JPH04288950A - Fe系軟磁性合金薄帯の製造装置及び製造方法 - Google Patents

Fe系軟磁性合金薄帯の製造装置及び製造方法

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JPH04288950A
JPH04288950A JP3022794A JP2279491A JPH04288950A JP H04288950 A JPH04288950 A JP H04288950A JP 3022794 A JP3022794 A JP 3022794A JP 2279491 A JP2279491 A JP 2279491A JP H04288950 A JPH04288950 A JP H04288950A
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JP
Japan
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soft magnetic
magnetic alloy
cooling roll
based soft
ribbon
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JP3022794A
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Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Seisaku Suzuki
清策 鈴木
Takeshi Masumoto
健 増本
Akihisa Inoue
明久 井上
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/153Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F1/15341Preparation processes therefor

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  • Continuous Casting (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば磁気ヘッドや
トランスの素材として用いられるFe系軟磁性合金薄帯
を連続的に製造するための装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質合金の薄帯(リボン)を連続的に
製造するための装置として、図3に示すいわゆる単ロー
ル法によるものが知られている。これは、Cu製の冷却
ロール1を高速で回転させつつ、その頂部に近接配置し
たノズル2から溶融金属3を吹き付けることによって、
溶融金属3を冷却ロール1の表面で急速冷却して固化さ
せつつ、帯状となして冷却ロール1の回転方向に引き出
すようにしたものである。
【0003】図3に示す装置の場合、冷却ロール1の表
面は、鏡面仕上とされ、また、ノズル2は冷却ロール1
の頂部においてほぼ鉛直となるように設けられ、その先
端と冷却ロール1の表面との間の間隔は1mm程度以下
に設定されるようになっている。
【0004】そして、ノズル2より突出された溶融金属
3は、ノズル2の先端と冷却ロール1の表面との間にお
いて実質的に静止している溜まり(パドル)4を形成し
、冷却ロール1の回転に伴ってその溜まり4から溶融金
属3が引き出されていって冷却ロール1の表面上で冷却
されて帯状となって固化し、これによって薄帯5が連続
的に形成されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気ヘッド
の素材として用いられる軟磁性合金は、特にその表面が
十分に平坦であること、即ち、表面粗さが十分に小さい
ことが要求されるが、前記従来の装置により製造される
薄帯にあっては、その両面における表面粗さが大きくば
らつく問題がある。即ち、ロールに接触しつつ凝固して
形成されるロール接触面に比して、ロールに接触せずに
凝固して形成される自由凝固面での表面粗さが大きくな
ってしまう欠点があり、このため、磁気ヘッド用の素材
として用い難いという問題があった。
【0006】ところで、磁気ヘッド、トランス 、チョ
ークコイル等に用いられる軟磁性合金において一般的に
要求される諸特性は以下の通りである ■飽和磁束密度が高いこと。 ■透磁率が高いこと。 ■低保磁力であること。 ■薄い形状が得やすいこと。
【0007】また、磁気ヘッドに対しては、前記■〜■
に記載の特性の他に耐摩耗性の観点から以下の特性が要
求される。■硬度が高いこと。
【0008】従って軟磁性合金あるいは磁気ヘッドを製
造する場合、これらの観点から種々の合金系において材
料研究がなされている。
【0009】このような背景から本発明者らは、先に、
前記要求を満たした高飽和磁束密度Fe系軟磁性合金を
特願平2ー108308号明細書において平成2年4月
24日付けで特許出願している。
【0010】この特許出願に係る合金の他の1つは、次
式で示される組成からなることを特徴とする高飽和磁束
密度合金であった。 (Fe1−a Co a)b Bx Ty T’z但し
TはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、且
つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、T’はC
u,Ag,Au,Ni,Pd,Ptからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、a≦0.05、b
≦92原子%、x=0.5〜16原子%、y=4〜10
原子%、z=0.2〜4.5原子%である。
【0011】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度合金であった。 Fe b Bx Ty T’z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり
、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、T’
はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptからなる群から
選ばれた1種又は2種以上の元素であり、b≦92原子
%、    x=0.5〜16原子%、 y=4〜10原子%、z=0.2〜4.5原子%である
。 更に本発明者らは、前記合金の発展型の合金として、先
に、以下に示す組成の合金について特許出願を行ってい
る。
【0012】この特許出願に係る合金の1つは、次式で
示される組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度
合金であった。 (Fe1−a Q a)b Bx Ty但しQはCo,
Niのいずれか、または、両方であり、TはTi,Zr
,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hf
のいずれか、又は両方を含み、  a≦0.05、  
  b≦93原子%、x=0.5〜8原子%、 y=4
〜9原子%である。
【0013】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度合金であった。 Fe b Bx Ty 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり
、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、b≦
93原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%
である。
【0014】以上のように本発明者らは、前記各組成の
種々のFe系軟磁性合金を開発したわけであるが、これ
らの合金を用い、図3に示す製造装置を使用して薄帯を
製造できることが判明したので本願発明に到達した。
【0015】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
、薄帯の両面での表面粗さのばらつきを低減し、高い飽
和磁束密度と高透磁率を兼備し、かつ、高い機械強度と
高い熱安定性を有するFe系軟磁性合金薄帯を提供でき
る製造装置と製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、前記課題を解決するために、回転駆動される冷却ロ
ールと、この冷却ロールの表面に先端を臨ませて近接配
置され、Fe系軟磁性合金の溶融金属を冷却ロールの表
面に吹き付けて溶融金属を冷却ロールの表面において冷
却しつつ帯状となして冷却ロールの回転方向に引き出す
ようにするためのノズルとを具備してなるFe系軟磁性
合金薄帯の製造装置において、冷却ロールの少なくとも
外周面をFe系合金から構成し、冷却ロールの外周面を
、砥粒ナンバー600番ないし1000番の研摩紙によ
り研摩して得られる粗さに相当する粗さに仕上げてなる
ものである。
【0017】請求項2に記載した発明は、前記課題を解
決するために、回転駆動される冷却ロールの表面に、先
端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノズ
ルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによっ
てその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状と
なして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性合
金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe系
合金から構成した冷却ロールであって、その外周面を、
砥粒ナンバー600番ないし1000番の研摩紙により
研摩して得られる粗さに相当する粗さに仕上げてなる冷
却ロールを用いるものである。
【0018】請求項3に記載した発明は、前記課題を解
決するために、請求項2に記載のFe系軟磁性合金薄帯
の製造方法において、ノズルから冷却ロールに吹き付け
られるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a Co a)b Bx Ty T’z但し
TはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、且
つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、T’はC
u,Ag,Au,Ni,Pd,Ptからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、a≦0.05、b
≦92原子%、x=0.5〜16原子%、y=4〜10
原子%、z=4.5原子%以下である。
【0019】請求項4に記載した発明は、前記課題を解
決するために、請求項2に記載のFe系軟磁性合金薄帯
の製造方法において、ノズルから冷却ロールに吹き付け
られるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ty T’z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり
、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、T’
はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptからなる群から
選ばれた1種又は2種以上の元素であり、 b≦92原子%、    x=0.5〜16原子%、y
=4〜10原子%、z=4.5原子%以下である。
【0020】請求項5に記載した発明は、前記課題を解
決するために、請求項2に記載のFe系軟磁性合金薄帯
の製造方法において、ノズルから冷却ロールに吹き付け
られるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a Q a)b Bx Ty但しQはCo,
Niのいずれか、または、両方であり、TはTi,Zr
,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hf
のいずれか、又は両方を含み、a≦0.05、b≦93
原子%、x=0.5〜8原子%、 y=4〜9原子%で
ある。
【0021】請求項6に記載した発明は、前記課題を解
決するために、請求項2に記載のFe系軟磁性合金薄帯
の製造方法において、ノズルから冷却ロールに吹き付け
られるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ty 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり
、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、b≦
93原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%
である。
【0022】
【作用】冷却ロールの表面が鏡面仕上げとされている従
来装置において作製された薄帯を観察したところ、その
自由凝固面には長さ方向に波状の凹凸が観察され、この
凹凸は、溜まりから薄帯が引き出されていく際にロール
上で微小な滑りを生じ、そのため発生したものと考えら
れる。一方、ロールに接触しつつ凝固するロール接触面
については、自由凝固面に見られる凹凸も若干観察され
るが、基本的には冷却ロール表面の凹凸がそのまま転写
されるために、自由凝固面より表面粗さが小さなものと
なる。
【0023】そこで本発明の装置では、冷却ロールの表
面を鏡面より粗く仕上げることによって、薄帯とロール
表面との間の摩擦を大きくし、それによって薄帯の冷却
ロールに対する滑りを防止して自由凝固面における凹凸
の発生を防止し、これによって、自由凝固面の表面粗さ
が改善される。そして、冷却ロール接触面の表面粗さは
冷却ロール表面の粗さに依存するため、冷却ロール表面
粗さを最適に設定することにより、双方の表面粗さを均
等になしえる。この結果、磁気ヘッド用などとして好適
なFe系軟磁性薄帯が得られる。
【0024】また、特定の組成の軟磁性合金の溶湯を用
いるので、高い飽和磁束密度と高い透磁率を示し、硬度
が高く、耐熱性に優れた磁気ヘッド用などとして好適な
Fe系軟磁性合金の薄帯が得られる。
【0025】
【実施例】以下に本発明を図面を参照しながら説明する
。図1は本発明装置の一実施例を示すもので、本実施例
の装置は、図3に示した従来の装置と略同等の構成であ
り、冷却ロール10を高速で回転させつつ、その頂部に
近接配置したノズル20から溶融金属30を吹き付ける
ことによって、溶融金属30を冷却ロール10の表面で
急速冷却して固化させつつ冷却ロール10の回転方向に
帯状となして引き出す装置である。
【0026】本実施例の装置で従来例の装置と異なって
いるのは、まず、冷却ロール10がFe系の合金からな
ることである。即ち、冷却ロール10はステンレスなど
のFe系の合金から構成されている。なお、冷却ロール
10の外周部分のみを前記のFe系合金で構成しても良
いのは勿論である。
【0027】また、冷却ロール10の外周面は、砥粒ナ
ンバー600番ないし1000番、好ましくは、800
番の研摩紙によって研摩されることによって鏡面より粗
く仕上げられたものとなっており、これによって製造さ
れる薄帯50の両面の表面粗さをほぼ均等になし得るも
のとなっている。
【0028】以上で説明したように、冷却ロール10の
表面を砥粒ナンバー600〜1000番、好ましくは8
00番の研摩紙により研摩して得られる粗さに相当する
粗さとなすことによって、薄帯50両側の表面粗さを十
分に小さく、かつ、均等になし得るものであり、従って
、本実施例の装置は特に音声用磁気ヘッドの素材として
の軟磁性合金の薄帯を製造する装置として好適である。
【0029】次に、溶湯30として、次式に示す組成の
Fe系軟磁性合金の溶湯を用いることができる。 (Fe1−a Co a)b Bx Ty T’z但し
TはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから
なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、且
つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、T’はC
u,Ag,Au,Ni,Pd,Ptからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、 a≦0.05、b≦92原子%、 x=0.5〜16原子%、y=4〜10原子%、z=4
.5原子%以下である。
【0030】また、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 Fe b Bx Ty T’z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり
、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、T’
はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptからなる群から
選ばれた1種又は2種以上の元素であり、b≦92原子
%、x=0.5〜16原子%、y=4〜10原子%、z
=4.5原子%以下である。
【0031】更に、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 (Fe1−a Q a)b Bx Ty但しQはCo,
Niのいずれか、または、両方であり、TはTi,Zr
,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hf
のいずれか、又は両方を含み、a≦0.05、b≦93
原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%であ
る。
【0032】更に、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 Fe b Bx Ty 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり
、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、b≦
93原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%
である。
【0033】本発明により製造されるFe系軟磁性合金
は、前記組成の非晶質合金あるいは非晶質相を含む結晶
質合金を溶湯から急冷することにより得る工程と、これ
を加熱し微細な結晶粒を形成する熱処理工程によって通
常得ることができる。
【0034】本発明に用いる合金溶湯30において、急
冷後に非晶質相を得やすくするためには、非晶質形成能
の高いZr、Hfのいずれかを含む必要がある。またZ
r、Hfはその一部を他の4A〜6A族元素のうち、T
i,V,Nb,Ta,Mo,Wと置換することが出来る
。ここでCrを含めなかったのは、Crが他の元素に比
べ非晶質形成能が劣っているからである。
【0035】Bには本発明合金の非晶質形成能を高める
効果、および前記熱処理工程において磁気特性に悪影響
を及ぼす化合物相の生成を抑制する効果があると考えら
れ、このためB添加は必須である。Bと同様にA1,S
i,C,P等も非晶質形成元素として一般に用いられて
おり、これらの元素を添加した場合も本発明と同一とみ
なすことができる。
【0036】以上、本発明で使用する高飽和磁束密度F
e系軟磁性合金に含まれる合金元素の限定理由を説明し
たが、これらの元素以外でも耐食性を改善するために、
Cr,Ruその他の白金族元素を添加することも可能で
あり、また、必要に応じて、Y,希土類元素,Zn,C
d,Ga,In,Ge,Sn,Pb,As,Sb,Bi
,Se,Te,Li,Be,Mg,Ca,Sr,Ba等
の元素を添加することで磁歪を調整することもできる。 その他、H,N,O,S等の不可避的不純物については
所望の特性が劣化しない程度に含有していても本発明の
高飽和磁束密度Fe系軟磁性合金の組成と同一とみなす
ことができるのは勿論である。
【0037】本発明で使用するFe系軟磁性合金溶湯に
おけるFe,Co量のbは、92原子%以下である。こ
れは、bが92原子%を越えると高い透磁率が得られな
いためであるが、飽和磁束密度10kG以上を得るため
には、bが75原子%以上であることがより好ましい。 また、元素T’zを含まない合金溶湯においては、Fe
,Ni,Co量を93原子%以下とする。
【0038】更に本発明者等は高飽和磁束密度Fe系軟
磁性合金の熱処理方法の研究を行ない、図4に示される
ような結果を得た。図4はFe88Cu1B3Zr8な
る組成の軟磁性合金の試料について、650℃に1時間
加熱した後、種々の冷却速度で冷却した後の透磁率を測
定した結果を示すものである。
【0039】この研究結果から、100℃/分以上の冷
却速度であれば、透磁率を著しく高められることが明ら
かになった。これによりT’zを4.5原子%以下とす
ることができた。
【0040】次に、図1に示す装置を用いてFe系軟磁
性合金薄帯を製造する場合について説明する。
【0041】図1に示す矢印A方向に冷却ロール10を
高速回転させて前記組成の合金の溶湯をノズル20から
噴出させると、合金溶湯は冷却ロール10の頂部に溜ま
り40を形成しながら冷却ロール10の表面に沿って押
し出され、薄帯50が得られる。この薄帯50において
は大部分が不均一な非晶質相からなるものである。
【0042】ここで、冷却ロール10の外周面は、Fe
系の合金からなり、Fe系軟磁性合金とのぬれ性が良好
であるので、冷却ロール10から薄帯50の分離も容易
であり、厚さの均一な薄帯50が得られる。これに対し
Cu製などのFe系合金以外の冷却ロールを用いると、
溶湯の噴出時に溶湯が飛び散り、良好な形状のリボンが
形成されないので好ましくない。
【0043】また、冷却ロール10の表面は、適度な粗
さに形成されているので、薄帯50が冷却ロール10に
対して滑ってしまうことが抑制され、その結果、薄帯5
0の両面の表面粗さが十分に小さくなる。
【0044】このように得られた薄帯50に対し、50
0〜620℃に加熱後徐冷する焼鈍処理を行えば、薄帯
50の不均一な非晶質相が結晶化する結果、部分的に結
晶化しやすい領域が多数でき、不均一核生成するために
、得られる組織が微細となり、結果的に100〜200
オングストローム程度の微細結晶組織となる。この結果
、高い飽和磁束密度と透磁率を有する優れた軟磁気特性
を示し、硬度も高く、耐熱性にも優れたFe系軟磁性合
金薄帯を得ることができる。
【0045】次に本実施例の有効性を図2に示す実験結
果に基づいて説明する。
【0046】図2は、冷却ロール10の表面粗さを薄帯
50の両面の表面粗さとの関係を示したものであって、
横軸はロール研摩のために用いた研摩紙の砥粒ナンバー
、縦軸は接針式の表面粗さ計ににより測定した最大表面
粗さRmax、および、JISB0601に規定されて
いる十点平均粗さRzである。なお、本実験においては
、Fe91Zr7B2なる組成のFe系軟磁性合金の溶
湯を用いた。
【0047】図2から、自由凝固面の表面粗さは、冷却
ロールの表面粗さが大きい程(研摩紙の砥粒ナンバーが
小さい程)良くなり、冷却ロール表面粗さが小さくなっ
て鏡面に近付くほど(研摩紙の砥粒ナンバーが大きいほ
ど))悪化する傾向があることが分かる。
【0048】一方、冷却ロール接触面の表面粗さは、砥
粒ナンバーの大小によってあまり変化しないが、概ね冷
却ロール表面粗さが小さいほど(砥粒ナンバーが大きい
ほど)良くなる傾向を示すことが分かる。
【0049】そして、冷却ロール表面を砥粒ナンバー8
00番の研摩紙により研摩した場合において、双方の表
面粗さがほぼ均等になり、しかも、その場合における表
面粗さは、冷却ロール表面を鏡面とした場合(従来の場
合)における冷却ロール接触面の表面粗さとほぼ同等程
度となる。また、砥粒ナンバー600〜1000番の砥
粒紙を用いた場合もほぼ同様の結果が得られるが、その
範囲外では、自由凝固面での表面粗さが大きくなってし
まい両面でのばらつきが拡大してしまう。
【0050】ところで、前記のように製造された薄帯を
650℃に1時間保持した後に徐冷して焼鈍した結果、
Fe系軟磁性合金薄帯を得ることができた。
【0051】得られたFe系軟磁性合金薄帯は、飽和時
速密度1.7kG、1kHzの透磁率14000を示し
、軟磁気特性に優れていることが判明した。また、この
Fe系軟磁性合金薄帯は、ビッカース硬さで1300D
PNを示し磁気ヘッド用として十分な硬度を有すること
が明らかになった。
【0052】以上で説明したように、冷却ロール10の
表面を砥粒ナンバー600〜1000番、好ましくは8
00番の研摩紙により研摩して得られる粗さに相当する
粗さとなすことによって、薄帯50の両側の表面粗さを
十分に小さく、かつ、均等になし得るものであり、従っ
て、本実施例の装置は特に音声用磁気ヘッドの素材とし
ての軟磁性合金の薄帯を製造する装置として好適である
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造装置は
、冷却ロールの表面を砥粒ナンバー600〜1000番
の研摩紙により研摩して得られる粗さに相当する粗さと
し、冷却ロールにFe系軟磁性合金の溶湯を噴き出して
薄帯を製造できるので、薄帯が冷却ロールに対して滑る
ことが抑制され、その結果、製造される薄帯の両面の表
面粗さを十分に小さく、かつ、均等になし得る効果を奏
する。また、用いる溶湯が、特定の組成のFe系軟磁性
合金であるので、得られた薄帯は、飽和磁束密度が高く
、透磁率に優れるとともに、硬度が高いので、磁気ヘッ
ド用などとして好適なFe系軟磁性合金の薄帯が得られ
る。
【0054】また、本発明方法によれば、前記構成の製
造装置を用いるので、表面粗さが小さく、軟磁気特性に
優れ、磁気ヘッド用などとして好適なFe系軟磁性合金
薄帯を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】図2は冷却ロール表面の粗さと薄帯表面の粗さ
の関係を示すグラフである。
【図3】図3は従来例の装置を示す側面図である。
【図4】図4は冷却速度と透磁率の関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10  冷却ロール 20  ノズル 30  溶湯 40  溜まり 50  薄帯

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  回転駆動される冷却ロールと、この冷
    却ロールの表面に先端を臨ませて近接配置され、Fe系
    軟磁性合金の溶湯を冷却ロールの表面に吹き付けて前記
    溶湯を冷却ロールの表面において冷却しつつ帯状となし
    て冷却ロールの回転方向に引き出すようにするためのノ
    ズルとを具備してなるFe系軟磁性合金薄帯の製造装置
    において、冷却ロールの少なくとも外周面がFe系合金
    からなり、冷却ロールの外周面が、砥粒ナンバー600
    番ないし1000番の研摩紙により研摩して得られる粗
    さに相当する粗さに仕上げられてなることを特徴とする
    Fe系軟磁性合金薄帯の製造装置。
  2. 【請求項2】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールであって、その外周面を
    、砥粒ナンバー600番ないし1000番の研摩紙によ
    り研摩して得られる粗さに相当する粗さに仕上げてなる
    冷却ロールを用いることを特徴とするFe系軟磁性合金
    薄帯の製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項2に記載のFe系軟磁性合金薄
    帯の製造方法において、ノズルから冷却ロールに吹き付
    けられるFe系軟磁性合金の溶湯として、次式で示され
    る組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを
    特徴とするFe系 軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a Co a)b Bx Ty T’z但し
    TはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから
    なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、且
    つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、T’はC
    u,Ag,Au,Ni,Pd,Ptからなる群から選ば
    れた1種又は2種以上の元素であり、a≦0.05、b
    ≦92原子%、x=0.5〜16原子%、y=4〜10
    原子%、z=4.5原子%以下である。
  4. 【請求項4】  請求項2に記載のFe系軟磁性合金薄
    帯の製造方法において、ノズルから冷却ロールに吹き付
    けられるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される
    組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
    徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ty T’z 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
    からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり
    、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、T’
    はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptからなる群から
    選ばれた1種又は2種以上の元素であり、b≦92原子
    %、x=0.5〜16原子%、y=4〜10原子%、z
    =4.5原子%以下である。
  5. 【請求項5】  請求項2に記載のFe系軟磁性合金薄
    帯の製造方法において、ノズルから冷却ロールに吹き付
    けられるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される
    組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
    徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a Q a)b Bx Ty但しQはCo,
    Niのいずれか、または、両方であり、TはTi,Zr
    ,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wからなる群から選ば
    れた1種又は2種以上の元素であり、且つ、Zr,Hf
    のいずれか、又は両方を含み、a≦0.05、b≦93
    原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%であ
    る。
  6. 【請求項6】  請求項2に記載のFe系軟磁性合金薄
    帯の製造方法において、ノズルから冷却ロールに吹き付
    けられるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される
    組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
    徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ty 但しTはTi,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,W
    からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり
    、且つ、Zr,Hfのいずれか、又は両方を含み、b≦
    93原子%、x=0.5〜8原子%、y=4〜9原子%
    である。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100414462B1 (ko) * 2000-05-30 2004-01-07 세이코 엡슨 가부시키가이샤 자석 재료의 제조 방법, 리본상 자석 재료, 분말상 자석재료 및 결합 자석
WO2012102379A1 (ja) * 2011-01-28 2012-08-02 日立金属株式会社 急冷Fe基軟磁性合金薄帯及びその製造方法、並びに鉄心

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