JP4414609B2 - 鋼の連続鋳造における溶鋼の偏流検知方法ならびに偏流検知装置 - Google Patents
鋼の連続鋳造における溶鋼の偏流検知方法ならびに偏流検知装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造における溶鋼の偏流検知方法ならびにその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造は、一般に水冷鋳型内に溶鋼を注入ノズルを介して注入し、モールドパウダーと称される潤滑剤と鋳型振動によって潤滑しながら連続的に凝固・引き抜きを行うことにより実施される。この際、溶鋼プールに浸漬されて使用される注入ノズルは一般に1本の円筒形の上方の口から溶鋼が供給され、1対の長辺と1対の短辺で構成される矩形断面の鋳型の場合、2口の吐出口が短辺方向に開口され、注入された溶鋼は短辺に衝突して溶鋼プール内でメニスカスに向かう流れと溶鋼プール下方に向かう流れの2つに分岐し、長辺面から見た場合には、4つの大きな渦を形成する。鋼の連続鋳造においては、この流れが溶鋼中に含まれる非金属介在物の運動を支配しており、凝固シェルに捕捉される位置によって表面のキズの起因となったり、あるいは内部に運ばれて欠陥を発生したりする等重要な制御対象となっていることが知られている。特に、この流れで長辺面側から見た場合に発生する左右の非対称流れは偏流と呼ばれ、内部への介在物の侵入量や大きさを増したり、あるいはメニスカス部の流速が片側で上がることによりメニスカスに潤滑剤として存在するパウダーを巻き込み内部に輸送する等の問題を生む原因として、その検知と制御が望まれてきた。
【0003】
従来の検知技術としては、メニスカスの短辺の上昇流がメニスカスに衝突した際に生ずるメニスカスの盛り上がりを左右で測定し、運動エネルギーを位置エネルギーに等しいとして偏流を算出する方法、歪みゲージを漬けた耐火物棒で構成される流速センサーを直接溶鋼に浸漬する方法さらには、鋳型の銅板に埋設した熱電対の温度差から流動のアンバランスを逆算する方法等が検知手段として知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術において、メニスカスの盛り上がりを測定する方法・流速を直接測定する方法は、メニスカスの流動の左右アンバランスを知ることは可能としても、内部欠陥にかかわる下降流を直接知りうる手段とはならないという問題があった。また、熱電対による方法はメニスカスのみではなく比較的下方の情報を得ることができるが、鋳型内でもメニスカスより下がるにつれて、凝固シェルは鋳型と乖離し、その接触状態が常時変化するために正確な流動が得難いという問題があった。また、より根本的な問題として、メニスカスから下方に行くに従って凝固シェルが次第に厚くなり、接触が要求される方法では測定できないという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決したものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)1対の長辺、1対の短辺で構成される鋳造空間に注入ノズルを介して溶鋼を注入し鋳型により冷却して連続的に鋳片を得る方法において、該注入ノズルにより鋳造空間下方に形成される流れが長辺面中央線に対して偏在する偏流を、鋳型下に設置した交流磁場を発生する1次コイル及びその流動による磁束変化を検知する2次コイルから成る装置によって中央線の左右短辺位置において同時に磁束変化を測定し、検知することを特徴とする鋼の連続鋳造における溶鋼の偏流検知方法。
(2)前記1次コイルに流す交流電流の周波数fを下式により規定することを特徴とする上記(1)記載の連続鋳造における溶鋼の偏流検知方法。
【0006】
f≦cv/H
c:定数(105程度の物性と連鋳機仕様できまる定数)
H:メニスカスからセンサーまでの距離[m]
v:鋳造速度[m/min]
(3)鋳型下に設置され、交流磁場を発生する1次コイル及びその流動による磁束変化を検知する2次コイルから成り、1対の長辺1対の短辺で構成される鋳造空間の長辺の幅方向中央線の左右短辺位置において同時に磁束変化を測定する2次コイル及びその変化を演算し流速差に換算する信号処理装置から成ることを特徴とする鋼の連続鋳造における溶鋼の偏流検知装置。
【0007】
【発明の実施の形態】
図2(a)に、センサーの原理を示す。1次コイル1に流した交流電流は、溶鋼7や凝固シェル8中にも磁場2を作り、その磁場2が流動3と干渉することにより誘導電流4が発生する。2次コイル5で1次コイルが直接作る磁場による誘導電流と、干渉により発生する誘導電流による誘導磁場がさらに2次コイル5に作る誘導電流の和を検知して、その差異から予め更正した値を用いて流速に換算することができる。なお、図2(b)のように鉄心6を磁場を強めて信号を大きくすることも、鉄心の冷却を併用することにより可能である。図1のようにこのセンサー9を2台鋳型下部に配することにより左右の偏流を測定することが可能となる。
【0008】
また、1次コイルに流す交流電流の周波数は、凝固によって固体となった部分は溶鋼流速に反映されないことから、一定厚み以上に電磁場を浸透させることが必要であることから決まる。即ち、凝固シェル厚みはある連鋳機では凝固時間(メニスカスからの距離/鋳造速度)の平方根に比例することが知られており、一方磁場の浸透深さは周波数の平方根に逆比例することから、コイルに与える周波数は、鋳造速度/メニスカスからの距離に比例する。このことから、1次コイルに流す交流電流の周波数fをf≦cv/Hの式で規定する周波数条件が付加される。
【0009】
なお、この式において、
c:定数(103 程度の物性と連鋳機仕様できまる定数)、
H:メニスカスからセンサーまでの距離[m]
v:鋳造速度[m/min]、である。
なお、上記式で算出される適用周波数fとしては約100〜300Hzが望ましい。
【0010】
【実施例】
図2(b)に示すような流速測定装置を、幅1500mm、高さ800mm、キャビティー(鋳造空間)厚み250mmの鋳型の下の短辺ロール直下に配置し、ノズル角度下向き25度、鋳造速度が1,1.3,1.5m/分、1次コイルに付与した周波数:200Hz、の時に測定したデータを比較した。また、鋳造速度が同じ1.5m/分でノズルの片側への詰まりが発生した鋳造と、そうでない鋳造の時に測定したデータを比較した。おのおのの結果を図3に示すが、偏流度合いが把握できることがわかる。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法を用いれば、従来の装置及び方法では得られなかった溶鋼プール内部の偏流検知が可能となり、内部欠陥の正確な把握による欠陥鋳片の識別、流動制御による改善が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏流検知のためのセンサー配置図。
【図2】センサーの原理図。
【図3】センサー測定の例。
【符号の説明】
1…1次コイル
2…1次コイルが作る磁場
3…溶鋼流動
4…誘導電流
5…2次コイル
6…鉄心
7…溶鋼
8…凝固シェル
9…センサー
10…下降流
11…鋳型
12…上昇流
13…注入ノズル
Claims (3)
- 1対の長辺、1対の短辺で構成される鋳造空間に注入ノズルを介して溶鋼を注入し鋳型により冷却して連続的に鋳片を得る方法において、該注入ノズルにより鋳造空間下方に形成される流れが長辺面中央線に対して偏在する偏流を、鋳型下に設置した交流磁場を発生する1次コイル及びその流動による磁束変化を検知する2次コイルから成る装置によって中央線の左右短辺位置において同時に磁束変化を測定し、検知することを特徴とする鋼の連続鋳造における溶鋼の偏流検知方法。
- 前記1次コイルに流す交流電流の周波数fを下式により規定することを特徴とする請求項1記載の鋼の連続鋳造における溶鋼の偏流検知方法。
f≦cv/H
c:定数(103 程度の物性と連鋳機仕様で決まる定数)
H:メニスカスからセンサーまでの距離[m]
v:鋳造速度[m/min] - 鋳型下に設置され、交流磁場を発生する1次コイル及びその流動による磁束変化を検知する2次コイルから成り、1対の長辺と1対の短辺で構成される鋳造空間の長辺の幅方向中央線の左右短辺位置において同時に磁束変化を測定する2次コイル及びその変化を演算し流速差に換算する信号処理装置から成ることを特徴とする鋼の連続鋳造における溶鋼の偏流検知装置。
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