JPH0428948Y2

JPH0428948Y2 -

Info

Publication number: JPH0428948Y2
Application number: JP1987049646U
Authority: JP
Priority date: 1987-03-31
Filing date: 1987-03-31
Publication date: 1992-07-14
Also published as: DE3866274D1; EP0288731A2; EP0288731A3; US4860390A; JPS63176166U; EP0288731B1

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は排水栓に関する。

（従来技術とその問題点）従来の排水栓は、排水栓本体における排水口内
部の中芯部に案内筒を取付け、この案内筒内に支
持軸を上下方向へ進退動自在に嵌装すると共に、
その上端に上記排水口を開閉する栓蓋を付設し、
且つ上記案内筒内にはスラストロツク機構を内設
して構成していた。

スラストロツク機構は案内筒内に嵌装した支持
軸を連続して進退させた際に、該支持軸を進退径
路の一端側でロツクし、次にこのロツクを解除す
る作動を交互に繰り返すものであり、従来の排水
栓は上記スラスト機構を内設した案内筒を排水口
内の中芯部で支持軸のロツク側端を上にして保持
し、この支持軸上端に栓蓋を付設していた。

従つて、栓蓋は上方へ引き上げられて開栓され
た状態でロツクされ、また、ロツクが解除される
と自重で下がつて排水口を閉栓するものである。

そして、従来の排水栓は栓蓋を上下動（開閉
動）させる為に、栓蓋上面に取付けた鎖等を引き
上げていたが、栓蓋を開閉させる度に鎖等摘んで
引き上げる操作は面倒であり、また、栓蓋に取付
けた鎖等は大変邪魔なものであつた。

（技術的課題）本考案の技術的課題は排水栓の栓蓋の開閉操作
を簡単にすることである。

（技術的課題を解決する為の手段）本考案が上記した技術的課題を解決する為に講
ずる手段は、案内筒の内部に栓蓋を支持する支持
軸を軸方向へ進退自在に嵌装すると共に、この支
持軸を連続して進退させた際に該支持軸を進退径
路の一端側でロツクし、次にこのロツクを解除す
る作動を交互に繰返すスラストロツク機構を同案
内筒内に設け、上記案内筒を排水口内の中芯部で
支持軸のロツク側端を下にして保持し、且つ支持
軸を常時上方へ向けて付勢するスプリングを設け
ると共に、該支持軸上端に栓蓋を取付け、この栓
蓋の下面外周部に圧縮自在なパツキンを設け、上
記スラストロツク機構は前記支持軸に上下に対向
して配設せる固定リング及び回転リングを有し、
その回転リングが支持軸に回転かつ上下摺動自在
に取付けられるとともに前記スプリングとは別個
独立したスプリングによつて上向に付勢され固定
リングに係合するものである。

（作用）以上の手段によれば、開栓状態の栓蓋をスプリ
ングの付勢力に対抗して押し下げると、栓蓋と共
に支持軸が後退し、固定リングが別個独立するス
プリングの比較的小さな上向付勢力に抗して回転
リングを係合回転させることにより行うスラスト
ロツク機構の切換え作動でもつて下端側でロツク
される。これによつて、栓蓋は排水口を塞いだ状
態で保持される。

また、上記開閉状態の蓋板を該蓋板下面のパツ
キンを圧縮しながらさらに押し下げると、上記ス
ラストロツク機構が角度切換え作動して支持軸の
ロツクが解除され、スプリングの付勢力により栓
蓋が上昇して開栓される。

（効果）本考案は以上の如きものであるから、栓蓋を上
方から押し下げる操作によつて開栓及び閉栓する
ことができるので、従来の排水栓と比較すると、
開栓及び閉栓の操作が非常に簡単である。特に浴
槽の底面に設置した場合は、上記操作を足でもつ
て楽に行うこともでき、また、邪魔してなる鎖等
を栓蓋に取付ける必要もない。

スプリングは大きな弾力をもつたもの、また、
別個独立するスプリングは比較的小さな弾力をも
つたものが使用されるが、これにより回転リング
に対してスプリングによる小さな上向付勢力だけ
を作用させて該リングの回転を無理なくスムーズ
ならしめ、それによつて栓蓋の開閉切換え動作を
確実にすることができる。

（実施例）以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図にて示した排水栓Ａは、浴槽Ｂ等の底部
に設置するものであり、浴槽Ｂ底部部材に嵌め込
んで取付けた排水栓本体１の排水口２内に案内筒
３を設け、この案内筒３に栓蓋４を支持した支持
軸５を上下方向へ進退自在に嵌装し、この支持軸
５を案内筒３の内部に設けたスラストロツク機構
６に係合させて構成してある。

排水栓本体１は外周にねじ部１ａを設けると共
に、上部口縁にフランジ部１ｂを周設した筒状体
であり、浴槽Ｂ底部に開設した取付口に上方から
嵌合して固定し、外周部のねじ部１ａには排水管
Ｃを螺合して接続する。

また、排水栓本体１の排水口２内周面からは取
付片１ｃ，１ｃを同排水口２の中芯部へ向けて突
設してあり、この取付片１ｃ，１ｃには案内筒３
をねじ７止めし、該案内筒３を排水口２内の中芯
部で直垂状に保持している。

案内筒３は筒本体３ａと前記した取付片１ｃ，
１ｃに取付ける蓋体３ｂの２部材で構成し、筒中
芯部には支持軸５を上下方向へ摺動自在に貫挿
し、その上下両端面の嵌合部にはパツキン８，
８′を装着して水密を保つており、支持軸５を嵌
装し、且つ同筒３内部でスラストロツク機構６を
組付けた上で筒本体３ａと蓋体３ｂとを接着せし
める。

スラストロツク機構６はボールペン等のペン芯
を出し入れする為などにも用いられる機構であ
り、第２図に示す如く、支持軸５の上方部に嵌合
して同軸５に対して固定する固定リング９と、該
固定リング９の下に回転且つ上下方向へ摺動自在
に嵌合する回転リング１０、及び案内筒内形成し
た係合突部１１と案内溝１２とから構成される。

上記固定リング９は下端縁に鋸歯９ａを形成す
ると共に、周面に90°の間隔を置いて嵌合爪９ｂ
を形成し、該嵌合爪９ｂの下面を鋸歯９ａと同様
に傾斜せしめてある。

また、回転リング１０は上端縁に固定リングの
鋸歯９ａと歯合する鋸歯１０ａを形成すると共
に、その周面には上面が鋸歯１０ａと同様に傾斜
する係合爪１０ｂを90°間隔にて突設してある。
そして、支持軸５の略中央に固着されるバネ座５
ａと同回転リング１０との間にスプリング１３を
介在させて、回転リング１０の鋸歯１０ａを固定
リング９の鋸歯９ａに対して常時一定の圧力で付
勢している。

尚、上記スプリング１３は回転リング９を上方
へ付勢するだけの目的で設けられ、後述するスプ
リング１４よりも小さな弾力のものが使用され
る。

一方、案内筒３の内周面には係合突部１１同士
の間に固定リング９の嵌合爪９ｂが嵌合する案内
溝１２が90°間隔を置いて形成され、また、各係
合突部１１の下縁には回転リング１０の係合爪１
０ｂが掛止される傾斜辺１１ａが形成されてい
る。

また、固定リング９の嵌合爪９ｂが案内溝１２
内に嵌合した状態で案内筒３に嵌装される支持軸
５は、回転を規制されて上下方向へ摺動自在に支
持されると共に、バネ座５ａと案内筒３底面との
間に圧縮させて取付けたスプリング１４によつて
常時上方へ付勢され、固定リング９の上端が蓋体
３ｂの下面に圧接する上端位置で止まつている。

尚、上記したスプリング１４は支持軸５及び蓋
体３ｂを常時上方、即ち開栓方向へ向けて付勢す
る為のものであつて、比較的弾力の大きなものが
使用される。

上記した支持軸５上端には栓蓋４を螺合して取
付け、この栓蓋４の下面外周部にはパツキン１５
を嵌着してある。

パツキン１５は外周縁が下方へ垂れ下がる様に
形成し、上方向へ十分圧縮できる様に成し、これ
により、第３図に示した閉栓状態から栓蓋４をさ
らに第４図の状態まで押し下げられる様にするも
のである。

次に、第５図Ａ〜Ｄに基づいてスラストロツク
機構の作動と蓋板４の開栓及び閉栓操作について
説明する。

第５図のＡ〜Ｄは案内筒３の案内溝１２周りを
外周側より見た簡略図であり、Ａは第１図で示し
た開栓状態における案内溝１２部分を示してい
る。この状態において固定リング９の嵌合爪９ｂ
は案内溝１２の上方端に位置し、また、回転リン
グ１０の係合爪１０ｂが案内溝１２内に嵌合し、
スプリング１３の付勢力で嵌合爪９ｂの下面に当
接している。尚、この状態では固定リング９の鋸
歯９ａと回転リング１０の鋸歯１０ａとは両歯の
端部同士が突き合つた状態で歯合されている。

次に、栓蓋４を第４図の位置まで押し下げる
と、固定リング９の嵌合爪９ｂは案内溝１２の下
方端まで下り、固定リング９の係合爪９ｂを案内
溝１２の下端より押し出す。すると、回転リング
１０の鋸歯１０ａがスプリング１３の付勢力によ
つて固定リング９の鋸歯９ａの傾斜に沿つて左方
向へ滑り動き、Ｂの様に両鋸歯９ｂ，９ｂが完全
に歯合する。

第４図の状態まで押し下げた栓蓋４から手若し
くは足を放すと、支持軸５がスプリング１４の力
で上昇し、バネ座５ａによつて回転リング１０が
押し下げられることにより、回転リング１０の係
合爪１０ｂがＣで示す様に、案内筒３係合突部１
１下縁の傾斜辺１１ａに掛止される。

従つて、上記した回転リング１０の係合爪１０
ｂが係合突部１１下縁の傾斜辺１１ａに掛止され
ることにより、支持軸５が下端側でロツクされ、
栓蓋４も第３図で示す様に閉栓状態でロツクされ
る。

次に、閉栓状態の栓蓋４を第４図の位置まで押
し下げると、固定リング９鋸歯９ａは前に歯合し
た鋸歯１０ａより一枚後の鋸歯１０ａの端部を押
し下げて、傾斜辺１１ａに掛止されていた回転リ
ング１０の係合爪１０ｂを下方へ外す。すると、
回転リング１０の鋸歯１０ａがスプリング１３の
付勢力によつて固定リング９の鋸歯９ａの傾斜に
沿つて左方向へ滑り動き、Ｄで示す様に両鋸歯９
ａ，１０ａが完全に歯合する。

次いで、蓋板４を放すと、固定リング９の嵌合
爪９ｂが案内溝１２内を上昇する。これと同時に
スプリング１４の力で支持軸５及び回転リング１
０が上昇し、同リング１０の係合爪１０ｂが案内
溝１２の下端口の角に当つた後、上記嵌合爪９ｂ
と共に案内溝１２内を上昇してＡの状態に戻る。

以上の様に、排水栓Ａは栓蓋４を上方より押し
下げる操作によつて開栓及び閉栓できるので、開
閉操作が簡単であり、特に浴槽底面に設置した際
には栓蓋を足で踏んで楽に操作することができる
ものである。

また前記した様に、スプリング１４は大きな弾
力をもつたもの、スプリング１３は比較的小さな
弾力をもつたものが使用されるが、この為、回転
リング１０にはスプリング１３による小さな上向
付勢力しか作用しておらず、該リング１０の回転
を無理なくスムーズならしめ、それによつて栓蓋
４の開閉切換え動作を確実にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した排水栓の開栓状態を
示す縦断面図、第２図はスラストロツク機構を示
す一部切欠斜視図。第３図は同排水栓の閉栓状態
を示す縦断面図、第４図は同排水栓の栓蓋を最下
端まで下げた状態を示す縦断面図、第５図Ａ〜Ｄ
はスラストロツク機構の作動を示す簡略図であ
る。図中、Ａ……排水栓、１……排水本体、２……
排水口、３……案内筒、４……栓蓋、５……支持
軸、６……スラストロツク機構。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

案内筒の内部に栓蓋を支持する支持軸を軸方向
へ進退自在に嵌装すると共に、この支持軸を連続
して進退させた際に該支持軸を進退径路の一端側
でロツクシ、次にこのロツクを解除する作動を交
互に繰返すスラストロツク機構を同案内筒内に設
け、上記案内筒を排水口内の中芯部で支持軸のロ
ツク側端を下にして保持し、且つ支持軸を常時上
方へ向けて付勢するスプリングを設けると共に、
該支持軸上端に栓蓋を取付け、この栓蓋の下面外
周部に圧縮自在なパツキンを設け、上記スラスト
ロツク機構は前記支持軸に上下に対向して配設せ
る固定リング及び回転リングを有し、その回転リ
ングが支持軸に回転かつ上下摺動自在に取付けら
れるとともに前記スプリングとは別個独立したス
プリングによつて上向に付勢され固定リングに係
合する排水栓。