JPH04312243A - 二軸バランサを備えた直列二気筒エンジン - Google Patents
二軸バランサを備えた直列二気筒エンジンInfo
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- JPH04312243A JPH04312243A JP10207591A JP10207591A JPH04312243A JP H04312243 A JPH04312243 A JP H04312243A JP 10207591 A JP10207591 A JP 10207591A JP 10207591 A JP10207591 A JP 10207591A JP H04312243 A JPH04312243 A JP H04312243A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸バランサを備えた
直列二気筒エンジンに関する。 【0002】 【従来技術】従来、二軸バランサを備えた直列二気筒エ
ンジンでは、クランクピンアングルは0゜または180
゜になっており、二軸バランサはクランク軸の回転速度
と同速で回転するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、次
の問題がある。■クランクピンアングルが180゜の場
合、クランク角0゜の時に第一気筒の爆発が起こると、
クランク角180゜の時に第二気筒の爆発が起こり、ク
ランク角720゜の時に第一気筒の爆発が起こる。この
ため、各爆発の間隔は180゜、540゜となり、その
差が大きく、爆発音の発生状態や運転状態が滑らかでな
い。 【0004】■クランクピンアングルが0゜・180゜
いずれの場合でも、二軸バランサをクランク軸の回転速
度と同速度で回転させた場合、二次の慣性力が残る。こ
の場合、バランサの回転速度を増速することによりこれ
を回避することもできるが、この場合には、クランクギ
ヤが大きくなり、エンジンが大型化するため、実用的で
はない。 【0005】本発明は、爆発音の発生状態や運転状態を
滑らかにすること、慣性力の釣り合いによって振動の軽
減を図ること、をその課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明では、図1に例示
するように、第一気筒1のクランクピン1cの回転軌跡
1dの周囲に第二バランサ20を配置し、第二気筒2の
クランクピン2cの回転軌跡2d(1dと2dは図1で
は重なり合うが、2dは1dよりも紙面奥側に位置する
)の周囲に第一バランサ10を配置し、クランク軸軸心
3aから等距離R離れた位置に第一バランサ軸10aと
第二バランサ軸20aを振り分けて配置し、クランク軸
軸心3aから等距離R離れた位置に第一バランサ軸10
aと第二バランサ軸20aを振り分けて配置し、各バラ
ンサ10・20を、クランク軸3の回転方向3bと逆方
向10b・20bで、かつクランク軸3の回転速度と同
速で回転させるように構成した、二軸バランサを備えた
直列二気筒エンジンにおいて、次の構成を特徴とする。 【0007】第一気筒1のクランクピン1cに対して第
二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進める。ラ
イナ中心線3cの上死点側を起点とした第一気筒1のク
ランクピン1cの位相をθ、第二気筒2のクランクピン
2cの位相をθ+90゜、第一バランサ軸10a下側の
鉛直線10cを起点とした第一バランサ10の位相をθ
10、第二バランサ軸20a下側の鉛直線20cを起点
とした第二バランサ20の位相をθ20として、第一バ
ランサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピン2
cの位相θ+90゜と等しくなるようにし、第二バラン
サ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1cの
位相θと等しくなるようにし、前記両バランサ軸10a
・20aの振り分け角度γを90゜とする。 【0008】クランク軸3の各カウンタウェイト1e・
2eのオーバーバランスk1が1/2となるようにする
。各バランサ10・20のオーバーバランスk2が1/
2となるようにする。 【0009】 【作用】■クランクピンアングルが90゜になるので、
クランク角0゜の時に第一気筒1の爆発が起こると、ク
ランク角450゜の時に第二気筒2の爆発が起こり、ク
ランク角720゜の時に第一気筒1の爆発が起こる。こ
のため、各爆発の間隔は450゜、270゜となり、ク
ランクピンアングルが180゜の場合に比べてその差が
小さく、各爆発の間隔がより等間隔に近づき、爆発音の
発生状態や運転状態が滑らかさになる。 【0010】■第一気筒1のクランクピン1cに対して
第二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進め、第
一バランサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピ
ン2cの位相θ+90゜と等しくなるようにし、第二バ
ランサ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1
cの位相θと等しくなるようにし、クランク軸3の各カ
ウンタウェイト1e・2eのオーバーバランスk1が1
/2,各バランサ10・20のオーバーバランスk2が
1/2となるようにしたので、エンジンの縦振動と横振
動、エンジンのクランク軸軸長方向のピッチング、エン
ジンの縦軸回りの回転モーメントをそれぞれ軽減するこ
とができる。 【0011】■第一バランサ10の位相θ10がθ+9
0゜、第二バランサ20の位相θ20がθとなるように
し、両バランサ軸10a・20aの振り分け角度γが9
0゜となるようにしたので、各バランサ10・20の回
転によって生じるクランク軸軸心3a回りの回転モーメ
ントを0にできる。 【0012】[作用■・■が成り立つ理由]上記作用■
・■が成り立つ理由を図1に基づいて説明する。まず、
各気筒の往復起振力等を求める。 【0013】ライナ中心線3cの上死点側を起点とした
第一気筒1のクランクピン1cの位相をθとした時、第
一気筒1のピストン1a及びコンロッド小端部1bの往
復起振力Fは、次式(I)で表される。但し、4次以下
は無視する。 F=mr0ω2[cosθ+cos2θ/λ]/g…(
I)ここで、mは第一気筒1のピストン1a及びコンロ
ッド小端部1bの質量である。r0はクランク半径であ
る。 ωはクランク軸3の角速度である。λはコンロッド4の
長さs(図示せず)とクランク半径r0の比s/r0、
gは重力加速度である。以下同様とする。 【0014】第一気筒1のクランクピン1cに対して第
二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進めた場合
、第二気筒2のピストン2a及びコンロッド小端部2b
の往復起振力fは、次式(II)で表される。但し、4
次以下は無視する。 f=mr0ω2[cos(θ+90゜)+co
s2(θ+90゜)/λ]/g …(II)ここで、
mは第二気筒2のピストン1aとコンロッド小端部1b
の質量である。尚、第一気筒1における積mr0の値と
第二気筒2における積mr0の値とは等しい。以下同様
とする。 【0015】第一気筒1のクランクピン1c及びコンロ
ッド大端部1dの遠心力をF0、カウンタウェイト1e
の遠心力をF1、第二気筒2のクランクピン2c及びコ
ンロッド大端部2dの遠心力をf0、カウンタウェイト
1eの遠心力をf1として、第一気筒1のカウンタウェ
イト1eの実質的な遠心力F1−F0、第二気筒2のカ
ウンタウェイト2eの実質的な遠心力f1−f0は、次
式(III)で表される。 F1−F0=f1−f0=(m1r1−m0r
0)ω2/g …(III)ここで、m1は第一
気筒1のカウンタウェイト1eの質量、または第二気筒
2のカウンタウェイト2eの質量である。r1は各カウ
ンタウェイト1e・2eの回転半径である。m0は第一
気筒1のクランクピン1c及びコンロッド大端部1dの
質量、または第二気筒2のクランクピン2c及びコンロ
ッド大端部2dの質量である。以下同様とする。 【0016】第一バランサ10の遠心力P1、第二バラ
ンサ20の遠心力P2は次式(IV)で表される。 P1=P2=m2r2ω2/g …(IV)ここで、
m2は第一バランサ10または第二バランサ20の質量
である。r2は各バランサ10・20の回転半径である
。以下同様とする。 【0017】(作用■が成り立つ理由)第一気筒1のク
ランクピン1cに対して第二気筒2のクランクピン2c
の位相を90゜進め、第一バランサ10の位相θ10が
第二気筒2のクランクピン2cの位相θ+90゜と等し
くなるようにし、第二バランサ20の位相θ20が第一
気筒1のクランクピン1cの位相θと等しくなるように
した場合、エンジンの縦振動と横振動、エンジンのクラ
ンク軸軸長方向のピッチング、エンジンの縦軸回りの回
転モーメントは次のようになる。 【0018】(エンジンの縦振動について)エンジンの
縦方向(図中x方向)の力の釣り合い式xは、次式(V
)で表される。符号は上向きを+とする。 x=F+f−(F1−F0)cosθ−(f1−f
0)cos(θ+90゜) −P1cos(
θ+90゜)−P2cosθ …(V)【001
9】式(V)に式(I)〜式(IV)を代入すると、次
式(VI)が得られる。 x=mr0ω2[cosθ+cos2θ/λ]/g
+mr0ω2[cos(θ+90゜)+c
os2(θ+90゜)/λ]/g −(m1
r1−m0r0)ω2cosθ/g −(m
1r1−m0r0)ω2cos(θ+90゜)/g
−m2r2ω2cos(θ+90゜)/g
−m2r2ω2cosθ/g =mr0
ω2[cosθ+cos2θ/λ]/g +
mr0ω2[−sinθ−cos2θ/λ]/g
−(m1r1−m0r0)ω2cosθ/g
+(m1r1−m0r0)ω2sinθ/g
+m2r2ω2sinθ/g −
m2r2ω2cosθ/g =mr0ω2[co
sθ−sinθ]/g −(m1r1−m0
r0)ω2(cosθ−sinθ)/g −
m2r2ω2[cosθ−sinθ]/g =m
r0ω2[cosθ−sinθ]/g −(
mr0ω2[cosθ−sinθ]/g)[(m1r1
−m0r0)/mr0] −(mr0ω2[
cosθ−sinθ]/g)(m2r2/mr0)
…(VI)【0020】この場合に、クランク軸3の各
カウンタウェイト1e・2eのオーバーバランス(m1
r1−m0r0)/mr0をk1と置き、各バランサ1
0・20のオーバーバランスm2r2/mr0をk2と
置くと、式(VI)は次式(VII)で表される。 x=(mr0ω2[cosθ−sinθ]/g)[
1−k1−k2] …(VII)【0021】こ
こで、k1=1/2,k2=1/2の時、x=0となる
。したがって、第一気筒1のクランクピン1cに対して
第二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進め、第
一バランサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピ
ン2cの位相θ+90゜と等しくなるようにし、第二バ
ランサ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1
cの位相θと等しくなるようにし、クランク軸3の各カ
ウンタウェイト1e・2eのオーバーバランスk1が1
/2,各バランサ10・20のオーバーバランスk2が
1/2となるようにした時に、エンジンの一次・二次の
縦振動が0になることが解る。 【0022】(エンジンの横振動について)エンジンの
横方向(図中y軸方向)の力の釣り合い式yは、次式(
VIII)で表される。符号は右向きを+とする。 y=−(F1−F0)sinθ−(f1−f0)s
in(θ+90゜) +P1sin(θ+9
0゜)+P2sinβ …(VIII)【002
3】式(VIII)に式(III)・(IV)を代入す
ると、次式(IX)が得られる。 y=−(m1r1−m0r0)ω2sinθ/g
−(m1r1−m0r0)ω2sin(θ+
90゜)/g +m2r2ω2sin(θ+
90゜)/g +m2r2ω2sinθ/g
=−(m1r1−m0r0)ω2sinθ
/g −(m1r1−m0r0)ω2cos
θ/g +m2r2ω2cosθ/g
+m2r2ω2sinθ/g =−(m1
r1−m0r0)ω2(sinθ+cosθ)/g
+m2r2ω2[sinθ+cosθ]/g
=−(mr0ω2[sinθ+cosθ]/g)
[(m1r1−m0r0)/mr0] +(
mr0ω2[sinθ+cosθ]/g)(m2r2/
mr0) …(IX)【0024】この場合に、クラ
ンク軸3の各カウンタウェイト1e・2eのオーバーバ
ランス(m1r1−m0r0)/mr0をk1と置き、
各バランサ10・20のオーバーバランスm2r2/m
r0をk2と置くと、式(IX)は次式(X)で表され
る。 y=(mr0ω2[cosθ+sinθ]/g)[
−k1+k2] …(X)【0025】ここで、
k1=1/2,k2=1/2の時、y=0となる。した
がって、第一気筒1のクランクピン1cに対して第二気
筒2のクランクピン2cの位相を90゜進め、第一バラ
ンサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピン2c
の位相θ+90゜と等しくなるようにし、更に第二バラ
ンサ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1c
の位相θと等しくなるようにし、クランク軸3の各カウ
ンタウェイト1e・2eのオーバーバランスk1が1/
2,各バランサ10・20のオーバーバランスk2が1
/2となるようにした時に、エンジンの一次・二次の横
振動が0になることが解る。 【0026】(エンジンのクランク軸軸長方向のピッチ
ングについて)エンジンのy軸回りの回転モーメントM
yは次式(XI)で表される。符号は反時計回りを+と
する。 My=[F−(F1−F0)cosθ−P2cos
θ](d/2) −[f−(f1−f0)cos(θ
+90゜)−P1cos(θ+90゜)](d/2)
…(XI)ここで、dは図2
に示す各気筒1・2間の距離である。 【0027】式(XI)に式(I)〜(IV)を代入し
、クランク軸3のカウンタウェイト1e・2eのオーバ
ーバランス(m1r1−m0r0)/mr0をk1と置
き、各バランサ10・20のオーバーバランスm2r2
/mr0をk2と置くと、式(XI)は次式(XII)
で表される。 My=(mr0ω2/g)[cosθ+cos2θ
/λ−k1cosθ−k2cosθ](d/2)
−(mr0ω2/g)[cos(θ+90゜)+
cos2(θ+90゜)/λ
−k1cos(θ+90゜)−k2cos
(θ+90゜)](d/2)
…(
XII)【0028】ここで、k1=1/2,k=1/
2の時、式(XII)は次式(XIII)で表される。 My=(mr0ω2/g)[cosθ+cos2θ
/λ−(1/2)cosθ−(1/2)cosθ](d
/2) −(mr0ω2/g)[cos(θ
+90゜)+cos2(θ+90゜)/λ
−(1/2)cos(θ+9
0゜)−(1/2)cos(θ+90゜)](d/2)
=(mr0ω2/g)[cos2θ/λ]
(d/2) −(mr0ω2/g)[c
os2(θ+90゜)/λ](d/2) =
(mr0ω2/g)[cos2θ/λ−cos2(θ+
90゜)/λ](d/2) =(mr0ω2
/g)[cos2θ/λ+cos2θ/λ](d/2)
=(mr0ω2/g)[cos2θ/λ]
d …(XIII)【0029】したがって、第
一気筒1のクランクピン1cに対して第二気筒2のクラ
ンクピン2cの位相を90゜進め、第一バランサ10の
位相θ10が第二気筒2のクランクピン2cの位相θ+
90゜と等しくなるようにし、更に第二バランサ20の
位相θ20が第一気筒1のクランクピン1cの位相θと
等しくなるようにし、クランク軸3の各カウンタウェイ
ト1e・2eのオーバーバランスk1が1/2,各バラ
ンサ10・20のオーバーバランスk2が1/2となる
ようにした時に、エンジンのy軸回りの回転モーメント
は一次が0になることが解る。この場合、二次以下のも
のが残るが、これらは一次に比べ著しく小さい。 【0030】(エンジンの縦軸回りの回転モーメントに
ついて)エンジンの縦軸(図中x軸)回りのモーメント
Mxは次式(XIV)で表される。 Mx=[−(F1−F0)sinθ+P2sinθ
](d/2) −[(f1−f0)sin(
θ+90゜)−P1sin(θ+90゜)](d/2)
…(XIV)【0031】式(XI
V)に式(II)〜(IV)を代入し、クランク軸3の
各カウンタウェイト1e・2eのオーバーバランス(m
1r1−m0r0)/mr0をk1と置き、各バランサ
10・20のオーバーバランスm2r2/mr0をk2
と置くと、式(XIV)は次式(XV)で表される。 Mx=(mr0ω2/g)[−k1sinθ+k2
sinθ](d/2) −[k1sin(θ
+90゜)−k2sin(θ+90゜)](d/2)…
(XV) 【0032】ここで、k1=1/2,k=
1/2の時、式(XV)は次式(XVI)で表される。 Mx=(mr0ω2/g)[−(1/2)sinθ
+(1/2)sinθ](d/2) −
[(1/2)sin(θ+90゜)−(1/2)sin
(θ+90゜)](d/2) =0
…(XVI)【0033】したがって、第一気
筒1のクランクピン1cに対して第二気筒2のクランク
ピン2cの位相を90゜進め、第一バランサ10の位相
θ10が第二気筒2のクランクピン2cの位相θ+90
゜と等しくなるようにし、更に第二バランサ20の位相
θ20が第一気筒1のクランクピン1cの位相θと等し
くなるようにし、クランク軸3の各カウンタウェイト1
e・2eのオーバーバランスk1が1/2,各バランサ
10・20のオーバーバランスk2が1/2となるよう
にした時に、エンジンの一次・二次の縦軸回りのモーメ
ントは0になることが解る。 【0034】(作用■が成り立つ理由)第一バランサ1
0の位相θ10がθ+90゜、第二バランサ20の位相
θ20がθとなるようにし、両バランサ軸10a・20
aの振り分け角度γが90゜となるようにした場合、第
一バランサ10・第二バランサ20の回転によって生じ
るクランク軸軸心3a回りの回転モーメントの総和M0
は次式(XVII)で表される。回転モーメントの符号
は反時計回りを+とする。 ここで、δはライナ中心線3cからの第一バランサ軸1
0aの振り角である。Rはクランク軸軸心3aからの各
バランサ軸10a・20aまでの距離である。 【0035】式(XVII)に式(IV)を代入すると
、式(XVII)は次式(XVIII)で表される。 M0 =(m2r2ω2/g)[cos(θ+δ)
−cos(θ+δ)] =0 …(X
VIII)【0036】したがって、第一バランサ10
の位相θ10がθ+90゜、第二バランサ20の位相θ
20がθとなるようにし、両バランサ軸10a・20a
の振り分け角度γが90゜となるようにした時に、第一
バランサ10・第二バランサ20の回転によって生じる
クランク軸軸心3a回りの回転モーメントの総和が0に
なることが解る。 【0037】 【発明の効果】■クランクピンアングルが90゜になる
ので、クランク角0゜の時に第一気筒の爆発が起こり、
クランク角450゜の時に第二気筒の爆発が起こり、ク
ランク角720゜の時に第一気筒の爆発が起こる。この
ため、各爆発の間隔は450゜,270゜となり、クラ
ンクピンアングルが180゜の場合に比べ、その差が小
さく、各爆発の間隔がより等間隔に近づき爆発音の発生
状態や運転状態が滑らかさになる。 【0038】■第一気筒1のクランクピン1cに対して
第二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進め、第
一バランサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピ
ン2cの位相θ+90゜と等しくなるようにし、第二バ
ランサ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1
cの位相θと等しくなるようにし、クランク軸3の各カ
ウンタウェイト1e・2eのオーバーバランスk1が1
/2,各バランサ10・20のオーバーバランスk2が
1/2となるようにしたので、エンジンの縦振動と横振
動、エンジンのクランク軸軸長方向のピッチング、エン
ジンの縦軸回りの回転モーメントをそれぞれ軽減するこ
とができる。 【0039】■第一バランサ10の位相θ10がθ+9
0゜、第二バランサ20の位相θ20がθとなるように
し、両バランサ軸10a・20aの振り分け角度γが9
0゜となるようにしたので、各バランサ10・20の回
転によって生じるクランク軸軸心3a回りの回転モーメ
ントの総和を0にできる。 【0040】 【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 図1は本考案の実施例に係る二軸バランサを備えた直列
二気筒エンジンの正面の模式図である。図2は図1の側
面図である。 【0041】このエンジンでは、第一気筒1と第二気筒
2とを直列に配置している。第一気筒1の構成要素は次
の通りである。符号1aはピストン、1bはコンロッド
小端部、1cはクランクピン、1dはコンロッド大端部
、1eはカウンタウェイトを示している。第二気筒2の
構成要素は次の通りである。符号2aはピストン、2b
はコンロッド小端部、2cはクランクピン、2dはコン
ロッド大端部、2eはカウンタウェイトを示している。 【0042】第一気筒1のピストン1a及びコンロッド
小端部1bの質量mとクランク半径r0の積mr0の値
と、第二気筒2のピストン2a及びコンロッド小端部2
bの質量mとクランク半径r0の積mr0の値は等しく
してある。第一気筒1のクランクピン1c及びコンロッ
ド大端部1dの質量m0とクランク半径r0の積m0r
0の値と、第二気筒2のクランクピン2c及びコンロッ
ド大端部2dの質量m0とクランク半径r0の積m0r
0の値は等しくしてある。第一気筒1のカウンタウェイ
ト1eの質量m1とその回転半径r1の積m1r1の値
と、第二気筒2のカウンタウェイト2eの質量m1とそ
の回転半径r1の積m1r1の値は等しくしてある。 【0043】第一気筒1のクランクピン1cの回転軌跡
1dの周囲に第二バランサ20を配置し、第二気筒2の
クランクピン2cの回転気筒2d(1dと2dは図1で
は重なり合うが、2dは1dよりも紙面奥側に位置する
)の周囲に第一バランサ10を配置し、クランク軸軸心
3aから等距離R離れた位置に第一バランサ軸10aと
第二バランサ軸20aとを振り分けて配置してある。 第一バランサ10の質量m2とその回転半径r2の積m
2r2の値と、第二バランサ20の質量m2とその回転
半径r2の積m2r2の値は等しくしてある。 【0044】各バランサ10・20は歯車伝動機構(図
外)を介してクランク軸3に連動連結してある。クラン
ク軸3の回転方向3bは時計回りである。各バランサ1
0・20の回転方向10b・20cは反時計回りである
。クランク軸3の回転速度と各バランサ10・20の回
転速度はいずれも等しい。 【0045】第一気筒1のクランクピン1cに対して第
二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進めてある
。 【0046】ライナ中心線3cの上死点側を起点とした
第一気筒1のクランクピン1cの位相をθ、第二気筒2
のクランクピン2cの位相をθ+90゜、第一バランサ
軸10a下側の鉛直線10cを起点とした第一バランサ
10の位相θ10、第二バランサ軸20a下側の鉛直線
20cを起点とした第二バランサ20の位相θ20、と
して、第一バランサ10の位相θ10が第二気筒2のク
ランクピン2cの位相θ+90゜と等しくなるようにし
、第二バランサ20の位相θ20が第一気筒1のクラン
クピン1cの位相θと等しくなるようにし、両バランサ
軸10a・20aの振り分け角度γを90゜としてある
。 【0047】クランク軸3の各カウンタウェイト1e・
2eのオーバーバランス(m1r1−m0r0)/mr
0をk1とし、更に、各バランサ10・20のオーバー
バランスm2r2/mr0をk2として、k1を1/2
,k2を1/2に設定してある。
直列二気筒エンジンに関する。 【0002】 【従来技術】従来、二軸バランサを備えた直列二気筒エ
ンジンでは、クランクピンアングルは0゜または180
゜になっており、二軸バランサはクランク軸の回転速度
と同速で回転するようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、次
の問題がある。■クランクピンアングルが180゜の場
合、クランク角0゜の時に第一気筒の爆発が起こると、
クランク角180゜の時に第二気筒の爆発が起こり、ク
ランク角720゜の時に第一気筒の爆発が起こる。この
ため、各爆発の間隔は180゜、540゜となり、その
差が大きく、爆発音の発生状態や運転状態が滑らかでな
い。 【0004】■クランクピンアングルが0゜・180゜
いずれの場合でも、二軸バランサをクランク軸の回転速
度と同速度で回転させた場合、二次の慣性力が残る。こ
の場合、バランサの回転速度を増速することによりこれ
を回避することもできるが、この場合には、クランクギ
ヤが大きくなり、エンジンが大型化するため、実用的で
はない。 【0005】本発明は、爆発音の発生状態や運転状態を
滑らかにすること、慣性力の釣り合いによって振動の軽
減を図ること、をその課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明では、図1に例示
するように、第一気筒1のクランクピン1cの回転軌跡
1dの周囲に第二バランサ20を配置し、第二気筒2の
クランクピン2cの回転軌跡2d(1dと2dは図1で
は重なり合うが、2dは1dよりも紙面奥側に位置する
)の周囲に第一バランサ10を配置し、クランク軸軸心
3aから等距離R離れた位置に第一バランサ軸10aと
第二バランサ軸20aを振り分けて配置し、クランク軸
軸心3aから等距離R離れた位置に第一バランサ軸10
aと第二バランサ軸20aを振り分けて配置し、各バラ
ンサ10・20を、クランク軸3の回転方向3bと逆方
向10b・20bで、かつクランク軸3の回転速度と同
速で回転させるように構成した、二軸バランサを備えた
直列二気筒エンジンにおいて、次の構成を特徴とする。 【0007】第一気筒1のクランクピン1cに対して第
二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進める。ラ
イナ中心線3cの上死点側を起点とした第一気筒1のク
ランクピン1cの位相をθ、第二気筒2のクランクピン
2cの位相をθ+90゜、第一バランサ軸10a下側の
鉛直線10cを起点とした第一バランサ10の位相をθ
10、第二バランサ軸20a下側の鉛直線20cを起点
とした第二バランサ20の位相をθ20として、第一バ
ランサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピン2
cの位相θ+90゜と等しくなるようにし、第二バラン
サ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1cの
位相θと等しくなるようにし、前記両バランサ軸10a
・20aの振り分け角度γを90゜とする。 【0008】クランク軸3の各カウンタウェイト1e・
2eのオーバーバランスk1が1/2となるようにする
。各バランサ10・20のオーバーバランスk2が1/
2となるようにする。 【0009】 【作用】■クランクピンアングルが90゜になるので、
クランク角0゜の時に第一気筒1の爆発が起こると、ク
ランク角450゜の時に第二気筒2の爆発が起こり、ク
ランク角720゜の時に第一気筒1の爆発が起こる。こ
のため、各爆発の間隔は450゜、270゜となり、ク
ランクピンアングルが180゜の場合に比べてその差が
小さく、各爆発の間隔がより等間隔に近づき、爆発音の
発生状態や運転状態が滑らかさになる。 【0010】■第一気筒1のクランクピン1cに対して
第二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進め、第
一バランサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピ
ン2cの位相θ+90゜と等しくなるようにし、第二バ
ランサ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1
cの位相θと等しくなるようにし、クランク軸3の各カ
ウンタウェイト1e・2eのオーバーバランスk1が1
/2,各バランサ10・20のオーバーバランスk2が
1/2となるようにしたので、エンジンの縦振動と横振
動、エンジンのクランク軸軸長方向のピッチング、エン
ジンの縦軸回りの回転モーメントをそれぞれ軽減するこ
とができる。 【0011】■第一バランサ10の位相θ10がθ+9
0゜、第二バランサ20の位相θ20がθとなるように
し、両バランサ軸10a・20aの振り分け角度γが9
0゜となるようにしたので、各バランサ10・20の回
転によって生じるクランク軸軸心3a回りの回転モーメ
ントを0にできる。 【0012】[作用■・■が成り立つ理由]上記作用■
・■が成り立つ理由を図1に基づいて説明する。まず、
各気筒の往復起振力等を求める。 【0013】ライナ中心線3cの上死点側を起点とした
第一気筒1のクランクピン1cの位相をθとした時、第
一気筒1のピストン1a及びコンロッド小端部1bの往
復起振力Fは、次式(I)で表される。但し、4次以下
は無視する。 F=mr0ω2[cosθ+cos2θ/λ]/g…(
I)ここで、mは第一気筒1のピストン1a及びコンロ
ッド小端部1bの質量である。r0はクランク半径であ
る。 ωはクランク軸3の角速度である。λはコンロッド4の
長さs(図示せず)とクランク半径r0の比s/r0、
gは重力加速度である。以下同様とする。 【0014】第一気筒1のクランクピン1cに対して第
二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進めた場合
、第二気筒2のピストン2a及びコンロッド小端部2b
の往復起振力fは、次式(II)で表される。但し、4
次以下は無視する。 f=mr0ω2[cos(θ+90゜)+co
s2(θ+90゜)/λ]/g …(II)ここで、
mは第二気筒2のピストン1aとコンロッド小端部1b
の質量である。尚、第一気筒1における積mr0の値と
第二気筒2における積mr0の値とは等しい。以下同様
とする。 【0015】第一気筒1のクランクピン1c及びコンロ
ッド大端部1dの遠心力をF0、カウンタウェイト1e
の遠心力をF1、第二気筒2のクランクピン2c及びコ
ンロッド大端部2dの遠心力をf0、カウンタウェイト
1eの遠心力をf1として、第一気筒1のカウンタウェ
イト1eの実質的な遠心力F1−F0、第二気筒2のカ
ウンタウェイト2eの実質的な遠心力f1−f0は、次
式(III)で表される。 F1−F0=f1−f0=(m1r1−m0r
0)ω2/g …(III)ここで、m1は第一
気筒1のカウンタウェイト1eの質量、または第二気筒
2のカウンタウェイト2eの質量である。r1は各カウ
ンタウェイト1e・2eの回転半径である。m0は第一
気筒1のクランクピン1c及びコンロッド大端部1dの
質量、または第二気筒2のクランクピン2c及びコンロ
ッド大端部2dの質量である。以下同様とする。 【0016】第一バランサ10の遠心力P1、第二バラ
ンサ20の遠心力P2は次式(IV)で表される。 P1=P2=m2r2ω2/g …(IV)ここで、
m2は第一バランサ10または第二バランサ20の質量
である。r2は各バランサ10・20の回転半径である
。以下同様とする。 【0017】(作用■が成り立つ理由)第一気筒1のク
ランクピン1cに対して第二気筒2のクランクピン2c
の位相を90゜進め、第一バランサ10の位相θ10が
第二気筒2のクランクピン2cの位相θ+90゜と等し
くなるようにし、第二バランサ20の位相θ20が第一
気筒1のクランクピン1cの位相θと等しくなるように
した場合、エンジンの縦振動と横振動、エンジンのクラ
ンク軸軸長方向のピッチング、エンジンの縦軸回りの回
転モーメントは次のようになる。 【0018】(エンジンの縦振動について)エンジンの
縦方向(図中x方向)の力の釣り合い式xは、次式(V
)で表される。符号は上向きを+とする。 x=F+f−(F1−F0)cosθ−(f1−f
0)cos(θ+90゜) −P1cos(
θ+90゜)−P2cosθ …(V)【001
9】式(V)に式(I)〜式(IV)を代入すると、次
式(VI)が得られる。 x=mr0ω2[cosθ+cos2θ/λ]/g
+mr0ω2[cos(θ+90゜)+c
os2(θ+90゜)/λ]/g −(m1
r1−m0r0)ω2cosθ/g −(m
1r1−m0r0)ω2cos(θ+90゜)/g
−m2r2ω2cos(θ+90゜)/g
−m2r2ω2cosθ/g =mr0
ω2[cosθ+cos2θ/λ]/g +
mr0ω2[−sinθ−cos2θ/λ]/g
−(m1r1−m0r0)ω2cosθ/g
+(m1r1−m0r0)ω2sinθ/g
+m2r2ω2sinθ/g −
m2r2ω2cosθ/g =mr0ω2[co
sθ−sinθ]/g −(m1r1−m0
r0)ω2(cosθ−sinθ)/g −
m2r2ω2[cosθ−sinθ]/g =m
r0ω2[cosθ−sinθ]/g −(
mr0ω2[cosθ−sinθ]/g)[(m1r1
−m0r0)/mr0] −(mr0ω2[
cosθ−sinθ]/g)(m2r2/mr0)
…(VI)【0020】この場合に、クランク軸3の各
カウンタウェイト1e・2eのオーバーバランス(m1
r1−m0r0)/mr0をk1と置き、各バランサ1
0・20のオーバーバランスm2r2/mr0をk2と
置くと、式(VI)は次式(VII)で表される。 x=(mr0ω2[cosθ−sinθ]/g)[
1−k1−k2] …(VII)【0021】こ
こで、k1=1/2,k2=1/2の時、x=0となる
。したがって、第一気筒1のクランクピン1cに対して
第二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進め、第
一バランサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピ
ン2cの位相θ+90゜と等しくなるようにし、第二バ
ランサ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1
cの位相θと等しくなるようにし、クランク軸3の各カ
ウンタウェイト1e・2eのオーバーバランスk1が1
/2,各バランサ10・20のオーバーバランスk2が
1/2となるようにした時に、エンジンの一次・二次の
縦振動が0になることが解る。 【0022】(エンジンの横振動について)エンジンの
横方向(図中y軸方向)の力の釣り合い式yは、次式(
VIII)で表される。符号は右向きを+とする。 y=−(F1−F0)sinθ−(f1−f0)s
in(θ+90゜) +P1sin(θ+9
0゜)+P2sinβ …(VIII)【002
3】式(VIII)に式(III)・(IV)を代入す
ると、次式(IX)が得られる。 y=−(m1r1−m0r0)ω2sinθ/g
−(m1r1−m0r0)ω2sin(θ+
90゜)/g +m2r2ω2sin(θ+
90゜)/g +m2r2ω2sinθ/g
=−(m1r1−m0r0)ω2sinθ
/g −(m1r1−m0r0)ω2cos
θ/g +m2r2ω2cosθ/g
+m2r2ω2sinθ/g =−(m1
r1−m0r0)ω2(sinθ+cosθ)/g
+m2r2ω2[sinθ+cosθ]/g
=−(mr0ω2[sinθ+cosθ]/g)
[(m1r1−m0r0)/mr0] +(
mr0ω2[sinθ+cosθ]/g)(m2r2/
mr0) …(IX)【0024】この場合に、クラ
ンク軸3の各カウンタウェイト1e・2eのオーバーバ
ランス(m1r1−m0r0)/mr0をk1と置き、
各バランサ10・20のオーバーバランスm2r2/m
r0をk2と置くと、式(IX)は次式(X)で表され
る。 y=(mr0ω2[cosθ+sinθ]/g)[
−k1+k2] …(X)【0025】ここで、
k1=1/2,k2=1/2の時、y=0となる。した
がって、第一気筒1のクランクピン1cに対して第二気
筒2のクランクピン2cの位相を90゜進め、第一バラ
ンサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピン2c
の位相θ+90゜と等しくなるようにし、更に第二バラ
ンサ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1c
の位相θと等しくなるようにし、クランク軸3の各カウ
ンタウェイト1e・2eのオーバーバランスk1が1/
2,各バランサ10・20のオーバーバランスk2が1
/2となるようにした時に、エンジンの一次・二次の横
振動が0になることが解る。 【0026】(エンジンのクランク軸軸長方向のピッチ
ングについて)エンジンのy軸回りの回転モーメントM
yは次式(XI)で表される。符号は反時計回りを+と
する。 My=[F−(F1−F0)cosθ−P2cos
θ](d/2) −[f−(f1−f0)cos(θ
+90゜)−P1cos(θ+90゜)](d/2)
…(XI)ここで、dは図2
に示す各気筒1・2間の距離である。 【0027】式(XI)に式(I)〜(IV)を代入し
、クランク軸3のカウンタウェイト1e・2eのオーバ
ーバランス(m1r1−m0r0)/mr0をk1と置
き、各バランサ10・20のオーバーバランスm2r2
/mr0をk2と置くと、式(XI)は次式(XII)
で表される。 My=(mr0ω2/g)[cosθ+cos2θ
/λ−k1cosθ−k2cosθ](d/2)
−(mr0ω2/g)[cos(θ+90゜)+
cos2(θ+90゜)/λ
−k1cos(θ+90゜)−k2cos
(θ+90゜)](d/2)
…(
XII)【0028】ここで、k1=1/2,k=1/
2の時、式(XII)は次式(XIII)で表される。 My=(mr0ω2/g)[cosθ+cos2θ
/λ−(1/2)cosθ−(1/2)cosθ](d
/2) −(mr0ω2/g)[cos(θ
+90゜)+cos2(θ+90゜)/λ
−(1/2)cos(θ+9
0゜)−(1/2)cos(θ+90゜)](d/2)
=(mr0ω2/g)[cos2θ/λ]
(d/2) −(mr0ω2/g)[c
os2(θ+90゜)/λ](d/2) =
(mr0ω2/g)[cos2θ/λ−cos2(θ+
90゜)/λ](d/2) =(mr0ω2
/g)[cos2θ/λ+cos2θ/λ](d/2)
=(mr0ω2/g)[cos2θ/λ]
d …(XIII)【0029】したがって、第
一気筒1のクランクピン1cに対して第二気筒2のクラ
ンクピン2cの位相を90゜進め、第一バランサ10の
位相θ10が第二気筒2のクランクピン2cの位相θ+
90゜と等しくなるようにし、更に第二バランサ20の
位相θ20が第一気筒1のクランクピン1cの位相θと
等しくなるようにし、クランク軸3の各カウンタウェイ
ト1e・2eのオーバーバランスk1が1/2,各バラ
ンサ10・20のオーバーバランスk2が1/2となる
ようにした時に、エンジンのy軸回りの回転モーメント
は一次が0になることが解る。この場合、二次以下のも
のが残るが、これらは一次に比べ著しく小さい。 【0030】(エンジンの縦軸回りの回転モーメントに
ついて)エンジンの縦軸(図中x軸)回りのモーメント
Mxは次式(XIV)で表される。 Mx=[−(F1−F0)sinθ+P2sinθ
](d/2) −[(f1−f0)sin(
θ+90゜)−P1sin(θ+90゜)](d/2)
…(XIV)【0031】式(XI
V)に式(II)〜(IV)を代入し、クランク軸3の
各カウンタウェイト1e・2eのオーバーバランス(m
1r1−m0r0)/mr0をk1と置き、各バランサ
10・20のオーバーバランスm2r2/mr0をk2
と置くと、式(XIV)は次式(XV)で表される。 Mx=(mr0ω2/g)[−k1sinθ+k2
sinθ](d/2) −[k1sin(θ
+90゜)−k2sin(θ+90゜)](d/2)…
(XV) 【0032】ここで、k1=1/2,k=
1/2の時、式(XV)は次式(XVI)で表される。 Mx=(mr0ω2/g)[−(1/2)sinθ
+(1/2)sinθ](d/2) −
[(1/2)sin(θ+90゜)−(1/2)sin
(θ+90゜)](d/2) =0
…(XVI)【0033】したがって、第一気
筒1のクランクピン1cに対して第二気筒2のクランク
ピン2cの位相を90゜進め、第一バランサ10の位相
θ10が第二気筒2のクランクピン2cの位相θ+90
゜と等しくなるようにし、更に第二バランサ20の位相
θ20が第一気筒1のクランクピン1cの位相θと等し
くなるようにし、クランク軸3の各カウンタウェイト1
e・2eのオーバーバランスk1が1/2,各バランサ
10・20のオーバーバランスk2が1/2となるよう
にした時に、エンジンの一次・二次の縦軸回りのモーメ
ントは0になることが解る。 【0034】(作用■が成り立つ理由)第一バランサ1
0の位相θ10がθ+90゜、第二バランサ20の位相
θ20がθとなるようにし、両バランサ軸10a・20
aの振り分け角度γが90゜となるようにした場合、第
一バランサ10・第二バランサ20の回転によって生じ
るクランク軸軸心3a回りの回転モーメントの総和M0
は次式(XVII)で表される。回転モーメントの符号
は反時計回りを+とする。 ここで、δはライナ中心線3cからの第一バランサ軸1
0aの振り角である。Rはクランク軸軸心3aからの各
バランサ軸10a・20aまでの距離である。 【0035】式(XVII)に式(IV)を代入すると
、式(XVII)は次式(XVIII)で表される。 M0 =(m2r2ω2/g)[cos(θ+δ)
−cos(θ+δ)] =0 …(X
VIII)【0036】したがって、第一バランサ10
の位相θ10がθ+90゜、第二バランサ20の位相θ
20がθとなるようにし、両バランサ軸10a・20a
の振り分け角度γが90゜となるようにした時に、第一
バランサ10・第二バランサ20の回転によって生じる
クランク軸軸心3a回りの回転モーメントの総和が0に
なることが解る。 【0037】 【発明の効果】■クランクピンアングルが90゜になる
ので、クランク角0゜の時に第一気筒の爆発が起こり、
クランク角450゜の時に第二気筒の爆発が起こり、ク
ランク角720゜の時に第一気筒の爆発が起こる。この
ため、各爆発の間隔は450゜,270゜となり、クラ
ンクピンアングルが180゜の場合に比べ、その差が小
さく、各爆発の間隔がより等間隔に近づき爆発音の発生
状態や運転状態が滑らかさになる。 【0038】■第一気筒1のクランクピン1cに対して
第二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進め、第
一バランサ10の位相θ10が第二気筒2のクランクピ
ン2cの位相θ+90゜と等しくなるようにし、第二バ
ランサ20の位相θ20が第一気筒1のクランクピン1
cの位相θと等しくなるようにし、クランク軸3の各カ
ウンタウェイト1e・2eのオーバーバランスk1が1
/2,各バランサ10・20のオーバーバランスk2が
1/2となるようにしたので、エンジンの縦振動と横振
動、エンジンのクランク軸軸長方向のピッチング、エン
ジンの縦軸回りの回転モーメントをそれぞれ軽減するこ
とができる。 【0039】■第一バランサ10の位相θ10がθ+9
0゜、第二バランサ20の位相θ20がθとなるように
し、両バランサ軸10a・20aの振り分け角度γが9
0゜となるようにしたので、各バランサ10・20の回
転によって生じるクランク軸軸心3a回りの回転モーメ
ントの総和を0にできる。 【0040】 【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 図1は本考案の実施例に係る二軸バランサを備えた直列
二気筒エンジンの正面の模式図である。図2は図1の側
面図である。 【0041】このエンジンでは、第一気筒1と第二気筒
2とを直列に配置している。第一気筒1の構成要素は次
の通りである。符号1aはピストン、1bはコンロッド
小端部、1cはクランクピン、1dはコンロッド大端部
、1eはカウンタウェイトを示している。第二気筒2の
構成要素は次の通りである。符号2aはピストン、2b
はコンロッド小端部、2cはクランクピン、2dはコン
ロッド大端部、2eはカウンタウェイトを示している。 【0042】第一気筒1のピストン1a及びコンロッド
小端部1bの質量mとクランク半径r0の積mr0の値
と、第二気筒2のピストン2a及びコンロッド小端部2
bの質量mとクランク半径r0の積mr0の値は等しく
してある。第一気筒1のクランクピン1c及びコンロッ
ド大端部1dの質量m0とクランク半径r0の積m0r
0の値と、第二気筒2のクランクピン2c及びコンロッ
ド大端部2dの質量m0とクランク半径r0の積m0r
0の値は等しくしてある。第一気筒1のカウンタウェイ
ト1eの質量m1とその回転半径r1の積m1r1の値
と、第二気筒2のカウンタウェイト2eの質量m1とそ
の回転半径r1の積m1r1の値は等しくしてある。 【0043】第一気筒1のクランクピン1cの回転軌跡
1dの周囲に第二バランサ20を配置し、第二気筒2の
クランクピン2cの回転気筒2d(1dと2dは図1で
は重なり合うが、2dは1dよりも紙面奥側に位置する
)の周囲に第一バランサ10を配置し、クランク軸軸心
3aから等距離R離れた位置に第一バランサ軸10aと
第二バランサ軸20aとを振り分けて配置してある。 第一バランサ10の質量m2とその回転半径r2の積m
2r2の値と、第二バランサ20の質量m2とその回転
半径r2の積m2r2の値は等しくしてある。 【0044】各バランサ10・20は歯車伝動機構(図
外)を介してクランク軸3に連動連結してある。クラン
ク軸3の回転方向3bは時計回りである。各バランサ1
0・20の回転方向10b・20cは反時計回りである
。クランク軸3の回転速度と各バランサ10・20の回
転速度はいずれも等しい。 【0045】第一気筒1のクランクピン1cに対して第
二気筒2のクランクピン2cの位相を90゜進めてある
。 【0046】ライナ中心線3cの上死点側を起点とした
第一気筒1のクランクピン1cの位相をθ、第二気筒2
のクランクピン2cの位相をθ+90゜、第一バランサ
軸10a下側の鉛直線10cを起点とした第一バランサ
10の位相θ10、第二バランサ軸20a下側の鉛直線
20cを起点とした第二バランサ20の位相θ20、と
して、第一バランサ10の位相θ10が第二気筒2のク
ランクピン2cの位相θ+90゜と等しくなるようにし
、第二バランサ20の位相θ20が第一気筒1のクラン
クピン1cの位相θと等しくなるようにし、両バランサ
軸10a・20aの振り分け角度γを90゜としてある
。 【0047】クランク軸3の各カウンタウェイト1e・
2eのオーバーバランス(m1r1−m0r0)/mr
0をk1とし、更に、各バランサ10・20のオーバー
バランスm2r2/mr0をk2として、k1を1/2
,k2を1/2に設定してある。
【図1】本発明の実施例に係る二軸バランサを備えた直
列二気筒エンジンの正面の模式図である。
列二気筒エンジンの正面の模式図である。
【図2】図2は図1の側面図である。
1…第一気筒、1c…1のクランクピン、1d…1cの
回転軌跡、1e…1のカウンタウェイト、2…第二気筒
、2c…2のクランクピン、2d…2cの回転軌跡、2
e…2のカウンタウェイト、3…クランク軸、3a…ク
ランク軸軸心、3b…3の回転方向、3c…ライナ中心
線、10…第一バランサ、10a…第一バランサ軸、1
0b…10の回転方向、10c…10a下側の鉛直線、
20…第二バランサ、20a…第二バランサ軸、20b
…20の回転方向、20c…20a下側の鉛直線、R…
3aから10a・20aまでの距離、θ…3cの上死点
側を起点とした1cの位相、θ+90゜…3cの上死点
側を起点とした2cの位相、θ10…10cを起点とし
た10の位相、θ20…20cを起点とした20の位相
、γ…10a・20aの振り分け角度、k1…1e・2
eのオーバーバランス、k2…10・20のオーバーバ
ランス。
回転軌跡、1e…1のカウンタウェイト、2…第二気筒
、2c…2のクランクピン、2d…2cの回転軌跡、2
e…2のカウンタウェイト、3…クランク軸、3a…ク
ランク軸軸心、3b…3の回転方向、3c…ライナ中心
線、10…第一バランサ、10a…第一バランサ軸、1
0b…10の回転方向、10c…10a下側の鉛直線、
20…第二バランサ、20a…第二バランサ軸、20b
…20の回転方向、20c…20a下側の鉛直線、R…
3aから10a・20aまでの距離、θ…3cの上死点
側を起点とした1cの位相、θ+90゜…3cの上死点
側を起点とした2cの位相、θ10…10cを起点とし
た10の位相、θ20…20cを起点とした20の位相
、γ…10a・20aの振り分け角度、k1…1e・2
eのオーバーバランス、k2…10・20のオーバーバ
ランス。
Claims (1)
- 【請求項1】 第一気筒(1)のクランクピン(1c
)の回転軌跡(1d)の周囲に第二バランサ(20)を
配置し、第二気筒(2)のクランクピン(2c)の回転
軌跡(2d)の周囲に第一バランサ(10)を配置し、
クランク軸軸心(3a)から等距離R離れた位置に第一
バランサ軸(10a)と第二バランサ軸(20a)を振
り分けて配置し、各バランサ(10)・(20)を、ク
ランク軸(3)の回転方向(3b)と逆方向(10b)
・(20b)で、かつクランク軸(3)の回転速度と同
速で回転させるように構成した、二軸バランサを備えた
直列二気筒エンジンにおいて、第一気筒(1)のクラン
クピン(1c)に対して第二気筒(2)のクランクピン
(2c)の位相を90゜進め、ライナ中心線(3c)の
上死点側を起点とした第一気筒(1)のクランクピン(
1c)の位相をθ、第二気筒(2)のクランクピン(2
c)の位相をθ+90゜、第一バランサ軸(10a)下
側の鉛直線(10c)を起点とした第一バランサ(10
)の位相をθ10、第二バランサ軸(20a)下側の鉛
直線(20c)を起点とした第二バランサ(20)の位
相をθ20として、第一バランサ(10)の位相θ10
が第二気筒(2)のクランクピン(2c)の位相θ+9
0゜と等しくなるようにし、第二バランサ(20)の位
相θ20が第一気筒(1)のクランクピン(1c)の位
相θと等しくなるようにし、両バランサ軸(10a)・
(20a)の振り分け角度γを90゜とし、クランク軸
(3)の各カウンタウェイト(1e)・(2e)のオー
バーバランスk1が1/2となり、各バランサ(10)
・(20)のオーバーバランスk2が1/2となるよう
にした、ことを特徴とする直列二気筒エンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10207591A JPH04312243A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 二軸バランサを備えた直列二気筒エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10207591A JPH04312243A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 二軸バランサを備えた直列二気筒エンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04312243A true JPH04312243A (ja) | 1992-11-04 |
Family
ID=14317656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10207591A Pending JPH04312243A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 二軸バランサを備えた直列二気筒エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04312243A (ja) |
-
1991
- 1991-04-05 JP JP10207591A patent/JPH04312243A/ja active Pending
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