JPH0428486B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、放電加工装置の改良に関する。

放電加工は型材料の精密加工等に広く利用され
ているが、電極の消耗による加工精度の低下や、
加工に先だつて電極を成形しなければならないと
いう問題があつた。

一方、２つの支持体間に張力をかけながら線状
電極を走行させる方式の放電加工は、上記の問題
ははるかに軽減されるが、工作物を直線によつて
切断する機構となるため、加工形状に大きな制約
を受け、その上、走行する線状電極の振動によつ
て加工精度が低下するという問題があつた。

この発明は、走行する線状電極の支持体に接す
る部分と工作物間の放電によつて加工する新しい
方式の放電加工により、複雑な形状を高精度で加
工しうる放電加工装置を得ようとするものであ
る。

以下図面を参照して具体的に説明する。

第１図は放電部分の側面図及び平面図を示す実
施例は、工作物１の回転中心との間隔を調節しう
るプーリ２の外縁で走行ワイヤ３を保持し、この
保持部分を工具電極として円柱外径加工を行なう
場合を示し、図示以外の装置部分は従来の放電加
工装置と同様である。これにより、微細軸加工、
微細外形加工、外周みど加工等、旋盤、フライス
盤様の加工が可能である。

第２図に示す実施例では、走行ワイヤ３を突出
した支持具４の先端のプーリ２を経由して走行さ
せ、これによつてエンドミル様の加工を行なつて
いる。これにより、深溝加工、自由曲面キヤビテ
イ等の加工が可能である。

また、上記の突出した支持具４を軸９のまわり
に回転させることにより、断面円形の深穴を形成
させることが出来、高速ミーリング、高精度穴加
工が可能である。

第３図に示す実施例では、屈曲した支持具５の
先端に加工部用プーリ２を設けると共に、屈曲部
６に案内プーリ７，８を設け、これらのプーリを
経由して走行ワイヤ３を走行させ、これによつて
凹隠部の自由曲面加工を可能にしている。この種
の加工は従来、極めて困難であつたものである。

なお、支持具５の屈曲部６を周知の屈曲動作を
する機構によつて自由に屈曲出来るようにすれ
ば、加工の自由度は更に増すことは明らかであ
る。

以上の各例において、プーリは固定された案内
具に置換えることができる。また、その場合形状
は円弧状以外のものとすることもできるので、広
用の範囲はさらに広いものとなる。

この発明は、上記のように、走行ワイヤのプー
リ等の保持体で保持された部分を電極として用い
たので、 走行ワイヤを用いるので電極消耗の問題が軽
減し、放電の安定性も高い。

走行ワイヤの保持体に接する部分を用いるた
め、ワイヤ振動等の精度低下要因を除くことが
出来る。

NCの機能を持たせることと支持具や保持体
の形状を変えることで各種の加工に対応出来、
応用範囲が広い加工装置となる。また、太いワ
イヤや条を走行電極として用いるのが容易であ
り、高速荒加工まで応用することが出来る。

凹隠部の加工など、従来困難であつた加工を
実現することが出来る。

等、顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の放電加工装置の１実施例の
側面図、平面図、第２図は第２実施例の斜視図、
第３図は第３実施例の一部断面とした側面図であ
る。 １：工作物、２：プーリ、３：走行ワイヤ、
４，５：プーリ保持具、７，８：案内プーリ、
９：回転軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 走行するワイヤ電極を用いる放電加工装置に
   おいて、工作物の加工部位に近接するワイヤ電極
   をプーリ等の支持体に接するワイヤ部分のみと
   し、該ワイヤ部分と工作物との間のみにおいて放
   電を行わせることを特徴とする放電加工装置。