JPH04314691A - プロペラの可変ピッチ機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、航空機や船舶等に適用
されるプロペラの可変ピッチ機構、即ちプロペラを構成
する複数のブレードのピッチを調節するための機構に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、かゝる可変ピッチ機構としては、
ラック・ピニオン式、カム式、リンク式等、種々のもの
が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来提案されている機
構は、いずれも構造が複雑であったり加工が困難であっ
たりして、コスト高となる嫌いがある。

【０００４】そこで、本発明は構造が簡単の上、加工が
容易な前記可変ピッチ機構を提供することを目的とする
。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、駆動軸により駆動可能な筒状のハブに、
プロペラの複数の放射状ブレードの取付軸を回転可能に
取付け、各取付軸の端部に突設された偏心ピンを、ハブ
に同心上に配設されて軸方向へ移動可能な調節輪外周に
画成された環状溝に保持し、取付軸を調節輪の軸方向偏
位に応じて偏心ピンを介して取付軸軸線周りに回転し得
るようにしたことを第１の特徴とする。

【０００６】また本発明は、上記特徴に加えて、環状溝
の一側壁に偏心ピンの環状溝への通過を許容する切欠を
画成し、この切欠とずれた位置で環状溝に偏心ピンを保
持するための拘束手段を調節輪に設けたことを第２の特
徴とする。

【０００７】さらに本発明は、第１の特徴に加えて、偏
心ピンが、これに回転自在に嵌合した駒を介して環状溝
に係合することを第３の特徴とする。

【０００８】さらに本発明は、第３の特徴に加えて、各
駒が、環状溝の両側壁面と面接触に保持される方形断面
を有することを第４の特徴とする。

【０００９】

【実施例】以下、図面により本発明を航空機に適用した
一実施例について説明する。図１ないし図３はプロペラ
回転推進装置を示し、ガスタービンエンジン等の駆動軸
１からの出力は減速歯車機構２を介して筒状のハブ３へ
伝達され、該ハブ３を駆動してプロペラ４を回転させる
。

【００１０】上記ハブ３は、エンジンの支持構造体（図
示せず）に連設されて駆動軸１を囲繞する支持筒５の外
周面に前後一対のベアリング６，６′を介して支承され
る。ハブ３には、その周壁を半径方向に貫通する環状配
列の多数の軸受筒７が固着されている。プロペラ４は、
これら軸受筒７に回転可能に嵌合される取付軸９を有す
る複数のブレード８を備える。各取付軸９内端のフラン
ジ９ａと軸受筒７との間にスラストベアリング１０が介
装される。したがってハブ３が支持筒５周りに一方向に
回転駆動されると、軸受筒７及び取付軸９を介してブレ
ード８、即ちプロペラ４をハブ３と同方向へ回転させる
ことができる。

【００１１】各ブレード８のピッチは、以下のように構
成される可変ピッチ機構１１を通じて取付軸９をその軸
線周りに回転させて変更することができる。

【００１２】可変ピッチ機構１１は、前記両ベアリング
６，６′間で支持筒５を囲繞して軸方向に往復作動する
移動手段としての筒状の可動シリンダ１２と、この可動
シリンダ１２を囲繞すると共にそれにベアリング１３を
介して連結した調節輪１４とを備えている。調節輪１４
はハブ３にそれと同心に配設され、規制手段たるベアリ
ング１３を介して可動シリンダ１２に対して軸方向の移
動は不能であるが回転は自由である。

【００１３】この調節輪１４はその外周面に画成された
環状溝１５を備える。前記各取付軸９のフランジ９ａの
半径方向内端に突設された偏心手段としての偏心ピン１
６が、各ピンに装着された駒１７を介して摺動可能に環
状溝１５に保持される。各駒１７は、環状溝１５の両側
面に面接触に保持される側面を有すべく断面方形に形成
される（図４参照）。駒１７はその中心にピン孔１８が
画成され、このピン孔１８に偏心ピン１６が各々回転自
在に嵌合する。

【００１４】偏心ピン１６は、駒１７の抜止めのために
大径の端部フランジ１６ａを備える。

【００１５】駒１７は、環状溝１５を画成する輪１４の
後側壁に画成された多数の切欠１９を通して環状溝１５
へ同時に誘導される。そして、各駒１７を切欠１９から
ずれた位置で環状溝１５に保持すべく、取付軸９の中心
部に固設された拘束ピン２０が調節輪１４に画成された
拘束手段たる位置決め孔２１に嵌入される。この位置決
め孔２１は調節輪１４の軸方向に長径を向けた長孔にな
っていて、調節輪１４の軸方向移動が拘束ピン２０に妨
げられないようになっている。

【００１６】前記可動シリンダ１２は、支持筒５の外周
に形成された前後一対の固定ピストン２２，２３に摺動
自在に嵌合される。可動ピストン１２はその内壁面の中
央部に隔壁２４を有する。固定ピストン２２，２３と、
これらピストン間に位置する隔壁２４とが協働して支持
筒５周りに前部油室２５および後部油室２６を画成する
。

【００１７】支持筒５の周壁には前部油室２５及び後部
油室２６にそれぞれ連通する第１油路２７及び第２油路
２８が設けられ、これら油路２７，２８は制御弁（図示
せず）を介して油圧源から圧油を前部，後部油室２５，
２６に供給する。固定ピストン２２，２３、隔壁２４、
油室２５，２６及び油路２７，２８は油圧手段を構成す
る。

【００１８】次にこの実施例の作用を説明する。

【００１９】図１及び図４は各ブレード８の中ピッチ状
態を示す。この状態では、可動シリンダ１２の隔壁２４
が前，後部ピストン２２、２３間の中央にくる中間位置
に保持される。偏心ピン１６は、取付軸９の後方に位置
され、調節輪１４の軸線Ａからプロペラ４の回転方向Ｂ
へ略４５°離隔される。

【００２０】いま、図示しない制御弁の操作により後部
油室２６の圧力を解放しつゝ前部油室２５に圧油を供給
すれば、可動シリンダ１２は調節輪１４を伴って後方（
図１では右方）へ移動する。すると調節輪１４は共通の
環状溝１５に係合した駒１７を介して全ての偏心ピン１
６を後方及び側方へ駆動するので、それに伴い各取付軸
９はその軸線周りに回転し、全てのブレード８に低ピッ
チ側への角変位を一挙に与えることができる。

【００２１】また反対に、前部油室２５の圧力を解放し
つゝ後部油室２６に圧油を供給すれば、可動シリンダ１
２は調節輪１４を伴って前方（図１で左方）へ移動し、
駒１７を介して偏心ピン１６を前方及び側方へ駆動して
取付軸９をその軸線周りに回転させる。これにより全て
のブレード８に高ピッチ側への角変位を与えることは明
らかであろう。

【００２２】このようなピッチ調節中、駒１７は環状溝
１５内を摺動し、この駒１７に対して偏心ピン１６は回
転する。従って、調節輪１４の軸方向移動に応じて偏心
ピン１６の駆動をスムーズに行うことができる。また方
形断面の駒１７は環状溝１５の側壁に対し広い面積をも
って接触を保持しているから、その接触部の面圧は低く
、したがって摩耗が少なく耐久性の確保に有効である。

【００２３】ハブ３によるプロペラ４の回転駆動中は、
拘束ピン２０を介して調節輪１４もプロペラ４と同期回
転させられる。この調節輪１４は単にベアリング１３を
介して可動シリンダ１２に連結されているので、プロペ
ラ４の回転に伴って可動シリンダ１２が回転することは
ない。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明の第１の特徴によれ
ば、駆動軸により駆動可能な筒状のハブに、プロペラの
複数の放射状ブレードの取付軸を回転可能に取付け、各
取付軸の端部に突設された偏心ピンを、ハブに同心上に
配設されて軸方向へ移動可能な調節輪外周に画成された
環状溝に保持し、取付軸を調節輪の軸方向偏位に応じて
偏心ピンを介して取付軸軸線周りに回転し得るので、調
節輪を軸方向へ移動すると、共通の環状溝に係合した複
数の偏心ピンはすべて調節輪の軸方向及び周方向へ駆動
され、これにより全ての取付軸をそれぞれの軸線周りに
回転させることになり、全てのブレードのピッチを一挙
に調節することができる。しかも調節輪は単純形状の環
状溝を有し、それに各ブレード軸の偏心ピンが係合する
だけであるから構造が簡単であるのみならず、加工が容
易であり、コストの低減に大いに寄与し得る。

【００２５】また第２の特徴によれば、環状溝の一側壁
に偏心ピンの環状溝への通過を許容する切欠を画成し、
この切欠とずれた位置で環状溝に偏心ピンを保持するた
めの拘束手段を調節輪に設けたので、各取付軸に設けら
れた偏心ピンを環状溝側壁の切欠を通して環状溝へ誘導
して装着することができ、組立性が良好であり、しかも
通常、偏心ピンは拘束手段により切欠からずれた位置に
保持されるから、環状溝からの離脱を確実に防止するこ
とができる。

【００２６】さらに第３の特徴によれば、偏心ピンが、
これに回転自在に嵌合した駒を介して環状溝に係合する
ので、偏心ピンと駒との相対回転により調節輪から各偏
心ピンをスムーズに駆動することができ、作動が確実と
なる。

【００２７】さらに第４の特徴によれば、各駒が、環状
溝の両側壁面と面接触に保持される方形断面を有するの
で、駒と環状溝側壁との接触部の面圧を低く抑えること
ができ、したがって摩耗が少なく、耐久性の向上を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】航空機に適用した本発明の一実施例の縦断面図

【図２】図１の要部拡大図

【図３】図１の３−３線拡大断面図

【図４】図１の４−４線拡大断面図

【符号の説明】

１　　　　　　　　　　駆動軸 ３　　　　　　　　　　ハブ ４　　　　　　　　　　プロペラ ５　　　　　　　　　　支持筒 ８　　　　　　　　　　ブレード ９　　　　　　　　　　取付軸 １１　　　　　　　　可動ピッチ機構 １２　　　　　　　　移動手段としての可動シリンダ１
３　　　　　　　　規制手段 １４　　　　　　　　調節輪 １５　　　　　　　　環状溝 １６　　　　　　　　偏心手段としての偏心ピン１７　
　　　　　　　駒 １９　　　　　　　　切欠 ２１　　　　　　　　拘束手段としての位置決め孔２２
〜２８　　油圧手段

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　駆動軸（１）により駆動可能な筒状の
   ハブ（３）に、プロペラ（４）の複数の放射状ブレード
   （８）の取付軸（９）を回転可能に取付け、各取付軸（
   ９）の端部に突設された偏心ピン（１６）を、ハブ（３
   ）に同心上に配設されて軸方向へ移動可能な調節輪（１
   ４）外周に画成された環状溝（１５）に保持し、取付軸
   （９）を調節輪（１４）の軸方向偏位に応じて偏心ピン
   （１６）を介して取付軸（９）軸線周りに回転し得るよ
   うにしたことを特徴とする、プロペラの可変ピッチ機構
   。
2. 【請求項２】　　環状溝（１５）の一側壁に偏心ピン（
   １６）の環状溝（１５）への通過を許容する切欠（１９
   ）を画成し、この切欠（１９）とずれた位置で環状溝（
   １５）に偏心ピン（１６）を保持するための拘束手段（
   ２１）を調節輪（１４）に設けてなる、請求項１記載の
   プロペラの可変ピッチ機構。
3. 【請求項３】　　偏心ピン（１６）が、これに回転自在
   に嵌合した駒（１７）を介して環状溝（１５）に係合す
   る、請求項１記載のプロペラの可変ピッチ機構。
4. 【請求項４】　　各駒（１７）が、環状溝（１５）の両
   側壁面と面接触に保持される方形断面を有する、請求項
   ３記載のプロペラの可変ピッチ機構。
5. 【請求項５】　　プロペラ（４）を駆動すべく駆動可能
   な筒状のハブ（３）に回転可能に取付けられる取付軸（
   ９）を有する複数の放射状ブレード（８）と、各取付軸
   （９）に設けられた偏心手段（１６）と、前記筒状のハ
   ブ（３）と共に回転すべく該ハブ（３）に配設された調
   節輪（１４）と、この調節輪（１４）に画成され前記偏
   心手段（１６）が係合する環状溝（１５）と、前記ブレ
   ード（８）のピッチを調整するために、偏心手段（１６
   ）と環状溝（１５）の係合を介して取付軸（９）をその
   軸線周りに回転させるべく前記調節輪（１４）を軸方向
   に選択的に移動させる移動手段（１２）とを備えること
   を特徴とする、プロペラの可変ピッチ機構。
6. 【請求項６】　　前記偏心手段は、各取付軸（９）の一
   端に突設された偏心ピン（１６）から成る、請求項５記
   載のプロペラの可変ピッチ機構。
7. 【請求項７】　　前記偏心ピン（１６）は、該ピンが回
   転自在に嵌合した駒１７）を介して環状溝（１５）に係
   合する、請求項６記載のプロペラの可変ピッチ機構。
8. 【請求項８】　　各駒（１７）は環状溝（１５）を画成
   する両側壁面と面接触に保持される方形断面を有する、
   請求項７記載のプロペラの可変ピッチ機構。
9. 【請求項９】　　前記移動手段は、シリンダ（１２）か
   らなり、前記調節輪（１４）は、これとシリンダ（１２
   ）との相対回転を許容しつゝ、軸方向相対移動を規制す
   る規制手段（１３）を介してシリンダ（１２）に取付け
   られ、シリンダ（１２）は、これと協働して該シリンダ
   （１２）を軸方向に移動させる油圧手段（２２〜２８）
   を有する、請求項５記載のプロペラの可変ピッチ機構。