JPH04298817A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH04298817A
JPH04298817A JP3143494A JP14349491A JPH04298817A JP H04298817 A JPH04298817 A JP H04298817A JP 3143494 A JP3143494 A JP 3143494A JP 14349491 A JP14349491 A JP 14349491A JP H04298817 A JPH04298817 A JP H04298817A
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JP
Japan
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film
magnetic recording
substrate
recording medium
thin film
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Pending
Application number
JP3143494A
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English (en)
Inventor
Sanemori Soga
眞守 曽我
Norihisa Mino
規央 美濃
Kazufumi Ogawa
一文 小川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP19920101718 priority patent/EP0498338B1/en
Priority to CA 2060629 priority patent/CA2060629C/en
Publication of JPH04298817A publication Critical patent/JPH04298817A/ja
Priority to US08/155,244 priority patent/US5443901A/en
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報産業等で利用され
る高記録密度の磁気記録媒体や、家庭用オーディオ・ビ
デオテープなどの磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープは、従来たとえばポリエステ
ルフィルムなどの基板上にフェライト粉末などの磁気材
料を溶剤とともに塗布し、乾燥後、カレンダーロール等
で押圧して製造されていた(塗布型磁気記録媒体)。こ
の塗布型磁気記録媒体においては、たとえばポリエステ
ルフィルムを基板として用いた場合、長時間使用するた
め基板の厚さをなるべく薄くし、かつ摩擦性を向上させ
て走行性(滑り性)を満足させるため、ポリエステルの
製造時に内部粒子を生成させたり、あるいはシリカ微粒
子などの外部粒子を添加してフィルム基材の表面に微細
な凸凹を付与することが行われている。
【0003】また、近年は前記従来の塗布型磁気記録媒
体に代わって、メッキ法、スパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法等の方法によって、強磁性
金属薄膜を非磁性支持体上に設けた磁気記録媒体が、高
密度磁気記録媒体として研究されている。
【0004】しかしながら前記した方法で作られた強磁
性金属薄膜を用いた磁気記録媒体は、その耐摩耗性およ
びその走行性に問題がある。すなわち、磁気記録媒体は
磁気信号の記録、再生の過程において、磁気ヘッドやガ
イドとの高速相対運動の下におかれる。このとき、磁気
記録媒体の走行が円滑でかつ安定な状態で行わなければ
ならない。しかしながら前記方法で作られる強磁性金属
薄膜は、磁気記録、再生の過程の過酷な条件耐えること
ができず、磁気ヘッド等の摩擦によって走行が不安定に
なったり、長時間走行させた場合には摩耗したり、破損
したり、摩耗粉の発生によって著しく出力が低下するこ
とがあった。そのため、強磁性金属薄膜上に飽和脂肪酸
またはその金属塩より成る単分子膜を形成することが提
案されている(特開昭50−75001号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記塗
布型磁気記録媒体およびその他の高密度磁気記録媒体に
使用されるフィルム基材を一例として挙げると、フィル
ム表面に付与した微細な凸凹のうち少しでも高い突出部
があると、フィルムを巻いたときに接触する記録媒体側
に転写されてしまい、この部分の記録が不能になったり
破損するという課題がある。
【0006】また、前記高密度磁気記録媒体においても
、特開昭50−75001号公報のような手段を採用し
ても、初期の潤滑性は若干改善が見られるが、滑性耐久
性がなく、走行安定性および耐摩耗性についても未だ充
分であるとはいえない。これは、飽和脂肪酸の単分子層
と強磁性金属薄膜との結合が物理吸着程度の弱いもので
あるため、走行中に摺動する磁気ヘッド等により、飽和
脂肪酸が削り取られるからである。
【0007】本発明は前記従来技術の課題を解決するた
め、滑性耐久性、走行性、耐摩耗性のすぐれた磁気記録
媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
、本発明の第1番目の発明の磁気記録媒体は、非磁性基
板上に強磁性金属薄膜を有する磁気記録媒体であって、
前記強磁性金属薄膜上または基板の裏面上の少なくとも
一方に、シロキサン結合を有する化学吸着膜を形成した
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の第2番目の発明の磁気記録
媒体は、非磁性基板上に強磁性金属薄膜が設けられた磁
気記録媒体であって、前記強磁性金属薄膜上に無機酸化
物層を形成し、前記無機酸化物層上または基板の裏面上
の少なくとも一方に、シロキサン結合を有する化学吸着
膜を形成したことを特徴とする。
【0010】前記構成においては、化学吸着膜がフッ化
アルキル基もしくはアルキル基を含有する膜であること
が好ましい。また前記構成においては、化学吸着膜が単
分子膜であることが好ましい。
【0011】また前記構成においては、無機酸化物層が
SiO2 、TiO2 、Al2 O3 から選ばれる
少なくとも一つを含むことが好ましい。また前記構成に
おいては、基板が樹脂製フィルムまたはディスクである
ことが好ましい。
【0012】さらに前記構成においては、無機酸化物層
の厚さが1〜50nmであることが好ましい。
【0013】
【作用】前記本発明の第1発明の構成によれば、強磁性
金属薄膜上または基板の裏面上の少なくとも一方に、シ
ロキサン結合を有する化学吸着膜を形成したので、磁気
ヘッドや走行時に接触する各種部材等との摩擦によって
、前記化学吸着膜が削り落とされることがなく、滑性耐
久性、走行性、耐摩耗性のすぐれた磁気記録媒体が得ら
れる。すなわち、本発明に用いる化学吸着膜はシロキサ
ン結合によって、強磁性金属薄膜および/または基板の
裏面と直接化学結合(共有結合)しているからである。
【0014】次に本発明の第2発明によれば、無機酸化
物層の上にシロキサン結合を介して化学吸着膜が形成さ
れているので、化学吸着膜が緻密に形成でき、さらに優
れた滑性耐久性、走行性、耐摩耗性を有する磁気記録媒
体を実現できる。
【0015】また前記、化学吸着膜がフッ化アルキル基
もしくはアルキル基を含有する膜であるという本発明の
好ましい構成によれば、化学吸着膜の表面にフッ化アル
キル基もしくはアルキル基が位置するようになるので、
摩擦特性をさらに向上させることができる。
【0016】また前記、化学吸着膜が単分子膜であると
いう本発明の好ましい構成によれば、膜の厚さをナノメ
ータレベルの範囲の極薄にできるので、本来の記録等の
機能を妨げることがない。
【0017】また、無機酸化物層がSiO2 、TiO
2 、Al2 O3 の少なくとも一つを含むという本
発明の好ましい構成によれば、これらの無機酸化物層も
滑性耐久性、走行性、耐摩耗性を発揮するから、さらに
優れた特性を付与できる。とくにSiO2 層の場合は
、シロキサン結合の密度を高くできるので、緻密な化学
吸着膜を形成することができる。
【0018】また、基板が樹脂製フィルムまたはディス
クであるという本発明の好ましい構成によれば、滑性耐
久性、走行安定性、耐摩耗性走行がとくに問題となるこ
れらの基板の欠点を改良できる。
【0019】さらに、無機酸化物層の厚さが1〜50n
mであるという本発明の好ましい構成によれば、記録特
性などほかの特性を阻害することがない。
【0020】
【実施例】以下実施例を用いて本発明の具体例をさらに
詳細に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定され
ることはない。
【0021】本発明の磁気記録媒体の一実施例は図1に
示すように、非磁性基板1上に設けた強磁性金属薄膜2
の表面にシロキサン結合3を介して化学吸着膜4を形成
したものである。なお5はシロキサン結合3と化学吸着
膜4とを合わせた化学吸着単分子膜5である。図2は図
1を模式的に示した概念断面図である。図3はフィルム
等に有用な実施例であり、フィルム基板6の裏面にシロ
キサン結合を介して化学吸着単分子膜5を形成したもの
である。図4も同じくフィルム等に有用な実施例であり
、フィルム基板6上に設けた強磁性金属薄膜2の表面と
、フィルム基板6の裏面の双方に化学吸着単分子膜5を
形成したものである。
【0022】図5は、フィルム基板11上に設けた強磁
性金属薄膜12の表面に、金属酸化物層13を設け、そ
の表面にシロキサン結合14を介して化学吸着膜15を
形成した例である。16は化学吸着単分子膜である。
【0023】本発明による磁気記録媒体に使用しうる非
磁性基板1としては、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリ塩化ビニル、酢酸セルロース、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミド等の高分子材料、非磁性金属材料、ガラ
ス、磁器等のセラミック材料等周知の材料からなるフィ
ルム、板等がある。
【0024】また、本発明の磁気記録媒体に使用しうる
強磁性金属薄膜2を形成する強磁性材料としては、周知
の任意の材料が使用でき、例えば鉄、コバルト、ニッケ
ルの1種類以上の合金またはこれらと、他の金属例えば
マンガン、クロム、チタン、リン、イットリウム、サマ
リウム、ビスマス等とを組み合わせた合金があり、また
、上記金属の酸化物等がある。
【0025】非磁性基板1上に強磁性金属薄膜2を形成
させるに当たっては、真空蒸着法、スパッタリング法、
メッキ法等任意の周知の方法で形成させることができる
。金属酸化物層13としてはSiO2 、TiO2 、
Al2 O3 等が透明性の点から、好ましい。また、
SiO2 の場合は、通常のガラス基板と同じように表
面に水酸基が高密度で存在するので、テトラクロロシラ
ンで前処理しなくてもクロロシラン系界面活性剤を高密
度で形成できる。
【0026】金属酸化物層13を形成するにあたっては
、スパッタリング法、真空蒸着法等の方法で形成するこ
とができる。本発明により、磁気記録層12上に、金属
酸化物層13を形成する場合、その膜厚は1〜50nm
が好ましい。前記膜厚が50nmを越えると、剥離ある
いはクラックが生じやすくなる。また、1nmより小さ
くすると、ピンホールが生じやすくなって、化学吸着膜
を形成しにくくなる。
【0027】本発明の磁気記録媒体に用いる化学吸着膜
の単分子膜はフッ化アルキル基もしくはアルキル基を含
有するクロロシラン系界面活性剤から構成されている。 フッ化アルキル基を有するクロロシラン系界面活性剤と
しては、下記のものを一例としてあげることができる。 (1) トリクロロシラン系界面活性剤の例CF3 (
CF2 )7 (CH2 )2 SiCl3 ,CF3
 CH2 O(CH2 )15SiCl3 ,CF3 
(CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )1
5SiCl3 ,F(CF2 )4 (CH2 )2 
Si(CH3 )2 (CH2 )9 SiCl3 ,
F(CF2 )8 (CH2 )2 Si(CH3 )
2 (CH2 )9 SiCl3 ,CF3 COO(
CH2 )15SiCl3 ,CF3 (CF2 )5
 (CH2 )2 SiCl3 ,(2) 低級アルキ
ル基置換のモノクロロシラン系あるいはジクロロシラン
系界面活性剤(但し式中のnは何れも1又は2) CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCln
 (CH3 )3−n ,CF3 (CF2 )7 (
CH2 )2 SiCln (C2 H5 )3−n 
,CF3 CH2 O(CH2 )15SiCln (
CH3 )3−n ,CF3 CH2 O(CH2 )
15SiCln (C2 H5 )3−n ,CF3 
(CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )1
5SiCln (CH3 )3−n ,CF3 (CH
2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )15Si
Cln (C2 H5 )3−n ,F(CF2 )8
 (CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2 )
9 SiCln (CH3 )3−n ,F(CF2 
)8 (CH2 )2 Si(CH3 )2 (CH2
 )9 SiCln (C2 H5 )3−n,CF3
 COO(CH2 )15SiCln (CH3 )3
−n ,CF3 COO(CH2 )15SiCln 
(C2 H5)3−n ,CF3 (CF2 )5 (
CH2 )2 SiCln (CH3 )3−n ,C
F3 (CF2 )5 (CH2 )2 SiCln 
(C2 H5 )3−n  これらの中でも特にトリクロロシラン系界面活性剤の親
水性基と結合したクロロシリル結合以外のクロロシリル
結合が、隣合うクロロシラン基とシロキサン結合で分子
間結合を形成するため、より強固な化学吸着膜となり好
ましい。
【0028】また、CF3 (CF2 )n CH2 
CH2 SiCl3 (但し式中のnは整数であり、3
〜25程度が最も扱いやすい)が、溶剤溶解性、化学吸
着性と潤滑性、撥水撥油性又は防汚性等の機能性との釣
合が取れているため好ましい。さらにまた、アルキル鎖
又はフッ化アルキル鎖部分にビニレン基(または2重結
合基)やエチニル基(または3重結合基)を組み込んで
おけば、化学吸着膜形成後、5メガラド程度の電子線照
射で架橋できるので、さらに化学吸着膜自体の硬度を向
上させることも可能である。
【0029】アルキル基を有するクロロシラン系界面活
性剤としては、例えば、CH3 (CH2 )18Si
Cl3 ,CH3 (CH2 )15SiCl3 ,C
H3 (CH2 )10SiCl3 ,CH3 (CH
2 )25SiCl3 等のようなトリクロルシラン系
界面活性剤をはじめ、例えばCH3 (CH2 )18
SiCln (CH3 )3−n ,CH3 (CH2
 )18SiCln (C2 H5 )3−n ,CH
3 (CH2 )15SiCln (CH3 )3−n
 ,CH3 (CH2 )10SiCln (CH3 
)3−n ,CH3 (CH2 )25SiCln (
C2 H5 )3−n 等のような低級アルキル基置換
のモノクロルシラン系あるいはジクロルシラン系界面活
性剤が挙げられる。この中でもCH3 (CH2 )n
 SiCl3 (但し式中のnは整数であり、3〜25
程度が最も扱いやすい)が、溶剤溶解性の点で好ましい
【0030】本発明に適用できるクロロシラン系界面活
性剤は、前記に例示したように直鎖状だけではなく、フ
ッ化アルキル基又は炭化水素基が分岐した形状でも、又
は末端の珪素にフッ化アルキル基もしくは炭化水素基が
置換した形状(即ちR、R1 、R2 、R3 をフッ
化アルキル基又は炭化水素基として一般式R2 SiC
l2 、R3 SiCl、R1 R2 SiCl2 、
もしくはR1 R2 R3 SiCl等)であってもよ
いが、吸着密度を高めるためには一般には直鎖状が好ま
しい。さらに、例えば、SiCl4 、SiHCl3 
、SiH2 Cl2 、Cl−(SiCl2 O)n 
−SiCl3 (但し式中nは自然数)、SiClm 
(CH3)4−m 、SiClm (C2 H5 )4
−m (但し式中mは1〜3の整数)、HSiCll 
(CH3 )3−l 、HSiCll (C2 H5 
)3−l (但し式中lは1又は2)等のようなクロロ
シリル結合を複数個含む物質を化学吸着させた後水と反
応させると、表面のクロロシリル結合が親水性のシラノ
ール結合に変わり、強磁性金属薄膜が親水性となる。
【0031】なお、このクロロシリル基を複数個含む物
質の中でも、テトラクロロシラン(SiCl4 )は反
応性が高く分子量も小さいことから、高密度にシラノー
ル結合を付与できるため好ましい。この上に例えばフッ
化アルキル基を含むクロロシラン系界面活性剤を化学吸
着でき、このようにして得た化学吸着膜はより高密度化
されるため、滑性耐久性、走行性、耐摩耗性の機能がよ
りより高められる。
【0032】本発明の磁気記録媒体において化学吸着膜
4は、非磁性基板1上に強磁性金属薄膜2を形成したも
のを、非水系の有機溶媒に浸漬して、前記強磁性金属薄
膜2上にフッ化アルキル基もしくはアルキル基を有する
クロロシラン系界面活性剤を吸着させ、非水系溶媒で洗
浄後、水洗、乾燥して形成することができる。
【0033】本発明の磁気記録媒体の製造方法に用いる
非水系溶媒は、強磁性金属薄膜2を形成する非磁性基板
を溶解せず、かつクロロシラン系界面活性剤と反応する
活性水素を持たない有機溶媒であればよい。その例とし
てたとえば1,1−ジクロロ,1−フルオロエタン、1
,1−ジクロロ,2、2、2−トリフルオロエタン、1
,1−ジクロロ,2,2,3,3,3−ペンタフルオロ
プロパン、1,3−ジクロロ,1,1,2,2,3−ヘ
プタフルオロプロパン、フルオロアルキル基を有する三
級アミンあるいはフルオロアルキル基を有する環状エー
テル等のフッ素系溶媒、例えばヘキサン、オクタン、ヘ
キサデカン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、例え
ばジブチルエーテル、ジベンジルエーテル等のエーテル
系溶媒、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸アミル等エステル系溶媒の何れかが好ましい
。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケト
ン等が一例として挙げられる。
【0034】また、本発明の強磁性金属薄膜2の表面に
形成される化学吸着膜4は、単分子化学吸着膜一層だけ
でも充分に機能が発揮される。単分子化学吸着膜を一層
だけ形成するには、クロロシラン系界面活性剤又はクロ
ロシリル基を複数個含む物質を化学吸着した後、水分に
接触させないで非水系の溶剤で洗浄するだけでよく、特
別な工程を要しなく簡便に行える。また、化学吸着膜は
単分子膜が累積していても良いこと勿論である。ただし
、記録媒体側に形成する場合は、化学吸着膜の厚さを5
0nm以下にするのが好ましい。50nmより厚くなる
と、信号の再生時にスペーシングロスにより出力が低下
するので好ましくない。フィルム基材の裏面に化学吸着
膜を形成する場合は、厚さはとくに限定されない。
【0035】次に具体的実施例を用いて本発明を説明す
る。 実施例1 厚さ20μmのポリイミドフィルム基板上に、真空蒸着
法によりコバルト(90%)−クロム(10%)からな
る膜厚150nmの強磁性金属薄膜を作成した。この強
磁性金属薄膜を形成した基板から100mm×100m
mの大きさの片を切取り、フッ化アルキル基を含むクロ
ロシラン系界面活性剤としてヘプタデカフルオロデシル
トリクロロシランを用い、濃度10−2mol /lの
シクロヘキサン溶液に窒素雰囲気下室温で60分間浸漬
し、引き続いて未反応のヘプタデカフルオロデシルトリ
クロロシランをシクロヘキサンで洗浄して、しかる後純
水で洗浄し、フッ化アルキル基を含むシロキサン結合を
介した化学吸着単分子膜を前記強磁性金属薄膜表面に形
成した。得られた化学吸着単分子膜の厚さは約15オン
グストロームであった。
【0036】実施例2 実施例1においてヘプタデカフルオロデシルトリクロロ
シランをトリデカフルオロオクチルトリクロルシランに
変えて、実施例1と同様の実験をした。
【0037】実施例3 実施例1においてヘプタデカフルオロデシルトリクロロ
シランをパーフルオロドデシルトリクロルシランに変え
て、実施例1と同様の実験をした。
【0038】実施例4 実施例1の強磁性金属薄膜を形成した基板を1wt%の
テトラクロロシランのシクロヘキサン溶液に窒素雰囲気
下室温で60分間浸漬し、引き続いて未反応のテトラク
ロロシランをシクロヘキサンで洗浄して、しかる後純水
で洗浄し、乾燥した試料を用いて実施例1と同様の実験
をした。
【0039】実施例5 実施例1のヘプタデカフルオロオクチルトリクロロシラ
ンを19−トリメチルシリル−18−ノナデセニルトリ
クロルシランに変えて、実施例1と同様の実験をし、化
学吸着膜形成後、5メガラドの電子線照射を1分間照射
した。
【0040】比較例1 実施例1において化学吸着膜の代わりに、ステアリン酸
Baの単分子膜をLB法(ラングミュア−ブロジェット
法)で1層形成した。
【0041】実施例1〜5および比較例1の試料の動摩
擦係数を摩擦摩耗係数計(DFPM形、協和界面科学製
)で測定した。この測定装置で用いたヘッドは直径3m
mの鋼球で、ヘッド荷重100g、ヘッドの走行速度1
.0mm/sで測定した。その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1のデータから明らかな通り、本発明に
よる実施例1〜5の磁気記録媒体は初期動摩擦係数はも
ちろん、200回往復後においても動摩擦係数が低く、
滑性耐久性において、比較例よりすぐれていることが確
認できた。
【0044】比較例1では、ステアリン酸Baの単分子
層と磁性層との結合が弱いために、ヘッドにより削り取
られ、動摩擦係数がヘッドの往復回数が増すにしたがっ
て大きくなり、滑性耐久性が見られなかった。
【0045】また、これらの磁気記録媒体を直径75m
mの大きさの片に切り取り、市販のフロッピィディスク
と同等の機能を有する試験機で走行させたところ、実施
例1〜5の磁気記録媒体は、100時間後も走行が安定
し、摩耗傷は見られなかった。
【0046】これに対し比較例1の磁気記録媒体は走行
が不安定になり、磁性面に摩耗傷がみられた。なお、以
上の実施例では、磁気ディスクについて示したが、本発
明の磁気記録媒体は、磁気テープ、磁気カード等にも適
用できることは明かである。また垂直磁気記録膜を用い
た磁気記録媒体にも適用できる。
【0047】実施例6 マグヘマイト(γ−Fe2 O3 )300重量部、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体(共重合比87:13w
t% 、分子量約400)40重量部、エポキシ樹脂(
ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの反応物、水酸
基含有量0.16、分子量約470、エポキシ含有量0
.36〜0.44)30重量部、シリコーンオイル5重
量部、トルエンスルホン酸エチルアミド7重量部、酢酸
エチル250重量部、メチルエチルケトン250重量部
からなる組成物をボールミルに入れ、混合分散し、ポリ
イソシアネート(3モルのトリレンジイソシアネートと
1モルのトリメチロールプロパン)20重量部を加え、
均一に分散混合して磁性塗料とした。この磁性塗料を厚
さ18μm、幅600mmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム(テープ状)基板11上に、乾燥厚さが7μ
mとなるように塗布した。次に1000Oeの直流磁場
で磁場配向し、80℃、10時間の加熱処理を施して、
バインダーの硬化を促進させた。次にスーパーカレンダ
ーロールを用いて加圧処理し、バインダー層の緻密化を
行った。 次にスパッタ法により、バインダー層の表面に膜厚10
nmのSiO2 を金属酸化物層13として形成した。
【0048】このようにしてつくった磁気テープを、フ
ッ化アルキル基を含むクロロシラン系界面活性剤として
ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランを用い、濃
度10−2mol /lのシクロヘキサン溶液に窒素雰
囲気下室温で60分間浸漬し、引き続いて未反応のヘプ
タデカフルオロデシルトリクロロシランをシクロヘキサ
ンで洗浄して、しかる後純水で洗浄し、フッ化アルキル
基を含むシロキサン結合14を介した単分子膜15をS
iO2 層13の表面に形成した。16が化学吸着単分
子膜である。
【0049】このようにして得られた磁気テープは、動
摩擦係数が初期0.15であり、また200回往復後も
0.15であり、摩擦特性がきわめて優れていることが
確認できた。
【0050】またバインダー層と反対側の裏面側(ポリ
エステル基材部分)に膜厚10nmのSiO2 を金属
酸化物層として形成し、前記と同様にフッ化アルキル基
を含むクロロシラン系界面活性剤としてヘプタデカフル
オロデシルトリクロロシランを用い、濃度10−2mo
l /lのシクロヘキサン溶液に窒素雰囲気下室温で6
0分間浸漬し、引き続いて未反応のヘプタデカフルオロ
デシルトリクロロシランをシクロヘキサンで洗浄して、
しかる後純水で洗浄し、フッ化アルキル基を含むシロキ
サン結合を介した化学吸着単分子膜を形成させても、前
記と同様に摩擦特性がきわめて優れていることが確認で
きた。
【0051】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、強
磁性金属薄膜上若しくはその表面の金属酸化物層または
基板の裏面上の少なくとも一方に、シロキサン結合を有
する化学吸着膜を形成したので、磁気ヘッドや走行時に
接触する各種部材等との摩擦によって、前記化学吸着膜
が削り落とされることがなく、滑性耐久性、走行性、耐
摩耗性にすぐれ、それを長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である非磁性基板上に設けた
強磁性金属薄膜の表面にシロキサン結合を介して化学吸
着膜を形成した概念断面図である。
【図2】同、図1を模式的に示した概念断面図である。
【図3】本発明の別の実施例である非磁性基板の裏面に
シロキサン結合を介して化学吸着単分子膜を形成した概
念断面図である。
【図4】本発明の別の実施例である強磁性金属薄膜の表
面と、非磁性基板の裏面の双方に化学吸着単分子膜を形
成した概念断面図である。
【図5】フィルム基板上の強磁性金属薄膜の表面に金属
酸化物層を設け、その表面にシロキサン結合を介して化
学吸着膜を形成した例である。
【符号の説明】
1    非磁性基板 2    強磁性金属薄膜 3    シロキサン結合 4    化学吸着膜 5    化学吸着単分子膜 6    フィルム基板 11  フィルム基板 12  強磁性金属薄膜 13  金属酸化物層 14  シロキサン結合 15  化学吸着膜 16  化学吸着単分子膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  非磁性基板上に強磁性金属薄膜が設け
    られた磁気記録媒体であって、前記強磁性金属薄膜上ま
    たは基板の裏面上の少なくとも一方に、シロキサン結合
    を有する化学吸着膜を形成したことを特徴とする磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】  非磁性基板上に強磁性金属薄膜が設け
    られた磁気記録媒体であって、前記強磁性金属薄膜上に
    無機酸化物層を形成し、前記無機酸化物層上または基板
    の裏面上の少なくとも一方に、シロキサン結合を有する
    化学吸着膜を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】  化学吸着膜が、フッ化アルキル基もし
    くはアルキル基を含有する膜である請求項1または2に
    記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】  化学吸着膜が単分子膜である請求項1
    または2に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】  無機酸化物層がSiO2 、TiO2
     、Al2 O3 から選ばれる少なくとも一つを含む
    請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】  基板が樹脂製フィルムまたはディスク
    である請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】  無機酸化物層の厚さが1〜50nmで
    ある請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
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