JP3703859B2 - ボールエンドミル - Google Patents
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- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
- B23C5/1009—Ball nose end mills
- B23C5/1027—Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts
- B23C5/1045—Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts having a cutting insert, the cutting edge of which subtends substantially 90 degrees
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Milling Processes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はプレス金型加工などの3次元加工を必要とする加工等に広く使用されるボールエンドミルに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、プレス金型の製品成形面は、粗面成形工程および研削工程により切削加工および研削仕上加工が施されている。
【0003】
図4及び図5によって更に具体的に説明すると、プレス金型wの製品成形面waは、粗面成形工程によりNCフライス盤等が使用され、ボールエンドミルaによる切削加工により成形される。
【0004】
粗面成形工程により素材w′から切削加工された製品成形面waには山形の刃物の跡である凹凸状のカスプbが残る。
【0005】
これらカスプbを取除き、平滑な製品成形面waに仕上げるため粗面成形工程に続いて研削工程により研削仕上加工が行われる。
【0006】
研削工程による研削仕上加工は、放電加工、電解研摩、超音波研摩など電気および化学的方法や、電動工具、やすり等の手工具により行われ、プレス金型製作全体に対し占める工数の比率は高く一般に15〜45%にも達する。
【0007】
研削工程により平滑な面に研削仕上された製品成形面waは、耐摩耗性向上のため工業用クロームメッキ処理が施されることもある。
【0008】
粗面成形工程において用いられるボールエンドミルは、一般に図6に示すようにボールエンドミル本体kの外径寸法をDとすると、切刃dの先端半径はD/2に形成されている。
【0009】
このようなボールエンドミルを用いる粗面成形においてカスプbの発生量を少なくして後の研削工程の作業軽減を図るには小径のボールエンドミルkを使用し、ピックフィード量pを少なくすればよいが切削作業時間の増大を招く、また大径のボールエンドミルaを用いるには加工形状上の制約がある。
【0010】
この対策として実開昭64−12718号公報に開示され、かつ図7に要部断面図を示すように、ボールエンドミル本体eの切刃部f先端に大径な円に沿う第1の円弧形状部gを形成するとともに、この切刃部fの外周部位に第1の円弧形状部gよりも小径な円に沿う第2の円弧形状部hを形成し、大径な第1の円弧形状部gによって被加工物の加工速度を高めると同時にカスプの量を低減し、かつ切刃部fの外周部位に形成した小径な第2の円弧形状部hによって被加工物の細部形状を加工し易くしたボールエンドミルが提案されている。
【0011】
また特開平1−228711号公報に開示され、要部側面図を図8に示すように、側面i及び底面jに切刃を備えたボールエンドミルmにおいて、前記底面jの回転中心部近傍の切刃を回転軸と垂直な面内に配置することによりカスプの量を低減するようにしたものが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記実開昭64−12718号公報に開示されるボールエンドミルにあっては、切刃部先端に大径な円に沿う第1の円弧形状部によって被加工物の加工速度を高めると同時にカスプの量を低減し、かつ小径な第2の円弧形状部によって被加工物の細部形状を加工することができる。しかし、切刃形状が円弧状であることから、山形のカスプが残存し、かつ第1の円弧形状部の中心位置と第2の円弧形状部の中心位置とを異にすることから、被加工物の形状、例えば図4に示すプレス金型においてA部の切削加工には第1の円弧形状部によって、また傾斜するB部の切削加工には第2の円弧形状部によって行われることから、加工部位に相応して数値制御の基準点となる第1及び第2の円弧形状部の中心位置が変わり、NCフライス盤等の数値制御データの増大を招き、その制御が複雑になる等の不具合がある。
【0013】
また特開平1−228711号公報に開示されたボールエンドミルにあっては、底面の切刃により平坦な加工面を切削する際にはカスプの量を極力少なくすることができる。しかし、プレス金型等のように3次元加工を要するものにあっては、加工形状によっては底面に位置する切刃と側面に位置する切刃との接合部分によって被加工物が切削されることから、カスプ量の増大を招き、かつ前記同様加工部位の変化に相応して数値制御の基準点となる位置が変わり、NCフライス盤等の数値制御データ量の増加が余儀なくされ、制御が複雑になる等の不具合がある。
【0014】
従って本発明の目的は、数値制御データ量の増大を招くことがなく、しかもカスプの量を抑制して後の研削仕上加工の軽減が得られるボールエンドミルを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明によるボールエンドミルは、ボールエンドミル本体の先端部に切刃を備えたボールエンドミルにおいて、切刃がボールエンドミルの回転中心軸線上の基準点から等距離で該基準点からの垂線と直交し、かつボールエンドミルの先端からボールエンドミル本体の基端方向へ移行する略円弧状に沿って配設され、刃長が加工時のピックフィード量より大である複数の直線状切刃を有する多角形であることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】
ボールエンドミルを回転駆動せしめ、予め設定された被加工物の加工形状に関する数値制御データに基づいて被加工物に対する1つの基準点位置を制御することによって被加工物の加工部位に相応したいずれかの直線状切刃によって切削加工することによりカスプの量を大幅に低減し、ボールエンドミルによる加工後の研削仕上作業の軽減を図る。
【0017】
【実施例】
以下、本発明におけるボールエンドミルの一実施例を図4に要部斜視図を示すプレス金型のwの製品成形面waを粗面加工する場合を例に図によって説明する。
【0018】
図1はボールエンドミル1におけるボールエンドミル本体刃部2の先端部2aの要部断面図であり、ボールエンドミル本体刃部2の先端部2aには切刃3が形成されている。
【0019】
切刃3は、図1のS部拡大を図2に示すようにボールエンドミル1の回転中心軸線L上に基準点oから等距離R1 でかつ基準点oの垂線nと直交し、かつボールエンドミル先端2cからボールエンドミル1の基端方向へ移行する略円弧状に沿って、あるいはねじれ角をもつ刃面に沿って等ピッチで配設される複数(本実施例では13)の直線状切刃3a及び各直線状切刃3a間を接続する複数の円弧状切刃3bを有している。
【0020】
直線状切刃3aの刃長cは、被加工物であるプレス金型wを切削加工する際のピックフィード量pより大なる寸法p+αに形成され、かつボールエンドミル1の最先端に形成される直線状切刃3aは、回転中心軸線Lと直交し、更に刃長cの中央部位を回転中心軸線Lが通るように形成されている。
【0021】
隣接する直線状切刃3a間を接続する円弧状切刃3bは、前記基準点oを中心とし、半径がこの基準点oから直線状切刃3aまでの距離R1より寸法b(本実施例ではR1=15.000mm、b=0.056mm)だけ大であってボールエンドミル本体刃部2の半径と同じR2(R1+b、本実施例では15.056mm)を半径とする円内にあって、隣接する二つの直線状切刃3aに内接する小さい円に沿って円弧状に形成されており、直線状切刃3aと内接する小円の接点は刃長c(=p+α)の点になるように形成されている。ここで、bの設定値は、プレス加工される被加工材の板厚、形状そしてボールエンドミルのピックフィードを考慮して決められるものである。
【0022】
次にこのように構成されたボールエンドミル1を用いてのプレス金型加工について説明する。
【0023】
切削時には、本実施例におけるボールエンドミル1をNCフライス盤に取り付け、ボールエンドミル1を回転駆動せしめ、予め設定された被加工物であるプレス金型wの加工形状に関する数値制御データに基づいてプレス金型wの素材w′に対するボールエンドミル1の基準点oの相対位置を制御することで素材w′をボールエンドミル本体2の先端部2aに形成した切刃3により切削加工する。
【0024】
ボールエンドミル1と回転中心軸線Lと直交する製品成形面waの例えばA部を切削加工する際は、ボールエンドミル1の最先端に位置する直線状切刃3aによって行われる。
【0025】
ボールエンドミル1の最先端に位置する直線状切刃3aによるA部の切削加工を図2におけるE部の拡大を模型的に示す図3によって詳細に説明する。
【0026】
ボールエンドミル1を回転駆動し、前記加工形状に関する数値制御データに従ってプレス金型wの素材w′に対するボールエンドミル1の基準点oの相対位置を移動することで実線で示す最先端に位置する直線状切刃3a及びこれに隣接する円弧状切刃3bにより切削する。素材w′の切削代が多い所は、最先端の直線状切刃3a及び隣接する円弧状切刃3bだけでなく、隣接する他の直線状切刃3a及び円弧状切刃3b(図1参照)も使用して切削加工をする。
【0027】
続いて、数値制御データに基づいてボールエンドミル1と素材w′の相対位置を直線状切刃3a及び円弧状切刃3bを二点鎖線3a′、3b′で示すようにピックフィード量pだけ水平方向へずらして前記同様最先端に位置する直線状切刃3a及びこれに隣接する円弧状切刃3bによって、また必要に応じて更に隣接する他の直線状切刃3a及び円弧状切刃3bも使用する。
【0028】
この切削加工にあっては、直線状切刃3aの切長cがピックフィード量pより大寸法p+αに形成されていることからカスプのない平滑な切削面が得られる。
【0029】
図4における製品成形面waのA部から次第に湾曲するB部へ順次数値制御データに従って切削部位を移行すると、切削しようとする製品成形面waの形状に従って切削しようとする製品成形面waの部位と対向乃至最も平行状態に近い何れかの直線状切刃3a及びそれに隣接する円弧状切刃3b、必要に応じて他の直線状切刃3a及び円弧状切刃3bにより、直線状切刃3aの刃長cより小なる寸法のピックフィード量pをもって移動しつつ切削することからカスプの極めて少ない平滑な製品成形面waが得られる。
【0030】
以上説明した本発明によるボールエンドミルによれば、ボールエンドミルの先端部に形成される切刃を回転中心軸線上の基準点から等距離でかつ、基準点からの垂線と直交し、更に略円弧状に配設した複数の直線状切刃を有する多角形に形成することから、NCフライス盤等に取付けて3次元形状のプレス金型を加工する際、1つの基準点についてのみの数値制御によって行うことが可能になり、従来の数値制御加工に比べ、加工データ量の増加やピックフィード量を小とする必要がなく、作業時間の増加を招くことなく更に加工面に対応し、切削加工ができ、かつピックフィード量より大なる切刃の直線状切刃によって切削加工することからカスプをなくし、または極めて小量のカプスが残るだけで加工ができる。
【0031】
従って後の仕上研削加工の大幅な削減が可能で、ダイスポッティングプレス内での仕上加工作業の削減やトライ時間の削減に寄与し、かつ高品質のプレス金型が得られることから高品質のプレス成形品が得られる。
【0032】
以上説明では、プレス金型製作に本発明のボールエンドミルを使用した例について説明したが他の金属加工等に広く使用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した本発明によるボールエンドミルによれば、ボールエンドミル本体の先端部に形成される切刃を回転中心軸線上の基準点から等距離で略円弧状に配設された直線状切刃を有する多角形に形成することから、3次元形状の加工製品を加工する際、1つの基準点についてのみの位置を数値制御によって行え、従来の数値制御加工に比べ加工データ量や機械作業時間の増加を招くことなく3次元の切削加工ができ、更に加工面に対応する直線状切刃を用いて切削加工することからカスプの量を極めて小とすることが可能であり、後の研削等の仕上加工の大幅な削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるボールエンドミルの一実施例を説明するボールエンドミル本体の先端部の要部断面である。
【図2】図1のC部拡大断面図である。
【図3】本実施におけるボールエンドミル及び従来のボールエンドミルによる切削状態を説明する図である。
【図4】被切削物であるプレス金型の説明斜視図である。
【図5】従来のボールエンドミルによる切削状態を示す説明図である。
【図6】従来のボールエンドミルの説明図である。
【図7】従来のボールエンドミルの説明図である。
【図8】従来のボールエンドミルの説明図である。
【符号の説明】
1 ボールエンドミル
2 ボールエンドミル本体刃部
2a 先端部
3 切刃
3a 直線状切刃
3b 円弧状切刃
c 刃長
n 垂線
o 基準点
p ピックフィード量
L 回転中心軸線
【産業上の利用分野】
本発明はプレス金型加工などの3次元加工を必要とする加工等に広く使用されるボールエンドミルに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、プレス金型の製品成形面は、粗面成形工程および研削工程により切削加工および研削仕上加工が施されている。
【0003】
図4及び図5によって更に具体的に説明すると、プレス金型wの製品成形面waは、粗面成形工程によりNCフライス盤等が使用され、ボールエンドミルaによる切削加工により成形される。
【0004】
粗面成形工程により素材w′から切削加工された製品成形面waには山形の刃物の跡である凹凸状のカスプbが残る。
【0005】
これらカスプbを取除き、平滑な製品成形面waに仕上げるため粗面成形工程に続いて研削工程により研削仕上加工が行われる。
【0006】
研削工程による研削仕上加工は、放電加工、電解研摩、超音波研摩など電気および化学的方法や、電動工具、やすり等の手工具により行われ、プレス金型製作全体に対し占める工数の比率は高く一般に15〜45%にも達する。
【0007】
研削工程により平滑な面に研削仕上された製品成形面waは、耐摩耗性向上のため工業用クロームメッキ処理が施されることもある。
【0008】
粗面成形工程において用いられるボールエンドミルは、一般に図6に示すようにボールエンドミル本体kの外径寸法をDとすると、切刃dの先端半径はD/2に形成されている。
【0009】
このようなボールエンドミルを用いる粗面成形においてカスプbの発生量を少なくして後の研削工程の作業軽減を図るには小径のボールエンドミルkを使用し、ピックフィード量pを少なくすればよいが切削作業時間の増大を招く、また大径のボールエンドミルaを用いるには加工形状上の制約がある。
【0010】
この対策として実開昭64−12718号公報に開示され、かつ図7に要部断面図を示すように、ボールエンドミル本体eの切刃部f先端に大径な円に沿う第1の円弧形状部gを形成するとともに、この切刃部fの外周部位に第1の円弧形状部gよりも小径な円に沿う第2の円弧形状部hを形成し、大径な第1の円弧形状部gによって被加工物の加工速度を高めると同時にカスプの量を低減し、かつ切刃部fの外周部位に形成した小径な第2の円弧形状部hによって被加工物の細部形状を加工し易くしたボールエンドミルが提案されている。
【0011】
また特開平1−228711号公報に開示され、要部側面図を図8に示すように、側面i及び底面jに切刃を備えたボールエンドミルmにおいて、前記底面jの回転中心部近傍の切刃を回転軸と垂直な面内に配置することによりカスプの量を低減するようにしたものが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記実開昭64−12718号公報に開示されるボールエンドミルにあっては、切刃部先端に大径な円に沿う第1の円弧形状部によって被加工物の加工速度を高めると同時にカスプの量を低減し、かつ小径な第2の円弧形状部によって被加工物の細部形状を加工することができる。しかし、切刃形状が円弧状であることから、山形のカスプが残存し、かつ第1の円弧形状部の中心位置と第2の円弧形状部の中心位置とを異にすることから、被加工物の形状、例えば図4に示すプレス金型においてA部の切削加工には第1の円弧形状部によって、また傾斜するB部の切削加工には第2の円弧形状部によって行われることから、加工部位に相応して数値制御の基準点となる第1及び第2の円弧形状部の中心位置が変わり、NCフライス盤等の数値制御データの増大を招き、その制御が複雑になる等の不具合がある。
【0013】
また特開平1−228711号公報に開示されたボールエンドミルにあっては、底面の切刃により平坦な加工面を切削する際にはカスプの量を極力少なくすることができる。しかし、プレス金型等のように3次元加工を要するものにあっては、加工形状によっては底面に位置する切刃と側面に位置する切刃との接合部分によって被加工物が切削されることから、カスプ量の増大を招き、かつ前記同様加工部位の変化に相応して数値制御の基準点となる位置が変わり、NCフライス盤等の数値制御データ量の増加が余儀なくされ、制御が複雑になる等の不具合がある。
【0014】
従って本発明の目的は、数値制御データ量の増大を招くことがなく、しかもカスプの量を抑制して後の研削仕上加工の軽減が得られるボールエンドミルを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明によるボールエンドミルは、ボールエンドミル本体の先端部に切刃を備えたボールエンドミルにおいて、切刃がボールエンドミルの回転中心軸線上の基準点から等距離で該基準点からの垂線と直交し、かつボールエンドミルの先端からボールエンドミル本体の基端方向へ移行する略円弧状に沿って配設され、刃長が加工時のピックフィード量より大である複数の直線状切刃を有する多角形であることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】
ボールエンドミルを回転駆動せしめ、予め設定された被加工物の加工形状に関する数値制御データに基づいて被加工物に対する1つの基準点位置を制御することによって被加工物の加工部位に相応したいずれかの直線状切刃によって切削加工することによりカスプの量を大幅に低減し、ボールエンドミルによる加工後の研削仕上作業の軽減を図る。
【0017】
【実施例】
以下、本発明におけるボールエンドミルの一実施例を図4に要部斜視図を示すプレス金型のwの製品成形面waを粗面加工する場合を例に図によって説明する。
【0018】
図1はボールエンドミル1におけるボールエンドミル本体刃部2の先端部2aの要部断面図であり、ボールエンドミル本体刃部2の先端部2aには切刃3が形成されている。
【0019】
切刃3は、図1のS部拡大を図2に示すようにボールエンドミル1の回転中心軸線L上に基準点oから等距離R1 でかつ基準点oの垂線nと直交し、かつボールエンドミル先端2cからボールエンドミル1の基端方向へ移行する略円弧状に沿って、あるいはねじれ角をもつ刃面に沿って等ピッチで配設される複数(本実施例では13)の直線状切刃3a及び各直線状切刃3a間を接続する複数の円弧状切刃3bを有している。
【0020】
直線状切刃3aの刃長cは、被加工物であるプレス金型wを切削加工する際のピックフィード量pより大なる寸法p+αに形成され、かつボールエンドミル1の最先端に形成される直線状切刃3aは、回転中心軸線Lと直交し、更に刃長cの中央部位を回転中心軸線Lが通るように形成されている。
【0021】
隣接する直線状切刃3a間を接続する円弧状切刃3bは、前記基準点oを中心とし、半径がこの基準点oから直線状切刃3aまでの距離R1より寸法b(本実施例ではR1=15.000mm、b=0.056mm)だけ大であってボールエンドミル本体刃部2の半径と同じR2(R1+b、本実施例では15.056mm)を半径とする円内にあって、隣接する二つの直線状切刃3aに内接する小さい円に沿って円弧状に形成されており、直線状切刃3aと内接する小円の接点は刃長c(=p+α)の点になるように形成されている。ここで、bの設定値は、プレス加工される被加工材の板厚、形状そしてボールエンドミルのピックフィードを考慮して決められるものである。
【0022】
次にこのように構成されたボールエンドミル1を用いてのプレス金型加工について説明する。
【0023】
切削時には、本実施例におけるボールエンドミル1をNCフライス盤に取り付け、ボールエンドミル1を回転駆動せしめ、予め設定された被加工物であるプレス金型wの加工形状に関する数値制御データに基づいてプレス金型wの素材w′に対するボールエンドミル1の基準点oの相対位置を制御することで素材w′をボールエンドミル本体2の先端部2aに形成した切刃3により切削加工する。
【0024】
ボールエンドミル1と回転中心軸線Lと直交する製品成形面waの例えばA部を切削加工する際は、ボールエンドミル1の最先端に位置する直線状切刃3aによって行われる。
【0025】
ボールエンドミル1の最先端に位置する直線状切刃3aによるA部の切削加工を図2におけるE部の拡大を模型的に示す図3によって詳細に説明する。
【0026】
ボールエンドミル1を回転駆動し、前記加工形状に関する数値制御データに従ってプレス金型wの素材w′に対するボールエンドミル1の基準点oの相対位置を移動することで実線で示す最先端に位置する直線状切刃3a及びこれに隣接する円弧状切刃3bにより切削する。素材w′の切削代が多い所は、最先端の直線状切刃3a及び隣接する円弧状切刃3bだけでなく、隣接する他の直線状切刃3a及び円弧状切刃3b(図1参照)も使用して切削加工をする。
【0027】
続いて、数値制御データに基づいてボールエンドミル1と素材w′の相対位置を直線状切刃3a及び円弧状切刃3bを二点鎖線3a′、3b′で示すようにピックフィード量pだけ水平方向へずらして前記同様最先端に位置する直線状切刃3a及びこれに隣接する円弧状切刃3bによって、また必要に応じて更に隣接する他の直線状切刃3a及び円弧状切刃3bも使用する。
【0028】
この切削加工にあっては、直線状切刃3aの切長cがピックフィード量pより大寸法p+αに形成されていることからカスプのない平滑な切削面が得られる。
【0029】
図4における製品成形面waのA部から次第に湾曲するB部へ順次数値制御データに従って切削部位を移行すると、切削しようとする製品成形面waの形状に従って切削しようとする製品成形面waの部位と対向乃至最も平行状態に近い何れかの直線状切刃3a及びそれに隣接する円弧状切刃3b、必要に応じて他の直線状切刃3a及び円弧状切刃3bにより、直線状切刃3aの刃長cより小なる寸法のピックフィード量pをもって移動しつつ切削することからカスプの極めて少ない平滑な製品成形面waが得られる。
【0030】
以上説明した本発明によるボールエンドミルによれば、ボールエンドミルの先端部に形成される切刃を回転中心軸線上の基準点から等距離でかつ、基準点からの垂線と直交し、更に略円弧状に配設した複数の直線状切刃を有する多角形に形成することから、NCフライス盤等に取付けて3次元形状のプレス金型を加工する際、1つの基準点についてのみの数値制御によって行うことが可能になり、従来の数値制御加工に比べ、加工データ量の増加やピックフィード量を小とする必要がなく、作業時間の増加を招くことなく更に加工面に対応し、切削加工ができ、かつピックフィード量より大なる切刃の直線状切刃によって切削加工することからカスプをなくし、または極めて小量のカプスが残るだけで加工ができる。
【0031】
従って後の仕上研削加工の大幅な削減が可能で、ダイスポッティングプレス内での仕上加工作業の削減やトライ時間の削減に寄与し、かつ高品質のプレス金型が得られることから高品質のプレス成形品が得られる。
【0032】
以上説明では、プレス金型製作に本発明のボールエンドミルを使用した例について説明したが他の金属加工等に広く使用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上説明した本発明によるボールエンドミルによれば、ボールエンドミル本体の先端部に形成される切刃を回転中心軸線上の基準点から等距離で略円弧状に配設された直線状切刃を有する多角形に形成することから、3次元形状の加工製品を加工する際、1つの基準点についてのみの位置を数値制御によって行え、従来の数値制御加工に比べ加工データ量や機械作業時間の増加を招くことなく3次元の切削加工ができ、更に加工面に対応する直線状切刃を用いて切削加工することからカスプの量を極めて小とすることが可能であり、後の研削等の仕上加工の大幅な削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるボールエンドミルの一実施例を説明するボールエンドミル本体の先端部の要部断面である。
【図2】図1のC部拡大断面図である。
【図3】本実施におけるボールエンドミル及び従来のボールエンドミルによる切削状態を説明する図である。
【図4】被切削物であるプレス金型の説明斜視図である。
【図5】従来のボールエンドミルによる切削状態を示す説明図である。
【図6】従来のボールエンドミルの説明図である。
【図7】従来のボールエンドミルの説明図である。
【図8】従来のボールエンドミルの説明図である。
【符号の説明】
1 ボールエンドミル
2 ボールエンドミル本体刃部
2a 先端部
3 切刃
3a 直線状切刃
3b 円弧状切刃
c 刃長
n 垂線
o 基準点
p ピックフィード量
L 回転中心軸線
Claims (3)
- ボールエンドミル本体の先端部に切刃を備えたボールエンドミルにおいて、切刃がボールエンドミルの回転中心軸線上の基準点から等距離で該基準点からの垂線と直交し、かつボールエンドミルの先端からボールエンドミル本体の基端方向へ移行する略円弧状に沿って配設され、刃長が加工時のピックフィード量より大である複数の直線状切刃を有する多角形であることを特徴とするボールエンドミル。
- 前記ボールエンドミルの最先端に配設される直線状切刃が回転中心軸線と直交する方向に延設することを特徴とする請求項1に記載のボールエンドミル。
- 前記各直線状切刃間が、円弧状切刃を介して連続していることを特徴とする請求項1または2に記載のボールエンドミル。
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JP27812493A JP3703859B2 (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | ボールエンドミル |
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JP27812493A JP3703859B2 (ja) | 1993-11-08 | 1993-11-08 | ボールエンドミル |
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JPH07132407A JPH07132407A (ja) | 1995-05-23 |
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- 1993-11-08 JP JP27812493A patent/JP3703859B2/ja not_active Expired - Fee Related
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