JPH0428876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として自転車のブレーキを操作する
操作装置に関する。

一般に、自転車のブレーキを操作する操作装置
は、ブラケツトと該ブラケツトに枢支する操作レ
バーとから成り、前記ブラケツトをハンドルの両
端近くに装着して、前記操作レバーをハンドルに
対し遠近方向に移動可能とし、前記ハンドルを握
つた位置から指を差出して前記レバーの指掛部を
引寄せることにより、前記レバーを操作するごと
く構成されている。

所が、前記レバーを操作する場合、その操作す
る指の指先から特に大きな力を加えることができ
るのであるが、従来の前記操作レバーにおける指
掛部外面は、第６図に示す如く円弧状に湾曲し
て、操作時差出す指の差出側側部と指差出側の反
対側側部とが対称になつているものであるから、
操作する指の指先との接触面積が少なく、前記指
先の前記指掛部外面に対する引掛かり性が悪く
て、深く引掛けないと外れ易い問題があつた。

本考案は以上の点に鑑み考案したもので、目的
は、ハンドルを握る手の指を無理して差出すこと
なく指掛部に迅速に引掛けることができて、しか
も、指の引掛かりが浅い場合でも、この指の外れ
を防ぐことができるようにする点にある。

しかして、本考案の構成は、ブラケツトと操作
レバーとを備え、ハンドルを握る手で前記操作レ
バーを操作するごとく成すと共に、操作時指が接
触する前記操作レバーの外面を曲面とした自転車
用操作装置であつて、前記操作レバーの外面にお
ける曲面頂部を、前記曲面の長さ方向全長に亘つ
て操作時差出す指の差出側側部に変位させると共
に、前記頂部と、前記外面における指差出側の反
対側側部との間に前記反対側側部から前記頂部に
向つて外方に傾斜し、操作時接触する指先の保持
を行なう指先保持面を設けたことにより、ハンド
ルを握る手の指を無理して差出すことなく指掛部
に迅速に引掛けることができて、しかも、指の引
掛かりが浅い場合でも、この指の外れを防ぐこと
ができるようにしたのである。

以下本考案操作装置の実施例を図面に基づいて
説明する。

図において、１は外形を握り易いグリツプ形状
として箱形のブラケツトであり、２はこのブラケ
ツト１にレバー軸３を介して枢支する操作レバー
であつて、前記ブラケツト１は、自転車の左右方
向に延びる直杆部の両端から自転車の前後方向前
方側に向かつて屈曲し、その先端が下向きに湾曲
して前記前後方向後方側に指向する略Ｃ字形曲杆
部H₁を備えたドロツプハンドルＨの前記曲杆部
H₁に、締付ねじ４及びバンド部材５を介して取
付け、前記曲杆部H₁に対し自転車の前後方向前
方に向かつて突出させるのである。

又、前記操作レバー２は、一端に前記ブラケツ
ト１への枢支部２１をもち、他端に指掛部２２を
もつ形状に形成して、その枢支部２１を前記レバ
ー軸３を介して前記ブラケツト１に枢支し、前記
指掛部２２を、前記曲杆部H₁の前面頂部に沿つ
て下方に指向させて前記前面頂部と対向する位置
に配置するのである。尚、前記指外部２２は、前
記ブラケツト１を握つた手及び前記曲杆部H₁を
握つた手で操作できる長さに形成しており、又、
この指掛部２２の外面は曲面としている。

しかして、前記操作レバー２の指掛部２２外面
における曲面頂部２２ａを、その曲面の長さ方向
全長に亘つて前記レバー２の幅方向における中心
線Ｘに対し、操作時差出す指の差出側側部２２ｂ
に変位させると共に、前記頂部２２ａと指掛部２
２外面における指差出側の反対側側部２２ｃとの
間に、前記反対側側部２２ｃから前記頂部２２ａ
に向かつて外方に凸の面をなして傾斜し、操作時
接触する指先の保持を行う指先保持面２２ｄを設
けたのである。

以上の構成において、前記保持面２２ｄは、第
３図に示す如く緩傾斜の曲面とするのが好ましい
けれども、その他ストレート状に形成してもよ
い。又、前記頂部２２ａの前記中心線Ｘに対する
変位量は2.5mm程度が好ましいけれども、特に制
限されるものでない。又、前記頂部２２ａは前記
ブラケツト１を握つて操作する場合における手
の、主として人差し指U₁、中指U₂、薬指U₃を操
作レバー２に沿つて差出したとき、これら３指の
第１関節部が頂部２２ａと接触し、前記３指の指
先が前記保持面２２ｄと接触するように変位させ
るのが好ましい。

尚、前記指掛部２２外面における前記頂部２２
ａと指差出側側部２２ｂとの間には、図示した如
く前記頂部２２ａに沿つて延びる細幅凹条２２ｅ
を設けてもよいし、又、この凹条２２ｅに摩擦抵
抗の大きい例えばゴムなどの滑り止め材６を設け
て、前記指先の滑り止め効果をより一層向上でき
るようにしてもよい。この場合、前記滑り止め材
６は、指掛部２２外面と面一となるように設ける
か、又は図示した如く前記指掛部２２外面より僅
かに外方に突出するように設けるのが好ましい。

又、前記保持面２２ｄには、図示した如く多数
の貫通孔２２ｆを列設するか、又は多数の凹部を
列設するのが好ましいけれども、これら貫通孔と
か凹部を設けることなく平坦面としてもよい。

尚、前記ブラケツト１は、前壁１１、後壁１２
及びこれら前後壁１１，１２を連結する１対の側
壁１３とから成り、その後壁１２の上部には切欠
１４を設け、また、前壁１１側上部には前方に向
かつて膨出する膨出部１５を設けて、この膨出部
１５の頂部に、操作ワイヤＷを案内するアウター
筒０の支持具７を支持しており、また、ブラケツ
ト１の内部には支持壁１６を設けて、この支持壁
１６に前記締付ねじ４を介して前記バンド部材５
を支持し、該バンド部材５を前記ハンドルＨの曲
杆部H₁に嵌め込んで前記締付ねじ４を締込むこ
とにより、前記ブラケツト１を前記曲杆部H₁に
取付けるのである。

又、図中８は前記操作レバー２の枢支部２１側
に枢着するワイヤ掛けであつて、前記操作ワイヤ
Ｗの端部に固定した掛止体９を引掛けている。

本考案は以上の如く構成するもので、前記曲杆
部H₁の下側先端部分を握つて制動操作する場合、
第１図に示す如く曲杆部H₁を握つた手の人差し
指U₁と中指U₂とを差出して、この差出指の指先
を操作レバー２の指掛部２２外面に引掛け、前記
差出指に力を加えて前記操作レバー２をハンドル
と近接する方向に作動させることにより、前記操
作ワイヤＷを牽引し、該ワイヤＷの動きをブレー
キの可動部材に作用させて制動するのである。

しかして、この制動時、差出指が接触する操作
レバー２の指掛部２２外面は、その曲面頂部２２
ａが、前記差出指の差出側側部２２ｂに変位して
いると共に、前記指差出側の反対側側部２２ｃか
ら曲面頂部２２ａに向かつて外方に傾斜する保持
面２２ｄがあつて、指先との接触面積が多くなつ
ているため、第４図に示す如く前記指先を前記保
持面２２ｄに迅速に広い面積で接触させることに
より、この指先の指差出側への外れを防止できる
のであり、又、指先の引掛かりが浅い場合でも、
この指先の滑りを前記頂部２２ａにより防いで操
作できるのである。

又、前記ブラケツト１を握つて制動操作する場
合、このブラケツト１を握つた手の人差し指U₁、
中指U₂、薬指U₃を前記操作レバー２に沿つて差
出して、これら３指の第１関節部分を前記指掛部
２２の曲面頂部２２ａに接触させると共に、前記
３指の指先を保持面２２ｄに接触させて前記指掛
部２２を下方に押え、操作レバー２を作動させる
のである。

この操作時、前記指掛部２２外面は、その曲面
頂部２２ａが、前記差出指の差出側側部２２ｂに
変位して、保持面２２ｄと指先との接触面積が多
くなつているため、前記した場合と同様、第５図
に示す如く指先を前記保持面２２ｄに迅速に、広
い面積で接触させることができ、操作レバー２を
操作できるのである。

尚、以上の実施例では、ドロツプハンドルの曲
杆部H₁を握つて制動操作する場合について説明
したが、その他例えばフラツトハンドルなどの両
端グリツプ部を握つて制動操作する場合も同様で
ある。

又、以上の実施例では、ブレーキの操作装置に
ついて説明したが、その他変速機の操作装置とし
て用いることも可能である。

以上の如く、本考案は、ブラケツトと操作レバ
ーとを備え、ハンドルを握る手で前記操作レバー
を操作するごとく成すと共に、操作時指が接触す
る前記操作レバーの外面を曲面とした自転車用操
作装置であつて、前記操作レバーの外面における
曲面頂部を、前記曲面の長さ方向全長に亘つて操
作時差出す指の差出側側部に変位させると共に、
前記頂部と前記外面における指差出側の反対側側
部との間に前記反対側側部から前記頂部に向かつ
て外方に傾斜し、操作時接触する指先の保持を行
う指先保持面を設けたから、ハンドルを握つた位
置から指を差出して操作レバーを操作するとき、
前記差出した指の指先を、指を差出す手前側に位
置している前記曲面頂部にすぐに届かせることが
できて、この指先を少し曲げることにより操作レ
バーを迅速に、かつ、無理することなく楽に捉え
ることができるのであり、しかも、前記曲面頂部
に対し指差出側と反対側に、指先が接触し、か
つ、面積が多くなつている指先保持面があるた
め、前記曲面頂部に届いた指を前記指先保持面で
十分に保持させることができるのである。

従つて、操作レバーの適格な操作時期に、ハン
ドルを握る手の指を無理して差出すことなく、操
作レバーを迅速に操作できるのであり、又、前記
差出した指の前記操作レバーとの引掛かりが浅い
場合でも、この指の指差出側への外れを防いで迅
速に操作できるのであり、操作遅れなどの操作ミ
スをなくし得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す縦断側面
図、第２図は正面図、第３図は第２図−線断
面図、第４図及び第５図は操作時の状態を周面す
説明図、第６図及び第７図は従来例の操作時の状
態を示す説明図である。 １……ブラケツト、２……操作レバー、２２ａ
……曲面頂部、２２ｄ……指差出側側部、２２ｃ
……指差出側の反対側側部、２２ｄ……保持面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラケツトと操作レバーとを備え、ハンドルを
   握る手で前記操作レバーを操作するごとく成すと
   共に、操作時指が接触する前記操作レバーの外面
   を曲面とした自転車用操作装置であつて、前記操
   作レバーの外面における曲面頂部を、前記曲面の
   長さ方向全長に亘つて操作時差出す指の差出側側
   部に変位させると共に、前記頂部と、前記外面に
   おける指差出側の反対側側部との間に前記反対側
   側部から前記頂部に向つて外方に傾斜し、操作時
   接触する指先の保持を行なう指先保持面を設けた
   ことを特徴とする自転車用操作装置。