JPH0431494A - 超清浄炭素質ピッチの製造方法 - Google Patents

超清浄炭素質ピッチの製造方法

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JPH0431494A
JPH0431494A JP13561490A JP13561490A JPH0431494A JP H0431494 A JPH0431494 A JP H0431494A JP 13561490 A JP13561490 A JP 13561490A JP 13561490 A JP13561490 A JP 13561490A JP H0431494 A JPH0431494 A JP H0431494A
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pitch
ash
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carbonaceous
carbonaceous pitch
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JP13561490A
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English (en)
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Kikuji Komine
小峰 喜久治
Masaru Miura
勝 三浦
Hiroshi Toki
博 土岐
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は炭素材料、特に高性能炭素繊維を製造するのに
適した超清浄炭素質ピッチの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、自動車、航空機その他の各種産業分野にわたって
、軽量、高強度、高弾性率等を有する高性能素材の開発
が要望されており、かかる観点から炭素成形材料、炭素
繊維などが注目されている。
特に、炭素質ピッチから炭素繊維を製造する方法は、安
価で高性能の炭素繊維を製造し得る方法として重要視さ
れており、近年多くの研究がなされ、炭素質ピッチから
得られる炭素繊維の性能も向上している。
しかしながら、炭素質ピッチから得られるピッチ繊維は
極めて脆弱であるために、その後の工程での糸扱いにお
いて多くの工夫が強いられている。
更に、近年、炭素質ピッチに残存する灰分の量が、炭素
質ピッチからピッチ繊維を紡糸する際の糸切れや、最終
製品たる炭素繊維の物性に極めて大きく影響を及ぼす事
が次第に明らかになってくるに従い、灰分含有量の少な
い清浄な炭素質ピッチを得ることが重要な問題となって
きた。
炭素質ピッチ中の灰分を除去する方法としては、その容
易さから、炭素質ピッチの製造原料である原料タールを
、遠心分離してタール中の灰分が0゜005重it%(
50ppm)以下となるよう番こする方法(特開昭58
−81619号公報)や原料タールを50〜200℃に
加熱して静電集塵槽を通して灰分を除去し、その後熱分
解重縮合を行ない製品メンフェースピッチ中の灰分を0
゜1重重%(1、OOOppm)以下にする方法(特開
昭63−1627136号公報)が開示されている。
一方、直接炭素質ビッツから灰分を除去する方法として
は、炭素質ピッチを高い遠心力下で遠心分離する方法(
特開昭60−34619号公報)が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、原料タールから灰分を除去する方法では、例
えば灰分含有量を10ppm(0,001%)まで減少
させたとしても、ピッチ製造工程で、灰分が約10〜約
90倍に蓄積して、100〜900ppmに」二昇して
しまうという欠点があり、また反応容器や配管等の腐蝕
や摩耗により金属がはがれ落ち混入してくるという問題
がある。一方、炭素質ピッチから直接灰分を除去する方
法は、炭素質ピッチが高粘度物質であるため、細かい粒
子の除去が難しく、低灰分ニしにくいという難点があっ
た。従って、灰分除去処理後のピッチ中の残存灰分は、
通常約50pp謬どまりであった。
本発明者らは、更に高強度及び高弾性率を有する炭素繊
維を開発する過程で、ピッチ中の灰分が約50ppmで
あったとしても、構造欠陥の原因となること、特に2,
000℃以上で高温焼成を行なった場合には、繊維の中
で空孔を生ずることなどで、強度の発現が困難なことが
分かった。
また、より高強度を発現するためには、単に灰分を50
ppm以下にするだけでは不充分であり、灰分の中でも
特定の元素が強度の発現に大きく影響していることが分
かった。
そこで、炭素質ピッチ中の灰分による構造欠陥を排除し
、超高強度の炭素繊維を得るためには、新規な超清浄炭
素質ピッチの出現が望まれてきた。
これらの問題点の解決のために、本発明者らは先に炭素
質ピッチを焼結金属製のフィルターを用いて濾過する超
清浄炭素質ピッチの製造方法に関する提案を行なった(
特願平2−79827号)が、該方法には炭素質ピッチ
の濾過速度が遅いという欠点のあることが分かった。
従って、本発明の目的は、このような問題点を克服した
、すなわち灰分中の特定の元素の含有量の極めて低い、
高性能炭素繊維が安定して容易に迅速に得られる超清浄
炭素質ピッチの製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、本発明に係る超清浄炭素質ピッチの製造方
法によって達成される。
ずなオ〕ち、本発明によれば、炭素質ピッチ製造用の原
料を、先ず第1次の灰分除去処理に付して含有灰分の大
半を除去しく含有灰分100ppm以下とする)、次い
で得られた低灰分原料を用いて炭素質ピッチを製造した
後、得られた炭素質ピッチを、遠心分離による第2次の
灰分除去処理に付し、更にその後にフィルターを用いた
濾過処理による第3次の灰分除去処理に付して炭素質ピ
ッチ中の残存灰分を除去することを特徴とする炭素材料
用の超清浄炭素質ピッチの製造方法が提供される。
本発明の方法においては、灰分除去処理を1次、2次及
び3次に分けて行なうので、各工程での灰分の除去処理
時間を短かくすることができ、その結果従来法に比べて
、迅速に超清浄なピッチを得ることができる。
本発明における第1次の灰分除去処理は、好ましくは炭
素質ピッチの原料の粘度がO,0OIPa−sから10
Pa−sである温度域において、フィルターを用いて濾
過処理することにより行なわれる。この場合、原料の粘
度が低いので、灰分除去処理は迅速に実施できる。また
、第2次の灰分除去処理は、好ましくは、炭素質ピッチ
の粘度が0.05Pa−sから90Pa−sである温度
域において、 to、0OOG−40,0OOGの遠心
力下で遠心分離することによって行なわれる。更に、第
3次の灰分除去処理は、好ましくは炭素質ピッチの粘度
が0,05Pa−sから90Pa−sである温度域にお
いて、フィルターを用いて濾過処理することにより行な
われる。
本発明の上記第1次、第2次及び第3次の灰分除去処理
により、炭素質ピッチ中のFe分が2ppm以下、AQ
分がlppm以下及びSi分が3 、3ppm以下であ
って、しかもFe分、11分及びSi分の合計含有量が
5ppm以下である炭素材料製造用に適した超清浄炭素
質ピッチが、容易に製造される。
なお、ここでいうFe分、AQ分及びSi分は、次の方
法によって求めた値である。すなわち、試料ピッチを濃
硫酸で処理し、加熱炭化した後、755±25℃で灰化
する。この灰分を炭酸ナトリウムで融解後、塩酸と水で
溶解し、試料溶液とする。この試料溶液について、誘導
結合プラズマ発光分光分析装[(ICP発光分光分析装
置)にて、Fe、AQ及びSiの各元素の発光強度を測
定し、予め作成した検量線から試料中の各元素の濃度を
求め、これをそれぞれFe分、AQ分及びSi分とした
。なお、ICP発光分光分析装置としては、島原製作所
製rICPS−1000■」シーケンシャルタイプを使
用した。
本発明の製造方法によって得られる炭素質ピッチは、前
記のように、Fe分が2ppm以下、AQ分がlppm
以下及びSi分が3.3ppm以下であって、しかもF
e分、AQ分及びSi分の合計量が5ppm以下である
ことが好ましいが、これらの灰分けその大半が粒径0.
1戸以下の粒子として存在している。前記灰分の含有量
がこのように低いことにより、本発明で得られた炭素質
ピッチから常法に従って炭素繊維を製造すると、ピッチ
中の前記元素による炭素繊維の構造欠陥が排除され、超
高強度の炭素繊維が安定的に容易に得られる。灰分とし
ては、通常、前記のFe分、Ap分、Si分の他にも微
量のNi分、Cr分などが含まれているが、前記のよう
にピッチ中にFe分が2ppm以下、AQ分がlppm
以下及びSi分が3゜3ppm以下であって、しかもF
e分、AQ分及びSi分の合計量が5ppm以下とする
ことによって、高性能炭素材料、特に超高強度、高弾性
率の炭素繊維を製造し得る超清浄炭素質ピッチが得られ
る。
更に、ピッチ中のFe分が0.8ppm以下、AQ分が
0゜5ppm以下及びSi分が1.4ppm以下であっ
て、しかもFe分、AQ分及びSi分の合計量が2pp
m以下とすることが、特に好ましい。
なお、Fe分、AQ分及びSi分の合計量が5ppmを
越える炭素質ピッチを用いて炭素繊維を製造すると、炭
素繊維の内部に欠陥を生じ、充分な高強度の炭素繊維が
得られない。特に、2,000℃以上の高温焼成の場合
に、強度の発現が低下する。また、理由は定かでないが
、Fe分のみが2ppmを越えた場合も、強度発現は充
分でない。同様に、AQ分のみがlppm+あるいはS
i分のみが3.3ppmを越えた場合も、強度の発現は
充分でない。
高性能炭素材料、特に超高強度、高弾性率の炭素繊維を
製造するためには、前記のようにFe分が2ppm以下
、AQ分がlppm以下及びSi分が3 、3pp+n
以下であって、しかもFe分、AQ分及びSi分の合計
が5ppm以下というように、特定値以下の元素を含有
する超清浄炭素質ピッチであることが必要である。
本発明で用いる原料炭素質ピッチは、公知の出発原料、
例えば石油系の各種重質油、熱分解タール、接触分解タ
ール、石炭の乾留によって得られる重質油、タールなど
を出発原料として、その熱分解重縮合によって得られる
メソフェースピッチ(光学的異方性ピッチ)、芳香族炭
化水素類を原料とするメソフェースピッチ、光学的異方
性相と光学的等方性相を含有するピッチあるいは光学的
等方性ピッチであっても良い。例えば、超高強度の高性
能炭素繊維を、熱分解重縮合によって得られたメソフェ
ースピッチから製造する場合、メソフェース含有量70
〜100%のメンフェースピッチが好ましく、特に実質
的に100%のメソフェースを含有するメソフェースピ
ッチが最も好ましい。
出発原料のタール等を熱分解重縮合してメンフェースピ
ッチを製造する場合、光学的異方性相の含有率を高めよ
うとすると、得られるメンフェースピッチの軟化点が高
くなり、この場合には必然的に紡糸温度が高くなるが、
このことは紡糸を困難にし、糸切れを起こし易くする。
従って、メソフェースピッチの製造においては、熱重縮
合を半ばで打ち切って、その重縮合物を350〜400
℃の範囲の温度で保持して実質的に静置し、下層に密度
の大きい光学的異方性相(以下AP相と記す)を成長熟
成させつつ沈積し、これを上層の密度の小さい光学的等
方性相(以下IP相と記す)が多い部分より分離して取
り出すという方法を採用することが好ましい、この方法
の詳細は、特開昭57−119984号公報に記載され
ている。
メソフェースピッチの更に好ましい製造方法は、特開昭
58−180585号公報に記載されている如く、AP
相を適度に含み未だ過度に重質化されていない炭素質ピ
ッチを、溶融状態のまま遠心分離操作にかけ、迅速にA
P相部分を沈降せしめる方法である。
この方法によれば、AP相は合体成長しつつ下層(遠心
力方向の層)に集積し、AP相が約80%以」二で連続
層を成し、その中に僅かにIP相を晶状又は微小な球状
体で分散している形態のピッチとなる。
この場合、両層の境界が明瞭であり、下層のみを上層か
ら分離することができ、容易にAP相含有率が大きく且
つ軟化点の低い、従って紡糸しやすいメンフェースピッ
チを製造することができる。この方法によれば、AP相
含有率が95%以上で軟化点が230℃〜320℃のメ
ソフェースピッチを短時間に、経済的に得ることができ
る。
このようにして得られるメンフェースピッチは、均質性
と高い配向性にもかかわらず軟化点が低いので、溶融紡
糸特性において本質的に優れているものである。しかし
ながら、このようなピッチを使用しても、紡糸時には断
糸や毛羽立ちが発生するが、その原因は、ピッチを製造
するための原料に既に混入している触媒や装置の摩耗、
腐蝕等によって混入してくる異物などによるところが極
めて大きい。
本発明では、炭素質ピッチの製造用原料の段階で行なう
第1次の灰分除去処理及び炭素質ピッチの製造後に行な
う第3次の灰分除去処理とも、フィルターにより濾過処
理するのが好ましいが、この場合の濾過処理は、孔径0
.05〜5μsのフィルターを用い、不活性ガス雰囲気
下、濾過圧力1〜100kgf/cm”のもとで実施さ
れる。この場合フィルターとしては、焼結金属製フィル
ター、金網フィルター金属粉末充填フィルターなど、前
記の微細な孔径を有し月つ耐熱性を有するもの(ピッチ
の粘度が0.05〜90Pa−sである温度域としては
、最高温度が300〜400℃まで達する場合もあるの
で)が使用される。
」−記のフィルターの中では、特に焼結金属製フィルタ
ーが好ましく使用される。使用される焼結金属製フィル
ターとしては、ステンレスfR(例えばSUS 316
L)の短繊維を積層焼結したもので、孔径0.05−5
μm、特に0.1〜1μm、空隙率50%以上、特に6
0〜80%程度のものが好ましい。孔径が5μlを越え
る場合には灰分の捕捉効率が低下するし、逆に0.05
μm未満では微細な目のフィルターの製作が困難という
問題がある。また、空隙率は大きい方が好ましいが、あ
まり大きいとフィルターの機械的強度が低下する。孔径
の測定は、公知の方法であるバブルポイント法によって
求められる。
フィルターエレメントとしては、ディスクフィルターの
他、プリーツ型円筒フィルター、フラット型円筒フィル
ター、チューブ型フィルター リーフディスクフィルタ
ーなど各種のものが使用できる。
前記焼結金属製フィルターは、金網フィルターや金属粉
末充填フィルター等に比べ、孔径が小さく、安定性に優
れ、灰分保持能力も高い。
本発明では、炭素質ピッチの製造用原料の段階で行なう
第1次の灰分除去処理及び炭素質ピンチの製造後に行な
う第3次の灰分除去処理とも、前記フィルターを用いて
1段の濾過処理を行なうことによって、清浄な炭素質ピ
ッチが得られるが、更に清浄な炭素質ピッチの製造原料
及び清浄なピッチを得る場合には、孔径の/Jlさい焼
結金属フィルターを用いて、2段階以上の濾過操作を行
なうことによって達成される。
第1段目の濾過圧フィルターとしては、孔径0.05〜
5戸の焼結金属製フィルターが用いられる。第2段目の
濾過圧フィルターとしては、孔径0.05〜5声のフィ
ルターに、予め灰分を含有する炭素質ピッチ製造原料又
は炭素質ピッチを少なくとも1〜3時間あるいはそれ以
上通し、フィルターの目が微細な灰分粒子により適度に
目詰りを起こしているものが使用される。なお、第2段
目のフィルターとして1〜3時間あるいはそれ以上使用
したものを、更に第3段目のフィルターとして使用する
と、より微細な粒子を捕捉することができ、より清浄な
炭素質ピッチ製造原料及び炭素質ピッチが得られる。
この場合の第1段目の濾過処理は、1〜100kgf/
alの加圧下で、不活性雰囲気下に実施される。メソフ
ェースピッチの場合は、通常300〜400℃の温度で
実施するのが好ましい。
また、上記のように灰分をプレコートしたフィルターに
よる後段の濾過処理は、不活性雰囲気下、第1段目の濾
過処理に引続き第1段目と同じ範囲の粘度で実施するの
が好ましい。
超清浄炭素質ピッチを得るためには、第1次、第3次の
灰分除去処理とも前記のように2段階以上の濾過処理を
行なうのが好ましいが、濾過速度を上げるため、第1段
目のフィルターはフィルターが閉塞する毎に逆洗してフ
ィルターを再生しつつ濾過を行ない、下流のフィルター
はそのまま長時間使用するような操作を行なっても良い
本発明においては、第1次の灰分除去処理により、含有
灰分の大半が除去された(含有灰分1100pp以下と
された)低灰分原料を用いて、炭素質ピッチが製造され
るが、得られた炭素質ピッチは、次に遠心分離による第
2次の灰分除去処理に付される。
遠心分離による灰分除去処理は、炭素質ピッチ、例えば
メソフェースピッチに、その溶融状態で、遠心分離操作
を加えることにより、比重の大きい灰分粒子を多く含有
する固体スラリー層をメンフェースピッチから分離する
方法である。この固体スラリー層は、遠心分離装置の回
転体内筒に灰分微粒子が付着した状態のものであり、お
おむね固相である。なお、遠心分離操作とは、流体に高
素回転作用を与え、流体中のより比重の大きい相を下層
(遠心力の方向)へ集め、これを分離する処理操作であ
り、その実施態様の一つとしていわゆる遠心分離機によ
る操作、特に連続的に重相と軽相を分離排出する連続型
遠心分離機などが有利に使用される。
遠心分離操作は、炭素質ピッチの粘度が0.05Pa・
Sから90Pa−sである温度域において行なうのが好
ましい。ピッチ粘度が90Pa−sより高い場合には、
灰分微粒子がメソフェースピッチ成分に包含されていて
、長時間且つ非常に大きい遠心力を与えても、灰分微粒
子の除去が困難である。逆に、0.05Pa−8未満で
は、炭素質ピッチの温度が高くなりすぎて、該ピッチの
熱分解重縮合反応が進行するおそれがある。上記粘度を
与える炭素質ピッチの温度は、該ピッチの性状によって
異なるが、−船釣には280〜400℃の範囲内である
また、該遠心分離操作の遠心力加速度は、炭素質ピッチ
中の灰分粒子を効果的に分離するために、少なくとも1
0,000G、特に10,000〜40,0OOGの範
囲を採用することができる。なお、50,0OOG以上
では装置面の制約がある。
なお、前記したような炭素質ピッチの前暉体ピッチを、
溶融状態において遠心分離操作にかけ、高濃度、低軟化
点のメソフェースピッチを得るという方法を採用した場
合には、該遠心分離操作において、本発明の第2次の灰
分除去処理を同時に実施できる(すなわち、IP、 A
P及び固体スラリー層の3Mを同時に分離する)ので、
別途遠心分離による灰分除去処理を行なう必要はない。
本発明では、炭素質ピッチは前記第2次の灰分除去処理
に付された後、次いで前記のフィルターを用いた濾過処
理による第3次の灰分除去処理に付され、該ピッチ中の
残存灰分が除去され、清浄な炭素質ピッチが得られる。
なお、これまで炭素質ピッチの製造用原料の段階で行な
う第1次の灰分除去方法としては、フィルターによる濾
過処理について述べてきたが、別な方法として、5,0
00〜40,0OOGの遠心力下で遠心分離する方法や
、静電集塵槽の電極面に原料を通すことによって灰分を
除去する方法なども適用することができる。また、炭素
質ピッチの製造用原料の段階で行なう第1次の灰分除去
処理は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤によっ
て希釈して行なってもよい。なお、第1次の灰分処理後
、原料中の軽質分を除去すること、あるいは原料中の軽
質分を除去後、第1次の灰分除去処理を行なうことも、
必要に応じて採用される。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、も
ちろん本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
実施例]。
減圧軽油の接触分解で副生する比重0゜992、炭素含
有率88.9重量%、水素含有率9.8重量%の重質残
渣油(炭素質ピッチ製造用原料)を、減圧蒸留装置で5
常圧に換算して415℃迄蒸留して収率73重量%の残
渣タールを得た。得られた残渣タールは、比重1,06
2、炭素含有率89.1重量%、水素含有率9.7重量
%、灰分0.22重量%(2、200pp+m)、10
0℃における粘度は14.7センチストークスであった
この残渣タールを濾過装置に導入し、第1次の灰分除去
処理を行なった。フィルターとしては、孔径1μsのス
テンレス鋼(SUS 3161、)製からなる焼結金属
製フィルター〔日本精練■製: NP−13を使用して
、濾過処理を行なった。フィルターの直径は601mm
であった。
上記のフィルターを装着した濾過装置に、前記の残渣タ
ール2kgを導入して、濾過を行なった。
雰囲気は窒素ガスで行ない、窒素ガスで加圧して行なっ
た。濾過時の圧力は20kgf/sfであった。濾過時
の温度は100℃であり、残渣タールの粘度は0.01
3Pa−sであった。この第1次の灰分除去処理に要し
た時間は40分であった。濾過処理後の残渣タール中の
灰分は30ppmであった。
このタール20kgを30Qの内容積の反応器に入れ、
常圧窒素ガス流通下、充分撹拌しながら415℃で3.
5時間熱処理し、軟化点240℃、キノリンネ溶分13
.9重量%で、偏光顕微鏡でWt察すると約55%の光
学的異方性相を含有するピッチを23.0重量%の収率
で得た。
このピッチを350℃に温度制御してローター有効内容
積200−の円筒型連続遠心分離機へ所定流量20−7
分で送り、ローター温度を350℃に制御しつつ、遠心
力20,0OOGで連続的に重液と軽液に分離した。こ
のとき、同時に灰分除去処理(第2次灰分除去処理)を
行なった。所要時間は18分であった。重液排出口より
採取したピッチの収率は51重量%で、軟化点268℃
、キノリンネ溶分28,1重量%、偏光顕微鏡で11察
した光学的異方性相は99%であった。
得られたメソフェースピッチを濾過装置に導入し、第3
次の灰分除去処理を行なった。フィルターとしては、孔
径0.1μsのステンレス鋼(SUS3161、)製か
らなる焼結金属製フィルター〔日本精練(株)製:NP
−201)を使用して、濾過処理を行なった。フィルタ
ーの直径は60111+であった。
このようなフィルターを装着した濾過装置に。
遠心分離機で分離して得た前記液晶ピッチ250gを導
入して、濾過を行なった。雰囲気は窒素ガス雰囲気で行
ない、窒素ガスで加圧して濾過を行なった。濾過時の圧
力は40kgf/cJで行なった。濾過時の温度は34
0℃であり、メソフェースピッチの粘度は9Pa−9で
あった。250gのメソフェースピッチの濾過時間(第
3次灰分除去処理時間)は10分であった。
このようにして得た超清浄ピッチ中のFe分は1.4p
pm、 AQ分は0.4ppm、 Si分は2.8pp
mであり、Fe分、 AQ分及びSi分の合計量は4 
、6ppmであった。
得られた超清浄メンフェースピッチを、直径0 、3m
mの単孔ノズルを有する紡糸機に充填して温度335℃
で溶解し、窒素加圧下で押出してノズル下部でボビンに
巻取り、500m/分の引取り速度で紡糸した。1時間
の紡糸中、糸切れは1回もなかった。
次に、このピッチ繊維を酸素雰囲気中、230℃で】時
間不融化を行なった後、20℃/分の速度で1.500
℃まで昇温しで炭化を行ない、炭素繊維を得た。得られ
た炭素繊維は、繊維径10.0趣、引張り強度3.5G
Pa、引張り弾性率260GPaであった。
更に、2,500℃まで焼成して黒鉛繊維を得た。
得られた黒鉛繊維は繊維径9.8鐸、引張り強度3.7
GPa、引張り弾性率750GPaと極めて高品質であ
った。
実施例2 炭素質ピッチの製造用原料の段階で行なう第1次の灰分
除去処理及び炭素質ピッチの製造後に行なう第3次の灰
分除去処理を、フィルターを2段にして行なった以外は
、実施例1と同様に処理した。
炭素質ピッチの製造用原料の段階で行なう第1次の灰分
除去処理では、第1段目のフィルターとしては、直径が
60mmで孔径がIIJmのステンレス鋼(SO531
6L)製からなる清浄な新品の焼結金属製フィルター〔
日本精g■製:NP−1)を装着し、第2段目のフィル
ターとしては、予め前記の原料(残渣タール)を1時間
濾過して、残渣タール中の灰分を、上記と同じ焼結金属
製フィルター上にプレコートしたフィルターを装着した
。残渣タール2kgの濾過時間(第1成豚分除去処理時
間)は50分であった。
濾過処理後の残渣タール中の灰分は20ppmであった
上記残渣タールを重縮合反応に処して、実施例1と同様
にして炭素質ピッチを得た。この炭素質ピッチを20 
、0OOGの遠心力下で実施例1と同様に処理した。処
理時間(第2成豚分除去処理時間)は18分であった。
炭素質ピッチの製造後に行なう第3次の灰分除去処理は
、第1段目のフィルターとしては、孔径が0.1趨のス
テンレス鋼(SUS 316L)製からなる清浄な新品
の焼結金属製フィルターを用い、第2段目のフィルター
としては、予め遠心分離機で分離したメソフェースピッ
チを1時間濾過して、メソフェースピッチ中の灰分を、
上記と同じ焼結金属製フィルター上にプレコートしたフ
ィルターを装着した。メンフェースピッチ250gの濾
過時間(第3水成分除去処理時間)は20分であった。
このようにして得た超清浄ピッチ中のFe分は0、lp
pm、 AQ分は0.lppm、 Si分は0.3pp
mであり、Fe分、AQ分及びSi分の合計量は0.5
ppmであった。灰分の粒子を走査顕微鏡で観察したと
ころ、粒子の大半はO,OS、以下のものであった。
得られた超清浄メンフェースピッチを、実施例1と同様
にして紡糸したところ、1時間の紡糸中。
糸切れは1回もなかった。
実施例1と同様にしてt 、 soo℃まで焼成して得
た炭素繊維は、繊維径10.0Ilrn、引張り強度3
.7GPa、引張り弾性率260GPaであり、2 、
500℃まで焼成して得た黒鉛繊維は、繊維径9.9p
m、引張り強度4.6GPa、引張り弾性率760GP
aと極めて高品質であった。
比較例1 実施例1の遠心分離後の99%光学的異方性相を含むメ
ソフェースピッチ(灰分250ppm)を、そのまま紡
糸した以外は、実施例1と同様に処理した。
この場合、紡糸中の糸切れは1時間に12回であった・ 1 、500℃に焼成して得た炭素繊維の引張り強度は
2.4GPa、引張り弾性率は250GPaであり、2
,500℃に焼成して得た黒鉛繊維の引張り強度は1 
、7GPa、引張り弾性率は600GPaであった。実
施例1に較べて、引張り強度は大幅に低く、引張り弾性
率も低かった。
比較例2 炭素質ピッチの製造原料(残渣タール)の段階での第1
次の灰分除去処理及び炭素質ピッチ製造後に行なう第2
次の灰分除去処理を行なわなかった(炭素質ピッチの遠
心分離は5,0OOGで実施)以外は、実施例1と同様
に処理した。この場合、250gのメソフェースピッチ
の濾過処理に4時間を要した。
本比較例に比べ実施例1及び2によると、超清浄ピッチ
が迅速に得られることが明白である。
〔発明の効果〕
本発明の方法は、前記構成としたことから、極端に灰分
含有量、特に特定元素の含有量が低いため、本発明の方
法によって得られた超清浄ピッチを用いて炭素繊維を製
造すると、高強度及び高弾性率の炭素繊維を製造するこ
とができる。特に、高温焼成した場合に、従来みられた
繊維内の欠陥が出なくなり、超高強度、高弾性率の黒鉛
繊維が製造できる。
しかも、本発明の方法によると、このような超清浄炭素
質ピッチを、容易に迅速に製造することができる。
以上のように、本発明の方法によって得られるピッチか
ら製造される炭素繊維及び黒鉛繊維は、欠陥がなく、高
強度と高弾性率を有する特性を具備するので、自動車、
宇宙開発、建築物等の軽量構造材料用強化繊維として、
極めて有効に使用し得る。
また、本発明の方法によって得られる超清浄ピッチは、
炭素/炭素複合材料のマトリックスとしても、高温焼成
下で欠陥がないので、優九たマトリックス材として使用
することができる。
以上、メソフェースピッチ系を中心に述べてきたが、光
学的等方性ピッチである場合においても、欠陥のない汎
用の炭素繊維あるいはその他の炭素材料を製造できると
いう利点を有する。
また、本発明の方法によって得られたピッチを用いた場
合、炭素繊維製造工程における紡糸性を、従来にも増し
て改善できるという長所を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素質ピッチ製造用の原料を、先ず第1次の灰分
    除去処理に付して含有灰分の大半を除去し、次いで得ら
    れた低灰分原料を用いて炭素質ピッチを製造した後、得
    られた炭素質ピッチを、遠心分離による第2次の灰分除
    去処理に付し、更にその後にフィルターを用いた濾過処
    理による第3次の灰分除去処理に付して炭素質ピッチ中
    の残存灰分を除去することを特徴とする炭素材料用の超
    清浄炭素質ピッチの製造方法。
JP13561490A 1990-05-25 1990-05-25 超清浄炭素質ピッチの製造方法 Pending JPH0431494A (ja)

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