JPH04288953A - Fe系軟磁性合金薄帯の製造方法 - Google Patents

Fe系軟磁性合金薄帯の製造方法

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JPH04288953A
JPH04288953A JP7864791A JP7864791A JPH04288953A JP H04288953 A JPH04288953 A JP H04288953A JP 7864791 A JP7864791 A JP 7864791A JP 7864791 A JP7864791 A JP 7864791A JP H04288953 A JPH04288953 A JP H04288953A
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JP
Japan
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cooling roll
soft magnetic
magnetic alloy
nozzle
molten metal
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Withdrawn
Application number
JP7864791A
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English (en)
Inventor
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Seisaku Suzuki
清策 鈴木
Takeshi Masumoto
健 増本
Akihisa Inoue
明久 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば磁気ヘッドや
トランスの素材として用いられるFe系軟磁性合金薄帯
を連続的に製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質合金の薄帯(リボン)を連続的に
製造するための装置として、図5に示すいわゆる単ロー
ル法によるものが知られている。これは、Cu製の冷却
ロール1を高速で回転させつつ、その頂部に近接配置し
たノズル2から溶融金属3を吹き付けることによって、
溶融金属3を冷却ロール1の表面で急速冷却して固化さ
せつつ、帯状となして冷却ロール1の回転方向に引き出
すようにしたものである。
【0003】図5に示す装置の場合、ノズル2は冷却ロ
ール1の頂部においてほぼ鉛直となるように設けられ、
その先端と冷却ロール1の表面との間の間隔は1mm程
度以下に設定されるようになっている。
【0004】そして、ノズル2より突出された溶融金属
3は、ノズル2の先端と冷却ロール1の表面との間にお
いて実質的に静止している溜まり(パドル)4を形成し
、冷却ロール1の回転に伴ってその溜まり4から溶融金
属3が引き出されていって冷却ロール1の表面上で冷却
されて帯状となって固化し、これによって薄帯5が連続
的に形成されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気ヘッド
の素材として用いられる軟磁性合金は、特にその表面が
十分に平坦であること、即ち、表面粗さが十分に小さい
ことが要求されるが、前記従来の装置により製造される
薄帯の表面粗さは必ずしも音声用磁気ヘッドに用いる程
度に小さいものではなく、このため、表面をより平坦に
なしえる合金薄帯の製造装置の開発が要望されている。
【0006】ところで、磁気ヘッド、トランス 、チョ
ークコイル等に用いられる軟磁性合金において一般的に
要求される諸特性は以下の通りである ■飽和磁束密度が高いこと。 ■透磁率が高いこと。 ■低保磁力であること。 ■薄い形状が得やすいこと。
【0007】また、磁気ヘッドに対しては、前記■〜■
に記載の特性の他に耐摩耗性の観点から以下の特性が要
求される。 ■硬度が高いこと。
【0008】従って軟磁性合金あるいは磁気ヘッドを製
造する場合、これらの観点から種々の合金系において材
料研究がなされている。
【0009】そこで本発明者らは、先に、前記の従来合
金と非晶質合金の課題を解決した高飽和磁束密度Fe系
軟磁性合金を平成3年3月18日付けで特許出願してい
る。
【0010】この特許出願に係る合金の1つは、次式で
示される組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度
Fe系軟磁性合金であった。 (Fe1−a Co a)b Bx Ly T’z但し
、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又
は2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au,N
i,Pd,Ptからなる群から選ばれた1種又は2種以
上の元素であり、a≦0.05、b≦92原子%、x=
6.5〜18原子%、y=4〜10原子%、z=4.5
原子%以下である。
【0011】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度Fe系軟磁性合金であった。 Fe b Bx Ly T’z 但し、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au
,Ni,Pd,Ptからなる群から選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、b≦92原子%、x=6.5〜1
8原子%、y=4〜10原子%、z=4.5原子%以下
である。
【0012】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度Fe系軟磁性合金であった。 (Fe1−a Co a)b Bx Ly T’z  
D s  X但し、LはTi,Nb,Taからなる群か
ら選ばれた1種又は2種以上の元素であり、T’はCu
,Ag,Au,Ni,Pd,Pt  からなる群から選
ばれた1種又は2種以上の元素であり、DはZrとHf
の少なくとも一方であり、XはCr、Mo、W、Ru、
Rh、Irの中から選択される元素であり、a≦0.0
5、b≦92原子%、x=6.5〜18原子%、y=4
〜10原子%、z=4.5原子%以下、s=4〜10原
子%  である。
【0013】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度Fe系軟磁性合金であった。 Fe b Bx Ly T’z  D s  X但し、
LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au,Ni
,Pd,Pt  からなる群から選ばれた1種又は2種
以上の元素であり、DはZrとHfの少なくとも一方で
あり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、Irの中から
選択される元素であり、b≦92原子%、x=6.5〜
18原子%、y=4〜10原子%、z=4.5原子%以
下、s=4〜10原子%  である。
【0014】更に本発明者らは、前記合金の発展型の合
金として、平成3年3月18日付けで、以下に示す組成
の合金について特許出願をしている。
【0015】この特許出願に係る合金の1つは、次式で
示される組成からなることを特徴とする高飽和磁束密度
Fe系軟磁性合金であった。 (Fe1−a M a)b Bx Ly但し、MはCo
,Niのいずれか、または、両方であり、LはTi,N
b,Taからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元
素であり、a≦0.05、b≦93原子%、x=6.5
〜10原子%、y=4〜9原子%である。
【0016】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度Fe系軟磁性合金であった。 Fe b Bx Ly 但し、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、b≦93原子%、x=6
.5〜10原子%、y=4〜9原子%である。
【0017】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度Fe系軟磁性合金であった。 (Fe1−a M a)b Bx Ly Ds  X但
し、MはCo,Niのいずれか、または、両方であり、
LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
2種以上の元素であり、DはZrとHfの少なくとも一
方であり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、Irの中
から選択される元素であり、a≦0.05、b≦93原
子%、x=6.5〜10原子%、y=4〜9原子%、s
は4〜10原子%である。
【0018】また、前記特許出願に係る合金の他の1つ
は、次式で示される組成からなることを特徴とする高飽
和磁束密度Fe系軟磁性合金であった。 Fe b Bx Ly D s  X 但し、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、DはZrとHfの少なく
とも一方であり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、I
rの中から選択される元素であり、b≦93原子%、x
=6.5〜10原子%、y=4〜9原子%、sは4〜1
0原子%である。
【0019】以上のように本発明者らは、前記各組成の
種々のFe系軟磁性合金を開発したわけであるが、これ
らの合金を用い、図5に示す製造装置を更に改良して好
適な薄帯を製造できることが判明したので本願発明に到
達した。
【0020】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
、薄帯の両面での表面粗さのばらつきを低減し、高い飽
和磁束密度と高透磁率を兼備し、かつ高い機械強度と高
い熱安定性を有するFe系軟磁性合金薄帯の製造方法を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、前記課題を解決するために、回転駆動される冷却ロ
ールの表面に、先端が前記冷却ロールの表面に臨むよう
に配置されたノズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き
付けることによってその溶湯を冷却ロールの表面におい
て冷却して帯状となして冷却ロールの回転方向に引き出
すFe系軟磁性合金薄帯の製造方法において、少なくと
も外周面をFe系合金から構成した冷却ロールを用い、
前記ノズルを前記冷却ロールの頂部より回転方向後方側
に向けて頂部に近接配置し、このノズルの前端から溶湯
を冷却ロールの表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロ
ールに吹き付けられるFe系軟磁性合金の溶湯として次
式で示される組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用
いることを特徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法
。 (Fe1−a Co a)b Bx Ly T’z但し
LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au,Ni
,Pd,Ptからなる群から選ばれた1種又は2種以上
の元素であり、a≦0.05、b≦92原子%、x=6
.5〜18原子%、y=4〜10原子%、z=4.5原
子%以下である。
【0022】請求項2に記載した発明は、前記課題を解
決するために、  回転駆動される冷却ロールの表面に
、先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置された
ノズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることに
よってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯
状となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁
性合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をF
e系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを
前記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部
に近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロール
の表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付
けられるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される
組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ly T’z 但し、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au
,Ni,Pd,Ptからなる群から選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、b≦92原子%、x=6.5〜1
8原子%、y=4〜10原子%、z=4.5原子%以下
である。
【0023】請求項3に記載した発明は、前記課題を解
決するために、  回転駆動される冷却ロールの表面に
、先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置された
ノズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることに
よってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯
状となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁
性合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をF
e系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを
前記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部
に近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロール
の表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付
けられるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される
組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a M a)b Bx Ly但し、MはCo
,Niのいずれか、または、両方であり、LはTi,N
b,Taからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元
素であり、a≦0.05、b≦93原子%、x=6.5
〜10原子%、y=4〜9原子%である。
【0024】請求項4に記載した発明は、前記課題を解
決するために、  回転駆動される冷却ロールの表面に
、先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置された
ノズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることに
よってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯
状となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁
性合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をF
e系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを
前記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部
に近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロール
の表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付
けられるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される
組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ly 但しLはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種
又は2種以上の元素であり、b≦93原子%、x=6.
5〜10原子%、y=4〜9原子%である。
【0025】請求項5に記載した発明は、前記課題を解
決するために、  回転駆動される冷却ロールの表面に
、先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置された
ノズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることに
よってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯
状となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁
性合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をF
e系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを
前記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部
に近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロール
の表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付
けられるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される
組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a Co a)b Bx Ly T’z  
D s  X但し、LはTi,Nb,Taからなる群か
ら選ばれた1種又は2種以上の元素であり、T’はCu
,Ag,Au,Ni,Pd,Pt  からなる群から選
ばれた1種又は2種以上の元素であり、DはZrとHf
の少なくとも一方であり、XはCr、Mo、W、Ru、
Rh、Irの中から選択される元素であり、a≦0.0
5、b≦92原子%、x=6.5〜18原子%、y=4
〜10原子%、z=4.5原子%以下、s=4〜10原
子%  である。
【0026】請求項6に記載した発明は、前記課題を解
決するために、  回転駆動される冷却ロールの表面に
、先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置された
ノズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることに
よってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯
状となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁
性合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をF
e系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを
前記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部
に近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロール
の表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付
けられるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される
組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ly T’z  D s  X但し、
LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au,Ni
,Pd,Pt  からなる群から選ばれた1種又は2種
以上の元素であり、DはZrとHfの少なくとも一方で
あり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、Irの中から
選択される元素であり、b≦92原子%、x=6.5〜
18原子%、y=4〜10原子%、  z=4.5原子
%以下、s=4〜10原子%  である。
【0027】請求項7に記載した発明は、前記課題を解
決するために、  回転駆動される冷却ロールの表面に
、先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置された
ノズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることに
よってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯
状となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁
性合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をF
e系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを
前記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部
に近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロール
の表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付
けられるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される
組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a M a)b Bx Ly Ds  X但
し、MはCo,Niのいずれか、または、両方であり、
LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
2種以上の元素であり、DはZrとHfの少なくとも一
方であり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、Irの中
から選択される元素であり、a≦0.05、b≦93原
子%、x=6.5〜10原子%、y=4〜9原子%、s
は4〜10原子%である。
【0028】請求項8に記載した発明は、前記課題を解
決するために、  回転駆動される冷却ロールの表面に
、先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置された
ノズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることに
よってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯
状となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁
性合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をF
e系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを
前記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部
に近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロール
の表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付
けられるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される
組成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特
徴とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ly D s  X 但し、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、DはZrとHfの少なく
とも一方であり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、I
rの中から選択される元素であり、b≦93原子%、x
=6.5〜10原子%、y=4〜9原子%、sは4〜1
0原子%である。
【0029】
【作用】本発明ではノズルの先端を冷却ロールの表面に
対してその回転方向後方側に向くように斜めに臨ませる
ことになるので、ノズルを冷却ロールに真っ直ぐに臨ま
せる構成の従来方法に比較すると、ノズルの先端と冷却
ロールとの間に形成される溜まり(パドル)が大きくな
る。そして、冷却ロールの回転により溜まりから溶融金
属が引き出されて薄帯が形成され、その際、溜まりの体
積が大きいほど実質的な体積変動が小さくなり、従って
、溜まりが小さい場合に比して溶融金属が安定的に引き
出されてゆき、これによって形成される薄帯の表面粗さ
が改善される。その結果、磁気ヘッド用として好適なF
e系軟磁性薄帯が得られる。
【0030】また、特定の組成の軟磁性合金の溶湯を用
いるので、高い飽和磁束密度と高い透磁率を示し、硬度
が高く、耐熱性に優れた磁気ヘッド用などとして好適な
Fe系軟磁性合金の薄帯が得られる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を図面を参照しながら説明する
。図1と図2は本発明の方法で使用する装置の一実施例
を示すもので、本実施例での装置は、図5に示した従来
の装置と略同等の構成であり、冷却ロール10を高速で
回転させつつ、その頂部に近接配置したノズル20から
溶融金属30を吹き付けることによって、溶融金属30
を冷却ロール10の表面で急速冷却して固化させつつ冷
却ロール10の回転方向に帯状となして引き出す装置で
ある。
【0032】本実施例の装置で従来例の装置と異なって
いるのは、まず、冷却ロール10の全体がFe系の合金
からなることである。即ち、冷却ロール10はステンレ
ス、工具鋼などのFe系の合金から構成されている。冷
却ロール10をFe系の合金から構成したのは、溶融金
属30として後述するようにFe系の軟磁性合金を用い
るので、この合金とのぬれ性を良くするためである。な
お、この実施例では冷却ロール10の全体をFe系合金
で形成したが、冷却ロール10の外周部分のみを前記の
Fe系合金で構成しても良いのは勿論である。
【0033】本実施例の装置では、図1に示すように、
冷却ロール10の回転方向が図5の場合と逆になってい
て、製造された薄帯50は、図1において左方向に引き
出されるようになっている。
【0034】また、ノズル20は、冷却ロール10の頂
部に近接配置されているが、そのノズル20は、先端が
回転方向後方側(図1において右側)を向くように鉛直
に対して傾斜する状態で設けられている。ノズル20の
鉛直に対する傾斜核度θ(図2参照)は、後述する理由
により40°を越えない範囲に設定されている。
【0035】前記ノズル20の各部の寸法や冷却ロール
1との間の間隔は適宜設定して良いが、好ましくは、図
2に示すノズル20のスリットの寸法t1を0.5mm
、肉厚寸法t2を1.0mm、冷却ロール1の最頂部を
通る接線とノズル20の最下端との間の距離l1を0.
5mm程度とすることが好ましい。
【0036】また、スリットの下部と前記接線との間の
間隔l2は、l2=l1+t2sinθとなり、またス
リットの上部と前記接線との間の間隔l3は、l3=l
1+(t1+t2)sinθとなるので、前記のように
t1=0.5mm、t2=1.0mm、l1=0.5m
mとし、θ=40°とした場合には、l2≒1.14m
m、l3≒1.46mmとなる。
【0037】次に、冷却ロール10に吹き付ける溶湯3
0として、次式に示す組成のFe系軟磁性合金の溶湯を
用いることができる。 (Fe1−a Co a)b Bx Ly T’z但し
LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au,Ni
,Pd,Ptからなる群から選ばれた1種又は2種以上
の元素であり、a≦0.05、b≦92原子%、x=6
.5〜18原子%、y=4〜10原子%、z=4.5原
子%以下である。
【0038】また、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 Fe b Bx Ly T’z 但し、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au
,Ni,Pd,Ptからなる群から選ばれた1種又は2
種以上の元素であり、b≦92原子%、x=6.5〜1
8原子%、y=4〜10原子%、z=4.5原子%以下
である。
【0039】更に、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 (Fe1−a M a)b Bx Ly但し、MはCo
,Niのいずれか、または、両方であり、LはTi,N
b,Taからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元
素であり、a≦0.05、b≦93原子%、x=6.5
〜10原子%、y=4〜9原子%である。
【0040】更に、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 Fe b Bx Ly 但しLはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種
又は2種以上の元素であり、b≦93原子%、x=6.
5〜10原子%、y=4〜9原子%である。
【0041】更に、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 (Fe1−a Co a)b Bx Ly T’z  
D s  X但し、LはTi,Nb,Taからなる群か
ら選ばれた1種又は2種以上の元素であり、T’はCu
,Ag,Au,Ni,Pd,Pt  からなる群から選
ばれた1種又は2種以上の元素であり、DはZrとHf
の少なくとも一方であり、XはCr、Mo、W、Ru、
Rh、Irの中から選択される元素であり、a≦0.0
5、b≦92原子%、x=6.5〜18原子%、y=4
〜10原子%、z=4.5原子%以下、s=4〜10原
子%  である。
【0042】更に、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 Fe b Bx Ly T’z  D s  X但し、
LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au,Ni
,Pd,Pt  からなる群から選ばれた1種又は2種
以上の元素であり、DはZrとHfの少なくとも一方で
あり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、Irの中から
選択される元素であり、b≦92原子%、x=6.5〜
18原子%、y=4〜10原子%、  z=4.5原子
%以下、s=4〜10原子%  である。
【0043】更に、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 (Fe1−a M a)b Bx Ly Ds  X但
し、MはCo,Niのいずれか、または、両方であり、
LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
2種以上の元素であり、DはZrとHfの少なくとも一
方であり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、Irの中
から選択される元素であり、a≦0.05、b≦93原
子%、x=6.5〜10原子%、y=4〜9原子%、s
は4〜10原子%である。
【0044】更に、溶湯30として、次式で示される組
成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることができ
る。 Fe b Bx Ly D s  X 但し、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1
種又は2種以上の元素であり、DはZrとHfの少なく
とも一方であり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、I
rの中から選択される元素であり、b≦93原子%、x
=6.5〜10原子%、y=4〜9原子%、sは4〜1
0原子%である。
【0045】本発明により製造されるFe系合金は、前
記組成の非晶質合金あるいは非晶質相を含む結晶質合金
を溶湯から急冷することにより得る工程と、これを加熱
し、微細な結晶粒を形成する熱処理工程によって通常得
ることができる。
【0046】本発明において非晶質相を得やすくするた
めには、非晶質形成能を有するTi,Nb,Taの少な
くとも1つ及びBを含む必要がある。
【0047】Bには本発明合金の非晶質形成能を高める
効果、および前記熱処理工程において磁気特性に悪影響
を及ぼす化合物相の生成を抑制する効果があると考えら
れ、このためB添加は必須である。Bと同様にA1,S
i,C,P等も非晶質形成元素として一般に用いられて
おり、これらの元素を添加した場合も本発明と同一とみ
なすことができる。
【0048】TiとNbとTaにも同等の効果があるが
、これらの元素の中でもNbとTaは、融点の高い金属
材料であって熱的に安定であり、製造時に酸化しずらい
ものである。よってこれらの元素を添加している場合は
、先に本願発明者らが特許出願(特願平2−10830
8号)している材料においてHfやZrを含有するもの
よりも製造条件が容易で安価に製造することができ、ま
た、コストの面でも有利である。即ち、先に本願発明者
らが特許出願している系の合金においては、真空雰囲気
中において不活性ガスを供給して酸化に留意しつつ製造
する必要があったが、本願発明の合金においては製造条
件をゆるくすることができる。具体的には、ノズル先端
部に不活性ガスを部分的に供給しつつ大気中で製造、も
しくは大気中の雰囲気で製造することができる。
【0049】本発明においては、Cu,Niおよびこれ
らと同族元素のうちから選ばれた少なくとも1種又は2
種以上の元素をO.2〜4.5原子%含むことが好まし
い。 添加量が0.2原子%より少ないと前記の熱処理工程に
より優れた軟磁気特性を得ることが難しいが、飽和磁束
密度が若干高くなるので、これらの元素は0.2原子%
以下でも良い。これらの元素の中でもCuは特に好適で
ある。
【0050】Cu,Ni等の添加により、軟磁気特性が
著しく改善される機構については明らかではないが、結
晶化温度を示差熱分析法により測定したところ、Cu,
Ni等を添加した合金の結晶化温度は、添加しない合金
に比べてやや低い温度であると認められた。これは前記
元素の添加により非晶質相が不均一となり、その結果、
非晶質相の安定性が低下したことに起因すると考えられ
る。 また不均一な非晶質相が結晶化する場合、部分的に結晶
化しやすい領域が多数でき不均一核生成するため、得ら
れる組織が微細結晶粒組織となると考えられる。また特
にFeに対する固溶度が著しく低い元素であるCuの場
合、相分離傾向があるため、加熱によりミクロな組成ゆ
らぎが生じ、非晶質相が不均一となる傾向がより顕著に
なると考えられ、組織の微細化に寄与するものと考えら
れる。
【0051】以上の観点からCu及びその同族元素、N
iおよびPd,Pt以外の元素でも結晶化温度を低下さ
せる元素には同様の効果が期待できる。またCuのよう
にFeに対する固溶限が小さい元素にも同様の効果が期
待できる。
【0052】以上、本発明の軟磁性合金に含まれる合金
元素の限定理由を説明したが、これらの元素以外でも耐
食性を改善するために、Cr,Mo,あるいはRu,R
h,Irなどの白金族元素を添加することも可能であり
、また、必要に応じて、Y,希土類元素,Zn,Cd,
Ga,In,Ge,Sn,Pb,As,Sb,Bi,S
e,Te,Li,Be,Mg,Ca,Sr,Ba等の元
素を添加することで磁歪を調整することもできる。その
他、H,N,O,S等の不可避的不純物については所望
の特性が劣化しない程度に含有していても本発明の高飽
和磁束密度Fe系軟磁性合金の組成と同一とみなすこと
ができるのは勿論である。
【0053】本発明で使用するFe系軟磁性合金溶湯に
おけるFe,Co量のbは、元素T’zを含む合金溶湯
においては92原子%以下である。これは、bが92原
子%を越えると高い透磁率が得られないためであるが、
飽和磁束密度10kG以上を得るためには、bが75原
子%以上であることがより好ましい。また、元素T’z
を含まない合金溶湯においては、Fe,Ni,Co量を
93原子%以下とする。
【0054】T’zが4.5原子%を超えると飽和磁束
密度が低下し、本発明の特徴が失われてしまう。
【0055】次に、図1に示す装置を用いてFe系軟磁
性合金薄帯を製造する場合について説明する。
【0056】図1に示す矢印A方向に冷却ロール10を
高速回転させて前記組成の合金の溶湯をノズル20から
噴出させると、合金溶湯は冷却ロール10の頂部に溜ま
り40を形成しながら冷却ロール10の表面に沿って押
し出され、薄帯50が得られる。この薄帯50において
は大部分が不均一な非晶質相からなるものである。
【0057】ここで、冷却ロール10の外周面は、Fe
系の合金からなり、Fe系軟磁性合金とのぬれ性が良好
であるので、冷却ロール10から薄帯50が円滑に送り
出されるものである。これに対し、Cu製などのFe系
合金以外の冷却ロールを用いると、噴出の際に溶湯が飛
散し、形状が良好なリボンの作製が困難となるので好ま
しくない。
【0058】ここで冷却ロール10の上に形成される溜
まり40は、十分な大きさに形成されるので、この大き
な溜まり40から薄帯50が引き出されてゆく。このよ
うに溜まり40が十分に大きければ、溜まり40の大き
さの変動が少ないので、厚さの均一な薄帯50が得られ
る。
【0059】このように得られた薄帯50に対し、50
0〜620℃に加熱後徐冷する焼鈍処理を行えば、薄帯
50の不均一な非晶質相が結晶化する結果、部分的に結
晶化しやすい領域が多数でき、不均一核生成するために
、得られる組織が微細となり、結果的に100〜200
オングストローム程度の微細結晶組織となる。この結果
、高い飽和磁束密度と透磁率を有する優れた軟磁気特性
を示し、硬度も高く、耐熱性にも優れたFe系軟磁性合
金薄帯を得ることができる。
【0060】ここで、図3はノズル20の傾斜角度θと
表面粗さRzの関係を示す実測データであって、横軸は
ノズル20の傾斜角度θ、縦軸は傾斜角度が0°である
場合の表面粗さRzに対するノズル20を傾斜させた場
合の表面粗さRzの比 Rz/Rz0を表すものである
。図3から傾斜角度θが大きくなるほど表面粗さRzが
小さくなる、即ち、表面がより平坦となる傾向を示すこ
とが分かる。なお、表面粗さRz0およびRzの計算値
は、JIS B0601に規定されている十点平均粗さ
を触針式の表面粗さ計によって計測したものである。
【0061】このように、ノズル20を傾斜させること
によって表面粗さRzが小さくなる理由は、ノズル20
の先端と冷却ロール1の間に形成される溜まり(パドル
)40がノズル20を傾斜させない場合に比較して大き
なものとなり、従ってこの溜まり40より溶融金属30
が引き出されていくことに伴う溜まり40の微少な体積
変動が実質的に低減し、溶融金属30が安定に引き出さ
れていくためと考えられる。
【0062】なお、ノズル20の最下端と冷却ロール1
との間の間隔寸法l1を一定にしている場合においては
、傾斜角度θが大きくなるほど溜まり40が大きくなっ
てゆくが、傾斜角度θが40°を越えてしまうと、溶融
金属30はその自重により冷却ロール10の移転方向後
方側に流下してしまって溜まり40が形成されなくなり
、従って、傾斜角度θは40°を越えない範囲で設定す
る必要がある。
【0063】また、ノズル20をその先端が冷却ロール
10の回転方向先方側に向くように傾斜させた場合には
大きな溜まり40が形成されることがなく、従って、そ
の場合は表面粗さが改善される効果を奏するものではな
い。
【0064】一方、図4は、ノズル20の傾斜角度θを
一定とした場合における、ノズル20の先端と冷却ロー
ル10の表面との間隔が表面粗さに対して及ぼす影響を
調べたものである。図4において横軸はノズル20の先
端と冷却ロール10の表面との間隔(前記のl1寸法)
であり、縦軸は形成された薄帯5の表面粗さRz,Rm
axである。Rmaxは触針式の表面粗さ計により計測
した最大表面粗さである。この図から、l1寸法を0.
3〜0.5mmの範囲内に設定した場合に表面粗さRz
,Rmaxが最も小さくなることがわかるので、前記l
1の値をその範囲内に設定することが好ましい。その場
合、前記のノズル20を用いてθ=40°とした場合に
あっては、l2=0.94〜1.14mm、l3≒1.
26〜1.46mmとなるので、ノズル20のスリット
と冷却ロール10との間の間隔は、通常1mm以下とさ
れている従来の場合に比して実質的に大きなものとなる
【0065】ところで、前記のように製造されたFe8
0Nb7B12Cu1なる組成の合金薄帯を600℃に
1時間保持した後に、徐冷して焼鈍した結果、Fe系軟
磁性合金薄帯を得ることができた。
【0066】得られたFe系軟磁性合金薄帯は、飽和磁
束密度14.1(kG)、1kHzの透磁率28800
を示し、軟磁気特性に優れていることが判明した。
【0067】また、このFe系軟磁性合金薄帯は、ビッ
カース硬さで950(DPN)を示し磁気ヘッド用とし
て十分な硬度を有することが明らかになった。
【0068】以上で説明したように、薄帯50の両側の
表面粗さを十分に小さくできるものであり、従って、本
実施例の装置は特に音声用磁気ヘッドの素材としての軟
磁性合金の薄帯を製造する装置として好適である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法は、ノ
ズルを冷却ロールの回転方向の後方側に向けて傾斜させ
るので、冷却ロールとノズルとの間に形成される溜まり
を大きくすることができ、この大きな溜まりから薄帯を
引き出せるので、大きさの変動の少ない溜まりから安定
的に薄帯を引き出せる。その結果、製造される薄帯の両
面の表面粗さを十分に小さく、かつ、均等になし得る効
果を奏する。
【0070】また、用いる溶湯が、特定の組成のFe系
軟磁性合金の溶湯であるので、得られた薄帯は、飽和磁
束密度が高く、透磁率に優れるとともに、硬度が高いの
で、磁気ヘッド用などとして好適なFe系軟磁性合金の
薄帯が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施例を示す冷却ロールとノズ
ルを示す断面図である。
【図2】本発明装置の一実施例を示すノズルの傾斜角度
を示すための説明図である。
【図3】ノズル傾斜角度と表面粗さの関係を示す図であ
る。
【図4】ノズルと冷却ロールの間隔と表面粗さの関係を
示す図である。
【図5】従来の冷却ロールとノズルを示す断面図である
【符号の説明】
10  冷却ロール 20  ノズル 30  溶湯 40  溜まり 50  薄帯

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを前
    記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部に
    近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロールの
    表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付け
    られるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される組
    成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
    とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a Co a)b Bx Ly T’z但し
    LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
    2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au,Ni
    ,Pd,Ptからなる群から選ばれた1種又は2種以上
    の元素であり、a≦0.05、b≦92原子%、x=6
    .5〜18原子%、y=4〜10原子%、z=4.5原
    子%以下である。
  2. 【請求項2】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを前
    記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部に
    近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロールの
    表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付け
    られるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される組
    成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
    とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ly T’z但し、LはTi,Nb,
    Taからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素で
    あり、T’はCu,Ag,Au,Ni,Pd,Ptから
    なる群から選ばれた1種又は2種以上の元素であり、b
    ≦92原子%、x=6.5〜18原子%、y=4〜10
    原子%、z=4.5原子%以下である。
  3. 【請求項3】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを前
    記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部に
    近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロールの
    表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付け
    られるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される組
    成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
    とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a M a)b Bx Ly但し、MはCo
    ,Niのいずれか、または、両方であり、LはTi,N
    b,Taからなる群から選ばれた1種又は2種以上の元
    素であり、a≦0.05、b≦93原子%、x=6.5
    〜10原子%、y=4〜9原子%である。
  4. 【請求項4】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを前
    記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部に
    近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロールの
    表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付け
    られるFe系軟磁性合金溶湯として、次式で示される組
    成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
    とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ly 但しLはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種
    又は2種以上の元素であり、b≦93原子%、x=6.
    5〜10原子%、y=4〜9原子%である。
  5. 【請求項5】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを前
    記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部に
    近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロールの
    表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付け
    られるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される組
    成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
    とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a Co a)b Bx Ly T’z  
    D s  X但し、LはTi,Nb,Taからなる群か
    ら選ばれた1種又は2種以上の元素であり、T’はCu
    ,Ag,Au,Ni,Pd,Pt  からなる群から選
    ばれた1種又は2種以上の元素であり、DはZrとHf
    の少なくとも一方であり、XはCr、Mo、W、Ru、
    Rh、Irの中から選択される元素であり、a≦0.0
    5、b≦92原子%、x=6.5〜18原子%、y=4
    〜10原子%、z=4.5原子%以下、s=4〜10原
    子%  である。
  6. 【請求項6】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを前
    記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部に
    近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロールの
    表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付け
    られるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される組
    成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
    とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ly T’z  D s  X但し、
    LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
    2種以上の元素であり、T’はCu,Ag,Au,Ni
    ,Pd,Pt  からなる群から選ばれた1種又は2種
    以上の元素であり、DはZrとHfの少なくとも一方で
    あり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、Irの中から
    選択される元素であり、b≦92原子%、x=6.5〜
    18原子%、y=4〜10原子%、  z=4.5原子
    %以下、s=4〜10原子%  である。
  7. 【請求項7】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを前
    記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部に
    近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロールの
    表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付け
    られるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される組
    成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
    とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 (Fe1−a M a)b Bx Ly Ds  X但
    し、MはCo,Niのいずれか、または、両方であり、
    LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1種又は
    2種以上の元素であり、DはZrとHfの少なくとも一
    方であり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、Irの中
    から選択される元素であり、a≦0.05、b≦93原
    子%、x=6.5〜10原子%、y=4〜9原子%、s
    は4〜10原子%である。
  8. 【請求項8】  回転駆動される冷却ロールの表面に、
    先端が前記冷却ロールの表面に臨むように配置されたノ
    ズルからFe系軟磁性合金の溶湯を吹き付けることによ
    ってその溶湯を冷却ロールの表面において冷却して帯状
    となして冷却ロールの回転方向に引き出すFe系軟磁性
    合金薄帯の製造方法において、少なくとも外周面をFe
    系合金から構成した冷却ロールを用い、前記ノズルを前
    記冷却ロールの頂部より回転方向後方側に向けて頂部に
    近接配置し、このノズルの前端から溶湯を冷却ロールの
    表面に吹き付け、前記ノズルから冷却ロールに吹き付け
    られるFe系軟磁性合金の溶湯として次式で示される組
    成からなるFe系軟磁性合金の溶湯を用いることを特徴
    とするFe系軟磁性合金薄帯の製造方法。 Fe b Bx Ly D s  X 但し、LはTi,Nb,Taからなる群から選ばれた1
    種又は2種以上の元素であり、DはZrとHfの少なく
    とも一方であり、XはCr、Mo、W、Ru、Rh、I
    rの中から選択される元素であり、b≦93原子%、x
    =6.5〜10原子%、y=4〜9原子%、sは4〜1
    0原子%である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5741557A (en) * 1993-07-30 1998-04-21 International Business Machines Corporation Method for depositing metal fine lines on a substrate

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5741557A (en) * 1993-07-30 1998-04-21 International Business Machines Corporation Method for depositing metal fine lines on a substrate

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