JPH04309445A - 連続鋳造用鋳型の溶鋼レベル測定方法 - Google Patents

連続鋳造用鋳型の溶鋼レベル測定方法

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JPH04309445A
JPH04309445A JP10320491A JP10320491A JPH04309445A JP H04309445 A JPH04309445 A JP H04309445A JP 10320491 A JP10320491 A JP 10320491A JP 10320491 A JP10320491 A JP 10320491A JP H04309445 A JPH04309445 A JP H04309445A
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JP
Japan
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mold
molten steel
level
coils
coil
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Application number
JP10320491A
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English (en)
Inventor
Kazuharu Hanazaki
一治 花崎
Koji Fujiwara
弘次 藤原
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造設備の操業中
に鋳型内部において変動する溶鋼レベル、及び操業開始
時に鋳型内部を上昇する溶鋼レベルを測定する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】上下に開口を有する筒形の鋳型に溶鋼を
注入し、該鋳型に対応する断面形状を有する鋳片を連続
的に製造する連続鋳造設備の操業に際しては、鋳型内部
の溶鋼レベルを予め設定された適正レベルに維持すべく
制御するレベル制御が行われている。これは、鋳型内部
における溶鋼の冷却状態を適正化し、製品鋳片における
表面疵の生成を防止すると共に、鋳型からの溶鋼の溢出
、ブレークアウトの発生等、連続鋳造設備の安定操業を
阻害する各種の不都合を未然に解消するために極めて重
要なものである。
【0003】このレベル制御は、鋳型内部の溶鋼レベル
を測定し、この測定結果と予め設定された適正レベルと
の偏差を解消すべく溶鋼の注入量を調節する手順にて実
施されており、連続鋳造設備の操業中に鋳型内部におい
て前記適正レベルの上下に変動する溶鋼レベルをオンラ
インにて測定する必要がある。この測定に際しては従来
、図5にその実施態様を示す如き渦電流法が一般的に採
用されている。
【0004】図示の如くこの方法は、鋳型1の上側開口
部から溶鋼2の表面に臨ませて、該表面と略直交する軸
心を有するセンサコイル20を配設して、これに高周波
の励磁電流を通電せしめて行われる。このとき、導電体
である溶鋼2の表面には渦電流が誘起され、これにより
発生する磁場の作用により、前記センサコイル20又は
これと同軸的に配した検出用コイルのインピーダンスが
変化するから、この変化を監視することにより溶鋼2の
表面位置、即ち、溶鋼レベルが特定できる。なお、溶鋼
2の表面には、該表面の酸化防止、該表面からの熱放散
防止等を目的として供給されるパウダ6が堆積している
が、このパウダ6は非導電体であり、前述した測定の結
果に影響を及ぼすことはない。
【0005】一方連続鋳造設備の操業は、鋳型1の下部
にダミーバーを挿入した状態で溶鋼2の注入を始め、ダ
ミーバーの先端を疑似底として鋳型1内部を上昇する溶
鋼2のレベルが所定のレベルに達したとき、鋳型1の内
壁との接触により凝固した鋳片を前記ダミーバーと共に
引き抜く手順にて開始されるが、このような操業の開始
を適正なタイミングにて行わせるためには、鋳型1の下
部から上部に至るまで逐次上昇する溶鋼レベルを測定す
る必要がある。
【0006】操業開始時におけるこのような溶鋼レベル
の測定においては、従来、熱電対を利用する方法(熱電
対法)、放射線を利用する方法(放射線法)等が採用さ
れている。前者は、溶鋼2との接触により鋳型1の内壁
温度が上昇することに着目し、鋳型1の上下方向に複数
個埋設した熱電対により鋳型内壁の上下方向の温度分布
を求め、この結果に基づいて溶鋼レベルを特定する方法
であり、後者は、鋳型1の一側外部に配した放射線源が
鋳型1に向けて放射線を放射線を他側に配したシンチレ
ーションカウンタにて計数し、この計数結果が放射線の
伝播経路に存在する減衰物質の量、即ち鋳型1の内部に
おける溶鋼2のレベルの高低に対応することを利用して
溶鋼レベルを特定する方法である。
【0007】なおこれらの方法は、前記渦電流法に比し
て検出精度及び応答性が劣る難点があり、溶鋼レベルの
細かい変動の測定を要する操業中の溶鋼レベル測定には
適さず、また前記渦電流法は、前記センサコイル20の
先端から下方への測定可能域の拡大に限界があり、操業
開始時における広範囲に亘る溶鋼レベルの測定には適さ
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで連続鋳造設備
の操業中における鋳型1内部の溶鋼レベルは、溶鋼2の
注入量の不均衡等の理由により、該鋳型1の幅方向に相
違するのが一般的であり、近年における鋳込み速度の高
速化の要求に応えるべくより高精度でのレベル制御を実
現するには、鋳型1の幅方向のレベル分布を知る必要が
生じる。このようなレベル分布の測定を前述した渦電流
法にて行う場合、鋳型1内部の溶鋼2の表面上に上部に
幅方向に複数のセンサコイル 20,20…の配設位置
を確保せねばならず、特に、小型のスラブ用連続鋳造設
備においてはこの配設が困難となることが多く、更に、
この配設により操業が阻害される虞もある。
【0009】また、複数のセンサコイル 20,20…
の配設が可能であったとしても、これらと鋳型1との間
に十分な間隔が確保し得ないために、各センサコイル2
0のインピーダンス変化に、導電体である鋳型1の電磁
的な影響及び相隣するセンサコイル20により溶鋼2表
面に誘起される渦電流の影響が生じ、測定誤差を招来す
る難点があった。
【0010】このような難点を解消する溶鋼レベル測定
方法として、特開平2−127952号公報には、鋳型
1自体に巻着したコイルに高周波電圧を印加し、このコ
イルに生じるインピーダンス又は電流値の変化により鋳
型1内部の溶鋼2の総量を得る方法が開示されており、
この方法によれば、鋳型1の幅方向の溶鋼レベルの平均
値を得ることができる。ところがこの方法は、大型の連
続鋳造設備での実施が困難であり、また、幅変更が可能
な鋳型1を備えた一般的なスラブ用連続鋳造設備におい
ては実施が不可能である。
【0011】更に他の方法としては、鋳型1の上部に配
したレーザ距離計により溶鋼2の表面位置を検出する方
法がある。ところがこの方法においては、実際には、溶
鋼2表面を覆うパウダ6の表面位置が検出されるため、
高精度にて溶鋼レベルを得るにはパウダ6の投入量を厳
密に管理する必要があり、また鋳型1上の高温環境下に
レーザ距離計を位置させるために十分な保護手段を要し
、実施に困難を伴うという問題がある。
【0012】また一方、連続鋳造設備の操業開始時にお
ける溶鋼レベル測定に際して採用されている熱電対法及
び放射線法においては、前述した如く測定精度及び応答
性に劣る上、検出結果中に溶鋼2表面のパウダ6の厚さ
が含まれ、正確な溶鋼レベルが得られない難点がある。 従って、この測定結果のみによりダミーバーの引抜き開
始時期を決定した場合、引抜き開始前に鋳型1からの溶
鋼2の溢出が生じる虞があり、また引抜き開始後に鋳片
の凝固不足に起因するブレークアウトを招来する虞があ
って、実際には、前述の溶鋼レベル測定に加えて、鋳型
1内の溶鋼レベルを目視にて観察する必要があり、完全
な自動による操業開始を実現し得ないのが実情である。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、操業中における鋳型内部の溶鋼レベルを、該鋳
型の幅方向のレベル分布を含めて鋳型の大きさの如何に
拘わらず正確に測定することができ、鋳込み速度の高速
化への対応が可能となると共に、操業開始に際し鋳型内
を上昇する溶鋼レベルを広範囲に亘って正確に測定する
ことができ、完全な自動による操業開始の実現を可能と
する連続鋳造用鋳型の溶鋼レベル測定方法を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る連続鋳造用
鋳型の溶鋼レベル測定方法は、連続鋳造設備の操業中に
鋳型の内部にて適正レベルの上下に変動する溶鋼レベル
を、前記鋳型の幅方向のレベル分布を含めて測定する方
法において、前記適正レベルを挾んで上下に所定長離隔
する送信コイルと受信コイルとの組を前記鋳型の幅方向
に複数組配設し、各組の送信コイルに低周波の励磁電流
を通電して磁場を生ぜしめ、この磁場により対応する受
信コイルに誘起される誘導電流を夫々捉え、該誘導電流
と前記励磁電流との間の位相差及び/又は強度差を検出
し、前記各組における検出結果に基づいて前記各組の配
設位置での溶鋼レベルを特定することを特徴とし、更に
連続鋳造設備の操業開始に際し、その下部に挿入された
ダミーバーの先端を疑似底として鋳型内部を上昇する溶
鋼レベルを、該鋳型の上下方向の略全域に亘って測定す
る方法において、前記鋳型の上下方向に、互いに所定長
離隔させて複数のコイルを並設し、互いに相隣する一対
のコイルの一方に低周波の励磁電流を通電して磁場を生
ぜしめ、この磁場により他方のコイルに誘起される誘導
電流を捉え、該誘導電流と前記励磁電流との間の位相差
及び/又は強度差を検出し、この検出結果に基づいて前
記一対のコイル間での溶鋼レベルを特定する過程を前記
鋳型の下部から上部に向けて順次実施することを特徴と
する。
【0015】
【作用】本発明においては、送信コイルへの低周波の励
磁電流の通電により発生する磁場が、鋳型、溶鋼及び両
者間の間隙を伝播して送信コイルの上又は下に位置する
受信コイルに達し、該受信コイルに誘導電流を誘起する
。このとき受信コイルに達する磁場のエネルギは、主と
して溶鋼内の伝播長さの長短、即ち、溶鋼レベルの高低
に応じて変化し、受信コイルに誘起される誘導電流に位
相遅れ及び強度低下が生じる。即ち、受信コイルの誘導
電流と送信コイルの励磁電流との間の位相差及び/又は
強度差の検出により、両コイルの配設位置間での溶鋼レ
ベルが特定される。
【0016】従って、操業中の適正レベルを挾んだ送信
コイルと受信コイルとの組を、鋳型の幅方向に複数組配
した場合、各組の配設位置での溶鋼レベルが特定され、
これらの集積により幅方向のレベル分布が得られる。な
お送信コイル及び受信コイルは、鋳型に埋設されるから
、幅方向への複数組の配設により連続鋳造設備の操業が
阻害されない。
【0017】また、鋳型の上下方向に複数のコイルを相
互に適長離隔させて並設し、相隣する一対のコイルを前
記送信コイルと前記受信コイルとして、前述した原理に
よりこれらのコイル間での溶鋼レベルの特定を行う過程
を鋳型の下部から順次実施することにより、前記並設線
上での全コイルの配設範囲内での溶鋼レベルの測定を正
確に行う。
【0018】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は、連続鋳造設備の操業中に実施され
る本発明に係る連続鋳造用鋳型の溶鋼レベル測定方法(
以下本発明方法という)の実施状態を示す模式的ブロッ
ク図である。
【0019】図中1は、上下に開口を有し筒形をなす連
続鋳造用の鋳型である。該鋳型1には、これの上側開口
部から内部に適長侵入せしめた浸漬ノズル4を経て溶鋼
2が注入されており、この溶鋼2は、鋳型1内に滞留す
る間に、該鋳型1の水冷された内壁との接触により冷却
(1次冷却)され、凝固シェル5aにてその外側を被覆
された鋳片5となり、鋳型1の下側開口部から下方に連
続的に引き抜かれる。
【0020】鋳型1の下側には、鋳片5の引き抜き経路
に沿って多数の冷却水ノズル(図示せず)が配してあり
、鋳片5は、これらの冷却水ノズルからの噴射水により
更に冷却(2次冷却)されて、内側に至るまで凝固が進
行した後に所望の長さに切断され、圧延等の後工程に素
材として送給される。なお、鋳型1内部の溶鋼2の表面
には、該表面の酸化防止及び該表面からの熱放散の防止
のためにパウダ6が供給されており、このパウダ6は、
溶鋼2との接触により溶融し、鋳型1の内壁に沿って鋳
片5との間の間隙3に流入して、該鋳片5の引き抜きに
際しての潤滑剤としての機能も果たす。
【0021】以上のごとき構成の連続鋳造設備の操業に
際し、鋳型1内の溶鋼2の表面位置、即ち溶鋼レベルは
、浸漬ノズル4からの溶鋼2の注入量と鋳片5の引抜き
速度とのバランスにより、予め設定された適正レベルL
に維持されるが、実際には該レベルLの上下に変動して
おり、また浸漬ノズル4からの溶鋼2の注入量の不均衡
等に起因して、一般的には、鋳型1の幅方向に相違して
いる。
【0022】本発明方法は、このような鋳型1内部の溶
鋼レベルを、該鋳型1の幅方向のレベル分布を含めてオ
ンラインにて測定すべく実施されるものであり、図示の
如く、前記適正レベルLを挾んで上下に対をなす送信コ
イル10及び受信コイル11の組を鋳型1の幅方向に複
数組配して実施される。本図においては、適正レベルL
の上側に送信コイル10を、下側に受信コイル11を夫
々配しているが、これらの配設位置が逆であってもよい
【0023】各組の送信コイル 10,10…は、各別
の発振回路 12,12…に接続してあり、これらの発
振回路 12,12…の出力である低周波電流の通電に
より励磁されて、その周辺に磁場を形成する作用をなす
。このとき受信コイル 11,11…には、対応する送
信コイル 10,10…の励磁により発生する磁場エネ
ルギが後述の如く伝播して誘導電流が誘起され、この誘
導電流は、各別の増幅器 13,13…を経て各別の位
相差検出器 14,14…に与えられている。 これらの位相差検出器 14,14…には、対応する送
信コイル 10,10…の発振回路 12,12…の出
力もまた与えられており、各位相差検出器14は、各組
の送信コイル10に加えられる励磁電流と対応する受信
コイル11に誘起される誘導電流との間の位相差を求め
、この結果を共通の演算部15に与える。
【0024】演算部15は、例えば、鋳型1内での溶鋼
2のレベルを種々に変更して予め実施された試験結果に
より得られた溶鋼2のレベルと前記位相差との対応関係
を記憶しており、位相差検出器14からの入力をこの対
応関係に適用して、溶鋼2の現状のレベルを演算する。 この演算は、各組の送信コイル10及び受信コイル11
の配設位置、即ち鋳型1の幅方向各位置に対応させて行
われる。 この演算結果は、例えば、該演算部15の出力側に接続
された CRTディスプレイ等の表示器16に、鋳型1
の幅方向のレベル分布としてオンラインにて表示させ、
オペレータによる操業管理に利用するようにしてもよく
、また、浸漬ノズル4からの溶鋼2の注入量の調節、又
は鋳片5の引抜き速度(鋳込速度)の自動調節に用いて
もよい。
【0025】図2及び図3は、以上の如く実施される本
発明方法の測定原理の説明図である。各送信コイル10
への前述の如き励磁電流の印加に応じて発生する磁場の
エネルギは、これらの図中に白抜矢符にて示す如く、鋳
型1内を直接伝播する第1の経路、鋳型1と溶鋼2との
間の間隙3を伝播する第2の経路、及び溶鋼2の内部を
伝播する第3の経路を夫々経て対応する受信コイル11
に達し、該受信コイル11に誘導電流が誘起される。
【0026】このとき、鋳型1の内壁は銅板であり、溶
鋼2に比較して高い導電率を有することから、前記第1
の経路を伝播する磁場エネルギの減衰程度は大きく、送
信コイル10と受信コイル11との離隔距離が所定長を
超えると、第1の経路を経て受信コイル11に達する磁
場エネルギは無視出来るレベルとなる。更に、非導電体
であるパウダ6にて充填された間隙3からなる第2の経
路を伝播する磁場エネルギの減衰は少ないが、間隙3の
寸法は通常小さいから、第2の経路を伝播するエネルギ
の絶対量は、第3の経路、即ち、溶鋼2内を伝播する磁
場エネルギの絶対量に比して十分に小さい。即ち、受信
コイル11に達してこのコイル11に誘導電流を生ぜし
める磁場エネルギは第3の経路を伝播する磁場エネルギ
に支配される。
【0027】さて、溶鋼2のレベルが適正レベルLより
も上にある場合、図2に示す如く、前記第3の経路中で
の溶鋼2の占める割合が多いのに対し、同じく適正レベ
ルLよりも下にある場合、図3に示す如く、溶鋼2以外
の部分、即ち溶鋼2上部の空間の占める割合が多い。そ
して溶鋼2内を磁場エネルギが伝播するとき、該溶鋼2
が導電体であることから、この伝播長さに応じた位相遅
れが生じるから、この磁場エネルギの受信に応じて受信
コイル11に誘起される誘導電流には、第3の経路中に
おける溶鋼2の占める部分の長さ、即ち該溶鋼2のレベ
ルの高低に応じた位相遅れが生じる。従って、溶鋼2の
種々のレベルにおいて生じる位相遅れ量を調べ、両者の
対応関係を前記演算部15に記憶させて、各位相差検出
器14から前述の如く与えられる位相差をこの対応関係
に対照することにより、各組の送信コイル10及び受信
コイル11の配設位置、即ち鋳型1の幅方向複数箇所で
の溶鋼2の現状のレベルを特定し得る。
【0028】更に、送信コイル10と受信コイル11と
の離隔距離を前記第1の経路の伝播エネルギが十分小さ
くなるように選定すれば、受信コイル11の受信結果に
おける鋳型1による電磁的な影響は排除されるから、前
述した手順により溶鋼2のレベルの正確な特定が可能と
なる。 更に、送信コイル10及び受信コイル11の鋳型1の内
壁面からの埋設深さも適宜に設定でき、これらのコイル
 10,11に高温の溶鋼2からの熱放射に伴う損傷を
生じる虞もない。
【0029】また前述の如く、第3の経路を経て伝播す
る磁場エネルギには、前述した位相遅れと共に、該経路
中における溶鋼2の占める部分の長さ、即ち、溶鋼2の
レベルの高低に応じた減衰が生じる。従って、前記位相
差検出器14に換えて強度差検出器を設け、受信コイル
11における誘導電流と送信コイル10に印加される励
磁電流の強度差を演算部15に与えることによっても溶
鋼2のレベル特定が可能であり、このこともまた本発明
の範囲に含まれる。
【0030】図4は、連続鋳造設備の操業開始に際して
実施される本発明方法の実施状態を示す模式的ブロック
図である。
【0031】本図に示す如く連続鋳造設備の操業は、鋳
型1の下側開口部にダミーバー7を挿入し、該ダミーバ
ー7の先端を疑似底とする鋳型1内に浸漬ノズル4から
溶鋼2を注入し、鋳型1の内壁との接触によりダミーバ
ー7先端の鉤部7aに掛止させた状態にて凝固させ、溶
鋼2のレベルが所定のレベルに達した時点にて鉤部7a
に掛止された鋳片の先端と共にダミーバー7を引抜く手
順にて開始される。
【0032】このような鋳造開始に際し実施される本発
明方法は、ダミーバー7を疑似底として鋳型1内部を上
昇する溶鋼2のレベルを監視し、適正な引抜き開始タイ
ミングを得るべく、鋳型1の上下方向略全域に相互に適
宜の間隔を隔てて複数のコイル 18,18…を並設し
て実施される。
【0033】図4はコイル18の配設個数が4個の場合
であり、最下部のコイル18及び下から3番目のコイル
18は、各別の切換スイッチ18a,18cを介して発
振回路12に接続してあり、切換スイッチ 18a,1
8cがオンされた場合、発振回路12の出力である低周
波電流の通電により励磁されて、その周辺に磁場を形成
する送信コイルとして機能するようにしてある。
【0034】一方、下から2番目及び4番目(最上部)
のコイル 18,18は、各別の切換スイッチ 18b
,18dを介して増幅器13及び位相差検出器14に接
続されており、前記磁場のエネルギの伝播に応じて誘導
電流を誘起する受信コイルとして機能し、両コイル 1
8,18の誘導電流は、各別の切換スイッチ 18b,
18dがオン状態にあるとき、増幅器13を経て各別の
位相差検出器14に与えられるようになっている。
【0035】位相差検出器14には、前記発振回路12
の出力もまた与えられており、該位相差検出器14は、
図1に示すものと同様、送信コイルとして機能するコイ
ル18に加えられる励磁電流と、受信コイルとして機能
するコイル18のに誘起される誘導電流との間の位相差
を求め、この結果を演算部15に与える。該演算部15
における演算内容は、図1に示す演算部15と全く同様
であり、演算結果は表示部16上に表示されるようにな
っている。
【0036】以上の如き構成の装置により実施される本
発明方法は、鋳型1内への溶鋼2の注入開始に際し、切
換スイッチ 18a,18bをオンして開始される。こ
のとき最下部のコイル18が発振器12に、下から2番
目のコイル18が増幅器13に夫々接続され、前者のコ
イル18への低周波の励磁電流の通電により生じる磁場
の作用により後者のコイル18に誘導電流が誘起され、
この誘導電流と前記励磁電流との間の位相差が位相差検
出器14の出力として演算部15に与えられ、溶鋼2の
レベルが演算される。この演算により前記両コイル 1
8,18間での溶鋼2のレベル上昇が正確に特定される
ことは前述した如くである。
【0037】受信コイルとして機能するコイル18の誘
導電流の位相遅れの変化は、該コイル18の配設高さを
超えて鋳型1内部の溶鋼2のレベルが上昇すると共にな
くなる。このとき切換スイッチ 18aをオフし、切換
スイッチ 18cをオンすると、該スイッチ 18cに
対応するコイル18、即ち、下から3番目のコイル18
が送信コイルとなり、下から2番目のコイル18を受信
コイルとして、これらのコイル 18,18間にて全く
同様に溶鋼2のレベル2が特定される。このときの切換
スイッチ 18a,18cの操作は、表示部16の表示
結果に基づいてオペレータの手動により行わせてもよく
、演算部15の演算結果に基づいて自動的に行わせても
よい。
【0038】更なる溶鋼2のレベル上昇により3番目の
コイル18の配設位置を超えた場合、切換スイッチ 1
8bのオフ操作及び切換スイッチ 18dのオン操作が
行われる。 これにより、下から3番目のコイル18が送信コイルと
なり、最上部のコイル18が受信コイルとなって、これ
らのコイル 18,18間にて溶鋼2のレベルが特定さ
れる。
【0039】このように本発明方法においては、鋳型1
の上下方向に複数のコイル 18,18…を並設し、こ
れらの内、相隣する一対のコイルを 18,18を送信
コイル及び受信コイルとして機能させ、前述した原理に
よりこれらのコイル 18,18間での溶鋼2のレベル
を特定する過程を鋳型1の下部から順次実施することに
より、コイル 18,18…の並設線上にてこれらの配
設範囲全体での溶鋼レベルの測定が正確に行われる。
【0040】なおこの場合においてもまた、連続鋳造設
備の操業中に実施される本発明方法の場合と同様、位相
差検出器14に換えて強度差検出器を設け、送信側のコ
イル18に印加される励磁電流と受信側のコイル18に
おける誘導電流との間の強度差を演算部15に与えるこ
とによっても溶鋼2のレベル特定は可能である。
【0041】また、前記コイル 18,18…の並設個
数は2個以上であればよいが、相隣するコイル 18,
18間の離隔距離が過大である場合、送信側のコイル1
8により発生する磁場の受信側のコイル18への影響が
少なくなるため、相隣するコイル 18,18間の離隔
距離は所定の上限値以下に制限されるべきであり、鋳型
1の上下方向全域に亘る溶鋼2のレベル測定を可能とす
るためには、ある程度の並設個数は必要となる。なお、
コイル 18,18…の配設個数が3個であるとき、又
は5個以上であるときにおいても図4に示す態様にて本
発明方法の実施が可能であることは言うまでもない。
【0042】なお、以上の如き本発明方法の実施に際し
送信側コイルに印加する低周波電流の周波数は特に限定
するものではないが、現段階においては、10〜100
0Hz程度の周波数の採用により良好な結果が得られて
いる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明方法においては
、鋳型内部の適正レベルを挾んで上下に所定長離隔する
送信コイルと受信コイルとの組を鋳型の幅方向に複数組
配設することにより、連続鋳造設備の操業中における溶
鋼レベルを鋳型の幅方向の分布を含めて測定でき、この
とき鋳型内壁の電磁的な影響が排除され、従来に比して
より高精度でのレベル測定が可能となり、この結果に基
づくレベル制御の実施により、製品鋳片の品質向上が図
れ、またブレークアウトの発生を未然に防止し得ると共
に、鋳込速度の高速化に対応でき、生産性の向上に寄与
できる。また、鋳型の上下方向に所定長離隔させて複数
のコイルを並設し、互いに相隣するコイルの一方を送信
コイルとし他方を受信コイルとして、両コイル間での溶
鋼レベルの特定を行う過程を鋳型の下から順に実施する
ことにより、操業開始に際し鋳型内部を上昇する溶鋼レ
ベルを、鋳型の上下方向略全範囲に亘って正確に測定で
き、信頼できるこの測定結果に基づいてダミーバーの引
抜きを開始することにより、完全自動による操業開始が
可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造設備の操業中における本発明方法の実
施状態を示す模式的ブロック図である。
【図2】本発明方法の原理の説明図である。
【図3】本発明方法の原理の説明図である。
【図4】連続鋳造設備の操業開始時における本発明方法
の実施状態を示す模式的ブロック図である。
【図5】従来の溶鋼レベル測定方法の実施状態を示す模
式図である。
【符号の説明】
1  鋳型 2  溶鋼 5  鋳片 7  ダミーバー 10  送信コイル 11  受信コイル 12  発振器 14  位相差検出器 15  演算部 18  コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  連続鋳造設備の操業中に鋳型の内部に
    て適正レベルの上下に変動する溶鋼レベルを、前記鋳型
    の幅方向のレベル分布を含めて測定する方法において、
    前記適正レベルを挾んで上下に所定長離隔する送信コイ
    ルと受信コイルとの組を前記鋳型の幅方向に複数組配設
    し、各組の送信コイルに低周波の励磁電流を通電して磁
    場を生ぜしめ、この磁場により対応する受信コイルに誘
    起される誘導電流を夫々捉え、該誘導電流と前記励磁電
    流との間の位相差及び/又は強度差を検出し、前記各組
    における検出結果に基づいて前記各組の配設位置での溶
    鋼レベルを特定することを特徴とする連続鋳造用鋳型の
    溶鋼レベル測定方法。
  2. 【請求項2】  連続鋳造設備の操業開始に際し、その
    下部に挿入されたダミーバーの先端を疑似底として鋳型
    内部を上昇する溶鋼レベルを、該鋳型の上下方向の略全
    域に亘って測定する方法において、前記鋳型の上下方向
    に、互いに所定長離隔させて複数のコイルを並設し、互
    いに相隣する一対のコイルの一方に低周波の励磁電流を
    通電して磁場を生ぜしめ、この磁場により他方のコイル
    に誘起される誘導電流を捉え、該誘導電流と前記励磁電
    流との間の位相差及び/又は強度差を検出し、この検出
    結果に基づいて前記一対のコイル間での溶鋼レベルを特
    定する過程を前記鋳型の下部から上部に向けて順次実施
    することを特徴とする連続鋳造用鋳型の溶鋼レベル測定
    方法。
JP10320491A 1991-04-05 1991-04-05 連続鋳造用鋳型の溶鋼レベル測定方法 Pending JPH04309445A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000040403A (ko) * 1998-12-18 2000-07-05 이구택 전자기 연속주조에서 탕면 레벨 측정방법
WO2007041944A1 (fr) * 2005-10-10 2007-04-19 Hong Jiang Appareil de detection de niveau d'acier en fusion utilisant des bobines electromagnetiques

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KR20000040403A (ko) * 1998-12-18 2000-07-05 이구택 전자기 연속주조에서 탕면 레벨 측정방법
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