JPH0429170Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、配管施工完了後に配管内の空気を
容易に抜くことができるガスコツクに関する。

［従来の技術］ 一般に、ガスの配管を施工した後には、配管内
の空気を抜く、いわゆるエアーパージを行う必要
がある。従来、このようなエアーパージについて
は、家屋内に配設されたホースコツクを所定時間
開くことによつて行つていた。

ところが、最近、ガスの使用器具が例えば給湯
器だけであるようなワンルームマンシヨンが増え
つつあり、そのようなワンルームマンシヨンにお
いては、ガスメータと給湯器との間に開閉用のガ
スコツクを設置する以外、それらガスメータと給
湯器とを直結している。ガスメータと給湯器とを
直結した場合には、ホースコツクが設置されない
ため、エアーパージを行うことが非常に困難にな
るという問題があつた。

そこで、この出願人は、エアーパージを容易に
行うことができるガスコツクを先に出願（昭和62
年７月10日出願）した。この先の出願に係るガス
コツクは、第６図および第７図に示すように、内
部に軸線を互いに一致させた流入路１１および流
出路１２が形成されるとともに、これら流入路１
１と流出路１２との間にそれらと直交するテーパ
孔状の栓挿入孔１３が形成されたコツク本体１
と、内部に外周面の一側から他側まで延びるガス
通路２１を有し、栓挿入孔１３に回動自在に挿入
された栓体２とを備え、ハンドル３によつて栓体
２を回動操作することにより、流入路１１と流出
路１２とがガス通路２１を介して連通した開状態
と、それらが遮断された閉状態とに切り換えるよ
うにしたものであり、コツク本体１の一側壁部に
栓挿入孔の内周面に開口する空気抜き孔１４が形
成されるとともに、栓体２に空気抜き孔１４に対
応する流出孔２２が形成され、配管内の空気をガ
ス通路２１および流出孔２２を介し空気抜き孔１
４から抜き出すようになつている。

なお、空気抜き完了後は、空気抜き孔１４に蓋
体４がねじ込まれ、しかも蓋体４とコツク本体１
との間にＯリング５およびパツキン６が介装され
ることによつて空気抜き孔１４が閉じられてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記のガスコツクにおいては、ガス漏れを防止
するために、栓挿入孔１３の内周面と栓体２の外
周面とを隙間なく密に接触させる必要がある。と
ころが、蓋体４を強固に締め付けると、その締め
付け部近傍のコツク本体１に傍に歪みが生じ、ひ
いては栓挿入孔１３の内周面に歪が生じる。この
ため、栓挿入孔１３の内周面と栓体３の外周面と
の間に極めて小さいものではあるが隙間が生じる
おそれがあつた。

［考案の目的］ この考案は、上記事情を考慮してなされたもの
で、エアーパージを容易に行うことができるのは
勿論のこと、空気抜き孔に螺合された蓋体を強固
に締め付けても栓挿入孔の内周面と栓体の外周面
との間に隙間が生じるのを防止することができる
ガスコツクを提供することを目的とする。

［考案の構成］ この考案は、上記の目的を達成するために、内
部にテーパ孔状をなす栓挿入孔が形成されるとと
もに、この栓挿入孔の内周面にそれぞれ開口する
流入路と流出路とが形成されたコツク本体と、こ
のコツク本体の栓挿入孔に、その内周面に回動可
能にかつ気密接触した状態で挿入され、内部に両
端部が外周面に開口するガス通路が形成されたテ
ーパ状をなす栓体とを備え、前記栓体の回動によ
り、前記流入路と流出路とが前記ガス通路を介し
て連通した開状態と、流入路と流出路との間が栓
体によつて遮断された閉状態とに切り換えられる
ガスコツクにおいて、前記栓体の小径側の端面に
前記ガス通路に至る流出孔を形成し、前記コツク
本体に、前記栓挿入孔の小径側の底面から栓挿入
孔の軸栓方向に延びてコツク本体の外面に開口
し、栓挿入孔の栓体と底面との間の部分を介して
前記流出孔に連通する空気抜き孔を形成し、この
空気抜き孔の外面側の開口部に空気抜き孔を遮蔽
する蓋体を螺合させたことを特徴とするものであ
る。

［実施例］ 以下、この考案の実施例について第１図ないし
第５図を参照して説明する。なお、上記従来例と
同様な部分には、同一符号を付してその説明を省
略する。

第１図および第２図は、この考案の一実施例を
示すもので、栓体２の小径側端面の中央部には、
ガス通路２１へ至る流出孔２３が形成されてい
る。一方、コツク本体１には、栓挿入孔１３の底
面１３ａと対向する外面に軸線を栓挿入孔１３の
軸線と一致させた断面円形状をなす突出部１５が
形成されている。この突出部１５は、その外周に
ゴムホース等の柔軟性を有するガス管を接続する
ためのもので、その先端面の中央部には、空気抜
き孔１６が形成されている。この空気抜き孔１６
は、栓挿入孔１３の底面に開口している。したが
つて、空気抜き孔１６は、栓挿入孔１３を介して
流出孔２３に連通せしめられている。

なお、空気抜き孔１６には、前述した先の出願
に係るものと同様に、蓋体４がねじ込まれて固定
されており、蓋体４とコツク本体１との間にはＯ
リング５およびパツキン６が介装されている。

しかして、上記構成のガスコツクにおいては、
流入路１１と流出路１２とがガス通路２１を介し
て連通された開状態にすると、空気抜き孔１６が
流出孔２３およびガス通路２１を介して流入路１
１および流出路１２に連通される。したがつて、
空気抜き孔１６から容易にエアーパージを行うこ
とができる。しかも、空気抜き孔１６は、栓体２
の流出孔２３が形成された端面に対向する壁部、
つまり栓挿入孔１３の底部を形成する壁部に形成
されているから、その空気抜き孔１６にねじ込ま
れた蓋体４を締めつけても、栓挿入孔１３の底部
を形成する壁部が変形するだけであり、栓挿入孔
１３の内周面を形成する壁部は何等変形すること
がない。したがつて、栓挿入孔１３の内周面が歪
むことがなく、よつて栓挿入孔１３の内周面と栓
体２の外周面との間に隙間が生じるのを防止する
ことができる。

また、開状態にして空気抜き孔１６に圧力計を
接続すれば、ガス圧の検出を行うこともできる。
その際、圧力計に接続されたガス管を突出部１５
に接続することにより、圧力計をガスコツクに容
易に接続することができる。

また、第３図ないし第５図は、この考案の他の
実施例を示すもので、この実施例のガスコツク
は、栓体２の外周面にガス通路２１へ至る連通孔
２４が形成されている。その他の構成は上記実施
例と同様である。

このガスコツクにおいては、上記実施例と同様
の効果が得られるのは勿論のこと、第４図に示す
ように連通孔２４を流入路１１側に向かせて閉状
態とすることにより、ガスコツクの上流側のガス
漏れの検出を行うことができ、さらに第５図に示
すように連通孔２４を流出路１２側に向かせた状
態で閉状態とすることにより、下流側のガス漏れ
の検出を行うことができる。

なお、上記の実施例においては、流入路１１と
流出路１２とを互いの軸栓が一致するように配置
しているが、それらを栓挿入孔１３の周方向にず
らし、互いの軸栓が交叉するように配置してもよ
い。また、栓挿入孔１３をテーパ孔状に形成して
いるが、断面一様なストレート孔とし、それに対
応して栓体２を円柱状にしてもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案のガスコツクに
よれば、テーパ状をなす栓体の小径側の端面にガ
ス通路に連通した流出孔を形成するとともに、コ
ツク本体に栓挿入孔の小径側の底面から外面まで
延びる空気抜き孔を形成し、この空気抜き孔にそ
れを遮蔽する蓋体を螺合させものであるから、エ
アーパージを容易に行うことができるのは勿論の
こと、空気抜き孔に螺合させた蓋体を強固に締め
付けたとしても栓挿入孔の内周面と栓体の外周面
との間に隙間が生じるのを防止することができ、
また空気抜き孔を介してガス圧測定を行うことが
できる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の一実施例を示
し、第１図はその縦断面図、第２図は第１図の
−線矢視断面図、第３図ないし第５図はこの考
案の他の実施例を示す第２図と同様の断面図であ
つて、第３図は開状態を示す図、第４図、第５図
はそれぞれ閉状態を示す図、第６図および第７図
はこの出願人による先の出願に係るガスコツクを
示し、第６図はその縦断面図、第７図は第６図の
−線矢視断面図である。 １……コツク本体、２……栓体、４……蓋体、
１１……流入路、１２……流出路、１３……栓挿
入孔、１３ａ……底面、１６……空気抜き孔、２
１……ガス通路、２３……流出孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にテーパ孔状をなす栓挿入孔が形成される
   とともに、この栓挿入孔の内周面にそれぞれ開口
   する流入路と流出路とが形成されたコツク本体
   と、このコツク本体の栓挿入孔に、その内周面に
   回動可能にかつ気密接触した状態で挿入され、内
   部に両端部が外周面に開口するガス通路が形成さ
   れたテーパ状をなす栓体とを備え、前記栓体の回
   動により、前記流入路と流出路とが前記ガス通路
   を介して連通した開状態と、流入路と流出路との
   間が栓体によつて遮断された閉状態とに切り換え
   られるガスコツクにおいて、前記栓体の小径側の
   端面に前記ガス通路に至る流出孔を形成し、前記
   コツク本体に、前記栓挿入孔の小径側の底面から
   栓挿入孔の軸線方向に延びてコツク本体の外面に
   開口し、栓挿入孔の栓体と底面との間の部分を介
   して前記流出孔に連通する空気抜き孔を形成し、
   この空気抜き孔の外面側の開口部に空気抜き孔を
   遮蔽する蓋体を螺合させたことを特徴とするガス
   コツク。