JPH04309527A - 芳香族コポリカーボネート共重合体の製造法 - Google Patents

芳香族コポリカーボネート共重合体の製造法

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JPH04309527A
JPH04309527A JP7318791A JP7318791A JPH04309527A JP H04309527 A JPH04309527 A JP H04309527A JP 7318791 A JP7318791 A JP 7318791A JP 7318791 A JP7318791 A JP 7318791A JP H04309527 A JPH04309527 A JP H04309527A
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洋朗 佐々木
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米田 晴幸
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族コポリカーボネー
トの製造方法に関するものである。さらに詳しくいえば
、本発明は、オリゴマーと電子吸引性基を有するモノマ
ーとから、高分子量の芳香族コポリカーボネートを工業
的に製造するのに適した方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは、透明性、衝
撃強度及び寸法安定性に優れたエンジニアリングプラス
チックの一つである。しかし耐溶剤性の悪いのが欠点と
されている。これを改良する方法として、他の樹脂との
アロイが種々行われているが、透明性、衝撃強度、寸法
安定性の優れた特性を保持したまま、耐溶剤性を改良し
たものは得られていない。又、耐熱性を向上させる試み
もアロイで行われているが、やはり上記と同様の問題を
有している。
【0003】他の物性を犠牲にせずに、耐溶剤性を向上
させたり、耐熱性を向上させる方法として、共重合が非
常に有効である。従って高分子量の芳香族コポリカーボ
ネートの製造方法の開発は重要である。従来のホスゲン
法では、特定のジヒドロキシアリール化合物の組み合わ
せを用いた場合には、溶剤である塩化メチレンに不溶と
なるために、分子量が増大しないという問題があった。
【0004】芳香族コポリカーボネートのエステル交換
法による製造方法は、H.Schnell.CHEMI
STRY  AND  PHYSICS  OF  P
OLYCARBONATES、John  Wiley
  &  Sons(1964)にあるようによく知ら
れている。エステル交換法では高粘度のコポリカーボネ
ートの溶融体の中から、芳香族モノヒドロキシ化合物及
び最終的にはジアリールカーボネートを留去していかな
ければ重合度が上がらないことから、高真空下で、かつ
通常280〜310℃の高温下で長時間反応させる必要
がある。
【0005】したがって(1)高温高真空下に適した特
殊な装置と、生成物の高粘度による強力なかき混ぜ装置
を必要とすること、(2)生成物の高粘度性のために、
プラスチック工業界では通常使用されている反応機及び
かき混ぜ形式のものでは、重量平均分子量(Mw)が3
0000程度の重合体しか得られないこと、(3)高温
で反応させるため、副反応によって分枝や架橋が起こり
やすく、品質の良好なポリマーが得にくいこと、(4)
高温での長時間滞留によって着色を免れないことなどの
種々の欠点を有している〔松金幹夫、プラスチック材料
講座(5)  ポリカーボネート樹脂  日刊工業新聞
社(昭和44年)P.62−67〕。
【0006】このような欠点を解決する製法としては、
特開平1−158033号公報の実施例には2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフ
ェノールAという)とその約10モル%量のジヒドロキ
シジフェニルスルホン(以下、ビスフェノールSという
)の混合物とジフェニルカーボネートを溶融重合させ、
Mw6300で結晶化させ、固相重合を行ってMw29
500のコポリカーボネートを製造する方法、また、特
開平2−155921号公報の実施例にはビスフェノー
ルAとビスフェノールSの混合物とビスフェノールAの
ビスフェニルカーボネートを溶融重合させ、適当な分子
量になった後、結晶化させ、固相重合を行ってビスフェ
ノールA骨格に対して、ビスフェノールS骨格の割合が
約20モル%のMw20100のコポリカーボネートを
製造する方法が記載されている。
【0007】しかし、この方法では、分子量及び末端ア
リールカーボネート基と末端ヒドロキシル基の割合の調
整が難しいこと、またビスフェノールAに対してビスフ
ェノールSの割合を多くした条件では高分子量体が得ら
れにくいという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は反応物のモル
比調整が簡単で、電子吸引性基を有するモノマーの割合
を多くした条件でも、容易に高分子量体が得られ、かつ
、末端ヒドロキシル基の非常に少ないエステル交換反応
法による、電子吸引性基有する高分子量芳香族コポリカ
ーボネートの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、芳香族コ
ポリカーボネートの製造方法について鋭意研究を重ねた
結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は
、(a)下記〔化2〕
【0010】
【化2】
【0011】で表わされ、数平均分子量(Mn)が50
0〜5000であり、かつ、全末端基中に占める末端ヒ
ドロキシル基の割合が0〜40モル%、末端アリールカ
ーボネート基の割合が100〜60モル%である芳香族
ポリカーボネートのオリゴマーと、一般式HO−Ar4
 −X2 −Ar5 −OH(ここで、Ar4 及びA
r5 は前記のAr1 及びAr2 の通りであり、X
2 については(1)Ar4 及びAr5 において、
どちらも電子吸引性基を有しないアリーレン基の場合は
、X2 は−SO−,−SO2 −,−CO−から選ば
れ、また2種以上選ばれてもよく、又は(2)Ar4 
及びAr5 において、一方又は両方が電子吸引性基を
有しているアリーレン基の場合は、X2 は単結合、ア
ルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−SO2 −
,−CO−から選ばれ、また2種以上選ばれてもよい。 )で表わされるジヒドロキシジアリールモノマーとを(
b)下記〔数2〕
【0012】
【数2】
【0013】(ここでMn1 は該オリゴマーの数平均
分子量であり、αはジヒドロキシジアリールモノマーの
モル数、βは該オリゴマーの末端アリールカーボネート
基のモル数、γは該オリゴマーの末端ヒドロキシル基の
モル数である。)を満たすように該オリゴマーを混合し
、加熱下に予備重合させて、Mnが1000〜1000
0の範囲にある非晶プレポリマーを製造する予備重合工
程、(c)該非晶プレポリマーを結晶化させて、結晶化
度が5〜80%の範囲にある結晶化プレポリマーを調製
する結晶化工程、及び、(d)該結晶化プレポリマーを
製造すべき芳香族コポリカーボネートのガラス転移温度
以上で、かつ該結晶化プレポリマーが固相状態を保持し
うる範囲の温度に加熱することによって、さらに重合度
をあげるための固相重合工程、を順次行うことを特徴と
する芳香族コポリカーボネートの製造方法を提供するも
のである。
【0014】本発明において、非晶プレポリマーを製造
するため原料となるオリゴマーは、下記〔化3〕
【00
15】
【化3】
【0016】で表わされ、全末端基中に占める末端化ヒ
ドロキシル基の割合が100〜60モル%、末端アリー
ルカーボネート基の割合が0〜40モル%であり、かつ
、数平均分子量(Mn)が通常500〜5000、好ま
しくは500〜4000、より好ましくは500〜30
00である芳香族ポリカーボネートである。このMnが
500未満では予備重合でのモル比調整が難しくなる。 また5000より大きくすれば、該オリゴマーと反応す
るジヒドロキシジアリールの割合が小さくなって好まし
くない。該オリゴマーはエステル交換反応でも、ホスゲ
ン法でも合成されてよく、公知の方法によって調製され
る。
【0017】前記一般式(1)におけるAr1 及びA
r2 はアリーレン基であって、例えばフェニレン、ナ
フチレン、ビフェニレンなどの2価の基を表わし、X1
 は単結合、アルキレン基、−O−,−S−,−SO−
,−SO2 −,−CO−のうちから選ばれ、2種以上
でもよいが、X1 のうち、−SO−,−SO2 −,
−CO−は15%(X1 が−SO−,−SO2 −,
−CO−である結合単位の数をn1 とすれば、n1 
×100/(n+1)≦15であることを意味する。)
まで、これらのうち2種以上を含む場合は合計15%ま
で選ばれ、残りの85%以上のX1 は単結合、アルキ
レン基、−O−,−S−から選ばれる。
【0018】X1 が−SO−,−SO2 −,−CO
−であるものを15部%より多く入れると、該オリゴマ
ー調製時に前述のように、分子量および末端アリールカ
ーボネート基と末端ヒドロキシル基の割合の調整が難し
くなる。Y1 及びY2 は−H又は−CO−O−Ar
3 であり、Ar3 はアリール基である。nは1以上
の整数であり、平均重合度を表わす。
【0019】X1 がアルキレン基である場合、X1 
は下記〔化4〕で示されるアルキレン又は置換アルキレ
ン基を表わす。
【0020】
【化4】
【0021】(ここでR1 、R2 、R3 及びR4
 は、それぞれ水素原子、低級アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基であって、場合によ
りハロゲン原子、アルコキシ基で置換されていてもよく
、kは3〜11の整数であり、又、メチレン基の水素が
一部低級炭化水素で置換されたものであってもよい。)
好ましく選ばれるアルキレン基は、下記〔化5〕で示さ
れる。
【0022】
【化5】
【0023】前記一般式(I)におけるアリーレン基A
r1 ,Ar2 は、1つ以上の水素原子が、他の置換
基、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アル
コキシ基、低級アルキルチオレート基,フェニル基,フ
ェノキシ基,シリル基などによって置換されたものであ
ってもよい。このようなAr1 ,Ar2 は、例えば
下記〔化6〕で示されるアリーレン基などが好ましく用
いられる。
【0024】
【化6】
【0025】(ここでR5 及びR6 は、それぞれ水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基
、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、シクロアルキル基
又はフェニル基であって、これらは同じであってもよい
し、互いに異なっていてもよく、i及びjは1〜4の整
数で、iが2以上の場合にはR5 はそれぞれ異なるも
のであってもよいし、jが2以上の場合にはR6 はそ
れぞれ異なるものであってもよい。)これらの中で、特
に好ましいものは下記〔化7〕で示されるアリーレン基
である。
【0026】
【化7】
【0027】(ここで、アリーレン基の左側がX1 に
結合し、右側が酸素に結合する。)前記一般式(I)に
おいてY1 及びY2 は−H又は−CO−O−Ar3
 であり、−Hの場合を末端ヒドロキシル基、−CO−
O−Ar3 の場合を末端アリールカーボネート基、特
にAr3 がフェニル基の場合は末端フェニルカーボネ
ート基という。
【0028】Ar3 は下記〔化8〕で表わされるアリ
ール基である。
【0029】
【化8】
【0030】(ここで、R7 は、水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の
低級アルコキシ基、シクロアルキル基又はフェニル基で
あって、pは1〜5の整数で、pが2以上の場合にはR
7 はそれぞれ異なるものであってもよい。)特に好ま
しいAr3 はフェニル基(−Phで表わす。)である
【0031】なお、フェノール性ヒドロキシル基3個以
上を有する化合物が、該オリゴマーに対して0.001
〜3重量部%程度の割合で含まれていてもよい。このよ
うな3価以上の多価フェノールとしては、例えばフロロ
グルシン;フロログルシド;4,6−ジメチル−2,4
,6−トリ(4′−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2
;2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4′−ヒドロ
キシフェニル)ヘプテン−3;4,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4′−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;
1,3,5−トリ(4′−ヒドロキシフェニル)ベンゼ
ン;1,1,1−トリ(4′−ヒドロキシフェニル)エ
タン;2,2−ビス〔4,4−ビス(4′−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキシル〕プロパン;2,6−ビス(
2′−ヒドロキシ−5′−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェノール;2,6−ビス(2′−ヒドロキシ−5′
−イソプロピルベンジル)−4−イソプロピルフェノー
ル;ビス−〔2−ヒドロキシ−3−(2′−ヒドロキシ
−5′−メチルベンジル)−5−メチルフェニル〕メタ
ン;テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン;トリ(
4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス(2,
4−ヒドロキシフェニル)ケトン;1,4−ビス(4′
,4″−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン;
1,4−ジメチル−1,4−ビス(4′−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)−6−ヒドロキシ−7−メチル−
1,2,3,4−テトラリン;2,4,6−トリ(4′
−ヒドロキシフェニルアミノ)−S−トリアジンなどが
挙げられる。
【0032】本発明において用いるジヒドロキシジアリ
ールモノマーは、一般式、 HO−Ar4 −X2 −Ar5 −OHで表わされる
。Ar4 及びAr5 は前述のAr1 及びAr2 
の通りである。X2 については、(1)Ar4 及び
Ar5 において、どちらも電子吸引性基を有しないア
リレーン基の場合は、X2 は−SO−,−SO2 −
,−CO−から選ばれ、又、2種以上選ばれてもよい。 又は、(2)Ar4 及びAr5 において、一方又は
両方が電子吸引性基を有しているアリーレン基の場合は
、X2 は、単結合、アルキレン基、−O−,−S−,
−SO−,−SO2 −,−CO−から選ばれ、2種以
上選ばれてもよい。このアルキレン基はX1 の説明で
記述したアルキレン基の通りである。
【0033】又、これらの混合物であってもよい。例え
ば、下記〔化9〕で示されるジヒドロキシジアリールモ
ノマーなどが好ましい。
【0034】
【化9】
【0035】本発明における電子吸引性基とは、ハメッ
ト(Hamett)のσ置換基定数が正のものである。 〔橋本春吉、基礎有機合成化学、枝報堂出版(株)、P
.109−113(1979)〕。例えば、ニトロ基,
スルホン基,シアノ基,トリハロメタン基,カルボニル
基,アルデヒド基,エステル基,ハロゲン原子などであ
る。
【0036】本発明において、該オリゴマーと該ジヒド
ロキシジアリールモノマーとから非晶プレポリマーを製
造する予備重合反応は、溶融状態で芳香族モノヒドロキ
シ化合物及びジアリールカーボネートを脱離させながら
重合させるのが好ましい。本発明の非晶プレポリマーは
、その溶融粘度がそれほど高くならないため、工業的に
実施することは容易である。
【0037】もちろん、この予備重合反応を実施する場
合、反応に不活性な溶媒、例えば、塩化メチレン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタ
ン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジフェニ
ルメタン、ジフェニルエーテルなどを用いてもよいが、
通常は無溶媒かつ溶融状態で実施される。本発明におい
て、高分子量芳香族コポリカーボネートを製造するため
には、予備重合反応を行う際に、該オリゴマーと該ジヒ
ドロキシジアリールモノマーの末端モル数比を調整する
必要がある。
【0038】すなわち、下記〔数3〕で示す関係式
【0
039】
【数3】
【0040】を満たすように,より好ましくは、下記〔
数4〕で示す関係式
【0041】
【数4】
【0042】を満たすように混合し、加熱下に予備重合
反応を行い、非晶プレポリマーを製造する。この予備重
合工程で製造される非晶プレポリマーのMnは、通常1
000〜10000、好ましくは1500〜8000、
より好ましくは2000〜6000の範囲で選ばれる。 このMnが1000未満では固相重合の反応時間が長く
なって好ましくないし、また、10000より大きくす
れば、次の結晶化時間が長くなって好ましくない。
【0043】また該オリゴマーと該ジヒドロキシジアリ
ール化合物のジアリールカーボネートモノマーの混合割
合を前記の範囲外の条件で予備重合反応を行えば、反応
系での末端ヒドロキシル基のモル数と末端アリールカー
ボネート基のモル数比が大きくずれてしまい、重合度が
上がらなくなる。本発明の予備重合反応により得られる
非晶プレポリマーの末端ヒドロキシ基のモル数と末端ア
リールカーボネート基のモル数の割合については、最終
製品の芳香族コポリカーボネートの物性を向上させるた
めには、目的の分子量に到達した段階で末端ヒドロキシ
ル基の量を非常に少なくすることが必要である。したが
って、末端アリールカーボネート基の存在量が末端ヒド
ロキシル基の存在量よりも多い該非晶プレポリマーを製
造することが好ましい。
【0044】また、予備重合工程を実施する際の反応温
度及び反応時間は、原料であるオリゴマー及びジヒドロ
キシジアリールモノマーの種類や量、必要に応じて用い
られる触媒の種類や量、得られる非晶プレポリマーの必
要重合量、あるいは他の反応条件などによって異なるが
、通常50〜350℃、好ましくは100〜320℃の
範囲の温度で、通常1分ないし100時間、好ましくは
2分ないし10時間の範囲で選ばれる。
【0045】プレホリマーを着色させないためには、で
きるだけ低温で、かつ短時間で予備重合反応を行うこと
が望ましく、したがって特に好ましい条件は、反応温度
が150〜300℃の範囲で、かつ反応時間が数分ない
し数時間の範囲で選ばれる。本発明方法においては、こ
の予備重合で比較的低分子量のプレポリマーを製造すれ
ばよいので、前記条件下で容易に必要な重合度を有する
無色透明なプレホリマーを得ることができる。
【0046】この予備重合反応においては、反応の進行
に伴って、芳香族モノヒドロキシ化合物及びジアリール
カーボネートが生成してくるが、これを反応系外へ除去
することによってその速度が高められるので、効果的な
かきまぜを行うと同時に、窒素、アルゴン、ヘリウム、
二酸化炭素などの不活性ガスや低級炭化水素ガスなどを
導入して、生成してくる該芳香族モノヒドロキシ化合物
及びジアリールカーボネートをこれらのガスに同伴させ
て除去する方法や、減圧下に反応を行う方法、及びこれ
らを併用した方法などが好ましく用いられる。
【0047】この予備重合反応は、触媒を加えずに実施
することもでき、このことは特に好ましい実施形態の1
つではあるが、必要に応じて重合速度を速めるために重
合触媒を用いることもできる。このような重合触媒とし
ては、この分野で用いられている重縮合触媒であれば特
に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属
及びアルカリ土類金属の水酸化物類;水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金
属及びアルカリ土類金属の水酸化物類;水酸化アルミニ
ウムリチウム、水酸化ホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素
テトラメチルアンモニウムなどのホウ素やアルミニウム
の水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第
四級アンモニウム塩類;リチウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、カルシウムメトキシドなどのアルカリ金
属及びアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフ
ェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフ
ェノキシド、LiO−Ar−OLi,NaO−Ar−O
Na(Arはアリール基)などのアルカリ金属及びアル
カリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸
カルシウム、安息香酸ナトリウムなどのアルカリ金属及
びアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛
、亜鉛フェノキシドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、
ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリフェニルなどのホウ素の化合物
類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケ
イ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル−エ
トキシケイ素などのケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウ
ム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲ
ルマニウムフェノキシドなどのゲルマニウムの化合物類
;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアリールスズ
オキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ
、エチルスズトリブトキシドなどのアルコキシ基又はア
リーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物な
どのスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性
炭酸鉛、鉛及び有機鉛のアルコキシド又はアリーロキシ
ドなどの鉛の化合物類;第四級アンモニウム塩、第四級
ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩などのオニウム
化合物類;酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアン
チモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ
酸マンガンなどのマンガンの化合物類;酸化チタン、チ
タンのアルコキシド又はアリールオキシドなどのチタン
の化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジ
ルコニウムのアルコキシド又はアリールオキシド、ジル
コニウムアセチルアセトンなどのジルコニウムの化合物
類などの触媒を用いることができる。
【0048】触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だ
けを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。また、これらの触媒の使用量は、原料のオリゴマ
ーに対して、通常、0.000001〜1重量%、好ま
しくは0.000005〜0.5重量%の範囲で選ばれ
る。このような触媒は、通常の場合、最終製品である芳
香族コポリカーボネートの中にそのまま残存する。そし
て、通常、このような残存触媒はポリマー物性に悪影響
を及ぼす場合があるので、触媒の使用量はできるだけ少
い方が好ましい。
【0049】本発明の方法では、予備重合工程では、比
較的低分子量の非晶プレポリマーを製造するだけでよい
ので、このような触媒を添加することなく、実質的に無
触媒で実施するのが有利である。予備重合工程で得られ
た非晶プレポリマーを結晶化させる方法については特に
制限はないが、本発明においては、溶媒処理法及び加熱
結晶化法が好ましく用いられる。前者の溶媒処理法は、
適当な溶媒を用いて非晶プレポリマーを結晶化させる方
法であり、具体的には非晶プレポリマーを溶媒に溶解さ
せたのち、この溶液から結晶化プレホリマーを析出させ
る方法や、非晶プレポリマーに対する溶解力の小さい溶
媒を用いて、その溶媒が非晶プレポリマー中に浸透して
、非晶プレポリマーを結晶化させるのに必要な時間、該
非晶プレポリマーを液状の溶媒又は溶媒蒸気に接触させ
る方法などが好ましく用いられる。
【0050】前記の非晶プレポリマー溶液から結晶化プ
レホリマーを析出させる方法としては、例えば、その溶
液から溶媒を蒸発させるなどの手段によって除去する方
法や、非晶プレポリマーの貧溶媒を加える方法などがあ
るが、単に溶媒を除去する方法が簡単で好ましい。また
、非晶プレポリマー中に溶媒を浸透させて非晶プレポリ
マーを結晶化させるのに必要な時間は、非晶プレポリマ
ーの種類や分子量、形状、あるいは用いる溶媒の種類、
処理温度などによって異なるが、通常数秒ないし数時間
の範囲で選ばれる。また処理温度は、通常−10〜20
0℃の範囲で選ばれる。
【0051】このような非晶プレポリマーの溶媒処理の
ために使用できる好ましい溶媒としては、例えば、クロ
ロメタン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、
クロロエタン、ジクロロエタン(各種)、トリクロロエ
タン(各種)、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン(各種)などの脂肪族ハロゲン化炭化水素類;クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化炭
化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエー
テル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ア
セトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ベンゼン
、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などが挙
げられる。これらの溶媒は1種用いてもよいし、2種以
上を混合して用いてもよい。
【0052】非晶プレポリマーの溶媒処理に用いられる
溶媒の使用量は、非晶プレポリマーや溶媒の種類、必要
結晶化度、処理温度などによっても異なるが、通常非晶
プレポリマーに対して、重量基準で0.05〜100倍
、好ましくは0.1〜50倍の範囲で選ばれる。一方、
加熱結晶化法は、該非晶プレポリマーを目的とする芳香
族コポリカーボネートのガラス転移温度以上で、かつ該
非晶プレポリマーが溶融しはじめる温度未満の範囲の温
度において加熱することによって、結晶化させる方法で
ある。この方法は、単に非晶プレポリマーを加熱下で保
持するのみで、結晶化させることができるので、極めて
容易に工業的に実施しうる。
【0053】この加熱結晶化を行う温度Tc(℃)につ
いては、前記したように、目的とする芳香族コポリカー
ボネートのガラス転移温度以上で、かつ該非晶プレポリ
マーの溶融温度Tm(℃)未満の範囲であればよく特に
制限はないが、低い温度では非晶プレポリマーの結晶化
速度が遅いので、特に好ましい加熱結晶化温度Tc(℃
)は、式 Tm−50≦Tc<Tm で示される範囲で選ばれる。
【0054】この非晶プレポリマーの加熱結晶化は、前
記範囲におけるある温度を一定に保持して実施してもよ
いし、温度を連続的又は不連続的に変化させながら実施
してもよく、また、これらを組み合わせた方法で実施す
ることもできる。温度を変化させながら実施する方法と
しては、加熱結晶化の進行に伴って、一般に非晶プレポ
リマーの溶融温度が上昇していくので、この上昇速度と
同じような速度で温度を上昇させながら加熱結晶化させ
る方法が特に好ましい。
【0055】このように温度を変化させながら加熱結晶
化させる方法は、一定の温度下での加熱結晶化法に比べ
て、非晶プレポリマーの結晶化速度が速く、かつその溶
融温度をより高めることができる。加熱結晶化の時間は
、非晶プレポリマーの化学組成や触媒の有無、結晶化温
度や結晶化方法などにより異なるが、通常1〜200時
間の範囲である。
【0056】このように、結晶化工程によって、非晶性
であったプレポリマーは結晶化するが、その結晶化の度
合は、非晶プレポリマーの化学組成や重合度、触媒の有
無、結晶化条件などによって異なるが、結晶化度として
通常3〜90%の範囲である。このような範囲の結晶化
度を有する結晶化プレポリマーを用いて、次の固相重合
工程によって、高分子量化させていくことは、もちろん
可能であるが、本発明においては、工業的に実施する場
合に有利な点から、該結晶化度は5〜80%、好ましく
は10〜70%の範囲で選ばれる。この結晶化度が5%
未満の結晶化プレポリマーでは、その溶融温度があまり
高くならないので、固相重合時に融着して固相重合がで
きなくなったり、さもなければ該プレポリマーを融着さ
せないような比較的低い温度で極めて長時間固相重合を
行う必要があり、工業的に実施するには不利であるし、
80%を超えると固相重合速度が遅くなるので、長時間
を要して固相重合させなければならず、工業的に実施す
るには不利となる。
【0057】このようにして得られた結晶化したプレポ
リマーを、その溶融温度より低い温度で固相状態に保ち
ながら固相重縮合させることによって、容易に高分子量
の芳香族コポリカーボネートにすることができる。該固
相重合工程においては、反応によって副生してくる芳香
族モノヒドロキシ化合物又はジアリールカーボネート若
しくはその両方を系外に抜き出すことによってその反応
が促進される。そのためには、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、二酸化炭素などの不活性ガスや、低級炭化水素ガス
などを導入して、ジアリールカーボネートや芳香族モノ
ヒドロキシ化合物をこれらのガスに随伴させて除去する
方法や、減圧下に反応を行う方法、及びこれらを併用し
た方法などが好ましく用いられる。また、同伴用のガス
を導入する場合には、これらのガスを、反応温度付近の
温度に加熱しておくことが好ましい。
【0058】この固相重合反応を実施する場合の結晶化
プレポリマーの形状については特に制限はないが、大き
な塊状のものは反応速度が遅くかつ取扱いが面倒である
などの点から好ましくなく、ペレット状、ビーズ状、顆
粒状、粉末状などの形状のものが好適である。また、結
晶化後の固体状のプレポリマーを適当な大きさに破砕し
たものも好ましく用いられる。溶媒処理によって結晶化
させた結晶化プレポリマーは通常、多孔質の顆粒状又は
粉末状で得られ、このような多孔質の結晶化プレポリマ
ーは、固相重合の際に副生してくる芳香族モノヒドロキ
シ化合物やジアリールカーボネートの抜出しが容易であ
るので、特に好ましい。
【0059】該固相重合反応を実施する際の反応温度T
p(℃)及び反応時間については、結晶化プレポリマー
の種類(化学構造、分子量など)や形状、結晶化プレポ
リマー中の触媒の有無や種類や量、必要に応じて追加さ
れる触媒の種類や量、結晶化プレポリマーの結晶化の度
合や溶融温度Tm′(℃)の違い、目的とする芳香族コ
ポリカーボネートの必要重合度、あるいは他の反応条件
などによって異なるが、通常目的とする芳香族コポリカ
ーボネートのガラス転移温度以上で、かつ固相重合中の
結晶化プレポリマーが溶融しないで固相状態を保つ範囲
の温度、好ましくは、式 Tm′−50≦Tp<Tm′ で示される範囲の温度において、1分ないし100時間
、好ましくは0.1〜50時間程度加熱することにより
、固相重合反応が行われる。
【0060】このような温度範囲としては、例えばビス
フェノールA骨格とビスフェノールS骨格を有するコポ
リカーボネートを製造する場合には、約150〜280
℃が好ましく、特に約180〜260℃が好ましい。該
固相重合工程では、重合中のポリマーにできるだけ均一
に熱を与えるためや、あるいは副生する芳香族モノヒド
ロキシ化合物やジアリールカーボネートの抜き出しを有
利に進めるために、有効な攪拌を行うことは好ましい方
法である。この攪拌方法としては、例えば攪拌翼による
方法や反応器自身が回転する構造の反応器を用いる方法
などの機械的攪拌による方法、あるいは、加熱ガスによ
って流動させる方法などが好ましく用いられる。
【0061】また、非晶プレポリマーの結晶化を加熱結
晶化によって実施する場合は、所定の結晶化度に到達さ
せるための単なる加熱操作に引続いて、系を減圧にした
り、系中に随伴用の加熱ガスを導入することによって系
中から芳香族モノヒドロキシ化合物やジアリールカーボ
ネートを抜き出し、固相重合を行うこともできる。本発
明における固相重合反応は、触媒を添加しなくても十分
な速度で進行させることができ、これが最も好ましい実
施態様であるが、さらに反応速度を高める目的で触媒を
使用することもできる。前記予備重合工程で触媒を使用
したならば、通常、生成するプレポリマー中に触媒が残
存するので、新たに触媒を加える必要もないが、なんら
かの理由で触媒が除去されたり、活性が低下している場
合もあるので、その際には必要に応じて、適当な触媒を
加えることもできる。この場合、液状又は気相状態にし
た触媒成分を結晶化プレポリマーに加えることも好まし
い方法である。このような触媒成分としては、予備重合
工程で用いることのできる前記のようなものを挙げるこ
とができる。
【0062】このようにして、固相重合工程を実施する
ことによって結晶化プレポリマーの重合度を上げること
が出来る。一般に工業的に有用な芳香族コポリカーボネ
ートのMnは3000〜150000程度(Mwは60
00〜500000程度)であり、好ましくは4000
〜20000程度(Mwは10000〜50000程度
)、より好ましくは6000〜15000程度(Mwは
15000〜40000程度)であるが、本発明の結晶
化プレポリマーの固相重合法によって、このような重合
度の芳香族コポリカーボネートが容易に得られる。
【0063】このような固相重合によって製造された芳
香族コポリカーボネートの形状は、用いた結晶化プレポ
リマーの形状にも依存する場合があるが、通常、ビース
状、顆粒状、粉末状などのいわゆる粉体である。結晶化
プレポリマーの固相重合によって得られた芳香族コポリ
カーボネートの結晶化度は、通常、元のプレポリマーの
結晶化度より増大していることから、本発明方法では通
常、結晶性芳香族コポリカーボネート粉体が得られるこ
とになる。
【0064】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、数平均分子量(Mn)及び重量平
均分子量(Mw)はポリスチレンを標準サンプルにして
得たキャリブレーションカーブを用いて、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均
分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の値である。 また、予備重合反応装置、固相重合反応装置のいずれも
、脱酸素及び乾燥に十分留意し、且つ反応中の酸素や水
などの混入をできるだけ少なくするように工夫したもの
を用いた。
【0065】また、オリゴマー、非晶プレポリマー及び
芳香族コポリカーボネート中の末端基である末端アリー
ルカーボネート基と末端ヒドロキシル基との割合は、高
速液体クロマトグラフィーによる測定と、A.llor
bachらの方法〔フェノール性−OH基の定量方法で
、プレポリマー又はポリマーを酢酸酸性塩化メチレンに
溶解させた後、TiClを加え、生成した赤色錯体を5
46nmの波長の光で比色定量する方法、Makrom
ol.Chem.,88,215(1965)〕で測定
したものである。
【0066】結晶化度は、広角X線回折法により回折チ
ャートの非晶部、結晶部の面積から、 結晶部の面積×100/(非晶部の面積+結晶部の面積
) の式により求めた。
【0067】
【実施例1】2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル
)プロパン(以下、ビスフェノールAという)とジフェ
ニルカーボネートから、特開平1−158033号公報
に記載されている方法によって、Mn=2300の無色
透明なオリゴマーを合成した。このオリゴマーの末端基
の割合は、末端フェニルカーボネート基が97.2モル
%、末端ヒドロキシル基(以下、−OHという)が2.
8モル%であった。
【0068】このオリゴマー23.0g(Mn1 =2
300,β=0.019,γ=0.001)とジヒドロ
キシフェニルスルホン酸(以下、ビスフェノールSとい
う。)2.3g(α=0.009)を攪拌装置、ガス導
入口、ガス吸引口付の50mlの三つ口フラスコに入れ
、減圧脱気、乾燥窒素導入を数回繰り返したのち、油浴
に入れ、250℃に昇温し、乾燥窒素を20Nl/Hr
流しながら、1時間反応させ、その後、反応系を30分
かけて減圧にし、最終的に2〜5mmHgで30分反応
させて、フェノール及びジフェニルカーボネートを留出
させた。この予備重合の結果、Mn=4580、Mw=
10700、−OH末端33モル%の無色透明な非晶プ
レポリマー24.2gが得られた。
【0069】この非晶プレポリマー10gを粉砕し、ア
セトン20mlに浸漬することによって、結晶化度20
%の結晶化プレホリマー9.8gが得られた。さらに、
この結晶化プレホリマー5gを内径15mmのガラス製
ガス流通反応装置に入れ、210℃の加熱窒素ガスを5
Nl/Hrで5時間導入した。この固相重合の結果、M
n=15250、Mw=41360、結晶化度26%、
末端フェニルカーボネート基87モル%、末端−0H基
13モル%の白色コポリカーボネートが得られた
【00
70】
【実施例2】ビスフェノールAとジフェニルカーボネー
トから、特開平1−158033号公報に記載されてい
る方法によってMn=720の無色透明なオリゴマーを
合成した。このオリゴマーの末端基の割合は末端フェニ
ルカーボネート基が99.9モル%、−OH基が0.1
モル%であった。
【0071】次にこのオリゴマー7.2g(Mn1 =
720,β=0.020,γ=0)とビスフェノールS
2.4g(α=0.010)から、実施例1に従って予
備重合、結晶化及び固相重合を行った。その結果Mn=
11500、Mw=30400、結晶化度31%、末端
フェニルカーボネート基92モル%、末端−OH基8モ
ル%の白色コポリカーボネートが得られた。
【0072】
【比較例1】ビスフェノールA45.6g、ビスフェノ
ールS25.0gとジフェニルカーボネート70.6g
を用いて、特開平1−158033号公報に記載されて
いる方法によって重合させた。次に、実施例1に従って
結晶化及び固相重合を行った。
【0073】この結果、得られたコポリカーボネートの
分子量はMn=4800しか上がらなかった。
【0074】
【実施例3〜5】実施例1において、ビスフェノールS
の代わりに種々のジヒドロキシジアリール化合物を用い
た以外は実施例1と同様な方法で、予備重合,結晶化及
び固相重合を行った。その結果を下記表1に示す。また
、これらの結晶化プレポリマーの結晶化度はいずれも1
7〜35%の範囲であり、末端のフェニルカーボネート
の割合はいずれも60〜80モル%の範囲であった。
【0075】
【表1】
【0076】
【実施例6】実施例1において、ビスフェノールAの代
わりにビスフェノールA(85モル%)とビスフェノー
ルエーテル(15モル%)の混合物を用いた以外は同様
の方法で重合を行った。この結果、Mn=850、末端
フェニルカーボネート基が88.0モル%、末端−OH
基が12.0モル%のオリゴマーが得られ、このオリゴ
マー8.5g(Mn1 =850,β=0.018,γ
=0.002)とビスフェノールS1.9g(α=0.
008)から、得られたコポリカーボネートはMn=1
0140、結晶化度21%であった。
【0077】
【実施例7】実施例1において、非晶プレポリマーをア
セトンで結晶化させる代わりに、加熱結晶化を行った。 非晶プレポリマー5gを前述の固相重合装置入れ、5N
l/Hrの窒素気流下、190℃で10時間加熱した。
【0078】得られた結晶化プレポリマーの結晶化度は
20%であった。その後、固相重合を行いMn=104
10の白色結晶性コポリカーボネートが得られた。
【0079】
【発明の効果】エステル交換反応による電子吸引性基を
有する高分子量芳香族コポリカーボネートの製造におい
て、本発明は反応物のモル比調整を簡単にかつ正確にす
ることができ、その結果、末端ヒドロキシル基の非常に
少ない高分子量芳香族コポリカーボネートを容易に製造
することを可能にした。
【0080】さらに、本発明によれば電子吸引性基を有
するモノマーの割合を多くした条件でも、高分子量芳香
族コポリカーボネートを製造することが出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (a)下記〔化1〕 【化1】 で表わされ、数平均分子量(Mn)が500〜5000
    であり、かつ、全末端基中に占める末端ヒドロキシル基
    の割合が0〜40モル%、末端アリールカーボネート基
    の割合が100〜60モル%である芳香族ポリカーボネ
    ートのオリゴマーと、一般式 HO−Ar4 −X2 −Ar5 −OH(ここで、A
    r4 及びAr5 は前記のAr1 及びAr2 の通
    りであり、X2 については(1)Ar4 及Ar5 
    において、どちらも電子吸引性基を有しないアリーレン
    基の場合は、X2 は−SO−,−SO2 −,−CO
    −から選ばれ、さらに2種以上選ばれてもよく、又(2
    )Ar4 及びAr5 において、一方又は両方が電子
    吸引性基を有しているアリーレン基の場合は、X2 は
    単結合、アルキレン基、−O−,−S−,−SO−,−
    SO2 −,−CO−から選ばれ、2種以上選ばれても
    よい。)で表わされるジヒドロキシジアリールモノマー
    とを、(b)下記〔数1〕 【数1】 (ここで、Mn1 は該オリゴマーの数平均分子量であ
    り、αはジヒドロキシジアリールモノマーのモル数、β
    は該オリゴマーの末端アリールカーボネート基のモル数
    、γは該オリゴマーの末端ヒドロキシル基のモル数であ
    る。)を満たすように混合し、加熱下に予備重合させて
    、Mnが1000〜10000の範囲にある非晶プレポ
    リマーを製造する予備重合工程、(c)該非晶プレポリ
    マーを結晶化させて、結晶化度が5〜80%の範囲にあ
    る結晶化プレポリマーを調製する結晶化工程、及び、(
    d)該結晶化プレポリマーを製造すべき芳香族コポリカ
    ーボネートのガラス転移温度以上で、かつ該結晶化プレ
    ポリマーが固相状態を保持しうる範囲の温度に加熱する
    ことによって、さらに重合度をあげるための固相重合工
    程、を順次行うことを特徴とする芳香族コポリカーボネ
    ートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001014453A1 (en) * 1999-08-23 2001-03-01 General Electric Company Copolycarbonate preparation by solid state polymerization

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WO2000044810A1 (en) * 1999-01-28 2000-08-03 General Electric Company Method for preparing copolycarbonates of enhanced crystallinity
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WO2001014453A1 (en) * 1999-08-23 2001-03-01 General Electric Company Copolycarbonate preparation by solid state polymerization

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