら離れる側に傾斜した他方の傾転位置Gまで傾転させる
    流体通路88と、から構成するとともに、前記シリンダ孔
    および押圧ピストンの中心軸Sをシリンダブロックの回
    転軸線に平行な直線Lに対して前記所定角度A未満の角
    度Bだけ押圧ピストンの後端に向かうに従い前記直線L
    から半径方向外側に離隔するよう傾斜させたことを特徴
    とする斜板式流体ポンプ・モータ。
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