JPH0242594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案はキヤツプ付き容器に関するもので、
より具体的には筒状容器の上端注出口を塞ぐキヤ
ツプの両側部から一対の合成樹脂製のストラツプ
を垂下し、各ストラツプを筒状容器の側部に対し
て上下動自在にかつ旋回自在に取付け、キヤツプ
が容器の注出口を塞ぐ時にはストラツプが下方位
置を占め、キヤツプを注出口から抜く時にはスト
ラツプはキヤツプと共に上昇して上方位置を占
め、この上方位置においてキヤツプをストラツプ
の下方部を中心として筒状容器の側方部へ向けて
旋回し得るようにしてなるキヤツプ付き容器に関
するものである。

《従来の技術》 従来この種のキヤツプ付き容器としては実開昭
52−64648号に係るものが公知となつている。こ
の公知のキヤツプ付き容器では各ストラツプの上
端がキヤツプの側壁と一体的に形成され、このキ
ヤツプの側壁とストラツプに跨つて略逆Ｌ字形の
スリツトが形成され、このスリツトの下端は容器
の口頚部の外側面に植設された突起に嵌挿され、
これによつてストラツプが突起に対し上下動自在
かつ旋回自在となつている。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら上記従来のキヤツプ付き容器では
筒状容器の上端注出口をキヤツプによつて塞ぐと
き、キヤツプを一旦押し下げて筒状容器に植設し
た突起をＬ字形スリツトの角部に位置させ、次い
でＬ字形スリツトの傾斜上端に上記突起が当接す
るまでキヤツプを回転する必要があり、キヤツプ
の閉塞動作が垂直動と回転動の２動作となる。

また、キヤツプの回転動はＬ字形スリツトのう
ちのキヤツプの側壁に形成された傾斜スリツト部
内を前記突起が相対的に移動することによつて行
われるため、この傾斜スリツト部の傾斜角度を大
きくしかつ傾斜長を大きくしてキヤツプの注出口
に対して密閉性を向上させようとすると、スリツ
トの突起に対する相対的移動がスムーズにいか
ず、従つて実際上は上記傾斜スリツト部の長さを
短かくしかつ傾斜角度を小さくしなければなら
ず、そのため良好な密閉性を得ることは困難であ
る。

本考案は上記のような問題点を解決するもの
で、その目的はキヤツプが筒状容器の上端注出口
を塞ぐ閉栓操作は垂直方向の動作によつて極めて
簡単に行うことができ、またキヤツプの密閉性を
向上させるためにキヤツプの密閉強度を増しても
キヤツプに取付けたストラツプによつてキヤツプ
を小さな力で容易に開栓することのできる開栓操
作性にも優れたキヤツプ付き容器を提供すること
をその目的とする。

《問題点を解決するための手段》 上記の目的を達成するため、本考案のキヤツプ
付き容器によれば、キヤツプを筒状容器に対して
上下動自在かつ旋回自在に取付ける一対のストラ
ツプを略逆Ｌ字形に形成し、ストラツプの上方内
方部をキヤツプの側壁部に摺動自在に挿通させる
とともに、ストラツプの上方内端を容器の注出口
外周部と対向させ、ストラツプの内端と容器の注
出口外周部の少なくとも何れか一方に傾斜面を形
成し、容器にキヤツプが密嵌している状態にてス
トラツプの上方部を内方に押圧した時にその押圧
力が傾斜面に作用して、キヤツプを離脱させる上
方への分力が生じるように構成することである。

《作 用》 キヤツプで筒状容器の注出口を閉栓するにはキ
ヤツプを上方から下方に押圧すると言つた一動作
で筒状容器に径嵌合、アンダーカツト嵌合等によ
つて密嵌される。一方、キヤツプを開栓するには
一対のＬ字形ストラツプの垂直辺部の上方位置を
片手で挟むようにして内方へ押圧すると、ストラ
ツプの上方内端が傾斜面を介して容器の注出口外
周部を上昇し、このストラツプの上方内方部に取
付いたキヤツプもこれとともに上昇して容器の注
出口から離脱する。この開栓後はストラツプを旋
回させてキヤツプを注出口から大きく分離するこ
とができる。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例について添付図面
を参照にして説明する。

１０は比較的硬質の樹脂からなるボトル状容器
を示し、上面中央部には首部１１が一体的に形成
されており、この首部１１の内部は注出用開口部
となつている。この首部１１には比較的軟質の樹
脂からなる注出口カバー２０の外スリーブ部２１
が嵌着されている。また、この注出口カバー２０
の下方周縁部は容器１０の肩部１２に嵌着されて
いる。尚、首部１１の外周面にはリング状の嵌合
突起１３が一体形成されており、外スリーブ部２
１の内周面に形成した凹溝と嵌合し注出口カバー
２０の離脱を防止している。

一方、注出口カバー２０の上方部には、外スリ
ーブ部２１と同心円状の内スリーブ部２２が一体
的に形成され、この内スリーブ部２２はボトル状
容器１０の首部１１に嵌入されて、ボトル状容器
１０の注出口２３を画成する。また、内スリーブ
部２２の内周面にはリング状の第１の係合突起２
４が一体的に形成され、この内スリーブ部２２内
に比較的硬質の樹脂からなるキヤツプ３０の内側
筒部３１が着脱自在に挿入されるようになつてい
る。そして、この内側筒部３１の外周面にはリン
グ状の第２の係合突起３２が一体形成されてお
り、キヤツプ３０を閉じたときに注出口カバー２
０の内スリーブ部２２を設けた第１の係合突起が
この第２の係合突起３２と係合し、注出口２３を
密閉するように形成されている。また、内側筒部
３１の上端には、比較的大径な円板状の天井面部
３３が同心円状に一体形成され、その周縁から比
較的偏平な外側筒部３４が一体的に垂下形成され
ている。 この考案によれば、合成樹脂から略逆
Ｌ字形に形成されたやや可撓性を有する一対のス
トラツプ４０−４０が容器１０の側部に相対向し
て設けられている。即ち、各ストラツプ４０の垂
直部下方側には長孔４１が形成され、この長孔４
１内には注出口カバー２０の下端側部から突設し
た突起２５が嵌挿している。この突起２５の先端
は軸部２６よりも大径の頭部２７として形成さ
れ、好ましくは、第６図に示すように、この軸部
２６の横方向の肉厚は長孔４１の幅と略同一とす
る一方、この軸部２６の縦方向の肉厚は長孔４１
の幅よりも若干大きく形成することである。この
各ストラツプ４０の水平な内方部４２はキヤツプ
３０の外側筒部３４に形成された透孔３５を貫通
して内方に摺動自在に延長し、そしてそのストラ
ツプ４０の上方内端４３は注出口カバー２０の外
スリーブ部２１に形成された傾斜面２８と対向し
ている。尚、各ストラツプ４０の水平部下面には
係止突起４４が突出形成されていて、ストラツプ
４０がキヤツプ３０の外側筒部３４の透孔３５か
ら離脱するのを防止している。

上記の構成から明らかなように、本考案のキヤ
ツプ付き容器ではキヤツプ３０とストラツプ４０
−４０とが一緒に移動するように結合されてお
り、第１図に示す位置では、ストラツプ４０−４
０の長孔４１−４１の下端に容器１０の側部から
突出した突起２５−２５が当接し、キヤツプ３０
の内側筒部３１が注出口カバー２０の注出口２３
から上方に分離している。この状態からキヤツプ
３０を下方に押し込むと、キヤツプ３０並びにス
トラツプ４０−４０が下方に移動し、第２図に示
すようにキヤツプ３０の内側筒部３１が注出口カ
バー２０の内スリーブ部２２内に入り、キヤツプ
３０の内側筒部３１に設けた第２の係合突起３２
が注出口カバー２０の内スリーブ部２２に設けた
第１の係合突起２４を乗り越え、キヤツプ３０の
内側筒部３１の下端部が注出口カバー２０の下端
部に密着してこの間を液密にシールしている。こ
の状態ではストラツプ４０の上方内端４３は注出
口カバーの傾斜面２８と当接し、ストラツプ４０
の長孔４１の上端に突起２５が当接している。

上記の状態からキヤツプ３０を取り外すには、
第３図に示すように、ストラツプ４０−４０の上
方部を矢印のように押し込む。この押圧力によつ
てストラツプ４０−４０の上方部が水平方向内方
に摺動する。このとき、注出口カバー２０の傾斜
面２８はストラツプ４０−４０の摺動方向に対し
て登り坂となつており、従つてストラツプ４０−
４０が注出口カバー２０から受ける反作用力は垂
直分力含むことになる。この垂直分力はストラツ
プ４０−４０からキヤツプ３０に伝達され、キヤ
ツプ３０全体を上方へ押し上げるように作用す
る。この力でキヤツプの第２の係合突起３２が注
出口カバーの第１の係合突起２４を弾性的に乗り
越え、キヤツプ３０とボトル状容器１０との封繊
係合が外れる。このとき、キヤツプ３０と一緒に
ストラツプ４０−４０も一部上昇し、第３図の位
置を占める。

次いで、キヤツプ３０を更に上方に引き上げて
やると、ストラツプ４０−４０もこれと共に上昇
して前記第１図及び第４図の位置を占める。ここ
で、容器１０内の内容物を注出口２３から取り出
すには、キヤツプ３０及びストラツプ４０をスト
ラツプ下端の突起２５を中心として第５図の状態
に向けて旋回してやることである。このとき、第
６図Ｂに示したように、突起２５の軸２６の縦方
向の肉厚がストラツプ４０の長孔４１の横幅より
も若干大きく形成されているため、長孔４１は押
し広げられた状態となり、両者の摩擦抵抗はかな
り大きなものとなるため、ストラツプ４０−４０
及びキヤツプ３０を第１図と第５図の間の任意の
位置で停止させることができる。容器１０内の内
容物の使用後、容器１０にキヤツプ３０を嵌着す
るには、前記のキヤツプ開放と逆の手順を取れば
良いのである。尚、第５図の状態から第１図の状
態へキヤツプ３０を戻す時に、第６図に示すよう
に突起２５の軸部２６の上下部を円弧状に形成し
ておくと、長孔４１と軸部２６の係合が第６図Ｂ
の状態から第６図Ａの状態に移行する間に、長孔
４１の軸部２６との当接点が軸部２６の円弧の末
端部を通過するや否や長孔４１の横幅が第６図Ａ
の状態へ弾性復帰するため、この弾性力によつて
ストラツプ４０は急激に第１図の垂直位置を占め
ることになるため有利である。

《効 果》 以上のように、本考案のキヤツプ付き容器によ
れば、キヤツプを筒状容器の上方に位置させた状
態から下方に押圧すると言つた一動作で筒状容器
の注出口を閉栓することができ、閉栓操作が極め
て簡単である。

また、キヤツプの開栓時には一対のＬ字形スト
ラツプの垂直辺部の上方位置を片手で挟むように
して内方へ押圧すると、ストラツプの上方内端が
傾斜面を介して楔のように作用してキヤツプを上
方へ押し上げるため、キヤツプと筒状容器の注出
口との密閉性を向上させるためにキヤツプの密閉
強度を増しても小さな力でキヤツプを容易に開栓
することができる開栓操作性にも優れたキヤツプ
付き容器とすることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例に係るキヤツプ付き
容器を示し、第１図はキヤツプが最上位置にある
時の斜視図、第２図はキヤツプが最下位置にあつ
て容器を封繊している状態を示す断面図、第３図
は第２図の状態からストラツプを内方に押圧して
容器とキヤツプとの封緘係合を解除した状態を示
す断面図、第４図は第３図の状態からキヤツプを
最上位置に引き上げた状態を示す断面図、第５図
は第１図の状態からキヤツプを90゜旋回させた状
態を示す斜視図、第６図Ａ及びＢはストラツプと
突起との係合状態をそれぞれ示す断面図である。 １０……ボトル状容器、１１……首部、１２…
…注出口カバー、２３……注出口、２５……突
起、２８……傾斜面、３０……キヤツプ、３１…
…内側筒部、３４……外側筒部、４０……ストラ
ツプ、４１……長孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 筒状容器の上端注出口を塞ぐキヤツプの両側
   部から一対の合成樹脂製のストラツプを垂下
   し、各ストラツプを該筒状容器の側部に対して
   上下動自在かつ旋回自在に取付け、該キヤツプ
   が該容器の注出口を塞ぐ時には該ストラツプが
   下方位置を占め、該キヤツプを該注出口から抜
   く時には該ストラツプは該キヤツプと共に上昇
   して上方位置を占め、この上方位置において該
   キヤツプを該ストラツプの該下方部を中心とし
   て該筒状容器の側方部へ向けて旋回し得るよう
   にしてなるキヤツプ付き容器において、前記各
   ストラツプを略逆Ｌ字形に形成し、前記ストラ
   ツプの上方内方部を前記キヤツプの側壁部に摺
   動自在に挿通させるとともに該ストラツプの上
   方内端を前記容器の注出口外周部と対向させ、
   該ストラツプの該内端と該容器の該注出口外周
   部の少なくとも何れか一方に傾斜面を形成し、
   該容器に該キヤツプが密嵌している状態にて該
   ストラツプの上方部を内方に押圧した時にその
   押圧力が該傾斜面に作用して、該キヤツプを離
   脱させる上方への分力が生じるように構成して
   なることを特徴とするキヤツプ付き容器。 (2) 前記筒状容器と前記ストラツプとの結合部に
   おいて、該筒状容器の該側部に突起を形成し、
   該ストラツプの前記下方部に該突起と摺動自在
   に係合する長孔を形成してなることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のキヤツ
   プ付き容器。