JPH03277689A - 超清浄炭素質ピッチの製造方法 - Google Patents

超清浄炭素質ピッチの製造方法

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JPH03277689A
JPH03277689A JP7982790A JP7982790A JPH03277689A JP H03277689 A JPH03277689 A JP H03277689A JP 7982790 A JP7982790 A JP 7982790A JP 7982790 A JP7982790 A JP 7982790A JP H03277689 A JPH03277689 A JP H03277689A
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JP7982790A
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Kikuji Komine
小峰 喜久治
Masaru Miura
勝 三浦
Hiroshi Toki
博 土岐
Hiroyasu Kato
加藤 宏康
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Tonen General Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は炭素材料、特に高性能炭素繊維を製造するのに
適した超清浄炭素質ピッチの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、自動車、航空機その他の各種産業分野にわたって
、軽量、高強度、高弾性率等を有する高性能素材の開発
が要望されており、かかる観点から炭素成形材料、炭素
繊維などが注目されている。
特に、炭素質ピッチから炭素繊維を製造する方法は、安
価で高性能の炭素繊維を製造し得る方法として重要視さ
れており、近年多くの研究がなされ、炭素質ピッチから
得られる炭素繊維の性能も向上している。
しかしながら、炭素質ピッチから得られるピッチ繊維は
極めて脆弱であるために、その後の工程での糸扱いにお
いて多くの工夫が強いられている。
更に、近年、炭素質ピッチに残存する灰分の量が。
炭素質ピッチからピッチ繊維を紡糸する際の糸切れや、
最終製品たる炭素繊維の物性に極めて大きく影響を及ぼ
す事が次第に明らかになってくるに従い、灰分含有量の
少ない清浄な炭素質ピッチを得ることが重要な問題とな
ってきた。
炭素質ピッチ中の灰分を除去する方法としてはその容易
さから、炭素質ピッチの製造原料である原料タールを、
遠心分離してタール中の灰分が0゜005重量%(50
ppm)以下となるようにする方法(特開昭58−81
619号公軸)や原料タールを50〜200℃に加熱し
て静電集塵槽を通して灰分を除去し、その後熱分解重縮
合を行ない製品メンフェースピッチ中の灰分を0.1重
量%(1,000ppm)以下にする方法(特開昭63
−162786号公翰)が開示されている。
一方、直接炭素質ピッチから灰分を除去する方法として
は、炭素質ピッチを高い遠心力下で遠心分離する方法(
特開昭60〜34619号公報)が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、原料タールから灰分を除去する方法では1例
えば灰分含有量を10ppm(0,001%)まで減少
させたとしても、ピッチ製造工程で、灰分が約10〜約
90倍に蓄積して、100〜900Pp−に上昇してし
まうという欠点があり、また反応容器や配管等の腐蝕や
摩耗により金属がはがれ落ち混入してくるという問題が
ある。一方、炭素質ピッチから直接灰分を除去する方法
は、炭素質ピッチが高粘度物質であるため、細かい粒子
の除去が難しく、低灰分にしにくいという難点があった
。従って、灰分除去処理後のピッチ中の残存秋分は、通
常約50Ppmどまりであった。
本発明者らは、更に高強度及び高弾性率を看する炭素繊
維を開発する過程で、ピッチ中の灰分が約50pp+u
であったとしても、構造欠陥の原因となること、特に2
,000℃以上で高温焼成を行なった場合には、繊維の
中で空孔を生ずることなどで、強度の発現が困難なこと
が分かった。
また、より高強度を発現するためには、単に灰分を50
ppm以下にするだけでは不充分であり、灰分の中でも
特定の元素が強度の発現に大きく影響していることが分
かった。
そこで、炭素質ピッチ中の灰分による構造欠陥を排除し
、超高強度の炭素繊維を得るためには、新規な超清浄炭
素質ピッチの出現が望まれてきた。
従って、本発明の目的は、このような問題点を克服した
、すなわち灰分中の特定の元素の含有量の極めて低い、
高性能炭素繊維が安定して容易に得られる超清浄炭素質
ピッチの製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、本発明に係る超清浄炭素質ピッチの製造方
法によって達成される。
すなわち、本発明によれば、灰分を含有する炭素質ピッ
チを、その粘度が0,05Pa−sから90Pa−sで
あ、る温度域において、フィルターを用いて濾過処理し
、炭素質ピッチ中のFe分が2pps+以下、Al分が
lppm以下及びSi分が3.3PPM1以下であって
、しかもFe分、1分及びSi分の合計含有量が5PP
m以下になるようにすることを特徴とする茂素材料用の
超清浄炭素質ピッチの製造方法が提供される。
なお、ここでいうFe分、Al分及びSi分は、次の方
法によって求めた値である。すなわち、試料ピッチを濃
硫徴で処理し、加熱炭化した後、755±25℃で灰化
する。この灰分を炭酸ナトリウムで融解後、塩酸と水で
溶解し、試料溶液とする。この試料溶液について、誘導
結合プラズマ発光分光分析装置(ICP発光分光分析装
置)にて、Fe、Al及びSiの各元素の発光強度をH
1ll定し、予め作成した検量線から試料中の各元素の
濃度を求め、これをそれぞれFe分、 Al分及びSi
分とした。なお、ICP発光分光分析装置としては、島
津製作所製rIcr”5−100011 Jシーケンシ
ャルタイプを使用した。
本発明の製造方法によって得られる炭素質ピッチは、前
記のように、Fe分が2ppH以下、Al分がIPρ0
1以下及びSi分が3.3PPm以下であって、しかも
Fe分、 Al分及びSi分の合計量がspp園以下で
あることが好ましいが、これらの灰分はその大半が粒径
0.1.IJII+以下の粒子として存在している。前
記元素の含有量がこのように低いことにより1本発明で
得られた炭素質ピッチから常法に従って炭素繊維を製造
すると、ピッチ中の前記元素による炭素繊維の構造欠陥
が排除され、超高強度の炭素繊維が安定的に容易に得ら
れる。灰分としては、通常、前記のFe分、Al分、S
i分の他にも微量のNi分、Cr分などが含まれている
が、前記のようにピッチ中にFe分が2ppm以下、A
l分がlppm+以下及びSi分が3゜3ppm以下で
あって、しかもFe分、Al分及びSi分の合計量が5
ρp鳳以下とすることによって、高性能炭素材料、特に
超高強度、高弾性率の炭素繊維を製造し得る超清浄炭素
質ピッチが得られる。
更に、ピッチ中のFe分が0.8ppm以下、Al分が
0゜5pp膳以下及びSi分が1.4ppm以下であっ
て、しかもFe分、Al分及びSi分の合計量が2pp
m以下とすることが、特に好ましい。
なお、Fe分、Al分及びSi分の合計量が5ppmを
越える炭素質ピッチを用いて炭素繊維を製造すると。
炭素繊維の内部に欠陥を生じ、充分な高強度の炭素繊維
が得られない。特に、2,000℃以上の高温焼成の場
合に、強度の発現が低下する。また、理由は定かでない
が、 Fe分のみが2ρpa+を越えた場合も、強度発
現は充分でない。同様に、 Al分のみがlppmある
いはSi分のみが3.3ppa+を越えた場合も、強度
の発現は充分でない。
高性能炭素材料、特に超高強度、高弾性率の炭素繊維を
製造するためには、前記のようにFe分が2ppI11
以下、 Al分がlppm以下及びSi分が3.3pp
履以下であって、しかもFe分、Al分及びSi分の合
計が5PρW以下というように、特定値以下の元素を含
有する超清浄炭素質ピッチであることが必要である。
本発明で用いる原料炭素質ピッチは、公知の出発原料1
例えば石油系の各種重質油、熱分解タール、接触分解タ
ール、石炭の乾留によって得られる重質油、タールなど
を出発原料として、その熱分解重縮合によって得られる
メンフェースピッチ(光学的異方性ピッチ)、芳香族炭
化水素類を原料とするメソフェースピッチ、光学的異方
性相と光学的等方性相を含有するピッチあるいは光学的
等方性ピッチであっても良い。ただ、超高強度の高性能
炭素繊維を、熱分解重縮合によって得られたメソフェー
スピッチから製造する場合、メンフェース含有量70〜
100%のメソフェースピッチが好ましく、特に実質的
に100%のメンフェースを含有するメソフェースピッ
チが最も好ましい。
出発原料のタール等を熱分解重縮合してメソフェースピ
ッチを製造する場合、光学的異方性相の含有率を高めよ
うとすると、得られるメンフェースピッチの軟化点が高
くなり、この場合には必然的に紡糸温度が高くなるが、
このことは紡糸を困難にし、糸切れを起こし易くする。
従って、メソフェースピッチの製造においては、熱重縮
合を半ばで打ち切って、その重縮合物を350〜400
°Cの範囲の温度で保持して実質的に静置し、下層に密
度の大きい光学的異方性相(以下AP相と記す)を成長
熟成させつつ沈積し、これを上層の密度の小さい光学的
等方性相(以下IP相と記す)が多い部分より分離して
取り出すという方法を採用することが好ましい、この方
法の詳細は、特開昭57−119984号公報に記載さ
れている。
原料メソフェースピッチの更に好ましい製造方法は、特
開昭58−180585号公報に記載されている如く、
AP相を適度に含み未だ過度に重質化されていない炭素
質ピッチを、溶融状態のまま遠心分離操作にかけ、迅速
にAP相部分を沈降せしめる方法である。この方法によ
れば、 AP相は合体成長しつつ下1i!(遠心力方向
の暦)に集積し、 AP相が約80%以」二で連続層を
成し、その中に僅かにIP相を凸状又は微小な球状体で
分散している形態のピッチとなる。この場合1両層の境
界が明瞭であり、下層のみを上層から分離することがで
き、容易にAP相含有率が大きく且つ軟化点の低い、従
って紡糸しやすいメンフェースピッチを製造することが
できる。この方法によれば、AP相含有率が95%以上
で軟化点が230℃〜320℃のメソフェースピッチを
短時間に、経済的に得ることができる。
このようにして得られるメンフェースピッチは、均質性
と高い配向性にもかかわらず軟化点が低いので、溶融紡
糸特性において木質的に優れているものである。しかし
ながら、このようなピッチを使用しても、紡糸時には断
糸や毛羽立ちが発生するが、その原因は、ピッチを製造
するための原料に既に混入している触媒や装置の摩耗、
腐蝕等によって混入してくる異物などによるところが極
めて大きい。
本発明では、原料炭素質ピッチは、その粘度が0.05
〜90Pa−sである温度域において、フィルターによ
り濾過処理されるが、この濾過処理は、孔径O,OS〜
5−のフィルターを用い、不活性ガス雰囲気下、濾過圧
力1〜100kgf/cm2のもとで実施される。
この場合フィルターとしては、焼結金属製フィルター、
金網フィルター、金属粉末充填フィルターなど、前記の
微細な孔径を有し且つ耐熱性を有するもの(ピッチの粘
度が0.05〜90Pa−sである温度域としては、最
高温度が300〜400℃まで達する場合もあるので)
が使用される。
上記のフィルターの中では、特に焼結金属製フィルター
が好ましく使用される。使用される焼結金属製フィルタ
ーとしては、ステンレス鋼の短繊維を焼結したもので、
孔径0.05〜5I1m、特に0.1〜1−1空隙率5
0%以上、特に60〜80%程度のものが好ましい、孔
径が5−を越える場合には灰分の捕捉効率が低下するし
、逆に0,05μ−未満では微細な目のフィルターの製
作が困難という問題がある。また、空隙率は大きい方が
好ましいが、あまり大きいとフィルターの機械的強度が
低下する。
焼結金属製フィルターとしては1ミクロンオーダーのス
テンレス鋼(例えばSO5316L)を所定のアスペク
ト比に切断して短繊維粉にし、これを均一に積層焼結し
たステンレス鋼製焼結フィルターが好ましい。孔径とし
ては0,05〜5μmのものが使用される。孔径の測定
は、公知の方法であるバブルポイント法によって求めら
れる。
フィルターエレメントとしては、ディスクフィルターの
他、プリーツ型円筒フィルター、フランI・型円筒フィ
ルター、チューブ型フィルター、リーフディスクフィル
ターなど各種のものが使用できる。
前記焼結金属製フィルターは、金網フィルターや金属粉
末充填フィルター等に比べ、孔径が小さく、安定性に優
れ、灰分保持能力も高い。
原料炭素質ピッチに、前記フィルターを用いて1段の濾
過処理を行なうことによって、清浄な炭素質ピッチが得
られるが、更に清浄なピッチを得る場合には、孔径の小
さい焼結金属フィルターを用いて、2段階以上の濾過操
作を行なうことによって達成される。
第1段目の濾適用フィルターとしては、孔径0.05〜
5峠の焼結金属製フィルターが用いられる。第2段目の
濾適用フィルターとしては、孔径0.05〜5pmのフ
ィルターに、予め灰分を含有するピッチを少なくとも1
〜3時間あるいはそれ以上通し、フィルターの目が微細
な灰分粒子により適度に目詰りを起こしているものが使
用される(第1図参照)9なお、第2段目のフィルター
として1−3時間あるいはそれ以上使用したものを、更
に第3段目のフィルターとして使用すると、より微細な
粒子を捕捉することができ、より清浄なピッチが得られ
る。
この場合の第1段目の濾過処理は、1〜100kgf/
a#の加圧下で、不活性雰囲気下、ピッチの粘度が0.
05〜90Pa・8の範囲で実施される。メンフェース
ピッチの場合は、通常300〜400℃の温度で実施す
るのが好ましい。
また、灰分をプレコートしたフィルターによる後段の濾
過処理は、不活性雰囲気下、第1段目の濾過処理に引続
き第1段目と同じ範囲のピッチ粘度で実施するのが好ま
しい。
超清浄炭素質ピッチを得るために、通常前記のように2
段階以上の濾過処理が行なわれるが、濾過速度を上げる
ため、第1段目のフィルターはフィルターが閉塞する毎
に逆洗してフィルターを再生しつつ濾過を行ない、下流
のフィルターはそのまま長時間使用するような操作を行
なっても良い。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、も
ちろん本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
実施例1 減圧軽油の接触分解で副生する比重0.992.炭素含
有率88.9重量%、水素含有率9.8重量yの重質残
渣油を、減圧蒸留装置で、常圧に換算して旧5℃迄蒸留
して収率73重量%の残渣タールを得た。
得られた残渣タールは、比重1,062.炭素含有率8
9.1重量%、水素含有率9.7重量メ、灰分0.22
重量%(2,200ppm)、 100℃における粘度
は14.7センチストークスであった。
このタール20にgを30Qの内容積の反応器に入れ、
常圧窒素ガス流通下、充分撹拌しながら415℃で3.
5時間熱処理し、軟化点240℃、キノリンネ溶分13
.9重量%で、偏光顕微鏡でif察すると約55%の光
学的異方性相を含有するピッチを23.0重量%の収率
で得た。
このピッチを350℃に温度制御してローター有効内容
積200mの円筒型連続遠心分離機へ所定流量2(ld
/分で送り、ローター温度を350℃に制御しつつ、遠
心力5,0OOGで連続的に重液と軽液に分離し人1重
液排出口より採取したピッチの収率は51重量%で、軟
化点268℃、キノリンネ溶分28.1重量%、偏光顕
微鏡で観察した光学的異方性相は99テであった。この
液晶ピッチ中の灰分は250ppu+であった。
得られたメソフェースピッチを濾過装置に導入し、濾過
を行なった。フィルターとしては、孔径0.1−のステ
ンレス鋼(SUS3161.、)製からなる焼結金Ii
4製フィルター〔日本精練(株)製:NP−101)を
使用して、濾過処理を行なった。フィルターの直径は6
0n+n+φであった。
このようなフィルターを装着した濾過装置に、遠心分離
機で分離して得た前記液晶ピッチ250gを導入して、
濾過を行なった。雰囲気は窒素ガス雰囲気で行ない、窒
素ガスで加圧して濾過を行なった。濾過時の差圧は40
kgf/dで行なった。濾過時の温度は340℃であり
、メソフェースピッチの粘度は91ノa’sであった。
このようにして得た超清浄ピッチ中のFe分は1.6P
PD1. Ar1分は0.4ppa+、 Si分は2.
9ppmであり、Fe分、Al分及びSi分の合計量は
4 、9ppmであった。
得られた超清浄メソフェースピッチを、直径0゜311
I11の単孔ノズルを有する紡糸機に充填して温度33
5℃で溶解し、窒素加圧下で押出してノズル下部でボビ
ンに巻取り、 500m/分の引取り速度で紡糸した。
1時間の紡糸中、糸切れは1回もなかった。
次に、このピッチ繊維を酸素雰囲気中、230℃で1時
間不融化を行なった後、20℃/分の速度で1 、50
0℃まで昇温しで炭化を行ない、炭素繊維を得た。得ら
れた炭素繊維は、繊維径10.0声、引張り強度3,4
GPa、引張り弾性率260GPaであった。
更に、2,500℃まで焼成して黒鉛繊維を得た。
得られた黒鉛繊維は繊維径9.87a、引張り強度3.
7GPa、引張り弾性率740GPaと極めて高品質で
あった。
実施例2 遠心分離機で分離したメソフェースピッチを、第1図に
示す濾過装置により濾過を行なった以外は、実施例1と
同様に処理した。第1段目のフィルターとしては、直径
が60mmで孔径が0.1pmのステンレス鋼C3lJ
S 316L)製からなる清浄な新品の焼結金属フィル
ター〔日本精練■製:NP−201)を装着し。
第2段目のフィルターとしては、予め前記のメンフェー
スピッチを100g濾過して、メンフェースピッチ中の
微細な灰分を、上記と同じ焼結金属フィルター上にプレ
コートしたフィルターを装着した。
第2段目のフィルターをプレコートする濾過条件は、温
度340℃、ピッチの粘度9Pa−5であり、窒素加圧
による差圧を大気圧付近から徐々に昇圧して濾過を行な
い、最終差圧は40kgf/cdであった。プレコート
に要した所要時間は1時間であった。
このようなフィルターの構成にした上で、遠心分離して
得た液晶ピッチ250gを濾過装置に導入して、濾過を
行なった。雰囲気は窒素ガス雰囲気で行ない、窒素ガス
で加圧して濾過を行なった。濾過時の温度は340℃、
ピッチの粘度は叶a”sで行なった。濾過時の差圧は4
0kgf/cJであった。
このようにして得た超清浄ピッチ中のFe分は0.3p
pm、Al分は0.lppm、 Si分は0.4ppm
であり、Fe分、 Al分及びSi分の合計量は0.8
ppmであった。灰分の粒子を走査顕微鏡でa察したと
ころ、粒子の大半は0.05μI以下のものであった。
得られた超清浄メンフェースピッチを、実施例1と同様
にして紡糸したところ、1時間の紡糸中、糸切れは1回
もなかった。
実施例1と同様にして1,500℃まで焼成して得た炭
素繊維は、繊維径10.0pa+、引張り強度3 、5
0Pa、引張り弾性率260GPaであり、2,500
℃まで焼成して得た黒鉛繊維は、繊維径9.8.um、
引張り強度4.5GPa、引張り弾性率750GPaと
極めて高品質であった。
実施例3 焼結金属フィルターとして、孔径0.3−のフィルター
を用いた以外は、実施例2と同様にしてメンフェースピ
ッチを処理した。この場合の第2段目の濾過を終了した
後のピッチ中のFe分は1 、6ppm、Al分が0.
4ppm、Si分が2.8pp+mであり、Fe分、A
1分及びSi分の合計量は4 、8ppmであった。
得られたピッチを、実施例1と同様にして紡糸したとこ
ろ、紡糸中の糸切れは1時間に1回もなく、良好であっ
た。
実施例1と同様にして1 、500℃まで焼成して得た
炭素繊維は、繊維径1O10μ■、引張り強度3.40
Pa、引張り弾性率260GPaであり、2,500℃
まで焼成して得た黒鉛繊維の糸径は9.8pm、引張り
強度は3.8GPa、引張り弾性率は740GPaと高
品質なものであった・ 比較例1 実施例1の遠心分離後の99%光学的異方性相を含むメ
ソフェースピッチ(灰分250ρρm)を、そのまま紡
糸し、焼成した以外は、実施例1と同様に処理した。
この場合、紡糸中の糸切れは1時間に12回であった・ 1.500℃に焼成して得た炭素繊維の引張り強度は2
.4GPa、引張り弾性率は250GPaであり、2,
500℃に焼成して得た黒鉛繊維の引張り強度はl 、
 7GPa、引張り弾性率は600GPaであった。実
施例1に較べて、引張り強度は大幅に低く、引張り弾性
率も低かった。
比較例2 実施例3において、2段目の濾過を行なわなかった以外
は、実施例3と同様にしてメンフェースピッチを処理し
た。この場合の濾過後のピッチ中のFe分は1.6pp
m+、 Al分は0.5ppm、Si分が4ppmであ
り、Fe分、Al分及びSi分の合計量は6.lppm
であった。
得られたピッチを、実施例1と同様にして紡糸したとこ
ろ、紡糸中の糸切れは1時間に4回であった。
実施例1と同様にして1 、500℃まで焼成して得た
炭素繊維は、繊維径10.0.、引張り強度3,2GP
a、引張り弾性率260GPaであり、2,500℃ま
で焼成して得た黒鉛繊維の糸径は9.8μ■、引張り強
度は2.8GPa、引張り弾性率は700GPaであっ
た。実施例3と較べて、高温焼成による引張り強度の発
現率が極めて低い結果となった。
〔発明の効果〕
本発明の方法は、前記構成としたことから、極端に灰分
含有量、特に特定元素の含有量が低いため、本発明の方
法によって得られた超清浄ピッチを用いて炭?F!繊維
を製造すると、高強度及び高弾性率の炭素繊維を製造す
ることができる。特に、高温焼成した場合に、従来みら
れた繊維内の欠陥が出なくなり、超高強度、高弾性率の
黒鉛繊維が製造できる。
以上のように2本発明の方法によって得られるピッチか
ら製造される炭素繊維及び黒鉛繊維は、欠陥がなく、高
強度と高弾性率を有する特性を具備するので、自動車、
宇宙開発、建築物等の軽量構造材料用強化繊維として、
極めて有効に使用し得る。
また1本発明の方法によって得られる超清浄ピッチは、
炭素/炭素複合材料のマトリックスとしても、高温焼成
乍で欠陥がないので、優れたマトリックス材として使用
することができる。
以上、メソフェースピッチ系を中心に述べてきたが、光
学的等方性ピッチである場合においても、欠陥のない汎
用の炭素繊維あるいはその他の炭素材料を製造できると
いう利点を有する。
また、本発明の方法によって得られたピッチを用いた場
合、炭素繊維製造工程における紡糸性を、従来にも増し
て改善できるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施する際に有用な濾過装置の
模式断面図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素質ピッチを、その粘度が0.05Pa・sか
    ら90Pa・sである温度域において、フィルターを用
    いて濾過処理し、炭素質ピッチ中のFe分が2ppm以
    下、Al分が1ppm以下及びSi分が3.3ppm以
    下であって、しかもFe分、Al分及びSi分の合計含
    有量が5ppm以下になるようにすることを特徴とする
    炭素材料用の超清浄炭素質ピッチの製造方法。
  2. (2)フィルターが焼結金属製フィルターであることを
    特徴とする請求項(1)に記載の超清浄炭素質ピッチの
    製造方法。
  3. (3)炭素質ピッチが炭素繊維製造用のメソフェースピ
    ッチであることを特徴とする請求項(1)又は(2)に
    記載の超清浄炭素質ピッチの製造方法。
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