JPH04288392A - フォトクロミック材料 - Google Patents

フォトクロミック材料

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Publication number
JPH04288392A
JPH04288392A JP1637591A JP1637591A JPH04288392A JP H04288392 A JPH04288392 A JP H04288392A JP 1637591 A JP1637591 A JP 1637591A JP 1637591 A JP1637591 A JP 1637591A JP H04288392 A JPH04288392 A JP H04288392A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
ring
groups
formula
Prior art date
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Pending
Application number
JP1637591A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunji Kono
俊司 河野
Shinichi Yamamoto
信一 山本
Takashi Taniguchi
孝 谷口
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトクロミック材料
に関するものであり、特に印刷、光学機器、記録材料、
衣料、装飾用の材料として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、フォトクロミック材料として、重
合または縮合可能な官能基を有するスピロピラン化合物
、スピロオキサジン化合物が知られている。例えば、特
開昭61−76490号公報に下記の構造の化合物が知
られている。
【0003】
【化2】
【0004】また、特開昭63−267786号公報に
は下記の構造の化合物が知られている。
【0005】
【化3】
【0006】これらの化合物は単独で重合、あるいは他
の重合性モノマーと共重合すれば、高分子のフォトクロ
ミック材料として用いることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
重合または縮合可能な官能基を有するスピロピラン化合
物、スピロオキサジン化合物からなるフォトクロミック
材料は発色種の色調が限られており、色相の豊富さが不
足していた。特にグレー系の発色を示すものはこれまで
ほとんど知られていなかった。また、従来の重合または
縮合可能な官能基を有するスピロピラン化合物、スピロ
オキサジン化合物からなるフォトクロミック材料は、発
色濃度が実用上必ずしも十分ではなかった。
【0008】本発明はかかる従来技術の欠点を解決しよ
うとするものであり、色相が豊富で、かつ、十分な発色
濃度を有するフォトクロミック材料を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明のフォトクロミック材料は、下記の構成を
有する。
【0010】「一般式(I)で示される化合物からなる
ことを特徴とするフォトクロミック材料。
【0011】
【化4】
【0012】[式中、R1 は炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数1〜20
のアルキニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素
数6〜19のアリール基から選ばれた置換基を表わす。
【0013】R2 、R3 は独立の場合は、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、
炭素数1〜20のアルキニル基、炭素数1〜20のアル
ケニル基、炭素数1〜20のアルキニル基、炭素数7〜
20のアラルキル基および炭素数6〜19のアリール基
から選ばれた置換基を表わし、非独立の場合は、R2 
とR3 で相互に炭素原子を共有し、炭素数3〜10の
環を形成する。
【0014】R4 、R6 、R7 はヒドロキシ基、
アミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜
15のアラルコキシ基、炭素数6〜14のアリーロキシ
基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数
1〜20のアルキニル基、炭素数7〜15のアラルキル
基、炭素数6〜14のアリール基、ハロゲノ基、シアノ
基、カルボン基、ニトロ基、炭素数1〜20のアシル基
、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1
〜20のカルバモイル基、スルフォン酸基、炭素数1〜
20のアルコキシスルフォニル基および炭素数0〜20
のスルファモイル基から選ばれた置換基を表わし、R7
 には水素も含まれる。
【0015】m,nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表
わす。
【0016】R5 は炭素数0〜20の重合または縮合
可能な官能基を表わす。
【0017】XはNまたはCHを表わす。
【0018】α環はベンゾオキサジン環に縮環した炭素
数3〜18の環を表し、ただし、α環が無い場合も含む
。]」本発明の一般式(I)におけるR1は炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭
素数1〜20のアルキニル基、炭素数7〜20のアラル
キル基および炭素数6〜19のアリール基から選ばれた
置換基を表すが、その好ましい具体例としては、メチル
基、プロピル基、ヘキシル基、オクタデシル基などの鎖
状アルキル基;tert−ブチル基、2−エチルヘキシ
ル基などの分枝状アルキル基;シクロヘキシル基、ノル
ボルニル基、アダマンチル基などのシクロアルキル基;
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1,3−ブタ
ジエニル基などのアルケニル基;エチニル基、2−プロ
ピニル基などのアルキニル基;ベンジル基、フェネチル
基、(2−ナフチル)メチル基などのアラルキル基;フ
ェニル基、1−ナフチル基などのアリール基などが挙げ
られる。
【0019】R1 が置換されている場合、置換基の具
体例としては、ヒドロキシ基;アミノ基、ジベンジルア
ミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基などのアミノ基;
メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基などの
アルコキシ基;ベンジロキシ基、フェネチロキシ基など
のアラルコキシ基;フェノキシ基、2−ナフチロキシ基
などのアリーロキシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ
基、ベンゾイロキシ基などのアシルオキシ基;N−フェ
ニルカルバモイルオキシ基、N−プロピルカルバモイル
オキシ基などのカルバモイルオキシ基;メチル基、イソ
プロピル基、トリフルオロメチル基などのアルキル基;
ベンジル基、(2−ナフチル)メチル基などのアラルキ
ル基;フェニル基、1−ナフチル基などのアリール基;
ビニル基、アリル基、1,3−ブタジエニル基などのア
ルケニル基;クロロ基、ブロモ基などのハロゲノ基;シ
アノ基;カルボン酸基、カルボン酸ソーダ基などのカル
ボン酸基;エトキシカルボニル基、(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)オキシカルボニル基な
どのアルコキシカルボニル基;ニトロ基;ホルミル基、
アセチル基、ベンゾイル基などのアシル基;N−メチル
カルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基などのカ
ルバモイル基;スルホン酸ソーダ基、スルホン酸基など
のスルホン酸基;スルファモイル基などが挙げられる。
【0020】R2 、R3 は独立の場合は、炭素数1
〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、
炭素数1〜20のアルキニル基、炭素数7〜20のアラ
ルキル基および炭素数6〜19のアリール基から選ばれ
た置換基を表わし、その具体的な例としては、R1 の
具体例と同様の置換基を挙げることができる。R2 、
R3 が非独立の場合は、R2 とR3 で相互に炭素
原子を共有し、炭素数3〜10の環を形成するがその場
合の具体的な例としては、インドリン環の3位の炭素を
含めて、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロ
ヘキサン環、ノルボルネン環、アダマンタン環などを挙
げることができる。R2、R3 がさらに置換されてい
る場合には、その置換基の具体例としては、R1 が置
換されている場合の置換基の具体例と同様のものを挙げ
ることができる。
【0021】R4 、R6 、R7 はヒドロキシ基、
アミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜
15のアラルコキシ基、炭素数6〜14のアリーロキシ
基、炭素数1〜20のアシルオキシ基、炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数
1〜20のアルキニル基、炭素数7〜15のアラルキル
基、炭素数6〜14のアリール基、ハロゲノ基、シアノ
基、カルボン基、ニトロ基、炭素数1〜20のアシル基
、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1
〜20のカルバモイル基、スルフォン酸基、炭素数1〜
20のアルコキシスルフォニル基および炭素数0〜20
のスルファモイル基から選ばれた置換基を表し、R7 
には水素も含まれるが、その好ましい具体的な例として
はヒドロキシ基;アミノ基、ジエチルアミノ基、ピペリ
ジノ基、モルホリノ基などのアミノ基;メトキシ基、エ
トキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基;
ベンジロキシ基、フェネチロキシ基などのアラルコキシ
基;フェノキシ基、2−ナフチロキシ基などのアリーロ
キシ基;ホルミルオキシ基、アセトキシ基、ベンゾイロ
キシ基などのアシルオキシ基;メチル基、プロピル基、
オクタデシル基などの鎖状アルキル基;イソプロピル基
、2−エチルヘキシル基などの分枝状アルキル基;シク
ロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの
シクロアルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニ
ル基、1,3−ブタジエニル基などのアルケニル基;エ
チニル基、2−プロピニル基などのアルキニル基;ベン
ジル基、フェネチル基、(2−ナフチル)メチル基など
のアラルキル基;フェニル基、1−ナフチル基などのア
リール基;フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロ
ゲノ基;シアノ基;カルボン酸基、カルボン酸ソーダ基
などのカルボン酸基;ニトロ基;ホルミル基、アセチル
基、ベンゾイル基などのアシル基;エトキシカルボニル
基、イソプロポキシカルボニル基、(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)オキシカルボニル基な
どのアルコキシカルボニル基;カルバモイル基、N−プ
ロピルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基な
どのカルバモイル基;スルフォン酸基、スルフォン酸ソ
ーダ基などのスルフォン酸基;メトキシスルフォニル基
、エトキシスルフォニル基、プロポキシスルフォニル基
などのアルコキシスルフォニル基;スルファモイル基、
N−プロピルスルファモイル基、N−フェニルスルファ
モイル基などのスルファモイル基が挙げられ、R7 は
水素でもよい。R4 、R6 、R7 がさらに置換さ
れている場合には、その置換基の具体例としては、R1
 が置換されている場合の置換基の具体例と同様のもの
を挙げることができる。
【0022】m,nはそれぞれ独立に0〜4の整数を表
わす。
【0023】R5 は炭素数0〜20の重合または縮合
可能な官能基を表わすが、その具体的な例としては、メ
タクリロイルオキシ基、メタクリロイル基、メタクリロ
イルアミノ基、アクリロイルオキシ基、アクリロイル基
、アクリロイルアミノ基、N−(2−メタクリロイルオ
キシエチル)アミノ基、N−(2−アクリロイルオキシ
エチル)アミノ基、ビニル基、ビニルオキシ基、ビニル
オキシカルボニル基、アリル基、アリルオキシ基、アリ
ルオキシカルボニル基、4−エチニルベンジルオキシ基
、4−エチニルベンジルアミノ基、グリシジル基、グリ
シジルオキシ基、グリシジルオキシカルボニル基、ヒド
ロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、クロロカルボニ
ル基、ブロモカルボニル基などを挙げることができる。
【0024】これらのうちで、R5 がインドリン環の
5位のヒドロキシ基である場合は、特に合成が容易であ
る。ヒドロキシ基は様々な試薬で修飾することができ、
他の重合または縮合可能な官能基に変換することも容易
である。
【0025】単独で、あるいは他の重合可能な化合物と
、容易に反応して高分子量のフォトクロミック材料を得
ることができるという点では、前述の置換基のうち、二
重結合を有するものが好ましい。これらのうちでも合成
の容易さ、重合反応性の高さという点で、アクリロイル
基またはメタクリロイル基を含有する置換基はより好ま
しい。さらにこれらの置換基のうちでは、インドリン環
の5位のヒドロキシ基が容易に得られることから、これ
を修飾して得られるインドリン環の5位のメタクリロイ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基が最も合成が容易で
ある。
【0026】XはNまたはCHを表わす。
【0027】α環はベンゾオキサジン環に縮環した炭素
数3〜18の環を表し、ただし、α環が無い場合も含む
が、一般式(I)において
【0028】
【化5】
【0029】で表される環の具体例としては、ナフタレ
ン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン
環、アセフェナントリレン環、インデン環、フルオレン
環、キノリン環、キノキサリン環、ベンゾフラン環、ベ
ンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、クマリン環、ク
ロマン環、カルバゾール環、テトラヒドロナフタレン環
、ジヒドロアントラセン環などが挙げられ、また、α環
が無く、ベンゼン環のみの場合も本発明に含まれる。 これらの環の中では、化合物合成の容易さという点で、
ナフタレン環、ベンゼン環が特に好ましい。
【0030】α環が置換されている場合には、その置換
基の好ましい具体例としては、R4 、R6 、R7 
の具体例と同様の置換基が挙げられる。
【0031】本発明の一般式(I)で示される化合物の
製造方法の一つとしては、下記一般式(II)
【003
2】
【化6】
【0033】[式中、YはNOまたはCHOを表す。]
で表される化合物と、下記一般式(III )
【003
4】
【化7】
【0035】で表される化合物を反応させる方法が挙げ
られる。
【0036】また、他の製造方法として、一般式(II
)で表される化合物と、下記一般式(IV)
【0037
【化8】
【0038】[式中、Z− は陰イオンを表す]で表さ
れる化合物を、塩基性の物質と共に反応させる方法が挙
げられる。塩基性の物質としては、水酸化ナトリウムな
どのアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウムなどの
アルカリ土類金属の水酸化物、ナトリウムメトキシドな
どのナトリウムアルコキシド、トリエチルアミン、ピリ
ジンなどの各種アミン類などが例として挙げられる。
【0039】また一般式(I)で示される化合物は、下
記一般式(V )
【0040】
【化9】
【0041】[式中、R8 は適当な試薬と反応させる
ことによって、R5 に変換することが可能な置換基を
表す。]で表される化合物と、一般式(II)で表され
る化合物を反応させた後、適当な試薬と反応させること
によってR8 をR5 に変換する方法で製造すること
もできる。
【0042】また、他の製造方法の一例として、一般式
(II)で表される化合物と、下記一般式(VI)
【0
043】
【化10】
【0044】で表される化合物を、塩基性の物質と共に
反応させた後、適当な試薬と反応させることによってR
8 をR5 に変換する方法が挙げられる。
【0045】R8 の具体例としては、水酸基、アミノ
基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエトキシ
基、2−ヒドロキシエチルアミノ基などを挙げることが
できる。また、適当な試薬としては、(メタ)アクリル
酸クロライドなどの(メタ)アクリル酸ハロゲン化物;
塩化グリシジルなどのハロゲン化グリシジル;塩化アリ
ルなどのハロゲン化アリル;クロロメチルスチレンなど
を好適な例として挙げることができる。
【0046】また製造段階における精製方法としては、
各種溶媒による再結晶、シリカゲルなどによるカラムク
ロマトグラフィー、溶媒抽出、あるいは活性炭処理など
が好適な例として挙げることができる。
【0047】本発明のフォトクロミック材料は、好まし
くは光学的に透明な樹脂類と組合せて用いられる。その
ような樹脂類としては、例えばジエチレングリコールビ
スアリルカーボネートポリマー;(メタ)アクリル系ポ
リマー;セルロース類;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリ(4−メチルペンテン)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどのオレ
フィン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;エポキシ樹
脂;ナイロン樹脂;ポリウレタン樹脂;(ハロゲン化)
ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートポリマー、
(ハロゲン化)ビスフェノールAのウレタン変性ジ(メ
タ)アクリレートポリマーなどが挙げられ、またこれら
の樹脂の共重合体やアロイも好適に用いられる。本発明
のフォトクロミック材料は、これらの樹脂類に単純にブ
レンドして用いても良いが、これらの樹脂類と化学的に
結合させてペンダント基としても良い。本発明のフォト
クロミック材料とこれらの樹脂類を化学的に結合させる
方法としては、これらの樹脂に縮合反応や付加反応をお
こすことが可能な置換基を有するモノマを共重合してお
き、この置換基と本発明のフォトクロミック材料の置換
基R5 の部分を反応させる方法が例として挙げられる
。 縮合反応や付加反応をおこすことが可能な置換基を有す
るモノマの具体例としては、クロロメチルスチレンやグ
ルシジルメタクリレートが好適な例として挙げられる。 本発明のフォトクロミック材料とこれらの樹脂類を化学
的に結合させた場合は、光劣化に対する耐久性が向上す
る。
【0048】また本発明の一般式(I)で示される化合
物は重合または縮合可能な官能基を有しているので単独
で重合して、あるいは他の重合性化合物、例えばアクリ
ル系モノマー、スチレン系モノマー、酢酸ビニル系モノ
マー、エポキシモノマー、有機重合性官能基を有するシ
ラン系化合物などと共重合したコポリマーの形で含有さ
せて用いることもできる。
【0049】単独で重合、あるいは他のモノマーと共重
合した場合においては、光劣化に対する耐久性が非常に
向上する。
【0050】本発明のフォトクロミック材料、あるいは
他の樹脂類と本発明のフォトクロミック材料を組合せて
成る材料は、ポリマー溶液としてコーティング組成物と
して用いたり、またエマルジョン化を行ってスクリーン
印刷、グラビア印刷などの各種印刷手法によって種々の
基板に適用可能である。またコーティング法としては種
々の手法、例えばディップコーティング、スピンコーテ
ィング、ロールコーティングなどが採用できる。
【0051】他の樹脂と組合せる場合、本発明のフォト
クロミック材料の含有量は、目的および使用方法などに
よって決められるべきものであるが、視覚に対する感度
という観点からは、他の樹脂重量の0.01〜20重量
%が好ましい。
【0052】また本発明のフォトクロミック材料の繰返
し耐久性を向上させる見地から、使用時に酸素や水を遮
断することが特に有効である。更に、耐久性を向上させ
る目的から公知の添加剤、例えばニッケル塩に代表され
る一重項酸素クエンチャー、ヒンダードアミン系化合物
またはそのポリマーで代表される酸化防止剤、紫外線吸
収剤、三重光消光剤などが使用可能である。
【0053】本発明のフォトクロミック材料の用途とし
ては、特に、光による変色性を有する光学素子としての
使用が挙げられる。光学素子としてはサングラスレンズ
、スキー用ゴーグル、保護メガネレンズ、さらにはカー
テン、衣服、フロントガラス、サンルーフなどの自動車
用ウインドー、玩具、化粧品、筆記具などが好適な例と
して挙げられる。
【0054】
【実施例】次に実施例を挙げて説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0055】実施例1 ■  1,3,3−トリメチル−2−メチレン−5−ヒ
ドロキシインドリンの合成 2,3,3−トリメチル−5−メトキシインドレニン5
1gとメチルアイオダイド213gを、還流温度で12
時間反応させた。反応後、生成した固体を、アセトンで
洗浄し、1,2,3,3−テトラメチル−5−メトキシ
インドレニウムアイオダイド77gを得た。次に、この
1,2,3,3−テトラメチル−5−メトキシインドレ
ニウムアイオダイド27gを400mlの塩化メチレン
に懸濁させ、かき混ぜながら氷冷した。この懸濁液に、
三臭化ほう素21gを塩化メチレン50mlに溶解した
溶液を、1時間かけて滴下した。その後、反応液を室温
まで昇温し、そのまま室温で3日間かきまぜを続けた。 次に、反応液に水290mlを加え、30分間かき混ぜ
た後、さらに2M水酸化ナトリウム水溶液約100ml
を加え、50℃で1時間かき混ぜた。その後1M塩酸を
加え液性を中性にした後、酢酸エチルによって、抽出を
行った。抽出液には無水硫酸ナトリウムを加えて水分を
除去した。ろ過によって硫酸ナトリウムを除去した後、
酢酸エチルを留去して、1,3,3−トリメチル−2−
メチレン−5−ヒドロキシインドリンを得た。
【0056】■  下記式(VII )の化合物の合成
【0057】
【化11】
【0058】実施例1−■の方法で得た1,3,3−ト
リメチル−2−メチレン−5−ヒドロキシインドリン2
.9gを、1−ニトロソ−2−ナフトール1.9gと、
35mlの無水エタノール中、還流温度で9時間反応さ
せた。次に、反応混合物から溶媒を留去した後、カラム
クロマトグラフィーによる分離精製を、シリカゲルを支
持担体とし、酢酸エチルを展開溶媒として1回、酢酸エ
チル/ヘキサン混合溶媒を展開溶媒として1回行った。 さらにこれを酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒で再結晶し
て、式(VII )の化合物の結晶を得た。
【0059】■  分析結果 式(VII )の化合物の分析結果を示す。
【0060】元素分析値:(C22H20N2 O2 
として)理論値:C(76.7)、H(5.9)、N(
8.1)(%) 実測値:C(76.5)、H(5.8)、N(8.1)
(%) また、式(VII )の化合物の赤外吸収スペクトルを
図1に示した。
【0061】■  応用例 ポリ(n−ブチルメタクリレート)の30重量%トルエ
ン溶液に、式(VII)の化合物を5モル%の濃度で溶
解した。この溶液をスライドガラス上に塗布したのち、
加熱によりトルエンを除去し、無色透明のフィルムを作
製した。該フィルムに紫外光を照射したところ青色とな
った。この変色したフィルムは、紫外光の照射を止める
と、室温において速やかにもとの無色にもどった。この
変化は何度でも繰返させることが可能であった。
【0062】実施例2 ■  下記式(VIII)の化合物の合成
【0063】
【化12】
【0064】式(VII )の化合物3g、トリエチル
アミン6.6gおよび塩化メチレン80mlよりなる溶
液を室温でかき混ぜているところへ、メタクリル酸クロ
ライド3.6gおよび塩化メチレン20mlよりなる溶
液を20分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに30
分間かき混ぜを続けた。反応終了後、溶媒を留去した後
、シリカゲルを支持担体、酢酸エチル/ヘキサン混合溶
媒を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーを行い分離精製し、式(VIII)の化合物を得た。 ■  分析結果 式(VIII)の化合物の分析結果を示す。
【0065】元素分析値:(C26H24N2 O3 
として)理論値:C(75.7)、H(5.9)、N(
6.8)(%) 実測値:C(75.8)、H(5.7)、N(7.0)
(%) ■  応用例 式(VIII)の化合物1当量とメチルメタクリレート
50当量を、アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤
として通常のラジカル重合法によって重合させ、再沈殿
法によって精製し共重合体を得た。この共重合体をトル
エンに溶かしたものをスライドガラス上に塗布した後乾
燥し、フィルムを得た。該フィルムに紫外光を照射する
と青色に発色し、照射を止めると消色した。この変化は
何度も繰返し行えた。
【0066】実施例3 ■  下記式(IX)の化合物の合成
【0067】
【化13】
【0068】実施例1−■の方法で得た1,3,3−ト
リメチル−2−メチレン−5−ヒドロキシインドリン2
gを、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−m−アニスアルデ
ヒド2gと、35mlの無水エタノール中、還流温度で
9時間反応させた。次に、反応混合物から溶媒を留去し
た後、カラムクロマトグラフィーによる分離精製を、シ
リカゲルを支持担体とし、酢酸エチル/ヘキサン混合溶
媒を展開溶媒として3回行って、式(IX)の化合物を
得た。
【0069】■  分析結果 式(IX)の化合物の分析結果を示す。
【0070】元素分析値:(C20H20N2 O5 
として)理論値:C(65.2)、H(5.5)、N(
7.6)(%) 実測値:C(65.4)、H(5.8)、N(7.3)
(%) 実施例4 ■  下記式(X )の化合物の合成
【0071】
【化14】
【0072】式(VII )の化合物のかわりに、式(
IX)の化合物を用い、メタクリル酸クロライドのかわ
りに、アクリル酸クロライドを用いる他は実施例2−■
と同様にして式(X )の化合物を得た。
【0073】■  分析結果 式(X )の化合物の分析結果を示す。
【0074】元素分析値:(C23H22N2 O6 
として)理論値:C(65.4)、H(5.2)、N(
6.6)(%) 実測値:C(65.7)、H(5.3)、N(6.9)
(%) ■  応用例 式(VIII)の化合物の代りに、式(X )の化合物
を用いる他は、実施例2−■と同様に行なったところ、
実施例2−■と同様の変化を観察することができた。 実施例5 ■  1−オクタデシル−2−メチレン−3,3−ジメ
チル−5−ヒドロキシインドリンの合成 2,3,3−トリメチル−5−メトキシインドレニン5
1gとオクタデシルアイオダイド102gを、トリクレ
ン溶媒中、還流温度で12時間反応させた。反応後、溶
媒を留去し、1−オクタデシル−2,3,3−トリメチ
ル−5−メトキシインドレニウムアイオダイドを得た。 次に、この1−オクタデシル−2,3,3−トリメチル
−5−メトキシインドレニウムアイオダイド30gを3
00mlの塩化メチレンに溶解し、かき混ぜながら氷冷
した。この溶液に、三臭化ほう素6.6gを塩化メチレ
ン50mlに溶解した溶液を、1時間かけて滴下した。 その後、反応液を室温まで昇温し、そのまま室温で3日
間かきまぜを続けた。次に、反応液に水400mlを加
え、30分間かき混ぜた後、さらに1M水酸化ナトリウ
ム水溶液約60mlを加え、50℃で1時間かき混ぜた
。その後1M塩酸を加え液性を中性にした後、酢酸エチ
ルによって、抽出を行った。抽出液には無水硫酸ナトリ
ウムを加えて水分を除去した。ろ過によって硫酸ナトリ
ウムを除去した後、酢酸エチルを留去して、1−オクタ
デシル−2−メチレン−3,3−ジメチル−5−ヒドロ
キシインドリンを得た。
【0075】■  下記式(XI)の化合物の合成
【0
076】
【化15】
【0077】実施例5−■の方法で得た1−オクタデシ
ル−2−メチレン−3,3−ジメチル−5−ヒドロキシ
インドリン24gを、2−ニトロソ−3,4,5−トリ
メトキシフェノール12gと、200mlのベンゼン中
、還流温度で9時間反応させた。次に、反応混合物から
溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーによる分
離精製を、シリカゲルを支持担体とし、酢酸エチル/ヘ
キサン混合溶媒を展開溶媒として3回行って、式(XI
)の化合物を得た。
【0078】■  分析結果 式(XI)の化合物の分析結果を示す。
【0079】元素分析値:(C38H58N2 O5 
として)理論値:C(73.3)、H(9.4)、N(
4.5)(%) 実測値:C(73.1)、H(9.3)、N(4.5)
(%) 実施例6 ■  下記式(XII )の化合物の合成
【0080】
【化16】
【0081】式(VII )の化合物のかわりに、式(
XI)の化合物を用いる他は実施例2−■と同様にして
式(XII )の化合物を得た。
【0082】■  分析結果 式(X )の化合物の分析結果を示す。
【0083】元素分析値:(C42H62N2 O6 
として)理論値:C(73.0)、H(9.0)、N(
4.1)(%) 実測値:C(73.3)、H(9.1)、N(3.8)
(%) ■  応用例 式(VIII)の化合物の代りに、式(XII )の化
合物を用いる他は、実施例2−■と同様にしてフィルム
を作成した。該フィルムに紫外光を照射するとブルーグ
レーに発色し、照射を止めると消色した。この変化は何
度も繰返し行えた。
【0084】比較例1 式(VIII)の化合物の代りに、下記式(XIII)
【0085】
【化17】
【0086】の化合物を用いる他は、実施例2−■と同
様にしてフィルムを作成した。このフィルムと、実施例
2−■で作成したフィルムに、同時に同じ条件で紫外光
を照射したところ、前者の方が濃く発色した。
【0087】また、これらのフィルムにカーボンアーク
フェードメーターにて20時間紫外線照射を行ない耐光
性テストを行なった。その結果、両者ともテスト前とテ
スト後でほとんど発色性に差がみられなかった。
【0088】
【発明の効果】本発明のフォトクロミック材料は、グレ
ー系の発色を示すなど色相が豊富であり、かつ発色濃度
が大きいという特徴を有していた。しかも本発明のフォ
トクロミック材料は、従来のフォトクロミック材料と同
等の、優れた発消色の繰返し耐久性、および優れた耐光
性を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた式(VII )の化合物の
赤外吸収スペクトルを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式(I)で示される化合物からな
    ることを特徴とするフォトクロミック材料。 【化1】 [式中、R1 は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数
    1〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキニル
    基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜19の
    アリール基から選ばれた置換基を表わす。R2 、R3
     は独立の場合は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
    数1〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキニ
    ル基、炭素数7〜20のアラルキル基および炭素数6〜
    19のアリール基から選ばれた置換基を表わし、非独立
    の場合は、R2 とR3 で相互に炭素原子を共有し、
    炭素数3〜10の環を形成する。R4 、R6 、R7
    はヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1〜20のアルコキ
    シ基、炭素数7〜15のアラルコキシ基、炭素数6〜1
    4のアリーロキシ基、炭素数1〜20のアシルオキシ基
    、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアル
    ケニル基、炭素数1〜20のアルキニル基、炭素数7〜
    15のアラルキル基、炭素数6〜14のアリール基、ハ
    ロゲノ基、シアノ基、カルボン基、ニトロ基、炭素数1
    〜20のアシル基、炭素数2〜20のアルコキシカルボ
    ニル基、炭素数1〜20のカルバモイル基、スルフォン
    酸基、炭素数1〜20のアルコキシスルフォニル基およ
    び炭素数0〜20のスルファモイル基から選ばれた置換
    基を表わし、R7には水素も含まれる。m,nはそれぞ
    れ独立に0〜4の整数を表わす。R5 は炭素数0〜2
    0の重合または縮合可能な官能基を表わす。XはNまた
    はCHを表わす。α環はベンゾオキサジン環に縮環した
    炭素数3〜18の環を表し、ただし、α環が無い場合も
    含む。]
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