JPH04298642A - ロータリピストンエンジンの点火装置 - Google Patents

ロータリピストンエンジンの点火装置

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JPH04298642A
JPH04298642A JP8766891A JP8766891A JPH04298642A JP H04298642 A JPH04298642 A JP H04298642A JP 8766891 A JP8766891 A JP 8766891A JP 8766891 A JP8766891 A JP 8766891A JP H04298642 A JPH04298642 A JP H04298642A
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JP
Japan
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ignition
spark plug
rotary piston
piston engine
engine
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Application number
JP8766891A
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English (en)
Inventor
Hisanori Nakane
中根 久典
Junichi Funamoto
船本 準一
Yasushi Akatsuka
靖 赤塚
Kazuhiro Shiomi
和広 塩見
Haruo Okimoto
沖本 晴男
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロ−タリピストンエンジ
ンの点火装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】ロ−タリピストンエンジンにおいては、燃
焼室を構成する作動室がロ−タの回転方向に細長く形成
されて、理想的な等容燃焼を行なう上での大きな問題と
なる。このため、ロ−タリピストンエンジンにあっては
、通常、第1点火プラグと第2点火プラグとの2つの点
火プラグを設け、この2つの点火プラグを、それぞれ圧
縮上死点にある作動室のロ−タ回転方向中間位置付近す
なわちトロコイド短軸付近に位置するように、かつ互い
に該回転方向に位相差をもって配置している。しかしな
がら、この2プラグ式のものでも、十分な燃焼改善を得
ることが不可能である。特に、ロ−タの回転方向遅れ側
での燃焼性が悪く、理想的な等容燃焼を得る上で好まし
くないのは勿論のこと、HC増大の大きな原因となる。
【0003】特開平1−237322号公報には、上記
2つの点火プラグよりもロ−タの回転方向さらに進み側
に第3点火プラグを設けたものもあるが、これは、第3
点火プラグ付近での加圧エア供給によって圧縮上死点を
実質的にリタ−ドさせるためのものであり、上述の問題
を解消するものとはならない。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、燃
焼性改善等のためにより最適な点火を行なえるようにし
たロ−タリピストンエンジンの点火装置を提供すること
にある。
【0005】
【発明の構成】上記目的を達成するため、本発明にあっ
ては次のような構成としてある。すなわち、1つの気筒
に対して、第1点火プラグと第2点火プラグと第3点火
プラグとの3つの点火プラグが設けられ、前記第1点火
プラグと第2点火プラグとは、圧縮上死点にある作動室
のロ−タ回転方向略中間に位置するようにかつ該回転方
向において互いに位相差をもって配置され、前記第3点
火プラグは、前記第1点火プラグと第2点火プラグとに
対して、ロ−タの回転方向遅れ側に配置され、前記第1
点火プラグと第2点火プラグとの2つの点火プラグによ
る点火が行なわれる第1点火状態と、第1ないし第3の
3つの点火プラグによる点火が行なわれる第2点火状態
とが、所定の条件に基づいて切換えられる、ような構成
としてある。
【0006】
【発明の効果】上述のように構成された本発明にあって
は、ロ−タの回転方向もっとも遅れ側にさらに第3点火
プラグを追加設定することにより、この第3点火プラグ
付近での燃焼性が改善されて、理想的な等容燃焼により
近ずけることができ、この他燃焼安定性の確保、排気ガ
ス中の未燃焼成分の減少を図ることができる。
【0007】また、本発明では、第1点火プラグと第2
点火プラグとの2つの点火プラグによる点火を行なう第
1点火状態と、3つの点火プラグ全てによる点火を行な
う第2点火状態とを、所定の条件に基づいて切換えるよ
うにしてある。すなわち、第3点火プラグの点火を行な
うことが特に必要でないときは、当該第3点火プラグを
休止させることにより、消費電力の増大が極力防止され
る。
【0008】上記第1点火状態と第2点火状態との切換
えは、基本的にはエンジン回転数をパラメ−タとして行
なうのが好ましい。すなわち、特に燃焼改善が要求され
る低回転時には第2点火状態とし、高回転時には第1点
火状態とするのがよい。高回転時に第3点火プラグによ
る点火を行なうと、ロ−タの回転方向遅れ側端付近にお
ける大きな燃焼ガスによって作動室を仕切るシ−ルを悪
化させてしまうおそれがあるが、高回転時に第1点火時
期とすることによりこのような事態が防止される。
【0009】ただし、冷機時には、低回転時であっても
、排気ガス温度を高めて排気ガス浄化触媒を早期に活性
化するため、第1点火時期とするのが好ましい。これに
対して、排気温度が高くなったときは、第2点火状態と
して、排気温度をすみやかに低下させるのが好ましい。
【0010】また、自動変速機の変速時やトラクション
制御等により、アクセル操作に優先したトルクダウン要
求時には、全ての点火プラグの点火時期をリタ−ドさせ
つつ、排気ガス温度を上昇させないため第2点火時期と
するのが好ましい。勿論、特に過給を行なう場合に生じ
易いノッキング発生時にも、点火時期をリタ−ドさせつ
つ第2点火状態とするのが好ましい。
【0011】第1点火状態のとき、休止される第3点火
プラグが燃焼ガスにより汚損される可能性が考えられる
が、この場合は、第3点火プラグを燃焼に関与しないタ
イミングで点火させて(いわゆる空打ち)、当該第3点
火プラグを常に清浄化しておくのが好ましい。勿論、こ
のようなタイミングでの点火は、正規の点火タイミング
での点火時よりも消費電力が小さくてすむものである。 本発明の好ましい態様およびその利点は、以下の実施例
の説明から明らかとなる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。図1において、エンジンEは、第1気筒R
E1と第2気筒RE2とを有する、バンケル型の2気筒
ロ−タリピストンエンジンとされている。各気筒RE1
とRE2とは同様な構成とされているので、第1気筒R
E1に着目してその構成を説明し、第2気筒RE2につ
いては第1気筒の説明に用いた符号と同様の符号を付す
ることによって、重複した説明を省略する。
【0013】先ず、気筒RE1は、ロ−タハウジング1
内に収納されたロ−タ2を有し、このロ−タ2によって
気筒内には3つの作動室3、4、5が画成されている。 各作動室3、4、5は、ロ−タの遊星運動に伴って、吸
入、圧縮、膨張(爆発)、排気の工程を周期的に繰返す
。図1の状態では、第1気筒RE1については、作動室
3が吸入行程にあり、作動室4が圧縮上死点にあり、作
動室5が排気行程にある場合を示し、また第2気筒RE
2については、作動室3が圧縮行程にあり、作動室4が
膨張行程にあり、作動室5が排気行程終期にある場合を
示している。
【0014】1つの気筒に対しては、第1〜第3の3つ
の点火プラグ6、7、8が設けられている。第1点火プ
ラグ6は、圧縮上死点にある作動室(第1気筒RE1の
作動室4の状態参照)のロ−タ回転方向中間位置すなわ
ちトロコイド短軸よりも若干進み側(ロ−タ2の回転方
向進み側−以下同じ)に位置され、第2点火プラグはト
ロコイド短軸よりも若干遅れ側に位置されており、この
ような配置位置は既存の2プラグ式のロ−タリピストン
エンジンのものと同じである。第3点火プラグ8は、圧
縮上死点にある作動室のうちロ−タの回転方向もっとも
遅れ側端近傍に位置されている。なお、この点火プラグ
6、7、8の作動の詳細については後述する。
【0015】各気筒RE1とRE2とのサイドハウジン
グ9には、吸気ポ−ト11と、該吸気ポ−ト11よりも
遅れて閉じられる連通ポ−ト12とが形成されている。 連通ポ−ト12は、一方の気筒が圧縮行程にあるときに
他方の気筒が吸気行程にあるような関係となるようにそ
のタイミングが設定されている。より具体的には、連通
ポ−ト14の開タイミングは、例えば吸気上死点後85
度〜110度の範囲(実施例では85度)で、また連通
ポ−ト14の閉タイミングは、例えば吸気上死点後11
0度〜130度の範囲(実施例では130度)に設定す
ることができる。このような連通ポ−ト12同士は、連
通路13によって連通され(連通路13は実際には中間
ハウジングに形成されている)、この連通路13は制御
弁14によって開閉される。この開閉弁14が開いたと
きは、実質的に吸気遅閉じとされて、ポンピングロスが
低減される。
【0016】図1中21は、エアクリ−ナ20より伸び
る吸気通路であり、その下流側端部は2本に分岐されて
、一方の分岐吸気通路21Aが第1気筒RE1の吸気ポ
−ト11に連なり、他方の分岐吸気通路21Bが第2気
筒RE2の吸気ポ−ト11に連なっている。この吸気通
路21には、2つの排気タ−ボ過給機22、23が接続
されている。過給機22は、常時過給を行なう1次過給
機であり、過給機23は所定の運転状態のときにのみ過
給を行なう2次過給機である。
【0017】1次過給機22のコンプレッサ22aは、
吸気通路21に接続されて、吸気が常に当該コンプレッ
サ22aを通過するように設定されている。また、吸気
通路21には、1次過給機22のコンプレッサ22aを
バイパスするバイパス通路21Cを有して、このバイパ
ス通路21Cに、2次過給機23のコンプレッサ23a
が接続されている。そして、バイパス通路21Cには、
コンプレッサ23aの下流において、開閉弁24が配設
されている。また、開閉弁24の上流と二次過給機23
のコンプレッサ23a上流とを連通する吸気還流通路2
1Dが設けられて、この還流通路21Dに開閉弁25が
配設されている。
【0018】各気筒RE1、RE2の排気ポ−ト31よ
り伸びる排気通路32には、1次過給機22のタ−ビン
22bが接続されて、排気ガスが常時当該タ−ビン22
bを通過するように設定されている。排気通路32は、
タ−ビン22bをバイパスするウエストゲ−ト通路32
Aを有し、このウエストゲ−ト通路32Aにはウエスト
ゲ−ト弁33が配設されている。
【0019】排気通路32は、さらに、1次過給機22
のタ−ビン22bおよびウエストゲ−ト通路32Aをバ
イパスするバイパス通路32Bを有し、このバイパス通
路32Bに2次過給機23のタ−ビン23bが接続され
ている。このバイパス通路32Bは、タ−ビン23bの
入口付近が大小開口面積の異なる2本に分岐されて、小
さい開口面積を有する一方の分岐通路には開閉弁34が
配設され、大きい開口面積を有する分岐通路には開閉弁
35が配設されている。
【0020】過給機22、23の作動は、次の通りであ
る。いま、各弁24、33、34、35が全て閉じてい
る状態では、1次過給機22のみによる過給が行なわれ
る(2次過給機23は停止)。過給圧が上昇してくると
、やがて開閉弁34が開かれ、2次過給機23が予回転
される。この予回転後さらに過給圧が上昇されると、2
次過給機23の回転が大きく上昇されて、当該2次過給
機23からの吐出圧が大きくなる。2次過給機23から
の吐出圧が、1次過給機22下流の過給圧と同じになる
と、開閉弁24が開かれ、これにより、両過給機22と
23とによる過給が行なわれる。過給圧が所定値以上と
なると、ウエストゲ−ト弁33が開かれて、所定圧以上
に過給圧が高まることが防止される。また、2次過給機
23の予回転中は、そのコンプッサ23aのサ−ジング
を防止するため、還流通路21Dに設けられた開閉弁2
5が開かれており、両過給機22、23の過給中は開閉
弁25が閉じられている。なお、このようないわゆるシ
−ケンシャルタ−ボの作動は既知なので、これ以上詳細
な説明は省略する。
【0021】タ−ビン22a、22b下流の排気通路3
2には、3元触媒36が接続され、該触媒36の下流に
おいて消音器37が接続されている。この消音器37は
、2本の排気管37A、37Bを有し、一方の排気管3
7Aに開閉弁38が接続されている。この開閉弁38は
、低回転あるいは低負荷時に閉となり、これ以外の他の
運転状態では開とされる。
【0022】排気系に対して、エアポンプ41が設けら
れている。このエアポンプ1は、図示を略す電磁クラッ
チを介してエンジンEにより駆動されるもので、過給機
22、23のコンプレッサ22a、23a下流の吸気通
路21より導出されたエア通路42に接続されている。 エア通路42には切換弁43が接続され、この切換弁4
3からは、2本の分岐エア通路42A、42Bに分岐さ
れて、分岐エア通路42Aは触媒36の中間部分に接続
され(スプリットエア供給用)、分岐エア通路42Bは
各気筒RE1、R2の排気ポ−ト31に開口されている
(ポ−トエア供給用)。
【0023】切換弁43は、低回転時および後述する燃
料のフィ−ドバック制御を行なう領域の回転域でこのフ
ィ−ドバック領域よりも低負荷領域においては、それぞ
れ排気ポ−ト31に二次エアを供給する。また、切換弁
43は、上記フィ−ドバック領域では触媒36に二次エ
アを供給する。そして、上述した以外の他の運転状態で
は、エアポンプ41の運転が停止されるか、リリ−フ通
路(図示略)により二次エアをリリ−フさせ、二次エア
の供給は何等行なわれない。
【0024】前述の分岐吸気通路21A、21Bに対し
ては、当該分岐吸気通路21A、21Bに燃料を噴射す
る第1燃料供給手段としての第1燃料噴射弁51が配設
されている。また、各気筒RE1、RE2には、気筒内
に直接燃料を噴射する第2燃料供給手段としての第2燃
料噴射弁52が設けられている。この第2燃料噴射弁5
2からの燃料供給のため、サイドハウジング9には、燃
料通路53が形成されている。この燃料通路53の下流
側端は、圧縮行程途中にありしかも連通ポ−ト12が閉
じられる若干前の時点で開かれるようなタイミング位置
において気筒内に開口されている。そして、燃料通路5
3は、ここからの燃料が第1および第2点火プラグ6、
7付近に向けて流れるように位置設定されている。なお
、第2燃料噴射弁52は、上記燃料通路53に対して燃
料噴射を行なうようにサイドハウジング9に取付けられ
ている。
【0025】吸気系に対して、エアポンプ61が設けら
れている、このエアポンプ61は、図示を略す電磁クラ
ッチを介してエンジンEにより駆動されるもので、吸気
通路21より導出されたエア通路62に接続されている
。エア通路62は、2本に分岐されて、一方の分岐エア
通路62Aが、第1気筒RE1の第2燃料噴射弁52に
供給され、他方の分岐エア通路62Bが第2気筒RE2
の第2燃料噴射弁52い供給される。この第2燃料噴射
弁52に供給されるエアは、当該第2燃料噴射弁52か
ら噴射される燃料の気化、霧化促進用とされると共に、
燃料通路53の清浄化用として機能されるものである。 なお、エアポンプ61は、第2燃料噴射弁52から燃料
噴射を行なう領域でのみ運転される。
【0026】吸気通路21からは、さらにエア通路63
が導出されている。このエア通路63は2本に分岐され
て、一方の分岐エア通路63Aは第1気筒RE1におけ
る第1燃料噴射弁51に連なり、他方の分岐エア通路6
3Bは、第2気筒RE2における第1燃料噴射弁51に
連なっている。勿論、このエア通路63からのエアは、
第1燃料噴射弁51から噴射される燃料の気化、霧化促
進用となる。
【0027】吸気通路21には、分岐吸気通路21A、
21B直上流位置において、エンジン負荷としての吸気
圧力を検出するセンサ71が接続されると共に、当該セ
ンサ71の直上流位置においてスロットル弁72が配設
されている。また、排気通路32には、タ−ビン22b
、23bの上流位置において、空燃比センサ73と排気
温度を検出する排気温度センサ74とが接続されている
【0028】次に、図2に基づいて、燃料の供給と、ポ
ンピングロス低減用の制御弁14の作動とについて説明
する。この図2は、エンジン負荷とエンジン回転数とを
パラメ−タとして設定されたマップで、図中R1〜R3
がエンジン回転の境界線を示し、B1〜B8がエンジン
負荷の境界線を示し、NLがノ−ロ−ド線を示す。先ず
、燃料の空燃比関係については、図2中に示すような増
量補正が行なわれる。また、空燃比センサ73の出力を
利用した空燃比のフィ−ドバック補正(F/B補正)が
、所定の領域において行なわれる。
【0029】また、燃料カットについは、比較的高負荷
のときは一方の気筒のみ燃料カットされ、低負荷となる
と全気筒燃料カットされる。燃料復帰の際も、同じよう
に行なわれ、図2中で片側燃料カットとして示される領
域では一部の気筒に対してのみ燃料復帰され、この片側
燃料カットと全燃料カットとして示される領域以外の領
域となったときに全気筒へ燃料復帰される。
【0030】次に、制御弁14は、基本的には、回転数
線R1とR3との間の回転域において図2中破線のハッ
チングを付した領域で開かれるが(吸気遅閉じによるポ
ンピングロス低減)、この回転線R1とR3との間の回
転域の範囲でかつエンジン負荷線B8よりも下の領域で
は、全燃料カット領域を除いて制御弁14を開くように
してある。
【0031】回転線R1とR3との間の回転域において
、片側燃料カット領域で制御弁14が開くのは、制御弁
14の開閉頻度の減少と、減速と減速終了との間での切
換時におけるトルクショック防止のためである。回転線
R1とR3との間の回転域において、全燃料カット領域
で制御弁14を閉じるのは、有効圧縮比を高めて十分な
エンジンブレ−キを得るためである。
【0032】アイドル領域では、暖機終了前は制御弁1
4が閉じられ(有効圧縮比増大による着火性や燃焼安定
性の確保)、暖機終了後に制御弁14が開かれる(ポン
ピングロス低減による燃費向上)。上述した制御弁14
の開領域以外では、制御弁14が閉じられる。
【0033】燃料噴射を、どの燃料噴射弁51、52を
用いて行なうかについては、図3に示してある。この図
3は、図2に対応するもので、図3中ハッチングを付し
た領域では2燃料噴射弁52のみからの燃料噴射が行な
われる(第2燃料噴射弁52からの燃料噴射をSDIと
して示す)。図3のハッチングから理解されるように、
回転数線R1とR3との間の回転域でかつエンジン負荷
線B8よりも下の低負荷領域では、全燃料カット領域を
除いて、第2燃料噴射弁52からのみの燃料噴射とされ
る。
【0034】また、エンジン回転数とは無関係に片側燃
料カット領域では全て、第2燃料噴射弁52からのみの
燃料噴射とされる。これは、片側気筒にのみ供給燃料を
集中させると共に、第2燃料噴射弁52からの噴射燃料
により燃料を層状化して、燃焼安定性を十分向上させる
ためである。勿論、第2燃料噴射弁52の燃料噴射タイ
ミングは、連通ポ−ト12が閉じられた後に設定される
【0035】さらに、アイドル時には、第1燃料噴射弁
51のみからの燃料噴射とされ(図3でMIとして示す
)、または第2燃料噴射弁52からのみの燃料噴射とさ
れる。実施例では、暖機終了前は第2燃料噴射弁52の
みからの燃料噴射として燃焼安定性を確保し、暖機終了
後は第1燃料噴射弁51からのみの燃料噴射とすること
により空気利用率を高めて燃費向上を図るようにしてあ
る。上述した以外の運転領域では、全燃料カット領域を
除いて全て、第1と第2の両方の燃料噴射弁51、52
から燃料噴射を行なうようにしてある(十分な燃料噴射
量の確保)。
【0036】図4は、制御系統を示すものであり、図中
Uはマイクロコンピュ−タを利用して構成された制御ユ
ニットである。この図4では、前述の各構成要素への入
出力関係を示してあるが、この図4中で、75はスロッ
トル開度を検出するセンサ、76はエンジン温度を検出
するセンサ、77はエンジン冷却水温度を検出するセン
サ、78はエンジンのノッキングを検出するセンサ、7
9はエンジン回転数を検出するセンサである。
【0037】また、図4中ATUは、図示を略す自動変
速機の変速制御用の制御ユニットで、この制御ユニット
ATUからは、変速時であることを示す信号すなわちエ
ンジンのトルクダウンを要求する信号が制御ユニットU
に出力される。さらに図4中TRUは、加速時等に駆動
輪がスリップするのを防止するためのトラクション制御
を行なうための制御ユニットで、この制御ユニットTR
Uからは、駆動輪のスリップ発生時にトルクダウンを要
求する信号が制御ユニットUに出力される。
【0038】図4に示す制御ユニットUの制御内容のう
ち、点火関係に着目して示したのが図5に示すフロ−チ
ャ−トである。以下この図5のフロ−チャ−トについて
説明するが、以下の説明でPはステップを示す。
【0039】先ず、P1において、各センサ等からの信
号が入力された後、P2において、冷機時であるか否か
、すなわち冷却水温度が所定温度(例えば40度C)以
下であるか否かが判別される。このP2の判別YESの
ときは、P3において、第1と第2の2つの点火プラグ
6、7による混合気への点火が行なわれ(第1点火状態
で、2プラグ点火と称することもある)、第3点火プラ
グ8による混合気への点火は行なわれない。
【0040】この2プラグ点火のときは、遅れ側に位置
する第2点火プラグ7の点火時期の方が、進み側にある
第1点火プラグ6の点火時期よりも若干早くされる。次
いで、P4において、第3点火プラグ8に対して、空打
ちさせるための点火時期が設定される(混合気の点火に
無関係なすなわち燃焼に関与しないタイミングでの点火
時期の設定)。この冷機時に2プラグ点火とすることに
より、排気温度すなわち触媒36の温度を早期に上昇さ
せて、当該触媒36の早期活性化が得られる。
【0041】前記P2の判別でNOのときは、P5にお
いて、ノッキングが生じているか否かが判別される。こ
のP6の判別でYESのときは、P6において、第1〜
第3の3つの点火プラグ6、7、8全てによる点火が行
なわれる(第2点火状態で、3プラグ点火と称すること
もある)。この3プラグ点火のときは、点火時期は、第
3点火プラグがもっとも早く、次いで第2点火プラグ7
で、第1点火プラグ6がもっとも遅くされる。このP7
においては、3つの点火プラグ6、7、8の点火時期が
リタ−ドされる。この点火時期のリタ−ドによりノッキ
ングが防止されると共に、3プラグ点火により燃焼安定
性が向上される。
【0042】前記P5の判別がNOのときは、制御ユニ
ットATUあるいはTRUからのトルクダウン要求信号
があるか否かが判別される。このP8の判別でYESの
ときは、前述のP6へ移行して、3プラグ点火で、全プ
ラグの点火時期がリタ−ドされる。
【0043】前記P8の判別がNOのときは、P9にお
いて、排気温度が高いか否か、すなわち排気温度が所定
温度以上であるか否かが判別される。このP9の判別で
YESのときは、P10において3プラグ点火とされる
。この後、P11において、エンジン回転数が所定回転
数以上の高回転時であるか否かが判別される。このP1
1の判別でYESのときは、P12において、少なくと
も第3点火プラグ8の点火時期がリタ−ドされる(第1
、第2点火プラグ6、7はリタ−ドしてもよく、あるい
は正規の点火時期のままでもよい)。排気温度が高いと
きに3プラグ点火とすることにより、燃焼速度を早めて
排気ガス温度が速やかに低下される。
【0044】ただし、エンジンが高回転のとき、例えば
6000rpmを越えているとき(エンジンの最高許容
回転数は実施例では7000rpm)は、第3点火プラ
グ8による点火によって生じる大きな燃焼ガスによって
、作動室間を仕切るシ−ル(アペックスシ−ル)が損傷
されるおそれがある(このような現象をスピッツバッグ
と称することもある)。このため、スピッツバッグを防
止すべく、高回転時には、第3点火プラグ8の点火時期
をリタ−ドさせるようにしてある。これにより、排気温
度低下とシ−ル損傷防止との両方の要求を満足させるこ
とができる。なお、エンジン保護を優先して、高回転時
には、排気温度が高くなっても第1点火状態としてもよ
い。
【0045】前記P9の判別でNOのときは、P13に
おいて、高回転時であるか否かが判別される、このP1
3の判別に用いるしきい値(回転数)は、実施例ではP
11の判別に用いるしきい値と同じ値としてあるが、互
いに異なる値として設定することもできる(どちらを高
く設定するかは適宜選択し得る)。このP13の判別で
YESのときは、前述のスピッツバッグを防止すべく、
2プラグ点火とされる。そして、P15において、P4
と同様に、第3点火プラグ8が空打ちされるようにその
点火時期が設定される。
【0046】図6は本発明の他の実施例を示す。この実
施例では、エンジン回転数のしきい値としてE1とE2
との2つの値を用い、E2は例えば6000rpmとい
うように最高許容回転数に比較的近い大きな値とされて
、スピッツバッグ防止用のしきい値とされる。また、E
1は、E2よりも小さい値に設定され、例えば、ポンピ
ングロス低減用の制御弁14の開閉しきい値としての回
転数R3(約3600rpmで第2図参照)と同じ値に
設定されている。
【0047】本実施例では、エンジン回転数がE2を越
えたときは、スピッツバッグ防止のために優先的に2プ
ラグ点火とされる(P22P23)。また、エンジン回
転数がE1以下の低回転時には3プラグ点火とされる(
P29、P28)。エンジン回転数がE1とE2との間
にあるときは、第3点火プラグ8による点火の分の消費
電力低減のために、2プラグ点火とされる(P29、P
30)。ただし、エンジン回転数がE1とE2との間に
あって、本来2プラグ点火されるときでも、排気温度上
昇時には、3プラグ点火に切換えるようにしてある(P
27、P28)。エンジン回転数がE2以下であっても
、トルクダウン要求時には全プラグ6〜8の点火時期が
リタ−ドされつつ3プラグ点火とされる(P25、P2
6)
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す全体系統図であ
る。
【図2】図2はポンピングロス低減用の制御弁14の開
閉領域を示すマップである。
【図3】図3は第1燃料噴射弁と第2燃料噴射弁とのう
ちどの燃料噴射弁を用いて燃料噴射を行なうかの設定領
域を示すマップである。
【図4】図4は制御ユニットに対する入出力関係を示す
制御系統図である。
【図5】図5は本発明の制御例を示すフロ−チャ−トで
ある。
【図6】図6は本発明の他の制御例を示すフロ−チャ−
トである。
【符号の説明】
U  制御ユニット ATU  自動変速機用制御ユニット TRU  トラクション制御用制御ユニットE  エン
ジン RE1  第1気筒 RE2  第2気筒 2  ロ−タ 3〜5  作動室 6  第1点火プラグ 7  第2点火プラグ 8  第3点火プラグ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1つの気筒に対して、第1点火プラグと第
    2点火プラグと第3点火プラグとの3つの点火プラグが
    設けられ、前記第1点火プラグと第2点火プラグとは、
    圧縮上死点にある作動室のロ−タ回転方向略中間に位置
    するようにかつ該回転方向において互いに位相差をもっ
    て配置され、前記第3点火プラグは、前記第1点火プラ
    グと第2点火プラグとに対して、ロ−タの回転方向遅れ
    側に配置され、前記第1点火プラグと第2点火プラグと
    の2つの点火プラグによる点火が行なわれる第1点火状
    態と、第1ないし第3の3つの点火プラグによる点火が
    行なわれる第2点火状態とが、所定の条件に基づいて切
    換えられる、ことを特徴とするロ−タリピストンエンジ
    ンの点火装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、エンジンの低回転域で
    は前記第2点火時期とされ、エンジンの高回転域では前
    記第1点火状態とされるロ−タリピストンエンジンの点
    火装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、アクセル操作に優先し
    てエンジンのトルクダウンが要求されたときに、前記第
    2点火時期とされると共に、全ての点火プラグの点火時
    期がリタ−ドされるロ−タリピストンエンジンの点火装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1において、排気温度が高くなった
    ときに、前記第2点火状態とされるロ−タリピストンエ
    ンジンの点火装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、エンジンの冷機時には
    、前記第1点火状態とされるロ−タリピストンエンジン
    の点火装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、エンジンのノッキング
    発生時には、前記第2点火状態とされると共に、全ての
    点火プラグの点火時期がリタ−ドされるロ−タリピスト
    ンエンジンの点火装置。
  7. 【請求項7】前記第1点火状態のとき、前記第3点火プ
    ラグが燃焼に関与しないタイミングで点火されるロ−タ
    リピストンエンジンの点火装置。
  8. 【請求項8】前記第3点火プラグが、圧縮上死点にある
    作動室のうちロ−タの回転方向もっとも遅れ側端近傍に
    位置するように配置されているロ−タリピストンエンジ
    ンの点火装置。
  9. 【請求項9】前記各点火プラグの点火時期が、ロ−タの
    回転方向遅れ側に位置する側から進み側に位置する順に
    遅くされるロ−タリピストンエンジンの点火装置。
JP8766891A 1991-03-27 1991-03-27 ロータリピストンエンジンの点火装置 Pending JPH04298642A (ja)

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