JPH04292238A - 車輌用エアバック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車輌の衝突時に車輌の
乗員を衝撃から保護する車輌用エアバックに関する。

【０００２】

【従来の技術】車輌衝突時に乗員を保護するための対策
の一つとして車輌用エアバックの使用が有効であるとさ
れ、一部ではすでに実用化され、さらにエアバックの取
付義務付けの気運が高まっている。

【０００３】車輌用エアバックは、ステアリングホィー
ルの中央に折畳んで組込まれ、衝突時の衝撃をセンサで
検知し、その検知信号をもって、インフレータと称する
ガス発生器を起動し、発生した高温，高圧ガスをエアバ
ック内に供給し、瞬時にエアバックを膨張拡開させ、乗
員の身体一部、特に顔面のクッションとして作用させる
ものである。

【０００４】エアバックは、円板状のシートの対を周縁
で縫着し、その一部にインフレータ挿込口及びベントホ
ールを開口したものであり、両シートは、吊布で連結さ
れ、インフレータ挿込口及びベントホール開口縁は、補
強布，当布で補強したものである。

【０００５】エアバックの設置に際しては、図５に示す
ように、ステアリングホィール１のハブ部１ａに、ベー
スプレート２を組み付け、該ベースプレート２上にエア
バック本体３のインフレータ挿込口４の口縁をあてがい
、インフレータ挿込口４の口縁をリングプレート６で圧
着し、ボルト５で一体的に締付け固定される。インフレ
ータ７は、ベースプレート２に取付け、そのガス噴出口
７ａをベースプレート２の開口を通してエアバック本体
３内に臨ませるものである。なお、エアバック本体３は
、ベースプレート２上に折畳まれ、その上面は、エアバ
ックカバー８で覆われる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】エアバック本体３は、
インフレータ７内の起爆によって生ずる高温，高圧ガス
の圧入により急激に膨張拡開するものであり、また、そ
の固定は、インフレータ挿込口４の口縁をリングプレー
ト６でベースプレート２に緊締することによってのみ行
われるものであるため、インフレータ挿込口４の口縁は
、インフレータ起動時の瞬間的な爆発に耐える取付け強
度が必要である。

【０００７】然るに、インフレータ挿込口４の口縁に補
強布９を縫合したのみのいわゆる「切れっぱなし」のも
のでは、エアバック本体の瞬間的な膨張拡開時に生ずる
強力な張力が作用してシートに裂け目が生じたときには
、シートが変形し、リングホィールから抜け落ち、破裂
して非常に危険な事態が予想される。

【０００８】このため、図６に示すように、インフレー
タ挿込口４の口縁においてエアバック本体３と補強布９
とを縫合したうえ、補強布９を折返して本縫により補強
布９を縫着する方法（つき合せ法）が知られている。こ
の方法によれば、インフレータ挿込口４の口縁に玉縁状
の環状部が形成され、物理的強度が大きく、しかもその
縫目が表面に表われないためインフレータ挿込口の口縁
補強機能としては優れた方法ではあるが、縫製加工処理
としては極めて厄介である。

【０００９】本発明の目的は、縫製処理のみによってイ
ンフレータ挿込口口縁の取付強度を増大させて安全性を
高めた車輌用エアバックを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明による車輌用エアバックにおいては、袋状をな
すエアバック本体と、インフレータ挿込口と補強布とを
有し、ステアリングホィールに折畳み状態で格納され、
車輌衝突時に高圧ガスを圧入してエアバック本体を膨張
拡開させる車輌用エアバックであって、エアバック本体
は、円板状シートの対が両シートの周縁部において縫合
されたものであり、インフレータ挿込口は、エアバック
本体の一方の円板状シートに開口されたものであり、補
強布は、インフレータ挿込口の周縁を補強するものであ
り、該挿込口を囲んで円板状シートに縫着され、インフ
レータ挿込口の開口縁と補強布の開口縁とは、その全周
にわたり、各々の開口を通して環縫により相互に縫着さ
れ、該環縫によりインフレータ挿込口の開口縁に形成さ
れる縫糸のループ内には、ストリング紐が挿通されてい
るものであり、

【００１１】また、インフレータ挿込口の開口縁と補強
布の開口縁とを縫着する環縫の縫糸及び縫糸のループ内
に挿通されたストリング紐は、金属製縫糸であり、

【０
０１２】また、前記環縫によって形成されるループ内に
挿通されたストリング紐は、セラミックコートされた太
番手の金属糸である。

【００１３】

【作用】補強布は、インフレータ挿込口口縁に縫着され
、シート面と補強布との開口縁内にはストリング紐を抱
き込んだ環縫いによる縫糸のループが形成されるため、
エアバック本体の爆発的な膨張拡開時に強力な張力が作
用してもリングプレートに抑えられたシートは、環縫に
よる縫糸のループやループ内に抱き込まれたストリング
紐に阻止されて変形や裂目が生じにくくエアバック本体
のシートに破裂が生じない。また、環縫の縫糸及び環縫
による縫糸のループに挿通されるストリング紐は、物理
的強度が大きく、しかも耐熱性に優れた金属糸を用いれ
ば、その安全性を一層向上できる。

【００１４】

【実施例】以下に本発明の実施例を図によって説明する
。図５において、エアバック本体３は、これを折畳んで
ステアリングホィール１のハブ部１ａに格納されるもの
であり、ステアリングホィール１のハブ部１ａには、エ
アバックのベースプレート２が取付けられ、ベースプレ
ート２には、エアバック本体３の一部に開口したインフ
レータ挿込口４の周縁を重ね、その上からリングプレー
ト６をあてがってボルトにより緊締する構造は従来と同
じである。ベースプレート２及びリングプレート６の開
口を通して挿込口４には、インフレータ７を挿し込み、
そのガス噴出口７ａをエアバック本体３内に臨ませてい
る。

【００１５】図１〜図３に本発明によるエアバックの一
例を示す。図において、エアバック本体３は、一対の円
板状シート１０，１１を重ね合せ、図示のように周縁部
１２を縫合し、内外を反転して袋状に加工されたもので
ある。反転は、一方の円板状シート１０の中央のインフ
レータ挿込口４を通して行われるが、反転に先立って、
円板状シート１０面には、ベントホール１３の口縁に当
布１４を、インフレータ挿込口４の口縁の内外面及び、
インフレータ７に対面する他方のシート１１面にそれぞ
れ補強布９，１５が縫付けられ、両補強布９，１５の布
面に一定長さの吊布１６が縫付けられる。

【００１６】吊布１６は、エアバック本体３の膨張拡開
時の厚味を制限するものである。なお、ベントホール１
３は、エアバック本体３内に圧入された高温，高圧ガス
を脱気するための孔であり、インフレータ挿込口４の周
辺で、設置時に、ハンドル側となる円板状シート８面に
開口されたものである。以上実施例では、インフレータ
挿込口４の口縁の内外面に補強布９，９を縫付けている
が、補強布９の縫付けは、インフレータ挿込口４の口縁
の内面側にのみ設けても構わない。

【００１７】円板状シート１０，１１、補強布９，１５
、当布１４，吊布１６には、いずれも耐熱性樹脂コーテ
ィングナイロン織布を用いており、いずれも高温，高圧
ガスにさらされる側の面に樹脂コーティング面が面する
ように縫付けている。

【００１８】インフレータ挿込口４の口縁内面或いは内
外面に縫付ける補強布９は、中央にインフレータ７を受
入れる開口が設けられ、該開口は、インフレータ挿込口
４と位置合せをしてシート面に本縫いにより縫付けられ
たものである。

【００１９】本発明において、補強布９と、シート１０
とは、さらに各々の開口縁間にまたがって、環縫により
一体に縫合したものである。環縫は、オーバロックミシ
ン又は重箱ミシンなどを用いたストリング方式といわれ
る縫合方式であり、ストリング方式は、縫合すべき２部
材の端縁間にまたがって、縫糸をもってかがり縫い等を
施して多数のループを形成するとともにこれらのループ
にストリンク紐を抱え込んで両部材を縫合する方式であ
る（実開昭５４−１４１０９号参照）。

【００２０】本発明においては、インフレータ挿込口４
の開口縁と、補強布９の開口縁とにまたがって、全内周
にわたり、各々の開口を通して環縫いを施し、図示のよ
うに、両開口の全周にかがり縫による縫糸の多数のルー
プ１７を形成するとともに、これらループ１７内にスト
リング紐１８を挿通させるものである。

【００２１】図４に縫合部の要部拡大を示す。図に明ら
かなとおり、環縫により、エアバック本体３のインフレ
ータ挿込口４と補強布９の開口との端縁間には縫糸のル
ープ１７が形成され、そのループ１７内には、ストリン
グ紐１８が玉縁状に抱え込まれる。図は、重箱ミシンの
使用により環縫されたループの例である。

【００２２】ストリング紐１８は、ループ１７内に抱え
込まれていれば良く、図４のようにインフレータ挿込口
４の開口の端縁に限らず、インフレータ挿込口４の口縁
の内面側あるいは外面側でループ１７内に抱え込まれて
も良い。また、ストリング紐１８は１本に限らず、２本
以上でも良く、さらに各々のストリング紐１８がインフ
レータ挿込口４の口縁の端面，内外面に分かれてループ
１７内に抱え込まれていても良い。

【００２３】環縫の縫糸には、耐熱性，物理的強度に優
れたものが好ましい。特に、金属糸、例えば１８〜２２
番程度のステンレス製縫糸が好ましい。ステンレス製縫
糸は、耐熱製，物理的強度が大きいほか、耐腐食性に優
れている。環縫のループに抱え込ませるストリング紐１
８は、耐熱性，物理的強度に優れた紐であり、４番程度
より太いステンレス製縫糸が好適である。セラミックコ
ートされた太番手の金属糸であればさらに好ましい。

【００２４】補強布９とエアバック本体３とは、ストリ
ング紐１８を抱え込んだ環縫により強固に結合され、イ
ンフレータ挿込口４の口縁の補強は万全となり、爆発的
に膨張拡開するエアバック本体３のシート面に強力な張
力が作用してもベースプレート２とリングプレート６間
に緊締されたインフレータ挿込口４の口縁に裂目が生じ
にくく、シートの変形によってリングプレートからの脱
落が生ずることもない。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明によるときには、イ
ンフレータ挿込口の口縁にストリング紐を抱え込んだ環
縫を適用して補強布を縫合するものであるため、縫着の
作業が容易であり、物理的強度が大きく、ステアリング
ホィールへの取付強度が増大し、耐破裂性に優れ、ひい
ては、乗員の安全確保に大きく寄与することができる効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】エアバック本体の背面図である。

【図２】エアバック本体の断面図である。

【図３】シート面に環縫により縫合した補強布の平面図
である。

【図４】環縫を施したシート面と補強布との縫合状態を
示す断面図である。

【図５】エアバックを折畳んでステアリングホィールに
組付けた状態を示す図である。

【図６】インフレータ挿込口の従来の補強構造を示す図
である。

【符号の説明】

１　　ステアリングホィール ２　　ベースプレート ３　　エアバック本体 ４　　インフレータ挿込口 ６　　リングプレート ７　　インフレータ ９　　補強布 １０　　円板状シート １１　　円板状シート １７　　環縫の縫糸のループ １８　　ストリング紐

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　袋状をなすエアバック本体と、インフ
   レータ挿込口と補強布とを有し、ステアリングホィール
   に折畳み状態で格納され、車輌衝突時に高圧ガスを圧入
   してエアバック本体を膨張拡開させる車輌用エアバック
   であって、エアバック本体は、円板状シートの対が両シ
   ートの周縁部において縫合されたものであり、インフレ
   ータ挿込口は、エアバック本体の一方の円板状シートに
   開口されたものであり、補強布は、インフレータ挿込口
   の周縁を補強するものであり、該挿込口を囲んで円板状
   シートに縫着され、インフレータ挿込口の開口縁と補強
   布の開口縁とは、その全周にわたり、各々の開口を通し
   て環縫により相互に縫着され、該環縫によりインフレー
   タ挿込口の開口縁に形成される縫糸のループ内には、ス
   トリング紐が挿通されていることを特徴とする車輌用エ
   アバック。
2. 【請求項２】　　インフレータ挿込口の開口縁と補強布
   の開口縁とを縫着する環縫の縫糸及び縫糸のループ内に
   挿通されたストリング紐は、金属製縫糸である請求項１
   に記載の車輌用エアバック。
3. 【請求項３】　　前記環縫によって形成されるループ内
   に挿通されたストリング紐は、セラミックコートされた
   太番手の金属糸である請求項１に記載の車輌用エアバッ
   ク。