JPH04353050A - 車輌用エアバック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車輌の衝突時に車輌の
乗員を衝撃から保護する車輌用エアバックに関する。

【０００２】

【従来の技術】車輌衝突時に乗員を保護するための対策
の一つとして車輌用エアバックの使用が有効であるとさ
れ、一部ではすでに実用化され、さらにエアバックの取
付義務付けの気運が高まっている。

【０００３】車輌用エアバックは、ステアリングホィー
ルの中央に折畳んで組込まれ、衝突時の衝撃をセンサで
検知し、その検知信号をもって、インフレータと称する
ガス発生器を起動し、発生した高温，高圧ガスをエアバ
ック内に供給し、瞬時にエアバックを膨張拡開させ、乗
員の身体一部、特に顔面のクッションとして作用させる
ものである。

【０００４】エアバックは、円板状のシートの対を周縁
で縫着し、その一部にインフレータ挿込口及びベントホ
ールを開口したものであり、インフレータ挿込口及びベ
ントホール開口縁は、補強布，当布で補強され、内外反
転後、両シートを吊布で連結したものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】エアバックの円板状シ
ートの対を周縁で縫合したものでは膨張拡開時に周縁の
縫目より空気洩れが生ずるが、縫製時のバラツキにより
、全周からの空気洩れに不同が生じてエアバック本体が
効果的に作動せず、膨張拡開時の形態が崩れるという問
題がある。この問題を解消するには、周縁縫合部を耐熱
素材で被覆することで空気洩れを防ぐことができるが、
従来は、シリコンテープなどの耐熱テープを接着剤で周
縁縫合部に貼付ていたので、接着力を安定化させるため
に長時間を要し、また、接着に先立って予備乾燥のため
の広い設置場所を要するなど、接着によるときには、そ
の作業性に種々の問題が残されている。

【０００６】本発明の目的は、縫着のみの作業によりエ
アバック本体周縁部からの空気洩れにバラツキがなく、
作業性が改善された車両用エアバックを提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明による車輌用エアバックにおいては、袋状をな
すエアバック本体と、インフレータ挿込口と、ベントホ
ールとを有し、ステアリングホィールに折畳み状態で格
納され、車輌衝突時に高圧ガスを圧入してエアバック本
体を膨張拡開させる車輌用エアバックであって、エアバ
ック本体は、円板状シートの対が両シートの周縁部にお
いて縫合されたものであり、インフレータ挿込口は、エ
アバック本体の一方の円板状シートに開口されたインフ
レータより発する高圧ガスの受入用孔であり、ベントホ
ールは、インフレータ挿込口の周囲の円板状シートに開
口された脱気速度制御用の孔であり、対をなす円板状シ
ートの内側周縁部には、両シートの突き合せ縁を覆い、
且つ両シート面上に跨ってあてがわれた耐熱テープを有
し、耐熱テープは、エアバック本体の周縁縫合部を包み
込んで両円板状シートに縫着されたものである。

【０００８】

【作用】エアバック本体の周縁縫合部を覆う耐熱テープ
は、折返された円板状シートの周縁突き合せ縁に縫着さ
れ、エアバック本体の膨張拡開時には、円板状シートは
展伸するが、耐熱テープは内圧を受けて円板状シートに
圧し付けられるために耐熱テープを縫着する円板状シー
トの縫目が開いても耐熱テープに塞がれることとなって
、空気洩れが阻止される。両円板状シートの周縁縫合部
は、耐熱テープに包み込まれて外部に露出することがな
いため、シートの周縁縫合部からの空気洩れは問題にな
らない。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の実施例を図によって説明する
。図５において、エアバック本体３は、これを折畳み、
エアバックカバー８で覆ってステアリングホィール１の
ハブ部１ａに格納されるものであり、ステアリングホィ
ール１のハブ部１ａには、エアバックのベースプレート
２が取付けられ、ベースプレート２には、エアバック本
体３の一部に開口したインフレータ挿込口４の周縁を重
ね、その上からリングプレート６をあてがってボルト５
により緊締する構造は従来と同じである。ベースプレー
ト２及びリングプレート６の開口を通して挿込口４には
、インフレータ７を挿し込み、そのガス噴出口７ａをエ
アバック本体３内に臨ませている。

【００１０】図１〜図３に本発明によるエアバックの一
例を示す。図において、エアバック本体３は、一対の円
板状シート１０，１１を重ね合せ、図示のように周縁部
１２を縫合し、内外を反転して袋状に加工されたもので
ある。一方のシート１０には、中央にインフレータ挿込
口４、その周縁にベントホール１３，１３が開口されて
いる。

【００１１】前記反転は、一方の円板状シート１０の中
央のインフレータ挿込口４を通して行われるが、反転に
先立って、円板状シート１０面には、ベントホール１３
の口縁に当布１４を、インフレータ挿込口４の口縁の内
外面及び、インフレータ７に対面する他方のシート１１
面にそれぞれ補強布９，１５が取付けられ、両補強布９
，１５の布面に一定長さの吊布１６が縫付けられる。

【００１２】吊布１６は、シート間に連結され、エアバ
ック本体３の膨張拡開時の厚味を制限するもので、必要
により設けられるものである。ベントホール１３は、エ
アバック本体３が膨張拡開後、急速に萎縮させるための
脱気速度制御用の孔であり、インフレータ挿込口４の周
辺で、設置時に、ハンドル側となる円板状シート１０に
開口されたものである。

【００１３】円板状シート１０，１１、補強布９，１５
、当布１４，吊布１６には、いずれも耐熱性樹脂コーテ
ィングナイロン織布を用いており、いずれも高温，高圧
ガスにさらされる側の面に樹脂コーティング面が面する
ように縫付けている。

【００１４】インフレータ挿込口４の口縁内面或いは内
外面に縫付ける補強布９は、中央にインフレータ７を受
入れる開口が設けられ、該開口は、インフレータ挿込口
４と位置合せをしてシート面に本縫いにより縫付けられ
たものである。

【００１５】本発明においては、図３に示すように内側
に折返された両シート１０，１１の突き合せ縁１０ａ，
１１ａを縫合し、縫合された両突き合せ縁１０ａ，１１
ａ上に跨らせて耐熱テープ１７をあてがい、両突き合せ
縁１０ａ，１１ａの基部において、耐熱テープ１７の両
端縁を両シート１０，１１に重ねて一体に縫着したもの
である。両円板状シート１０，１１及び耐熱テープ１７
の縫合に際しては、図４に示すように両シート１０，１
１の樹脂コート面Ｓを外側、生地面Ｃを内側にして両シ
ート１０，１１の周縁の突き合せ縁１０ａ，１１ａを従
来と同様に二重環縫いにて縫合し、次いで、両端を一定
の幅で内側に折返した耐熱テープ１７を、両シート１０
，１１の周縁部両面に跨らせて突き合せ縁のシート面上
にあてがい、耐熱テープ１７の折返し縁上でいわゆるバ
イヤステープ掛け方式により本縫いにより耐熱テープ１
７を両シート１０，１１に縫合した後、インフレータ挿
込口４を通してシート１０，１１を内外反転し、図１の
エアバック本体を完成するものである。

【００１６】耐熱テープ１７は、その材質が特に限定さ
れるものではなく、円板状シート１０，１１と同一のも
のを、樹脂コート面が外面になるように用いて縫合すれ
ばよく、また、シリコンテープその他の耐熱樹脂テープ
であってもよい。

【００１７】縫合に際しては、両円板状シート１０，１
１の周縁縫合部を包み込んでシートに縫着することが必
要である。したがって、耐熱テープの縫合位置は、シー
トの反転後、図３のように両シートの突き合せ縁１０ａ
，１１ａの基部となる。

【００１８】なお、円板状シートの生地には織布が用い
られるが、一般に織布は、経糸や緯糸の方向には伸長し
難く、経糸及び緯糸と４５°の角度をなす方向すなわち
バイヤス方向にはよく伸長する傾向がある（特開昭４９
−８７０３５号参照）。したがって、縫合に際して両シ
ートの織目を相互に４５°の角度をなす方向にずらせて
組合せれば、膨張拡開時の衝撃的な負荷に対する吸収性
能を改善できる。

【００１９】図５に示すインフレータ７から高温，高圧
のガスが本発明によるエアバック本体３内に圧入されて
これが急激に膨張拡開したときには、周縁部に強大な内
圧が作用し、縫合されたシートの突き合せ縁１０ａ，１
１ａには剥離方向の力を受けるが、シートの突き合せ縁
１０ａ，１１ａを覆う耐熱テープ１７が内圧を受けてシ
ート面に強く圧し付けられるため、シートの縫目が開い
て多少の隙間が形成されてもこれが耐熱テープで塞がれ
て急激な空気洩れは阻止される。特に耐熱テープ１７の
端縁を折返し、その折返し縁を重ねてシート１０，１１
に一体に縫着したときには、縫合部が二重の補強構造と
なって剥離強度を増大させることができる。

【００２０】本発明による実施品と、従来品について膨
張拡開時の空気洩れ量の比較試験を行った。その試験結
果を表１に示す。

【００２１】

【表１】 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　表１　　　　　　　エアバック（容
積６０リットル）の空気洩れ量（リットル／分）───
─────────────────────────
───────エアバック本体内圧　　　　実施例　　
　　　　　　　比較例１　　　　　　　　　　　　　　
比較例２　　　　　ｋｇ／ｃｍ３　　　　　　　　　　
　　　　　　（二重かん縫のみ）　　　　（耐熱テープ
貼付）──────────────────────
─────────────　　　　　０．０１　　　
　　　　　　　１５　　　　　　　　　　　　　６０　
　　　　　　　　　　　　　　　　　５２　　　　　０
．０３　　　　　　　　　　４０　　　　　　　　　　
　１３０　　　　　　　　　　　　　　　　１０５　　
　　　０．０５　　　　　　　　　　７０　　　　　　
　　　　　２００　　　　　　　　　　　　　　　　１
６５───────────────────────
────────────

【００２２】表１に明らかな
とおり、本発明によれば、比較例１，比較例２に比して
膨張拡開時の空気洩れを著しく軽減できることが分かる
。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明によるときには、製
作時の作業性に優れ、エアバックの周縁縫合部にさらに
耐熱テープを縫着するのみで気密性を高め、周縁部から
の空気洩れを有効に防止して膨張拡開時の形態を安定に
保つことができ、膨張拡開後の脱気速度を制御するベン
トホールの口径は、周縁部からの空気洩れを考慮するこ
となく決定でき、ひいては乗員の安全確保に大きく寄与
できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】エアバック本体の背面図である。

【図２】エアバック本体の断面図である。

【図３】エアバック本体の周縁縫合部を示す図である。

【図４】縫合要領を示す図である。

【図５】エアバックを折畳んでステアリングホィールに
組付けた状態を示す図である。

【符号の説明】

３　　エアバック本体 ４　　インフレータ挿込口 １０　　円板状シート １０ａ　　突き合せ縁 １１　　円板状シート １１ａ　　突き合せ縁 １２　　周縁部 １３　　ベントホール １７　　耐熱テープ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　袋状をなすエアバック本体と、インフ
   レータ挿込口と、ベントホールとを有し、ステアリング
   ホィールに折畳み状態で格納され、車輌衝突時に高圧ガ
   スを圧入してエアバック本体を膨張拡開させる車輌用エ
   アバックであって、エアバック本体は、円板状シートの
   対が両シートの周縁部において縫合されたものであり、
   インフレータ挿込口は、エアバック本体の一方の円板状
   シートに開口され、インフレータより発する高圧ガスの
   受入用孔であり、ベントホールは、インフレータ挿込口
   の周囲の円板状シートに開口された脱気速度制御用の孔
   であり、対をなす円板状シートの内側周縁部には、両シ
   ートの突き合せ縁を覆い、且つ両シート面上に跨ってあ
   てがわれた耐熱テープを有し、耐熱テープは、エアバッ
   ク本体の周縁縫合部を包み込んで両円板状シートに縫着
   されたものであることを特徴とする車輌用エアバック。