JPH04296602A - 位置検出装置 - Google Patents

位置検出装置

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JPH04296602A
JPH04296602A JP6207591A JP6207591A JPH04296602A JP H04296602 A JPH04296602 A JP H04296602A JP 6207591 A JP6207591 A JP 6207591A JP 6207591 A JP6207591 A JP 6207591A JP H04296602 A JPH04296602 A JP H04296602A
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magnetic
piston
magnet
thin film
magnetic field
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Nagakatsu Ito
伊藤 永勝
Akira Tamura
晃 田村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁石を備えた被検出体
の近傍に設けられ、被検出体との相対位置変化に伴い変
化する磁石からの磁界強度に基づき、被検出体の位置を
検出する位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図17に示すように、磁石1
を備えた被検出体2の近傍に、所定方向の磁界の強度に
応じて電気的特性が変化する磁電変換素子5を設け、そ
の磁電変換素子5を電気回路7さらに表示手段8に接続
することにより、被検出体2との相対位置変化に伴い変
化する磁石1からの磁界強度を電位差や電流値の変化に
変換して表示手段8に表示させる位置検出装置3が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな従来の位置検出装置3における磁電変換素子5は所
定方向の磁界の強度に対応して電気的特性が変化し、そ
の所定方向以外の磁界の強度が変化しても電気的特性は
殆ど変化しないので、従来の位置検出装置3では被検出
体2の位置検出の精度や確度に問題があった。
【0004】例えば磁電変換素子5として、素子に対し
水平方向の磁界の強度に対応して抵抗値が変化する磁気
抵抗(MR)素子を用いた場合、往復運動する磁石1及
びMR素子の相対的位置と、MR素子に有効に働く磁石
1からの水平磁界の強度との関係は図7a)に示すよう
になり、磁石1がMR素子に最も近付いた0点で水平方
向の磁界の強度は最大となってMR素子の電気的特性が
大きく変化し、図7b)に示すようにMR出力電圧も最
大となる。そして、磁石1がMR素子から離れるにした
がって、MR素子に有効に働く磁石1からの水平方向の
磁界の強度は小さくなりX点で最小値を取って(即ち、
X点では略完全な垂直磁界となって)MR素子の電気的
特性も殆ど変化せず、MR出力電圧も最小となる。しか
しながら、更に磁石1とMR素子との間が隔たると、再
び水平方向の磁界が生じ、MR素子の電気的特性が一定
の変化を示して、図7b)に点線で示すようにMR出力
電圧も最大値と最小値との間で変化する。
【0005】つまり、X点付近では、MR素子から見た
磁石1の位置が異なるにもかかわらず、MR素子の電気
的特性が同じ場合が生じる。そのため、そのような従来
の位置検出装置3では、磁石1を備えた被検出体2の位
置検出の精度が悪く、検出ミスが生ずる虞もあった。
【0006】そこで、被検出体の位置を精度良く確実に
検出することを目的として、本発明が生み出された。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのような本発明の構成
は、磁石を備えた被検出体の近傍に配設され、該被検出
体との相対位置変化に伴い変化する前記磁石からの磁界
強度に基づき、該被検出体の位置を検出する位置検出装
置であって、所定方向の磁界強度に応じて電気的特性が
変化する磁電変換素子と、前記磁石の近傍に設けられ、
非磁性体からなる基板に磁性薄膜が形成された磁気誘導
手段と、を備えたことを特徴とする位置検出装置である
【0008】
【作用】本発明にかかる位置検出装置は、磁界強度に応
じて電気的特性が変化する磁電変換素子を有し、磁石を
備えた被検出体の近傍に配設される。そして、その磁電
変換素子の近傍には、非磁性体である基板に磁性薄膜を
形成してなる磁気誘導手段が設けられている。
【0009】従って、磁石からの磁界は、磁気誘導手段
により所定の誘導を受ける。そのため、磁電変換素子に
は被検出体との相対位置に応じた強さの磁界が磁石から
及ぼされる。
【0010】それ故、被検出体との相対位置変化に伴い
変化する磁石からの磁界強度によって磁電変換素子の電
気的特性が変化し、被検出体の位置を精度良く確実に検
出することが出来る。
【0011】
【実施例】図面に基づき本発明の一実施例を詳細に説明
する。但し、本発明は以下に詳述する一実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、
当業者が想到し得る全ての実施例を含む。
【0012】本発明の一実施例であるピストン位置検出
装置10は、図1に示すように、非磁性体からなるシリ
ンダ90の外壁に取り付けられ、シリンダ90内を摺動
するピストン92に埋め込まれた永久磁石1からの磁界
の強度に基づきピストン92の位置を検出するためのも
のである。
【0013】ピストン位置検出装置10は、プリント基
板60表面に検出回路62を構成する各素子が配設され
ると共にプリント基板60の裏面に磁気抵抗(MR)素
子チップ20が取り付けられている。又、プリント基板
60の裏面には、検出回路62に電源を供給するための
リード線70も接続されている。そして、シリンダ90
への取付面側を除き、それらプリント基板60、検出回
路62、及びMR素子チップ20等を覆う鋼板製シール
ドカバー80が設けられている。シールドカバー80の
開口部周縁には、合成ゴムよりなる基盤82が装着され
、この基盤82がシリンダ90の外壁に固定されること
によって位置検出装置10がシリンダ90に取り付けら
れる。
【0014】MR素子チップ20は、図2及び図3に模
式的に示すように、表面にパーマロイ製の磁気抵抗(M
R)素子パターン24及び半田パッド部26が形成され
たガラス製基板22(図4参照)のパターン形成部25
の表面をSiO2の絶縁体34で覆った後、その絶縁体
34の表面及び基板22の裏面に、コバルト系アモルフ
ァスで厚さ10μmの磁性薄膜30及び同じく5μmの
磁性薄膜32をそれぞれ積層し、更に表面の磁性薄膜3
2の上に、SiO2の絶縁体36を積層することにより
形成されている。なお、半田パッド部26の上面には、
ニッケルメッキ27だけが施されている。
【0015】MR素子チップ20は、図5に示すように
、洗浄工程(I)からダイシング工程(X)までを経て
製造される。まず、洗浄工程(I)においてガラス基板
22aを洗浄層の中性洗剤の中で洗浄して基板表面を浄
化し、次の工程における蒸着が良好に行えるよう準備す
る。蒸着工程(II)では、基板22aの片側面に、I
CB蒸着装置によりパーマロイ40を蒸着する。更にレ
ジスト工程(III) において、スピンナーによりパ
ーマロイ40の外側面にフォトレジスト41を塗布し、
プリベイクする。
【0016】プリベイク後、露光工程(IV)にて、図
4に示すようなパターン形状を複数型どったワーキング
マスクをフォトレジスト41の塗布面に被せつつアライ
ナーにより紫外線を照射する。照射後、現像工程(V)
 で、現像液を蓄えた現像槽に入れて現像し、基板22
a上の蒸着膜に塗布されたフォトレジスト41により複
数のMR素子パターンを型どる。さらに、これをポスト
ベイクした後、エッチング工程(VI)で、エッチング
槽においてフォトレジスト41に覆われていないパーマ
ロイ40を腐食して、パーマロイ40によるMR素子パ
ターン24及び半田パッド部26を形成する。
【0017】剥離工程(VII) で、残ったフォトレ
ジスト41を剥離する。そして、磁性膜形成工程(VI
II)でMR素子パターン24が形成されたパターン形
成部25を露出させたマスクを被せ、パターン形成部2
5の上へ絶縁体34を積層し、半田パッド部26の上に
ニッケルメッキ27を施す。更に、絶縁体34の上に磁
性薄膜32を蒸着し、基板22aの逆側面には、全面に
磁性薄膜30を蒸着する。
【0018】そして、真空高温炉による熱処理工程(I
X)を経て、ダイシング工程(X)で約4mm四方ほど
の各パターン毎に切断して個々のMR素子チップ20を
形成する。なお、熱処理工程(IX)は、必須の工程で
はなく省略されることもある。
【0019】つぎにプリント基板60に設けられた検出
回路62について図6に基づき説明する。検出回路62
は、電源電圧を分圧して基準電圧を設定する抵抗R1、
R2、それらの抵抗と並列に設けられたMR素子チップ
20、設定された基準電圧とMR素子チップ20の抵抗
値の変化に基づき変化するMR出力電圧との大小を比較
するコンパレータ72、コンパレータ72の出力部に接
続されその出力に基づきON・OFFするpnp型トラ
ンジスタ74、及びトランジスタ74がONしたとき点
灯する表示ランプ68等で構成され、リード線70を介
して電源78から電力の供給を受けている。
【0020】シリンダ90内でピストン92に連動する
永久磁石1と位置検出装置10に設けられたMR素子チ
ップ20との相対的な位置関係、及び検出回路62の作
動原理を図1、図6及び図7に基づき詳述する。
【0021】図7a)に示すように、永久磁石1が線P
上を移動する場合に点0のMR素子チップ20に及ぶ磁
束の様子は、永久磁石1を固定し線Pに平行で点0を含
む線Q上をMR素子チップ20が移動した場合の磁束の
様子と同じである。
【0022】図7a)乃至c)に示すように、永久磁石
1がMR素子チップ20に最も近づいたとき、MR素子
チップ20に及ぶ磁束密度の水平成分は最大であるため
、MR出力電圧も最大となる。そのとき、MR出力電圧
が抵抗R1,R2で設定された基準電圧を上回るので、
コンパレータ72のout出力電圧がLowとなり、ト
ランジスタ74がONされ表示ランプ68が点灯する。
【0023】永久磁石1がMR素子チップ20から遠ざ
かり、MR素子チップ20に及ぶ水平方向の磁束密度が
減ると、MR出力電圧も減少し基準電圧を下回わる。す
ると、コンパレータ72のout出力電圧もHiとなっ
てトランジスタ74はOFFして表示ランプ68も消え
る。
【0024】ところで、図7a)に点線で示す磁束の様
子から理解されるように、磁束密度はMR素子チップ2
0がX地点にあるとき垂直成分のみであるため、MR出
力電圧は最小値を取る(図7b)参照)。永久磁石1が
MR素子チップ20に最も近づいたときに最大である水
平方向の磁束密度成分は、X地点に近付くにつれて小さ
くなり、X地点で零になる。しかし、X地点を越えて永
久磁石1が更にMR素子チップ20から遠ざかると、あ
る程度の大きさの水平方向の磁束密度成分が再び生じる
【0025】そのため磁性薄膜を有しない従来例にあっ
ては、図7b)に点線で示すように、MR出力電圧はX
地点で一旦最小になるにもかかわらず、X地点を越えて
永久磁石1が更にMR素子チップ20から遠ざかると、
再び生じた水平方向の磁束密度成分に対応してMR出力
電圧も再び大きくなる。
【0026】しかしながら、本実施例によれば、磁気抵
抗体のMR素子パターン24の上下に透磁率の高い磁性
薄膜30、32が配設されて磁界が誘導され、X地点を
越えて永久磁石1がMR素子チップ20から遠ざかって
も、水平方向の磁束密度成分は殆どMR素子パターン2
4に及ばず、従って図7b)に実線で示すように、MR
出力電圧もX地点で最小になった後、略その最小値のま
ま推移する。
【0027】実際に位置検出装置を用いて実験した場合
の実験データ(図7b)の原理図に対応する)を図8に
示す。磁性薄膜30、32を用いていない従来の位置検
出装置による実験データは、図8に点線で示すように、
永久磁石がMR素子に一番近付いたMR出力電圧最大の
位置からピストンが変位するに伴いMR出力電圧は減少
し、X地点で一旦最小になるけれども再びMR出力電圧
が大きくなり、三つの山を持った曲線となる。従って、
例えば永久磁石がMR素子に最も近付いた位置でのみ、
MR出力電圧が基準電圧を越えるようにするには、基準
電圧を80mvくらいの高い値に設定する必要があり、
その基準電圧とMR出力電圧最大値(約90mv)との
差が小さくピストン位置の検出確度に不安があった。具
体的には例えば、ほんの10mv強のノイズや外乱によ
ってピストン位置の誤検出が生じる虞があった。これに
対し、図8に実線でその実験データを示す本実施例によ
れば、永久磁石94がMR素子チップ20に最も近付い
た場合にMR出力電圧最大値(約87mv)をとり、そ
の最大値のみを頂点とした美しい山形の曲線となる。従
って、本実施例においては基準電圧を低く設定(例えば
50mv以下)することができ、ピストン92の位置を
確実に検出することが出来る。
【0028】また、図8に点線で示すように、従来例で
はMR出力電圧が最大であるピストン位置に幅がある(
つまりグラフ曲線の頂点が不明確になっている)。これ
に対し、本実施例によれば、図8に実線で示すように、
MR出力電圧が最大を示す付近では、グラフの変化が大
きく、最大MR出力電圧を示すピストン位置を特定する
ことが可能である(従来例に比べ実施例はグラフ曲線の
頂点が尖っている)。従って、本実施例によれば、永久
磁石1がMR素子チップ20に最も近付いたときにだけ
MR出力電圧が最大になるようにして、ピストン92の
位置の検出精度を高めることが出来る。
【0029】本実施例により生ずる効果を裏付けるため
、図9に示すような、ピストン192に連動する永久磁
石101からの磁束密度を、ちょうど本実施例のMR素
子パターン24の位置に該当する5点の検出部200で
検出し解析する有限要素解析モデルを設計した。このモ
デルに基づき、ピストン192のヘッドとシリンダの基
準位置ヘッド190とが当接した位置を変位零として、
ピストン192の移動に伴う変位5、9、10及び20
mmの各変位位置において解析を行い、その解析結果を
、それぞれ図10乃至図14として示す。尚、各図にお
いて、(A)、(B)、及び(C)は、それぞれ、本実
施例に対応して二枚のアモルファス磁性薄膜130、1
32を用いた場合、一枚のアモルファス磁性薄膜130
を用いた場合、及びアモルファス磁性薄膜を用いない従
来例に対応する場合、を示し、それら各図において、ピ
ストン192の変位を示す概略図と共に、検出部200
付近での磁束の様子及び検出部200における磁束ベク
トルを、それぞれ拡大して示す。
【0030】変位零の位置では図10に示すように、二
枚のアモルファス磁性薄膜130、132の間に検出部
200を設けた場合(A)と、アモルファス磁性薄膜を
用いない場合(C)とで、磁束の様子は殆ど変わらない
。これは、二枚の磁性薄膜130、132において磁化
飽和が生じているためである。それに対し、永久磁石1
01と検出部200との間にのみアモルファス磁性薄膜
130を配設した場合(B)は、変位零の場合でも薄膜
130により磁界の誘導が行われている。
【0031】変位5、9、10及び20mmの各位置で
は、図11乃至図14に各々示されるように、アモルフ
ァス磁性薄膜を用いない場合(C)に比べ、アモルファ
ス磁性薄膜130及び132を用いた場合(A)、一枚
のアモルファス磁性薄膜130を用いた場合(B)共に
、アモルファス磁性薄膜130又は132による磁界の
誘導が行われて、磁性薄膜130から検出部200へ向
かう磁束が薄膜130面に対し垂直方向に修正されてい
る。その場合、磁性薄膜130一枚(B)よりも磁性薄
膜130、132二枚(A)の方が、薄膜130面に対
し垂直方向へより強く磁束が誘導されている。
【0032】さらに、上記解析において変位に伴う検出
部200での磁束密度のベクトル軌跡について、アモル
ファス磁性薄膜130、132二枚の場合(A)を図1
5に、磁性薄膜を用いない場合(B)を図16に、それ
ぞれ示す。図15及び図16において、検出部200の
位置を原点とし、ピストン192(及び永久磁石101
)の変位方向と平行な磁束密度のベクトル成分をY軸に
、それと直交するベクトル成分をX軸に取った。
【0033】図15及び図16においても、アモルファ
ス磁性薄膜130、132が磁界を誘導していることに
よる影響が表れている。即ち、二枚の磁性薄膜130、
132を検出部200の両側に置いた図15に示される
場合には、水平方向の磁束密度最大の変位零点から変位
が大きくなるにしたがって、磁束密度の水平成分が少な
くなってゆき、水平成分が一旦零となると、その地点か
ら変位が更に大きくなっても、磁束密度の水平成分は略
零の値を取り続ける。これに対し、磁性薄膜を用いない
図16に示される場合には、磁束密度の水平成分が一旦
零となっても、それから更に変位が大きくなるとそれま
でとは逆向きではあるが一定の大きさの水平成分が検出
される。
【0034】以上、詳述したように、本実施例では、基
板22の裏面に形成したアモルファス磁性薄膜30、及
びMR素子パターン24の上に積層された絶縁体34の
表面に形成されたアモルファス磁性薄膜32により、永
久磁石1からの磁界が適切に誘導されて、ピストン92
の変位に応じた強度の磁界がMR素子パターン24に及
ぶ。従って、図8に示すように、本実施例にかかる位置
検出装置10のMR出力電圧は、ピストン92がMR素
子パターン24に最も近付いたときにのみ最大で、その
最大値を頂点とした山形の良好な特性を示す。それ故、
その良好なMR出力電圧特性に基づき、ピストン92の
位置の検出精度を高めることが出来ると共に、基準電圧
を低い値に設定してピストン92の位置を確実に検出す
ることも出来る。
【0035】また、磁気誘導用として適した一定の薄さ
(1μm〜30μm)に全体を精度良く形成することが
難しかった(適切な薄さに形成したとしても特性の変化
が生じてしまう)一般の板材に比べ、磁性薄膜30、3
2はイオンプレーティングビーム法、真空蒸着、又はス
パッタリング等の薄膜形成技術により、特性をコントロ
ールしつつ一定の薄さに精度良く形成し得て磁界の誘導
を的確に行うことが出来る。従って、そのような磁性薄
膜30、32を用いた本実施例によれば、MR出力電圧
を適切にコントロールし、移動体の位置を正確に検出す
ることが可能である。
【0036】さらに、前述のように、従来例に比べて良
好なMR出力電圧特性が得られる本実施例によれば、基
準電圧の設定にあたって許容幅があるため、検出回路6
2の温度変化や外乱等に柔軟に対応できると共に、MR
素子チップ20を汎用のものとすることが可能となった
。即ち、良好なMR出力電圧特性を有するMR素子チッ
プ20は、永久磁石の磁力や電気回路等の相違に基づき
基準値にバラツキがある他の位置検出装置にも有効に用
いることが出来る。
【0037】加えて、本実施例では、二枚の磁性薄膜3
0、32により永久磁石1からの磁界を誘導しているの
で、磁性薄膜30だけで誘導する場合に比べ、より的確
に磁界を誘導することが出来(図10乃至図14の(A
)及び(B)参照)、MR出力電圧をより適切にコント
ロールして、ピストン92の位置を検出する精度及び確
度の向上を図ることが可能となった。
【0038】また、本実施例で用いられるアモルファス
の磁性薄膜30、32は、一般の結晶膜に比べて成膜条
件が緩く製造が容易であるため、安価に量産することが
出来る。
【0039】さらに加えて、本実施例で用いられるMR
素子チップ20は、図5に示すような製造工程を経て、
即ち、蒸着によりガラス基板22a上に複数のMR素子
チップ20のための成膜を一度に行なった後、個々のチ
ップ20毎に切断しているので、特性の揃ったMR素子
チップ20を容易に量産することが出来る。
【0040】なお、本実施例では二枚の磁性薄膜を用い
たが、図10乃至図14の(B)及び(C)を比べれば
明らかなように、二枚の磁性薄膜のどちらか一方のみで
も、永久磁石1からの磁界をMR素子パターン24に誘
導して、磁性薄膜を用いない場合に比べ良好なMR出力
電圧特性を得て、ピストン92の位置をより精度良く確
実に検出することが出来る。
【0041】また、前述した本実施例においてアモルフ
ァス磁性薄膜30、32に垂直方向の透磁率が小さく水
平方向の透磁率が大きいという磁気異方性を有する材料
を用いれば、その磁気異方性を利用して磁束密度の方向
だけでなく大きさもコントロールすることにより、永久
磁石1がMR素子チップ20に最も近付いたときだけM
R素子パターン24に水平方向の磁束密度成分が及ぶよ
うにすることも可能であり、そうすれば位置検出装置1
0の精度を更に向上させることが出来る。
【0042】さらに、本発明にかかる磁気誘導用磁性体
としては、本実施例のアモルファス磁性薄膜のような強
磁性体だけでなく、反磁性体、または弱磁性体など、蒸
着等により薄膜を形成し得る全ての磁性体を使用するこ
とができる。磁石と磁電変換素子との相対位置の変化に
対応した磁電変換素子の電気的特性の変化を磁気誘導に
より実現し得るものであれば、空気の透磁率と異なる透
磁率を有し保持力の小さい各種の物質を磁気誘導用磁性
体として用いることが出来るからである。
【0043】本発明にかかる位置検出装置は、本実施例
のようにピストンのような往復運動をする移動体の位置
を検出する場合だけでなく、モータ等の回転体や往復運
動以外の運動をする移動体の位置を検出する場合にも用
いることができる。本実施例のように磁石側が移動し位
置検出装置が固定されているのとは逆に、磁石をシリン
ダに固着しピストンに位置検出装置を取り付けるなど、
磁石側が固定され位置検出装置が移動する場合であって
も良い。また、本実施例では磁石として永久磁石1を用
いたが、その代わりに、電磁石や電流の流れる導体等、
磁界を発生させる種々のものを用いることも可能である
【0044】本実施例では、磁性薄膜を形成した基板2
2としてガラスを用いたが、シリコンやセラミック等を
用いても良い。また、本実施例ではSiO2が用いられ
た絶縁体34、36として、ポリイミド等の有機絶縁材
料が用いられても良い。
【0045】本実施例で用いられた強磁性金属抵抗素子
(MR素子)の代わりに、磁電変換素子としてホール素
子や半導体磁気抵抗素子等を用いることもできる。また
、磁気誘導手段の配設位置も、永久磁石等磁力発生体の
移動方向と平行に磁電変換素子に並設されるなど、磁界
を効果的に誘導できる位置が適宜選択される。
【0046】
【発明の効果】以上、一実施例を用いて詳述した本発明
にかかる位置検出装置は、磁電変換素子の近傍に磁性薄
膜を非磁性体の基板に形成した磁気誘導手段を設けてい
る。磁気誘導手段は、厚さ精度良く成膜された磁性薄膜
を基板に形成しているので、磁石からの磁界は磁気誘導
手段により適切な誘導を受ける。従って、磁電変換素子
には被検出体との相対位置に応じた強さの磁界が磁石か
ら及ぼされる。
【0047】それ故、被検出体との相対位置変化に伴い
変化する磁石からの磁界強度によって磁電変換素子の電
気的特性が変化し、被検出体の位置を精度良く確実に検
出することが出来る。
【0048】特に、本発明にかかる位置検出装置に用い
られる磁気誘導手段は、蒸着等の薄膜形成技術により、
容易に厚さ精度良く基板に形成することが出来るので、
磁界に対する所期の誘導を正確に行うことが可能である
【0049】従って、そのような磁気誘導手段を用いた
本発明にかかる位置検出装置にあっては、適切な磁界の
誘導を行なって、被検出体の位置を精度良く確実に検出
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリンダ90に取り付けられた本発明の一実施
例に係るピストン位置検出装置10の概略を示す説明図
である。
【図2】MR素子チップ20の側面拡大説明図である。
【図3】MR素子チップ20の分解説明図である。
【図4】基板22表面におけるパターン図である。
【図5】MR素子チップ20の製造工程図である。
【図6】本実施例の位置検出装置10の電気回路図であ
る。
【図7】ピストンの変位にともなう変化説明図である。
【図8】実験に基づくMR出力電圧特性図である。
【図9】本実施例を想定した有限要素解析モデル説明図
である。
【図10】図9に示すモデルを用いた有限要素解析結果
の変位零の場合を示す説明図である。
【図11】図9に示すモデルを用いた有限要素解析結果
の変位5mmの場合を示す説明図である。
【図12】図9に示すモデルを用いた有限要素解析結果
の変位9mmの場合を示す説明図である。
【図13】図9に示すモデルを用いた有限要素解析結果
の変位10mmの場合を示す説明図である。
【図14】図9に示すモデルを用いた有限要素解析結果
の変位20mmの場合を示す説明図である。
【図15】二枚のアモルファス磁性薄膜130、132
を用いた場合の有限要素解析結果をベクトル軌跡として
示した説明図である。
【図16】アモルファス磁性薄膜を用いない従来技術に
対応した場合の有限要素解析結果をベクトル軌跡として
示した説明図である。
【図17】従来例を説明したブロック図である。
【符号の説明】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  磁石を備えた被検出体の近傍に配設さ
    れ、該被検出体との相対位置変化に伴い変化する前記磁
    石からの磁界強度に基づき、該被検出体の位置を検出す
    る位置検出装置であって、所定方向の磁界強度に応じて
    電気的特性が変化する磁電変換素子と、前記磁石の近傍
    に設けられ、非磁性体からなる基板に磁性薄膜が形成さ
    れた磁気誘導手段と、を備えたことを特徴とする位置検
    出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0643503U (ja) * 1992-11-11 1994-06-10 シーケーディ株式会社 ピストン位置検出装置
JP2006292467A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Sony Corp 位置検出装置

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JPS63122276U (ja) * 1987-01-31 1988-08-09

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